JP2011105548A - セラミックス多孔体、セラミックス多孔体の製造方法、セラミックス濾過膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所望の平均孔径に調整された細孔を有する細孔層10と、前記細孔より大きな平均孔径を有する孔である支持層孔を有するとともに前記細孔層を支持する支持層30と、前記細孔の平均孔径以上であって支持層孔の平均孔径以下の平均孔径の孔である中間層孔を有するとともに前記細孔層と前記支持層の間に設けられた中間層20を有するセラミックス多孔体において、前記支持層30には、前記支持層孔の平均孔径より大きな径を有する厚み方向に延設された孔である孔路31が形成されていることを特徴とするセラミックス多孔体。
【選択図】図2
Description
かかるセラミックス濾過膜において、濾過機能を有する濾過層をごく薄く形成し濾過抵抗を低減させるともに、この濾過層を支持する支持層を形成してセラミックス濾過膜の形状を安定させ、かつ強度を確保することが一般的である。セラミックスは剛体である為、濾過層がごく薄くても、目開きによる濾過精度の低下は発生しない。また、セラミックスは耐摩耗性に優れるため、ごく薄い濾過層であっても磨耗による欠損の可能性も低いためである。この場合、支持層はセラミックス濾過膜の強度を保てればよいのであるから、支持層を粗構造として濾過抵抗を小さくすることにより、濾過流量を確保することができる。しかし単純に支持層を粗構造とすると、隣接して形成される濾過層も影響を受けて粗面化し、濾過精度が低下するおそれがある。そこで、特許文献3においては、支持層と濾過層の間に、支持層と濾過層の中間的な径を持つ細孔を有する無機多孔質膜を設けて係る問題を抑制している。更に、この無機多孔質膜の細孔を、膜厚方向に配向しかつ貫通する一様な開口径の細孔とすることにより濾過抵抗を低減する技術が提示されている。
上記構成によると、アルミナはセラミックス材料として一般的な素材であるため、入手容易かつ安定的な素材によって支持層を製造しうる。
上記構成によると、細孔層がゼオライトにより形成されているため、セラミックス多孔体を蒸気濾過膜(VP膜)として使用することが可能となる。ゼオライトはアルミとケイ素の酸化物であり、アルミとケイ素の比率によって、様々な環状の結晶型を取ることが知られている。従って、所望の環径を有する結晶型のゼオライトを選択することにより、所望の大きさ以下の分子のみ透過させ、より大きい分子は透過させない「分子篩い」として機能する膜を形成することが可能である。そのため、蒸気濾過膜(VP膜)として使用することができる。
上記構成によると、細孔層の厚みが1.0μm以上であるため、欠陥のないゼオライト層を容易に形成できる。また、細孔層の厚みが10μm以下であるため、濾過抵抗を小さくすることができる。
上記構成によると、細孔層が外周面に形成された管状形状であるため、外周面から、内周面に濾過を行う中空糸膜としてセラミックス多孔体を使用することができる。中空糸膜は、体積あたりの濾過面積が広いため、小規模のモジュールで高い濾過量を得ることができるため使用用途が広い。
上記構成によると、粘度の管理は前記粒子状のセラミックス原料の粒径を調整することにより行われるため、特段に複雑な工程を追加することなく、孔路を形成することが可能となる。つまり、混合セラミックス原料の粒径を調整することのみで粘度が変化するのであるから、混成する水に可溶性の溶媒、樹脂材料および粒子状のセラミックス原料の混成比率や原料等をいずれも変化させる必要はないため、公知のセラミックス多孔体の製造方法を応用することができる。
図1に示すように、セラミックス多孔体は、細孔層が外周面12に形成された管状形状のセラミックス濾過膜として使用できるように形成した。細孔層が外周面12に形成された管状形状は、細孔層を濾過層として使用することにより、外周面12から、内周面に濾過を行う中空糸膜として使用することができる。中空糸膜は、体積あたりの濾過面積が広いため、小規模のモジュールで高い濾過量を得ることができるため使用用途が広い。
細孔層10に欠陥が生ずるおそれがある。
(1)上記実施形態では、細孔の平均孔径以上であって支持層孔の平均孔径以下の平均孔径の孔である中間層孔を有するとともに細孔層10と支持層30との間に設けられた中間層20を有するため、支持層30が粗構造であっても細孔層10に直接影響を与えることがない。従って、細孔層10が粗面化することがなく、濾過膜として使用する際に、高い濾過精度を保つことが可能となる。
・上記製造方法においては、粒子状のセラミックス原料の粒径を調整することにより粘度の管理を行っているが他の構成であっても良い。例えば、樹脂材料や水に可溶性の溶媒、セラミックス原料の配合比を変えたり、成分を変えたりすることにより粘度管理しても良い。中間層孔や支持層孔の大きさを変化させずに粘度調整が可能となりうる。また、粒子状のセラミックス原料の粒径の調整と係る粘度管理を併用しても良い。粘度管理幅を大きくしうる。
このセラミックス混成物を水中に押し出し成形することにより、管状のセラミックス混成物を形成した。このとき管状のセラミックス混成物の内周面に流速 40m/分で水を流すことにより、内周面からのN,N−ジメチルホルムアミドの溶出を促すとともに、セラミックス混成物の押し出しに寄与する。
一方、以下に示すA液、B液を各々別々に作成し、各々を十分に撹拌する。
A液:
水酸化カリウム 5wt%
50%硝酸アルミニウム 9wt%
純水 59wt%
B液:
10%硝酸ストロンチウム 13wt%
触媒化成工業株式会社製 カタロイドSI−30 14wt%
A液とB液とを混合した後、CHA型ゼオライト結晶を擦りつけたセラミックス多孔体を浸漬して密閉し、140℃にて21時間過熱する。係る工程によって、擦りつけられたCHA型ゼオライト結晶を核として、セラミックス多孔体の外表面にCHA型ゼオライトの結晶が晶析し、CHA型ゼオライトによる細孔層が形成される。
粒子状のセラミックス原料として平均粒径0.1μmのαアルミナである大明化学工業株式会社製TM−10を用いた以外は実施例1と同様の工程を経てVP膜として機能するセラミックス多孔体を得た。
実施例1,2および比較例のセラミックス多孔体の断面構造を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、目視観察した。結果を実施例1の断面写真を図5に、実施例2の断面写真を図6に、比較例の断面写真を図7に各々示す。
実施例1,2および比較例のセラミックス多孔体の管状の一方端を封じ他端を真空ポンプにて2〜3kPaに減圧した状態で、75℃に加熱した90wt%エタノール水溶液中に60分間浸した。係る状態において、真空ポンプにて吸引された気体を液体窒素冷却管によって冷却して凝結させ、エタノール水溶液を回収した。回収したエタノール水溶液の重量から測定1時間あたり膜面積1m2あたりにセラミックス多孔体を透過したエタノール水溶液を算出した。
分離係数α={(供給液のエタノールの重量比率=90%)×(回収液中の水の重量比率)}/{(供給液の水の重量比率=10%)×(回収液中のエタノールの重量比率)}・・・(2)
即ち、透過流束Qが大きいほど、単位面積あたりの濾過速度が速いことを示し、分離係数αが大きいほど、濾過精度が高いことが示される。
図5〜7を比較すると、実施例1,2の支持層30には孔路31が確認できるが、比較例には確認できない。また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が孔路31を明確に確認でき、数も多くなっている。このことより、αアルミナの平均粒径が大きいほど、即ち、セラミックス原料混成物の粘度が小さいほど孔路31が形成されやすいことが、推察される。
Claims (11)
- 所望の平均孔径に調整された細孔を有する細孔層と、
前記細孔より大きな平均孔径を有する孔である支持層孔を有するとともに前記細孔層を支持する支持層と、
前記細孔の平均孔径以上であって支持層孔の平均孔径以下の平均孔径の孔である中間層孔を有するとともに前記細孔層と前記支持層の間に設けられた中間層を有するセラミックス多孔体において、
前記支持層には、前記支持層孔の平均孔径より大きな径を有する厚み方向に延設された孔である孔路が形成されていることを特徴とするセラミックス多孔体。 - 前記支持層がアルミナ多孔質体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス多孔体。
- 前記支持層の厚み方向に垂直な断面であって、前記孔路の面積率が最大になる断面における前記孔路の面積率が、5.0%以上60%以下である請求項1または請求項2に記載のセラミックス多孔体。
- 前記細孔層がゼオライトにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体。
- 前記細孔層の厚みが1.0μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体。
- 前記中間層の有する中間層孔の孔径であって、前記細孔層に接する部分の平均孔径が、0.01μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のセラミックス多孔体。
- 前記細孔層が外周面に形成された管状形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体。
- 水に非可溶性の樹脂材料を水に可溶性の溶媒に溶解させた樹脂溶液に粒子状のセラミックス原料を分散させて混成した混成セラミックス原料を、所望の形状に成形しつつ水溶液中に押し出す押出成形工程と、
押し出された混成セラミックス原料を水溶液中に放置することにより、前記混成セラミックス原料から前記水に可溶性の溶媒を水溶液中に溶出させるとともに、前記粒子状のセラミックス原料を分散させた状態で、前記水溶液に非可溶性の樹脂材料を析出させる析出工程と、
析出した前記樹脂材料を焼成することによりセラミックス多孔体を得る焼成工程を有するセラミックス多孔体の製造方法において、
前記析出工程における、前記混成セラミックス原料から前記水に可溶性の溶媒を水溶液中に溶出させる速度を制御することにより、前記孔路を形成させることを特徴とする
請求項1〜7のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体の製造方法。 - 前記混成セラミックス原料から前記水に可溶性の溶媒を水溶液中に溶出させる速度の前記制御は、前記混成セラミックス原料の粘度を管理することにより行われることを特徴とする
請求項8に記載のセラミックス多孔体の製造方法。 - 前記粘度の管理は前記粒子状のセラミックス原料の粒径を調整することにより行われることを特徴とする
請求項9に記載のセラミックス多孔体の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体、または、請求項8〜10のいずれか1項に記載のセラミックス多孔体の製造方法により製造されたセラミックス多孔体を用いた濾過膜。
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KR101855417B1 (ko) * | 2016-05-04 | 2018-05-08 | 주식회사 앱스필 | 고효율과 고강도의 특성을 위한 소수성 세라믹 중공사막 및 이의 제조방법 |
JP2018075564A (ja) * | 2012-02-24 | 2018-05-17 | 三菱ケミカル株式会社 | ゼオライト膜複合体 |
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JP2006263566A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Noritake Co Ltd | 無機多孔質分離膜およびその製造方法 |
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