JP2011106615A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチを備える無段変速機の変速品質を向上させる。
【解決手段】無段変速機を制御するCVT制御ユニットは、予め設定された固定変速比を段階的に切り換える多段変速モードを備えている。また、無段変速機にはトルクコンバータが組み付けられ、このトルクコンバータにはロックアップクラッチが組み込まれている。変速速度の高い多段変速モードが設定された状態のもとで、ロックアップクラッチが過渡状態に制御された場合には、CVT制御ユニットによって変速速度が引き下げられる。これにより、ロックアップクラッチ出力側のタービン回転数Ntが緩やかに変化するため(符号β)、ロックアップクラッチの作動状態を安定させることができ、変速品質を向上させることが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、ロックアップクラッチを備える無段変速機の制御装置に関する。
車両の動力伝達系に組み付けられる無段変速機(CVT)は、入力軸に設けられるプライマリプーリと、出力軸に設けられるセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡される駆動チェーンとを有している。それぞれのプーリの溝幅を変化させて駆動チェーンの巻き付け径を変化させることにより、変速比を連続的に変化させることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジン動力を無段変速機に対して滑らかに伝達するため、エンジンと無段変速機との間にはトルクコンバータが組み込まれている。滑り要素であるトルクコンバータには、エンジンのクランク軸と無段変速機の入力軸とを直結するロックアップクラッチが組み込まれている。
また、無段変速機においては、プーリ溝幅を調整することで如何なる変速比にも設定することができるため、手動変速機や自動変速機のように複数の固定変速比を切り換えて変速することが可能となる。これにより、無段変速機を搭載した車両においても、多段変速のシフトフィーリングを得ることができるため、無段変速機の商品性を向上させることが可能となっている。このような多段変速モードは、車両の走行状況や運転手のシフト操作に基づいて設定されている。
特開平5−79554号公報
ところで、前述したように、無段変速機を多段変速モードで制御する場合には、シフト前の変速比とシフト後の変速比とが離れることから、変速比を連続的に変化させる無段変速モードよりも変速速度が高められる。しかしながら、ロックアップクラッチが締結途中や解放途中の過渡状態において、多段変速モードによる変速制御が実行された場合には、速い変速速度に伴ってプライマリプーリの回転速度が急変することになっていた。このため、ロックアップクラッチ前後の回転数差が大きく変動し、ロックアップクラッチの作動状態が不安定となるため、多段変速モードの変速品質を低下させる要因となっていた。
本発明の目的は、ロックアップクラッチを備える無段変速機の変速品質を向上させることにある。
本発明の無段変速機の制御装置は、エンジンと変速機構との間にロックアップクラッチを備える無段変速機の制御装置であって、段階的に設定される複数の固定変速比を切り換えて前記変速機構を制御する多段変速制御手段と、前記ロックアップクラッチの作動状態が、定常状態であるか過渡状態であるかを判定するクラッチ判定手段と、前記多段変速制御手段によって前記変速機構を制御する際に、前記ロックアップクラッチが過渡状態である場合には、前記ロックアップクラッチが定常状態のときよりも変速速度を引き下げる変速速度制限手段とを有することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記変速速度制限手段は、アクセル開度と車速とに基づき設定される目標変速比を用いて前記変速機構を制御することにより、変速速度を引き下げることを特徴とする。
本発明によれば、多段変速制御手段によって変速機構を制御する際に、ロックアップクラッチが過渡状態である場合には、変速速度を引き下げるようにしたので、過渡制御されるロックアップクラッチの作動状態を安定させることができ、変速品質を向上させることが可能となる。
車両に搭載される無段変速機を示すスケルトン図である。 無段変速機の油圧制御系を示す概略図である。 ロックアップ制御に用いられる締結特性マップの一例を示す説明図である。 無段変速モードにおいて使用される変速特性マップの一例を示す説明図である。 多段変速モードにおいて使用されるシフトパターンの一例を示す説明図である。 多段変速モードにおいて使用される固定変速比の一例を示す説明図である。 CVT制御ユニットの変速制御系を示すブロック図である。 多段変速モードが設定された状態のもとで実行される変速モード切換制御の実行手順を示すフローチャートである。 (A)および(B)はエンジン回転数とタービン回転数との関係を示す線図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は車両に搭載される無段変速機10を示すスケルトン図である。図1に示すように、無段変速機10は、エンジン11に駆動されるプライマリ軸12と、これに平行となるセカンダリ軸13とを有している。プライマリ軸12とセカンダリ軸13との間には変速機構14が設けられており、セカンダリ軸13と駆動輪15との間には減速機構16や差動機構17が設けられている。
プライマリ軸12にはプライマリプーリ20が設けられており、このプライマリプーリ20は固定シーブ20aと可動シーブ20bとによって構成されている。可動シーブ20bの背面側には作動油室21が区画されており、作動油室21内の圧力を調整してプーリ溝幅を変化させることが可能となる。また、セカンダリ軸13にはセカンダリプーリ22が設けられており、このセカンダリプーリ22は固定シーブ22aと可動シーブ22bとによって構成されている。可動シーブ22bの背面側には作動油室23が区画されており、作動油室23内の圧力を調整してプーリ溝幅を変化させることが可能となる。さらに、プライマリプーリ20とセカンダリプーリ22とには駆動チェーン24が巻き掛けられている。プーリ20,22の溝幅を変化させて駆動チェーン24の巻き付け径を変化させることにより、プライマリ軸12からセカンダリ軸13に対する無段変速が可能となっている。
このような変速機構14にエンジン動力を伝達するため、クランク軸25とプライマリ軸12との間にはトルクコンバータ30および前後進切換機構31が設けられている。トルクコンバータ30は、クランク軸25にフロントカバー32を介して連結されるポンプインペラ33と、このポンプインペラ33に対向するとともにタービン軸34に連結されるタービンランナ35とを備えている。このトルクコンバータ30は、作動油を介してポンプインペラ33からタービンランナ35にエンジン動力を伝達する構造となっている。この滑り要素であるトルクコンバータ30には、エンジン動力の伝達効率を向上させるため、クランク軸25とタービン軸34とを直結するロックアップクラッチ36が設けられている。ロックアップクラッチ36はタービンランナ35に連結されるクラッチプレート37を有しており、このクラッチプレート37はフロントカバー32とタービンランナ35との間に配置されている。クラッチプレート37のタービンランナ35側にはアプライ室38が区画されており、クラッチプレート37のフロントカバー32側にはリリース室39が区画されている。
アプライ室38に作動油を供給してリリース室39から作動油を排出することにより、クラッチプレート37はフロントカバー32に押し付けられ、ロックアップクラッチ36はクランク軸25とタービン軸34とを直結する締結状態となる。一方、リリース室39に作動油を供給してアプライ室38から作動油を排出することにより、クラッチプレート37はフロントカバー32から引き離され、ロックアップクラッチ36はクランク軸25とタービン軸34とを切り離す解放状態となる。また、リリース室39とアプライ室38との圧力を調整することにより、ロックアップクラッチ36をスリップロックアップ状態に制御することが可能となる。このスリップロックアップ状態においては、ロックアップクラッチ36がスリップ状態で保持されるため、ロックアップクラッチ36を介した振動伝達を抑制することができ、車両の走行品質を向上させることが可能となる。
また、前後進切換機構31は、ダブルピニオン式の遊星歯車列40、前進クラッチ41および後退ブレーキ42を備えている。これら前進クラッチ41や後退ブレーキ42を制御することにより、エンジン動力の伝達径路を切り換えることが可能となる。前進クラッチ41を締結して後退ブレーキ42を解放することにより、タービン軸34の回転をそのままプライマリプーリ20に伝達することが可能となる。一方、前進クラッチ41を解放して後退ブレーキ42を締結することにより、タービン軸34の回転を逆転してプライマリプーリ20に伝達することが可能となる。なお、前進クラッチ41および後退ブレーキ42を共に解放することにより、タービン軸34とプライマリ軸12とを切り離すことが可能となる。
図2は無段変速機10の油圧制御系を示す概略図である。図2に示すように、プライマリプーリ20、セカンダリプーリ22、トルクコンバータ30等に対して作動油を供給するため、油圧制御系にはエンジン11に駆動されるオイルポンプ50が設けられている。オイルポンプ50に接続されるセカンダリ圧路51は、セカンダリプーリ22の作動油室23に接続されるとともにセカンダリ圧制御弁52の調圧ポート52aに接続されている。このセカンダリ圧制御弁52を介して調圧されるライン圧としてのセカンダリ圧は、駆動チェーン24に滑りを生じさせることのないように、エンジントルクや目標変速比等に基づいて調圧される。また、セカンダリ圧路51はプライマリ圧制御弁53の入力ポート53aに接続されており、プライマリ圧制御弁53の出力ポート53bから延びるプライマリ圧路54はプライマリプーリ20の作動油室21に接続されている。このプライマリ圧制御弁53を介して調圧されるプライマリ圧は、目標変速比に向けてプライマリプーリ20の溝幅を制御するように、目標変速比やセカンダリ圧等に基づいて調圧される。
また、ロックアップクラッチ36に作動油を供給するため、トルクコンバータ30とセカンダリ圧路51との間には、クラッチ圧を調圧するクラッチ圧制御弁55と油路を切り換えるスイッチ弁56とが設けられている。セカンダリ圧路51から分岐する分岐油路57はクラッチ圧制御弁55の入力ポート55aに接続されており、クラッチ圧制御弁55の出力ポート55bから延びるクラッチ圧路58はスイッチ弁56に接続されている。また、潤滑圧路59から分岐する分岐油路60はスイッチ弁56に対して接続されている。さらに、スイッチ弁56には、アプライ室38に連通するアプライ圧路61と、リリース室39に連通するリリース圧路62とが接続されている。ロックアップクラッチ36を締結状態に切り換える際には、スイッチ弁56内のスプール弁軸が締結位置に切り換えられる。これにより、アプライ圧路61からアプライ室38にクラッチ圧が供給され、リリース圧路62からリリース室39の作動油が排出される。一方、ロックアップクラッチ36を解放状態に切り換える際には、スイッチ弁56内のスプール弁軸が解放位置に切り換えられる。これにより、アプライ圧路61からアプライ室38の作動油が排出され、リリース圧路62からリリース室39に潤滑圧が供給される。
ここで、図3はロックアップ制御に用いられる締結特性マップの一例を示す説明図である。図3に示すように、締結特性マップには、車速Vとアクセル開度Accとに基づいて、ロックアップクラッチ36が締結されるロックアップ領域と、ロックアップクラッチ36が解放されるコンバータ領域とが区画されている。そして、CVT制御ユニット70は、車速Vとアクセル開度Accとに基づき図3の締結特性マップを参照することにより、クラッチ圧制御弁55やスイッチ弁56を制御してロックアップクラッチ36を制御することになる。なお、加速時や減速時等においては、ロックアップクラッチ36をスリップ状態に保持するスリップロックアップ制御が実行される。
このような油圧制御系に対して制御信号を出力するCVT制御ユニット70は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)を備えており、このCPUにはバスラインを介してROM、RAMおよびI/Oポートが接続される。ROMには制御プログラムや各種マップデータなどが格納されており、RAMにはCPUで演算処理したデータが一時的に格納されている。また、I/Oポートを介してCPUには各種センサから車両状態を示す検出信号が入力される。CVT制御ユニット70に接続される各種センサとしては、プライマリプーリ20の回転数を検出するプライマリ回転数センサ71、セカンダリプーリ22の回転数を検出するセカンダリ回転数センサ72、車速を検出する車速センサ73、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ74、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ75、スロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ76、セレクトレバー77の操作状況を検出するインヒビタスイッチ78等が設けられている。
続いて、無段変速機10の変速制御について説明する。CVT制御ユニット70は、変速比を連続的に変化させる無段変速モードと、変速比を段階的に変化させる多段変速モードとを備えている。これらの変速モードは運転手のセレクトレバー操作に応じて切り換えられている。図2に示すように、セレクトレバー77を案内するゲート80は、無段変速ゲート81と多段変速ゲート82とによって構成されている。セレクトレバー77を無段変速ゲート81に移動させることで無段変速モードが設定される一方、セレクトレバー77を多段変速ゲート82に移動させることで多段変速モードが設定されることになる。なお、セレクトレバー操作によって変速モードを切り換えることなく、予め設定された変速領域毎に自動的に変速モードを切り換えても良い。ここで、図4は無段変速モードにおいて使用される変速特性マップの一例を示す説明図である。また、図5は多段変速モードにおいて使用されるシフトパターンの一例を示す説明図である。また、図6は多段変速モードにおいて使用される固定変速比の一例を示す説明図である。
セレクトレバー操作によって無段変速モードが設定されると、CVT制御ユニット70は、車速Vとアクセル開度Accとに基づき図4の変速特性マップを参照し、この変速特性マップから目標プライマリ回転数Npを算出する。そして、CVT制御ユニット70は、目標プライマリ回転数Npに基づき目標変速比を算出し、この目標変速比に基づいてプライマリ圧Ppとセカンダリ圧Psとを制御する。図4に示すように、無段変速モードにおいて参照される変速特性マップには、最大変速比を示す特性線Lowと最小変速比を示す特性線Highとが設定されており、特性線Low,Highの間にはアクセル開度Accに対応した複数の特性線A1〜A8が設定されている。例えば、図4に符号αで示す走行状態から、特性線A6に相当するアクセル開度までアクセルペダルが踏み込まれた場合には、目標プライマリ回転数としてNp1が設定され、目標変速比としてTr1が設定されることになる。また、図4に符号αで示す走行状態から、特性線A2に相当するアクセル開度までアクセルペダルの踏み込みが緩められた場合には、目標プライマリ回転数としてNp2が設定され、目標変速比としてTr2が設定されることになる。このように、無段変速モードにおいては、刻々と変化する車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて、目標変速比が連続的に設定されるようになっている。
一方、セレクトレバー操作によって多段変速モードが設定されると、CVT制御ユニット70は、車速Vとアクセル開度Accとに基づき図5のシフトパターンを参照し、このシフトパターンから変速制御に用いられる固定変速比R1〜R5を選択する。図6に示すように、特性線Lowと特性線Highとの間に区画される変速領域内には、多段変速モードで使用される固定変速比R1〜R5が予め設定されている。また、図5に示すように、シフトパターンには、固定変速比R1〜R5間でのアップシフトを規定する複数のアップシフト線(実線)が設定されており、固定変速比R1〜R5間でのダウンシフトを規定する複数のダウンシフト線(破線)が設定されている。そして、各シフト線を跨ぐように車速Vやアクセル開度Accが変化したときに、各固定変速比R1〜R5間でのアップシフトやダウンシフトが実行されることになる。このように、固定変速比R1〜R5を用いて変速制御を実行することにより、無段変速機10でありながら前進5段の変速機と同様のシフトフィーリングを得ることが可能となっている。
なお、図2に示すように、多段変速ゲート82内においてはセレクトレバー77を前後方向に動かすことが可能となっている。そして、セレクトレバー77を前方(+方向)に動かすことによってアップシフトが可能となり、セレクトレバー77を後方(−方向)に動かすことによってダウンシフトが可能となる。このように、シフトパターンに従って固定変速比R1〜R5を切り換えるだけでなく、運転手のセレクトレバー操作に応じて固定変速比R1〜R5を切り換えることも可能となっている。また、図示する場合には、固定変速比R1〜R5が5段階に分けて設定されているが、これに限られることはなく、固定変速比の設定数を増減させるようにしても良い。
図7はCVT制御ユニット70の変速制御系を示すブロック図である。図7に示すように、CVT制御ユニット70は、無段変速モードにおける目標変速比を算出するため、目標プライマリ回転数算出部90と変速比算出部91とを備えている。目標プライマリ回転数算出部90は、車速Vとアクセル開度Accに基づき図4の変速特性マップを参照して目標プライマリ回転数Npを算出する。また、変速比算出部91は、目標プライマリ回転数Npと実セカンダリ回転数Ns’とに基づいて目標変速比iaを算出する。そして、算出された目標変速比iaは目標変速比設定部92に入力され、目標変速比設定部92は目標変速比iaを演算用の目標変速比iとして設定する。また、多段変速制御手段として機能するCVT制御ユニット70は、多段変速モードの目標変速比ibを設定するため、変速比選択部93を備えている。変速比選択部93は、車速Vとアクセル開度Accに基づき図5のシフトパターンを参照して固定変速比R1〜R5のうちから目標変速比ibを選択する。そして、選択された目標変速比ibは目標変速比設定部92に入力され、目標変速比設定部92は目標変速比ibを演算用の目標変速比iとして設定する。
また、CVT制御ユニット70は、変速モードを切り換えるため、変速モード設定部94を備えている。この変速モード設定部94は、インヒビタスイッチ78からの信号に基づいてセレクトレバー77の操作位置を検出し、セレクトレバー77の操作位置に基づいて無段変速モードまたは多段変速モードを設定する。無段変速モードが設定された場合には、変速比算出部91によって目標変速比iaが算出され、目標変速比設定部92に向けて目標変速比iaが出力される。一方、多段変速モードが設定された場合には、変速比選択部93によって目標変速比ibが選択され、目標変速比設定部92に向けて目標変速比ibが出力される。すなわち、無段変速モードにおいては目標変速比iaが目標変速比iとして設定される一方、多段変速モードにおいては目標変速比ibが目標変速比iとして設定されることになる。
このような目標変速比iに基づいて目標プライマリ圧Ppを算出するため、CVT制御ユニット70は、油圧比算出部95および目標プライマリ圧算出部96を備えている。油圧比算出部95は、目標変速比iに対応する目標プライマリ圧Ppと目標セカンダリ圧Psとの油圧比(Pp/Ps)を算出し、目標プライマリ圧算出部96は、油圧比に目標セカンダリ圧Psを乗算して目標プライマリ圧Ppを算出する。また、CVT制御ユニット70は、目標プライマリ圧Ppをフィードバック制御するため、実変速比算出部97、フィードバック値算出部98、加算部99を備えている。実変速比算出部97は、実プライマリ回転数Np’と実セカンダリ回転数Ns’とに基づいて実変速比i’を算出し、フィードバック値算出部98は、実変速比i’と目標変速比iとに基づいてフィードバック値Fを算出する。続いて、フィードバック値Fは加算部99に入力され、加算部99は目標プライマリ圧Ppにフィードバック値Fを加算する。これにより、目標変速比iに実変速比i’が近づくように、目標プライマリ圧Ppはフィードバック制御されるようになっている。
さらに、CVT制御ユニット70は、目標セカンダリ圧Psを算出するため、入力トルク算出部100、必要セカンダリ圧算出部101、目標セカンダリ圧算出部102を備えている。入力トルク算出部100は、エンジン回転数Neとスロットル開度Toとに基づいて、エンジン11からプライマリ軸12に入力される入力トルクTiを算出し、必要セカンダリ圧算出部101は、目標変速比iに基づいて必要セカンダリ圧Psnを算出する。これらの入力トルクTiと必要セカンダリ圧Psnとは目標セカンダリ圧算出部102に入力され、目標セカンダリ圧算出部102によって目標セカンダリ圧Psが算出される。そして、目標セカンダリ圧Psに向けてセカンダリ圧制御弁52が制御され、セカンダリプーリ22は駆動チェーン24の伝達トルクに見合った締め付け力で制御される。
ところで、図6に示すように、多段変速モードにおいては、離れた固定変速比R1〜R5間で変速することから、変速比が連続的に変化する無段変速モードに比べて変速比を変化させる速度すなわち変速速度が高められている。特に、多段変速モードにおいて、キックダウン等のアクセル操作やマニュアルモードのシフト操作に対する変速品質を向上させるためには、変速速度を高めて俊敏な変速動作を達成することが重要となっている。しかしながら、変速速度の高い多段変速モードにおいては、ロックアップクラッチ36が締結途中や解放途中の過渡状態に制御されたときに、エンジン回転変動やトルク変動等を招いて変速品質を低下させるおそれがあった。すなわち、ロックアップクラッチ36の過渡状態においては、クラッチ入力側のエンジン回転数Neとクラッチ出力側のタービン回転数(タービン軸34の回転数)Ntとの差回転に基づいて、ロックアップクラッチ36のアプライ室38やリリース室39に供給する作動油を調整している。このようなロックアップクラッチ36の過渡制御において、変速速度の高い多段変速モードでの変速を行った場合には、プライマリ回転数(タービン回転数)が急変することから、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの差回転が大きく変動することになる。この差回転の変動はロックアップクラッチ36の過渡制御に影響を与えることから、ロックアップクラッチ36の作動状態が不安定となり、エンジン回転変動やトルク変動等を招くことになっていた。
そこで、図7に示すように、クラッチ判定手段として機能するCVT制御ユニット70にはクラッチ判定部103が設けられており、クラッチ判定部103によってロックアップクラッチ36の作動状態が判定されている。また、CVT制御ユニット70にはロックアップ制御部104が設けられており、ロックアップ制御部104によってロックアップクラッチ36に対する制御信号が演算されている。ロックアップ制御部104は、車速Vとアクセル開度Accとに基づき図3の締結特性マップを参照することにより、ロックアップクラッチ36を締結するか否かについて判定する。また、ロックアップ制御部104には、クラッチジャダー等に関する検出信号も入力されており、これら検出信号を加味してロックアップクラッチ36を締結するか否かについて判定している。
続いて、クラッチ判定部103は、ロックアップ制御部104からの制御信号に基づいて、ロックアップクラッチ36が定常状態(締結状態,解放状態,スリップロックアップ状態)であるか、或いはロックアップクラッチ36が定常状態に移行する過渡状態であるかについて判定する。クラッチ判定部103は、ロックアップクラッチ36に対する制御信号(締結信号,解放信号,スリップロックアップ信号)が出力されてから、所定時間が経過する迄はロックアップクラッチ36が過渡状態であると判定し、所定時間が経過した後にはロックアップクラッチ36が定常状態であると判定する。なお、この判定方法に限られることはなく、アプライ室38やリリース室39の圧力に基づきロックアップクラッチ36の作動状態を判定しても良く、エンジン回転数Neやタービン回転数Ntに基づきロックアップクラッチ36の作動状態を判定しても良い。
そして、クラッチ判定部103によってロックアップクラッチ36が過渡状態であると判定されると、クラッチ判定部103から変速モード設定部94に対して過渡状態を示す判定信号が出力される。そして、変速モード設定部94に過渡状態を示す判定信号が入力されると、変速モード設定部94は変速モードを無段変速モードに設定することになる。すなわち、多段変速モードが設定された状態のもとで、ロックアップクラッチ36が過渡状態に制御された場合には、変速モードが多段変速モードから無段変速モードに切り換えられることになる。
次いで、前述した変速モードの切換手順をフローチャートに従って説明する。図8は多段変速モードが設定された状態のもとで実行される変速モード切換制御の実行手順を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS10ではロックアップクラッチ36が過渡状態であるか否かが判定される。ステップS10において、ロックアップクラッチ36が定常状態(解放状態,締結状態,スリップロックアップ状態)であると判定された場合には、ステップS11に進み、変速モードとして多段変速モードが維持される。そして、ステップS12に進み、多段変速モードに従って変速制御が実行されることになる。一方、ステップS10において、ロックアップクラッチ36が解放状態や締結状態に移行する過渡状態であると判定された場合には、ステップS13に進み、変速モードが多段変速モードから無段変速モードに切り換えられる。そして、ステップS12に進み、無段変速モードに従って変速制御が実行されることになる。
このように、多段変速モードが設定された状態のもとで、ロックアップクラッチ36が過渡状態であると判定された場合には、変速速度制限手段として機能するCVT制御ユニット70によって、変速モードが多段変速モードから無段変速モードに切り換えられる。この無段変速モードにおいては、車速Vとアクセル開度Accとに応じて目標変速比iが設定されるため、変速速度を引き下げることが可能となる。これにより、ロックアップクラッチ36が過渡状態に制御された場合であっても、変速速度の低下によってプライマリ回転数の急変が抑制されることから、ロックアップクラッチ36の作動状態を安定させることが可能となる。したがって、エンジン回転変動やトルク変動を抑制することができ、変速品質を向上させることが可能となる。なお、ロックアップクラッチ36が過渡状態を経て定常状態に移行したときには、運転手のセレクトレバー操作に従って再び多段変速モードが設定されることになる。
ここで、図9(A)および(B)はエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係を示す線図である。図9(A)には多段変速モードにおいて変速速度を制限しなかった場合の状況が示され、図9(B)には多段変速モードにおいて変速速度を制限した場合の状況が示されている。なお、図9(A)および(B)には同一の走行条件下で得られたエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとが示されている。まず、図9(A)に示すように、ロックアップクラッチ36の過渡状態において、多段変速モードが維持された場合には、符号αで示すように、高い変速速度によってタービン回転数Ntが急変することになる。このため、ロックアップクラッチ36の作動状態が不安定となり、エンジン回転数Neのオーバーシュートやアンダーシュートが発生することになる。これに対し、図9(B)に示すように、ロックアップクラッチ36の過渡状態において、多段変速モードから無段変速モードに切り換えた場合には、符号βで示すように、低い変速速度によってタービン回転数Ntが緩やかに変化することになる。このため、ロックアップクラッチ36の作動状態が安定し、エンジン回転数Neのオーバーシュートやアンダーシュートを抑制することが可能となる。
これまで説明したように、ロックアップクラッチ36が過渡状態となったときに、変速モードを多段変速モードから無段変速モードに切り換えているが、これに限られることはなく、他の方法を用いて変速速度を引き下げても良い。例えば、図7に示すように、CVT制御ユニット70はフィードバック値算出部98を有しており、目標変速比iと実変速比i’との差に基づいて目標プライマリ圧Ppをフィードバック制御しているが、このフィードバック値Fを制限して変速速度を抑制することも可能である。また、変速速度を制限した速度制限モードを設定することにより、ロックアップクラッチ36が過渡状態となったときに、変速モードを多段変速モードから速度制限モードに切り換えても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前述の説明では、アクセル開度Accを用いて変速制御やロックアップ制御を実行しているが、アクセル開度Accに代えてスロットル開度Toを用いるようにしても良い。また、無段変速機としてベルトドライブ式の無段変速機10を挙げて説明したが、これに限られることはなく、トロイダル式の無段変速機に対して本発明を適用しても良い。さらに、プライマリプーリ20とセカンダリプーリ22とに駆動チェーン24を巻き掛けているが、これに限られることはなく、多数のエレメントをバンドで保持した駆動ベルトを巻き掛けるようにしても良い。
10 無段変速機
11 エンジン
14 変速機構
36 ロックアップクラッチ
70 CVT制御ユニット(多段変速制御手段,クラッチ判定手段,変速速度制限手段)

Claims (2)

  1. エンジンと変速機構との間にロックアップクラッチを備える無段変速機の制御装置であって、
    段階的に設定される複数の固定変速比を切り換えて前記変速機構を制御する多段変速制御手段と、
    前記ロックアップクラッチの作動状態が、定常状態であるか過渡状態であるかを判定するクラッチ判定手段と、
    前記多段変速制御手段によって前記変速機構を制御する際に、前記ロックアップクラッチが過渡状態である場合には、前記ロックアップクラッチが定常状態のときよりも変速速度を引き下げる変速速度制限手段とを有することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度制限手段は、アクセル開度と車速とに基づき設定される目標変速比を用いて前記変速機構を制御することにより、変速速度を引き下げることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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