JP2011099696A - 車両および重心位置推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行開始以前に車両の重心位置の推定を行うこと。
【解決手段】車両1の前軸4にかかる重量を測定する軸重計7fと、車両1の後軸5にかかる重量を測定する軸重計7rと、車両1の進行方向に沿う傾斜を測定する勾配センサ8と、勾配センサ8が車両の水平状態を示すときに軸重計7f、7rの測定結果に基づいて車体総重量を測定し、勾配センサ8が車両1の進行方向に沿う傾斜状態を示すときに軸重計7fにより前軸4にかかる重量を測定し、これらの測定結果に基づいて車両の重心位置を推定する重心位置推定部9とを有する車両1において、車両1に具備されているエアサスペンション6f,6rの空気圧を調整することにより、重心位置推定部9が車体総重量測定中には車体を水平状態とし、重心位置推定部9が前軸4にかかる重量の測定中には車体を傾斜状態とするエアサスペンション調整を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両および重心位置推定方法に関する。
車両の重心位置を測定することは、車両の走行中における挙動を推定する上で有用である。一方、トラックなどの貨物車両では、積荷の状態に応じて車両の重心位置が変化する。よって、トラックなどの貨物車両では、貨物を積載した状態において重心位置を測定しなければならない。しかしながら貨物車両が貨物を積載するのは当該貨物の輸送業務中である。このため貨物車両の重心位置の測定では、輸送業務中に重心位置を測定する方法が必要になる。
貨物車両の輸送業務中に当該貨物車両の重心位置を推定する方法として、たとえば特許文献1に開示されている方法がある。特許文献1に開示されている方法では、車両の前軸および後軸にかかる重量を測定し、車両がほぼ水平状態のときに車体総重量(すなわち、前軸にかかる重量+後軸にかかる重量)を測定し、車両が進行方向に沿う傾斜状態のときに前軸にかかる重量を測定し、これらの測定結果に基づいて車両の重心位置を推定している。
特許第3345346号
特許文献1に開示されている車両の重心位置推定方法では、平坦な路面における信号待ちあるいは一時停止などで、傾斜角度が零または±1度の範囲で停車している間に、車体総重量を測定する。その後に、坂道における信号待ちまたは一時停止などで、傾斜角度が±1度以上で停車している間に、前輪(前軸)にかかる重量を測定する。
このように特許文献1に係る発明では、必ず平坦路と坂道での一時停止が必要になる。これにより以下に示す2つの課題が生じる。
(課題1)
車両の走行ルート中に平坦路および坂道が必要になる。さらに、その平坦路および坂道における車両の一時停止状態が必要になる。よって、そのような条件が満たされない限り、特許文献1に係る発明による車両の重心位置の推定はできない。
(課題2)
特許文献1に係る発明は、車両の走行中において、車両の重心位置を推定することが前提である。しかしながら車両の重心位置の推定は、車両が走行を開始する以前に推定することが好ましい。すなわち、車両の重心位置を推定する目的は、推定した重心位置が車両の走行上で問題があれば重心位置を改善した後、走行を開始するところにある。しかしながら特許文献1に係る発明による車両の重心位置推定では、車両は既に走行状態にある。よって、走行開始以前に重心位置の改善を図ることができない。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、車両の走行開始以前に車両の重心位置の推定を行うことができる車両および重心位置推定方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点は、車両としての観点である。すなわち、本発明の車両は、車両の前軸にかかる重量を測定する前軸軸重計と、車両の後軸にかかる重量を測定する後軸軸重計と、車両の進行方向に沿う傾斜を測定する勾配センサと、勾配センサが車両のほぼ水平状態を示すときに前軸軸重計および後軸軸重計の測定結果に基づいて車体総重量を測定し、勾配センサが車両の進行方向に沿う所定の角度の傾斜状態を示すときに前軸軸重計により前軸にかかる重量を測定し、これらの測定結果に基づいて車両の重心位置を推定する重心位置推定手段と、を有する車両において、車両に具備されているエアサスペンションの空気圧を調整することにより、重心位置推定手段が車体総重量測定中には車体をほぼ水平状態とし、重心位置推定手段が前軸にかかる重量の測定中には車体を所定の角度の傾斜状態とするエアサスペンション調整手段を有するものである。
さらに、車両が動力を始動させた後、重心位置推定手段による重心位置の推定が少なくとも1回行われるまでは、車両の運転を禁止または抑制する運転制限手段を有することが好ましい。
本発明の他の観点は、重心位置測定方法としての観点である。すなわち、本発明の重心位置測定方法は、車両に搭載された重心位置推定手段が、車両がほぼ水平状態であるときに車体総重量を測定する車体総重量測定ステップと、車両が進行方向に沿う所定の角度の傾斜状態であるときに車両の前軸に係る重量を測定する車体前軸重量測定ステップと、車体総重量測定ステップの処理および車体前軸重量測定ステップの処理によって得られた測定結果に基づいて車両の重心位置を推定する重心位置推定ステップと、を実行する重心位置推定方法において、エアサスペンション調整手段が、車両に具備されているエアサスペンションの空気圧を調整することにより、車体総重量測定ステップの実行中には車体をほぼ水平状態とし、車体前軸重量測定ステップの実行中には車体を車体の進行方向に沿って所定の角度の傾斜状態とするステップを実行するものである。
本発明によれば、車両の走行開始以前に車両の重心位置の推定を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る車両であって重心位置推定方法の第一の実施の形態を実行する車両の要部構成図である。 特許文献1に係る発明の重心位置推定方法を説明するための図である。 平坦路において、図1に示す車両がほぼ水平状態になるようにエアサスペンションの空気圧を調整している状態を示す図である。 平坦路において、図1に示す車両が進行方向に沿って所定の角度で傾斜するようにエアサスペンションの空気圧を調整している状態を示す図である。 坂道において、図1に示す車両が進行方向に沿って所定の角度で傾斜するようにエアサスペンションの空気圧を調整している状態を示す図である。 坂道において、図1に示す車両がほぼ水平状態になるようにエアサスペンションの空気圧を調整している状態を示す図である。 図1に示す車両の重心位置推定方法の第一の実施の形態における重心位置推定部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両であって重心位置推定方法の第二の実施の形態を実行する車両の要部構成図である。 図8に示す車両の重心位置推定方法の第二の実施の形態における重心位置推定部の動作を示すフローチャートである。
(本発明の実施の形態に係る車両1の構成について)
本発明の実施の形態に係る車両1の構成について図1を参照して説明する。図1は、車両1の要部構成図である。
車両1は、前輪2、後輪3、前軸4、後軸5、前輪2のエアサスペンション(以下では、エアサスと略記する)6f、後輪3のエアサス6r、前軸4の軸重計7f、後軸5の軸重計7r、勾配センサ8、重心位置推定部9、給気用電磁弁10および排気用電磁弁11を有する。
前輪2は、ステアリング機構(不図示)に連結され、車両1を支えると共に車両1のステアリング操作に応じて車両1の進行方向を変更するために用いられる。
後輪3は、車両1を支えると共に、後輪駆動車であれば駆動輪として用いられる。
前軸4は、前輪2を支える軸であり、ステアリング操作に応じて可動し、前輪2の進行方向を変更する。
後軸5は、後輪3を支える軸であり、後輪3が駆動輪である場合には、エンジン(不図示)もしくは電動機(不図示)の動力を後輪3に伝達する。
前輪2のエアサス6fは、前軸4と車体のフレーム(不図示)との間に備えられ、路面から前輪2に伝わる振動を空気バネによって吸収する。
後輪3のエアサス6rは、後軸5と車体のフレーム(不図示)との間に備えられ、路面から後輪3に伝わる振動を空気バネによって吸収する。
軸重計7fは、前軸4にかかる重量を測定するためのセンサである。このセンサは、たとえばロードセルなどによって構成される。
軸重計7rは、後軸5にかかる重量を測定するためのセンサである。軸重計7fと同様に、たとえばロードセルなどによって構成される。
勾配センサ8は、車両1の勾配(特に、進行方向に沿う傾斜)を測定するためのセンサである。このセンサは、たとえば加速度センサなどよって構成される。
重心位置推定部9は、軸重計7f,7rの測定結果を入力し、重心位置推定結果を出力する(請求項でいう重心位置推定手段およびエアサスペンション調整手段に相当する)。また、重心位置推定部9は、重心位置推定中に、エアサス6f,6rの空気圧を調整する。
給気用電磁弁10は、重心位置推定部9からの制御に応じてエアタンク(不図示)からの空気圧をエアサス6f,6rに給気することによって、エアサス6f,6r内の空気圧を昇圧する。
排気用電磁弁11は、重心位置推定部9からの制御に応じてエアサス6f,6r内の空気圧を排気することによって、エアサス6f,6r内の空気圧を減圧する。
なお、図1では、重心位置推定部9が直接的に、給気用電磁弁10および排気用電磁弁11を制御しているかのように図示した。しかしながら、実際には、エアサス6f,6rは、不図示のエアサスECU(Electric Control Unit)によって統括的に制御されている。よって、重心位置推定部9は、エアサスECU(不図示)に所定の指令を与えることによりエアサス6f,6rを間接的に制御可能である。
(特許文献1に係る発明の重心位置推定方法について)
ここで、特許文献1に係る発明の重心位置推定方法について簡単に図2を参照しながら説明する。以下の説明では、図2に示すように、ホイールベースをL、前軸4から重心推定位置(丸に十字の中心位置)までの進行方向の距離をLf、重心推定位置から後軸5までの進行方向の距離をLr、前軸4にかかる重量をWf、後軸5にかかる重量をWr、前軸4および後軸5の軸高から重心推定位置までの高さをhs、車両1の進行方向に沿った所定の角度の傾斜をαとする。また、Wf+Wrは車体総重量Wになる。また、L=Lf+Lrである。
また、Lr=(1/k)・L・(Wf/W)として距離Lrを演算できる。ここで、kは定数であり、定数kは予め車種毎に定めることができる。
なお、ホイールベースとは、ステアリングを直進状態とした場合の前軸4の回転中心位置から後軸5の回転中心位置までの距離である。また、前軸4から重心推定位置までの距離Lfは、ステアリングを直進状態とした場合の前軸4の回転中心位置から重心推定位置までの進行方向の距離である。また、重心推定位置から後軸5までの距離Lrは、重心推定位置から後軸5の回転中心位置までの進行方向の距離である。また、前軸4および後軸4の軸高とは、ステアリングを直進状態とした場合の前軸4の回転中心位置と後軸5の回転中心位置とを結んだ線をいう。
ここで、特許文献1に係る発明における重心位置推定方法では、
hs=(W・Lr−Wf・L)/Wtanα
として前軸4および後軸5の軸高から重心推定位置までの高さをhsを演算する。
このとき、車体総重量Wを求めるには、車両1がほぼ水平状態(−1°≦α≦1°)である必要がある。そして、上述の前軸4にかかる重量Wfを求めるには、車両1が進行方向に沿って所定の角度α(α<−1°または1°<α)の傾斜状態である必要がある。
(重心位置推定方法の第一の実施の形態について)
ここで、重心位置推定方法の第一の実施の形態について図3から図7を参照して説明する。図3は、平坦路において、車両1がほぼ水平状態になるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整している状態を示す図である。図4は、平坦路において、車両1が進行方向に沿って傾斜するようにエアサス6f,6rの空気圧を調整している状態を示す図である。図5は、坂道において、車両1が進行方向に沿って傾斜するようにエアサス6f,6rの空気圧を調整している状態を示す図である。図6は、坂道において、車両1がほぼ水平状態になるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整している状態を示す図である。図7は、重心位置推定方法の第一の実施の形態における重心位置推定部9の動作を示すフローチャートである。
車両1では、図3および図4に示すように、平坦路において、ほぼ水平状態(図3)および車両1の進行方向に沿う所定の角度の傾斜状態(図4)をエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって作り出している。
すなわち、図3に示すように、平坦路において、重心位置推定部9は、(エアサス6fの空気圧)≒(エアサス6rの空気圧)となるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1がほぼ水平の状態を作り出すことができる。
一方、平坦路において、図4に示すように、重心位置推定部9は、(エアサス6fの空気圧)<(エアサス6rの空気圧)となるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1が進行方向に沿って所定の角度で傾斜した状態を作り出すことができる。
同様に、図5に示すように、坂道において、重心位置推定部9は、(エアサス6fの空気圧)≒(エアサス6rの空気圧)となるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1が所定の角度で傾斜した状態を作り出すことができる。図5の例では、所定の角度は、坂道の傾斜角度と同じであるが、エアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、任意の傾斜角度を得ることができる。
一方、坂道において、図6に示すように、重心位置推定部9は、(エアサス6fの空気圧)>(エアサス6rの空気圧)となるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1がほぼ水平の状態を作り出すことができる。なお、図6の例では、車両1の進行方向に対して下り坂の例であるが、車両1の進行方向に対して上り坂であれば、(エアサス6fの空気圧)<(エアサス6rの空気圧)となるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1がほぼ水平の状態を作り出すことができる。
重心位置推定を行う重心位置推定部9の手順を図7のフローチャートを参照して説明する。
START:重心位置推定部9は、車両1の動力(エンジンおよび/または電動機)が始動されるとステップS1の処理へ移行する。
ステップS1:重心位置推定部9は、車両1はほぼ水平状態か否かを判断する。すなわち、重心位置推定部9は、車両1がほぼ水平状態である場合(ステップS1でYes)、ステップS2の処理へ移行する。一方、重心位置推定部9は、車両1がほぼ水平状態ではない場合(ステップS1でNo)、ステップS8の処理へ移行する。
ステップS2:重心位置推定部9は、軸重計7fにより前軸4にかかる重量Wfを測定し、軸重計7rにより後軸5にかかる重量Wrを測定し、重量Wfと重量Wrとを加算することによって、車体総重量Wを測定し、ステップS3の処理へ移行する。
ステップS3:重心位置推定部9は、給気用電磁弁10および排気用電磁弁11を制御することによってエアサス6rの空気圧がエアサス6fの空気圧よりも高くなるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整してステップS4の処理へ移行する。
ステップS4:重心位置推定部9は、車両1が所定の角度αの傾斜であるか否かを判断する。すなわち、重心位置推定部9は、車両1が所定の角度αの傾斜である場合(ステップS4でYes)、ステップS5の処理へ移行する。一方、重心位置推定部9は、車両1が所定の角度αの傾斜でない場合(ステップS4でNo)、ステップS3の処理へ戻る。
ステップS5:重心位置推定部9は、軸重計7fにより前軸4にかかる重量Wfを測定してステップS6の処理へ移行する。
ステップS6:重心位置推定部9は、定数k、ホイールベースL、車体総重量W、重量Wfを用いて距離Lrを演算(Lr=(1/k)・L・(Wf/W))してステップS7の処理へ移行する。
ステップS7:重心位置推定部9は、ホイールベースL、車体総重量W、距離Lr、重量Wf、傾斜角度αを用いて重心高さhsを演算(hs=(W・Lr−Wf・L)/Wtanα)して処理を終了する(END)。
ステップS8:重心位置推定部9は、給気用電磁弁10および排気用電磁弁11を制御することによってエアサス6rの空気圧とエアサス6fの空気圧とがほぼ等しくなるようにエアサス6f,6rの空気圧を調整してステップS2の処理へ移行する。
このようにして、重心位置推定部9は、車両1が走行を開始する以前に車両1の重心位置を推定することができる。
(重心位置推定方法の第二の実施の形態について)
ここで、重心位置推定方法の第二の実施の形態について図8および図9を参照して説明する。図8は、車両1Aの要部構成図である。図9は、重心位置推定方法の第二の実施の形態における重心位置推定部9A(請求項でいう重心位置推定手段およびエアサスペンション調整手段に相当する。)の動作を示すフローチャートである。
車両1Aの要部構成は、車両1の要部構成と一部が異なる。以下では、車両1と同一または同種の部材については車両1と同一または同一系の符号を付し、その説明を省略または簡略化して異なる部材について主に説明する。
車両1Aでは、運転制限部12を有する。運転制限部12は、重心位置推定部9Aの制御に応じて不図示のエンジンECUに対して運転制限出力を送出する。なお、車両1Aがハイブリッド自動車であれば、エンジンECUの代わりにハイブリッドECUを有する。また、車両1Aが電気自動車であれば、エンジンECUの代わりに電動機ECUを有する。いずれの場合も運転制限部12は、車両1Aの動力系に対して運転の禁止または運転の抑制を実施する。
たとえば運転の禁止としては、動力(エンジン、電動機など)を始動させないことが挙げられる。また、運転の抑制としては、動力を始動させることは禁止しないが出力に上限を設け、上限を超えるパワーの出力は行わないなどが挙げられる。
運転の禁止の具体的方法としては、スタートスイッチがONとなってもこれを無視するなどの方法が考えられる。
また、運転の抑制の具体的方法としては、車両1Aが有するリミッタ(不図示)の上限を著しく低い値に設定するなどの方法が考えられる。この方法によれば、車両1Aが予め有するリミッタに対し、その設定値を変更するのみで容易に対応可能である。
次に、重心位置推定を行う重心位置推定部9Aの手順を図9のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS1〜S8については図7のフローチャートと同じであるため説明を省略する。
START:重心位置推定部9Aは、車両1Aの動力(エンジンおよび/または電動機)が始動されようとするとステップS10の処理へ移行する。
ステップS10:重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が未完了か否かを判断する。すなわち、重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が未完了である場合(ステップS10でYes)、ステップS11の処理へ移行する。一方、重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が完了している場合(ステップS10でNo)、処理を終了する(END)。
ステップS11:重心位置推定部9Aは、運転制限部12からエンジンECUに対して運転制限を実施してステップS1の処理へ移行する。
ステップS12:重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が完了したか否かを判断する。すなわち、重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が完了した場合(ステップS12でYes)、ステップS13の処理へ移行する。一方、重心位置推定部9Aは、車両1Aにおける重心位置推定が未完了の場合(ステップS12でNo)、ステップS7の処理へ戻る。
ステップS13:重心位置推定部9Aは、運転制限部12による運転制限を解除して処理を終了する(END)。
このように、重心位置推定部9Aは、車両1Aの重心位置推定が完了しない限り、車両1Aの運転を制限する。これにより、車両1Aは運転開始以前に重心位置の推定を必ず完了することができる。
(本発明の実施の形態に係る効果について)
車両1に具備されているエアサス6f,6rの空気圧を調整することにより、重心位置推定部9が車体総重量測定中には車体をほぼ水平状態とし、重心位置推定部9が前軸4にかかる重量の測定中には車体を所定の角度の傾斜状態とするエアサスペンション調整を行う。
これにより、車両1は一箇所に停まりながら車体のほぼ水平状態と所定の角度の傾斜状態とを作り出すことができる。よって、特許文献1に係る発明の重心位置推定方法を運転開始以前に実施することができる。
したがって、車両1の重心位置に問題があれば運転開始以前に重心位置の改善を図ることができる。これにより、車両1の安全な運行を図ることができる。
さらに、車両1Aの動力が始動されようとしたときに、重心位置推定部9Aによる重心位置の推定が少なくとも1回行われるまでは、車両1Aの運転を禁止または抑制する運転制限部12を有する。
これにより、車両1Aは、運転開始以前に必ず重心位置の推定を実施しなければならない。よって、車両1Aは、重心位置の推定を実施せずに運転を開始することを禁止することができ、車両1Aの安全を運行を図ることができる。
(プログラムを用いた実施の形態)
また、重心位置推定部9,9Aは、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によって構成されてもよい。たとえば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、重心位置推定部9,9Aの機能が実現される。また、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)などを用いてもよい。
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、重心位置推定部9,9Aの出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、重心位置推定部9,9Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、重心位置推定部9,9Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。重心位置推定部9,9Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
このように、汎用の情報処理装置とプログラムによって重心位置推定部9,9Aの機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
(その他の実施の形態)
上述した本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。たとえばエアサス6f,6rの空気圧を調整することによって、車両1のほぼ水平状態と所定の角度の傾斜状態とを作り出すとして説明した。これは車両1において既存のエアサス6f,6rを用いる点で優れている。これに対し、エアサス6f,6rに代えて車両1の姿勢をほぼ水平状態または所定の角度の傾斜状態とするための油圧機構のような専用の部材を別途設けてもよい。
重心位置推定部9,9Aおよび運転制限部12は、車両1,1Aの重心位置を推定するための特化された部材であるように説明したが、重心位置推定部9,9Aおよび運転制限部12は、車両1,1Aの各部を制御する制御部(ECU)の一部の機能として実現してもよい。
また、車両1,1Aにおいて進行方向の重心位置が頻繁に変化しない場合には、距離Lrを定数として扱うことにより、距離Lrを演算する手順を省略できる。
また、特許文献1に係る発明の重心位置推定方法では、車両1の前部(運転室側)が下がり後部(貨物室側)が上がった状態となる傾斜で重心位置を推定している。これに対し、車両1の前部(運転室側)が上がり後部(貨物室側)が下がった状態となる傾斜で重心位置を推定しても同様に重心位置を推定可能であることは容易に類推できる。この場合、距離Lfと距離Lrの関係、重量Wfと重量Wrの関係は互いに反対になる。
1,1A…車両、2…前輪、3…後輪、4…前軸、5…後軸、6f,6r…エアサス、7f,7r…軸重計、8…勾配センサ、9,9A…重心位置推定部(重心位置推定手段、エアサスペンション調整手段)、10…給気用電磁弁、11…排気用電磁弁、12…運転制限部(運転制限手段)

Claims (3)

  1. 車両の前軸にかかる重量を測定する前軸軸重計と、
    上記車両の後軸にかかる重量を測定する後軸軸重計と、
    上記車両の進行方向に沿う傾斜を測定する勾配センサと、
    上記勾配センサが上記車両のほぼ水平状態を示すときに上記前軸軸重計および上記後軸軸重計の測定結果に基づいて車体総重量を測定し、上記勾配センサが上記車両の進行方向に沿う所定の角度の傾斜状態を示すときに上記前軸軸重計により上記前軸にかかる重量を測定し、これらの測定結果に基づいて上記車両の重心位置を推定する重心位置推定手段と、
    を有する車両において、
    上記車両に具備されているエアサスペンションの空気圧を調整することにより、上記重心位置推定手段が上記車体総重量測定中には上記車体をほぼ水平状態とし、上記重心位置推定手段が上記前軸にかかる重量の測定中には上記車体を所定の角度の傾斜状態とするエアサスペンション調整手段を有する、
    ことを特徴とする車両。
  2. 請求項1記載の車両であって、
    前記車両が動力を始動させた後、前記重心位置推定手段による前記重心位置の推定が少なくとも1回行われるまでは、前記車両の運転を禁止または抑制する運転制限手段を有する、
    ことを特徴とする車両。
  3. 車両に搭載された重心位置推定手段が、
    上記車両がほぼ水平状態であるときに車体総重量を測定する車体総重量測定ステップと、
    上記車両が進行方向に沿う所定の角度の傾斜状態であるときに上記車両の前軸に係る重量を測定する車体前軸重量測定ステップと、
    上記車体総重量測定ステップの処理および上記車体前軸重量測定ステップの処理によって得られた測定結果に基づいて上記車両の重心位置を推定する重心位置推定ステップと、
    を実行する重心位置推定方法において、
    エアサスペンション調整手段が、上記車両に具備されているエアサスペンションの空気圧を調整することにより、上記車体総重量測定ステップの実行中には上記車体をほぼ水平状態とし、上記車体前軸重量測定ステップの実行中には上記車体を上記車体の進行方向に沿って所定の角度の傾斜状態とするステップを実行する、
    ことを特徴とする重心位置推定方法。
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