JP2011098020A - シリンジ駆動装置 - Google Patents

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Toru Nakamura
徹 中村
Akihiro Ota
章博 太田
Soichiro Fujioka
総一郎 藤岡
Osamu Mizuno
修 水野
Akinobu Okuda
晃庸 奥田
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Abstract

【課題】大きな片方向モーメント荷重が発生せず、小型化ができるシリンジ駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明のシリンジ駆動装置20は、シリンダー保持部24を有するフレーム25と、ピストン22を駆動させるピストン駆動部26と、を備え、ピストン駆動部26は、シリンダー21の中心軸21aの両側に配置された側部26bを有し、側部26bの側面26cには、中心軸21aに沿った方向に2つの従動プーリ27を配置し、フレーム25は、シリンダー保持部24を挟んで両側に側壁部25aを有し、その側面25bには、モータ(図示せず)に連結された駆動プーリ28を配置し、駆動プーリ28および2つの従動プーリ27に無端ベルト29を架けて駆動し、無端ベルト29の1点29aをフレーム25に対して固定する。これにより、ピストン駆動部26がピストン22を往復駆動させてシリンダー21内に薬剤を吸引する構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンジを駆動させるためのシリンジ駆動装置に関する。
従来、病院内で、例えば点滴用の薬剤を調合する場合には、瓶詰めされた複数の薬剤をシリンジで抜き出すと共に、このシリンジ内で薬剤を混合して調合している。
そして、この調合後の薬剤は、シリンジから押し出され、例えば点滴袋に充填される。
このシリンジは、一端に注液口と他端に開口とをそれぞれ有する筒状のシリンダーと、このシリンダーの他端の開口からこのシリンダー内に挿入されたピストンとから構成される。このシリンジを用いて瓶内から薬剤を引き出す際には、ピストンをシリンダーから引き出し、また薬剤を点滴袋に押し出す際には、ピストンをシリンダー内に押し込む。
しかしながら、瓶内から薬剤を引き出すためには、ピストンを引く際に発生する負圧に抗してピストンを引き続けなければならず、また薬剤を点滴袋に押し出すためには、その押し出し経路に介在するフィルターなどにより発生する正圧に抗してピストンを押し続けなければならない。この時の負圧や正圧による反力は数十Nと極めて大きい。
一般に、薬剤調合は一方の手で薬剤瓶または点滴袋を保持し、他方の手でシリンジを保持しながら操作して行われる。また、状況に応じて、薬剤瓶または点滴袋とシリンジの相対的な姿勢関係を適切に保ちながら行われる。すなわち、片手でシリンジを姿勢保持して数十Nの反力に耐えながらピストンの引き出しと押し込みを交互に行う必要があるため、大変煩わしい。
一方で、シリンジ操作を支援する装置として、人体への薬剤の定流量注入などを目的とした、シリンジ駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7に従来のシリンジ駆動装置の構成図を示す。
このシリンジ駆動装置10は、シリンジ1のシリンダー2を保持するシリンダー保持部3と、このシリンダー保持部3に保持されるシリンダー2に対してピストン4を軸方向に駆動するピストン駆動部5とを備えた構成である。そして、モータにより送りネジ8が駆動されると、この送りネジ8と係合する被駆動部材7が直動する。ピストン駆動部5は、連結部材6を介して被駆動部材7と連結されており、被駆動部材7の動きに合せてピストン4を駆動させる。
特開昭59−51400号公報
しかしながら、従来のシリンジ駆動装置10では、ピストン4を駆動するための駆動伝達系は1系統であり、ピストン駆動部5は、ピストン4の真後ろの一点で、このピストン4を押したり引いたりする駆動力をピストン4に伝える片持ち構造となっている。そのため、この駆動力を伝える部分に、いわゆる片方向モーメント荷重がかかる。上述のごとく、このピストン4を駆動する力は数十Nと大きく、この駆動力を伝える部分に加わる片方向モーメント荷重も、極めて大きくなる。
さらに、従来のシリンジ駆動装置10では、このピストン4を駆動するための駆動伝達系を構成する送りネジ8や、それに係合する被駆動部材7、被駆動部材7に連結部材を介して連結されるピストン駆動部5などは、大きな片方向モーメント荷重に耐えるだけの強度の大きなもの(肉厚なもの)となっている。この結果としてシリンジ駆動装置10が大型化している。
本発明はこのような課題を解決するものであり、大きな片方向モーメント荷重が発生せず、小型化ができるシリンジ駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のシリンジ駆動装置は、シリンダーとピストンとから構成されるシリンジを駆動させるためのシリンジ駆動装置であって、前記シリンダーを保持するシリンダー保持部と、前記シリンダー保持部を挟んだ両側の側壁部の側面に配置されたモータに連結された駆動プーリと、を有するフレームと、前記ピストンの鍔部を保持するピストン保持部と、前記ピストン保持部に接続され前記シリンダーを挟んだ両側の側部の側面に配置された少なくとも2つの従動プーリと、を有し、前記ピストンを前記シリンダーの中心軸の方向に駆動させるピストン駆動部と、両側の前記駆動プーリおよび前記2つの従動プーリに架けられた2つの無端ベルトと、前記2つの従動プーリの間の無端ベルトの少なくとも1点を前記フレームに対して固定するストッパと、を備えた、ことを特徴とする。
本発明のシリンジ駆動装置によれば、大きな片方向モーメント荷重が発生せず、小型化ができるシリンジ駆動装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置の概略構成を示す図で、(a)シリンジ駆動装置の斜視図、(b)シリンジ駆動装置の平面図 本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置の側面図 (a)本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置のピストン駆動部の動作を示す模式的な構成図、(b)本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置のピストン駆動部の動作を示す模式的な構成図 本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置の側面図で、(a)ピストンを押し切った状態の側面図、(b)ピストンにより吸引している状態の側面図、(c)ピストンにより吸引している状態の側面図 本発明の実施の形態2におけるシリンジ駆動装置の側面図で、(a)ピストンにより吸引している状態の側面図、(b)ピストンにより吸引している状態の側面図、(c)ピストンを押し切った状態の側面図 本発明の実施の形態2におけるシリンジ駆動装置の側面図 従来のシリンジ駆動装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置20の概略構成を示す図で、(a)はシリンジ駆動装置20の斜視図、(b)はシリンジ駆動装置20の平面図である。ここで、機械的な構造を判りやすく示すために、駆動機構は、その主要部の構成のみを図示している。
図1に示すように、本実施の形態1のシリンジ駆動装置20は、シリンダー21とピストン22とから構成されるシリンジ23を駆動させるための装置である。このシリンジ駆動装置20は、シリンダー21を保持するシリンダー保持部24を有するフレーム25と、シリンダー保持部24に保持されるシリンダー21に挿入されるピストン22をシリンダー21の中心軸21aの方向に駆動させるピストン駆動部26と、を備えている。フレーム25とピストン駆動部26間はスライドガイド(図示せず)によって接続され、ピストン駆動部26は、ピストン駆動方向以外への動きを規制されている。
ピストン駆動部26は、ピストン22の鍔部22aを保持するピストン保持部26aと、ピストン保持部26aに接続され、シリンダー21の中心軸21aの両側に配置された側部26bとを有している。これらの側部26bのそれぞれの外側の側面26cには、中心軸21aに沿った方向に少なくとも2つの従動プーリ27を配置している。
フレーム25は、シリンダー保持部24を挟んで両側に側壁部25aを有し、側壁部25aの外側の側面25bには、モータ(図示せず)に連結された駆動プーリ28を配置している。また、図1の図面奥側の駆動プーリ(図示せず)は駆動プーリ28と同じ主軸28aに取り付けられており、両駆動プーリは左右同期して回転する。駆動プーリ28および2つの従動プーリ27に無端ベルト29を架けて駆動し、2つの従動プーリ27の間の無端ベルト29の少なくとも1点29aをフレーム25に対して固定する。このことにより、ピストン駆動部26がピストン22を往復駆動させてシリンダー21内に薬剤を吸引する構成としている。なお、従動プーリ27は、側面26cに垂直に固定された回転軸(図示せず)を中心として自由に回転可能なプーリである。この従動プーリ27の回転の方向により、無端ベルト29が、シリンダー21の中心軸21aに沿った方向のいずれかに送り出されると共に、その送り出された方向に従動プーリ27と、これが配置されたピストン駆動部26も移動する。ここで、安全性に配慮して人が操作する指などを巻き込まないようにするために、駆動プーリ28、従動プーリ27および無端ベルト29などを覆うカバー(図示せず)が、左右一対で設けられている。
この構成により、左右一対の無端ベルト29を、フレーム25に対して固定して、駆動プーリ28により左右同期で駆動させる。これにより、左右一対の無端ベルト29が後述するように送り出されてフレーム25に対する従動プーリ27の位置が変わるので、フレーム25に対するピストン駆動部26の位置も変化し、ピストン22が往復運動する。したがって、左右一対の無端ベルト29によりピストン駆動部26が駆動される。この左右同期の駆動によって、ピストン22の鍔部22aの近傍に大きな片方向モーメント荷重が発生せず、鍔部22aにかかる力は、ピストン駆動部26の両側の側部26bに分散される。これにより、ピストン22を駆動するために大きな片方向モーメントに打ち克つ大型の駆動機構が不要となり、小型化したシリンジ駆動装置20を実現できる。
シリンジ駆動装置20のピストン駆動部26は、シリンダー21の中心軸21aに沿った方向に往復運動することで、ピストン22を往復運動させる。これにより、アンプルなどの薬剤容器(図示せず)の中の薬剤を薬剤容器に挿入された針21bにより、シリンダー21の中へ吸引できる。同様に、シリンダー21の中の薬剤は、針21bを介して輸液バッグ(図示せず)などに注入できる。
シリンジ駆動装置20において、フレーム25とシリンダー保持部24とは一体化しており、シリンジ23のシリンダー21と共に位置が固定された固定部として働く。一方、上述のピストン22とピストン駆動部26とは、固定部に対して可動部として働き、薬剤容器から薬剤を吸引する、あるいは、輸液バッグなどに薬剤を注入するためのピストン22の駆動を可能とする。
シリンジ駆動装置20は、フレーム25に対して位置が固定された無端ベルト29の少なくとも1点29aをフレーム25に対して固定する、ストッパ30を備えている。このストッパ30は、無端ベルト29を挟む、または、解除するという2形態動作を行う。この2形態動作により、ピストン駆動部26の手動移動モードと駆動モードとを切り替える。つまり、ストッパ30が解除された状態である手動移動モードの時には、無端ベルト29は駆動プーリ28および従動プーリ27、案内プーリ27aに沿って空回りするので可動部35は動かない。したがって、ピストン駆動部26も動かない。また、この時にピストン駆動部にピストン往復方向へ力を加えると、無端ベルト29は空回りするので、手動でピストン駆動部26を所定の位置に移動させることができる。
これにより、ピストン駆動部26を手動操作によって所望の位置に移動できる。この手動移動モードは特にシリンジ23の装着を行う時に利用できる。例えば、薬剤吸引済のシリンジ(所謂、プレフィルドシリンジ)を装着する際に、ピストン側で位置を合わせる必要が無くなるため、吸引済の薬剤が漏れる危険を冒すことなく容易に装着を行うことができる。
一方、ストッパ30が無端ベルト29を挟んで、無端ベルト29が1点29aで固定部のフレーム25に固定された駆動モードの場合には、1点29aが支点となりストッパ30の左右の無端ベルト29の一方が、駆動プーリ28の回転により引き込まれ、一方が送りだされる。これにより、後述するようにピストン駆動部26に配置された2つの従動プーリ27がそれに伴って移動する。これにより、ピストン駆動部26が移動し、ピストン保持部26aに固定された鍔部22aを移動させることで、ピストン22が移動する。
この構成により、ストッパ30を動作させて、無端ベルト29の1点29aを挟む、または、解除するという簡単な動作を行うだけで、ピストン駆動部26の手動移動モードと駆動モードとを切り替えることができる。このような動作は、片側の無端ベルト29を挟むだけでも可能であるが、両側にストッパ30を設け、2つのストッパ30を連動させることで、ピストン駆動部26の動作がより安定する。この時に、ストッパ30は、フレーム25のシリンダー保持部24を挟んだ両側の側壁部25aの外側の側面25bに対称に配置されて固定されている。
この構成により、左右に支点を設定し両側のストッパ30を連動させることにより、さらに片方向モーメント荷重の発生を抑えることができる。
図2は、本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置20の側面図である。図2に示すように、シリンジ23のシリンダー21はシリンダー保持部24により保持され、シリンダー保持部24はフレーム25に固定されている。シリンジ23のピストン22はピストン駆動部26により、その鍔部22aが保持されている。ピストン22およびピストン駆動部26は、前述のように、シリンダー21の中心軸21aの方向に、固定部としてのフレーム25に対して可動部として往復運動を行う。これにより、薬剤容器から薬剤を吸引する、または、輸液バッグなどに薬剤を注入することができる。
図2に示すように、シリンダー保持部24の下方に握り手部31を設けている。また、フレーム25の2つの側壁部25a(図1参照)の外側に、駆動プーリ28および案内プーリ27aが収納されたカバー部32を設けた構成としている。このカバー部32は、人の指などが巻き込まれないように安全性を考慮して設けられている。なお、握り手部31の内部のスペースにモータ33を配置して、モータ33の動力をピニオン(図示せず)などにより駆動プーリ28の主軸28aに伝達して、無端ベルト29を駆動プーリ28により動作させている。
この構成により、無端ベルト29と案内プーリ27a、駆動プーリ28が連動して動作しても、握り手部31を握る手は、カバー部32を同時に握るので、手が無端ベルト29や案内プーリ27a、駆動プーリ28に触れることがない。これにより、人は安全にシリンジ駆動装置20を取り扱うことができる。
また、握り手部31の外周の上面31aにピストン駆動部26を駆動させるための1組のボタン31b、31cを備えた構成としている。このボタン31b、31cは、どちらも押されていない時にはモータが動作しない。また、ボタン31bが押された時には、ピストン駆動部26がピストン22を押すようにモータ33が回転し、無端ベルト29が回転動作を行う。それと共に、ベルトロック機構であるストッパ30が無端ベルト29の1点29aを動かないように固定することで、この無端ベルト29の1点29aを支点としてベルト29が回転し、ピストン駆動部26が針21bに近づくことによりピストン22が押し出される。これにより、シリンダー21の中の薬剤が外部に押し出される。
一方、ボタン31cが押された時には、ボタン31bが押された時と同様な動作が行われるが、モータ33のみ逆方向に回転する。これにより、ストッパ30から見て左右に配置されたベルト29の回転する方向が、左右で異なる。その結果、ピストン駆動部26が針21bから遠ざかることによりピストン22が引き出される。これにより、針21bが薬剤容器(図示せず)に挿入されている時には、シリンダー21の中に薬剤が吸引される。
この構成により、上述のボタン31b、31cの操作により簡単にピストン駆動部26を駆動したい方向に駆動させることができる。
また、図2に示すように、フレーム25は、側壁部25aの外側の側面25b(カバー部32に覆われて直接は見えない)に駆動プーリ28を挟んで少なくとも2つの案内プーリ27aを備えている。これにより、無端ベルト29を駆動する方向を2つの案内プーリ27aにより変えている。すなわち、シリンダー21の中心軸21aに沿った方向から中心軸21aに垂直な方向に変えた構成としている。
この構成により、無端ベルト29が一回転する長さがピストン駆動部26の位置にかかわらず変化しない。すなわち、無端ベルト29のうち、シリンダー21の中心軸21aに沿った方向に移動するベルトの長さは常に一定で、中心軸21aと垂直な方向に移動するベルトの長さも常に一定となる。したがって、ベルト29のテンションがピストン駆動部26の位置により変化することなく、また、無端ベルト29が従動プーリ27を介してピストン駆動部に加える力の向きが変化しないため、安定に動作できる。
次にシリンジ駆動装置20のピストン駆動部26の動作について具体的に説明する。図3(a)、(b)は本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置のピストン駆動部の動作を示す模式的な構成図である。
図3に示すように、無端ベルト29により結合された機構は、駆動プーリ28を有する固定部34とピストン駆動部26に固定して取り付けられた従動プーリ27を有する可動部35とで構成される。なお、無端ベルト29をロックするストッパ30は固定部に固定されている。
無端ベルト29は、駆動プーリ28により矢印28bの方向に駆動され、この動力は固定部34に取り付けられた案内プーリ27aにより無端ベルト29が駆動される方向を変えられて可動部35の従動プーリ27にも矢印の方向に伝達される。ストッパ30が解除された状態の時には、無端ベルト29は駆動プーリ28および従動プーリ27、案内プーリ27aに沿って空回りするので可動部35は動かない。したがって、ピストン駆動部26も動かない。また、この時にピストン駆動部にピストン往復方向へ力を加えると、無端ベルト29は空回りするので、手動でピストン駆動部26を所定の位置に移動させることができる。
図3(b)に示すように、ストッパ30が無端ベルト29を挟み、無端ベルト29の1点29aがストッパ30と共に固定部34に固定される。そうすると、このストッパ30で固定された1点29aが支点となり、駆動プーリ28の矢印28cの方向の動力により、無端ベルト29は矢印29bに示す方向に巻き取られる。1点29aはストッパ30によって固定部34に固定されているので、従動プーリ27が、1点29aを支点とする動滑車のように矢印35a方向へ動くので、この従動プーリ27と一体となったピストン駆動部26が矢印35aの方向に動く。また、駆動プーリ28により引き込まれた無端ベルト29は、ピストン駆動部26に固定されたもう一つの従動プーリ27方向へと送り出されるので、もう一つの従動プーリ27が矢印35bの方向に動くことを妨げることはなく、滑らかに動作する。これにより、ピストン駆動部26は、全体として矢印35cの方向に可動部35として移動する。
ここで、従動プーリ27は無端ベルト29を送り出すのに動滑車のように動くので、駆動プーリ28で引き込まれる無端ベルト29の1/2の速度で従動プーリ27は動く。すなわち、可動部35の動きは減速され、緩やかに動作させることができる。これにより、駆動プーリ28の駆動トルクを下げることができるとともに、薬剤の吸引や押し出し動作を緩やかに行うことができる。
また、図3はシリンジ駆動装置20の側面から見た機構を模式化したもので、機構の片面しか表示されていないが、図1に示すように、シリンジ駆動装置20は、シリンジ23の両側に無端ベルト29と駆動機構が構成されており、左右同期して動くよう構成されている。これにより、ピストン22の鍔部22aの作用点に対して、左右対称の力点が可動部35に設定されてモーメント荷重が打ち消される。その結果、ピストン駆動部26は、モータ33の動力が上述の機構によりロスなくスムーズに伝達される。したがって、モータ33のパワーを低く設定することができ、シリンジ駆動装置20を低消費電力化、小型化することができる。
また、可動部35の可動範囲は図3に示した動滑車状の動作原理により以下のようになる。まず、ピストンの押し出し動作については、図3(a)における後方側の従動プーリ27が後方側の案内プーリ27aのほぼ真上に至った時がピストンの押し出し動作の限界位置である。また、ピストンの引き出し動作については前述したピストンの押し出し動作の逆動作であるので、図3(a)における前方側の従動プーリ27が前方側の案内プーリ27aのほぼ真上に至った時がピストンの引き出し動作の限界位置となる。このように、可動部35の可動範囲は従動プーリ27、案内プーリ27aの配置によって決定される。
したがって、従動プーリ27の位置を前後に調整し、それに伴うベルト経路周長の変化を駆動プーリ28の位置を上下に移動させて吸収することにより、部品を交換することなく可動部35の可動範囲を調整することができる。これにより、シリンジ駆動装置20はそれぞれピストンの押し出し量が異なる複数サイズ、あるいは複数メーカーのシリンジについても柔軟に対応することが可能となる。すなわち、あらかじめシリンジ毎に案内プーリ27aの位置を設定しておき、ボタン操作やシリンジ認識により案内プーリ27aの位置を切り替え可能にしている。
また、案内プーリ27aの位置を前後に調整し、それに伴うベルト経路周長の変化を駆動プーリ28の位置を上下に移動させて吸収することによっても同様の効果を得ることができる。
また、従動プーリ27、案内プーリ27aそれぞれの位置を前後に調整し、それに伴うベルト経路周長の変化を駆動プーリ28の位置を上下に移動させて吸収することによっても同様の効果を得ることができる。
次に上述の機構を用いたシリンジ駆動装置20の動作について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるシリンジ駆動装置20の側面図で、(a)はピストン22を押し切った状態の側面図、(b)、(c)はピストン22により吸引している状態の側面図を示す。
図4(a)に示すように、シリンジ23をシリンジ駆動装置20のシリンダー保持部24に固定する。
次に針21bを薬剤容器(図示せず)に挿入して薬剤容器から薬剤をシリンジ23に吸引する。図4(b)に示すように、ストッパ30により無端ベルト29を挟んでフレーム25に固定し、ストッパ30よりも針21bに近い側の無短ベルト29を送り出すことにより、ピストン駆動部26を矢印35dの方向に移動させて、ピストン22を引き出している。これにより、シリンダー21の空間21cに薬剤を吸引する。
さらに、シリンダー21の空間21cに薬剤を所定の量だけ吸引するまで、矢印35dの方向にピストン22を引き続ける。これにより、ピストン駆動部26は、駆動プーリ28、従動プーリ27および案内プーリ27aと無端ベルト29により矢印35dの方向に移動させられる。薬剤容器から薬剤を所定の量だけ吸引すると、駆動プーリ28の駆動を停止させる。これにより、薬剤の吸引が完了する。
この後に、さらに別の薬剤を吸引するときには、薬剤容器を吸引したい薬剤容器に交換して、上述の動作を繰返す。また、シリンダー21に吸引した薬剤を輸液バッグ(図示せず)などに注入するときには、上述のピストン駆動部26の動作を逆に行って、輸液バッグなどに薬剤を注入する。
また、シリンダー21の空間21cに空気を残して吸引する場合に、薬剤容器から薬剤を吸引している途中で、薬剤容器の中が負圧となり、継続して吸引するのに大きい駆動力が必要となる場合がある。このような場合には、シリンジ駆動装置20と薬剤容器とを一体として針21bおよび薬剤容器を上部にシリンジ駆動装置20のフレーム25を下部にして、空間21cの空気を薬剤容器に押し出す。そのために、ピストン駆動部26を駆動する無端ベルト29の回転方向を逆転させて、空間21cの空気を薬剤容器に押し出して、薬剤容器の中の気体の圧力が負圧から大気圧に近い状態になるようにする。その後、無端ベルト29の回転を再び逆転させて、ピストン駆動部26によりピストン22が引かれ、再び薬剤容器から薬剤を吸引するようにしてもよい。
このように、本実施の形態1のシリンジ駆動装置20は、片手で動作することができ、簡単に姿勢の変更や位置の移動を行うことができるので、薬剤師や看護師などの人の作業負担を軽減することができる。すなわち、片手でシリンジ駆動装置20を持ち、もう一方の手で薬剤容器などを持って作業ができ、シリンジ23の操作はボタン操作だけで大きな力を必要としないので、薬剤師や看護師などの人の作業負担を大幅に軽減することができる。また、人の作業負担が大幅に減ることにより、シリンジ23を扱う作業を安全に確実に行うことができ、針刺しや薬剤の暴露などを防止することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるシリンジ駆動装置40の側面図で、(a)、(b)はピストン22により吸引している状態の側面図、(c)はピストン22を押し切った状態の側面図を示す。本実施の形態2のシリンジ駆動装置40は、実施の形態1のシリンジ駆動装置20と基本的な構成は同じであるので、異なる部分を中心に説明する。
図5に示すように、シリンジ駆動装置40は、シリンジ駆動装置20とは、固定部を構成するフレーム25に駆動プーリ28だけが固定されて、案内プーリ27aが配置されていないところが異なる。シリンジ駆動装置40の他の構成要素は、シリンジ駆動装置20と同様である。
シリンジ駆動装置40において、無端ベルト29は可動部であるピストン駆動部26の2つの従動プーリ27と固定部の駆動プーリ28との3つのプーリで回転される。したがって、図5に示すように、ピストン駆動部26の位置により、3つのプーリで形成される3角形状の周の長さがわずかに異なる。図5(a)に示す位置で無端ベルト29のテンションを最適に設定すると、図5(b)、(c)の位置では、無端ベルト29のテンションがやや張り気味となる。しかしながら、このようなテンションの差はわずかである。なお、このテンションの差を小さくするためには、駆動プーリ28を側面25bの上部、すなわち、ピストン駆動部26に近い位置に配置することが好ましい。
一方、シリンジ駆動装置20に比べて、シリンジ駆動装置40は案内プーリ27aが不要であるので、少ない部品点数で構成することができる。したがって、シリンジ駆動装置40は、さらに小型化、低コスト化ができる。
図6は、図5と同様な本発明の実施の形態2におけるシリンジ駆動装置50の側面図である。図6のシリンジ駆動装置50は、図5のシリンジ駆動装置40と異なり、ベルト駆動機構を備えた駆動装置でよく用いられるテンショナ51、52を配置している。フレーム25およびシリンダー保持部24に対してピストン駆動部26の位置が変わると、ベルト29のテンションが、図6の駆動プーリ28の左右で僅かに異なる。このようなテンションの差で無端ベルト29が、僅かに緩むのを防ぐために駆動プーリ28の左右に一対のテンショナ51、52を配置している。このテンショナが、一定の圧力で無端ベルト29を付勢することにより、緩みを防いでいる。さらに、ピストン駆動部26が移動するに連れて、無端ベルト29の移動する経路の長さが変わるが、テンショナ51、52が円弧状の軌道で無端ベルト29を付勢して追随する。これにより、無端ベルト29が僅かに緩むこともなく、駆動プーリ28の駆動力が効率よくピストン駆動部26に伝達され、ピストン駆動部26が移動する。
実施の形態2も実施の形態1と同じく動滑車状の動作原理である。そのため、実施の形態2における可動部の可動範囲は以下のようになる。まず、送り出し動作については、後方側の従動プーリ27が駆動プーリ28のほぼ真上に至った時が、送り出し動作の限界位置である。また、吸引動作については前述した送り出し動作の逆動作であるので、前方側の従動プーリ27が駆動プーリ28のほぼ真上に至った時が、吸引動作の限界位置となる。このように、可動部35の可動範囲は従動プーリ27の配置によって決定される。
したがって、実施の形態1と同様、従動プーリ27の位置を前後に調整し、それに伴うベルト経路周長の変化を駆動プーリ28の位置を上下に移動させて吸収することにより、部品を交換することなく可動部35の可動範囲を調整することができる。これにより、シリンジ駆動装置40はそれぞれピストンの押し込み量が異なる複数サイズ、あるいは複数メーカーのシリンジについても柔軟に対応することが可能となる。
次にシリンジ駆動装置40の動作について具体的に説明する。基本的な動作は、図4に示すシリンジ駆動装置20と同じである。
図5(a)に示すように、シリンジ23をシリンダー保持部24に固定する。
図5(b)は、針21bを薬剤容器に挿入して、薬剤容器から薬剤をシリンジ23に吸引していることを示す。図5(b)に示すように、ストッパ30により無端ベルト29を挟んでフレーム25に固定し、ストッパ30よりも針21bに近い側の無端ベルト29を送り出すことにより、ピストン駆動部26を矢印35dの方向に移動させて、ピストン22を引き出している。そして、シリンダー21の空間21cに薬剤を所定の量だけ吸引するまで、矢印35dの方向にピストン22を引き続ける。これにより、ピストン駆動部26は、駆動プーリ28および従動プーリ27と無端ベルト29により矢印35dの方向に移動させられる。薬剤容器から薬剤を所定の量だけ吸引すると、駆動プーリ28の駆動を停止させる。これにより、薬剤の吸引が完了する。
この後に、さらに別の薬剤を吸引するときには、薬剤容器を吸引したい薬剤容器に交換して、上述の動作を繰返す。また、シリンダー21に吸引した薬剤を輸液バッグ(図示せず)などに注入するときには、上述のピストン駆動部26の動作を逆に行って、輸液バッグなどに薬剤を注入する。
そして、このようにシリンジ23に吸引した薬剤を、図5(c)に示すように、ピストン駆動部26を矢印35eの方向へ駆動することにより、輸液バッグなどに注入する。
このように、本実施の形態2のシリンジ駆動装置40も、片手で動作することができ、簡単に姿勢の変更や位置の移動を行うことができる。また、片手でシリンジ駆動装置40を持ち、もう一方の手で薬剤容器などを持って作業ができ、シリンジ23の操作はボタン操作だけで大きな力を必要としない。これにより、薬剤師や看護師などの人の作業負担を大幅に軽減することができる。また、人の作業負担が大幅に減ることにより、シリンジ23を扱う作業を安全に確実に行うことができ、針刺しや薬剤の暴露などを防止することができる。
本発明のシリンジ駆動装置によれば、大きな片方向モーメント荷重が発生せず、小型化ができるシリンジ駆動装置を実現することができる。また、薬剤容器やシリンジの扱いに熟練を要することなく薬剤容器とシリンジとを簡単に安全に取り扱うことができる。したがって、病院などで薬剤師や看護師などの人の作業負担を大幅に軽減することができ作業の安全性も向上するので、有用である。
20,40,50 シリンジ駆動装置
21 シリンダー
21a 中心軸
21b 針
21c 空間
22 ピストン
22a 鍔部
23 シリンジ
24 シリンダー保持部
25 フレーム
25a 側壁部
25b 側面
26 ピストン駆動部
26a ピストン保持部
26b 側部
26c 側面
27 従動プーリ
27a 案内プーリ
27b,28b,28c,29b,35a,35b,35c,35d,35e 矢印
28 駆動プーリ
28a 主軸
29 無端ベルト
29a 1点
30 ストッパ
31 握り手部
31a 上面
31b,31c ボタン
32 カバー部
33 モータ
34 固定部
35 可動部
51,52 テンショナ

Claims (6)

  1. シリンダーとピストンとから構成されるシリンジを駆動させるためのシリンジ駆動装置であって、
    前記シリンダーを保持するシリンダー保持部と、前記シリンダー保持部を挟んだ両側の側壁部の側面に配置されたモータに連結された駆動プーリと、を有するフレームと、
    前記ピストンの鍔部を保持するピストン保持部と、前記ピストン保持部に接続され前記シリンダーを挟んだ両側の側部の側面に配置された少なくとも2つの従動プーリと、を有し、前記ピストンを前記シリンダーの中心軸の方向に駆動させるピストン駆動部と、
    両側の前記駆動プーリおよび前記2つの従動プーリに架けられた2つの無端ベルトと、
    前記2つの従動プーリの間の無端ベルトの少なくとも1点を前記フレームに対して固定するストッパと、を備えた、
    シリンジ駆動装置。
  2. 前記ストッパは、前記無端ベルトを挟む、または、解除するという2形態動作を行う、
    請求項1に記載のシリンジ駆動装置。
  3. 2つの前記ストッパが、前記側壁部の側面の両側に対称に配置された、
    請求項2に記載のシリンジ駆動装置。
  4. 前記少なくとも2つの従動プーリは、前記無端ベルトの駆動方向が変わる位置に設けられた、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のシリンジ駆動装置。
  5. 前記2つの従動プーリは、前記無端ベルトの駆動方向がシリンダーの中心軸へ沿った方向へと変わる位置に設けられた、
    請求項4に記載のシリンジ駆動装置
  6. 前記シリンダー保持部の下方に設けた握り手部と、
    前記駆動プーリおよび前記従動プーリおよび前記無端ベルトが収納されたカバー部と、を備えた、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のシリンジ駆動装置。
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