本発明は、一般にジェットエンジン用アフターバーナーに関する。より詳細には、本発明は、代表的には航空機に用いることが可能なエンジン用のアフターバーナー燃料供給機構に関する。
ジェットエンジン用のアフターバーナーのスプレーバーは、当業者には公知の装置である。そのようなスプレーバーの例は、米国を指定した特許文献1、および特許文献2中に見出せる。これらのそれぞれを開示目的のためここに援用する。
一般に、アフターバーナーの燃料スプレー機構は、高い必要性のある限定された期間において、ジェットエンジンの推力を増強するために利用される。航空機エンジンに関しては、そのような期間には、例えば航空母艦の飛行甲板からの発進が含まれる。
アフターバーナーのスプレーバーは、ジェットエンジン貫通穴気体流中に設置されるため、かなり変化のある極端な高温下にある。これにより、エンジンのタービン区画の後ろで燃料パイプが高温貫通穴気体に直接露出する、特許文献1に示すような構成について特に問題が生じる。そのような燃料パイプ露出構成に関する別の問題は、支持されていない比較的長い燃料パイプにより、弊害をもたらすと考えられるエンジンの振動数範囲に含まれる固有振動数(自然または調和振動数)の影響を、装置が受けやすくなることである。
これらの理由により、そのようなアフターバーナーの燃料パイプ用の耐熱シールド構造を設けること、さらにそれに対して冷却用のバイパス空気を分配することも公知である。特許文献3に見られる1つの特別な例において、(貫通穴気体流に関して)シールド用の管状エンクロージャー54が、燃料分配パイプ52の前に配置される。しかし、特許文献3の図4〜6により、エンクロージャー54に関して、燃料パイプ52の全長にわたって補強されていないままであることが明らかである。実際に、特許文献3の図5に示すように、冷却空気がその間を通過するために、スリット70をその間に保持する必要があることが明らかである。図6から明らかなように燃料パイプの先端あるいは底部がエンクロージャー54の壁端66に固定されていると言えるとしても、長さの大部分が不支持である燃料パイプ52は、想定される調和振動に対してエンジンにより補強されていることを意味しない。この弊害をもたらす動作は、燃料パイプ52および/またはエンクロージャー54の異常な振動を明らかに発生し、いくつかの構成部品において許容できない振動および部品間の摩擦や磨耗の原因となる。さらに、各燃料パイプは個別に囲まれており、本発明により定義されるもののようには、また以下に詳細に説明するもののようには、エンジンの貫通穴気体流に対して横方向に、燃料パイプが隣接してあるいは互いに横に並んで配置されてはいない。特許文献3に開示されたこれらの個々の装置は、高価であるばかりでなく、貫通穴気体流内の必要な振動数の半径方向分布がエンジンの出力を損なう。
これらの理由及びここに開示された説明により当業者には明らかになるその他の理由により、本発明は、これらの問題を解決するために行われたものであり、使用者にさらなる利点を供給する。
国際公開第2004/033966A1号パンフレット
米国特許仮出願第60/319,601号明細書
米国特許第5,297,391号明細書
ここに開示するように、3つの主要な実施形態に関して本発明を説明する。すなわち、(1)アフターバーナー燃料供給機構単独、(2)ターボ燃焼エンジンに装着する機構、および(3)ターボ燃焼エンジンに装着して航空機に搭載する機構である。これらの実施形態間における共通点は、アフターバーナー燃料供給機構のスプレーバーであり、展開された実施形態のその他の部品は、少なくとも本開示において用いられるように、公知であり、本発明はスプレーバーに基づいて要約される。
そのため、1つの実施形態において、本発明は、ターボ燃焼エンジンのアフターバーナー区画に燃料を分配するための細長い燃料スプレーバーを備える(含むが必ずしも限定されない)アフターバーナー燃料供給機構という形をとる。スプレーバーは、長手方向軸を有し、細長い空気力学的形状のシュラウドにより取り囲まれる複数の細長い燃料パイプと流体的に連通する燃料受入スプレーヘッドを含む。スプレーヘッドは、(ターボジェットおよびターボファンエンジンの両方の構成を含むように意図された)ターボ燃焼エンジンのケーシング中に取付けられ、エンジンの内部貫通穴中に取り囲まれた燃料パイプをその中の貫通穴気体流に対して横方向に突出させて、スプレーバーの取付構成を形成するように構成される。
この実施形態において、シュラウドはパイプ受け部分を含む内部側面の側壁を有する。パイプ受け部分は、複数の細長い燃料パイプの1つの外側表面の対応するシュラウド係合部分に当接して係合するように構成される。パイプ受け部分は、前記シュラウドに対して、その中に受け入れる燃料パイプの位置を実質的に維持するために構成される。この方法において、燃料パイプはその全長に沿って支持され、これにより、パイプがシュラウドに当接して係合するとき、エンジンを組み込んだ固有振動数よりも高い範囲に装置(機構)の固有振動数を引き上げる、補強された構成を強固なものにする。そのような特徴のそれぞれは、振動を最小化し、磨耗を減らし、細長い燃料スプレーバー装置の動作寿命を延ばすように機能する。
さらなる展開(変形例)において、シュラウドは、スプレーバーの長手方向軸と直角な方向において、シュラウドの長さの大部分に沿って楕円形管状の断面形状を有する。さらに、楕円形の断面形状は、シュラウドの長い交差軸および短い交差軸を規定し、シュラウドの長い交差軸は、好適な取付構成において、エンジンの貫通穴気体流の方向と実質的に一致する。
任意の展開において、いくつかの細長い燃料パイプの少なくとも2つは、それぞれの長手方向軸がシュラウドの短い交差軸と直角に交差する状態で、隣接しかつ互いに実質的に平行に配置される。図9において最もよくわかるように、この幾何学的配置により、燃料パイプ(図示された例では、一対の燃料パイプ)は横に並んで取付けられ、貫通穴気体流を横切る方向(互いに隣接するパイプの合計幅にシュラウドの2つの厚さを加えたもの)を向く。前述のように、そのような配置は、燃料パイプにより貫通気体に対して抵抗とならないように避けされていた。しかし、空気力学的楕円形状のシュラウド内における本発明の隣接燃料パイプの独自の構成により、そのような優位性のある配置が容易となる。さらに、そのような構成により、(公知の構成に比べて)エンジンのアフターバーナーに燃料を十分に供給するために必要なスプレーバー装置の合計数が減る。
補完的な展開において、シュラウドおよびすべての細長い燃料パイプは、スプレーバーの長手方向軸と実質的に平行な方向を向く長手方向軸を有する。
さらなる補完的な展開のように、2つの細長い燃料パイプが互いに隣接して当接配置され、対になった燃料パイプがシュラウドの内部側面の側壁に対向して接触する。この方法において、細長い燃料パイプは、シュラウドの長い交差軸の周りの曲げモーメントに抵抗するシュラウド内の補強材を構成する。
上記に暗示するように、本発明の別の有益な特徴は、スプレーバーが、スプレーバーのエンジンを受ける固有振動数よりも大きな固有振動数を有するように構成されることである。
さらなる展開において、シュラウドは、多数の(複数の)パイプ受け部分をさらに備え、各パイプ受け部分は、細長い隆起した頂上部分によりその2つの側面のそれぞれに位置する細長い凹部分を含む。この構成により、シュラウドは「波状」あるいは溝付きの内部表面を呈する。
1つの例において、スプレーバーが燃料パイプを経由して燃料が供給されない休止状態にあるときに、複数のパイプ受け部分のそれぞれとその中に受け入れられる関連する燃料パイプとの間に、強固な摩擦はめ合いが存在する(図9参照)。スプレーバーが燃料パイプを経由して燃料が供給される活動状態にあるときに、複数のパイプ受け部分のそれぞれとその中に受け入れられる関連する燃料パイプとの間に、比較的ゆるい摩擦はめ合いが存在する(図10参照)。
燃料パイプのそれぞれは、管状に形成することが好適であり、(円形断面を有する)円筒形状に形成するのがより好適である。また、シュラウドの各関連するパイプ受け部分は、凹面状に構成されて、休止状態においてその中に受ける関連する燃料パイプと当接はめ合い一致するような大きさに形成されることが好適である。この方法において、燃料パイプとシュラウドの相対運動(あるいは互いの抵抗)がスプレーバーに対する機械的な減衰をもたらし、それにより、振動により生じる応力を減少させる。
逆に、補完的な方法では、燃料パイプが冷却されている(しかし、シュラウドは貫通穴気体流により明らかに加熱されている)活動状態において、離れているが、シュラウドの内部側面壁においてパイプ受入構造の(隆起した頂上部分により限定される)凹部中に受け入れられる円筒形の燃料パイプを閉じ込めるように構成される。当然ながら、この構成では、燃料パイプとシュラウドの間に、間隙が少なくとも間欠的に存在する。それにより生じる利点は、パイプとシュラウド間の(バッファ用の空気間隙を考えると)熱伝達は急激に低下し、シュラウドの熱応力も低下する。
内部側面の側壁上のパイプ受け部分により形成される溝付き形状のため、これらの受け部分、特に隆起した頂上部分は、シュラウドの長い交差軸周りの曲げモーメントに対して補強する役割を果たす。
図6および8において最もよくわかるように、延長遷移部分がスプレーヘッドとシュラウド間に介在する。延長遷移部分の内部壁はその中に複数の凹部を備え、そのような凹部のそれぞれは、相互接続されたシュラウドの関連するパイプ受け部分の細長い凹部と一直線に並ぶ。
本発明のさらに別の展開において、シュラウドの長い交差軸(図9参照)は、取付構成において、エンジンの長手方向軸と実質的に一致する。この配置において、シュラウドは、エンジンの貫通穴気体流用の指向性羽根として機能する。好適な実施形態において、気体流に与えられる方向はエンジンの長手方向軸と一致し、それにより出力を容易にする。
さらに別の展開において、スプレーバーのヘッド側に近接する位置でシュラウドの内部空間中に比較的低温のエンジンバイパス空気を受け入れるために、スプレーバー中に冷却空気入口の開口部を設ける。スプレーバーの先端に、そこから冷却空気を排出するために、冷却空気排出口の開口部を設ける。図5から最もよくわかるように、冷却空気排出口は、その長手方向軸に対して所定の角度で効果的に切断してそのような排出口の開口部を形成するシュラウドの楕円形状に依存して少なくとも部分的に影響を受ける、細長い楕円形状である。補完的な方法において、冷却空気排出口は、冷却空気排出口に近接するスプレーバーの長手方向位置でスプレーバーの長手方向軸に直角な、シュラウド内の内部断面領域よりも大きな開口領域を有すると言える(図5と10を比較)。
図5からさらに分かるように、冷却空気排出口の構成は、スプレーバーの長手方向軸に対して横方向を向いている、冷却空気排出口の開口領域と一致する平面の観点から説明することができる。
少なくとも図2および3に示すように貫通穴気体流に対するスプレーバーの好適な配置により、冷却空気排出口は、取付構成において、エンジン貫通穴中の貫通穴気体流に対してマイナスの空気取入口を形成する。この方法により、効果的な負の圧力が冷却空気排出口の外側に構成されて、それによりシュラウドから冷却空気を引き出しやすくなり、最低限背圧がシュラウドに現れない。
以上、ここに開示する発明に関して、いくつかの有益な特徴を説明した。当然ながら、これらの所見は包括的なものではなく、さらなる利点と便益が、本開示を考慮することにより、当業者には明らかになるであろう。さらに、ここに説明された実施形態および例は限定ではなく、本発明を実施するために当業者を支援するように提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によってのみ範囲を限定される。
本発明に適合されたエンジンを搭載する典型的な航空機を示す斜視図である。
エンジンに取付けられた一対の細長い燃料スプレーバーの構成を例示する断面を部分的に示し、かつ本発明の教えにより構成された斜視図である。
1つのスプレーバーの取付構成の詳細を示す、半径方向断面の概略図である。
燃料源と流体的に連通する細長い燃料スプレーバーの詳細な斜視図である。
図4の細長い燃料スプレーバーの詳細な斜視図であるが、反対方向から見たものであり、スプレーバーのマイナス方向空気取入口の冷却空気排出口を詳細に示す。
シュラウドのパイプ受け部分の典型的な実施形態を示すスプレーバーの部分断面斜視図である。
図6と同様な部分断面斜視図であるが、シュラウド内に取付けられる一対の細長い燃料パイプを示す。
スプレーバー内部の半分、さらに詳細にはシュラウド内部の詳細を示す断面斜視図である。
燃料パイプを通って燃料が供給されていない燃料供給休止状態を示すスプレーバーの断面図である。
図9に示すものと同様なスプレーバーの断面図であるが、図9の構成に対して燃料パイプが冷却された燃料供給活動状態を示す。
燃料パイプが互いに分離する、頂上位置あるいはスプレーヘッド下方の図14および15に示す実施形態の部分におけるスプレーバーの断面図である。
頂上位置あるいは図14および15に示す実施形態の部分における、溶接された対の燃料パイプが休止状態にあることを示すスプレーバーの断面図である。
図12に対応するが、活動状態にあることを示す。
対になった燃料パイプがその全長の大部分に沿って溶接されているスプレーバーの典型的な実施形態の断面斜視図である。
スプレーバーのスプレーヘッドに隣接する対になった燃料パイプの詳細を示す詳細断面斜視図である。
本発明の典型的な実施形態が添付の図面中に示される。すなわち、主要かつ唯一の共通部品である細長い燃料スプレーバー28の構成と幾何学的な配置が示されている。また、細長い燃料スプレーバー28は、ターボジェットまたはターボファンエンジンのいずれかの構成をとるように意図されたターボ燃焼エンジン12用のものである。
図1は、本発明を実際に利用する実施形態を示したものであり、航空機10とそれに搭載された一対のターボ燃焼エンジン12とを示す。
図2は、図1中の航空機10に搭載されるエンジン12の1つを詳細に示す。図2には、エンジン12のケーシング16の中心を貫通する長手方向軸14を有するエンジン12を示す。ケーシング16内において、一般にガスタービン区画23と直後のアフターバーナー区画24とに分割される内部貫通穴18が画定される。貫通穴気体流20が、貫通穴18、タービンおよびアフターバーナー区画23および24を通過する。
フレームホルダーストラット22に支持されたフレームホルダー21の前方には、タービンおよびアフターバーナー区画23と24間に通常設置されるアフターバーナー燃料供給機構26が示されている。図2において、その長手方向軸32を有するスプレーバー28が取付構成30において示されており、スプレーバー28は、エンジン12の長手方向軸14に関して一般に半径方向に置かれている。
図2において、ケーシング16が、エンジン12の作動中にバイパス空気が通過するように方向付けられるバイパス空気環体19を画定することもわかる。バイパス環体19は、外部スリーブ17により外面的な境界が示され、内部スリーブ15により内面的な境界が示される。バイパス空気は、エンジン12のインテークファンの下流で環体19中に流れがそらされる。アフターバーナー燃料供給機構26の冷却空気入口86は、その開口が接近するバイパス空気19の前方に向けられた状態で、バイパス環体19中に位置する。この方法で、以下に詳細に説明するように、バイパス空気はアフターバーナー燃料供給機構26を通過するように流れがそらされる。当然ながら、バイパス空気19の大部分は、アフターバーナー燃料供給機構26のスプレーヘッド34を通り過ぎて流れ、エンジン12のアフターバーナー区画24で内部貫通穴18中に戻される。ケーシング環体中に実線の矢印を用いて、さらにアフターバーナー燃料供給機構26中に破線の矢印を用いて、スプレーバー28を通過するようにそらされたバイパス空気19の流れの典型的な進路を図3に示す。
図3の半径方向断面図は、エンジン12内のスプレーバー28の取付構成30を概略的に示す。この例では、スプレーバー28は、アフターバーナー燃料供給機構26を構成する。スプレーバー28は、この図において燃料源35(図4参照)と接続可能なスプレーヘッド34を備える。スプレーヘッド34の位置は、スプレーバー28のヘッド側36を示す。図3において、好適には円筒形状の、細長い燃料パイプ38が示されている。図7からよくわかるように、図3中に見える燃料パイプ38は、シュラウド50中に収容される細長い燃料パイプの対46のフロントパイプ(斜視図から)であり、燃料パイプ38は、貫通穴気体流20に対して横方向を向いている。
燃料パイプ38は、図3に典型的に示す燃料排出口39を3個まで備え、燃料源35からの燃料は燃料排出口39を経由してスプレー噴射される。図3から、各燃料パイプ38は長手方向軸40と外側表面42を有することがわかる。以下に詳細に説明するように、また図7、9および10により明白に示すように、燃料パイプ38の外側表面42の一部は、シュラウド係合部分44を構成する。
図3は、フレームホルダー機構とは独立にスプレーバー28がエンジン12のケーシング16に装着される、アフターバーナー燃料供給機構26の好適な実施形態も示している。この図において、フレームホルダー機構は、ケーシング16に固定されるストラット22に支持されるフレームホルダー21を備えるように概略的に示される。
当然ながら、図3は、スプレーバー28の取付配置あるいは構成30を概略的に示している。スプレーバー28は、冷却空気排出口88がその先端に位置して、マイナスの空気取入口94を形成するように方向付けられている。このマイナスの空気取入口94は、例えば飛行機の空気ラムとして用いる従来の空気取入口と類似のものと考えることができる。「マイナスの」の形態は、本発明の例では貫通穴気体流20である接近する流れに対して、取入口を180度効果的にねじることにより達成される。そのため、排出口88の開口領域90の周りに低圧区域あるいは領域が形成されるように、また背圧を生じる可能性なしに冷却空気が効果的に引き込まれるように、冷却空気排出口88は、接近する貫通穴気体流20の大部分から向きがそれている。また、楕円形状のシュラウドの空気力学的特性により、その下流で後流効果がほとんどなくなる。
空気排出口88の開口領域90を図5に示す。開口領域90において、スプレーバー28の平衡に対して排出口88の相対的な配置および構成を決めるために、開口領域90を含む(と一致する)基準平面92が形成される。
上記に示唆されるように、図4は、アフターバーナー燃料供給機構26が細長いスプレーバー28単独で構成される、本発明の実施形態の斜視図を提供する。この図示された実施形態において、細長いスプレーバー28は、(本発明のここで説明される実施形態において必ずしも必要ではない構成要素)燃料源35と流体的に連通している。しかし、スプレーヘッド34に近接する冷却空気入口86のスプレーバー28内への典型的な取付けが示され、またシュラウド50の楕円形状の細長い性状が示されている。さらに、シュラウド50の全長56である、スプレーバー28の長手方向軸32が示されている。シュラウド50を貫通する燃料排出口51も示されており、燃料排出口51は、アフターバーナー機構26に組み込まれた少なくとも1つの燃料パイプ38の燃料排出口39と当然ながら一直線に並んでいる。
図6〜8は、スプレーバー28ついての種々の断面図である。図6は、燃料パイプ38を取付けないスプレーバー28を示し、またシュラウド50の長手方向軸54も示している。シュラウド50の内部空間52は、図9の断面図により最もよく理解することができる。
スプレーヘッド34は、一般に円筒形状であるが、シュラウド50は一般に楕円形状である。そのため、延長遷移部分82は、相互接続するようにそれらの間に介在する。シュラウド50のパイプ受け部分68の細長い凹部70に対する導入部としての機能を果たす凹部84が、遷移部分82の内部表面に示されている。シュラウド50の内部側面の側壁66の詳細が、図8および9に明白に示される。そこには、細長い凹面状の凹部70により集中して構成される、側面の側壁66の「波状」あるいは溝付き構成が示されている。細長く隆起した頂上部分72が、「波状」あるいは溝付き構成の両側に位置している。
シュラウド50の特に好適な製造方法には、シュラウドの側面の側壁66の上に位置するパイプ受け部分68の「波状」あるいは溝付き構成を備える、シュラウドの所望の断面形状に対応する形状を有する溝付き金型やダイを用いる冷間引抜が含まれる。そのような製造方法の利点としては、高温強度を有する比較的剛性のあるシュラウドを製造することが含まれる。別法として、シュラウド50を押出し法により製造してもよい。
特に図9および10をまとめて考えると、パイプ受け部分68の波状構成がシュラウド50に対する補強材74として機能するということが、当業者には分かるであろう。パイプ受け部分68の対称な長手方向軸76と実質的に直角な方向において、この構成の補強機能が、シュラウド50の曲げモーメント、ひいてはスプレーバー28の曲げモーメントに対して抵抗する。
図7は、シュラウド50内に取付けられた細長い燃料パイプ38の対46を有するスプレーバー28の断面図も示している。この図から、特に図9とまとめて考えると、細長い燃料パイプの対46が、特に対になった燃料パイプ38(短軸64と一直線に並ぶ)を横断する方向の曲げモーメントに抵抗するスプレーバー28の補強材として機能することが分かる。
図9および10は、シュラウド50の全長56に沿った、細長いスプレーバー28の断面図を示す。各図において、シュラウド50の楕円形管状の断面形状58、その結果としてスプレーバー28の優位性が示される。シュラウド50の内部断面領域60が図10に示されている。また、楕円形状は長い交差軸62および短い交差軸64を規定する。さらに、燃料排出口39、51の位置合わせ状態がこれらの図からわかる。
図9は、アフターバーナー燃料供給機構26の休止状態を示す。この構成においては、アフターバーナーの燃料は、燃料パイプ38を経由して供給されていない。一方、図10は、燃料パイプ38を経由して燃料が供給されている活動状態を示す。比較すると、燃料パイプ38は、活動状態において比較的低温であり、半径方向の収縮をある程度受ける。図9の休止状態では、係合部分44において燃料パイプ38とシュラウド50間に、強固な摩擦はめ合い78が形成される。反対に、図10の活動状態では、冷却された燃料パイプ38の収縮により、ゆるい摩擦はめ合い80がシュラウド50との間に形成される。パイプ38とシュラウド50との当接はめ合いが、活動状態において単に緩められる、あるいは図10に示すように、空気の間隙空間がそれらの間に生成することが分かる。どちらの場合も、シュラウド50の内部に形成されたパイプ受け部分68の隆起した頂上部分72により、シュラウド50に対する燃料パイプ38の位置が保持される。
細長い燃料スプレーバー28の1つの好適かつ典型的な実施形態を図11〜15に示す。図14は、一対の結びついた燃料パイプ38を明らかにするために露出されたその内部を含む、スプレーバー28の全長の断面斜視図を提供する。図15は、スプレーヘッド34の詳細な断面斜視図を提供し、各パイプ38に燃料を分配するためのマニホールドが示されている。図に示すように、2つの燃料パイプ38は、スプレーヘッド34において互いに分離しているが、その頂上部分47において互いに隣り合って平行な配置で1つにまとまる。図に示すように、燃料パイプ38の隣接部分を、その伸長方向の大部分に沿ってろう付け接合49によりつなぎ合わせる。スプレーヘッド34付近において燃料パイプ38が互いに分離している構成の断面を図11に示す。ろう付けした長さ方向に沿った2つのパイプの配置の例を図12に示す。図12は、燃料がパイプ38を通って流れない休止状態に関するものであり、それによりそれらのパイプ38とシュラウド50との間は当接している。図13は、図12に示すものと同様な位置において、スプレーバー28の活動状態を示す断面図であるが、ろう付けされたパイプ38がシュラウド50からわずかに離れている。
上記に示唆されるように、本発明の実施形態は、独自のアフターバーナー燃料供給機構26の典型的な実装形態を例示する目的のために開示するものである。しかし、当然ながら、これらの例は以下の特許請求の範囲により定義される特許保護に関して、制限をするものではない。