JP2011102271A - ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調 - Google Patents

ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調 Download PDF

Info

Publication number
JP2011102271A
JP2011102271A JP2009258047A JP2009258047A JP2011102271A JP 2011102271 A JP2011102271 A JP 2011102271A JP 2009258047 A JP2009258047 A JP 2009258047A JP 2009258047 A JP2009258047 A JP 2009258047A JP 2011102271 A JP2011102271 A JP 2011102271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
dte
ring
mmol
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009258047A
Other languages
English (en)
Inventor
Yohei Yamamoto
洋平 山本
Takanori Fukushima
孝典 福島
Takuzo Aida
卓三 相田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2009258047A priority Critical patent/JP2011102271A/ja
Publication of JP2011102271A publication Critical patent/JP2011102271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、ナノチューブにおける光電導性を外部刺激により調整することができる新規なナノサイズ構造体、及びそれを用いた光電導性材料を提供する。
【解決手段】
本発明は、光の照射により開環/閉環を可逆的に行うことができるジチエニルエテン(DTE)を有する基を有するヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体、及びその自己組織化により形成される内外表面にDTE部分を有するナノサイズの構造体に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ナノチューブにおける光電導性を外部刺激により調整することができる新規なナノサイズ構造体、及びそれを用いた光電導性材料に関する。より詳細には、本発明は、光の照射により開環/閉環を可逆的に行うことができるジチエニルエテン(DTE)を有する基を有するヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体、及びその自己組織化により形成される内外表面にDTE部分を有するナノサイズの構造体に関する。
近年、有機分子や高分子化合物を用いた電子デバイスに関する研究、開発が盛んに行われている。有機物を電子デバイスとして用いる利点としては、素子の軽量化や構造体のフレキシブル化、またプロセスを簡便化できる点などが挙げられる。また、有機物よりなる電子デバイスの作製方法として、各素子の微細化に伴い、分子を最小単位として用いることによるボトムアップ型の素子構造作製プロセスが注目を集めている。
しかしながら、一分子を一つの素子として作動できるデバイスは、研究段階では行われているものの、現時点では実用化には至っていない。その理由としては、単一分子のサイズが数nm以下であり、現在の半導体デバイス作製の微細加工技術を用いて組み込むには小さすぎる点が挙げられる。従って現在実用化に至っている液晶、有機EL素子などに代表される有機分子デバイスは、有機分子のバルクとしての性質を利用していると考えることができる。
一方で、分子プログラミングによるナノマテリアル創成に関する研究が盛んに行われている。分子プログラミングとは、分子が自己組織化により特定の集合形体をとり、さらに物性、機能を発現するよう、あらかじめ分子を精密に設計することを指すが、このようにしてデザインされた分子を用いて自己組織化を行うことにより、極めて簡便な溶液プロセスでナノ構造体を構築できる利点がある。実際、分子の自己組織化によりナノドットやナノファイバー、ナノチューブなど、様々なナノ構造体の自発的形成が報告されている。超分子ナノチューブは、一本一本がナノメートルオーダーの構造体であり、各々のナノチューブを構成単位とする機能性ナノマテリアルとして利用できる点が、従来の有機あるいは高分子薄膜デバイスとは本質的に異なるのである。しかしながら、従来、これらのナノ構造体を構成する分子しとして用いられてきたものは、脂質などの両親媒性化合物であり、電子的、光化学的特性等に乏しく、構造体が得られても、それらの殆どは電子的光化学的特性等に乏しく、実用化には至っていない。
これに対して本発明者等は、ナノ構造体構築の基本要素としてヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)に着目し、HBC骨格に親水性置換基と疎水性置換基を導入することにより、直径約20nm、アスペクト比5000以上の超分子ナノチューブが溶液プロセスにより簡便かつ定量的に得られることを報告してきている(特許文献1及び2参照)。
このHBCナノチューブは、π−スタッキング相互作用によりHBC平面がらせん状に配列しており、化学ドーピングにより容易に電荷キャリア(ホール)を形成し導電性を示す(抵抗率10Ωcm)。このようなHBCを含むドナー−アクセプター系として、以下の非特許文献1〜3に記載された系が知られているが、これらはいずれもHBC分子にペリレンやトリニトロフルオレノン(TNF)等の電子受容性の分子をドープした系である。
また、HBC類を有機半導体材料として使用することも報告されており(特許文献3〜6参照)、このような有機半導体を用いた太陽電池の開発も報告されている(特許文献7参照)。さらに、HBC類の電荷輸送物質としての性質に着目し、電子写真感光体の感光層表面における酸掃去剤として第三級アミンを有するHBC誘導体を使用することが報告されている。これは、電子写真感光体の感光層表面が、繰り返しの使用や、周辺環境により生じる酸化性物質による劣化を防止するために感光層におけるこのような酸化性物質を中和するための酸掃去剤として、塩基性でありかつ電荷輸送能を有する物質である第三級アミンを有するHBC誘導体が開発されてきたものである(特許文献8参照)。
また、近年のエネルギー問題や地球温暖化などの環境問題ともあいまって、有機薄膜太陽電池の開発には大きな注目が集まっている。有機薄膜太陽電池において光−電気変換効率を向上させるための方法として、電子供与体と受容体が分子レベルで相分離した構造を実現することが提案されている。本発明者らは、TNFやフラーレンなどの電子受容性の基を分子中に有する化合物からなる自己組織化ナノチューブを既に報告している(特許文献9〜11及び非特許文献4参照)。
溶液プロセスにより形成されるこれら超分子ナノチューブは、電子供与体と受容体のナノ相分離構造と広い面積での各層の接合という2つの条件を満たしており、電子供与性のHBCがπ−スタッキング相互作用によりナノチューブの壁内に整列し、このHBC層をTNF層又はフラーレン層が両側からラミネートした同軸構造を有している(図1参照)。そして、電子供与体と受容体のナノ相分離構造、及び各層が極めて大きな接合界面によって連結していることにより、このナノチューブは顕著な光電導性を示し、今後有機太陽電池開発へ向けた応用研究が期待されている。
しかしながらこれらのナノチューブは、ナノチューブ材料の選択により光電導性が決定され、光電導性の程度を調整することが困難であった。そこで本発明者らは、さらに検討を続け、このような光電導性を有するナノチューブ材料に、更に他のナノチューブ材料を導入させることにより、ナノチューブ表面の電子受容性の基の被覆率を系統的に変化させることに成功し、ナノチューブの光電導性をチューニング(調整)することができることを見出した。さらに、本発明者らは、このような調整により、TNFなどの電子受容性の基を分子中に有する化合物のみからなる自己組織化ナノチューブよりも、大きな光電導特性を示すナノチューブを得ることができることも見出して報告してきている(特許文献12〜13、及び非特許文献5参照)。
かくして本発明者らは、ナノチューブにおける光電導性を調整することができる新規なナノサイズ構造体、及びそれを用いた光電導性材料を提供することに成功したが、この方法では所望の光電導性を有するナノチューブを得るためには、光電導性を有するナノチューブ材料に、更に他のナノチューブ材料を特定の割合で混合して自己組織化する必要があった。言い換えると、この方法で得られるナノチューブの光導電性は、二種類の材料の混合割合の選択により光電導性が決定され、できあがったナノチューブ自体の光電導性の程度を調整することは困難であった。
特許第4005571号公報 特許第4018066号公報 特開2004−158709号公報 特開2005−79163号公報 特開2006−41495号公報 特表2005−504663号公報 特開2003−168492号公報 特開2005−148336号公報 特開2007−238544号公報 特開2009−209067号公報 特願2008−222755号 特開2008−272916号公報 特願2008−222836号
L. Schmidt-Mende, et al., Science, 2001, 293, 1119 C. Im, W. Tian, et al., Syn. Metals, 2003, 139, 683 C. Im, W. Tian, et al., J. Chem. Phys., 2003, 119, 3952 Y. Yamamoto, et al., Science, 2006, 314, 1761 Y. Yamamoto, et al., J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 9276
従来のナノチューブは、ナノチューブ材料の選択により光電導性が決定され、光電導性の程度を調整することが困難であった。本発明は、ナノチューブにおける光電導性を外部刺激により調整することができる新規なナノサイズ構造体、及びそれを用いた光電導性材料を提供する。
そこで本発明者らは、ナノチューブにおける光電導性を外部刺激により調整することができる新規なナノサイズ構造体を開発するために鋭意検討を進め、ジアリールエテン誘導体の一つであるジチエニルエテン(DTE)に着目した。DTEは紫外及び可視光照射により閉環/開環反応を示すことが知られているが、電気化学及び電子スペクトルによるDTEの電子状態の検討から、DTEはHBCに対し閉環状態の場合にのみ電子受容体として機能するのではないかということが見出された(図2参照)ので、DTE部位を有するヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体を新たにデザインし、自己組織化によるナノチューブの形成と外部刺激による光電導性の制御を試みた。その結果、DTE部位を有するHBC誘導体が自己組織化して直径約20ナノメートルのナノチューブを形成すること、このナノチューブは、壁内部に規則正しく配列したHBCカラムに対し、その内外表面をDTEが高密度に覆う同軸構造を有していること(図1のTNF層に相当する層)を見出した。そして、内外表面のDTEが紫外及び/又は可視光照射により可逆な閉環/開環反応をおこすこと、及びDTEが閉環状態の時にのみ電子受容体として機能し、当該ナノチューブが光導電性を有することを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記の一般式(1)
[式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基を表し、R及びRは−COCHCH(OCHCH)nOR(但し、Rは水素原子、アルキル基、又はジチエニルエテン(DTE)を有する基を表し、R及びRにおけるそれぞれのRは互いに同一でも異なっていてもよいが、少なくともどちらか一方のRはDTEを有する基を表す。)を表し、nは整数を表す。]
で表されるヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体、及びその自己組織化により形成される内外表面にDTE部分を有するナノサイズの構造体に関する。
本発明を更に詳細に説明すれば、以下のとおりとなる。
(1)前記した一般式(1)で表されるヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
(2)一般式(1)におけるRが、後記する式(2)又は(3)で表されるジチエニルエテン(DTE)を有する基である前記(1)に記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
(3)一般式(1)のRが、それぞれ独立して炭素数10〜30のアルキル基である前記(1)又は(2)に記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
(4)一般式(1)で表されるヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体が、後記する式(4)又は(5)で表される化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体。
(6)自己組織化により形成されるナノサイズの構造体がナノチューブである前記(5)に記載の構造体。
(7)構造体が、光伝導性である前記(5)又は(6)に記載の構造体。
(8)構造体が、外部刺激により光電導性を変調可能である前記(5)〜(7)のいずれかに記載の構造体。
(9)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体からなる光応答性電荷輸送素子。
(10)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体からなる素子の少なくとも1種を含有してなる電子部品材料。
本発明は変調可能な新規なナノサイズの構造体、及びそのための自己組織化可能な新規なヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体を提供するものである。本発明のナノサイズの構造体は、自己組織化により生成したナノチューブに紫外及び/又は可視光を照射することにより、容易に、その内外表面のDTEの閉環/開環の割合を制御してナノチューブの光電導特性の変調を行うことができる。
また、これらのヘキサペリヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体は、親水性及び疎水性置換基を有し、両親媒性の特性とHBCによるπ−πスタッキング効果を介して自己集積し、超分子ナノチューブを形成することができるだけでなく、さらに変調可能な光伝導特性を併せ持ち、光応答性の新規な素子材料を提供するものである。
本発明のナノサイズ構造体は、光検出素子、光スイッチング素子、光応答性電荷輸送素子などとして多くの電子部品材料に適用されるだけでなく、光を利用した各種の電子材料の新規な機能性素子を提供することができるものである。
図1は、HBC層をTNF層が両側からラミネートした同軸構造を有する従来の同軸ナノチューブの模式図である。 図2は、DTEの閉環/開環反応における電子状態、及びHBCの電子状態を検討した結果を示すものである。 図3の(a)は、式(4)及び式(5)の化合物の分子構造とそれぞれが、可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うことを示し、図3の(b)は、式(4)(開環型)及び式(5)(閉環型)の化合物の自己組織化により生成するナノチューブの模式図で示すと共に、可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うことを示し、図3の(c)は、式(4)(開環型)の化合物の自己組織化により生成するナノチューブをキャストして得られたフィルムの電子スペクトル(左側)及び該フィルムに波長310nmの紫外光を30分照射した後のフィルムの電子スペクトル(右側)を示している。 図4は、化合物14(開環体)及び化合物14(閉環体)の分子構造と、その異性化を示す。 図5は、化合物14(開環体)のジクロロエタン溶液(1mg/ml)に対し紫外光(UV310,λ=310nm,半値幅10nm)照射を行ったときの溶液の色変化を示すカラー写真である。横軸は時間(秒)示す。 図6は、本発明の化合物14(開環体)から得られた本発明のナノチューブの走査型(左)及び透過型(右)のそれぞれの電子顕微鏡写真を示す。 図7は、本発明の化合物14から得られた本発明のナノチューブ14O−NT(開環体)及び14C−NT(閉環体) の粉末X線回折パターンを示す。黒線(下側)はナノチューブ14O−NT(開環体)のものを示し、赤線(上側)はナノチューブ14C−NT(閉環体)のものを示す。 図8は、本発明の化合物14(開環体)からなるナノチューブ(14O−NT)薄膜のUV310照射による色の変化(上段)を示したカラー写真であり、及び電子スペクトルの変化(下段)を、それぞれの時間(秒)においてカラーの線で示したものである。 図9は、本発明の化合物14(閉環体)からなるナノチューブ(14C−NT)薄膜のVIS580−650照射による電子スペクトルの変化を、それぞれの時間(秒)においてカラーの線で示したものである。 図10の(a)(左側)は、ナノチューブ14O−NT(オレンジ色の線)及び14C−NT(緑色の線)の励起波長450nmにおけるFP−TRMCプロファイルをカラーの線で示し、図10の(b)(右側)は、ナノチューブ14O−NT(オレンジ色の線)及び14C−NT(緑色の線)の光電流アクションスペクトルをカラーの線で示している。 図11の(a)(左側)は、ナノチューブ14O−NT(オレンジ色の線)及び14C−NT(緑色の線)の薄膜のVIS430−470照射下での電流−電圧特性をカラーの線で示し、図11の(b)(右側)は、VIS430−470照射下での光電流変化をカラーの線で示している。外部電圧は+2Vで、オレンジ色の線及び緑色の線のプロットは、それぞれUV310及びVIS580−650照射時間に対する光電流値を示す。
上記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜30、好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、最も好ましくは12の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられ、好ましい具体例としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシルル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基などが挙げられ、これらは直鎖状、分枝状又は環状の何れであってもよい。また、炭素数が10以下のアルキル基の場合は、例えばt−ブチル基のような嵩高い基が好ましい。
上記一般式(1)において、R及びRで表されるCOCHCH(OCHCHORにおけるRで表されるアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また上記一般式(1)において、R及びRで表されるCOCHCH(OCHCHORにおけるRで表されるDTEを有する基としては、置換基を有してもよいエチレン基の両端に置換基を有してもよいチエニル基又は置換基を有してもよいジヒドロチエニル基が結合した構造を有する基であって、ポリエチレングリコール鎖の先端に結合できる基、例えば、フェニル基のようなリンカー基を介した水酸基やアミノ基等を有するものであれば特に制限はないが、合成の容易さから下記式(2)又は式(3)で表される基が好適である。
上記一般式(1)における、nは任意の正の整数であってよいが、2以上の整数がより好ましい。好ましいnとしては、1〜10、1〜5、2〜10、又は2〜5の整数が挙げられる。
及びRで表されるCOCHCH(OCHCHORの好ましい具体例としては、例えば、COCHCH(OCHCHOH、COCHCH(OCHCHOCH等が挙げられ、中でも、COCHCH(OCHCHOH、COCHCH(OCHCHOH、COCHCH(OCHCHOH、COCHCH(OCHCHOCH、COCHCH(OCHCHOCH、COCHCH(OCHCHOCH、COCHCH(OCHCHOR[Rは式(2)又は式(3)で表されるDTEを有する基]等がより好ましい例として挙げられるが、勿論これに限定されるものではない。
上記一般式1で表される化合物として最も好ましい化合物の例としては、例えば次の式(4)又は式(5)で表される化合物が挙げられる。
上記の式(4)で表される化合物はジクロロメタンに良溶解性であり、該溶液は362nmに分子状のHBCに基づく吸収帯を有するとともに、開環型のDTEに特徴的な310nm付近の吸収肩を有している。この化合物は、溶液中において、遊離のDTEと同様にDTE部が可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うことが確認された。すなわち、上記の式(4)で表される化合物のジクロロメタン溶液に、波長310±5nmの紫外光を照射すると溶液の色が黄色から濃緑色に変化するとともに、310nm付近の吸収が消滅し新たに、閉環型のDTE(式(5)の化合物)に基づく500〜750nmの吸収帯が現れる。そしてこの濃緑色の溶液に580〜650nmの可視光を照射すると溶液の色は再び黄色となり、吸収スペクトルは初期の式(4)の化合物の溶液のものと完全に一致した。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、特許文献1〜2又は特許文献9〜13に記載されている方法に準じて製造することができる。より具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて本発明の一般式(1)で表される化合物を製造することができる。DTE部は、開環した状態で製造してもよいし、閉環した状態で製造してもよい。DTE部の導入は、ハロゲンなどの脱離基を有する化合物とした後、置換反応により導入することもできるし、縮合反応により導入することもできる。
上記一般式(1)で表される化合物はこれを1以上の溶剤に溶解することにより、自己組織化してナノチューブを形成する。自己組織化物は特許文献1〜2又は特許文献9〜13に記載されている方法により作製することができるが、好ましくは上記式(4)又は(5)で表される化合物を加熱したジクロロメタンに溶解した後、放冷し室温で数日間熟成して得られる懸濁液を濾過するか又は基板上にキャストすることにより定量的に得ることができる。かくして得られた自己組織化物を走査型電子顕微鏡で観察するとアスペクト比の非常に大きいナノチューブの存在が認められ、透過型電子顕微鏡観察で肉厚(3nm)と直径(20nm)の揃ったナノチューブであることが確認された。本発明のナノチューブを模式化したものを図3の(b)に示す。図3の(b)に示されるように、本発明のナノチューブは、グラファイト状にπ−スタックした2層のHBCユニット(図3では紫色で示されている)の内外面を開環型のDTE層(黄色で示されている)及び閉環型のDTE層(緑色で示されている)がラミネートした同軸構造をとっている。
特筆すべきは上記一般式(1)で表される化合物のDTE部が開環型であっても閉環型であってもそれらの自己組織化物は幾何学的に同一形状のナノチューブであることであり、これらのナノチューブは上記一般式(1)で表される化合物の溶液中での光化学的挙動と同様の振る舞いを示すことである。すなわち、図3に示すように、上記一般式(4)で表される化合物の自己組織化物のジクロロメタン懸濁液を石英板にキャストして乾燥させて得た黄色の薄膜は、430nmと460nmに自己組織化したHBCに特徴的な吸収帯を有するとともに、開環型のDTEに特徴的な310nm付近の吸収肩を有していて、310±5nm紫外光を照射すると薄膜の色が黄色から濃緑色に変化するとともに、310nm付近の吸収が消滅し新たに閉環型のDTEに基づく500〜750nmの吸収帯が現れる。この濃緑色の薄膜のスペクトルは上記一般式(5)の化合物から同様にして得た濃緑色の薄膜と完全に一致している。そしてこれらの濃緑色の薄膜に430〜460nmの可視光を照射すると薄膜の色は再び黄色となり、吸収スペクトルは初期の薄膜のものと完全に一致する。かくして、上記一般式(1)で表される化合物が自己組織化して生成するナノチューブは化合物溶液と同様にDTE部が可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うことが確認された。
図3の(a)は本発明の一般式(1)で表される化合物の例を示しており、式中のRはDTE部を示している。図3の(a)はこれらの化合物が、溶液中において可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うこと示している。また、(b)は自己組織化させてナノチューブとなった状態を示しており、これらのナノチューブにおいても溶液中の状態と同様に、可逆的な開環/閉環の光異性化反応を行うことを示している。図3の(c)は、開環状態及び閉環状態における、それぞれの可視紫外スペクトルのチャートを示している。
さらに、たとえば上記一般式(4)で表される化合物の自己組織化物から得られる開環型のDTE部を有する薄膜に310±5nm紫外光を照射する場合、照射量に応じてDTE部の開環/閉環の割合が変化する。すなわち、DTE部の開環/閉環の割合は、紫外光の照射量により所望の割合に自由に制御することができることになる。また、逆に、閉環型のDTE部を有する薄膜に580〜650nmの可視光を照射した場合にも同様のこととなる。
ここで注目すべきは、ナノチューブの内外表面に存在するDTEの可逆的な開環/閉環の光異性化反応の課程を通して、π−スタックしたHBCユニットに基づく吸収(430nmと460nm)の位置と強度が影響を受けないことであり、このことは自己組織化して生成するナノチューブのHBCユニットのグラファイト様のカラム状の二層構造が内外表面のDTE部の幾何学的な構造変化にも拘わらず安定であることを示している。
さらに、上記一般式(1)で表される化合物の自己組織化ナノチューブに、430nm〜470nmの波長を持つ可視光を照射すると導電性が発現するが、ナノチューブの内外表面に存在するDTE部の開環/閉環状態により、それぞれの光導電度は著しく異なり、閉環型のDTE部を有する自己組織化ナノチューブは開環型のDTE部を有する自己組織化ナノチューブの光導電度の約5倍の光導電度を有する。そして、開環型と閉環型が混在するDTE部を有する自己組織化ナノチューブの光導電度は閉環型のDTEの密度に依存し、前述したように閉環型のDTEの密度は310±5nm紫外光又は580〜650nmの可視光の照射により制御することができるので、本発明の自己組織化ナノチューブの光導電度は、閉環型のDTE部を有する自己組織化ナノチューブの導電度と開環型のDTE部を有する自己組織化ナノチューブの光導電度との間の任意の値に制御することができることになる。
なお、上記一般式(1)で表される化合物の自己組織化ナノチューブに導電性を発現させるべく、430nm〜470nmの波長を持つ可視光を照射した時に自己組織化ナノチューブ上の閉環型のDTEの一部が開環型に異性化することがあるが、この異性化は430nm〜470nmの波長を持つ可視光と制御された量の310±5nmの紫外光を同時に照射することにより、防ぐことができる。
以上のように、本発明は、自己組織化により形成されるナノサイズの構造体、好ましくは超分子ナノチューブからなる光伝導性材料を提供するものであり、本発明の光伝導性材料は、変調可能な新規な電子材料を提供するものであり、光検出素子、光スイッチング素子、光応答性電荷輸送素子などとして多くの電子部品材料に適用されるものである。本発明の電子部品材料は、例えば、太陽電池材料、光検出素子材料、分子導線などナノデバイスなどへ応用可能なものである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
試薬及び測定
試薬は特に断らない限り、市販品をそのまま使用した。ジクロロメタン(CHCl)及びブロモベンゼンはアルゴン雰囲気下にカルシウムハイドライド(CaH)で乾燥し、使用前に蒸留した。テトラヒドロフラン(THF)は金属ナトリウムとベンゾフェノンの混合物を加えてアルゴン雰囲気下還流して使用直前に蒸留して用いた。
H及び13C−NMRはJEOL model NM-Excalibur 500 スペクトロメーターを用いて298°Kで、それぞれ500MHz及び125MHzで、重水素化溶媒中に残存する非重水素化溶媒を内部標準として測定した。
MALDI−TOF質量分析はApplied Biosystems BioSpectrometryTM Workstation model Voyager-DETM STR スペクトロメーターを用いて、ジスラノールをマトリックスとして測定した。
電子スペクトルは温度制御機構付きJASCO model V-560 UV/VIS スペクトロメーターを用いて石英板又は光路長1cmの石英セルで測定した。
赤外吸収スペクトルはJASCO model FT/IR-660Plus フーリエ変換赤外スベクトロメーターを用いて25℃で測定した。
サイクリックボルタンメトリーはALS/[H] CH Instruments model 622 電気化学アナライザーを用い、炭素作用電極と白金線カウンター電極により、カロメル電極(SCE)を参照電極として25℃で測定した。
走査型電子顕微鏡写真(SEM)はJEOL model JSM-6700F FE-SEMを用いて5KVで撮影した。透過型電子顕微鏡写真はPhilips model Tecnai F20 電子顕微鏡を用い、Gatan slow scan CCD カメラで低線量状態下に測定した。
X線回折パターンはRigaku model RINT-2500 回折計を用いてCuKαを線源として室温で測定した。
化合物14(開環体)の製造
次に示す化学反応式にしたがって、まず化合物5を製造し、これを別途製造した化合物13と反応させて目的の化合物14を製造した。
1.3−ブロモ−2−エチル−5−チオフェンボロン酸(3-Bromo-2-ethyl-5-thiopheneboronic acid)(化合物1)の製造
乾燥ジエチルエーテル(18ml)に2,4−ジブロモ−5−エチルチオフェン(1g,3.7mmol)を加えアルゴン雰囲気下、−78℃でn−BuLiのヘキサン溶液(1.6M,2.4ml,3.8mmol)を加えて1時間撹拌した。次いでホウ酸トリブチル(1.5ml)を徐々に加え、−78℃で4時間撹拌した後、室温で一夜撹拌して反応させた。反応混合物は濃塩酸で中和した後ジエチルエーテルで抽出し、生成した沈殿物を濾別して化合物1を固体として得た(収量:0.59g,2.5mmol,収率:68%)。
2.3−ブロモ−2−エチル−5−(4−メトキシフェニル)チオフェン(3-Bromo-2-ethyl-5-(4-methoxyphenyl)thiophene)(化合物2)の製造
15mlのテトラヒドロフラン(THF)と炭酸ナトリウム(1g)を含む水(5ml)と4−ヨードメトキシベンゼン(812mg,4mmol)との混合物に化合物1(0.59g,2.5mmol)を加え、70℃で5時間還流して反応させた。反応生成物はジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した後、濃縮した。濃縮残渣はヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2を無色の油状の液体として得た(収量:0.6g,2.02mmol,収率:81%)。

H−NMR(500MHz,aceton-d):δ(ppm)
7.56-7.53 (2H, m), 7.16 (1H, s), 6.99-6.96 (2H, m),
3.83 (3H, s), 2.81-2.75 (2H, m), 1.28-1.24 (3H, m).
13C−NMR(125MHz,aceton-d):δ(ppm)
160.5, 142.0, 140.1, 127.2, 126.7,
125.1, 115.2, 108.7, 55.6, 23.4, 15.4.
3.1−[2−エチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル]−ペルフルオロシクロペンテン(1-[2-Ethyl-5-(4-methoxyphenyl)-3-thienyl]-perfluorocyclopentene )(化合物3)の製造
乾燥THF(15ml)に化合物2(233mg,0.78mmol)を溶かしアルゴン雰囲気下、−78℃でn−BuLiのヘキサン溶液(1.6M,0.5mL,0.8mmol)を徐々に加えて1時間撹拌した。この反応液にパーフルオロシクロペンテン(509mg,2.4mmol)を加えて、−78℃で更に1時間撹拌して反応させた。次いで水を加えて反応を停止させ、反応液をジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して得た濾液を蒸発乾涸した。残渣をヘキサン/ジクロロメタン(9/1,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末状の化合物3を得た(収量:224mg,0.55mmol,収率:70%)。

H−NMR(500MHz,aceton-d):δ(ppm)
7.61-7.58 (2H, m), 7.28 (1H, s), 7.01-6.98 (2H, m), 3.86 (3H, s),
2.88-2.83 (2H, m), 1.34 (3H, t, J = 7.5Hz).
4.2−エチル−3−(2−(2−エチル−5−(4−メトキシフェニル)チオフェン−3−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペント−1−エニル)−5−フェニルチオフェン
(2-Ethyl-3-(2-(2-ethyl-5-(4-methoxyphenyl)thiophen-3-yl)-3,3,4,4,5,5-hexafluoro cyclopent-1-enyl)-5-phenylthiophene )(化合物4)の製造
化合物3(123mg,0.3mmol)の乾燥THF(12ml)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃でn−BuLiのヘキサン溶液(1.6M,0.23ml,0.37mmol)を徐々に加え1時間撹拌した。この反応液にコバタカ等の文献(S. Kobataka, et al., J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 12135.)に記載の方法に従って合成した3−ブロモ−2−エチル−5−フェニルチオフェン(88mg,0.33mmol)の乾燥THF(5ml)溶液を加え、−78℃で2時間反応させた後、メタノールを加えて反応を停止させた。反応生成物はジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して得た濾液を蒸発乾涸した。残渣はジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物4を無色の固体として得た(収量:140mg,0.24mmol,収率:81%)。

H−NMR(500MHz,aceton-d):δ(ppm)
7.67-7.65 (2H, m), 7.59-7.58 (2H, m), 7.46-7.41 (3H, m),
7.35-7.34 (2H, m), 6.99-6.97 (2H, m), 3.83 (3H, s),
2.50-2.43 (4H, m), 1.01-0.96 (6H, m).
MALDI−TOF−MS m/z
3024OSとして、計算値:[M]578.63
実測値: 577.99
5.4−(5−エチル−4−(2−(2−エチル−5−フェニルチオフェン−3−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペント−1−エニル)チオフェン−2−イル)フェノール
(4-(5-Ethyl-4-(2-(2-ethyl-5-phenylthiophen-3-yl)-3,3,4,4,5,5-hexafluorocyclopent -1-enyl)thiophen-2-yl)phenol )(化合物5)の製造
化合物4(116mg,0.2mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液に三臭化硼素(29μl,0.3mmol)を0℃で加え、0℃で1時間撹拌した。更に室温で一夜撹拌して反応させた後、反応液を氷水とTHFの混合物に注ぎジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して得た濾液を蒸発乾涸した。蒸発残渣はヘキサン/ジクロロメタン(1/1,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物5を無色の固体として得た(収量:108mg,0.19mmol,収率:96%)。

H−NMR(500MHz,aceton-d):δ(ppm)
7.67 (2H, s), 7.51-7.28 (9H, m), 6.90-6.88 (2H, m),
2.49-2.43 (4H, m), 1.01-0.95 (6H, m).
6.p−トルエンスルホン酸2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エチル(2-[2-(2-Chloroethoxy)ethoxy]ethyl-p-toluenesulfonate )(化合物6)の製造
トリエチルアミン(6.5g,64.2mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(100mg,0.82mmol)と2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エタノール(5g,29.6mmol)をジクロロメタン(30ml)に溶解し、この溶液を氷冷して、p−トルエンスルホン酸クロリド(6.78g,35.5mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下した。反応混合物を25℃まで昇温して12時間撹拌した後、水中に投入しジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層は水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、蒸発乾涸した。蒸発残渣は酢酸エチル/ヘキサン(1/2,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物6を無色の油状物として得た(収量:9.0g,27.9mmol、収率:93%)。

H−NMR(270MHz,CDCl):δ(ppm)
7.78 (2H, d, J = 8.1Hz), 7.32 (2H, d, J = 8.6Hz),
4.15 (2H, t, J = 4.7Hz), 3.73-3.56 (10H, m), 2.43 (3H, s).
MALDI−TOF−MS m/z
1524Sとして、計算値:[M+Na]355.4
実測値: 355.07
計算値:[M+K] 371.5
実測値: 371.0
7.4−ブロモ−4’−{2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エトキシ}−ビフェニル
(4-Bromo-4’-{2-[2-(2-chloroethoxy)ethoxy]ethoxy}-biphenyl)(化合物7)の製造
4−(4’−ブロモフェニル)フェノール(9.96g,40mmol)とp−トルエンスルホン酸2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エチルエステル(化合物6,14.2g,44mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF,30ml)溶液に炭酸カリウム(6.08g,44mmol)を加え、次いで18−クラウン−6−エーテル(580mg,2.2mmol)を加えた。得られた懸濁液をアルゴン雰囲気下で撹拌しながら、60℃で15時間反応させた。反応混合物を25℃まで冷却した後、蒸発乾涸し、残渣をジクロロメタン/水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して得た濾液を蒸発乾涸した。蒸発残渣は酢酸エチル/ヘキサン(1/2,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物7を無色の固体として得た(収量:14.4g,36.2mmol,収率:90%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.51 (2H, d, J = 8.5Hz), 7.45(2H, d, J = 9.0Hz),
7.38 (2H, d, J = 8.5Hz), 6.98 (2H, d, J = 9.0Hz),
4.16 (2H, t, J = 4.5Hz), 3.87 (2H, t, J = 5.0Hz),
3.77-3.69 (6H, m), 3.62 (2H, t, J = 5.5Hz).
13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)
158.5, 139.6, 132.6, 131.7, 128.2, 127.9, 120.7, 115.0,
71.4, 70.9, 70.7, 69.8, 67.6, 42.8.
MALDI−TOF−MS m/z
1820BrClOとして、計算値:[M] 398.03
実測値: 398.01
8.1−[4’−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−4−ビフェニリル]−2−[4’−{2−[2−(2−クロロ−エトキシ)エトキシ]エトキシ}−4−ビフェニリル]エチン
(1-[4’-{2-[2-(2-Methoxyethoxy)ethoxy]ethoxy}-4-biphenylyl]-2-[4’
-{2-[2-(2-chloro-ethoxy)ethoxy]ethoxy}-4-biphenylyl]-ethyne)(化合物8)の製造
化合物7(2.9g,7.3mmol)、1,8−ジアザビシクロ{5,4,0}ウンデカ−7−エン(DBU,20ml)、PdCl(PPh(260mg,0.36mmol)及びCuI(140mg,0.73mmol)のベンゼン(10ml)溶液にヤマモト等の文献(Y. Yamamoto, et al., Science 2006 314, 1761)に記載の方法に従って合成した4−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}−4’−エチニルビフェニル(2.48g,7.3mmol)のベンゼン(20ml)溶液を滴下し、アルゴン雰囲気下、60℃で24時間反応させた。生成した沈殿を濾過して分離し、氷冷したジクロロメタンで洗浄した後、クロロホルムから再結晶して精製し、白色フレーク状の化合物8を得た(収量:2.0g,3.0mmol,収率:42%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.58-7.51 (12H, m), 6.99-6.97 (4H, m), 4.18-4.16 (4H, m),
3.89-3.86 (4H, m), 3.76-3.62 (14H, m), 3.55-3.53 (2H, m), 3.37 (3H, s).
MALDI−TOF−MS m/z
3943ClOとして、計算値:[M] 658.27
実測値: 658.28
9.2,5−ジフェニル−3,4−ビス(4−ドデシルフェニル)シクロペンタジエノン(2,5-diphenyl-3,4-bis(4-dodecylphenyl)cyclopentadienone )(化合物10) の製造
1,2−ビス−(4−n−ドデシルフェニル)−1,2−ジケトン(化合物9)は、伊藤等の文献(S. Ito, et al., Chem. Euro. J. 2000, 6, 4327.)に記載の方法により合成した。
化合物9(1.5g,2.75mmol)とジベンジルケトン(0.58g,2.76mmol)をジオキサンに溶解し100℃に加熱して、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(1.0Mメタノール溶液)(1.0eq,2.76ml)を一度に加え、更に15分間加熱した。反応混合物を水に注ぎジクロロメタンで抽出し、抽出液を蒸発乾涸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン(濃度勾配10−50%ジクロロメタン)]により精製した。ジクロロメタン/ヘキサン(1:3)を溶離液として分取HPLCで更に精製し、蒸発乾涸して溶媒を除き、2,5−ジフェニル−3,4−ビス(4−ドデシルフェニル)シクロペンタジエノン(化合物10)を紫色の粉末として得た(収量:0.88g,1.22mmol,収率:44%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.24 (m), 6.96 (4H, d, J = 7.94Hz), 6.80 (4H, d, J = 7.94Hz),
2.55 (4H, t, J = 7.63Hz), 1.56 (4H, br.), 1.26 (36H, br.),
0.88 (6H, t, J = 6.71Hz).
MALDI−TOF−MS m/z
5368Oとして、計算値:[M] 721.1
実測値: 720
10.化合物11の製造
化合物10(1.0g,1.5mmol)と化合物8(1.1g,1.5mmol)の混合物に、ジフェニルエーテル(4ml)を加え、アルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した後、25℃まで冷却し、酢酸エチル(30ml)で希釈した。得られた混合物をシリカゲルで乾燥した後、溶媒を留去した。蒸発残渣をジクロロメタン/ヘキサン(2/3,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物11を無色の固体として得た(収量:0.44g,0.33mmol,収率:22%)

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.33-7.31 (4H, m), 7.05 (4H, d, J = 9.0Hz), 6.85-6.79 (18H, m),
6.66 (4H, d, J = 8.5Hz), 6.61 (4H ,d, J = 8.5Hz), 4.10-4.08 (4H, m),
3.84-3.81 (4H, m), 3.74-3.59 (14H, m), 3.53-3.51 (2H, m),
3.34 (3H, s), 2.32 (4H, t, J = 7.5Hz), 1.40-1.34 (4H, m),
1.29-1.19 (32H, m), 1.07 (4H, br.),0.86 (6H, t, J = 7.0Hz,).
13C−NMR(125MHz,aceton-d):δ(ppm)
157.9, 157.8, 140.7, 140.6, 140.3, 139.6, 139.2(2C), 137.8,
136.8, 136.7, 133.5, 133.4, 131.8, 131.4, 131.2, 127.6 (2C),
126.5 (2C), 124.9, 124.6, 114.6, 71.9, 71.4, 70.8, 70.7, 70.7,
70.6, 69.8 (2C), 67.5, 59.1, 42.8, 35.4, 32.0, 31.2, 29.8 (2C),
29.7, 29.6, 29.5, 28.9, 22.8, 14.2.
MALDI−TOF−MS m/z
91111ClOとして、計算値:[M] 1350.80
実測値: 1350.79
11.化合物12の製造
化合物11(0.44g,0.33mmol)のアセトン(30ml)溶液にヨウ化ナトリウム(0.10mg,0.66mmol)を加え、生成した懸濁液をアルゴン雰囲気下で3日間加熱還流した。反応混合物を25℃まで冷却した後、蒸発乾涸し残渣をジクロロメタン/水で抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネウムで乾燥し、蒸発乾涸した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1/2,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物12を無色の固体として得た(収量:0.41g,0.29mmol,収率:86%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.33-7.31 (4H, m), 7.05 (4H, d, J = 8.0Hz), 6.85-6.79 (m, 18H),
6.66 (4H, d, J = 8.5Hz), 6.61 (4H, d, J = 8.5Hz), 4.11-4.08 (4H, m),
3.84-3.81 (4H, m), 3.75-3.62 (12H, m), 3.53-3.51 (2H, m),
3.35 (3H, s), 3.23 (2H, J = 7.0Hz), 2.32 (4H, t, J = 7.0Hz),
1.37-1.36 (4H, m), 1.28-1.07 (36H, m), 0.86 (6H, t, J = 7.0Hz).
13C−NMR(125MHz,aceton-d):δ(ppm)
157.9, 157.8, 140.7, 140.6, 140.3, 139.6, 139.2(2C), 137.8,136.7(2C),
133.5, 133.4, 131.8, 131.4, 131.1, 127.5(2C), 126.5, 126.4, 124.9,
124.6, 114.6, 72.0,71.9, 70.8, 70.6, 70.6, 70.3, 69.8, 69.7, 67.5(2C),
59.0, 35.3, 32.0, 31.2, 29.8, 29.7, 29.6, 29.4,28.8, 22.8, 14.2.
MALDI−TOF−MS
91111IOとして、計算値:[M] 1442.74
実測値: 1442.59.
12.化合物13の製造
化合物12(1.1g,0.78mmol)の乾燥ジクロロメタン(200ml)溶液にガラスキャピラリを通してアルゴンを吹き込みながら、塩化第二鉄(FeCl,2.5g,16mmol)のニトロメタン(MeNO,4ml)溶液を徐々に加えた。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物をメタノール(200ml)に投入した。生成した沈殿を濾過した後、加熱したTHFを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで黄色の留分を単離し、更にクロロホルムを溶離液とする中性アルミナのカラムクロマトグラフィーで最初の留分を集めて蒸発乾涸した。残渣をTHFから再結晶して化合物13を黄色の粘着性の固体として得た(収量:0.51g,0.36mmol,収率:46%)。

H−NMR(500MHz,THF−d,55℃):δ(ppm)
8.38 (2H, s), 8.28 (2H, s), 8.11 (2H, d, J = 8.0Hz),
8.04 (2H, d, J = 8.0Hz), 7.96 (2H, s), 7.91 (2H, s),
7.67 (4H, d, J = 8.0Hz), 7.23 (2H, t, J = 8.0Hz),
7.10 (4H, d, J = 8.0Hz), 4.28-4.25 (4H, m), 3.97-3.94 (4H, m),
3.81-3.63 (12H, m), 3.52-3.50 (2H, m), 3.34-3.32 (5H, m),
2.80 (4H, t, J = 8.0Hz), 1.85-1.79 (4H, m), 1.54-1.21 (36H, m),
0.83 (6H, t, J = 7.0Hz).
13C−NMR(125MHz,THF−d,55℃):δ(ppm)
158.8, 158.7, 138.8, 136.3, 134.1, 129.1, 128.8, 128.3, 124.6,
123.7, 122.6, 121.9, 120.3, 120.3, 118.6, 118.5, 118.3, 114.9,
80.4, 72.3 (2C), 71.1, 70.9, 70.7, 70.5, 70.1, 70.0, 67.9,
67.0, 58.2, 37.0, 32.1, 32.0, 30.2, 30.1, 30.0 (2C), 29.9,
29.5, 25.0, 22.7, 13.6.
MALDI−TOF−MS m/z
9199IOとして、計算値:[M] 1430.64
実測値: 1430.54
13.化合物14(化合物14:開環体)の製造
化合物13(28mg,0.02mmol)と化合物5(10mg,0.018mmol)の混合物をTHF(5ml)に溶かし、水酸化カリウム(KOH,2mg,0.04mmol)を加え、生成した懸濁液をアルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した。反応混合物は室温まで冷却した後、蒸発乾涸した。残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾涸した。残渣はTHFを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物14(化合物14)を無色の固体として得た(収量:32mg,0.017mmol,収率:95%)。

H−NMR(500MHz,THF−d,55℃):δ(ppm)
8.84 (2H, s), 8.75 (2H, m), 8.62 (2H, d, J = 8.0Hz),
8.54 (2H, d, J = 8.0Hz), 8.44 (2H, s), 7.89-7.88 (4H, m),
7.66 (2H, br.), 7.45-7.44 (4H, m), 7.25-7.14 (9H, m),
6.95-6.94 (2H, m), 4.31-4.30 (4H, m), 4.17-4.16 (2H, m),
3.97-3.95 (4H, m), 3.88-3.74 (8H, m), 3.67-3.63 (6H, m),
3.07-3.04 (4H, m), 2.32-2.28 (4H, m), 1.98-1.96 (4H, m),
1.44-1.25 (36H, m), 0.91-0.82 (12H, m).

MALDI−TOF−MS m/z
120120として、計算値:[M] 1866.35
実測値: 1866.99
化合物20(開環体)の製造
次に示す化学反応式にしたがって化合物19を製造し、次いでこれを前記実施例1で製造した化合物5と反応させて化合物20を製造した。
1.1,2−ビス(4’−メトキシ−4−ビフェニリル)エチン(1,2-Bis(4’-methoxy-4-biphenylyl)ethyne )(化合物15) の製造
トリメチルシリルアセチレン(0.71ml,49.6mg,5.05mmol)と水(70μl)との混合物を、4−ブロモ−4−メトキシビフェニル(2.7g,10.12mmol)、DBU(9.2g,60.43mmol)、PdCl(PPh(425mg,0.61mmol)及びCuI(191mg,1.00mmol)の混合物のベンゼン(20ml)溶液に徐々に加え60℃に加熱して24時間反応させた。生成した沈殿を濾別して、氷冷したジクロロメタンで洗浄した後、トルエンから再結晶して化合物15を淡褐色の固体として得た(収量:1.4g,3.51mmol,収率:69%)。

H−NMR(500MHz,THF−d):δ(ppm)
7.56 (8H, t, J = 8.5Hz), 7.50 (4H, d, J = 8.5Hz),
6.93 (4H, d, J = 8.5Hz), 3.76 (6H, s).
MALDI−TOF−MS m/z
2822として、計算値:[M+H] 390.47
実測値: 390.13
2.2,3−ビス(4’−メトキシ−4−ビフェニリル)−5,6−ジ(4−ドデシルフェニル)−1,4−ジフェニルベンジン
(2,3-Bis(4’-methoxy-4-biphenylyl)-5,6-di(4-dodecylphenyl)-1,4-diphenylbenzene )(化合物16)の製造
化合物10(6.7g,9.22mmol)と化合物15(3.6g,9.22mmol)とをジフェニルエーテル(10ml)に懸濁させ、24時間加熱還流して反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、エタノール(300ml)を加え、生成した褐色の沈殿物を濾別し、酢酸エチル/ヘキサン(1/7,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物16を無色の固体として得た。(収量:8.0g,7.38mmol,収率:80%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.34 (4H, d, J = 8.5Hz), 7.06 (4H, d, J = 7.5Hz), 6.89-6.80 (18H, m),
6.68 (4H, d, J = 8.0 Hz), 6.62 (4H, d, J = 8.0Hz), 3.77 (6H, s),
2.33 (4H, t, J = 7.5Hz), 1.41-1.35 (4H, m), 1.31-1.20 (32H, m),
1.09( 4H, br.), 0.87(6H, t, J = 7.5Hz).
13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)
158.69, 140.77, 140.59, 140.34, 139.68, 139.19, 137.82, 136.83,
133.31, 131.83, 131.46, 131.18, 127.60, 126.50, 126.48, 124.91,
124.59, 113.90, 55.34, 35.38, 32.01, 32.00, 31.23, 29.81, 29.76,
29.60, 29.46, 28.88, 22.79, 14.21.
MALDI−TOF−MS m/z
8090として、計算値:[M+H] 1083.57
実測値: 1083.81
3.2,3−ビス(4’−メトキシ−4−ビフェニリル)−5,6−ジ(4−ドデシルフェニル)−1,4−ジフェニルベンジン
(2,3-Bis(4’-hydroxy-4-biphenylyl)-5,6-di(4-dodecylphenyl)-1,4-diphenylbenzene )(化合物17)の製造
化合物16(8.0g,7.38mmol)のジクロロメタン溶液に、0℃で三臭化ホウ素(2.6ml,27.5mmol)を加え0℃で45分間撹拌した後、室温で一夜反応させた。反応混合物を氷水/THF(10ml/9ml)に注ぎ、次いでジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、蒸発乾涸した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1/7,v/v)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物17を無色の固体として得た(収量:7.0g,6.63mmol,収率:90%)。

H−NMR(500MHz,CDCl):δ(ppm)
7.28(4H, d, J = 8.5Hz), 7.04(4H, d, J = 8.5Hz), 6.89-6.79(14H, m),
6.75(4H, d, J = 8.5Hz), 6.67(4H, d, J = 8.5Hz), 6.61(4H, d, J = 8.0Hz),
2.33(4H, t, J = 7.5Hz), 1.40-1.35(4H, m), 1.30-1.19(34H, m),
1.08(4H, br.), 0.87(6H, t, J = 7.5Hz).
13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)
154.58, 140.75, 140.60, 140.33, 139.64, 139.24, 139.20, 137.80,
136.77, 133.53, 131.82, 131.44, 131.16, 127.84, 126.49, 126.47,
124.91, 124.57, 115.30, 35.37, 32.00, 31.22, 29.80, 29.75, 29.59,
29.45, 28.87, 22.77, 14.20.
MALDI−TOF−MS m/z
7886として、計算値:[M+H] 1054.66
実測値: 1054.89
4.化合物18の製造
化合物6(210mg,0.65mmol)と化合物17(60mg,0.057mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(DMF,5ml)に溶かし、60℃に昇温して炭酸セシウム(CsCO,20mg,0.37mmol)を加え、生成した懸濁液をアルゴン雰囲気下、60℃で12時間撹拌して反応させた。反応混合物は25℃まで冷却した後、時用初乾涸した。残渣をジクロロメタンに溶かして水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥してから再度、蒸発乾涸した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン(1/2,v/v) を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,3−ビス[4’−{2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エトキシ}−4−ビフェニリル]−5,6−ジ(4−ドデシルフェニル)−1,4−ジフェニルベンゼン(化合物18)を無色の固体として得た(収量:65mg,0.048mmol,収率:84%)。

H−NMR(270MHz,CDC1):δ(ppm)
7.33 (4H, d, J = 8.5Hz), 7.03 (4H, d, J = 8.5Hz), 6.85-6.79 (18H, m),
6.66 (4H, d, J = 8.2Hz), 6.61 (4H, d, J = 8.2Hz),
4.10 (4H, t, J = 4.8Hz), 3.83 (4H, t, J = 4.9Hz), 3.76-3.57 (16H, m),
2.32 (4H t, J = 7.5Hz), 1.40-1.08 (40H, m), 0.86 (6H, t, J = 6.8Hz).
13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)
158.0, 140.8, 140.7, 140.4, 139.7, 139.3, 137.9, 136.8, 133.6 131.9,
131.5, 131.2, 127.7, 127.6, 126.6, 125.0, 124.7, 114.7, 71.4, 70.8,
70.7, 69.8, 67.5, 42.7, 35.3, 31.9, 31.2, 29.7, 29.4, 28.8, 22.7, 14.2.

MALDI−TOF−MS m/z
90108Clとして、計算値:[M+H] 1355.7
実測値: 1355.1
5.化合物19の製造
化合物18(385.6mg,0.28mmol)とヨウ化ナトリウム(NaI,2.5g,17mmol)をアセトン(60ml)中で混合し、生成した懸濁液を5日間、加熱還流した。反応混合物は25℃まで冷却した後、アセトンを留去し、残渣をジクロロメタンに溶解した。ジクロロメタン溶液を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、再度、蒸発乾涸し残渣を、ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、2,3−ビス[4’−{2−[2−(2−ヨードエトキシ)エトキシ]エトキシ}−4−ビフェニリル]−5,6−ジ(4−ドデシルフェニル)−1,4−ジフェニルベンゼン(化合物19)を無色の固体として得た(収量:390mg,0.25mmol,収率:89%)。

H−NMR(270MHz,CDCl):δ(ppm)
7.32 (4H, d, J = 8.5Hz), 7.05 (4H, d, J = 8.5Hz), 6.86-6.79 (18H, m),
6.66 (4H, d, J = 8.3Hz), 6.61 (4H, d,J = 8.3Hz),
4.10 (4H, t, J = 4.8Hz), 3.83 (4H, t, J = 4.9Hz), 3.76-3.63 (12H, m),
3.23 (4H, t, J = 6.9Hz), 2.32 (4H, t, J = 7.5Hz), 1.40-1.08 (40H, m),
0.86 (6H, t, J = 6.8Hz).
13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)
158.0, 140.8, 140.7, 140.4, 139.7, 139.3, 137.9, 136.8, 133.6,
131.9, 131.5, 131.2, 127.7, 127.6, 126.6, 125.0, 124.7, 114.7,
72.0, 70.8, 70.3, 69.8, 67.5, 35.5, 31.9, 31.2, 29.7, 29.5,
29.4, 28.8, 22.7, 14.1, 2.9.

MALDI−TOF−MS m/z
90108として、計算値:[M+H] 1539.6
実測値: 1538.9
6.化合物20(開環体)(化合物20)の製造
化合物19(45mg,0.029mmol)と化合物5(51mg,0.09mmol)の混合物をTHF(15ml)に溶かし、水酸化カリウム(KOH,5mg,0.089mmol)を加え、生成した懸濁液をアルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した。反応混合物は室温まで冷却した後、蒸発乾涸した。残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾涸した。残渣はTHFを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物20(開環体)(化合物20)を無色の固体として得た(収量:62mg,0.026mmol,収率:90%)。

H−NMR(500MHz,THF−d,55℃):δ(ppm)
8.8-8.76 (4H, m), 8.62-8.55 (4H, m), 8.45-8.41 (4H, m),
7.89 (4H, br.), 7.66 (2H, br.), 7.44 (8H, br.), 7.23-7.15 (14H, m),
6.94 (4H, br.), 4.31 (4H, br.), 4.12 (4H, br.), 3.96 (4H, br.),
3.87 (4H, br.), 3.77 (8H, br.), 3.05 (4H, br.), 2.28 (8H, m),
1.97 (4H, br.), 1.43-1.26 (36H, m), 0.88-0.83 (18H, m).
MALDI−TOF−MS m/z
14813812として、計算値:[M] 2398.91
実測値: 2398.46
開環型DTE及び閉環型DTEのHOMO及びLUMOエネルギーレベル
化合物4(開環型のDTE)及び化合物4に紫外光(λ=310nm,半値幅10nm)を照射して得られた閉環型のDTEを、それぞれ濃度が1.0×10−4Mとなるように、支持電解質としてBuNPF(0.1M)を含有するアセトニトリルに溶解してサイクリックボルタンメトリー測定を行い、酸化電位としてそれぞれ1.1eV及び0.7eVの値を得た。これらの値に係数4.4を乗ずることにより、HOMOのエネルギー順位として、それぞれ5.5eV及び5.1eVの値を得た。開環型DTE及び閉環型DTEのHOMO−LUMO間のエネルギーギャップはそれぞれの吸収帯の吸収端(開環型:360nm,閉環型:730nm)より、それぞれ3.5eV及び1.7eVと見積もった。
これらの結果をまとめて図2に示す。
化合物14の異性化
図4に、化合物14(化合物14の開環状態)及び化合物14(化合物14の閉環状態)の分子構造を示す。化合物14のジクロロエタン溶液(1mg/mL)に対し紫外光を照射した場合の各照射時間(秒)における色の変化を観察した。結果をカラー写真で図5に示す。黄色から濃青色への色変化はDTE部位が開環状態から閉環状態へ変化したことに対応する。また、可視光照射により、元の黄色溶液へと定量的に戻ることも確認された。この結果から、化合物14が紫外光(λ=310nm,半値幅10nm)又は可視光(λ=580−650nm)照射により可逆的にDTE部位の異性化を行うことが確認された。
化合物14の自己組織化
化合物 14(開環体)及び化合物14(閉環体)のジクロロエタン溶液をそれぞれ室温にて数日間静置して、それぞれ黄色及び濃緑色の懸濁液を得た。化合物14から得られた生成物(ナノチューブ)の走査型(図6の左側)及び透過型(図6の右側)の電子顕微鏡写真を図6に示す。直径約20ナノメートル、長さ数ミクロン以上に及ぶ開環体のナノチューブ(14O−NT)が定量的に生成していることが確認できた。また、化合物14からも同様の閉環体のナノチューブ(14C−NT)が生成することを確認した。ナノチューブ14O−NTと14C−NTはほぼ類似の粉末X線回折パターンを示した(図7参照)。このことから、ナノチューブの壁内部のHBC部位の分子配列は、表面のDTEの開環/閉環状態にかかわらずほぼ同じであることが確認できた。
化合物14からなる自己組織化ナノチューブの異性化
化合物14(開環体)及び化合物14(閉環体)のジクロロエタン溶液をそれぞれ室温にて数日間静置して得られる化合物14及び化合物14のそれぞれ黄色及び濃緑色の懸濁液を石英板上にキャストして、それぞれ黄色及び濃緑色の化合物14及び化合物14からなるナノチューブ(14O−NT)及びナノチューブ(14C−NT)のそれぞれの薄膜を得た。化合物14からなるナノチューブ(14O−NT)の薄膜に紫外光(UV310,λ=310nm,半値幅10nm)を照射して、それぞれの照射時間(秒)における色と電子スペクトルの変化を観察した。結果を、図8にカラー写真で示した。図8の上段は溶液の色の変化を示し、下段は電子スペクトルの変化を各時間(秒)におけるスペクトルを、それぞれのカラーの線で示している。波長500−700nm付近の吸収は閉環状態のDTEに対応しており、14O−NTから14C−NTへの変化が起こっていることが確認できた。また、DTE部位を完全に閉環状態としたナノチューブ(14C−NT)の薄膜に対しVIS580−650を照射することにより、スペクトルは完全に14O−NT薄膜のものと一致することも確認できた(図9参照)。図9は、ナノチューブ(14C−NT)薄膜のVIS580−650照射によるスペクトルの変化をそれぞれの時間(秒)におけるスペクトルを、それぞれのカラーの線で示している。
フラッシュフォトリシス時間分解マイクロ波電導度(FP−TRMC)測定
これらのナノチューブを用いて、フラッシュフォトリシス時間分解マイクロ波電導度(FP−TRMC)測定を行った。HBC部位のバンド間遷移に対応するパルスレーザー(λ=450nm)照射による過渡光電導プロファイルを図10(a)に示す。図10の(a)のグラフの横軸は時間(μ秒)を示し、縦軸は電流を示す。パルス光照射直後、14C−NTは14O−NTに比べ約5倍大きな光電導特性を示した。また、光電流アクションスペクトル(図10(b))を測定したところ、いずれのナノチューブにおいてもπ−スタックしたHBC部位の励起に対応して光電流が誘起されていることが明らかとなった。図10の(b)のグラフの横軸は波長(nm)を示し、縦軸は電流を示す。
ナノチューブ表面におけるDTE密度と光電導挙動との関係について詳細に検討するため、14O−NTの薄膜上に金電極を作製(電極間隔:50μm)し、VIS430−470照射下での電流−電圧特性を測定した(図11(a)のオレンジ色の線)。また、この薄膜にUV310を照射した後、VIS430−470照射下で電流−電圧特性を測定した。その結果、UV310照射前に比べ5倍程度の光電流の増大が観測された(図11(a)の緑色の線)。また、UV310及びVIS580−650照射時間に対する光電流変化を図11(b)に示す。UV310照射により光電流は単調に増加し(図11の(b)のオレンジ色の線)、ナノチューブ表面のDTEほぼ閉環状態に変化すると光電流はほぼ一定値を示した。一方、VIS580−650照射により、光電流は単調に減少する(図11の(b)の緑色の線)ことが示された。このように、表面のDTEの状態を変化することにより、可逆的に光導電性の変調ができることが明らかとなった。
本発明は、自己組織化により形成されるナノサイズの構造体、好ましくは光などにより変調することが可能な新規なナノチューブからなる光伝導性材料を提供するものであり、本発明の光伝導性材料は、光検出素子、光スイッチング素子、光応答性電荷輸送素子などとして多くの電子部品材料に適用されるものである。本発明の電子部品材料は、例えば、太陽電池材料、光検出素子材料、分子導線などナノデバイスなどへ応用可能なものである。

Claims (10)

  1. 次の一般式(1)
    [式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基を表し;
    及びRは−COCHCH(OCHCH)nOR(但し、Rは水素原子、アルキル基、又はジチエニルエテン(DTE)を有する基を表し、R及びRのそれぞれのRは互いに同一でも異なっていてもよいが、少なくともどちらか一方のRはDTEを有する基を表す。)を表し;
    nは整数を表す。]
    で表されるヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
  2. 一般式(1)におけるRが、次の式(2)又は(3)
    で表されるジチエニルエテン(DTE)を有する基である請求項1に記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
  3. 一般式(1)のRが、それぞれ独立して炭素数10〜30のアルキル基である請求項1又は2に記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
  4. 一般式(1)で表されるヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体が、次の式(4)又は(5)
    で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体。
  6. 自己組織化により形成されるナノサイズの構造体がナノチューブである請求項5に記載の構造体。
  7. 構造体が、光伝導性である請求項5又は6に記載の構造体。
  8. 構造体が、外部刺激により光電導性を変調可能である請求項5〜7のいずれかに記載の構造体。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体からなる光応答性電荷輸送素子。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載のヘキサペリヘキサベンゾコロネン誘導体の自己組織化により形成されるナノサイズの構造体からなる素子の少なくとも1種を含有してなる電子部品材料。
JP2009258047A 2009-11-11 2009-11-11 ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調 Pending JP2011102271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009258047A JP2011102271A (ja) 2009-11-11 2009-11-11 ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009258047A JP2011102271A (ja) 2009-11-11 2009-11-11 ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011102271A true JP2011102271A (ja) 2011-05-26

Family

ID=44192782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009258047A Pending JP2011102271A (ja) 2009-11-11 2009-11-11 ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011102271A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170113125A (ko) 2016-03-30 2017-10-12 제이엔씨 주식회사 자기 조직화 가능한 다환식 방향족 화합물 및 이를 사용한 유기 el 소자
KR20180000284A (ko) 2016-06-22 2018-01-02 제이엔씨 주식회사 자기 조직화 가능한 다환식 방향족 화합물 및 이를 사용한 유기 el 소자
US10886472B2 (en) * 2016-09-12 2021-01-05 Centre National De La Recherche Scientifique Alternative acceptor materials based on hexabenzocoronene

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238544A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Japan Science & Technology Agency 新規なヘキサベンゾコロネン誘導体、及びそれよりなる光伝導性ナノチューブ
JP2008091847A (ja) * 2006-03-28 2008-04-17 Sony Corp 導電路形成層、光応答素子、および光応答装置
JP2009209067A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Japan Science & Technology Agency フラーレンを内外壁表面に有する超分子ナノチューブ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238544A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Japan Science & Technology Agency 新規なヘキサベンゾコロネン誘導体、及びそれよりなる光伝導性ナノチューブ
JP2008091847A (ja) * 2006-03-28 2008-04-17 Sony Corp 導電路形成層、光応答素子、および光応答装置
JP2009209067A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Japan Science & Technology Agency フラーレンを内外壁表面に有する超分子ナノチューブ

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013004702; Whalley AC et al: J Am Chem Soc Vol.129, 2007, p.12590-1 *
JPN6013004703; Yamamoto Y et al: J Am Chem Soc Vol.129, 2007, p.9276-7 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170113125A (ko) 2016-03-30 2017-10-12 제이엔씨 주식회사 자기 조직화 가능한 다환식 방향족 화합물 및 이를 사용한 유기 el 소자
KR20180000284A (ko) 2016-06-22 2018-01-02 제이엔씨 주식회사 자기 조직화 가능한 다환식 방향족 화합물 및 이를 사용한 유기 el 소자
US10886472B2 (en) * 2016-09-12 2021-01-05 Centre National De La Recherche Scientifique Alternative acceptor materials based on hexabenzocoronene

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101056873A (zh) 羰基官能化的噻吩化合物和相关的器件结构
Liu et al. Synthesis, crystal structures and two-photon absorption properties of a series of terpyridine-based chromophores
CN109776566B (zh) 一种基于多取代苯并环戊二酮衍生物的a-d-a共轭分子及其应用
US10329378B2 (en) Graphene nanoribbons with controlled zig-zag edge and cove edge configuration
EP3188270A1 (de) Organisches halbleitendes material und dessen verwendung in organischen bauelementen
Grolleau et al. Rapid and green synthesis of complementary DA small molecules for organic photovoltaics
Chen et al. Solution-processable tetrazine and oligothiophene based linear A–D–A small molecules: Synthesis, hierarchical structure and photovoltaic properties
JP5515069B2 (ja) ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、n−型半導体、n−型半導体の製造方法、および電子装置
JP2007063364A (ja) 新規ドナーアクセプター連結系誘導体
JP2011102271A (ja) ヘキサベンゾコロネン−ジアリールエテン連結分子からなる同軸ナノチューブによる光導電性の変調
JP5004151B2 (ja) 新規なヘキサベンゾコロネン誘導体、及びそれよりなる光伝導性ナノチューブ
JP4752269B2 (ja) ポルフィリン化合物及びその製造方法、有機半導体膜、並びに半導体装置
JP2010056492A (ja) キャリア移動度がチューニングされた両極性電界効果トランジスタ
Li et al. Facile synthesis and self-assembly of diazafluorenone-based p–n (donor–acceptor) organic semiconductors
JP2008272916A (ja) 光電導特性をチューニングした自己組織化ナノチューブ
Wang et al. Synthesis and Characterization of Planar Five‐Ring‐Fused Dithiophene‐dione
Boobalan et al. Luminescent one-dimensional nanostructures of perylene bisimides
WO2010132951A1 (en) Oligothiophenes and uses thereof in photovoltaic devices
Videlot-Ackermann et al. Effect of end-substitutions of distyryl-oligothiophenes by hexyl chains on environmental stability in organic thin film transistors
JP5503184B2 (ja) フラーレン誘導体、組成物及び有機光電変換素子
JP5091059B2 (ja) フラーレンを内外壁表面に有し光電導特性をチューニングした自己組織化ナノチューブ
JP5009716B2 (ja) ヘキサベンゾコロネンナノチューブを用いた電界効果トランジスタ
Liang et al. Spectral and self-assembly properties of a series of asymmetrical pyrene derivatives
JP2009209067A (ja) フラーレンを内外壁表面に有する超分子ナノチューブ
JP6675124B2 (ja) アントラビスチアジアゾール誘導体及びこれを用いて得られるπ共役系重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130618