JP2011101444A - 整流子モータ,電動送風機,電動工具,電気掃除機 - Google Patents

整流子モータ,電動送風機,電動工具,電気掃除機 Download PDF

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Abstract

【課題】整流子モータの出力の減少を抑制しながら、磁気的アンバランスによる振動を低減する。
【解決手段】電機子鉄心7のティース43の先端の幅方向中心部をアンバランス量に応じて切削加工して電機子2の重量アンバランスの修正を行い、特に、バランス修正コア切削部18の切削加工幅tbをティース幅twより小さくし、バランス修正コア切削部18の幅をティース43の先端部から根元部にかけ漸次小さくし、ティース先端部幅taがティース先端部厚みthより大きくする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、固定子と電機子とを有する整流子モータに係り、特に電気掃除機や電動工具、電動送風機に搭載される、高速回転タイプの整流子モータに関するものである。
電気掃除機や電動工具は、その操作性の観点から、搭載されるモータは小形軽量でかつ高出力なものが望まれる。その手段として、電機子鉄心と固定子鉄心との対向方法の平均距離(平均の空隙長)を0.3mm〜0.7mmと小さく設定し、空隙部の磁束密度を増加させ回転トルクを大きく設定すること、回転数(駆動周波数)を高く設定し、逆起電力を増加することが採られている。
整流子モータには、回転電機子が用いられ、電機子にはスロットを跨いで重巻、またはティース部分に集中的に巻線を施す集中巻が採用されている。巻線工程での巻乱れにより電機子の重心位置が軸芯からずれるので、モータ駆動時の振動を抑制するため、少なからず重量アンバランスを修正する必要がある。特に高速駆動するモータ、とりわけ、電気掃除機に搭載する整流子モータでは30,000回転/分以上の高速で回転しており、少しの重心ずれでもモータ振動に大きく影響するので、必ず重量アンバランスの修正を行っている。また、高出力化のため、平均の空隙長を小さく設定しており、空隙長の周方向のばらつきは磁気的アンバランスに直接影響するため、モータ周方向に均等に分布させることが重要である。
重量アンバランスを修正する方法として、バイトやカッターによる切削加工や塑性変形加工などにより重量を減少する方法と、樹脂などの材料を用いて重量を付加する方法とがある。
切削加工法では、図8に示すように、ティースの頭部(先端部)の全面をいくつかのティースに渡って切削除去するのが一般的である。これより、重量アンバランスは改善される。
また、特許文献1に示す塑性変形加工を用いた修正法では、ティース頭部に塑性変形加工を施す。
また、特許文献2に示すアーマチャの動的バランス修正法では、T型歯状部の先端部分を覆うインシュレータの先端部に切欠部を形成する。
一方、重量を付与する方法として、特許文献3に示す、オープンスロットの位置に比重の異なる部材を配置する方法が提案されている。粘土や樹脂などを付与する方法では、剥がれ飛んでしまうような回転数以上でも安定して駆動することができる利点がある。また、平均の空隙長が不均等となることがなく、磁気的なアンバランスの発生が極小に抑えられる。
特開2003−32925号公報 特開2003−61287号公報 特開2008−99451号公報
切削加工法では、電機子鉄心のティース頭部と固定子鉄心との間の平均の空隙長が不均等となり、磁気的なアンバランスを生じ、磁気音や振動が大きくなる懸念があった。
また、特許文献1に示す塑性変形加工を用いた修正法では、鉄心材に塑性加工部を導入すると、鉄損値の上昇や磁気特性が劣化することが知られており、高速回転タイプのモータでは、鉄損値が増大して出力が低下してしまうので不向きである。
また、特許文献2に示すアーマチャの動的バランス修正法では、インシュレータが必要となり、部品点数が増加してしまう。また、アンバランス量がインシュレータの修正可能なアンバランス修正可能量を超える場合は、アンバランス量を十分に修正できない恐れがあった。
特許文献3に示す重量を付与する方法では、オープンスロットに比重の異なる部材を挿入するアンバランス修正工程数が多く煩雑となり、コストが高くなる傾向にあった。
本発明の目的は、整流子モータの出力減少を抑制しながら、磁気的アンバランス(重量アンバランス、回転アンバランス)による振動を防止することにより、振動が小さく、高性能かつ安価な高速回転の整流子モータなどを提供することである。
また、本発明の目的は、簡単な工程で、電機子の時期的アンバランスを低減できる整流子モータなどを提供することである。
電機子鉄心のティースの先端の中心部を切削加工して電機子の重量アンバランスを修正することを特徴とする。好ましくは、切削加工される部分(例えば、バランス修正コア切削部)の幅寸法をティース幅寸法より小さく設定し、切削加工される部分の幅寸法をティースの先端部から根元部にかけ漸次小さくし、ティース先端部幅がティース先端部厚みより大きくする。
または、電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの外周面(先端面)のティースの幅方向中央部に、重量アンバランス量に応じた大きさの切削加工による切欠部(例えば、バランス修正コア切削部)を形成し、ティースの略T字形状の脇部における切欠部までのティースの幅(例えば、ティース先端部幅)が、ティースの略T字形状の腕部の厚み(例えば、ティース先端部厚み)よりも大きいことを特徴とする。
または、電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの磁束密度の低い部分に、磁束流線に沿った切欠面を有し重量アンバランス量に応じた大きさの切欠部(例えば、バランス修正コア切削部)を形成することを特徴とする。ティースの磁束密度の低い部分とは、例えば、ティースの外周面でかつティースの幅方向中央部である。
本発明によれば、モータ出力を維持しながら、磁気的アンバランス(重量アンバランス,回転アンバランス)に起因する振動の低減化を図ることにより、高性能の整流子モータを提供できるという効果がある。
つまり、電機子鉄心のティースの先端の中心部を切削加工して電機子の重量アンバランスを修正することにより、モータ出力に与える影響を小さくしながら、磁気的アンバランス(重量アンバランス,回転アンバランス)を修正することができる。さらに、簡単な工程で、電機子の時期的アンバランスを低減できる。
電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの外周面(先端面)のティースの幅方向中央部に、重量アンバランス量に応じた大きさの切削加工による切欠部(例えば、バランス修正コア切削部)を形成することにより、モータ出力に与える影響を小さくしながら、磁気的アンバランス(重量アンバランス,回転アンバランス)を修正することができ、さらに、簡単な工程で、電機子の時期的アンバランスを低減でき、さらに、ティースの略T字形状の脇部における切欠部までのティースの幅(例えば、ティース先端部幅)が、ティースの略T字形状の腕部の厚み(例えば、ティース先端部厚み)よりも大きいことにより、切欠部によって阻害される磁束の量を低減して、モータ出力に与える影響を小さくできる。
電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの磁束密度の低い部分に、磁束流線に沿った切欠面を有し重量アンバランス量に応じた大きさの切欠部(例えば、バランス修正コア切削部)を形成することにより、切欠部によって阻害される磁束の量を低減してモータ出力に与える影響を小さくしながら、磁気的アンバランス(重量アンバランス,回転アンバランス)を修正することができる。
本発明の実施例を示す回転電機子の斜視図。 本発明に係わる整流子モータの軸方向断面図。 本発明の実施例1を示す電機子およびティース拡大図。 電機子鉄心部に鎖交する磁束流線の解析値。 本発明の実施例2を示すティース拡大図。 本発明の実施例3を示すティース拡大図。 本発明の実施例4を示すティース拡大図。 従来例の回転電機子の斜視図。
以下、実施例1乃至4を説明する。
以下、本発明の実施例1を図1から図7により説明する。
図1は、本発明の実施例1を示す回転電機子の斜視図である。回転子である電機子2はシャフト4を備え、シャフト4の軸方向両端は固定子1側の軸心に設けた軸受(図示せず)に支承されており、シャフト4には整流子35と電機子鉄心7が設けられ、電機子鉄心7のスロット42には電機子巻線10が巻回され、各電機子巻線10(コイル)の両端は整流子35を構成する各整流子片に接続され、電機子巻線10に整流現象に伴う電流が流れ、連続的なトルクを得ている。軸方向から見た電機子鉄心7の断面は、略円環状である。電機子鉄心7は、同一形状の電磁鋼板が軸方向に数十枚積層して形成され、この結果、軸方向に所定の長さを有する。尚、軸方向は、シャフト4の軸心の形成方向である。軸方向から見たティース43の断面は、略T字形状を有し、軸方向から見た断面が環状の電機子鉄心7の基体の外周に複数本のティース43が形成される。軸方向から見たティース43の断面は、略T字形状を有していることから、1本のティース43のうち先端部(頭部,外周端部)の幅寸法が最も大きく、よって、隣接するティース43との距離も最も近い。隣接するティース43同士は接触しておらず、隣接するティース43間の空間にスロット42が形成される。電機子巻線10は、内周側に一次巻線が形成され、外周側に二次巻線が形成されてもよいし、一次,二次の区別なく単一の巻線で形成されてもよい。
ティース43は複数本(例えば、12本)で構成し、バランス修正コア切削部18は、ティース43の半径方向の先端でかつティース43の軸方向の端部でかつティース43の幅方向(円周方向)の中心部分に設けた。バランス修正コア切削部18とは、切削加工により形成された凹部あるいは切欠部である。ティース43の先端部とは、ティース43の先端面(外周面)から半径方向に所定の深さに至るまでの部分をいう。ティース43の軸方向の端部とは、ティース43の一端面から軸方向に所定の長さに至るまでの部分をいう。重量アンバランの位置に応じて、複数本のティース43の中から、バランス修正コア切削部18を形成する(切削加工を施す)ティース43を選択する。図1では、バランス修正コア切削部18は、3本のティース43を対象に配置しているが、重量アンバランス量が電機子2により、ばらつくことを考慮して、切削加工を施すティース43の本数,切削加工量、即ちバランス修正コア切削部18の幅(円周方向)および深さ(半径方向)および長さ(軸方向)を調整する。切削加工を施すティース43の本数が多いほど重量アンバランス量を多く修正でき、バランス修正コア切削部18の幅が広いほど重量アンバランス量を多く修正でき、バランス修正コア切削部18の深さが深いほど重量アンバランス量を多く修正でき、バランス修正コア切削部18の長さが長いほど重量アンバランス量を多く修正できる。また、ティース43の本数は、少ない方がティース一本あたりの重量アンバランス修正量が多く設定できるのと同時に、加工幅の大きな刃具を使用できるので、切削加工を行うティース43の本数を減少することができ、修正作業をより簡単簡便に行うことができる。ただし、ティース43の本数を少なくしすぎると、スロット部の磁気パーミアンスの変動が作用してモータ特性に悪影響を与えるので、10本から14本の範囲を選択すればさらに良い。
先端形状が三角形状(好ましくは二等辺三角形状)のバイト(切削加工具)を用いた切削加工の場合、バランス修正コア切削部18の幅寸法とともにバランス修正コア切削部18の軸方向長さを調整して、切削加工量を調整できる。先端形状が三角形状(好ましくは二等辺三角形状)のバイト(切削加工具)を用いて切削加工を行うと、バランス修正コア切削部18の形状は、略逆三角形状(好ましくは二等辺三角形状)あるいは略V字形状となり、つまり、ティース43の先端(外周)から根元(内周)にかけて漸次小さくなる形状である。重量アンバランスが大きい位置に対応したティースは、バランス修正コア切削部18の軸方向長さを大きく設定することで、修正可能であるが、切削量を多くしすぎるとモータの出力低下につながるので注意を要する。重量アンバランスが大きい位置に対応したティース43は、バランス修正コア切削部18の軸方向長さを大きく設定すると、ティース43ごとにバランス修正コア切削部18の軸方向長さが異なることとなる。電機子鉄心7が成形されてから、つまり複数の電磁鋼板が積層されてから、バランス修正コア切削部18を形成するための切削加工を施すのが好ましい。
バランス修正コア切削部18の幅寸法をどのように設定すればよいかは、図3および図4を用いて、詳しく説明する。
図2に本発明に係わる整流子モータの軸方向断面図を示す。整流子モータの固定子1は固定子鉄心3と界磁巻線5,6とで構成し、界磁巻線5,6に電流を流すことにより主磁束を発生させる。軸方向から見た固定子鉄心3の断面は、中空の略四角形状である。四角形状の四隅は、切り落とされているため、正確には、略八角形状である。四角形状の四隅が、整流子モータのケーシングの内面に当接する。固定子鉄心3も、同一形状の電磁鋼板が軸方向に数十枚積層して形成され、この結果、軸方向に電機子鉄心7に対応する所定の長さを有する。固定子鉄心3の一辺の内側と、対向辺の内側の2箇所には、電機子鉄心7を保持するため、電機子鉄心7の外周に対応する形状を有する主磁極8が形成される。主磁極8の外側と固定子鉄心3の内側との間の空間に形成されるスロット41に、界磁巻線5,6が巻回される。2つの主磁極8の間に電機子2が配置され、主磁極8の内周面と電機子鉄心7の外周面とがわずかな空隙15を有して(空隙長)対向する。平均の空隙長は1mm以下であり、好ましくは、0.3mm〜0.7mm程度である。電機子2のティース43の本数が12本である場合、主磁極8は、5乃至6本のティース43が一方の主磁極8に対向する程度の幅を有する。また、このような整流子モータの動作回転周波数は、500Hz以上である。
切削加工による電機子2の重量アンバランスの修正は、軸芯の重心に対し重量が大きい箇所を削り取ることで行うため、バランス修正コア切削部18は電機子2の円周方向の一部に集中する。電機子2の回転に伴い、バランス修正コア切削部18が移動するが、空隙15の距離に影響はほとんど無く、モータ出力値に対する影響は軽微である。電機子鉄心7の一部のティース43にバランス修正コア切削部18を形成する場合には、一部のティース43とは反対側の他部のティース43で、一部のティース43のバランス修正コア切削部18を形成した軸方向一端部とは反対側の軸方向他端部にもバランス修正コア切削部18を形成するのが好ましい。つまり、電機子鉄心7を3次元で見た場合に、対角位置のそれぞれにバランス修正コア切削部18を形成するのが好ましい。このように、バランス修正コア切削部18を対角位置に分散させることによって、1つのバランス修正コア切削部18の大きさ(切削加工量)を小さくでき、バランス修正コア切削部18が阻害する磁束の量を少なくできる。
図3に本発明の実施例1を示す電機子およびティース拡大図を示す。ティース43の各部主要寸法を以下のように定義する。
ティース先端部厚みth,ティース幅tw,ティース先端部幅taおよび切削加工幅tbである。ティース先端部厚みthは、略T字形状の円周方向に延びて形成される腕部分の半径方向の厚さである。ティース幅twは、略T字形状の根元側の幅である。略T字形状の根元側の幅が凸凹である場合は、ティース幅twは、略T字形状の根元側のうち最も幅の小さい部分の幅、または、ティース43の高さ(半径方向の長さ)の中間位置における幅にしてもよい。ティース先端部幅taは、切削加工後(バランス修正コア切削部18の形成後)のティース先端部のうち最も幅の小さい部分(例えば、バランス修正コア切削部18の切削加工面と略T字形状の脇部分との間)の幅である。よって、ティース先端部幅taは、切削加工幅tbの大きさに依存することとなる。切削加工幅tbは、ティース43の先端面(外周面)でのバランス修正コア切削部18の幅である。ここで、ティース先端部幅taはティース先端部厚みthより大きく、切削加工幅tbはティース幅twより小さく設定する。これより、モータ出力を決定する空隙15の平均長をほとんど変化させることなく、磁気アンバランスを小さく抑えた電機子2とできる。
図4に電機子鉄心部に鎖交する磁束流線の解析値を示す。磁束流線の間隔が広いほど磁束密度が低く、逆に間隔が狭いほど磁束密度が高いことを表している。図4のように、ティース幅twに対応する略T字形状の根元側の(ハ)部の磁束密度が高いのに対し、切削加工幅tbに対応する略T字形状の頭部中央部分の(イ)部とティース先端部厚みthに対応する略T字形状の腕部分の(ロ)部の磁束密度は低いことがわかる。
モータ出力値は、(ハ)部の磁束密度でほぼ決定されるため、(イ)部ならびに(ロ)部を(ハ)部と同等の磁束密度に設定しても、モータ出力に与える影響は軽微でることがわかった。そして好ましくは、ティース先端部幅taはティース先端部厚みthより大きく、切削加工幅tbはティース幅twより小さく設定する。ティース43の略T字形状の腕部である(ロ)部よりも、ティース43の略T字形状の根元側の(ハ)部に近い略T字形状の脇部のほうが、磁束密度が高いため、ティース先端部幅taはティース先端部厚みthより大きくすることによって、バランス修正コア切削部18によって阻害される磁束の量を低減できる。また、略T字形状の脇部に応力が集中するため、ティース先端部幅taはティース先端部厚みthより大きくすることによって、ティース43が略T字形状の脇部から破損するのを抑制できる。つまり、ティース43の強度を高くすることができる。なお、切削加工箇所としては、磁束密度が高くかつモータ出力に与える影響の大きい(ハ)部よりも、磁束密度が低くかつモータ出力に与える影響の小さい(イ)部ならびに(ロ)部が好ましい、さらに、切削加工箇所として(ロ)部を選択すると、周方向からの磁束の流入を阻害してしまい影響が大きいため、ティース先端中心部である(イ)部が適当である。バランス修正コア切削部18を(ロ)部に形成するよりも(イ)部に形成した方が、バランス修正コア切削部18が阻害する磁束の量が少なくなる。バランス修正コア切削部18を(ロ)部に形成する場合は、磁束密度が高くかつモータ出力に与える影響の大きい(ハ)部で幅方向左右で磁束密度が不均一になるのを抑制するために、幅方向左右のそれぞれの(ロ)部にバランス修正コア切削部18を精度よく形成する必要があるが、(イ)部は幅方向左右の中央に位置するため、バランス修正コア切削部18を(イ)部に形成する場合は、1箇所に形成すればよく、切削加工が容易となる。また、切削加工箇所として(ロ)部を選択すると、ティース先端部幅taの片方が小さくなってティース43の強度が低下するため、ティース先端中心部である(イ)部が適当である。また、バランス修正コア切削部18の根元側の形状が三角形の頂点になって鋭く尖っているが、先端が滑らかな三角形のバイトを使用してR形状とすれば、応力集中を緩和でき、高速駆動に適した電機子2とできる。さらに、(イ)部において、バランス修正コア切削部18の形状を、頂点がティース幅の中間に位置するように略逆三角形状にすると、略逆三角形の2つの側辺が磁束流線に沿うため、バランス修正コア切削部18が阻害する磁束の量を少なくできる。つまり、バランス修正コア切削部18は、磁束密度が低くかつモータ出力に与える影響の小さい位置に形成され、かつ、バランス修正コア切削部18の形状を、磁束流線に沿った形状とすることによって、バランス修正コア切削部18によって阻害される磁束の量を低減でき、モータ出力を維持しながら、磁気アンバランスに起因する振動の低減化を図ることにより、高性能の整流子モータを提供できる。
外周側ほど遠心力が大きいことから、電機子鉄心7の内周側よりも外周側にバランス修正コア切削部18を形成するほうが、切削加工量が小さく、電機子鉄心7の軸方向中間よりも端側にバランス修正コア切削部18を形成するほうが、切削加工量が小さくでき、これによって、バランス修正コア切削部18によって阻害される磁束を低減できる。よって、バランス修正コア切削部18は、電機子鉄心7の外周部(ティース43の先端部)に形成し、かつ、電機子鉄心7の軸方向端部に形成する。また、バランス修正コア切削部18は、半径方向ではティース43の全部ではなく一部(先端側)に形成し、円周方向でもティース43の全部ではなく一部(中央部)に形成し、軸方向でもティース43の全部ではなく一部(端部)に形成するのが好ましい。
塑性加工では、塑性変形が加工表面だけでなく内部にまで及ぶため、鉄損値の上昇や磁気特性が劣化が生じるが、切削加工では、加工表面では塑性変更が生じるが、塑性変形が内部にまで及ばないため、鉄損値の上昇や磁気特性が劣化が小さい。よって、塑性変形が内部にまで及ばない加工方法であれば、切削加工に限らず、研削加工や研磨、電解加工でもよい。また、塑性加工では、変形方向が面状に分散するため、積層した電磁鋼板が分離しやすいのに対し、切削加工では、変形方向が一方向であるため、積層した電磁鋼板が分離しにくい。
図5に本発明の実施例2を示すティース拡大図を示す。切削バイトの先端形状を、丸形状とした例である。この結果、バランス修正コア切削部18の形状は、略半円形状あるいは略U字形状となる。重量アンバランス量が比較的小さく、より高速回転で駆動モータに適用する際に用いるのが好ましい。バランス修正コア切削部18の形状が、略半円形状あるいは略U字形状であるので、応力集中を大いに緩和できる。ただし、切削加工幅tbに対する切削量が少ないので、元々、重量アンバランス量が小さい電機子2に好適である。
バランス修正コア切削部18の深さを浅くした結果、バランス修正コア切削部18の深さは切削加工幅tbより小さくする。このように、バランス修正コア切削部18の深さを浅くすることによって、バランス修正コア切削部18が、磁束密度が高くかつモータ出力に与える影響の大きい(ハ)部にまで至らず、あるいは至ったとしてもわずかであるため、モータ出力に与える影響を小さくすることができる。
図6に本発明の実施例3を示すティース拡大図を示す。切削バイトの先端形状を、台形形状とした例である。この結果、バランス修正コア切削部18の形状も、略台形状となる。
図7に本発明の実施例4を示すティース拡大図を示す。重量アンバランス修正に用いる切削バイトの先端形状を、四角形状とした例である。この結果、バランス修正コア切削部18の形状も、略四角形状となる。重量アンバランス量が比較的大きく、ティース幅twが電機子外周に対し相対的に大きな電機子2に用いるのが好ましい。
実施例1乃至4では、バイト形状の種類に着目して説明したが、それに限らずドリルやカッターなど、他の切削加工具を用いても構わない。また、2極の整流子モータを例に説明したが、4極、さらに多極の場合においても、本発明の基本構成には変わりない。
1 固定子
2 電機子
3 固定子鉄心
4 シャフト
5,6 界磁巻線
7 電機子鉄心
8 主磁極
10 電機子巻線
15 空隙
18 バランス修正コア切削部
35 整流子
41,42 スロット
43 ティース

Claims (13)

  1. 固定子と電機子とを有し、
    前記固定子は、電磁鋼板を積層して成る固定子鉄心と、その主磁極部に巻装した界磁巻線または主磁極部に併設した永久磁石から構成され、
    前記電機子は、電磁鋼板を積層して成る電機子鉄心と、電機子巻線,シャフトおよび整流子から構成され、前記電機子鉄心のスロットに前記電機子巻線を巻装し、
    前記電機子巻線の両端を前記整流子に接続し、電力の授受を行う整流子モータにおいて、
    前記電機子鉄心のティースの先端の中心部への切削加工により、前記電機子の重量アンバランスの修正を行ったことを特徴とする整流子モータ。
  2. 切削加工される部分の幅寸法はティース幅寸法より小さく、かつティース先端部の幅がティース先端部の厚みより大きくしたことを特徴とする請求項1記載の整流子モータ。
  3. 切削加工される部分の幅寸法が、ティースの先端部から根元部にかけ漸次小さくしたことを特徴とする請求項1および請求項2記載の整流子モータ。
  4. 切削加工されるティースが複数本である場合に、切削加工される部分の軸方向長さが各々のティースで異なることを特徴とする請求項1から請求項3の少なくとも一項記載の整流子モータ。
  5. 前記電機子鉄心と前記固定子鉄心との対向方向の平均距離が0.3mm〜0.7mmであることを特徴とする請求項1から請求項4の少なくとも一項記載の整流子モータ。
  6. ティースの本数が10本から14本であることを特徴とする請求項1から請求項5の少なくとも一項記載の整流子モータ。
  7. 整流子モータの動作回転周波数を500Hz以上に設定したことを特徴とする請求項1から請求項6の少なくとも一項記載の整流子モータ。
  8. 固定子と、前記固定子に対して回転する電機子とを備えた整流子モータにおいて、
    前記電機子は、軸方向から見た断面が略T字形状を有するティースを当該電機子の外周側に複数本備え、
    前記電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの外周面の当該ティースの幅方向中央部に、重量アンバランス量に応じた大きさの切削加工による切欠部を形成し、
    前記ティースの略T字形状の脇部における前記切欠部までの前記ティースの幅が、前記ティースの略T字形状の腕部の厚みよりも大きいことを特徴とする整流子モータ。
  9. 固定子と、前記固定子に対して回転する電機子とを備えた整流子モータにおいて、
    前記電機子は、軸方向から見た断面が略T字形状を有するティースを当該電機子の外周側に複数本備え、
    前記電機子の重量アンバランス位置に応じた位置のティースの磁束密度の低い部分に、磁束流線に沿った切欠面を有し重量アンバランス量に応じた大きさの切欠部を形成することを特徴とする整流子モータ。
  10. 前記ティースの磁束密度の低い部分は、前記ティースの外周面でかつ前記ティースの幅方向中央部であることを特徴とする請求項9記載の整流子モータ。
  11. 請求項1から請求項10の少なくとも一項記載の整流子モータを駆動モータとして用いた電動送風機。
  12. 請求項1から請求項10の少なくとも一項記載の整流子モータを駆動モータとして用いた電動工具。
  13. 請求項1から請求項10の少なくとも一項記載の整流子モータを駆動用モータとして搭載した電気掃除機。
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