〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、分離された親機と子機とが接合によって有線接続され、又は近距離通信機能等の、無線基地局を介さない直接通信により無線接続される通信端末装置の電源制御である。なお、以降の他の実施の形態においても、分離状態における親機と子機とは、本実施の形態と同様に直接通信により無線接続されるものとする。この通信端末装置では、親機に子機が接合された場合、親子機間の電源制御を連動させる構成である。また、この通信端末装置では、親機と子機が分離されている場合、親機側から子機の電源を非通電状態に制御する構成である。
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、携帯端末装置の一例を示す図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明は限定されない。
この通信端末装置2は、本開示の通信端末装置の一例であって、図1に示すように、親機21と子機22とに着脱可能に分離される。分離状態では、親機21と子機22とが近距離無線通信として例えば、Bluetooth 通信機能により無線接続が可能である。接合状態では、親機21と子機22とが有線接続される。なお、本明細書の各実施の形態における" 有線接続" とは、端子間接続等の物理的に親機と子機とが接続されている形態の接続を意味し、無線接続以外のこれらの接続を説明の便宜上“有線接続" というものとする。
この実施の形態では、親機21には主として無線基地局や通信ネットワークを介して外部と通信する通信機能や、表示機能等が割り当てられ、また、子機22には主として通話機能や、キー操作機能等が割り当てられている。即ち、親機21は無線通信部であり、子機22はユーザインターフェイス部を構成し、これらが分離可能に構成されている。
この実施の形態では、親機21は接合検出部4と、状態検出部6と、電源制御部8とを備え、子機22は接合検出部10と、状態検出部12と、電源制御部14とを備えている。
接合検出部4は、親機21と子機22との接合(例えば、有線接続状態)を検出する機能部である。この場合、親機21と子機22との非接合(即ち、分離)を検出してもよい。ここで、接合とは、親機21と子機22とを機械的に連結又は結合している状態であり、また、分離とは、親機21と子機22とが非結合状態又は分離状態(例えば、無線接続状態)で、個別に用いられる状態である。
状態検出部6は、親機21の電力制御状態を検出する機能部である。電力制御状態には、電源がONの状態で通話やメール送信等の機能が使用可能な状態である“電源ON状態”、電源がOFFの状態で親機21の各構成部品に対して電力が供給されていない“電源OFF状態”、電源はONの状態だが一部の構成部品に対してのみ電力を供給し、その他の構成部品に対しては電力を供給していない“スリープ状態”の3種類があるものとする。この場合の一部の構成部品とは、子機22との接合状態を監視するための機能を実現するための構成部品、子機22との直接通信を行うための機能を実現するための構成部品等である。
電源制御部8は、親機21及び子機22の電力供給を制御する。その制御内容は次の通りである。その1は、例えば、親機21側の電力制御状態の切替えである。当該切替えは、子機22側の電力制御状態の制御とは独立して行われる。その2は、親機21に子機22が接合された場合、親機21の電力制御状態の切替えに連動して子機22を電力制御状態を切り替えるための制御である。その3は、親機21と子機22とが分離された場合、親機21の電力制御状態の切替えに連動して子機22の電力制御状態を切り替えるための制御である。子機22側の電源制御は、子機22側の電源制御部14と連係して行う。
接合検出部10は、親機21側と同様に、親機21と子機22との接合を検出する機能部である。この場合、親機21と子機22との非接合(即ち、分離)を検出してもよい。ここで、接合とは、親機21と子機22とを機械的に連結又は結合している状態であり、また、分離とは、親機21と子機22とが非結合状態又は分離状態で、個別に用いられる状態である。
状態検出部12は、子機22の電力制御状態を検出する機能部である。電力制御状態には、電源がONの状態で文字入力等の機能が使用可能な状態である“電源ON状態”、電源がOFFの状態で子機22の各構成部品に対して電力が供給されていない“電源OFF状態”、電源はONの状態だが一部の構成部品に対してのみ電力を供給し、その他の構成部品に対しては電力を供給していない“スリープ状態”の3種類があるものとする。この場合の一部の構成部品とは、親機21との接合状態を監視するための機能を実現するための構成部品、親機21との直接通信を行うための機能を実現するための構成部品等である。
電源制御部14は、子機22及び親機21の電力供給を制御する。その制御内容は次の通りである。その1は、例えば、子機22側の電力制御状態の切替えである。当該切替えは、親機21側の電力制御状態の制御とは独立して行われる。その2は、親機21に子機22が接合された場合、子機22の電力制御状態の切替えに連動して親機21の電力制御状態を切り替えるための制御である。その3は、親機21と子機22とが分離された場合、親機21の電力制御状態の切替えに連動して子機22の電力制御状態を切り替える制御である。親機21の電源制御は、親機21側の電源制御部8と連係して行う。
次に、電源制御の処理手順について、図2を参照する。図2は、電源制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この処理手順は、本開示の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例である。この処理手順には、図2に示すように、接合検出機能(ステップS11)と、状態検出機能(ステップS12)と、電源制御機能(ステップS13)とが含まれる。
この処理手順では、図2に示すように、親機21と子機22とが接合状態であるかを検出し(ステップS11)、接合状態か分離状態かを判断する。このステップS11では、親機21と子機22とが接合状態にあるか、分離状態にあるかを電気的に検出し、その検出に基づき接合状態であるか分離状態であるかを判定すればよい。
親機21と子機22が接合状態であれば(ステップS11のYES)、親機21又は子機22が電源ON状態であるかを検出する(ステップS12)。
接合検出及び通電状態の検出に基づき、電源制御(ステップS13)が可能である。この電源制御には、次のような制御形態が含まれている。
(1) 親機21が電源ON状態、子機22がスリープ状態であれば、親機21に子機22を接合したことを契機に、子機22を電源ON状態に制御する。
(2) 親機21がスリープ状態、子機22が電源ON状態であれば、親機21に子機22を接合したことを契機に、子機22をスリープ状態に制御する。
(3) 親機21と子機22とが接合中に、親機21及び子機22が共にスリープ状態であれば、親機21の電源ON状態への切替えにより子機22を電源ON状態に制御する。又は、子機22の電源ON状態への切替えにより親機21を電源ON状態に制御する。
(4) 親機21と子機22とが接合中に、親機21及び子機22が共に電源ON状態であれば、親機21のスリープ状態への切替えにより子機22をスリープ状態に制御する。又は、子機22のスリープ状態への切替えにより親機21をスリープ状態に制御する。
(5) 親機21と子機22とが分離状態で、親機21及び子機22が共に電源ON状態であれば、親機21のスリープ状態への切替えにより、無線接続を媒介にし、子機22をスリープ状態に制御する。
斯かる電源制御によれば、親機21が電源ON状態又はスリープ状態であれば、その親機21に対する子機22の接合を契機に、親機21に応じて子機22を電源ON状態又はスリープ状態に自動的に切り替えることができる。また、親機21と子機22とが接合中であれば、親機21又は子機22から電源ON状態又はスリープ状態に制御できる。また、親機21と子機22とが分離状態であれば、無線接続を媒介にし、親機21側から子機22を電源ON状態に制御できる。また、この場合、親機21及び子機22が電源ON状態であれば、子機22側からスリープ状態に制御できる。これにより、電源切替えの利便性を高めることができる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、分離状態にある親機と子機とが有線接続され、又は近距離通信機能により無線接続されるセパレート型携帯電話機である。このセパレート型携帯電話機は、親機に子機が接合された場合、親機の電力制御状態の切り替えに連動して前記子機を電源ON状態又はスリープ状態に制御する構成を含んでいる。また、このセパレート型携帯電話機は、親機と子機とが分離されている場合、親機側から電源ON状態の前記子機側をスリープ状態に制御する構成を含んでいる。
この第2の実施の形態について、図3、図4、図5、図6及び図7を参照する。図3は、接合状態にある親子機間の電源制御の状態遷移を示す図、図4、図5、図6及び図7は、分離状態にある親子機間の電源制御の状態遷移を示す図である。
(1) 接合状態にある場合
親機201と子機202とが接合状態であれば、状態[I] 又は状態[IV]となる。
状態[I] は親機201及び子機202が共にスリープ状態(以下「OFF状態」と称する。)である。この状態[I] から、親機201の電源ボタン16を長押しした場合、状態[I] →状態[II]→状態[IV]に遷移する。即ち、親機201の電源が電源ON状態(以下「ON状態」と称する。)となり、このON状態に連動し、子機202の電源がON状態となる。この場合、状態[II]から状態[IV]の遷移には、親機201側で子機202側のON・OFF状態を監視し、電源ON制御を実行する。
また、状態[I] から、子機202の電源ボタン18を長押しした場合、状態[I] →状態[III] →状態[IV]に遷移する。即ち、子機202の電源がON状態となり、このON状態に連動し、親機201の電源がON状態となる。この場合、状態[III] から状態[IV]の遷移には、子機202側で親機201側のON・OFF状態を監視し、電源ON制御を実行する。
状態[IV]は親機201及び子機202が共にON状態である。この状態[IV]から、親機201の電源ボタン16を長押しした場合、状態[IV]→状態[III] →状態[I] に遷移する。即ち、親機201の電源がOFF状態となり、このOFF状態に連動し、子機202の電源がOFF状態となる。この場合、親機201の電源OFFに子機202の電源OFFを連動させる場合には次の処理を行う。即ち、
a)親機201から子機202側に対して、子機202の電源OFF指示(コマンド)を発行する。
b)子機202側に電源制御状態に変化があれば、例えば、電源OFFとなれば、親機201を電源OFFに制御する。
また、この状態[IV]から、子機202の電源ボタン18を長押しした場合、状態[IV]→状態[II]→状態[I] に遷移する。即ち、子機202の電源がOFF状態となり、このOFF状態に連動し、親機201電源がOFF状態となる。この場合、子機202の電源OFFに親機201の電源OFFを連動させる場合には、次の処理を行う。即ち、
a)子機202から親機201側に対して、親機201の電源OFF指示(コマンド)を発行する。
b)親機201側に電源の変化があれば、例えば、電源OFFとなれば、子機202を電源OFFに制御する。
(2) 分離状態から接合状態に移行した場合
親機201と子機202が分離状態から接合状態に変化した場合には、親機201の電源のON/OFF状態に連動して子機202の電源をON/OFF制御する。
a)ON状態にある親機201に、OFF状態の子機202を接合した場合には、親機201の電源制御状態に連動して子機202の電源をONに制御する。この場合、状態[II]→状態[IV]の制御を行う。
b)OFF状態にある親機201に、ON状態の子機202を接合した場合には、親機201の電源制御状態に連動して子機202の電源をOFFに制御する。この場合、状態[III] →状態[I] への制御を行う。
(3) 分離状態にある場合
親機201と子機202とが分離状態にある場合には、無線接続が介在し、電源ON操作は、個々の電源ボタン16又は18の操作によりON状態に制御する。
図4の(A)に示すように、親機201と子機202とが分離状態で、共にOFF状態であれば、親機201の電源ボタン16の長押しにより、図4の(B)に示すように、親機201の電源がON状態となる。この場合、子機202側の電源制御状態は変化しない。
図5の(A)に示すように、親機201と子機202とが分離状態で、共にOFF状態であれば、子機202の電源ボタン18の長押しにより、図5の(B)に示すように、子機202の電源がON状態となる。この場合、親機201側の電源制御状態は変化しない。
図6の(A)に示すように、親機201と子機202とが分離状態で、共にON状態であれば、親機201と子機202とは無線接続の状態である。この場合、親機201の電源ボタン16の長押しにより、図6の(B)に示すように、親機201の電源がOFF状態となる。この場合、親機201から子機202に対し、無線接続により、電源OFF指示が発せられる。このOFF指示を受け、子機202の電源がOFF状態に制御される。
図7の(A)に示すように、親機201と子機202とが分離状態で、共にON状態であれば、子機202の電源ボタン18の長押しにより、図7の(B)に示すように、子機202の電源がOFF状態となる。この場合、親機201側の電源制御状態は変化しない。
斯かる構成によれば、次のような効果が得られる。
(1) 電源ON状態又はスリープ状態にある親機201にスリープ状態にある子機202を接合することにより、子機202の電源制御状態を親機201に応じて切り替えることができ、電源操作が簡略化される。
(2) 親機201の機能を実現するため、ユーザが親機201を電源ON状態に切り替え、その親機201に子機202を接合すれば、子機202の電源切替え操作を要することなく、親機201を電源ON状態に制御して親機201の機能を立ち上げることができ、迅速な操作を行うことができ、利便性が高められる。
(3) 親機201がスリープ状態となれば、子機202が電源ON状態にあっても、接合により子機202側の電源切替え操作を要することなく、子機202側をスリープ状態に移行させることができ、省電力化を図ることができる。子機202側のバッテリの消耗を抑制できる。
(4) 子機202と分離された親機201から子機202を電源ON状態からスリープ状態に制御できるので、ユーザによる子機202側の電源切替え操作が不要であり、省電力化を図ることができ、子機202側のバッテリの消耗を抑制できる。
次に、このセパレート型携帯電話機の機能について、図8及び図9を参照する。図8は、セパレート型携帯電話機の親機側の機能部の一例を示す図、図9は、その子機側の機能部の一例を示す図である。
このセパレート型携帯電話機20は、親機201でセパレート型携帯電話機20の主として外部通信機能、表示機能等を実行し、子機202でセパレート型携帯電話機20の主として親機201との通信機能、通話機能等を実行する。
そこで、親機201は、図8に示すように、外部通信制御部30と、接合・分離確認部32と、表示制御部34と、記憶制御部36と、電源制御部38と、操作検知部40と、親子通信制御部42と、Bluetooth 通信制御部44と、有線通信制御部46と、その他の機能として通話制御部等を備えている。これらの機能は親機201に搭載されているコンピュータ(プロセッサ70:図10)によって生成され実行される。
外部通信制御部30は、外部の通信ネットワーク48と無線により接続し、通話やデータ通信の制御を行う。通信ネットワーク48には親機201が無線により基地局やサーバが接続されている。
接合・分離確認部32は、親機201が子機202に接合又は分離されているかを確認する機能部であって、既述の接合検出部4に対応する。親機201に子機202が接合されているか又は分離されているかの判断は、親機201と子機202との電気的な結合状態の有無によって行えばよい。
表示制御部34は、情報表示を制御する機能部の一例であって、表示部76(図10)の表示制御の機能を含む。
記憶制御部36はデータ保持や保存を制御する機能であって、記憶手段に対するデータの書き込み又は読出しを制御する機能部である。この記憶機能部36には、親機201のソフトウェアや、電源制御情報、通信制御情報、通信情報(接続設定情報)、ユーザ操作情報等の格納や書換え等の制御が含まれる。
電源制御部38は、電源ボタン16の操作による電源スイッチ部87(図10)のON・OFFを認識し、親機201側の機能部に対する電源の通電を制御する機能部である。電源の制御形態は、既述のとおり、親子機が接合状態であれば、親機201と子機202とを連動してON状態又はOFF状態に制御する。また、親子機が分離状態であれば、親機201側からON状態にある子機202側の電源をOFF状態に制御する。子機202側の電源制御に対するコマンドとして、電源ON指示又は電源OFF指示を生成する。
操作検知部40は、入力操作や電源ボタン16の操作を検知し、電源ボタン16のON又はOFFが所定時間例えば、3〔秒〕以上継続した場合にそのON又はOFFを認識し、その検知出力を生成する。
親子通信制御部42は、親機201側で親子機間の通信形態を制御する制御機能部であって、親子機間が接合状態であれば有線接続とし、親子機間が分離状態であれば無線接続とする。この親子通信制御部42は既述の電源ON指示や電源OFF指示の送受を行う。
Bluetooth 通信制御部44は、近距離無線通信制御部の一例であって、子機202との無線通信を行い、電波等の無線媒体で接続する機能部であり、この場合、Bluetooth 通信を用いればよい。また、有線通信制御部46は、親子機間の接合によって有線接続し、例えば、シリアル通信を行う。Bluetooth 通信制御部44及び有線通信制御部46は既述の電源ON指示や電源OFF指示の送受を行う。
また、子機202は、図9に示すように、電源制御部50と、接合・分離確認部52と、記憶制御部54と、操作検知部55、親子通信制御部56、Bluetooth 通信制御部58と、有線通信制御部60とを備え、その他通話制御部を備えている。これらの機能は子機202に搭載されているコンピュータ(プロセッサ100:図10)によって生成され実行される。
電源制御部50は、電源スイッチ部115(図10)のオン、オフを認識し、子機202側の機能部に対する電源の通電を制御する機能部である。子機202が親機201に接合されている場合には親機201側の通電制御を含んでもよい。
接合・分離確認部52は、子機202が親機201に接合又は分離されているかを確認する機能部であって、既述の接合検出部10に対応する。親機201に子機202が接合されているか又は分離されているかの判断は、既述のように、親機201と子機202との電気的な結合状態の有無によって行えばよい。
記憶制御部54はデータ保持手段の一例であって、親機201から提供されたソフトウェアやその版数データを記憶させる制御機能部である。
操作検知部55は、入力操作や電源ボタン18の操作を検知し、電源ボタン18のON又はOFFが所定時間例えば、3〔秒〕以上継続した場合にそのON又はOFFを認識し、その検知出力を生成する。
親子通信制御部56は、子機202側で親子機間の通信形態を制御する制御機能部であって、親子機間が接合状態であれば有線接続とし、親子機間が分離状態であれば無線接続とする。この親子通信制御部42は既述の電源ON指示や電源OFF指示の送受を行う。
Bluetooth 通信制御部58は、近距離無線通信制御部の一例であって、親機201とのBluetooth 通信を制御する機能部である。また、有線接続制御部60は、既述のように、親子機間の接合によって接続する。
次に、セパレート型携帯電話機20のハードウェアについて、図10を参照する。図10は、セパレート型携帯電話機のハードウェアの一例を示す図である。
このセパレート型携帯電話機20は親機201と子機202とを着脱可能に備え、既述の各機能を実現するためのハードウェア構成を備えている。そこで、親機201は、図10に示すように、プロセッサ70と、無線通信部72と、記憶部74と、表示部76と、タッチパネル部78と、音声入出力部80と、電源部81と、Bluetooth 通信部82と、有線通信部84と、接合・分離検出部86と、電源スイッチ部87、タイマー部89とを備える。
プロセッサ70は、記憶部74にあるプログラムを実行することにより、既述の機能部(図8)を生成させ、各機能を実行する。このプロセッサ70は例えば、CPU(Central Processing Unit )で構成すればよい。
無線通信部72は、アンテナ88を備え、プロセッサ70の制御により基地局を介して既述の通信ネットワーク48と無線通信により、通話やデータ通信を行う。この無線通信部72は例えば、高域符号分割多元接続〔W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)〕無線通信部で構成される。
記憶部74は、プロセッサ70の制御により、プログラム等の各種のデータを記憶し、保持する記憶手段であって、プログラム記憶部90と、データ記憶部92と、RAM(Random-Access Memory)94とを備える。プログラム記憶部90は、記録媒体で構成され、OS(Operating System)、ファームウェアプログラム、アプリケーションプログラム、電源制御プログラム、通信制御プログラム等を格納する。データ記憶部92は、データの記憶手段であって、通電を解除しても記憶内容を保持できるメモリである不揮発性メモリで構成される。このデータ記憶部92には、親機201及び子機202側のソフトウェア等が保存される。RAM94は、親機201や子機202の通信制御等の各種データ処理を実行するためのワークエリアを構成する。
表示部76は、プロセッサ70の制御により、メッセージ出力部、情報提示手段の一例であって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)表示器で構成される。この表示部76は、プロセッサ70の制御により、子機202との接続を促すメッセージ表示等の各種の表示をする。
タッチパネル部78は、表示部76に積層されて設置された入力手段の一例であって、プロセッサ70の制御により、表示部76の表示に応じてユーザの指やスタイラスペン(Stylus)の接触や押圧により、指示やデータ入力を行うことができる。
音声入出力部80は、音声の入力手段や出力手段の一例であって、マイクロフォン96及びレシーバ98を備える。この音声入出力部80は、プロセッサ70の制御により、マイクロフォン96に入力された音声を電気信号に変換してプロセッサ70に入力し、プロセッサ70の音声出力信号をレシーバ98で音声に再生する。
電源部81は、バッテリ等から給電され、親機201の機能部等の各部に電源を供給する手段である。
Bluetooth 通信部82は、プロセッサ70の制御により、子機202との間で無線により接続する無線接続手段であって、例えば、Bluetooth 通信により通信接続を行う。このBluetooth 通信部82は、親機201から子機202が分離されている場合、無線接続を行う。
有線通信部84は、プロセッサ70の制御により、子機202を接合した際に有線接続する有線接続手段の一例であって、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter )接続により有線接続を行う。
接合・分離検出部86は、親機201側にあって、親機201に子機202が接合されているか、親機201から子機202が分離されているかを検出する手段の一例であり、例えば、接合・分離検出デバイスで構成される。この接合又は分離は、例えば、端子間接合の有無を電位によって検出すればよい。この場合、接合・分離検出部86に親機201と子機202との接合状態が検出された場合、Bluetooth 通信部82の無線接続の契機となる。また、接合・分離検出部86に親機201と子機202との分離状態が検出された場合、有線通信部84の有線接続の契機となる。この接合・分離検出部86には例えば、汎用入出力ポート(GPIO:General Purpose Input Output)で構成すればよく、子機202が通電状態であれば、接合及びその電源制御状態を表す出力信号(パルスH)を出力させ、これを検出すればよい。
電源スイッチ部87は電源ボタン16を備え、電源部81のON・OFF手段である。また、接合状態、又は既述のように分離状態における親機201側のOFF制御に伴った子機202側の電源部109のON・OFF手段である。
タイマー部89は、計時手段の一例であって、プロセッサ70の制御により、例えば、既述の電源ボタン16の長押し時間の計時等に用いられる。
次に、子機202は、プロセッサ100と、記憶部102と、キーパッド部104、106と、音声入出力部108と、電源部109と、Bluetooth 通信部110と、有線通信部112と、接合・分離検出部114と、電源スイッチ部115とを備える。
プロセッサ100は記憶部102にあるプログラムを実行することにより、既述の機能部(図9)を生成させ、各機能を実行する。このプロセッサ100は親機201側と同様に例えば、CPUで構成すればよい。
記憶部102は、プロセッサ100の制御により、プログラム等の各種のデータを記憶し、保持する記憶手段であって、プログラム記憶部116と、データ記憶部118と、RAM120とを備える。プログラム記憶部116は、記録媒体で構成され、OS、ファームウェアプログラム、アプリケーションプログラム、電源制御プログラム、通信制御プログラム等を格納する。データ記憶部118は、データの記憶手段であって、通電を解除しても記憶内容を保持できるメモリである不揮発性メモリで構成される。このデータ記憶部118には、子機202側のソフトウェアの版数データ等が格納される。RAM120は、子機202側の通信制御等の各種データ処理を実行するためのワークエリアを構成する。
キーパッド部104は、第1のキー入力部であって、子機202の本体側に設置され、記号キー、カーソルキー、決定キー等が備えられている。また、キーパッド部106は、第2のキー入力部であって、親機201から子機202が分離した際に、子機202側にあるスライド筐体部132(図13〜図19)に設置され、キーパッド部104に積層されてキー入力に用いられる。
音声入出力部108は、音声の入力手段や出力手段の一例であって、マイクロフォン122及びレシーバ124を備える。子機202が親機201から分離された際、この音声入出力部108は、プロセッサ100の制御により、マイクロフォン122に入力された音声を電気信号に変換してプロセッサ100に入力し、プロセッサ100の音声出力信号をレシーバ124で音声に再生する。
電源部109は、バッテリ等から給電され、子機202の機能部の各部に電源を供給する手段である。
Bluetooth 通信制御部110は、プロセッサ100の制御により、親機201のBluetooth 通信部82との間で無線により接続する無線接続手段であって、例えば、Bluetooth 通信により通信接続を行う。このBluetooth 通信部110は、子機202が親機201から分離されている場合、無線接続を行う。
有線通信制御部112は、プロセッサ100の制御により、親機201に接合した際に有線接続する有線接続手段であって、既述のUART接続により有線接続を行う。この有線通信部112は、親機201の端子間を接合した場合、既述の有線接続を行う。
接合・分離検出部114は、子機202側にあって、子機202が親機201に接合されているか、子機202が親機201から分離されているかを検出する手段の一例であり、既述の通り、例えば、接合・分離検出デバイスで構成される。この接合又は分離は、例えば、端子間接合の有無を電位によって検出すればよい。親機201側と同様に、接合・分離検出部114に親機201と子機202との接合状態が検出された場合、Bluetooth 通信部110の無線接続の契機となる。また、接合・分離検出部114に親機201と子機202との分離状態が検出された場合、有線通信部112の有線接続の契機となる。この接合・分離検出部114には既述の例えば、汎用入出力ポート(GPIO)で構成すればよく、親機201が通電状態であれば、接合及びその電源制御状態を表す出力信号(パルスH)を出力させ、これを検出すればよい。
電源スイッチ部115は、電源ボタン18を備え、電源部109のON・OFF指示手段、また、接合状態における親機201側の電源部81のON・OFF指示手段の一例である。
次に、電源部について、図11を参照する。図11は電源部の一例を示す図である。
この電源部81は、親機201の給電装置の一例であって、図11に示すように、スイッチ制御部125と、スイッチ回路126と、バッテリ127とを備える。スイッチ制御部125は、バッテリ127から常時給電され、電源制御部38を構成するプロセッサ70によって制御される。スイッチ回路126は、スイッチ制御部125によって制御され、電源のON・OFF制御以外の制御を行う機能部に対する給電を制御する。従って、電源のOFF状態においても電源制御は可能である。
子機202側の電源部109については、電源部81の構成と同様に構成すればよく、その説明は省略する。
次に、セパレート型携帯電話機について、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18及び図19を参照する。図12は、セパレート型携帯電話機の一例を示す図、図13は、子機側をスライドさせたセパレート型携帯電話機を示す図、図14は、子機側をスライドさせて裏面側から見たセパレート型携帯電話機を示す図、図15は、子機側をスライドさせて側面側から見たセパレート型携帯電話機を示す図、図16は、分離状態の親機及び子機を示す図、図17は、分離状態の親機を裏面側から見て示した図、図18は、子機側のスライド筐体部をスライドさせて上面側から見た子機を示す図、図19は、子機側のスライド筐体部をスライドさせて側面側から見た子機を示す図である。
セパレート型携帯電話機20は、図12に示すように、固定筐体部130と、スライド筐体部132と、可動筐体部134とが備えられている。この場合、固定筐体部130及びスライド筐体部132は子機202に用いられ、可動筐体部134は親機201に用いられている。
固定筐体部130には、図13〜図16に示すように、スライド筐体部132がスライド機構によって固定筐体部130の長手方向にスライド可能に設置されている。スライド筐体部132には、可動筐体部134が着脱機構によって着脱される。従って、親機201がスライド筐体部132に設置された場合、スライド筐体部132によって固定筐体部130の長手方向にスライド可能である。図13、図14及び図15は、可動筐体部134がスライド筐体部132とともにスライドし、固定筐体部130から突出した状態である。この場合、可動筐体部134の背面側にはカメラ部135が設置され、このカメラ部135がスライド筐体部132にある窓部136から露出している。
また、スライド筐体部132を固定筐体部130に一致させた際に、図16及び図17に示すように、固定筐体部130から可動筐体部134を接合又は分離させることができる。図17は可動筐体部134の背面側を示している。そして、可動筐体部134(親機201)を固定筐体部130から分離させると、固定筐体部130の上面はスライド筐体部132によって覆われ、また、図18及び図19に示すように、固定筐体部130からスライド筐体部132を長手方向にスライドさせてずらすことができる。
斯かる構成により、セパレート型携帯電話機20には、着脱かつスライド可能な親機201と、子機202とが備えられ、親機201と子機202とが接合された場合、上面側に親機201、その下面側に子機202が配置される。可動筐体部134には表示部76及びタッチパネル部78が設置されているとともに、マイクロフォン96及びレシーバ98が設置され、側面部には電源スイッチ部87が配置されている。
固定筐体部130には、子機202側のキーパッド部104が設置されるとともに、マイクロフォン122及びレシーバ124が配置されている。また、スライド筐体部132には、キーパッド部106が配置されている。
接合状態において、図13に示すように、可動筐体部134は、スライド筐体部132と協動してスライドし、可動筐体部134即ち、親機201をスライドさせた場合、子機202のキーパッド部104が露出し、キー入力操作が可能である。キーパッド部104には記号キー138、カーソルキー140、決定キー142、電源スイッチ部115の電源ボタン18、マイクロフォン122等が設置されている。
可動筐体部134を固定筐体部130から分離すると、図16に示すように、固定筐体部130上にスライド筐体部132のキーパッド部106、レシーバ124が露出する。このキーパッド部106からキー入力操作を行うことができるとともに、Bluetooth 通信により親機201を介在させた子機202側での通話が可能である。
そして、固定筐体部130には図16に示すように、有線通信部112の接続端子部144A、144Bが設置され、また、可動筐体部134には図17に示すように、有線通信部84の接続端子部146A、146Bが設置されている。親機201と子機202とが接合状態にある場合、これら接続端子部144A−146A、144B−146Bを介して電気的に接続されるので、この接合状態は接合・分離検出部86、114によって検出される。接続端子部144A−146A、144B−146Bは、複数のピンPG1、PG2、PG3・・・PG8で構成されている。
次に、親子機間接点のピンアサインについて、図20を参照する。図20は、親子機間接点のピンアサインテーブルの一例を示す図である。
このピンアサインテーブル150には、ピン番号欄152、親機側機能欄154及び子機側機能欄156が設定され、データ記憶部92、118に格納されている。
この場合、ピン番号欄152には、接続端子部144A、144B、146A、146Bを構成されるピンに対応し、ピン番号としてPG1、PG2、PG3・・・PG8の8ピン構成の番号が格納されている。この場合、ピンPG1は、親機201及び子機202とも接地(GND)に割り当てられている。
ピンPG2は、親子機間有線通信に割り当てられ、親機201側には送信側を表すUART−TX、子機202側には受信側を表すUART−RXが設定されている。ピンPG3は、親子機間有線通信に割り当てられ、親機201側には受信側を表すUART−RX、子機202側には送信側を表すUART−TXが設定されている。
ピンPG4、PG5はともに接合検出に割り当てられ、ピンPG4は、親機201側には接合検出、子機202側には接地(GND)が割り当てられ、また、ピンPG5は、親機201側には接地(GND)、子機202側には接合検出が割り当てられている。
ピンPG6、PG7は割り当てなしであり、PG8は親機201及び子機202のそれぞれに電源が割り当てられている。
次に、接合状態での親子機間の電源制御について、図21を参照する。図21は、電源制御の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、親機201と子機202とが接合状態にある場合、親機201側からの電源操作による処理手順である。
そこで、この処理手順では、図21に示すように、電源ボタン16が所定時間例えば、3〔秒〕以上押下されたかを操作検知部40で検知する(ステップS101)。3〔秒〕以上継続して電源ボタンが押下されると(ステップS101のYES)、ブート処理に移行する(ステップS102)。この場合、ブート処理は、親機201側の起動処理である。
この起動処理中に子機202側の接合・分離検知部114に親機201からの出力信号が加えられたかを監視する(ステップS103)。
子機202側で親機201からの出力信号が検出されなければ(ステップS103のNO)、子機202側のブート処理を行い(ステップS104)、このブート処理の後、親機201及び子機202がともに待受け状態に移行する(ステップS105)。
また、子機202側で親機201からの信号が検出されれば(ステップS103のYES)、子機202のブート処理は完了しているので、親機201及び子機202がともに待受け状態に移行する(ステップS105)。
次に、接合状態での親子機間の電源制御について、図22を参照する。図22は、電源制御の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、親機201と子機202とが接合状態にある場合、子機202側からの電源操作による処理手順である。
そこで、この処理手順では、図22に示すように、電源ボタン18が所定時間例えば、3〔秒〕以上押下されたかを操作検知部55で検知する(ステップS201)。3〔秒〕以上継続して電源ボタンが押下されると(ステップS201のYES)、ブート処理に移行する(ステップS202)。この場合、ブート処理は、子機202側の起動処理である。
この起動処理中に親機201側の接合・分離検知部86に子機202からの信号が加えられたかを監視する(ステップS203)。
親機201側で子機202からの出力信号が検出されなければ(ステップS203のNO)、親機201側のブート処理を行い(ステップS204)、このブート処理の後、親機201及び子機202がともに待受け状態に移行する(ステップS205)。
また、親機201側で子機202からの信号が検出されれば(ステップS203のYES)、親機201のブート処理は完了しているので、親機201及び子機202がともに待受け状態に移行する(ステップS205)。
次に、接合による電源制御について、図23を参照する。図23は、電源制御の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、親子機の接合による電源制御の処理手順である。
そこで、この処理手順では、図23に示すように、親機201の電源がON(電源ON状態)、子機202の電源がOFF(スリープ状態)の状態を検出し(ステップS301)、この状態で親機201と子機202との接合検出を行う(ステップS302)。この接合検出は、親機201の接合・分離確認部32、子機202の接合・分離確認部52のいずれか一方、又は両者が行ってもよい。
親機201と子機202とが接合されると(ステップS302のYES)、子機202側の状態が電源ON状態かを判定する(ステップS303)。この判定は、親機201の電源制御部38、子機202の電源制御部50のいずれか一方、又は両者が行ってもよい。
子機202の電源がON状態でなければ(ステップS303のNO)、子機202側のブート処理を行い(ステップS304)、親機201及び子機202がともに電源ON状態に移行し(ステップS305)、待受け状態となる。
また、子機202の電源がON状態であれば(ステップS303のYES)、親機201のブート処理は完了しているので、親機201及び子機202がともに電源ON状態となり(ステップS305)、待受け状態に移行する。なお、以上の説明では、親機201の電源の状態に子機202の電源の状態を合わせる例を説明したが、逆に子機202の電源の状態に親機201の電源の状態を合わせることも考えられる。その場合には、ステップS304において、親機201のシャットダウン処理が行われ、親機201、子機202がともに電源OFFの状態となる。
次に、接合による電源制御について、図24を参照する。図24は、電源制御の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、親子機の接合による電源制御の処理手順である。
そこで、この処理手順では、図24に示すように、親機201の電源がOFF、子機202の電源がONの状態を検出し(ステップS401)、この状態で親機201と子機202との接合検出を行う(ステップS402)。この接合検出は、親機201の接合・分離確認部32、子機202の接合・分離確認部52のいずれか一方、又は両者が行ってもよい。
親機201と子機202とが接合されると(ステップS402のYES)、子機202側の状態は電源OFF状態かを判定する(ステップS403)。この判定は、親機201の電源制御部38、子機202の電源制御部50のいずれか一方、又は両者が行ってもよい。
子機202の電源がOFF状態でなければ(ステップS403のNO)、子機202側のシャットダウン処理を行い(ステップS404)、親機201及び子機202がともに電源OFF状態に移行し(ステップS405)、待受け状態となる。
また、子機202の電源がOFF状態であれば(ステップS403のYES)、子機202のシャットダウン処理は完了しているので、親機201及び子機202がともに電源OFF状態となり(ステップS405)、待受け状態に移行する。なお、以上の説明では、親機201の電源の状態に子機202の電源の状態を合わせる例を説明したが、逆に子機202の電源の状態に親機201の電源の状態を合わせることも考えられる。その場合には、ステップS404において、親機201のブート処理が行われ、親機201、子機202がともに電源ONの状態となる。
次に、接合状態で親機201側からの電源制御について、図25を参照する。図25は、親子機間の電源ON・OFFシーケンスを示す図である。
このシーケンスは、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、接合状態にある親機201側の電源制御から子機202の電源制御を実行するシーケンスである。
この処理手順は、親機201と子機202とが接合状態であり、この接合状態は有線通信部84、112が連係状態にあって、親機201側の電源のON・OFFに連動して子機202側の電源をON・OFFする制御である。
そこで、この処理手順では、親機201側では電源ボタン16のON・OFFが監視され(ステップS501)、電源ボタン16をONにすると、電源部81がON状態となる(ステップS502)。このON状態により、電源制御部38から子機ON指示が生成され(ステップS503)、この子機ON指示が親子通信制御部42に通知される(ステップS504)。この通知を受け、親子通信制御部42から子機ON指示が子機202の電源制御部50に通知され(ステップS505)、電源制御部50は子機202の電源部109をONにする(ステップS506)。
また、親機201側の電源ボタン16をOFFにすると(ステップS507)、電源制御部38から子機OFF指示が生成される(ステップS508)。この子機OFF指示は、親子通信制御部42に通知され(ステップS509)、親子通信制御部42から有線通信部84に通知される(ステップS510)。この子機OFF指示は、有線通信部84から子機202側の有線通信部112に通知され(ステップS511)、有線通信部112から親子通信制御部56に通知される(ステップS512)。更に、子機OFF指示は、親子通信制御部56から電源制御部50に通知され(ステップS513)、電源制御部50は、子機202の電源部109をOFFにする(ステップS514)。
そして、親機201では、子機202に対する子機OFF指示の生成の後、親機電源をOFFにする(ステップS515)。
次に、接合状態で子機202側からの電源制御について、図26を参照する。図26は、親子機間の電源ON・OFFシーケンスを示す図である。
このシーケンスは、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、接合状態にある親機201側の電源制御から子機202の電源制御、子機202側から親機201への電源制御を実行するシーケンスである。
そこで、この処理手順は、親機201と子機202とが接合状態であって、親機201側から子機202の電源をONにした後、子機202側から親機201側の電源をOFFにする制御を含んでいる。
親機201側では電源ボタン16のON・OFFが監視され(ステップS601)、電源ボタン16をONにすると、電源部81がON状態となる(ステップS602)。このON状態への移行により、電源制御部38から子機ON指示が生成され(ステップS603)、この子機ON指示が親子通信制御部42に通知される(ステップS604)。この通知を受け、親子通信制御部42から子機ON指示が子機202の電源制御部50に通知され(ステップS605)、電源制御部50は子機202の電源部109をONにする(ステップS606)。
そこで、子機202側の電源ボタン18をOFFにすると(ステップS607)、このOFFにより、電源制御部50から親機OFF指示が生成され(ステップS608)、この親機OFF指示は、親子通信制御部56に通知され(ステップS609)、親子通信制御部56から子機202の有線通信部112に通知される(ステップS610)。この親機OFF指示は、有線通信部112から有線通信部84に通知され(ステップS611)、この有線通信部84から親子通信制御部42に通知される(ステップS612)。更に、この親機OFF指示は、親子通信制御部42から電源制御部38に通知され(ステップS613)、電源制御部38は、親機202の電源部81をOFFにする(ステップS614)。子機202側の電源制御部50は、親機OFF指示の生成、通知の後、子機202側の電源部109をOFF状態に制御する(ステップS615)。
次に、接合状態で子機202側からの電源制御について、図27を参照する。図27は、親子機間の電源ON・OFFシーケンスを示す図である。
このシーケンスは、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、子機202の電源制御、子機202側から親機201への電源制御を実行するシーケンスである。
そこで、この処理手順は、親機201と子機202とが接合状態であって、子機202側から親機201の電源をONにする制御を含んでいる。
子機202側では電源ボタン18のON・OFFが監視され(ステップS701)、電源ボタン18をONにすると、電源部109がONとなる(ステップS702)。このON状態への移行により、電源制御部50から親機ON指示が生成される(ステップS703)。この親機ON指示は、親子通信制御部56に通知され(ステップS704)、親子通信部56から有線通信部112に通知され(ステップS705)、この有線通信部112から親機201側の有線通信部80に通知される(ステップS706)。更に、この親機ON指示は、親子通信制御部42に通知され(ステップS707)、この親子通信制御部42から電源制御部38に通知される(ステップS708)。この親機ON指示により、電源制御部38は親機201の電源部81をONにする(ステップS709)。
次に、分離状態で子機側の電源制御について、図28を参照する。図28は、子機側の電源OFFシーケンスを示す図である。
このシーケンスは、通信端末装置の電源制御方法又は電源制御プログラムの一例であって、分離状態にある親機201の電源制御、親機201から子機202側の電源OFFの電源制御を実行するシーケンスである。
そこで、この処理手順は、親機201と子機202とが分離状態であって、Bluetooth 通信を媒介として親機201側から子機202の電源をOFFにする制御を含んでいる。
親機201側では電源ボタン16のON・OFFが監視され(ステップS801)、電源ボタン16をOFFにすると、電源制御部38から子機OFF指示が生成される(ステップS802)。この子機OFF指示は、親子通信制御部42に通知され(ステップS803)、親子通信制御部42からBluetooth 通信部82に通知され(ステップS804)、このBluetooth 通信部82から子機202側のBluetooth 通信部110に通知される(ステップS805)。更に、この子機OFF指示は、親子通信制御部56に通知され(ステップS806)、この親子通信制御部56から電源制御部50に通知され(ステップS807)、電源制御部50は子機202の電源部109をOFFにする(ステップS808)。
そして、親機201では、子機202に対する子機OFF指示の生成の後、親機電源部81をOFFにする(ステップS809)。
以上述べた実施の形態の特徴事項や効果を列挙する。
(1) 親機と子機それぞれに電源を設け、分離中使わない方の電源をOFFにすることで、電源を長持ちすることができる。接合時は通常の携帯電話と同じような仕様で電源制御することができ、ユーザが混乱なくスムーズに操作することができる。
(2) セパレート型携帯電話機20の電源制御について、親機201と子機202が分離時に、ユーザが使用シーン等に合わせて、自由自在に電源制御を行うことを可能にする。接合時、電源の切替え操作を簡略化でき、省電力化に寄与する。
(3) セパレート型携帯電話機20の親機201と子機202が接合時(UART有線接続)、分離時(Bluetooth 通信)に電源制御操作が可能である。
(4) この電源制御では、親機201側の電源制御が子機202に優先しており、子機202側から親機201の電源をOFFすることができないので、子機202側の操作で親機201の操作や機能が中断する等の不都合を回避できる。
(5) 既述の電源制御パターンは以下の通りである。
a)接合状態での電源のON/OFF
親機201又は子機202どちらかの電源ON/OFF操作によって親子機双方の電源ON/OFF状態が変化する。接合状態では、制御途上での過渡的な状態は別にして、親機と子機の電源ON/OFF状態が異なることはない。
b)分離状態での電源のON/OFF
親機201、子機202の電源ON操作は、個々の電源ON操作により電源ON状態に変化する。即ち、親機201、子機202の電源OFF操作は以下の通りである。
親機電源OFF操作:親機・子機ともに電源OFF
子機電源OFF操作:子機のみ電源OFF
親機201電源OFF操作時はBluetooth (SPP)経由で子機202に電源OFFのイベント即ち、OFF指示を通知し、その通知に応じた電源制御となる。
c)分離状態から接合した場合の電源のON/OFF制御
分離状態から接合状態にした際には親機の電源ON/OFF状態にあわせて子機の電源ON/OFFを自動で行う。この場合、親機201と子機202の電源ON/OFF状態は異ならない。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、子機202以外の外部との無線接続を行う無線通信部を備える親機201と、ユーザインターフェイス部を搭載した子機202とを分離可能としたセパレート型携帯電話機20について例示したが、本発明は上記構成に限定されない。子機202側に無線通信部を備える構成でもよい。
(2) ユーザが必要とする状況を想定して遅延なく近距離通信による親子機間の無線接続(親子機間通信制御)を行い、不要時には近距離通信の使用を停止して電力消費を低減することができる。上記実施の形態では、近距離通信としてBluetooth 通信手段を例示したが、本発明はBluetooth 通信に限定されない。他の通信規格や無線媒体を利用してもよい。
(3) 上記実施の形態では、移動通信網と通信する機能及びLCDディスプレイを持つ無線通信部を親機201に搭載し、キーパッドを持つキーパッド部で構成する機能部を子機202に搭載しているが、前者の機能を子機202側に、後者の機能を親機201側に搭載してもよい。
(5) 上記実施の形態では、分離した際に通話や操作を可能とするため、近距離通信技術である無線LAN機能ややBluetooth 通信機能を利用している。Bluetooth 通信では、キーボード制御のためのHID、通話制御のためのHFP等の通信制御方式を規格化している。このBluetooth 通信は、無線LANよりも消費電力が小さくて済むという利点があるが、Bluetooth デバイスへ常時電力を供給する電池が消耗することになる。上記実施の形態では、未使用の場合はBluetooth デバイスの電源をOFFにするので、消費電力を低減でき、セパレート型携帯電話機20の低消費電力化をより高めることができる。
(6) Bluetooth デバイスを使用する際にはデバイスへの電源投入と、HIDやHFPといった通信を始める時間が必要になるために、実際にLCD部とキーパッド部が通信可能となるまでに時間がかかる。接合中から分離した直後から一定時間、おおよそ3秒程度待たないと、分離した機器同士は通信できない。このことは、分離直後には、キーパッド部から通話できないあるいはキー入力ができないことを意味するが、斯かる課題は上記実施の形態によって解決されている。
(7) 上記実施の形態では、親機と子機とに分離される通信端末装置としてセパレート型携帯電話機20を例示したが、これに限定されない。例えば、携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)400(図29)でもよいし、セパレート型電話機500(図30)であってもよい。
PDA400では、図29に示すように、親機401と子機402とに分離し、上記実施の形態と同様に構成すれば、既述の通信制御機能を実現することができる。図29において、上記実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
セパレート型電話機500では、図30に示すように、親機501と子機502とに分離し、上記実施の形態と同様に構成すれば、既述の通信制御機能を実現することができる。図30において、上記実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。この例では、子機502に表示部504が備えられ、親機501側には送受器506が備えられている。
以上説明したように、通信端末装置、電源制御方法又は電源制御プログラムの実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。