JP2011106105A - 泥土量を削減する地盤改良工法に適した地盤改良気泡材及び地盤改良工法 - Google Patents

泥土量を削減する地盤改良工法に適した地盤改良気泡材及び地盤改良工法 Download PDF

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啓修 小澤
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Abstract

【課題】地盤改良工法において、発生する泥土量を削減することができる地盤改良気泡材を提供する。
【解決手段】起泡剤の希釈水に増粘剤を添加して、液を発泡させることにより強力な膜を持つ気泡を製造する。起泡剤としてアルキルサルフェート系界面活性剤を用いる。増粘剤としてセルロースを使用する。強力な気泡膜にて、セメント・砂・鉄粉を地上から地中に圧送する。機械的若しくは高圧噴射にて地盤と混合撹拌して地盤改良する。これにより、使用水量を削減し、地盤改良工事にて発生する泥土量を低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、地盤改良気泡材、特に、発生する泥土量を削減する地盤改良工法に適した地盤改良気泡材に関する。
従来、地盤改良に使用する材料(セメント、砂、鉄粉等)は、水と混合され液状化(スラリー化)され地盤中に圧送されていた。スラリー化することにより、材料が容易に圧送され、地盤と均質に混合される。しかし、対象地盤中に地盤体積の0.5〜1.5倍程度のスラリーを圧送するため、余剰泥土が産業廃棄物として発生していた。
その泥土量を削減するために、機械による脱水方法や高分子吸水材等の材料にて泥土の水分量を低下させる方法が提案されていた。
また、特許文献1では、低圧、高圧を交互に繰り返すことによる。特許文献2では、排泥を再利用する。特許文献3では、対象土性に応じて水量を考慮する。特許文献4では掘削泥土を地盤改良に利用する。特許文献5では、泥水を再生する。特許文献6では、泥漿をスイベルの導入口から圧入して循環させる。
一方、特許文献7には、撹拌槽内のスラリーの底部から微細気泡を供給し、微細気泡入りスラリーをポンプにて地中に圧送する細粒材の圧送方法が提案されている。特許文献8では、地下連続壁工法や場所打ち杭工法の施工を安価・容易とし、産業廃棄物発生量を減少させるべく、気泡及び水を掘削地盤の掘削土と混合する。特許文献9では、気泡材溶液を発泡させ、その直後の気泡に金属イオンの水溶液を添加混合する気泡シールド工法が提案されている。
特開2008−208620号公報 特開2007−191951号公報 特開2006−104912号公報 特開2004−150070号公報 特開平 11−006142号公報 特開平 06−287935号公報 特開2004−332230号公報 特開2001−207436号公報 特開2005−076285号公報
高圧噴射工法や機械撹拌工法にて施工によって発生する泥土量の削減は経済面のみからだけでなく、地球環境上も重要な課題である。しかし、従来は遠心分離等による機械的脱水や高分子吸水剤を使用した方法であり、作業が煩雑であり機械設備を設置するスペースが必要であるなどで使用例は少ない。
そこで、本発明の発明者は、高圧噴射工法や機械撹拌工法の施工にて発生する泥土量が使用水量に比例することに鑑みて、使用水量を少なくすることにより発生泥土量を低減させることが適切であると考えるに至った。そしてそのために気泡を使うのが適切であると考えた。本発明の目的は、地盤改良工法において、発生する泥土量を削減することができる地盤改良気泡材を提供することにある。
かかる課題を解決すべく、本発明の地盤改良気泡材は、起泡剤の希釈水に増粘剤を添加して、液を発泡させることにより強力な膜を持つ気泡を製造してなるものである。起泡剤としてアルキルサルフェート系界面活性剤を用いる。増粘剤として水溶性セルロースエーテルを使用する。
本発明の地盤改良工法は、前記地盤改良気泡材が有する強力な気泡膜にて、セメント・砂・鉄粉を地上から地中に圧送する。機械的若しくは高圧噴射にて地盤と混合撹拌して地盤改良する。これにより、使用水量を削減し、地盤改良工事にて発生する泥土量を低減する。
地盤改良工事に用いる使用水量を削減できる。そして、その結果、発生する泥土量を低減する。
図1は、高圧噴射工法にて特殊ロッドを地盤中に挿入し地盤改良体を造成している状態の断面図である。 図2は、機械撹拌射工法にてロッドと撹拌翼を地盤中に挿入し地盤改良体を造成している状態の断面図である。 図3は、本発明に係る工法の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る工法の実施形態を説明する。
図3を参照しつつ、本発明に係る地盤改良気泡材の調製の仕方、及びそれを用いた地盤改良工法について説明する。
先ず、ステップ1として、水に増粘剤を水重量の0.3から1.0%添加して、希釈増粘液を生成する(希釈増粘液生成ステップ)。ここで増粘剤とは、粘度を増すために加える薬剤を意味する。増粘剤として非イオン性の水溶性セルロースエーテルを使うことができる。水溶性セルロースエーテルの具体例としては、例えば信越化学工業株式会社の提供するメトローズ(信越化学工業株式会社の商標又は商品名)を用いることができる。パルプを原料とし、これを苛性ソーダで処理した後、エーテル化剤と反応させて得られるものである。0.3から1.0パーセントは、重量パーセントである。
次に、ステップ2として、起泡剤を前記希釈増粘液生成ステップにて生成した希釈増粘液をもちいて、20倍(重量)に希釈することにより、希釈起泡剤を生成する(希釈起泡剤生成ステップ)。ここで、起泡剤とは、 溶媒に溶けてその泡立ちをよくする物質をいう。界面活性剤を用いることができる。特に、硫酸エステル型の陰イオン界面活性剤である、アルキルエーテルサルフェート塩を用いることができる。
ステップ3として、ステップ2にて生成した希釈起泡剤を発泡装置を用いて希釈起泡剤体積の25〜30倍に発泡させた気泡を生成する(気泡生成ステップ)。発泡装置としては、発泡モルタル又はエアミルクを生成するための発泡装置を用いることができる。
ステップ4として、ステップ3で生成した気泡にセメント等の材料(地盤改良材)を混入させた地盤改良気泡材を生成する(地盤改良気泡材生成ステップ)。地盤改良材は、セメント、砂、鉄粉などのうちのいずれか、又はそれらの混合物である。表1は、セメントの場合の配合例1、表2は、砂の場合の配合例2、表3は、鉄粉の場合の配合例3を示す。
Figure 2011106105
Figure 2011106105
Figure 2011106105
ステップ5として、ステップ4で生成した地盤改良気泡材を1〜10Mpa程度の圧力で地盤内に圧送する。圧送された地盤改良気泡材は現地土と混合撹拌され地盤改良体を形成する。圧送された気泡の大部分は地盤内にて消泡する。圧送して地盤改良体を生成する際の工法としては、高圧噴射撹拌工法又は機械式撹拌工法などの従来からある工法を用いることができる。
高圧噴射工法による実施例を図面を参照しつつ説明する。図1は、高圧噴射工法にて特殊ロッドを地盤中に挿入し地盤改良体を造成している状態の断面図である。
まず、特殊ロッドをボーリング方法にて地盤の指定の深度に設置する。次に特殊ロッドを所定の時間にて引上げながら、特殊ロッド側部より超高圧(20〜40Mpa)の水101を噴射し地盤をゆるめ泥土状態102にする。その後、泥土状態にある領域に地盤改良気泡材(気泡+セメント)110を圧送する。地盤改良気泡材が現地土と混合撹拌され、地盤改良体120を形成する。
高圧噴射工法における泥土発生量の算定は、次の式によりなされる。ここで、Vは、発生泥土量。q1は硬化材噴射量。q2は超高圧水噴射量。Hは造成長。tは引上げ速度である。
Figure 2011106105
従来工法と、本願発明の工法とにおいて、泥土発生量がどれだけ変化するかを比べるために、まず、従来工法における泥土発生量を求めたところ、セメント量152キログラムを用いて1メートルの造成長を得るために、用いた硬化剤噴射量が0.20m、超高圧水として用いた水の量は一分あたり0.10m、引上げ速度が1メートルあたり15.00分、発生した泥土量は、4.95mであった。
Figure 2011106105
次に、本願発明の工法によると、セメント量152キログラムに相当する地盤改良気泡材の量が0.51mであるが、それに用いた使用水量が0.02m(従来の5分の1)、超高圧水として用いた水の量は一分あたり0.10m、引上げ速度が1メートルあたり15.00分、発生した泥土量は、1.98mであった。
Figure 2011106105
4.95mと1.98mとを比較すると、使用水量は、10分の1(低減率が90パーセント)、発生泥土の低減率が60パーセントとなる。
Figure 2011106105
機械撹拌工法による実施例を図面を参照しつつ説明する。図2は機械撹拌射工法にてロッドと撹拌翼を地盤中に挿入し地盤改良体を造成している状態の断面図である。
まず、ロッドと撹拌翼を回転させながら地盤の指定の深度に設置する。次にロッド下端部より中圧(1〜10Mpa)の地盤改良気泡材を吐出する。その後、撹拌翼を挿入して現地土と撹拌混合し地盤改良体を形成する。この実施例にあっても、高圧噴射工法と同様に、本願発明の地盤改良気泡材を用いることで、使用水量を減らし、ひいては発生する泥土量を減らすことができる。
実施例1、実施例2では、セメントを地盤改良材とする場合について、記述したが、砂、鉄粉の場合も、同様の効果が得られた。
本発明は、軟弱地盤の改良、構造物基礎の造成、土壌汚染地盤の浄化等を目的とした地盤改良工法に利用可能である。
101 超高圧水
102 泥土状態
110、210 気泡+セメント
120,220 地盤改良体
201 撹拌翼

Claims (5)

  1. 地盤改良の際に発生する泥土量を低減すべく、地盤改良工法に用いる地盤改良気泡材であって、
    水に増粘剤を加えて希釈増粘液を生成し、起泡剤を該希釈増粘液で希釈して希釈起泡剤を生成し、該希釈起泡剤を発泡装置により発泡させて気泡を生成し、該気泡に地盤改良材を混合させてなる地盤改良気泡材。
  2. 請求項1に記載した地盤改良気泡材であって、前記増粘剤として水溶性セルロースエーテルを用い、起泡剤としてアルキルサルフェート系界面活性剤を用いることを特徴とする地盤改良気泡材。
  3. 地盤改良の際に発生する泥土量を低減すべく、地上において気泡に地盤改良材を混合させて地盤改良気泡材を生成し、該地盤改良気泡材を地中に圧送する地盤改良工法であって、
    水に増粘剤を溶解させて希釈増粘液を生成する希釈増粘液生成ステップと、
    起泡剤を該希釈増粘液を用いて希釈して希釈起泡剤を生成する希釈起泡剤生成ステップと、
    該希釈起泡剤を発泡装置により発泡させて気泡を生成する気泡生成ステップと、
    該気泡生成ステップにて生成した気泡に地盤改良材を混合して地盤改良気泡材を生成する地盤改良気泡材生成ステップと、
    該地盤改良気泡材生成ステップにて生成した地盤改良気泡材を地中に圧送して地盤と混合撹拌する圧送ステップと
    からなる地盤改良工法。
  4. 請求項3に記載した地盤改良工法であって、前記地盤改良気泡材生成ステップにて気泡に混合する地盤改良材が、セメント、砂、鉄粉からなる群のうちの1つ又は複数からなることを特徴とする地盤改良工法。
  5. 請求項3に記載した地盤改良工法であって、前記圧送ステップが高圧噴射撹拌工法もしくは機械式撹拌工法にて行うものであることを特徴とする地盤改良工法。
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JP2019196594A (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 小野田ケミコ株式会社 地盤改良方法

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