JP2011101792A - 組織アンカアプリケータ - Google Patents
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Abstract
【課題】組織アンカアプリケータを提供すること。
【解決手段】組織アンカアプリケータは、エンドエフェクタアセンブリであって、エンドエフェクタアセンブリは、一対の間隔を空けられたアームを含む第1のジョー部材であって、第1のジョー部材は、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される、第1のジョー部材と、第2のジョー部材であって、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成され、第1および第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、他方に対して、間隔を空けられた位置から、固定部材とアンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である、第2のジョー部材とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】組織アンカアプリケータは、エンドエフェクタアセンブリであって、エンドエフェクタアセンブリは、一対の間隔を空けられたアームを含む第1のジョー部材であって、第1のジョー部材は、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される、第1のジョー部材と、第2のジョー部材であって、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成され、第1および第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、他方に対して、間隔を空けられた位置から、固定部材とアンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である、第2のジョー部材とを含む。
【選択図】図1
Description
(発明の詳細な説明)
(関連出願の参照)
本出願は、2009年10月9日に出願された米国仮出願第61/250,070号の利益およびそれに対する優先権を主張し、この仮出願の内容全体が参照によって本明細書に援用される。
(関連出願の参照)
本出願は、2009年10月9日に出願された米国仮出願第61/250,070号の利益およびそれに対する優先権を主張し、この仮出願の内容全体が参照によって本明細書に援用される。
(背景)
(技術分野)
本開示は、組織アンカアプリケータに関し、より具体的には、組織への組織アンカの非外傷性の取り付けのための組織アンカアプリケータおよび組織アンカアセンブリに関する。
(技術分野)
本開示は、組織アンカアプリケータに関し、より具体的には、組織への組織アンカの非外傷性の取り付けのための組織アンカアプリケータおよび組織アンカアセンブリに関する。
(関連技術の説明)
外科手術器具における最近の技術上の改良の結果、以前に従来の様式または開放の様式で行われた外科手術処置は、現在、最小侵襲性外科手術の技術(例えば、内視鏡、腹腔鏡など)を用いて日常的に行われている。最小侵襲性外科手術処置は、従来の外科手術処置と比較して侵襲性が小さく、従って、患者に対する外傷を最小限にして、患者の回復時間を短縮する。
外科手術器具における最近の技術上の改良の結果、以前に従来の様式または開放の様式で行われた外科手術処置は、現在、最小侵襲性外科手術の技術(例えば、内視鏡、腹腔鏡など)を用いて日常的に行われている。最小侵襲性外科手術処置は、従来の外科手術処置と比較して侵襲性が小さく、従って、患者に対する外傷を最小限にして、患者の回復時間を短縮する。
内視鏡および腹腔鏡の外科手術処置において、手術の領域またはその近くで組織および器官を動かすかまたは操作するために器具を使用することがしばしば必要である。概して、腹腔鏡外科手術処置は、外科医に作業領域を提供し、例えば腹部などの体腔を通気するために、例えば二酸化炭素などの気体を導入することを伴う。より詳細には、腹膜を穿刺し、腹壁を貫いてカニューレを通るアクセスポートを提供するために、トロカールデバイスが利用される。次いで、腹部を通気するために、通気気体を供給する管がカニューレを通って挿入され得る。カニューレは、典型的には、通気状態に体腔を維持するための流体密閉シールを含む。概して、トロカール/カニューレは、外科手術処置を実行するために必要な個々の外科手術器具を導入するために腹壁を貫いて配置される。この方法で、外科医は、第1のトロカール/カニューレを通って提供される内視鏡を介して外科手術部位を見得、特定の外科手術処置中に必要であり得るグラスパ、鋏、クリップアプライア、ステープラまたは任意の他の外科手術器具などの外科手術器具を導入するために第2のトロカール/カニューレを利用し得る。
通気気体は、腹部を拡張し、外科医が外科手術部位を見ることを可能にするが、外科手術部位内の内部器官または内部組織を操作し、外科手術目標への明瞭な経路を提供することがしばしば必要である。外科医はかつて、外科手術処置中にフックまたは他の先の尖った物体を用いて、外科手術処置中に内部で軟組織または内臓にアンカを固定した。理解され得るように、そのようなフックおよび他の先の尖った物体を使用することは、これらのアンカの挿入、再設置および/または除去中に患者に対して大きな外傷を引き起こし得る。
(概要)
本開示に従って、組織アンカアプリケータが提供される。組織アンカアプリケータは、第1および第2のジョー部材を有するエンドエフェクタを含む。第1のジョー部材は、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される一対の間隔を空けられたアームを含む。第2のジョー部材は、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成される。第1および第2のジョー部材のうちの1つ(または両方)は、他方に対して、間隔を空けられた位置から、固定部材とアンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である。
本開示に従って、組織アンカアプリケータが提供される。組織アンカアプリケータは、第1および第2のジョー部材を有するエンドエフェクタを含む。第1のジョー部材は、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される一対の間隔を空けられたアームを含む。第2のジョー部材は、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成される。第1および第2のジョー部材のうちの1つ(または両方)は、他方に対して、間隔を空けられた位置から、固定部材とアンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である。
一実施形態において、ジョー部材が間隔を空けられた位置に配置されているとき、第2のジョー部材は、第2のジョー部材に組織アンカを固定して保持するように構成される。そのようなものとして、ジョー部材が間隔を空けられた位置に配置されているとき、第2のジョー部材に組織アンカを保持するロッキング機構が備え付けられ得る。ジョー部材が接近した位置に動かされたとき、第2のジョー部材は、第2のジョー部材から組織アンカを解放するようにさらに構成され得る。
別の実施形態において、第1のジョー部材の間隔を空けられたアームは、第1のジョー部材に縫合糸の一部分を保持するように構成される。第1および第2のジョー部材が接近した位置に動かされたとき、縫合糸は、アンカ部材の周りに組織を固定するように構成される。
さらに別の実施形態において、間隔を空けられたアームのうちの1つ(または両方)は、アームとアームの遠位端との間に挟み点を規定する。挟み点は、アームに縫合糸の一部分を解放可能に保持する。挟み点は、所定の引張力が縫合糸に加えられたとき、挟み点によって解放可能に保持される縫合糸の一部分がアームから解放され、すなわち、縫合糸が挟み点を通って引かれ、アームから縫合糸を解放するように構成される。
なおも別の実施形態において、エンドエフェクタアセンブリは、シャフトのある器具の遠位端に配置される。シャフトのある器具は、間隔を空けられた位置から接近した位置までジョー部材を動かすアクチュエータを含み得る。
なおもさらに別の実施形態において、固定部材はリング構造を含み、リング構造はリング構造とアンカ部材との間で組織を固定するためにリング構造に連結された縫合糸を有する。
本開示の別の実施形態に従う、組織アンカアセンブリは、アンカ部材と固定部材とを含む。アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含む。アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である。固定部材は、組織の反対側の面に隣接して位置決め可能であり、一対の間隔を空けて離れた弓形アームを有し、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームは、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームの第1の端部において互いに接続され、自由な第2の端部を有する。アームのうちの1つ(または両方)は、他方に対して、静止位置と、拡張位置との間で可動である。静止位置において、アームは、アーム間に第1の間隙距離を規定し、一方、拡張位置において、アームは、アーム間に第2の間隙距離を規定し、該第2の間隙距離は該該第1の間隙距離より大きい。従って、拡張位置にあるとき、固定部材は、アンカ部材のシャフトの周りに位置決め可能である。一旦、アンカ部材のシャフトの周りに位置決めされると、固定部材は、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して静止位置に戻り得る。
本開示の別の実施形態に従って、アンカ部材と固定部材とを含む組織アンカアセンブリが提供される。アンカ部材であって、組織の面に隣接して位置決め可能であり、上記の実施形態のうちの任意の実施形態に従って構成され得る。固定部材は、固定部材を通って延びる開口部を規定し、組織の反対側の面に隣接して位置決め可能である。固定部材は、静止位置から拡張位置まで移行可能である。拡張位置において、アンカ部材のボール部分は、固定部材の開口部を通り得る。一旦ボール部分が固定部材の開口部を通過すると、固定部材は、該ボール部分と該ベースとの間で該シャフトの周りに該固定部材を維持するために、静止位置に戻るように移行され得、それにより、アンカ部材と固定部材との間に組織を固定して留める。
一実施形態において、固定部材は変形可能リングを備える。このリングは、前記静止位置から拡張位置に弾性的に変形可能であり、静止位置において、該リングはほぼ楕円形構成を規定し、拡張位置において、該リングはほぼ円形の構成を規定する。静止位置から拡張位置までリングを変形するために、リングはつかまれるか、リングの周囲に沿って正反対の位置で該リングを挟まれる。
別の実施形態において、固定部材は、第1のタブと第2のタブとを含む挟みリングを備える。該第1のタブおよび該第2のタブのうちの1つ(または両方)は、互いに対して、静止位置と拡張位置との間で可動である。静止位置において、該挟みリングは第1の直径を規定する。該拡張位置において、該挟みリングは第2の直径を規定し、該第2の直径は該第1の直径より大きい。
さらに別の実施形態において、固定部材は、2つ(以上)のリングを備える。リングは、静止位置と拡張位置との間で移行可能であり、該静止位置において、リングは互いに対して少なくとも部分的に間隔を空けて離れており、該拡張位置において、リングは互いに対してさらに重なっている。
なお別の実施形態において、アンカ部材と固定部材とを含む組織アンカアセンブリが提供される。アンカ部材は、上述された実施形態のうちの任意の実施形態に従って構成され得る。固定部材は、アンカ部材と反対側の組織の面に隣接して位置決め可能であり、リング構造であって、該リング構造を通って延びる開口部を規定する、リング構造と縫合糸とを含む。縫合糸は、該リング構造に連結され、第1の位置と第2の位置との間で華道である。第1の位置において、アンカ部材のボール部分は、該リング構造の該開口部を通る。第2の位置において、一旦、アンカ部材がリング構造の開口部を通過すると、固定部材は、ボール部分とベースとの間においてシャフトの周りに保持され、該アンカ部材と該固定部材との間に組織を固定して留める。
一実施形態において、リング構造は、縫合糸を該リング構造に連結する複数の拡張可能部材を含む。複数の拡張可能部材は、該縫合糸の第1の位置に対応する静止位置と、該縫合糸の第2の位置に対応する拡張位置との間で移行可能である。
別の実施形態において、リング構造は、該リング構造を通って規定されるスロットを含む。スロットは、該リング構造の外周の周りに少なくとも部分的に延びる。縫合糸は、リング構造内に規定されるスロットを通して配置され、第1の位置と第2の位置との間でスロットを通して可動であり、第1の位置において、縫合糸は、スロットの第1の端部に配置され、第2の位置において、縫合糸は、スロットの第2の端部に配置される。
さらに別の実施形態において、リング構造は、互いに回転可能に連結される第1のリングおよび第2のリングを含む。リングのうちの1つ(または両方)は、第1の位置と第2の位置との間で縫合糸を移行するために他方に対して回転される。
なお別の実施形態において、縫合糸の中間部分は、リング構造に固定して留められ、縫合糸の第1および第2の端部は、該リング構造の反対側の端部に規定されるアパーチャを通って延びる。該縫合糸の該第1および第2の端部は、該縫合糸を前記第1の位置から前記第2の位置に移行させるために選択的に引っ張られる。
なおさらに別の実施形態において、リング構造は、該リング構造を通って延びる管腔を有する管を含み、前記縫合糸は、該縫合糸が前記第1の位置から前記第2の位置に動くと、開放位置から締め付け位置に引き締め可能であるループを規定する。該管は、該縫合糸が該第1の位置に配置されているとき(ループが開放位置にあるとき)該ループの第1の部分の周りに配置され、該縫合糸が該第2の位置に配置されているとき(ループが締め付け位置にあるとき)該ループの第2のより大きい部分の周りに配置される。さらに、管は、円形、卵型、三角形、長方形、五角形、六角形、八角形または十二角形の断面形状を規定し得るが、他の断面形状もまた企図される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
エンドエフェクタアセンブリを備えている組織アンカアプリケータであって、該エンドエフェクタアセンブリは、
一対の間隔を空けられたアームを含む第1のジョー部材であって、該第1のジョー部材は、該第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される、第1のジョー部材と、
第2のジョー部材であって、該第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、他方に対して、間隔を空けられた位置から、該固定部材と該アンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である、第2のジョー部材と
を含む、組織アンカアプリケータ。
(項目2)
上記ジョー部材が上記間隔を空けられた位置に配置されているとき、上記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に上記組織アンカを固定して保持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目3)
上記ジョー部材が上記接近した位置に動かされたとき、上記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に保持された上記組織アンカを解放するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目4)
上記ジョー部材が上記間隔を空けられた位置に配置されているとき、上記第2のジョー部材に上記組織アンカを保持するロッキング機構をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目5)
上記第1のジョー部材の上記間隔を空けられたアームは、該第1のジョー部材に縫合糸の一部分を保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材が上記接近した位置に動かされたとき、該縫合糸は、上記アンカ部材の周りに組織を固定するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目6)
上記間隔を空けられたアームのうちの少なくとも1つは、該アームと該アームの遠位端との間に挟み点を規定し、該挟み点は、該アームに上記縫合糸の一部分を解放可能に保持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目7)
上記挟み点によって解放可能に保持される上記縫合糸の一部分に所定の引張力を加えることは、上記アームから該縫合糸を解放する、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目8)
上記エンドエフェクタアセンブリは、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置まで上記ジョー部材を動かすアクチュエータを含む、シャフトのある器具の遠位端に配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目9)
上記固定部材はリング構造を含み、該リング構造は該リング構造と上記アンカ部材との間で組織を固定するために該リング構造に連結された縫合糸を有する、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目10)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
組織の反対側の面に隣接して位置決め可能な固定部材であって、該固定部材は、一対の間隔を空けて離れた弓形アームを有し、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームは、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームの第1の端部において互いに接続され、自由な第2の端部を有し、該アームのうちの少なくとも1つは、他方に対して、静止位置と、拡張位置との間で可動であり、該静止位置は、該アーム間に第1の間隙距離を規定し、該拡張位置は、該アーム間に第2の間隙距離を規定し、該第2の間隙距離は該シャフトの周りに固定部材を位置決めするための該シャフトの直径より大きく、該第1の間隙距離は、該固定部材が該シャフトの周りに配置されたとき、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるシャフトの直径より小さい、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。
(項目11)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材を通って延びる開口部を規定し、該固定部材は組織の反対側の面の周りに位置決め可能であり、該固定部材は、静止位置から、該開口部を通って該ボール部分を通過させるための拡張位置まで移行可能であり、該固定部材は、一旦、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるために、該ボール部分と該ベースとの間で該シャフトの周りに該固定部材を維持するために、該ボール部分が該開口部を通過すると、静止位置に戻るように移行可能である、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。
(項目12)
上記固定部材は変形可能リングを備え、該リングは、上記静止位置から拡張位置に弾性的に変形可能であり、該静止位置において、該リングはほぼ楕円形構成を規定し、該拡張位置において、該リングはほぼ円形の構成を規定し、該リングは、該リングの周囲に沿って正反対の位置で該リングを挟むと、該静止位置から該拡張位置に弾性的に変形可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目13)
上記固定部材は、第1のタブと第2のタブとを含む挟みリングを備え、該第1のタブおよび該第2のタブのうちの少なくとも1つは、互いに対して、静止位置と拡張位置との間で可動であり、該静止位置において、該挟みリングは第1の直径を規定し、該拡張位置において、該挟みリングは第2の直径を規定し、該第2の直径は該第1の直径より大きい、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目14)
上記固定部材は、少なくとも2つのリングを備え、該少なくとも2つのリングは、静止位置と拡張位置との間で移行可能であり、該静止位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対して少なくとも部分的に間隔を空けて離れており、該拡張位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対してさらに重なっている、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目15)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材は、組織の反対側の面に隣接して位置決め可能である、固定部材と
を備え、該固定部材は、
リング構造であって、該リング構造を通って延びる開口部を規定する、リング構造と、
該リング構造に連結される縫合糸であって、該縫合糸は、該リング構造の該開口部を通って該ボール部分を通過させる第1の位置と、該アンカ部材と該固定部材との間に組織を固定して留めるために該ボール部分と該ベースとの間において該シャフトの周りに該固定部材を保持する第2の位置との間で可動である、縫合糸と
を含む、組織アンカアセンブリ。
(項目16)
上記リング構造は、上記縫合糸を該リング構造に連結する複数の拡張可能部材を含み、該複数の拡張可能部材は、該縫合糸の第1の位置に対応する静止位置と、該縫合糸の第2の位置に対応する拡張位置との間で移行可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目17)
上記リング構造は、該リング構造を通って規定されるスロットを含み、該スロットは、該リング構造の外周の周りに少なくとも部分的に延び、上記縫合糸の少なくとも一部分は、上記第1の位置において該縫合糸が該スロットの第1の端部に配置され、上記第2の位置において該縫合糸が該スロットの第2の端部に配置されるように、該リング構造内に規定される該スロットを通って配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目18)
上記リング構造は、互いに連結される第1のリングおよび第2のリングを含み、該リングのうちの少なくとも1つは、上記第1の位置と上記第2の位置との間で上記縫合糸を動かすために他方に対して回転可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目19)
上記縫合糸の中間部分は、上記リング構造に固定して留められ、上記縫合糸の第1および第2の端部は、該リング構造の反対側の端部に規定されるアパーチャを通って延び、該縫合糸の該第1および第2の端部は、該縫合糸を上記第1の位置から上記第2の位置に移行させるために選択的に引っ張られることが可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目20)
上記リング構造は、該リング構造を通って延びる管腔を有する管を含み、上記縫合糸は、該縫合糸が上記第1の位置から上記第2の位置に動くと、開放位置から締め付け位置に引き締め可能であるループを規定し、該管は、該縫合糸が該第1の位置に配置されているとき該ループの第1の部分の周りに配置され、該縫合糸が該第2の位置に配置されているとき該ループの第2のより大きい部分の周りに配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目21)
上記管の断面形状は、円形、卵型、三角形、長方形、五角形、六角形、八角形および十二角形のうちの1つである、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目1)
エンドエフェクタアセンブリを備えている組織アンカアプリケータであって、該エンドエフェクタアセンブリは、
一対の間隔を空けられたアームを含む第1のジョー部材であって、該第1のジョー部材は、該第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される、第1のジョー部材と、
第2のジョー部材であって、該第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、他方に対して、間隔を空けられた位置から、該固定部材と該アンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である、第2のジョー部材と
を含む、組織アンカアプリケータ。
(項目2)
上記ジョー部材が上記間隔を空けられた位置に配置されているとき、上記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に上記組織アンカを固定して保持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目3)
上記ジョー部材が上記接近した位置に動かされたとき、上記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に保持された上記組織アンカを解放するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目4)
上記ジョー部材が上記間隔を空けられた位置に配置されているとき、上記第2のジョー部材に上記組織アンカを保持するロッキング機構をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目5)
上記第1のジョー部材の上記間隔を空けられたアームは、該第1のジョー部材に縫合糸の一部分を保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材が上記接近した位置に動かされたとき、該縫合糸は、上記アンカ部材の周りに組織を固定するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目6)
上記間隔を空けられたアームのうちの少なくとも1つは、該アームと該アームの遠位端との間に挟み点を規定し、該挟み点は、該アームに上記縫合糸の一部分を解放可能に保持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目7)
上記挟み点によって解放可能に保持される上記縫合糸の一部分に所定の引張力を加えることは、上記アームから該縫合糸を解放する、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目8)
上記エンドエフェクタアセンブリは、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置まで上記ジョー部材を動かすアクチュエータを含む、シャフトのある器具の遠位端に配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目9)
上記固定部材はリング構造を含み、該リング構造は該リング構造と上記アンカ部材との間で組織を固定するために該リング構造に連結された縫合糸を有する、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアプリケータ。
(項目10)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
組織の反対側の面に隣接して位置決め可能な固定部材であって、該固定部材は、一対の間隔を空けて離れた弓形アームを有し、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームは、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームの第1の端部において互いに接続され、自由な第2の端部を有し、該アームのうちの少なくとも1つは、他方に対して、静止位置と、拡張位置との間で可動であり、該静止位置は、該アーム間に第1の間隙距離を規定し、該拡張位置は、該アーム間に第2の間隙距離を規定し、該第2の間隙距離は該シャフトの周りに固定部材を位置決めするための該シャフトの直径より大きく、該第1の間隙距離は、該固定部材が該シャフトの周りに配置されたとき、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるシャフトの直径より小さい、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。
(項目11)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材を通って延びる開口部を規定し、該固定部材は組織の反対側の面の周りに位置決め可能であり、該固定部材は、静止位置から、該開口部を通って該ボール部分を通過させるための拡張位置まで移行可能であり、該固定部材は、一旦、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるために、該ボール部分と該ベースとの間で該シャフトの周りに該固定部材を維持するために、該ボール部分が該開口部を通過すると、静止位置に戻るように移行可能である、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。
(項目12)
上記固定部材は変形可能リングを備え、該リングは、上記静止位置から拡張位置に弾性的に変形可能であり、該静止位置において、該リングはほぼ楕円形構成を規定し、該拡張位置において、該リングはほぼ円形の構成を規定し、該リングは、該リングの周囲に沿って正反対の位置で該リングを挟むと、該静止位置から該拡張位置に弾性的に変形可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目13)
上記固定部材は、第1のタブと第2のタブとを含む挟みリングを備え、該第1のタブおよび該第2のタブのうちの少なくとも1つは、互いに対して、静止位置と拡張位置との間で可動であり、該静止位置において、該挟みリングは第1の直径を規定し、該拡張位置において、該挟みリングは第2の直径を規定し、該第2の直径は該第1の直径より大きい、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目14)
上記固定部材は、少なくとも2つのリングを備え、該少なくとも2つのリングは、静止位置と拡張位置との間で移行可能であり、該静止位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対して少なくとも部分的に間隔を空けて離れており、該拡張位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対してさらに重なっている、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目15)
アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材は、組織の反対側の面に隣接して位置決め可能である、固定部材と
を備え、該固定部材は、
リング構造であって、該リング構造を通って延びる開口部を規定する、リング構造と、
該リング構造に連結される縫合糸であって、該縫合糸は、該リング構造の該開口部を通って該ボール部分を通過させる第1の位置と、該アンカ部材と該固定部材との間に組織を固定して留めるために該ボール部分と該ベースとの間において該シャフトの周りに該固定部材を保持する第2の位置との間で可動である、縫合糸と
を含む、組織アンカアセンブリ。
(項目16)
上記リング構造は、上記縫合糸を該リング構造に連結する複数の拡張可能部材を含み、該複数の拡張可能部材は、該縫合糸の第1の位置に対応する静止位置と、該縫合糸の第2の位置に対応する拡張位置との間で移行可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目17)
上記リング構造は、該リング構造を通って規定されるスロットを含み、該スロットは、該リング構造の外周の周りに少なくとも部分的に延び、上記縫合糸の少なくとも一部分は、上記第1の位置において該縫合糸が該スロットの第1の端部に配置され、上記第2の位置において該縫合糸が該スロットの第2の端部に配置されるように、該リング構造内に規定される該スロットを通って配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目18)
上記リング構造は、互いに連結される第1のリングおよび第2のリングを含み、該リングのうちの少なくとも1つは、上記第1の位置と上記第2の位置との間で上記縫合糸を動かすために他方に対して回転可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目19)
上記縫合糸の中間部分は、上記リング構造に固定して留められ、上記縫合糸の第1および第2の端部は、該リング構造の反対側の端部に規定されるアパーチャを通って延び、該縫合糸の該第1および第2の端部は、該縫合糸を上記第1の位置から上記第2の位置に移行させるために選択的に引っ張られることが可能である、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目20)
上記リング構造は、該リング構造を通って延びる管腔を有する管を含み、上記縫合糸は、該縫合糸が上記第1の位置から上記第2の位置に動くと、開放位置から締め付け位置に引き締め可能であるループを規定し、該管は、該縫合糸が該第1の位置に配置されているとき該ループの第1の部分の周りに配置され、該縫合糸が該第2の位置に配置されているとき該ループの第2のより大きい部分の周りに配置される、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(項目21)
上記管の断面形状は、円形、卵型、三角形、長方形、五角形、六角形、八角形および十二角形のうちの1つである、上記項目のいずれかに記載の組織アンカアセンブリ。
(摘要)
組織アンカアプリケータは、第1のジョー部材と第2のジョー部材とを有するエンドエフェクタアセンブリを含む。第1のジョー部材は、一対の間隔を空けられたアームを含み、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される。第2のジョー部材であって、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成される。第1および第2のジョー部材の1つ(または両方)は、他方に対して、間隔を空けられた位置から、該固定部材と該アンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である。
組織アンカアプリケータは、第1のジョー部材と第2のジョー部材とを有するエンドエフェクタアセンブリを含む。第1のジョー部材は、一対の間隔を空けられたアームを含み、第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される。第2のジョー部材であって、第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成される。第1および第2のジョー部材の1つ(または両方)は、他方に対して、間隔を空けられた位置から、該固定部材と該アンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である。
主題の組織アンカアセンブリおよび組織アンカアプリケータの様々な実施形態は、本明細書において図面を参照して説明される。
(詳細な説明)
ここで図1を見ると、組織アンカアプリケータ10は、概してハウジング12を含み、ハウジング12は、その遠位端に配置されるエンドエフェクタアセンブリ100を有する。しかしながら、エンドエフェクタアセンブリ100は、ハウジング12に係合される必要はなく、シャフトのある器具300の遠位端に配置され得るか(図22を参照されたい)、または任意の他の適切な構成で配置され得る。エンドエフェクタアセンブリ100は、第1のジョー部材110と、第2のジョー部材120とを含む。第1のジョー部材110は、ハウジング12の遠位端から延びる一対の間隔を空けられたアーム111、112を含む。アーム111は、その遠位端113において縫合糸保持部分115を規定し、アーム112は、その遠位端114において縫合糸保持部分116を規定する。縫合糸保持部分115、116は、より詳細に以下に考察される。第2のジョー部材120は、アンカ保持部分124を含み、アンカ保持部分124は、アンカ保持部分124にアンカ部材30を保持するために第2のジョー部材120の遠位端122に配置される。
ここで図1を見ると、組織アンカアプリケータ10は、概してハウジング12を含み、ハウジング12は、その遠位端に配置されるエンドエフェクタアセンブリ100を有する。しかしながら、エンドエフェクタアセンブリ100は、ハウジング12に係合される必要はなく、シャフトのある器具300の遠位端に配置され得るか(図22を参照されたい)、または任意の他の適切な構成で配置され得る。エンドエフェクタアセンブリ100は、第1のジョー部材110と、第2のジョー部材120とを含む。第1のジョー部材110は、ハウジング12の遠位端から延びる一対の間隔を空けられたアーム111、112を含む。アーム111は、その遠位端113において縫合糸保持部分115を規定し、アーム112は、その遠位端114において縫合糸保持部分116を規定する。縫合糸保持部分115、116は、より詳細に以下に考察される。第2のジョー部材120は、アンカ保持部分124を含み、アンカ保持部分124は、アンカ保持部分124にアンカ部材30を保持するために第2のジョー部材120の遠位端122に配置される。
図1に示されるように、エンドエフェクタアセンブリ100のジョー部材110および120は、間隔を空けられた位置に配置される。ジョー部材120は、ジョー部材110に対して、図1に示される間隔を空けられた位置から図4および図5に示されるように接近した位置に可動である。但し、ジョー部材110がジョー部材120に対して可動であるか、またはジョー部材110、120の両方が間隔を空けられた位置と接近した位置との間で互いに対して可動であることが想定される。さらに、例えば、ジョー部材110、120が間隔を空けられた位置にあるとき、ジョー部材120がジョー部材110の上に配置され得るなど、ジョー部材110、120の配向が逆にされ得ることが想定される。
ここで図2〜図3を参照すると、組織アンカアプリケータ10のジョー部材110、120が、それらの間に組織400が配置されている状態で間隔を空けられた位置に配置されて示される。ジョー部材110の各アーム111、112は、ジョー部材110の各アーム111、112において縫合糸20の縫合糸ループ22の一部分を保持する。より具体的には、縫合糸ループ22は、アーム111の縫合糸保持部分115およびアーム112の縫合糸保持部分116を通って配置される。縫合糸20に沿って形成される締め付け結び目24は、縫合糸ループを緩めそしてそれを引き締めるために、すなわち、縫合糸ループ22の直径を増加させるかまたは減少させるために、縫合糸20に沿って二方向に動くように構成される。
図2〜図3に示されるように、アンカ部材30は、第2のジョー部材120の遠位端122における第2のジョー部材120のアンカ保持部分124に保持される。アンカ部材30は、ボール部分32と、ベース34と、ボール部分32とベース部分34とを相互に接続するシャフト33(図7)とを含む。アンカ部材30のベース34は、第2のジョー部材120のアンカ保持部分124に係合され、一方、シャフト33(図7)およびボール部分32は、ボール部分32が組織400に隣接して位置を決められるようにベース34からジョー部材110の方に延びる。
アンカ部材30は、例えば解放可能クランプ125などの任意の適切な機構によってジョー部材120に解放可能に保持され得る。ジョー部材110及び120が間隔を空けられた位置に配置されているとき、ジョー部材120のアンカ保持部分124は、それにアンカ保持部材30を固定して保持するように構成され得る。このことは、例えば、ジョー部材110、120が接近した位置に配置されるまでアンカ部材30の解放を防ぐロッキング機構126によって達成され得る。あるいは、アンカ保持部分124は、ユーザ起動の解放機構(図示されていない)が係合されるまで、アンカ保持部分124にアンカ部材30を固定して保持するように構成され得る。さらに、第2のロッキング機構(図示されていない)が、間隔を空けられた位置(および/または接近した位置)でジョー部材110および120を維持するために備え付けられ得る。例えば、ロッキングピン(図示されていない)は、ジョー部材120の動きを阻止するためにハウジング12のアパーチャ13の中に挿入され得、それによって、ジョー部材110、120の相対的な位置を固定し得る。ロッキングピン(図示されていない)を除去すると、ジョー部材120は再び、間隔を空けられた位置と接近した位置との間で動くことを可能にされる。そのような特徴は、ジョー部材120が誤って接近位置に動くことがないようにすることを確実にすることを助ける。
図3〜図5を参照すると、組織アンカアプリケータ10の動作が詳細に説明される。最初に、使用のために組織アンカアプリケータ10を装填するために、ジョー部材110、120は、間隔を空けられた位置に動かされ、アンカ部材30はジョー部材120のアンカ保持部材124に固定され、縫合糸ループ22はジョー部材110のアーム111、112を通って配置される。使用のために組織アンカアプリケータ10が装填された状態で、アンカアプリケータ10のエンドエフェクタアセンブリ100は、上記に説明され、図3に示されるように位置を決められ、その結果、組織400は、アンカ部材30のボール部分32が第1の面または組織400の表面402に隣接して配置されかつ縫合糸ループ22が第2の面または組織400の表面404に隣接して配置された状態で、ジョー部材110と120との間に配置される。
エンドエフェクタアセンブリ100が上記に説明されるように位置を決められた状態で、ジョー部材120は、間隔を空けられた位置から動かされ、接近した位置に動き得、その結果、アンカ部材30は、組織400およびジョー部材110の方に前進させられる。ジョー部材120が接近位置の方にさらに動かされると、アンカ部材30のボール部分32は、ついに組織400の第1の表面402と接触する。接近した位置の方へのジョー部材120のさらなる動きは、アンカ部材30のボール部分32を組織の中に促し、その結果、組織400は、同様にジョー部材110の方に促される。アンカ部材30が第1のジョー部材110の方に組織400を促すと、第1のジョー部材110のアーム111、112は、組織400の動きを阻止し、アンカ部材30のボール部分32が組織400の表面402を係合することを可能にし、アンカ部材30のボール部分32が組織400の中に促されるところの近くで、組織400の表面404からジョー部材110の方に突き出る組織400のふくらみを作る。ついにジョー部材120が接近した位置に近づくと、アンカ部材30は、ジョー部材110の方にさらに促され、その結果、組織400から突き出る組織のふくらみおよびアンカ部材30のボール部分32は、ジョー部材110のアーム111と112との間に延びる。ジョー部材120がジョー部材110に対して接近した位置に達すると、アンカ部材30および従ってアンカ部材30を囲む組織400のふくらみは、ジョー部材110のアーム111と112との間に配置され、縫合糸ループ22を通ってアーム111、112上に保持される。
一旦ジョー部材110および120が接近位置に達し、その結果、アンカ部材30およびアンカ部材30を囲む組織400がジョー部材110のアーム111と112との間に縫合糸ループ22を通って配置されると、縫合糸20は近位に引かれ得、それによって、アーム111、112の縫合糸保持部分115、116からそれぞれ縫合糸ループ22を取り除くかまたは係合を解除し得る。縫合糸20がアーム111、112の縫合糸保持部分115、116からそれぞれ解放されると、ジョー部材110、120が接近した位置に配置されているとき、縫合糸ループ22は、アンカ部材30と縫合糸ループ22との相対的位置決めにより、アンカ部材30のボール部分32とベース34との間のアンカ部材30のシャフト33の周りに締め付け始める。
縫合糸20がさらに近位に引かれると、縫合糸ループ22は、アンカ部材30のシャフト33の周りに閉められ、アンカ部材30と縫合糸ループ22との間で組織を固定して留める。より詳細には、縫合糸20が近位に引かれると、締め付け結び目24は、縫合糸20に沿って平行移動し、縫合糸ループ22の直径を減少させ、その結果、縫合糸ループ22は、組織400のふくらみがアンカ部材30と縫合糸ループ22との間に配置されている状態で、アンカ部材30のシャフト33の周りに締め付けられるかまたはきちんと引き締められる。このように、組織400は、アンカ部材30と縫合糸ループ22との間に固定して配置される。さらに、アンカ部材30の構成により、すなわち、シャフト33が、アンカ部材30のボール部分32とベース34との間に延び、アンカ部材30のボール部分32とベース34よりも小さい直径を規定するので縫合糸ループ22がシャフト33の周りに締め付けられているとき、アンカ部材30の構成により、縫合糸ループ22は、アンカ部材30から滑り落ちたり、アンカ部材30との係合を解除したりすることを阻止される。
一旦縫合糸ループ22がシャフト33および組織400のふくらみの周りに締め付けられると、アンカ部材30は、例えばクランプ125を解放することによって、ジョー部材120の組織アンカ保持部分124から解放され得る。上記に述べられるように、アンカ部材30は、ジョー部材110、120が接近すると自動的にジョー部材120の組織アンカ保持部分124から解放され得るか、または手動で解放され得る。最後に、縫合糸20が組織アンカ30の周りに組織400を固定して留め、組織アンカ30がジョー部材120から係合を解除すると、組織アンカアプリケータ10は、外科手術部位から除去され得る。
組織400が縫合糸ループ22とアンカ部材30との間に固定して保持された状態で、縫合糸20は、組織400を引っ込めるために操作され得、それによって、組織400にそして組織400の辺りにある組織および/または器官へのアクセスを提供し得る。理解されるように、組織400の面402にボール部分32を位置決めし、組織400の反対側の面404にボール部分32とベース34との間のシャフト33の周りに締め付けられる縫合糸ループ22を位置決めすることにより、縫合糸20の操作時にアンカ部材30から縫合糸ループ22の滑り落ちまたは係合解除の危険が減少させられる。
ここで図6A〜図6Dを参照すると、アーム111の遠位端113に縫合糸20を保持するように構成される縫合糸保持部分115、およびアーム112の遠位端114に縫合糸20を保持するように構成される縫合糸保持部分116のいくつかの実施形態が示される。1つのアーム111のみが示されるが、図6A〜図6Dの構成は、ジョー部材110のアーム111および112の両方のアームに同様に適用可能である。参照を容易にし、繰り返しを避けるために、図6A〜図6Dの構成は、類似の構成がアーム112に対しても企図されることを心に留めて、アーム111に関して考察される。
第1の構成は図6Aに示され、第1の構成において縫合糸保持部分115aはアーム111の遠位部分113aによって規定され、アーム111の遠位部分113aは湾曲させられるかまたはアーム111に戻るように曲げられ、アーム111とアーム111の遠位部分との間にアパーチャ6aを規定する。縫合糸保持部材115aが静止位置に配置されているとき、アーム111の遠位端113aとアーム111の残りの本体部分との間に挟み点118aが作られる。縫合糸20は、遠位部分113aおよびアーム111によって規定されるアパーチャ6aを通って配置され、挟みの閉鎖した縫合糸保持部材115aによってアーム111に保持される。例えば組織400にアンカ部材30を固定して係合するために(図5を参照されたい)、縫合糸20が近位に引かれると、縫合糸20は最初に挟み点118aに接触する。十分な近位の引張力が縫合糸20に加えられると、縫合糸は、アーム111の遠位端113aとアーム111との間に促され、矢印7aの方向、すなわちアーム111から離れるようにアーム111の遠位端113aをそらせ、挟み点118aに開口部を作る。遠位端113aが矢印7aの方向に十分な距離を促されると、縫合糸20は、挟み点118aを通って滑ることが可能であり、縫合糸保持部材115aから縫合糸20を解放する。一旦縫合糸20が縫合糸保持部分115aから解放されると、遠位端113aは、図6Aに示される静止位置に戻る。
第2の構成は図6Bに示され、第2の構成においてアーム111の遠位端113bは、湾曲させられるかまたはほぼ三角形形状のアパーチャ6aを有する縫合糸保持部分115bを規定するように曲げられる。より詳細には、アーム111の遠位端113bは、挟み点118bにおいてアーム111に接触し、静止位置である間、アパーチャ6b内に縫合糸を保持する。前の実施形態の場合のように、縫合糸20を近位に引くことは、挟み点118bにおいて縫合糸20をアーム111の遠位端113bと接触させ、矢印7bの方向にアーム111の遠位端113bをそらせる。十分な引張力を加えると、縫合糸20は、十分な距離で接触点118bから離れるように遠位端113bをそらせ、縫合糸が通過するための開口部を作り、縫合糸保持部分115bから縫合糸20を解放する。上記に説明されるように、一旦縫合糸20が縫合糸保持部分115bから解放されると、縫合糸20は、アーム111に沿ってさらに平行移動させられ得、組織400の周りに締め付ける(図5を参照されたい)。アーム111は、縫合糸20が沿って滑るための滑らかなカム表面を提供し、縫合糸20のためのガイドとして働き、組織400およびアンカ部材30の周りに縫合糸20を適切に配置することを確実にするように助ける(図5を参照されたい)。同時に、図6Bに示されるように、一旦縫合糸20が締め付け点118bを通過すると、アーム111の遠位端113bは、静止位置に戻り、再びアーム111と接触し、締め付け点118bを作る。
縫合糸保持部分115cの第3の構成は図6Cに示され、第3の構成においてアーム111の遠位端113cは、アーム111に対して曲げられ、遠位端113cとアーム111との間にほぼ長方形のアパーチャ6cおよびほぼ三角形のアパーチャ9cを規定する。より詳細には、アーム111の遠位端113cは、2つの挟み点または接触点、すなわち、遠位端113cとアーム111との間の第1の接触点118cおよび長方形アパーチャ6cと三角形アパーチャ9cとの間の第2の接触点118c’が形成されるように、構成される。図6Cに示されるように、縫合糸20は、長方形アパーチャ6cを通って配置される。従って前の実施形態におけるように、縫合糸20が近位に引かれると、アーム111の遠位端113cは矢印7cの方向にそらされ、接触点118cから離れるように遠位端113cを動かし、ついには縫合糸20が接触点を通過することを可能にし、縫合糸保持部分115cから縫合糸20を解放する。縫合糸20を解放すると、上記に説明されるように、遠位端115cはその最初の位置に戻る。前の実施形態の場合のように、アーム111は、縫合糸20のために滑らかなガイドまたはカム表面を提供し、縫合糸20が組織400の周りに締め付けられると縫合糸20を適切に配置することを確実にするように助ける(図5を参照されたい)。
縫合糸保持部分115dの第4の構成は図6Dに示され、この場合、第4の構成においてアーム111の遠位端113dは、アーム111に戻るように曲げられ、遠位端113dとアーム111との間に縫合糸20を保持するためのアパーチャ6cを規定する。縫合糸保持部分115dは、アーム111の遠位端113dと接触するハンプ9dをさらに含み、静止位置のとき、第1の挟み点118dおよび第2の挟み点118d’を規定する。縫合糸20が近位に引かれると、縫合糸20は、ハンプ9dおよび遠位端113dに接触し、矢印7dの方向に遠位端113dをそらす。十分な引張力が縫合糸20にかけられると、遠位端113dは、ハンプ9dから離れるようにそらさせ、それによって、第1の挟み点118dと第2の挟み点118d’との間に、縫合糸20がそこを通過するための開口部を作り、縫合糸保持部分115dから縫合糸20を解放する。一旦解放されると、縫合糸保持部分115dはその静止位置に戻り、一方、縫合糸20は、ハンプ9dを越え、アーム111に沿って滑らされ、組織400の周りに締め付ける(図5)。縫合糸20はまた、当業者に公知の他の妨害的手段または機械的手段によって縫合糸保持部分115と解放可能に係合され得る。
本開示の組織アンカアセンブリの実施形態は、図7〜図21を参照してここで考察される。概して、組織アンカアセンブリ40は、アンカ部材30と、例えば固定部材40などの固定部材とを含む。図7に示されるアンカ部材30は、ボール部分32と、ボール部分から延びるシャフト33と、シャフト33に配置されるベース部分34とを含む。あるいは、アンカ部材は、シャフト33およびベース部分34が除去されて単にボールアンカ32であり得る。アンカ部材30は、ボール部分30が組織の表面に最接近するように向けられた組織の表面の近くに位置決め可能である。固定部材の特定の実施形態の以下の考察中、アンカ部材30および図7に継続して参照がなされる。以下に考察され、図8〜図21に示される任意の固定部材によって組織がアンカ部材30および/またはボールアンカ32に固定され得ることが想定される。
固定部材の種々の実施形態は、以下に詳細に説明されるが、固定部材は、組織の反対側の面の近くに位置決め可能であり、ボール部分32とベース34との間のシャフト33の周りに配置可能である。固定部材は、組織400が固定部材とシャフト33との間に配置されている状態で、シャフト33の周りに固定され、アンカ部材30の周りに組織400を固定し、非外傷性の引っ込み可能な組織アンカを作る。ボールアンカ32が用いられる実施形態において、固定部材は、組織400の一部分がボールアンカ32の周りに固定されるように、組織の反対側の面の近くに位置を決められ、組織400の周りに締め付けられる。固定部材に接続された縫合糸は、次いで組織を引っ込めるために用いられ得る。
固定部材の一実施形態は図8〜図9に示され、その実施形態において固定部材は、「C」形状のクリップ40を含む。クリップ40は、末広フィンガ41aを含む弓形アーム41および末広フィンガ42aを含む弓形アーム42の一対の弓形アームを含み、クリップ40の遠位端44において弓形アーム41と42との間に間隙43を規定する。弓形アーム41のフィンガ41aおよび弓形アーム42のフィンガ42aは、互の方に向かって付勢される。クリップ40の間隙43は、間隙43を通ってアンカ部材40のシャフト33を受け入れるために第1の静止状態から第2の拡張状態に拡張可能である。中央孔45は、クリップ40の中央を通って位置を決められ、アンカ部材30のシャフト33が中央孔45を通って配置されることを可能にするように寸法設定される。第1のアパーチャ48は、クリップ40の遠位端44に隣接してクリップ40に規定され、第2のアパーチャ49は、クリップ40の近位端46に隣接してクリップ40に規定される。第1のアパーチャ48は、第1のアパーチャ48を通って除去縫合糸26を受け入れるように構成され、第2のアパーチャ49は、第2のアパーチャ48を通って引っ込み縫合糸28を受け入れるように構成され、これらのアパーチャの両方の動作は、以下において一層明らかになる。
ここで図7〜図8に関連して図9を参照すると、アンカ部材30が組織400の表面に隣接して位置を決められているとき、クリップ40は、組織400の反対側の表面からアンカ部材30のシャフト33の周りに配置され得、それによって、アンカ部材30の周りに組織400の一部分406を固定し得る。
動作時、(シャフト33が組織400の反対側の表面に配置されている状態で)クリップ40の遠位端44が組織400と接触するように促されるので、クリップ40のフィンガ41aと42aとの間に形成される間隙43は拡張させられる。組織400の部分406およびシャフト33が間隙43を通ってクリップ40の中央孔45の中に滑り込み得るように、間隙43は十分な距離に拡張可能である。組織の部分406がシャフト33の周りに配置されている状態で、一旦シャフト33が孔45内に位置を決められると、フィンガ41a、42aは、もはや離れるように促されなく、クリップ40が静止状態に戻ることを可能にし、例えば、間隙43は、拡張状態から最初の状態に戻る。理解され得るように、この第1の状態における間隙43の直径は、シャフト33および組織400の部分406が中央孔45から滑り出すことを防ぐほど十分に小さい。同様に、クリップ40は、シャフト33に沿って軸方向に滑ることを防がれる。なぜなら、クリップ40が第1の状態であるとき、中央孔45の直径がボール部分32およびベース部分34の両直径より小さく、すなわち、クリップ40がボール部分32とベース部分34との間に保持されるからである。従って、クリップ40、アンカ部材30および組織400の部分406はすべて、互いに対して正しい位置に保持され、それによって組織アンカを作る。縫合糸28は、次いで組織400を引っ込めるように操作され得、近くにそして下にある組織および器官へのより大きなアクセスを提供し得る。組織アンカを除去することが所望される場合、除去縫合糸26は、組織部分406およびシャフト33がクリップ40の間隙43の拡張を促すように引かれ得、間隙の通過を可能にし得る。より詳細には、除去縫合糸26が間隙43の真反対にクリップ40に取り付けられ、その結果、除去縫合糸26が近位に引かれると、クリップ40はシャフト33に対して近位に引かれ、その結果、シャフト33は、弓形アーム41および42に接触し、アーム41および42を互いに離れるように促し、間隙43を広げる。ついには上記のように、間隙43は、シャフト33および組織部分406が間隙43を通過し得るように十分に広げられ、シャフト33からクリップ40を解放する。
図10A〜図10Bは、部分的に変形可能な楕円形リング200を含む固定部材の別の実施形態を示す。リング200は、静止位置において短い直径206を有する楕円形(図10A)を形成するように付勢される。短い直径206は、ボール部分32の直径よりも小さく、かつアンカ部材30のベース部分34の直径よりも小さい。従って、以下に考察されるように、一旦リング200が、シャフト33の周りに位置を決められ、リング200の静止位置に戻ることが許容されると、リング200は、ボール部分32とベース部分34との間におけるリング200の位置決めのためにシャフトに沿って滑ることを阻止される。従って、リング200は、組織アンカを形成するためにアンカ部材30の周りに配置される組織400の周りに固定して留められ得る。
アンカ部材30のシャフト33の周りの位置にリング200を動かすために、リング200は、リング200の直径位置202および204において挟むことによって変形させられ、ほぼ円形の形状(図10B)にリング200を変形させる。この円形の形状に挟まれると、リング200は、リング200がアンカ部材30のボール部分32を越えて通ることを可能にするほど十分に大きい直径208を規定する。従って、アンカ部材30が組織の表面に隣接して位置を決められると、リング200は、上記に説明されるように変形させられ得、その結果、リング200は、組織400の反対側の表面からボール部分32を越えて通り得、アンカ部材30に組織400の一部分406を固定し得る。より具体的には、一旦リング200がボール部分32を越えて通ると、挟みは解放され得、リング200の静止の楕円形構成に戻り、ボール部分32とベース部分34との間のシャフト33の周りにリング200を固定し、アンカ部材の周りに組織を固定する。組織アンカを除去するために、リング200は、位置202および204において再び挟まれ、円形の形状(図10Bを参照されたい)にリング200を変形させ、その結果、リング200は次いで、ボール部分32を越えて滑ベらせられ得、組織アンカとの係合を解除する。一旦アンカ部材30およびリング200が組織400の周りに固定して留められると、縫合糸材料(図示されていない)は、リング200に連結され得、組織400を引っ込めることを可能にし得る。
ここで図11A〜図11Bを参照すると、リング210を含む固定部材の別の実施形態が示され、リング210は、リング210から延びる第1のタブ212と、第2のタブ214とを有する。より具体的には、リング210はワイヤの1つ以上の回転から形成され、ワイヤの1つ以上の回転は、その第1の端部から延びるタブ212と、その第2の端部から延びるタブ214とを有する。リング210は第1の位置の方に付勢され、この場合、タブ212および214は互いに対して間隔を空けられ、リング210は第1の直径216を規定する。タブ212および214は、例えば、互いの方に、第2の位置に、または互いにより近づいた位置に向かって、それぞれ矢印213および215の方向に可動であり、この場合、リング210は第2の直径217を規定する。第2の直径217は、第1の直径216より大きい。そのようなものとして、リング210は、例えばタブ212および214が間隔を空けられた位置に配置されているとき、リング210がボール部分32またはアンカ部材30のベース部分34を越えて通ることを阻止するほど第1の直径216が十分に小さいように構成される。これに対して、タブ212および214が、例えば第2の位置に向かって互いの方に動かされ、第2の直径217を規定すると、リング210の直径217は、リング210がアンカ部材30のボール部分32を越えて通ることを可能にするほど十分に大きい。
従って、動作時、タブ212は矢印213の方向に絞られ、そしてタブ214は矢印215の方向に絞られ、リング210はアンカ部材30のボール部分32を越えて通り、その結果、リング210は、組織400の部分406がボール部分32とベース部分34との間に配置されている状態で、ボール部分32とベース部分34との間のシャフト33に隣接して位置を決められる。次いで、タブ212および214は解放され、リング210が第1の位置または静止位置に戻ることを可能にし、この場合、タブ212、214は間隔を空けられた位置に配置され、その結果、リング210はアンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定して留める。リング210のタブ212および214が間隔を空けられた位置に配置されているとき、より小さい直径216ために、リング210は、ボール部分32とベース部分34との間に固定される。除去するために、タブ212および214は、それぞれ矢印213および215の方向に再び絞られ、リング210を拡張し、リング210がアンカ部材30のボール部分32を越えて通り、戻ることを可能にする。
図12A〜図12Bは、本開示の固定部材220の別の実施形態を例示し、固定部材220は、一対のリング222および224(総称してリング220)を含む。リング222および224は、図12Bに示されるようにほぼ間隔を空けられた位置の方に付勢され、その結果、重なり合うリング222および224は、それらの間に開口部225を形成する。リング222および224は、図12Aに示されるように、図12Bに示されるこの第1の位置からさらに重なり合う(または実質的に重なり合う)位置に互いに対して可動である。リング222および224がこのさらに重なり合う位置に動かされると、重なり合うリング222および224を通る開口部225は、リング220が間隔を空けられた位置にあるときの開口部225よりも大きい直径226を有する。さらに重なり合う位置にあるとき、開口部225は、リング220がアンカ部材30のボール部分32を越えて通ることを可能にするほど十分に大きい(図7を参照されたい)。解放されたとき、間隔を空けられた状態へのリング222および224の付勢は、リング220を互いに離れるように動くように促し、結果として、シャフト33の周りに配置されたときシャフト33の直径と実質的に同一である直径を有する直径228を有する開口部225をもたらし、リング220がシャフト33に沿って滑ること、およびアンカ部材30のボール部分32またはベース部分34を越えて通ることを阻止する。
リング220を用いてアンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定するために、アンカ部材30は、組織400の表面に隣接して位置を決められ、リング220は、組織400の反対側の表面に隣接して位置を決められる。上記に考察されるように、リング220は、静止位置にあるとき間隔を空けられた位置に配置される。図12Aに示され、そして上記に説明されるように、リング220がボール部分32を越えて通るために、リング220は、さらに重なり合う位置に動かされる。組織400の部分406がリング220とアンカ部材30のボール部分32との間に配置されている状態で、リング220は、次いでアンカ部材30のボール部分32を越えて通される。一旦リング220が、ボール部分32を越えて通り、シャフト33の周りに位置を決められると、リング220は、解放され得、リング222および224が付勢され、間隔の空けられた位置に戻ることを可能にする。リング222および224がこの間隔の空けられた位置に戻るように動くと、開口部225の直径228がシャフト33の直径に実質的に同一になるまで、開口部225は減少し、その結果、組織の部分406は、ボール部分32とベース部分34との間のアンカ部材30の周りに固定して留められる。
図13A〜図13Cの実施形態において示されるように、リング232および234(総称的にリング230)は、単一のワイヤ230から形成され得、この場合、リング232および234は、直線部分236を介して接続される。リング220に関係して上記に考察されるように、単一のワイヤ230からリング232および234を形成することは、232および234が間隔を空けられた状態または位置の方に付勢されることを可能にする。図13Aは、間隔を空けられた状態に配置されたリング230を示し、この場合、リング232はリング232を通る中央アパーチャ233を規定し、リング234はリング234を通る中央アパーチャ235を規定する。図13Bは、さらに重なり合う状態または位置に動かされるリング232および234を示し、この重なり合う状態または位置において、リング232の中央アパーチャ233およびリング234の中央アパーチャ235は、互いに整列するように動かされる。中央パーチャ233および235が整列させられると、結果として生じる開口部237は、リング230がアンカ部材30のボール部分32を越えて通ることを可能にするほど十分に大きい(図7を参照されたい)。リング220に関連して上記に考察されるように、リング230が間隔を空けられた位置に戻るように動くことが可能にされるとき、開口部237がシャフト33の直径と実質的に同一となるまで互いに離れるように動くと、開口部237は、直径が減少し、それによってアンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定して留める。図13Cは、間隔を空けられた位置に配置されたときのリング230の側面図を示す。
あるいは、2つのリング構成220および230と実質的に同様な方法で機能を果たす3つのリング244、246および248が、備え付けられ得る。具体的には、図14Aに示されるように、リング240は、第1の間隔を空けられた状態の方に付勢され、この場合、リング244はリング244を通るアパーチャ245を規定し、リング246はリング246を通るアパーチャ247を規定し、そしてリング248はリング248を通るアパーチャ249を規定する。図14Bに示されるように、リング240はこの第1の状態からさらにオーバラップする状態または第2の状態に可動であり、この場合、リング244のアパーチャ245、リング246のアパーチャ247およびリング248のアパーチャ249は、互いに整列させられ、直径242を有する開口部241を形成する。リング240が第2の状態に動かされると、開口部241の直径242は、リング240がアンカ部材30のボール部分32を越えて通ることを可能にするほど十分に大きい。一旦リング240が、アンカ部材30のボール部分32を越えて通り、シャフト33の周りに位置を決められると、リング240は、間隔を空けられた状態に戻され得、アンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定して留める。
ここで図15〜図16を参照すると、本開示に従う固定部材の別の実施形態が示される。固定部材250は、リング252の周りに間隔を空けて置かれた複数の弾性のバンド254を有するリング252を含む。リング252は、剛性材料もしくは半剛性材料、またはこれらの組み合わせから作られ得る。縫合糸20は、複数の弾性のバンド254を通って配置される縫合糸ループ22を含む。締め付け結び目24は、縫合糸ループ22を選択的に引き締めるために縫合糸20に沿って規定される。図15に示されるように、例えば締め付け結び目24が引き締められていないときなど、縫合糸ループがゆるんでいるとき、弾性のバンド252は、リング252のすぐ近くに縫合糸ループ22を保持し、縫合糸ループ22によって開口部256を規定する。このゆるんだ位置のとき、ボール部分32および組織400の部分406が開口部256を通過すると共に、固定部材250はアンカ部材30を越えて通り得る。(組織400が固定部材250とシャフト33との間にある状態で)一旦固定部材250がシャフト33に隣接して位置を決められると、縫合糸20は、締め付け結び目24が縫合糸ループ22を引き締めるように縫合糸20に沿って滑らされるように引かれ得る。例えば縫合糸ループ22の直径が減少させられるなど、縫合糸ループ22が引き締められると、収束する縫合糸ループ22は、リング252からリング252の中央の方に離れるように動かされ、リング252の中央の中の方に弾性のバンド254を張る。縫合糸ループ22は、シャフト33の周りに組織400の部分406を固定して留めるに十分に引き締められる。引き締められた位置において、縫合糸ループ22は、シャフト33に沿って滑ることおよびボール部分32またはベース部材34を越えて通ることを防がれる。従って、組織400およびシャフト33が開口部258を通って配置され、縫合糸ループ22が引き締められた位置にある状態で、組織400の部分406は、アンカ部材30の周りに固定して留められる。
固定部材の別の実施形態は、図17A〜図17Dに示され、その実施形態において、固定部材260は、スロット266を有するリング262を含み、スロット266は、スロットを通って規定される第1の端部267と第2の端部268とを含む。縫合糸20の一端部は、リング262上の位置264においてリング262に取り付けられる。縫合糸20は、位置264からリング262のスロット266を通って延び、スロット266の第1の端部267から第2の端部268にスロット266を通って可動である。縫合糸20は、リング262の中央孔269を少なくとも部分的に横断し、中央孔269を領域「a」と「b」とに分割する。図17Aに示されるように、縫合糸20がスロット266の第1の端部267に接近して位置を決められるとき、領域「b」は領域「a」よりはるかに大きい。従って、リング262は、ボール部分32が領域「b」を通過して、アンカ部材30のボール部分32を越えて通り得る(図7を参照されたい)。一旦リング262がシャフト33に隣接して位置を決められ、組織400の部分406がリング262とシャフト33との間に配置されると、縫合糸20は、スロット266を通って動かされ得る。
図17Bに示されるように、縫合糸20がスロット266に沿って動かされると、領域「a」は大きくなり、一方、領域「b」は領域「a」と比較して小さくなる。従って、領域「b」が十分に小さくなると、縫合糸20は、アンカ部材30のシャフト33の周りを締め付け始める。図17Cは、領域「b」が領域「a」よりはるかに小さい場合におけるスロット266の第2の端部268における縫合糸20の位置決めを示す。アンカ部材30が領域「b」を通って配置されている状態で、縫合糸20は、スロット266において第2の端部268の近くに固定され得、アンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定して保持し得る。縫合糸20は、第2の端部268の近くに位置を決められるジャムクリート(図示されていない)などのクランピング構造を介して固定され得るか、または任意の他の適切なクランピング構造または他の機械的構造によって固定され得る。あるいは、縫合糸20は、リング262と一体に形成されるかまたはリング262に接続される、例えば、フック、タブ、スロットなどの1つ以上の係合手段(図示されていない)によって固定され得る。理解され得るように、第2の端部268の近くに縫合糸20を固定することはまた、アンカ部材30のシャフト33に固定部材260を固定し、この場合、アンカ部材30のボール部分32およびベース部分34は、固定部材260の滑りを防ぐ。
図17A〜図17Dに示される固定部材(または本明細書に説明される任意の他の固定部材)と共に使用するように適合される、上記に説明され、図1〜図6に示される組織アンカアプリケータ10の代替の実施形態は、図22を参照してより詳細に以下に説明される。
固定部材のさらに別の実施形態が示される図18A〜図18Bをここで参照すると、固定部材270は、スタックリング272および273と、位置274においてリング272に取り付けられる縫合糸20とを含む。縫合糸20は、位置274からリング273内に規定されるアパーチャ276を通って延びる。前の実施形態の場合のように、縫合糸20は、リング272および273の中央孔279を横切り、中央孔279を2つの領域、すなわち領域「c」および「d」に分割する。リング272は固定され、一方、リング273はリング272に対して回転可能である。あるいは、リング273はリング272が回転可能の状態で固定され得るか、または別の実施形態において、リング272および273の両方が、互いに対して回転可能であり得る。
縫合糸20が引かれると、リング273は、リング272に対して回転させられる。理解され得るように、リング272に対してリング273が回転させられると、領域「c」は増加させられ、一方、固定部材270の領域「d」は減少させられる。従って、固定部材270のリング272および273は、縫合糸20を引く前にボール部分32が領域「d」を通過して、アンカ部材30のボール部分32を越えて通る(図7)。次いで、組織400の部分406が固定部材270とシャフト33との間に配置された状態で、一旦固定部材270がシャフト33に隣接して位置を決められると、縫合糸20は、引かれ得、それによって、リング273を回転させ、領域「d」を減少させる。さらに引いて回転させると、領域「d」十分に小さくなるかまたは係合手段が上記に説明するように、縫合糸20は、アンカ部材30のシャフト33の周りを締め付ける。アンカ部材30が領域「d」を通って配置されている状態で、縫合糸20は、クランピング構造によって固定され得る。縫合糸20を固定することは、アンカ部材30のシャフト33に固定部材270を固定し、この場合、ボール部分32およびベース部分34は、固定部材270の滑りを防ぐ。
図19A〜図19Bに例示されるさらに別の実施形態の固定部材280は、位置284においてリング282に固定される縫合糸20の中間部分を有するリング282を含み、この場合、縫合糸20の第1および第2の端部は、リング282内に規定されるアパーチャ286を通って配置される。縫合糸20は、ゆるんだ位置(図19Aを参照されたい)からピンと張った位置(図19B)に可動であり、組織400の部分406の周りを締め付け、それによって、アンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定する(図7を参照されたい)。縫合糸20がゆるめられると、縫合糸20の間に規定される領域「e」は、アンカ部材30のボール部分32が領域「e」を通過することを可能にするほど十分に大きい。引っ張られているとき(図19B)、領域「e」は、十分に小さく、その結果、アンカ部材30のボール部分32およびベース部分34がシャフト33に沿った固定部材280の滑りを防ぎ、それによって、アンカ部材30の周りに配置される組織の部分406を保持する。従って縫合糸20は、アンカ部材30のシャフト33の周りに適合し、アンカ部材30の周りに組織400の部分406を固定して保持する。
ここで図20A〜図20Bを参照すると、縫合糸20を含む固定部材290の別の実施形態が示され、縫合糸20は、縫合糸ループ22を形成し、選択的に縫合糸ループ22を引き締めるように構成される締め付け結び目24を有する。縫合糸ループ22は、管区分292内に規定される管腔294を通って部分的に配置される。所望に応じそして以下に説明されるように、管区分292は、縫合糸ループ22の最小ループサイズを作るように寸法設定される。図20Aに示されるように、縫合糸ループ22がゆるんだ位置にあるとき、縫合糸ループ22の一部分を占める。縫合糸ループ22が引き締められると、管区分292は、縫合糸ループ22をますます多く占め、最終的に図20Bの位置に達し、この場合、管区分292は縫合糸ループ22を実質的に囲む。換言すると、引き締められた位置において、図20Bに示されるように、管区分292は、縫合糸ループ22の全周囲を占め、縫合糸ループ22がさらに引き締められるのを防ぐ。従って、管区分292の特定の長さが、対応する最小のループサイズを規定するために用いられ得る。縫合糸ループ22が組織の周りに配置され、締め付けられると、管区分292は、縫合糸がきつ過ぎて締め付けられることを防ぎ、それによって、壊死、結紮、または組織に対する他の類似の損傷を防ぐ。
縫合糸ループ22が組織の回りを固定して締め付けることを可能にするほど十分に管区分292が短い限り、そして縫合糸ループ22の過度の引き締めの結果として組織を損傷することを防ぐほど十分に管区分292が長い限り、管区分292が様々な長さを規定し得ることが想定される。上記に詳細に説明されるように、固定部材290がアンカ部材30と結合して用いられることがさらに想定される(例えば、固定部材290がアンカ部材30のシャフト33の周りに締め付けられ得る)。
図21A〜図21Cは、固定部材290の保持力を増加させることを助けるように構成される管区分292の種々の断面形状を示す。具体的には、図21Aは、12辺星形または十二角形形状を有する管区分295を示す。図21Bは、長方形形状を有する管区分296を示し、図21Cは、六角形形状を有する管区分297を示す。あるいは、管区分292は、円形、卵形、三角形、五角形、八角形の形状、または固定部材290の保持力を増加させることを助ける任意の他の形状を有し得る。
ここで図22を参照すると、例えば組織に適用するために、図7の組織アンカアセンブリおよび/または上記に考察される任意の実施形態と共に使用するように構成される組織アンカアプリケータの別の実施形態が示される。組織アンカアプリケータは、外科手器具300のエンドエフェクタ322の一部である。外科手術器具300は、最小侵襲性処置のために構成されかつ適合される外部管310(例えば、内視鏡または腹腔鏡)を含む。駆動部材320は、管310の長手方向軸に沿って管内において近位および遠位に平行移動するために、管310内に滑り可能に配置される。各エンドエフェクタ322は、駆動部材320の遠位端に配置され、一対のジョー330、340を含む。ジョー330、340は、駆動部材320の遠位端において互いに旋回可能に連結され、その結果、ジョー330、340のうちの1つまたは両方は、組織アンカアプリケータ10(図1を参照されたい)のジョー部材110、120と同様に、他方のジョーの方に旋回可能である。1つのジョー330、340は、静止であり得、一方、向かい合うジョー330、340は、静止ジョー330、340に対して旋回可能であることが企図される。
図22を引続き参照すると、駆動部材320は、駆動部材320に配置される駆動棒(図示されていない)を含む。駆動棒(図示されていない)は、ジョー部材330、340に動作可能に連結され、ジョー部材330、340および駆動部材320に対して長手方向に平行移動可能である。駆動棒は、駆動棒の長手方向の平行移動が間隔の空けられた位置と接近した位置との間におけるジョー部材330、340の移動をもたらすように、ジョー部材330、340に連結される。より具体的には、駆動棒が近位に平行移動すると、ジョー部材330、340は、間隔の空けられた位置から接近した位置に動かされる。これに対して、駆動棒の遠位の平行移動は、接近した位置から間隔の空けられた位置に戻すようにジョー部材330、340を動かす。従って、外科手術器具300は、駆動棒に連結され、近位位置と遠位位置との間で駆動棒を選択的に平行移動させるように構成されるアクチュエータまたはトリガ(図示されていない)をさらに含み得る。そのようなものとして、トリガは、間隔の空けられた位置と接近した位置との間でジョー部材330、340を動かすように選択的に作動され得る。
使用時、図22を引続き参照すると、本明細書において上記に十分に説明されたアンカ部材30は、ジョー340に位置を決められる。固定部材は、ジョー330から遠位に延びる一対のリング331、332を含む。リング331、332は、リングに連結された1本の縫合糸20を含む。固定部材が上記に考察された固定部材の任意の実施形態に従って構成されることが想定される。またジョー部材330、340が解放可能カップリングを用いて駆動部材320の遠位端に解放可能に連結されることも企図される。適切なタイプのカップリング(すなわち、バヨネットなど)は、当該分野において公知である。あるいは、リング331、332は滑り可能にジョー330に連結され得、ボールアンカ30はジョー340に滑り可能に連結され得る。この配置において、リング331、332は、ジョー330から分離可能であり、ボールアンカ30は、ジョー340から分離可能である。従って、いずれかの実施形態において、一旦組織アンカ30が適用されると、外科手術器具300は、組織アンカから係合解除され得、外科手術部位から除去され得る。
図1〜図6を参照して上記に考察された前の実施形態の場合のように、図22に示されるように、ジョー330および340が間隔を空けられた位置または接近していない位置にあるとき、引っ込められるべき組織は、ジョー330と340との間に配置される。一旦組織がジョー330、340との間に位置を定められると、医療従事者は、例えばトリガを作動させることによってジョー330、340を閉じ、それによって、ジョー330と340との間の組織を捕捉する。より詳細には、ジョー330、340が閉じられるか、または接近させられたとき、ボールアンカ34のボール32はリング331、332の中央を通過し、組織も同様にリング331、332を通過するように促す。その後、縫合糸20は、組織に対してきちんと縫合糸20を引くために近位に引かれ得、縫合糸20とボールアンカ30のシャフト部分33との間に組織を固定して留め得る。従って、ジョー330と340との間に位置を決められる組織は、ボールアンカ30に解放可能に取り付けられる。組織は次いで、前に開示された実施形態と同じ方法で引っ込められ得る。
一旦ジョー330、340が閉じられ、縫合糸20とボールアンカ30とを用いて組織が固定されると、すなわち、一旦アンカ部材30が組織に固定して係合されると、リング部材331、332およびボールアンカ30が、分離されるか、またはリング部材331、332がそれぞれジョー330、340から解放されるように、駆動部材320は引っ込められる。組織はついで、組織およびボールアンカ30の周りに固定される縫合糸20を操作することによって、引っ込められ、保持され、または再位置決めされ得る。
上記のことからそして様々な図面を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の修正がまた本開示に対してなされ得ることを理解する。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されたが、本開示がそれに限定されることは意図されない。なぜなら、本開示は当該分野が許容する限り広い範囲であることおよび本明細書はそれと同様に読まれるべきであることが意図されるからである。従って、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきでなく、特定の実施形態の単なる実例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲および精神内の他の修正を考察する。
Claims (21)
- エンドエフェクタアセンブリを備えている組織アンカアプリケータであって、該エンドエフェクタアセンブリは、
一対の間隔を空けられたアームを含む第1のジョー部材であって、該第1のジョー部材は、該第1のジョー部材に固定部材を解放可能に保持するように構成される、第1のジョー部材と、
第2のジョー部材であって、該第2のジョー部材にアンカ部材を解放可能に保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、他方に対して、間隔を空けられた位置から、該固定部材と該アンカ部材との間に組織を固定するための接近した位置まで可動である、第2のジョー部材と
を含む、組織アンカアプリケータ。 - 前記ジョー部材が前記間隔を空けられた位置に配置されているとき、前記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に前記組織アンカを固定して保持するように構成される、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記ジョー部材が前記接近した位置に動かされたとき、前記第2のジョー部材は、該第2のジョー部材に保持された前記組織アンカを解放するように構成される、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記ジョー部材が前記間隔を空けられた位置に配置されているとき、前記第2のジョー部材に前記組織アンカを保持するロッキング機構をさらに備えている、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記第1のジョー部材の前記間隔を空けられたアームは、該第1のジョー部材に縫合糸の一部分を保持するように構成され、該第1および第2のジョー部材が前記接近した位置に動かされたとき、該縫合糸は、前記アンカ部材の周りに組織を固定するように構成される、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記間隔を空けられたアームのうちの少なくとも1つは、該アームと該アームの遠位端との間に挟み点を規定し、該挟み点は、該アームに前記縫合糸の一部分を解放可能に保持するように構成される、請求項5に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記挟み点によって解放可能に保持される前記縫合糸の一部分に所定の引張力を加えることは、前記アームから該縫合糸を解放する、請求項6に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記エンドエフェクタアセンブリは、前記間隔を空けられた位置から前記接近した位置まで前記ジョー部材を動かすアクチュエータを含む、シャフトのある器具の遠位端に配置される、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- 前記固定部材はリング構造を含み、該リング構造は該リング構造と前記アンカ部材との間で組織を固定するために該リング構造に連結された縫合糸を有する、請求項1に記載の組織アンカアプリケータ。
- アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
組織の反対側の面に隣接して位置決め可能な固定部材であって、該固定部材は、一対の間隔を空けて離れた弓形アームを有し、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームは、該一対の間隔を空けて離れた弓形アームの第1の端部において互いに接続され、自由な第2の端部を有し、該アームのうちの少なくとも1つは、他方に対して、静止位置と、拡張位置との間で可動であり、該静止位置は、該アーム間に第1の間隙距離を規定し、該拡張位置は、該アーム間に第2の間隙距離を規定し、該第2の間隙距離は該シャフトの周りに固定部材を位置決めするための該シャフトの直径より大きく、該第1の間隙距離は、該固定部材が該シャフトの周りに配置されたとき、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるシャフトの直径より小さい、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。 - アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材を通って延びる開口部を規定し、該固定部材は組織の反対側の面の周りに位置決め可能であり、該固定部材は、静止位置から、該開口部を通って該ボール部分を通過させるための拡張位置まで移行可能であり、該固定部材は、一旦、該アンカ部材と該固定部材との間で組織を固定して留めるために、該ボール部分と該ベースとの間で該シャフトの周りに該固定部材を維持するために、該ボール部分が該開口部を通過すると、静止位置に戻るように移行可能である、固定部材と
を備えている、組織アンカアセンブリ。 - 前記固定部材は変形可能リングを備え、該リングは、前記静止位置から拡張位置に弾性的に変形可能であり、該静止位置において、該リングはほぼ楕円形構成を規定し、該拡張位置において該リングはほぼ円形の構成を規定し、該リングは、該リングの周囲に沿って正反対の位置で該リングを挟むと、該静止位置から該拡張位置に弾性的に変形可能である、請求項11に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記固定部材は、第1のタブと第2のタブとを含む挟みリングを備え、該第1のタブおよび該第2のタブのうちの少なくとも1つは、互いに対して、静止位置と拡張位置との間で可動であり、該静止位置において、該挟みリングは第1の直径を規定し、該拡張位置において、該挟みリングは第2の直径を規定し、該第2の直径は該第1の直径より大きい、請求項11に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記固定部材は、少なくとも2つのリングを備え、該少なくとも2つのリングは、静止位置と拡張位置との間で移行可能であり、該静止位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対して少なくとも部分的に間隔を空けて離れており、該拡張位置において、該少なくとも2つのリングは互いに対してさらに重なっている、請求項11に記載の組織アンカアセンブリ。
- アンカ部材であって、該アンカ部材は、ボール部分と、ベースと、該ボール部分と該ベースとを相互に接続するシャフトとを含み、該アンカ部材は組織の面に隣接して位置決め可能である、アンカ部材と、
固定部材であって、該固定部材は、組織の反対側の面に隣接して位置決め可能である、固定部材と
を備え、該固定部材は、
リング構造であって、該リング構造を通って延びる開口部を規定する、リング構造と、
該リング構造に連結される縫合糸であって、該縫合糸は、該リング構造の該開口部を通って該ボール部分を通過させる第1の位置と、該アンカ部材と該固定部材との間に組織を固定して留めるために該ボール部分と該ベースとの間において該シャフトの周りに該固定部材を保持する第2の位置との間で可動である、縫合糸と
を含む、組織アンカアセンブリ。 - 前記リング構造は、前記縫合糸を該リング構造に連結する複数の拡張可能部材を含み、該複数の拡張可能部材は、該縫合糸の第1の位置に対応する静止位置と、該縫合糸の第2の位置に対応する拡張位置との間で移行可能である、請求項15に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記リング構造は、該リング構造を通って規定されるスロットを含み、該スロットは、該リング構造の外周の周りに少なくとも部分的に延び、前記縫合糸の少なくとも一部分は、前記第1の位置において該縫合糸が該スロットの第1の端部に配置され、前記第2の位置において該縫合糸が該スロットの第2の端部に配置されるように、該リング構造内に規定される該スロットを通って配置される、請求項15に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記リング構造は、互いに連結される第1のリングおよび第2のリングを含み、該リングのうちの少なくとも1つは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記縫合糸を動かすために他方に対して回転可能である、請求項15に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記縫合糸の中間部分は、前記リング構造に固定して留められ、前記縫合糸の第1および第2の端部は、該リング構造の反対側の端部に規定されるアパーチャを通って延び、該縫合糸の該第1および第2の端部は、該縫合糸を前記第1の位置から前記第2の位置に移行させるために選択的に引っ張られることが可能である、請求項15に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記リング構造は、該リング構造を通って延びる管腔を有する管を含み、前記縫合糸は、該縫合糸が前記第1の位置から前記第2の位置に動くと、開放位置から締め付け位置に引き締め可能であるループを規定し、該管は、該縫合糸が該第1の位置に配置されているとき該ループの第1の部分の周りに配置され、該縫合糸が該第2の位置に配置されているとき該ループの第2のより大きい部分の周りに配置される、請求項15に記載の組織アンカアセンブリ。
- 前記管の断面形状は、円形、卵型、三角形、長方形、五角形、六角形、八角形および十二角形のうちの1つである、請求項20に記載の組織アンカアセンブリ。
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