JP2011100333A - 操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】節度感を有する単一操作と、一定の操作感を有する連続操作を、任意に選択可能な操作装置を提供する。
【解決手段】節度装置9は、軸13に設けられた連動部材15と、応動部材17と、節度用負荷部18と、抵抗用負荷部23と、電磁石14xとを備えている。節度用負荷部18は、節度用コイルばね19及び節度用押圧部材20を有し、節度用コイルばね19のばね力により、節度用押圧部材20を連動部材15の節度用凹面部16に対して押圧し、電磁石14xの通電時に節度を与える。また、抵抗用負荷部23は、抵抗付与用コイルばね24及び抵抗付与用押圧部材25を有し、抵抗付与用コイルばね24のばね力により、抵抗付与用押圧部材25を非回動部状態に設けた抵抗付与用凹面部22に対して押圧し、電磁石14xの断電時に操作抵抗を与える。さらに、切替えスイッチと制御装置によって、電磁石14xの通断電状態を任意に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両に搭載された表示装置の遠隔操作用に好適する操作装置に関する。
従来、車両においては、走行安全を目的に使用者(運転者)の遠方視化が図られており、カーナビゲーション装置の表示装置を使用者から見やすい位置(例えばインストルメントパネルの上部など)に配置することなどが行われている。
また、近年ではオーディオ装置やカーナビゲーション装置だけでなく、空調装置や車載装置などの操作や情報が一つの表示装置に集約されることが多い。この場合、表示装置の画面上には各種装置の機能や動作に対応したアイコンが表示され、そのアイコンを操作装置の操作を通じて表示装置の画面上で選択することにより、各種装置の操作を行うようになっている。このとき、例えば運転中の使用者は、手元を見ないで操作を行うことが想定される。このため走行安全の面からも、操作装置は、操作性がよく、また使用者に操作結果を確実に知らせる手段、つまりは各種の操作に適した節度感や操作感を有していることが望ましい。
前記の操作装置として、表示装置の画面上に表示されたアイコンの種類、例えばアイコンの位置や大きさ、数などに応じて、操作時の節度感を任意に設定できるジョイスティック装置及び車両用画面操作システムが開示されている(例えば特許文献1)。
特許文献1の操作装置(ジョイスティック装置)は、操作子(ジョイスティック部材)の操作により回動する揺動部材の軸部に、電磁石の通断電により回動抵抗の有無を制御することで節度を発生できる節度装置を有している。例えば、電磁石が通電状態のときは回動抵抗を付与し、断電状態のときは回動抵抗を付与しない構成としている。この操作子が傾動操作されると、節度装置は操作子の傾動による軸部の回動角度情報を基に電磁石の通断電の制御を行って、回動抵抗を断続的に付与する。このときに生じる電磁石の通電状態と断電状態における回動抵抗の差が、節度感となって使用者に伝わる構成となっている。
具体的には、図16及び図17は、例えば自動車のコンソールボックスに設けられた操作装置における節度装置109を表している。節度装置109は、装置ケース112内に配設された、回動部材113、電磁石114x、回動抵抗受部115、抵抗付与手段117、被吸着部材118及び図示しない回動位置検出手段から構成されている。装置ケース112内には回動部材113が回動可能に設けられており、これに回動抵抗受部115が一体回動する形態で設けられている。この回動部材113における装置ケース112外に突出する部分には、揺動部材107が一体回動する形態に取り付けられている。また、装置ケース112内の電磁石ホルダ112aには、電磁石114xが非回動状態に設けられている。回動部材113が挿通された円筒部118aには、電磁石114xの磁極面と対向する位置に被吸着部118bと、抵抗付与手段117とが一体回動する形態で設けられている。この抵抗付与手段117は、ガイド筒121に収容されたばね119が押圧部材120を付勢し、この押圧部材120が回動抵抗受部115の内周面に設けた略V形の凹面部116を押圧する構成である。また、図示しない回動位置検出手段は、回動部材113の回動位置を検出するものである。
回動部材113の回動初期において電磁石114xは断電状態であるため、被吸着部118bは電磁石114xに吸着固定されておらず、被吸着部118bと一体回動可能な円筒部118a及び抵抗付与手段117は回動自在となっている。このとき、回動部材113の回動は回動抵抗受部115を押圧している抵抗付与手段117を介して円筒部118aに伝達されるため、円筒部118a及び被吸着部118b、さらには抵抗付与手段117も回動部材113と共に回動する。回動部材113が所定の角度回動されたことを回動位置検出手段が検出すると、電磁石114xは通電される。すると被吸着部118bが電磁石114xに吸着固定されることによって抵抗付与手段117は非回動状態に固定される。引き続き回動部材113を回動させると、回動部材113は凹面部116の略V形の面に沿って抵抗付与手段117のばね119を圧縮しながら摺動し、これによって回動抵抗が増大する。
さらに回動部材113が回動されて所定の角度回動されたことを回動位置検出手段が検出すると、電磁石114xは断電されて被吸着部118bの吸着は解放され、従って抵抗付与手段117及び押圧部材120の固定も解放される。すると被吸着部材118は回動可能となり、被吸着部材118は抵抗付与手段117のばね119の圧縮を復元させながら凹面部116の中立位置(略V形の谷位置)に至るまで回動した後、再び回動部材113と共に回動する。このとき、回動抵抗は殆ど発生しないため、回動部材113の回動抵抗は回動初期と同程度まで減少する。
このように、回動部材113の回動中に、電磁石114xの通断電により抵抗付与手段117の固定と解放を切り替えることで、回動部材113が抵抗付与手段117から受ける回動抵抗を変化させ、回動抵抗の差を生じさせることによって節度感を与えている。
図18は表示装置に示された車載装置の動作選択画面を表しており、操作装置の指示によって画面上で指示選択されるアイコン(m1からm6)が順次切り替わる構成となっている。アイコンが切り替わるタイミングで節度装置109の電磁石114の通断電を行うことで、アイコンの切り替わりの際の節度が発生する。また、電磁石114の通断電を、表示装置に表示されるアイコンの数や配置、さらには大きさに合わせて変えることで、異なる表示画面にも対応でき、表示画面と関連した操作性が向上する。
特開2009−76434号公報
この構成では、図18のように車載装置の動作の選択といった、予め決められた少ない選択肢の中で、アイコンを一個ずつ順次に切り替える操作(以下、単一操作と称す)を行い、その中の一つを指定(以下、単一指定と称す)する場合であれば、使用者は確実に選択でき操作性は良い。しかし、例えば数百から数千曲もあるオーディオ装置の曲目リストなど選択肢が多い場合や、地図画面において任意の位置を指定する場合などでは、繰り返し操作する必要があり操作が頻繁となり煩わしくなる。
また、前述の曲目リストや地図画面においての操作性を向上させるために、操作装置の傾動操作を維持する操作(以下、連続操作と称す)を行って画面スクロールをさせ、操作量(傾動角度)によって画面スクロールの速度を変化させる方法が考えられる。しかし、特許文献1の操作装置は電磁石の通断電によって節度のみを得るように構成されているため、使用者には操作量に対応する操作感が与えられず、自己が行っている操作量が認識し難く、操作が難しいといった問題点がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものでありその目的は、節度感を有する単一操作と、一定の操作感を有する連続操作を、任意に選択可能な操作装置を提供することにある。
請求項1の操作装置は、外部からの操作力により操作される操作子と、装置本体と、装置本体に回動動可能に設けられ外力操作に応じて回動する回動部材と、この回動部材に一体回動するように設けられた連動部材と、前記回動部材に回動可能に設けられ一部に磁性体を備えた応動部材と、前記装置本体側の非回動部位に設けられ通電により前記磁性体を吸着して前記応動部材を非回動状態に固定するする電磁石と、前記応動部材と前記連動部材との相対回動に回動抵抗を付与し且つ相対回動の回動中に回動抵抗が急減するように構成された節度機構部と、前記装置本体側の非回動部位に対する前記応動部材の回動に回動抵抗を付与する操作抵抗付与機構部と、を備え、前記節度機構部の初期回動抵抗力を前記操作抵抗付与機構部の初期回動抵抗力より大きく設定し、前記電磁石の通電時に前記節度機構部を動作可能とし、該電磁石の断電時に前記操作抵抗付与機構部を動作可能としたところに特徴を有する。
この請求項1の発明においては、連動部材が回動部材と一体回動するように設けられ、応動部材が前記回動部材と回動可能に設けられているから、電磁石が通電されると前記応動部材が前記応動部材に設けた磁性体が電磁石に吸着して非回動状態に固定され、前記回動部材が回動されても前記応動部材は回動しないので、前記回動部材が外力操作により回動すると、前記回動部材は回動し、前記応動部材は回動しない。つまり、前記連動部材と前記応動部材は相対回動する。ここで、節度機構部は前記応動部材と前記連動部材との相対回動に回動抵抗を付与するように構成しているから、電磁石が通電された状態で回動部材が回動操作されると、前記連動部材と前記応動部材が相対回動をして節度機構部が回動抵抗を付与する。さらに、この回動抵抗は前記連動部材と前記応動部材との相対回動中の一部において急減するから、電磁石が通電された状態で回動部材が回動操作されると回動抵抗の急減によって節度感が発生する。
また、前記電磁石が断電された状態では前記応動部材に設けた磁性体が前記電磁石の吸着から解放されているので、前記応動部材は回動可能状態となっている。ここで、操作抵抗付与機構部は装置本体側の非回動部位に対する前記応動部材の回動に回動抵抗を付与する構成とし、前記節度機構部の初期回動抵抗力を前記操作抵抗付与機構部の初期回動抵抗力より大きく設定しているから、前記応動部材は前記節度機構部を介して、回動回動前記回動部材と一体となって回動する。つまり、前記応動部材が前記装置本体側の非回動部位に対して回動するため前記操作抵抗付与機構部は回動抵抗を付与し操作感が発生する。従って、前記電磁石が通電された状態で回動部材が回動操作されると節度付与機構部により節度感が発生し、前記電磁石が断電された状態で回動部材が回動操作されると操作抵抗付与機構部により操作感が発生する。
請求項2の操作装置は、外部からの操作力により二次元方向に操作される操作子と、前記操作子の一方向の操作において節度を付与する第1の節度装置と、前記一方向と直交する他方向の操作において節度を付与する第2の節度装置と、を備え、前記第1及び第2の節度装置はそれぞれ、装置本体と、装置本体に回動可能に設けられ前記操作子の操作に応じて回動する回動部材と、この回動部材に一体回動するように設けられた連動部材と、前記回動部材に回動可能に設けられ一部に磁性体を備えた応動部材と、前記装置本体側の非回動部位に設けられ通電により前記磁性体を吸着して前記応動部材を非回動状態に固定するする電磁石と、前記応動部材と前記連動部材との相対回動に回動抵抗を付与し且つ相対回動の回動中の一部において回動抵抗が急減するように構成された節度機構部と、前記装置本体側の非回動部位に対する前記応動部材の回動に回動抵抗を付与する操作抵抗付与機構部と、を備え前記節度機構部の初期回動抵抗力を前記操作抵抗付与機構部の初期回動抵抗力より大きく設定し、前記電磁石の通電時に前記節度機構部を動作可能とし、該電磁石の断電時に前記操作抵抗付与機構部を動作可能としたところに特徴を有する。
この請求項2の発明においては、外部からの操作力により二次元方向に操作される操作子を設けているため、二次元方向の操作ができると共に、互いに直交する2方向それぞれに節度装置を設けているため、互いに直交する2方向それぞれの方向の操作において、前記電磁石が通電された状態で回動部材が回動操作されると回動抵抗の急減により節度感が発生し、前記電磁石が断電された状態で回動部材が回動操作されると回動抵抗により操作感が発生する。
また、前記節度機構部は、前記連動部材と前記応動部材との一方に、略V形の凹面状をなし中心部から少なくとも一方の斜面部に凸状部を有する節度用凹面部を設け、他方に該節度用凹面部をばね力により押圧付勢する節度用押圧部材を設けて構成され、前記操作抵抗付与機構部は、前記応動部材と前記装置本体側の非回動部位との一方に、略V形の凹面状をなす抵抗付与用凹面部を設け、他方に該抵抗付与用凹面部をばね力により押圧付勢する抵抗付与用押圧部材を設けた構成としても良い(請求項3の発明)。
この請求項3の発明においては、前記節度機構部は、前記連動部材と前記応動部材との一方には略V形の凹面部の斜面部に凸状部を有する節度用凹面部を有し、他方に該節度用凹面部をばね力により押圧付勢する節度用押圧部材を設けて節度を与える構成であるから、ばね力と、凸状部の位置と、凹面部の傾斜角度を調整することにより節度の間隔と強弱の設定が容易となる。また、前記操作抵抗付与機構部は、前記応動部材と前記装置本体側の非回動部位との一方に、略V形の凹面状をなす抵抗付与用凹面部を設け、他方に該抵抗付与用凹面部をばね力により押圧付勢する抵抗付与用押圧部材を設けて操作抵抗を与える構成であるから、ばね力と、凹面部の傾斜角度とを調整することにより操作抵抗の強弱の設定が容易となる。
さらに請求項4の操作装置は、操作対象又は指示ポインタを表示する表示装置と、前記電磁石の通断電を切り替える切替手段と、を備え、前記電磁石は、前記表示装置に表示された操作対象を、前記操作子の単一操作で単一指定するときに前記切替手段により通電され、前記表示装置に表示された操作対象又は指示ポインタを、前記操作子の連続操作により画面スクロールさせるときに、前記切替手段により断電されるところに特徴を有する。
この請求項4の発明においては、電磁石の通断電を切り替える切替手段を有しているから、節度を付与するか操作抵抗を付与するかの切り替えが任意のタイミングででき、さらに、電磁石は単一操作により単一指定するときには通電され、連続操作により画面スルロールをさせるときには断電されるため、単一操作の場合は節度感が発生し、連続操作の場合には操作抵抗が発生する。
前記切替手段は、使用者の操作により切り替えられる切り替えスイッチであっても良い(請求項5の発明)。
この請求項5の発明においては、電磁石の通断電を切り替える切替手段は、使用者の操作によって切り替えられる切り替えスイッチであるため、使用者の任意で電磁石の通断電を切り替えることができる。従って、使用者の好みのタイミングで節度感と操作抵抗の発生を切り替えることができるため、操作性がより向上する。
さらに、前記切替手段は、前記表示装置に単一操作に好適な画面が表示された場合は前記電磁石を通電状態に切り替え、前記表示装置に連続操作に好適な画面が表示された場合は前記電磁石を断電状態に切り替えるように構成しても良い(請求項6の発明)。
この請求項6の発明においては、使用者は単一操作と連続操作の切替えを意識する必要がなく、前記表示装置に表示された画面に適した操作感を得ることができるので、操作性がより向上する。
本発明によれば、節度感を有する単一操作と、一定の操作感を有する連続操作を、任意に選択可能となる。
本発明の第1の実施例を示す節度装置部分の縦断側面図 図1の矢印T−T線に沿う断面図 図1の矢印U−U線に沿う断面図 ジョイスティック装置全体の斜視図 ジョイスティック装置の分解斜視図 表示装置及びジョイスティック装置を組み込んだ車両のコンソールボックス部分の斜視図 電気的構成のブロック図 (a)、(b)、(c)は節度感を時系列的に説明するための図2相当図 (a)、(b)は操作抵抗を時系列的に説明するための図3相当図 単一操作に好適な表示画面を示す図 連続操作に好適な表示画面を示す図 本発明の第2の実施例を示す図1相当図 図2相当図 図3相当図 本発明の第3の実施例を示す図2相当図 従来例を示す節度装置の縦断側面図 図16の矢印V−V線に沿う断面図 従来例を示す図10相当図
以下、本発明を例えばジョイスティック装置の節度装置に適用した第1の実施例につき図1から図11を参照して説明する。図6には、車両に設けたジョイスティック装置1を示している。このジョイスティック装置1は、表示装置2に表示される複数のアイコンを択一指示したり、指示ポインタや地図画面をスクロール操作したりするために設けられており、ジョイスティック装置1と表示装置2とで車両用画面操作システム3を構成している。ジョイスティック装置1はコンソールボックス4bの下部(運転者が操作しやすい位置)に設けられており、ジョイスティック装置1の近傍にはジョイスティック装置1で行った選択結果を決定する決定スイッチ4cを設けている。表示装置2は、カーナビゲーション装置やオーディオ装置などの表示装置として使用されるもので、車両のインストルメントパネル4a(運転者から見やすい位置)に設けられている。
ここで、このジョイスティック装置1について述べる。図4は、ジョイスティック装置1のカバー1aを外した状態を示している。図5はジョイスティック装置1を分解して示している。これら図4及び図5において、ジョイスティック装置1は、操作子6と、第1の揺動部材7と、第2の揺動部材8と、第1の節度装置9と、第2の節度装置10と、制御装置11(切替手段に相当、図7参照)とを備えて構成されている。
操作子6は下端部がジョイスティック装置ベース1bにいずれの方向へも傾動可能に支持されており、上部に操作摘み6a及び切り替えスイッチ6bを有する。第1の揺動部材7は、湾曲状に形成された板部材から構成されており、第1の揺動部材7は一端部が第1の節度装置9の後述する軸13により軸支され、他端部がX方向用位置センサ9aのセンサ軸9bにより軸支され、もって、第1の揺動部材7はX方向へ回動し得るように揺動可能に設けられている。この第1の揺動部材7の中央部には長手方向に沿ってスリット7aが形成されている。
第2の揺動部材8は、第1の揺動部材7と同様に、湾曲状に形成された板部材から構成されており、第2の揺動部材8は一端部が前記第2の節度装置10の後述する軸13により軸支され、他端部がY方向用位置センサ10aのセンサ軸10bにより軸支され、もって、第2の揺動部材8はY方向へ回動し得るように揺動可能に設けられている。この第2の揺動部材8の中央部には長手方向に沿ってスリット8aが形成されている。
そして、これら第1の揺動部材7のスリット7a及び第2の揺動部材8のスリット8aには操作子6が挿通されている。従って、第1の揺動部材7及び第2の揺動部材8は操作子6の操作方向に応じて揺動する。
さて、第1の節度装置9と、第2の節度装置10とは同一構成であり、今、第1の節度装置9について述べる。図1に示すように、この第1の節度装置9は、装置本体としての装置ケース12を備えている。この装置ケース12には回動部材たる軸13が回動可能に支承されている。この軸13において装置ケース12の一端部から突出する端部には、第1の揺動部材7の一端部が一体回動する形態に取り付けられている。
装置ケース12内の電磁石ホルダ12aには略円筒形の電磁石であるX方向用電磁石14x(図7にも図示)が取着されており、このX方向用電磁石14xの中空部を軸13が挿通している。なお、第2の節度装置10における電磁石はY方向用電磁石14y(図7参照)として設けている。これらX方向用電磁石14xとY方向用電磁石14yの通断電は、操作子6の操作摘み6a部分に設けた押しボタン式の切り替えスイッチ6b(切替手段に相当)又は制御装置11の制御によって切り替えられる。
また、軸13におけるX方向用電磁石14x右方部には、円筒スリーブ状の連動部材15が軸13と一体回動するように設けられており、この連動部材15の内面には節度用凹面部16が形成されている。節度用凹面部16は、図2に示すように、斜面16aと斜面16bとで略V形をなし、略V形の谷部には、円弧凹面状の湾曲面16cを有している。斜面16a、16bと湾曲面16cとの連接部によって凸部16d、16eが形成されている。
この節度用凹面部16の内部における軸13には、節度用負荷部18が応動部材17に設けられている。この応動部材17は軸13と同心状態に回動可能に設けられており、図1において応動部材17の左面には磁性材からなる被吸着部17aがX方向電磁石14xと軸方向で対向した形態で取着されている。節度用負荷部18は、応動部材17に形成したガイド筒部21に、節度用コイルばね19と、節度用押圧部材20とを収容配置して構成されている。
節度用コイルばね19は、圧縮状態でガイド筒部21内に収容配置されており、この節度用コイルばね19は鋼線、例えばばね用鋼線から構成されたものである。この節度用コイルばね19のばね力により、図2に示すように、節度用押圧部材20が節度用凹面部16の湾曲面16cの底部に押圧付勢されている。これら節度用凹面部16と節度用負荷部18とで節度機構部27を構成している。
また、図1において節度機構部27の左方には、抵抗付与機構部28が設けられており、この抵抗付与機構部28は、抵抗付与用凹面部22と抵抗用負荷部23とを有して構成されている。抵抗付与用凹面部22は、非回動状態である電磁石ホルダ12aと一体に形成された円筒部12bの内面に形成された略V形の凹面で、図3に示すように、斜面22aと斜面22bとで略V形を形成している。
抵抗用負荷部23は、応動部材17に形成されたガイド筒部26内に抵抗付与用コイルばね24及び抵抗付与用押圧部材25を収容配置して構成されており、図3に示すように、抵抗付与用押圧部材25が抵抗付与用凹面部22の谷部中心に押圧付勢されている。このとき、抵抗付与用コイルばね24は節度用コイルばね19よりも弱いばね力の設定としている。これにより、電磁石14x(14y)の断電時における節度機構部27の回動抵抗よりも小さな回動抵抗を軸13に作用させるようになっている。この場合、抵抗付与用コイルばね24の付勢による、抵抗付与用押圧部材25と抵抗付与用凹面部22とが接触したときの摩擦力と斜面22a、22bの傾斜による抵抗力との合力が、節度用コイルばね19の付勢による、節度用押圧部材20と節度用凹面部16とが接触したときの摩擦力と湾曲部16cの傾斜による抵抗力との合力よりも弱ければ良い。
X方向用位置センサ9aは、例えばポテンショメータから構成されており、操作子6のX方向の回動位置(角度位置)を検出し、この回動位置検出信号は制御装置11に与えられる。このX方向用位置センサ9aも当該第1の節度装置9に含まれる。
なお、Y方向用位置センサ10aも、例えばポテンショメータから構成されており、操作子6のY方向の回動位置(角度位置)を検出し、この回動位置検出信号は制御装置11に与えられる。このY方向用位置センサ10aは当該第2の節度装置10に含まれる。
図7に示す制御装置11は、切り替えスイッチ6bとは別の電磁石14x、14yの通断電を切り替える切替手段に相当し、マイクロコンピュータなどを含んで構成されている。制御装置11は、第1の節度装置9におけるX方向電磁石14xの通断電制御と、第2の節度装置10におけるY方向電磁石14yの通断電制御を行い、さらに、X方向用位置センサ9a及びY方向用位置センサ10aからの情報を基に表示装置2に表示される操作対象やポインタの表示制御を含む、車両用画面操作システムの制御をも行う。
次に、前記第1の節度装置9及び第2の節度装置10の動作を、第1の節度装置9を代表して説明する。車両用画面操作システム3は、表示装置2に表示された単一操作に好適な画面、例えば図10に示すように車載器の動作を選択する画面が表示された場合、電磁石14x、14yは制御装置11によって通電状態にされる。ここで、図1及び図8は、X方向用電磁石14xが通電されている(Y方向用電磁石14yも通電されているものとする)状態を示している。この状態では電磁石14xに、応動部材17と一体の被吸着部17aが吸着固定されているため、応動部材17に設けた節度用負荷部18と抵抗用負荷部23も非回動状態に固定されている。この状態から、使用者が操作子6を図4のXL方向へ傾動操作すると、第1の揺動部材7がXL方向へ揺動し、軸13、連動部材15、X方向用位置センサ9aが図2のA方向へ一体回動する。
図8の(a)は操作前の節度機構部27の断面図を示している。このとき、応動部材17は、X方向用電磁石14xの通電により非回動状態に固定されている。このため、軸13が回動することで連動部材15が応動部材17に対して回動する(連動部材15と応動部材17とが相対的に回動する)。軸13の回動に伴って連動部材15が回動されると、連動部材15の内面に設けた節度用凹面部16と、節度用負荷部18の節度用押圧部材20とが摺接回動する。この場合、節度用凹面部16の谷部には湾曲面16cを設けているため、節度用押圧部材20は節度用凹面部16の湾曲面16cに沿って押し込まれながら摺接回動する(図8の(b))。このとき回動抵抗は、節度用凹面部16と節度用押圧部材20とが摺接回動するときに節度用凹面部16が節度用押圧部材20から受ける摩擦力と、節度用凹面部16が節度用押圧部材20の付勢によって軸13の回動方向とは逆向きに受ける抗力の合成力となる。この抗力は、節度用押圧部材20の節度用凹面部16に対する押圧力に比例し、さらに節度用押圧部材20の付勢方向に対する節度用凹面部16の接点の傾きが大きくなるほど大きくなる。この抗力が増大すると回動に必要な力が増大し、従って回動抵抗が増大する。このため、節度用押圧部材20が凸部16dの直前、即ち湾曲部16cの湾曲終点に至るまで回動抵抗は増大していく。
さらに、操作子6が操作されて軸13及び連動部材15が回動されると、節度用押圧部材20は凸部16dを越えて斜面16aに至る(図8の(c))。このとき、節度用押圧部材20の付勢方向に対する節度用凹面部16の斜面16aでの接点の傾きは、湾曲部16cの湾曲終点での接点の傾きよりも小さくなり、節度用凹面部16が節度用押圧部材20から受ける抗力は急減する。即ち、回動抵抗は凸部16dの直後で急減し回動に必要な力が急減するため、使用者は操作子6の操作が急に軽くなったと感じ、節度が生じる。
ここで、節度用押圧部材20が斜面16aに至った後操作を止めると、軸13及び連動部材15が図2の矢印A方向に回動させる力は働かなくなる。そのため、圧縮されていた節度用コイルばね19の復元力によって節度用押圧部材20が節度用凹面部16の斜面16aを押圧して節度用コイルばね19を復元させながら、軸13及び連動部材15を図2の矢印A方向とは逆方向に、節度用押圧部材20が節度用凹面部16の湾曲面16cの底部に至るまで回動させて、軸13及び連動部材15は操作前の中立位置に戻る。
次に、電磁石14x(14y)が断電状態のときの作用を説明する。表示装置2に表示される、例えば図11に示すような、多数の曲目リストの中から任意の一曲を選択指示するようなオーディオ装置の操作においては、連続操作が好適である。この場合、使用者は切り替えスイッチ6bを押しながら操作子6を操作することで、連続操作への切り替えができる。
切り替えスイッチ6bが押された場合、電磁石14x、14yは制御装置11によって断電状態にされる。X方向用電磁石14xが断電されている(Y方向用電磁石14yも断電されているものとする)状態では、節度用押圧部材20は、連動部材15の節度用凹面部16の谷中心部である湾曲面16cの底部に押圧付勢されており、応動部材17が軸13に対して回動可能である。この状態から、使用者が操作子6を図4のXL方向へ傾動操作したとすると、第1の揺動部材7がXL方向へ揺動し、軸13、連動部材15、X方向用位置センサ9aが図3の矢印A方向へ一体回動する。
この場合、上述したように、節度用押圧部材20が節度用凹面部16の谷中心部である湾曲面16cの底部に押圧付勢され、且つ応動部材17が軸13に対して回動可能であるから、節度用押圧部材20も一体回動され、節度用押圧部材20と共に応動部に設けられた抵抗付与用押圧部材25も一体回動される(図9(a)参照)。このとき、装置ケース12の非回動部位に設けた抵抗付与用凹面部22に対して抵抗用負荷部23は回動するため、抵抗付与用凹面部22と、抵抗用負荷部23の抵抗付与用押圧部材25とが摺接回動する。この場合、抵抗付与用凹面部22は、中心から外側に向かって上向き斜面22a、22bを有した略V形であるため、抵抗付与用押圧部材25は抵抗付与用凹面部22の斜面22aに沿って押し込まれながら摺接回動する(図9の(b)参照)。このとき、軸13の回動に伴って抵抗付与用押圧部材25が押し込まれて抵抗付与用コイルばね24が圧縮されて、抵抗付与用凹面部22の斜面22aに対する抵抗付与用押圧部材25の押圧力は増大する。
ここで、抵抗付与用押圧部材25に対する抵抗付与用凹面部22の回動抵抗は、抵抗付与用押圧部材25の抵抗付与用凹面部22に対する押圧力に比例する。このため、軸13の回動に伴って抵抗付与用凹面部22の斜面22aに対する抵抗付与用押圧部材25押圧力が増大すると、軸13の回動抵抗も増大する。従って、操作子6の操作量(操作角度)が増大するほど回動抵抗も増大し、この操作量に伴う回動抵抗の変化が、使用者に操作抵抗として操作感を与える。
次に、このような構成のジョイスティック装置1と表示装置2とで構成された車両用画面操作システム3の作用について簡単に述べる。今、操作子6はX方向及びY方向の中心位置にあるとする。この操作子6のX方向及びY方向の回動位置は、第1の節度装置9のX方向用位置センサ9aによる、当該第1の節度装置9における軸13の回動位置検出信号と、第2の節度装置10のY方向用位置センサ10aによる、当該第2の節度装置10における軸13の回動位置検出信号とに基づいて検出される。そして、前記表示装置2の表示画面Mには、今、図10のアイコンm1、m2、m3、m4、m5、m6が表示されており、初期状態ではm2が選択されているとする。選択されたアイコンは太枠で囲われたり、色が変わったりなどして他のアイコンより目立つように表示される。なお、アイコンm1は、目的地設定や施設検索のための50音検索を意味している。
このとき、表示装置2に単一操作が好適な操作画面が表示されている場合は、電磁石14x、14yは制御装置11によって通電状態にされる。この状態で、操作子6を例えばXL方向へ傾動操作すると、連動部材15と応動部材17とが相対回動して節度を生じさせる。制御装置11は、X方向用位置センサ9aからの軸13の位置情報を基に節度が生じたことを検出して、アイコンの選択表示をm2からm1へと切り替えて、この選択結果のm1を記憶する。使用者が一旦操作を止めて操作子6が中立位置に戻った後、さらに例えば操作子6をYB方向へ操作すると、上述と同様に節度が生じて、制御装置11はアイコンの選択表示をm1からm4へと切り替えて、この選択結果m4を記憶する。ここで、使用者は所望の選択結果が表示されたことを確認した後決定スイッチ4cを押すと、そのアイコンに対応した動作が行われる。この場合ではm4のオーディオ装置の詳細選択画面(図11に示す)に切り換わる。
なお、この場合、操作子6は360°方向に傾動可能であるが、X方向又はY方向のどちらか一方の方向(以下、単方向と称す)以外の方向、即ち、X方向とY方向の合成で表されて、第1の節度装置9の軸13と第2の節度装置10の軸13との両方ともが回動される方向への傾動操作では、操作子6の傾動操作に必要な操作力は、第1の節度装置9と第2の節度装置10の回動抵抗の合力となる。このため、操作子6の傾動操作に必要な操作力は単方向が最も小さく、従って、操作子6の傾動操作は自然に軽い操作力の単方向に誘導される。
図11は、図示しない補助記憶装置に多数の楽曲を録音して再生可能な機能を有するオーディオ装置において、録音した多数の曲名リストの中から任意の一曲を選択指示するような操作画面を示している。s1からs5は、アルファベットの昇順に表示された曲名を示しており、選択された曲名は太枠で囲われたり、色が変わったりなどして他の曲名より目立つように表示さる。また、矩形で示すSは上下にスクロールするスクロールバーを表しており、曲名リスト全体の中での現在選択した曲名のおおよその位置(選択した曲名の前後にどれくらいの曲数があるか)を示している。
ここで、例えば、現在選択されている曲名が「A」であって、選択指示したい曲名が「G」である場合に、上述の単一操作を繰り返して指定する場合、曲名「G」に至るまで単一操作を繰り返し行わなければならず煩わしいこととなる。そこで、操作子6の傾動操作を維持している間は画面スクロールを行い選択が繰り返される操作(連続操作)が行われる。使用者は、連続操作を所望した場合切り替えスイッチ6bを押しながら操作子6を操作することで連続操作を行う。ここで、使用者が切り替えスイッチ6bを押しながら操作子6を傾動操作すると、電磁石14x、14yは制御装置11によって断電状態にされて、軸13と、連動部材15と、応動部材17と、節度用負荷部18及び抵抗用負荷部23は一体回動して、節度は生じずに操作子6の操作量(操作角度)に応じた操作抵抗が生じる。
例えば、使用者が操作子6を図4のYB方向へ傾動操作すると、第2の揺動部材8がYB方向へ揺動し、第2の節度装置10の軸13、連動部材15、Y方向用位置センサ10aが図3のB方向へ一体回動する。すると、制御装置11はY方向用位置センサ10aからの軸13の位置情報を基に操作子6の操作量(傾動角度)を検出し、s1からs5に表示される曲名を画面スクロールして順次切り替えると共にスクロールバーSを下方向へ移動させる。このとき、操作子6の操作量(傾動角度)が増大すると表示画面に表示される曲名s1からs5の切り替わりの画面スクロール速度も増大する構成としている。従って、操作子6の操作量が増大するに伴って、操作子6の操作抵抗と、表示装置2に表示される画面スクロール速度も増大する。
また、使用者が操作子6の操作を止めて手を離した場合、切り替えスイッチ6bの押圧操作もされなくなる。このとき、制御装置11は、X方向用位置センサ9a及びY方向用位置センサ10aが各軸13の操作前の中立位置を検出するまではX方向用電磁石14x及びY方向用電磁石14yの断電状態を継続するような構成としている。このとき、軸13には抵抗用負荷部23を図3の矢印B方向に回動させる力は働かなくなるため、圧縮されていた抵抗付与用コイルばね24の復元力によって抵抗付与用押圧部材25が抵抗付与用凹面部22の斜面22bを押圧し抵抗付与用コイルばね24を復元させながら、軸13及び抵抗用負荷部23を図3の矢印B方向とは逆方向に、抵抗付与用押圧部材25が抵抗付与用凹面部22の略V形の谷中心部に至るまで回動させて、軸13及び抵抗用負荷部23は操作前の中立位置に戻る。
さらに、選択結果が「G」の近傍に至った後に、使用者が切り替えスイッチ6bの押圧操作を解放してX方向用電磁石14xとY方向用電磁石14yを通電状態にすると、再び節度が生じる単一操作が可能とり、一曲ずつ選択することでより正確に曲名を選択することができる。なお、このとき、単一操作と連続操作の切り替えは、使用者が切り替えスイッチ6bを押して任意に切り替え可能となっている。
また、表示装置2に連続操作に好適な操作画面が表示されており単一操作を行う必要がない場合、例えば表地図情報の画面スクロールを行うような場合には、あらかじめ制御装置11によってX方向用電磁石14x及びY方向用電磁石14yを断電状態にしておき、切り替えスイッチ6bを使用しない構成とすることもできる。
このように本実施例によれば、連動部材15が回動部材たる軸13と一体回動するように設けられ、応動部材17が軸13と回動可能に設けられているから、電磁石14x(14y)が通電状態にされると、応動部材17が、その被吸着部17aが電磁石14x(14y)に吸着されることにより、非回動状態に固定され、連動部材15と応動部材17とが相対回動可能となる。そして、連動部材15の内側に略V形の凹面状をなし斜面部に凸部16d、16eを有する節度用凹面部16を設け、応動部材17に節度用凹面部16をばね力により押圧付勢する節度用押圧部材20を設けた構成としているため、使用者が操作子6を介して軸13を回動操作すると、軸13と、連動部材15とが一体回動して、節度用凹面部16と節度用押圧部材20とが摺接回動する。このとき、節度用押圧部材20が節度用凹面部16に設けた凸部16d、16eを越えるときに、回動抵抗が急減することによって節度が生じる。さらに、操作子6の操作を止めると、節度用コイルばね19の復元力によって操作子6は操作前の中立位置に戻るため、使用者が操作子6を中立位置に戻す必要がなく操作性が良い。
さらに、電磁石14x、14yが通電状態では、操作子6の傾動操作に必要な操作力は第1の節度装置9と第2の節度装置10の回動抵抗の合力となっており、操作子6の傾動操作に必要な操作力はX方向又はY方向の単方向が最も小さく、操作子6の傾動操作は自然に単軸方向に誘導されるため、単軸方向への操作が容易になりより操作性が向上される。
また、本実施例によれば、電磁石14x(14y)が断電状態のときは、応動部材17は電磁石14x(14y)に吸着固定されずに回動状態になっていて、抵抗用負荷部23が軸13に、節度用負荷部18の回動抵抗よりも小さな回動抵抗を作用させているから、軸13と、応動部材17と、節度用負荷部18と、抵抗用負荷部23とが一体的に連結された形態となり、使用者が操作子6を介して軸13を回動操作すると、抵抗付与用凹面部22に対して抵抗付与用押圧部材25が摺接回動する。ここで、抵抗付与用凹面部22は略V形となっているため、操作子6の操作量(操作角度)が増大するほど回動抵抗も増大し、この操作量に伴う回動抵抗の増減が、使用者に操作抵抗として操作感を与える。
また、切り替えスイッチ6bを操作すると電磁石14x、14yを断電状態にする構成としているため、操作者が切り替えスイッチ6bを操作することによって任意に単一操作と連続操作の切り替えを行うことができ、使用者の好みのタイミングで節度感と操作抵抗の発生を切り替えることができるため操作性が良い。
また、連続操作が選択された状態では、操作子6の操作量が増大すると表示装置2に表示された画面のスクロール速度も増大する構成としているため、操作子6の操作量の増大に伴って操作子6の操作抵抗と表示装置2に表示される画面のスクロール速度も増大する。このため、使用者は操作子6の操作による画面のスクロール速度の増減が、操作子6の操作抵抗の増減によって感覚的に分かるため、より操作性が向上する。
さらに、電磁石14x、14yは制御装置11によって、表示装置2に単一操作が好適な操作画面が表示されている場合は通電状態にされて、連続操作に好適な操作画面が表示されている場合は断電状態にされる構成としている。このため、制御装置11によって、表示装置2に表示された画面に基づき単一操作と連続操作の切り替えが行われるため、単一操作を必要としない操作画面においては、使用者は単一操作と連続操作の切替えを意識する必要がなく、使用者は切り替えスイッチ6bを操作する表示装置に表示された画面に適した操作感を得ることができるので、操作性がより向上する。
また、切り替えスイッチ6bを操作して連続操作を選択した後に、操作子6の操作を止めると、制御装置11は、X方向用位置センサ9a及びY方向用位置センサ10aが軸13の操作前の中立位置を検出するまでは電磁石14x、14yの断電状態を継続するような構成としている。このため、操作子6は抵抗付与用コイルばね24の復元力によって操作前の中立位置に戻るため、操作子6を中立位置に戻す必要がなく操作性が良い。
図12から図14は本発明の第2の実施例を示すもので、第1の実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。第1の実施例では、節度用凹面部16を回動部材たる軸13と一体回動可能に設け、節度用負荷部18を応動部材17に設ける構成としたが、この第2の実施例では、節度用負荷部18を、軸13に形成された連動部材15と一体回動可能に設けると共に、節度用凹面部16を応動部材17に設けた受部材29に形成している。また、第1の実施例では、抵抗付与用凹面部22を非回動部位である電磁石ホルダ12aの円筒部12bに設け、抵抗用負荷部23を応動部材17側に設けたが、この第2の実施例では、抵抗付与用凹面部22を応動部材17に設けた受部材29側に形成し、抵抗用負荷部23を非回動部位である電磁石ホルダ12aの円筒部12bに設ける構成としている。
この第2の実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記各実施例に限定されず、次のように変更して実施しても良い。例えば、節度用凹面部16は、略V形を形成する斜面16a、16bに段部50a、50bを設ける構成としてもよい(図15参照)。X方向用位置センサ及びY方向用位置センサは、ポテンショメータに限られず、ロータリーエンコーダや、複数のホールICと磁極との組み合わせ構成でも良い。また、節度用押圧部材及び抵抗付与用押圧部材は球状に形成しても良いし、鋼球を用いても良い。さらに、節度用凹面部及び抵抗付与用凹面部は全体として略V形であればよく、その谷中心部の形状は円弧状に限定されるものではなく、例えば凹面部の谷中心部は、丸みを帯びていても良いし、狭小な平坦部となっていても良い。
図面中、1はジョイスティック装置、2は表示装置、3は車両用画面操作システム、6は操作子、6bは切替えスイッチ(切替手段)、9は第1の節度装置(節度装置)、10は第2の節度装置(節度装置)、11は制御装置(切替手段)、12は装置ケース(装置本体)、13は軸(回動部材)、14xはX方向用電磁石(電磁石)、14yはY方向用電磁石(電磁石)、15は連動部材、16は節度用凹面部、16d、16eは凸部(凸状部)、17は応動部材、17aは被吸着部(磁性体)、18は節度用負荷部、20は節度用押圧部材、22は抵抗付与用凹面部、23は抵抗用負荷部、25は抵抗付与用押圧部材、27は節度機構部、28は抵抗付与機構部、29は受け部材(応動部材)、50a、50bは段部(凸状部)を示す。

Claims (6)

  1. 外部からの操作力により操作される操作子と、
    装置本体と、
    装置本体に回動可能に設けられ外力操作に応じて回動する回動部材と、
    この回動部材に一体回動するように設けられた連動部材と、
    前記回動部材に回動可能に設けられ一部に磁性体を備えた応動部材と、
    前記装置本体側の非回動部位に設けられ通電により前記磁性体を吸着して前記応動部材を非回動状態に固定するする電磁石と、
    前記応動部材と前記連動部材との相対回動に回動抵抗を付与し且つ相対回動の回動中に回動抵抗が急減するように構成された節度機構部と、
    前記装置本体側の非回動部位に対する前記応動部材の回動に回動抵抗を付与する操作抵抗付与機構部と、を備え、
    前記節度機構部の初期回動抵抗力を前記操作抵抗付与機構部の初期回動抵抗力より大きく設定し、
    前記電磁石の通電時に前記節度機構部を動作可能とし、該電磁石の断電時に前記操作抵抗付与機構部を動作可能としたことを特徴とする操作装置。
  2. 外部からの操作力により二次元方向に操作される操作子と、
    前記操作子の一方向の操作において節度を付与する第1の節度装置と、
    前記一方向と直交する他方向の操作において節度を付与する第2の節度装置と、を備え、
    前記第1及び第2の節度装置はそれぞれ、
    装置本体と、
    装置本体に回動可能に設けられ前記操作子の操作に応じて回動する回動部材と、
    この回動部材に一体回動するように設けられた連動部材と、
    前記回動部材に回動可能に設けられ一部に磁性体を備えた応動部材と、
    前記装置本体側の非回動部位に設けられ通電により前記磁性体を吸着して前記応動部材を非回動状態に固定するする電磁石と、
    前記応動部材と前記連動部材との相対回動に回動抵抗を付与し且つ相対回動の回動中の一部において回動抵抗が急減するように構成された節度機構部と、
    前記装置本体側の非回動部位に対する前記応動部材の回動に回動抵抗を付与する操作抵抗付与機構部と、を備え
    前記節度機構部の初期回動抵抗力を前記操作抵抗付与機構部の初期回動抵抗力より大きく設定し、
    前記電磁石の通電時に前記節度機構部を動作可能とし、該電磁石の断電時に前記操作抵抗付与機構部を動作可能としたことを特徴とする操作装置。
  3. 前記節度機構部は、前記連動部材と前記応動部材との一方に、略V形の凹面状をなし中心部から少なくとも一方の斜面部に凸状部を有する節度用凹面部を設け、他方に該節度用凹面部をばね力により押圧付勢する節度用押圧部材を設けて構成され、
    前記操作抵抗付与機構部は、前記応動部材と前記装置本体側の非回動部位との一方に、略V形の凹面状をなす抵抗付与用凹面部を設け、他方に該抵抗付与用凹面部をばね力により押圧付勢する抵抗付与用押圧部材を設けた構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作装置。
  4. 操作対象又は指示ポインタを表示する表示装置と、
    前記電磁石の通断電を切り替える切替手段と、を備え、
    前記電磁石は、前記表示装置に表示された操作対象を、前記操作子の単一操作で単一指定するときに前記切替手段により通電され、前記表示装置に表示された操作対象又は指示ポインタを、前記操作子の連続操作により画面スクロールさせるときに、前記切替手段により断電されることを特徴とする請求項1から3に記載の操作装置。
  5. 前記切替手段は、使用者の操作により切り替えられる切り替えスイッチであることを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
  6. 前記切替手段は、前記表示装置に単一操作に好適な画面が表示された場合は前記電磁石を通電状態に切り替え、前記表示装置に連続操作に好適な画面が表示された場合は前記電磁石を断電状態に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
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