JP2011097797A - ループ系統の保護システム - Google Patents

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Akinori Nishi
昭憲 西
Kenichi Tanomura
顕一 田能村
Masao Hori
政夫 堀
Kazunobu Fukuda
和宜 福田
Kenjiro Mori
健二郎 森
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Abstract

【課題】配電線をループ系統構成にした場合のループ構成配電線や一般需要家あるいはループ構成外の事故のときであっても大口需要家に電力供給を継続可能とすることである。
【解決手段】変電所11から引き出された配電線の短絡事故、地絡事故、過負荷状態を判定し変電所の遮断器を開閉制御するフィーダ保護装置15と、ループ系統のループ点に設けられた計器用変成器17から電気量を得てループ系統の事故及び健全性を判定しループ系統のループ点遮断器を開閉制御するループ点保護装置16とを備え、ループ点保護装置16は、ループ系統内の配電線の短絡事故は瞬時に、地絡事故は所定時限後にループ点遮断器CB2を開放し、ループ点遮断器CB2を開放した後にループ系統内の配電線が健全であることを検出したときはループ点遮断器CB2を所定時限後に再投入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の高圧配電線により大口需要家への電力を供給するループ構成高圧配電線を保護するループ系統の保護システムに関するものである。
配電系統をループ化して需要家への電力を供給するループ構成高圧配電線は、これまで余り実用化されていないが、最近では配電線の送電容量の限度を越えた大口需要家への供給ニーズ、あるいは分散電源の設置によって需要変動による電圧の安定性への対応のため、配電系統のループ化が要求されてきている。
配電系統をループ系統とした場合には、ループ系統事故時にループ点における事故回線選択が重要になる。配電線の保護は配電用変電所(以下変電所と称する)のフィーダ保護装置と一般需要家の保護装置とがあり、ループ構成した場合にはループ点遮断器の近傍にループ点保護装置を設置することになる。
配電線が放射状の場合は、変電所のフィーダ保護装置は一般需要家の保護装置との協調を考慮すればよく、時間と感度の協調が取り易い。一方、配電線をループ構成とすると、ループ点保護装置は、変電所の保護装置と一般需要家の保護装置との中間的な感度と動作時間を要求され、変電所の保護装置の動作時間が遅延することを許容しなければ、協調を取ることが難しくなる。配電線の事故や過負荷はその設備保全の観点から事故除去時間、過負荷許容時間が決められており、変電所のフィーダ保護装置の動作時間を遅延することができない場合が多い。この回線選択が変電所側のフィーダ保護装置が動作する前に的確に行えない場合は、電源である変電所側でループ回線が全て遮断され、ループ系統で受電していた需要家が停電する。
また、配電系統をループ構成とすると、ループ系統に配電線の各相インピーダンスの不平衡による零相環流電流が流れ、変電所のフィーダ保護装置に設置されている地絡方向リレーの動作を阻害し、事故回線の選択が誤ってしまうことが生じる。さらに、ループ点の電気量のみを使用したループ点保護装置は、ループを構成した配電線の変電所近傍の事故はいずれの配電線の事故か識別できず、またループ系統構成外の配電線の事故もループ点に零相還流電流が流れていると、ループ点では事故点を識別できない。このように、複数の配電線を用いてループ系統を構成する場合は、配電線の各相インピーダンスの不平衡によって負荷電流に起因する零相環流電流がループ系統に流れ、変電所の保護装置である地絡方向リレーの不正動作を招くことがある。
このループ系統を保護するものとして、樹枝状運用とループ運用とを選択可能な配電系統において短絡が発生した時に配電線を保護するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、ループシステムの保護装置として、事故を検出した場合は直ちにループ点を開放し放射状に戻して事故回線を限定するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−254369号公報 特開2007−209151号公報
しかし、特許文献1のものは短絡事故を検出ものであり、樹枝状の配電線とループ系統構成した配電線とで系統構成に応じて変電所での事故検出遮断方式を変更するものであることから、ループ点を遮断できないため、やはりループ系統全体が停電してしまう。ループ系統の場合はループ点での事故検出遮断が変電所のフィーダ保護装置と協調を取って適切に行われれば、変電所の保護装置を変更する必要はない。
また、特許文献2のものは、ループ構成により大口需要家へ安定して電力供給するものとはなりえない。すなわち、大口需要家の電力供給はループを開放し放射状にすると、いずれかの回線の過負荷を招き、変電所側で健全回線が過負荷による遮断が行われ、大口需要家が停電してしまう。したがって、ループを構成する配電線以外の事故、例えば、ループ構成系統の中の一般需要家構内事故や、ループを構成しない他の配電線の事故などでループ点が開放されると大口需要家は停電を余儀なくされる。
例えば、図11に示すように、変電所11からの遮断器CB1を介した一般配電線である配電線12Aと、遮断器CB3を介した準専用線である配電線12Bとを、ループ点遮断器CB2及び開閉器SW4を介してループ系統のループ配電線13でループ系統構成とし、大口需要家14へ電力供給しているとする。この状態でループ系統外部で事故が発生し、ループ点のループ点遮断器CB2が開放したとすると、配電線12B側が単独で大口需要家14へ電力を供給することとなる。そうすると、配電線12B側が過負荷になって、変電所11の保護装置である過負荷リレーにより遮断されてしまうという問題がある。
このように、ループ点が開放されると、放射状となった配電線12Bに過負荷が生じる可能性があり、ループ系統以外の事故でも変電所での過負荷による遮断を防止できないことがある。
本発明の目的は、配電線をループ系統構成にした場合のループ構成配電線や一般需要家あるいはループ構成外の事故のときであっても大口需要家に電力供給を継続できるループ系統の保護システムを提供することである。
本発明に係るループ系統の保護システムは、変電所から引き出された配電線をループに構成し、ループ系統のループ配電線から大口需要家へ電力を供給するループ系統の保護システムにおいて、前記変電所から引き出された前記配電線の短絡事故、地絡事故、過負荷状態を判定し前記変電所の遮断器を開閉制御するフィーダ保護装置と、前記ループ系統のループ点に設けられた計器用変成器から電気量を得て前記ループ系統の事故及び健全性を判定し前記ループ系統のループ点遮断器を開閉制御するループ点保護装置とを備え、前記ループ点保護装置は、前記ループ系統内の配電線の短絡事故は瞬時に、地絡事故は所定時限後に前記ループ点遮断器を開放するループ系統事故検出手段と、前記ループ系統事故検出手段により前記ループ点遮断器を開放した後に前記ループ系統内の配電線が健全であることを検出したときは前記ループ点遮断器を所定時限後に再投入するループ系統再投入手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、配電線をループ系統構成にした場合のループ構成配電線や一般需要家あるいはループ構成外の事故のときであっても大口需要家に電力供給を継続できる。
本発明の実施の形態に係わるループ系統の保護システムの構成図。 本発明の実施の形態におけるフィーダ保護装置の一例を示す構成図。 本発明の実施の形態におけるループ点保護装置の機能構成の一例を示す構成図。 本発明の実施の形態におけるループ点保護装置のループ系統事故検出手段の詳細構成の一例を示す構成図。 本発明の実施の形態におけるループ点保護装置のループ系統再投入手段の詳細構成の一例を示す構成図。 ループ系統の配電線の各相インピーダンスの不平衡によって負荷電流に起因する零相環流電流が流れている場合の説明図。 本発明の実施の形態におけるループ点保護装置16の他の一例の説明図 本発明の実施の形態におけるフィーダ保護装置の他の一例の構成図。 ループ系統の配電線において変電所の近傍の事故点Fで地絡事故が発生した場合のループ系統の構成図。 事故発生前にループ系統に流れる零相還流電流を考慮したループ点保護装置の動作内容を示すフローチャート。 従来例による大口需要家への電力供給のためのループ系統の保護システムの構成図。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わるループ系統の保護システムの構成図である。図1に示すように、変電所11から遮断器CB1を介して一般配電線の配電線12Aが引き出され、同様に、遮断器CB3を介して準専用線の配電線12Bが引き出され、ループ点遮断器CB2を介してループ配電線13にてループ系統が構成されている。
配電線12Aには複数の区分開閉器SWが負荷に応じて設けられている。
配電線12Bは大口需要家14への負荷の大半を負担する準専用配電線であり、ループ点には開閉器SW4が設けられている。また大口需要家14には地絡保護機能付の開閉器PASが設けられ、供給者と需要家の区分を示している。
変電所11にはフィーダ保護装置15が設けられ、ループ配電線13のループ点にはループ点保護装置16が設けられ、ループ点保護装置16には各種の計器用変成器17で検出された電気量が入力されている。計器用変成器17は電流変成器CTA、CTBや電圧変成器VTA、VTBなどである。
図2はフィーダ保護装置15の一例を示す構成図である。フィーダ保護装置15は、短絡事故を検出する過電流リレーS−OC1、過負荷を検出する過電流リレーS−OC2、地絡事故を検出する地絡方向リレーDGRを有している。例えば、過電流リレーS−OC1は、動作時限Ts1が0.2秒で動作電流値Is1が1440Aであり、過電流リレーS−OC2は、動作時限Ts2が0.5秒で動作電流値Is2が720Aであり、地絡方向リレーDGRは、動作時限Tdが0.9秒である。過電流リレーS−OC1、過電流リレーS−OC2、地絡方向リレーDGRは、これらの動作条件を満たしたときに、遮断器CB1、CB3を開放する指令を出力する。
図3は本発明の実施の形態におけるループ点保護装置16の機能構成の一例を示す構成図である。ループ点保護装置16は、ループ系統事故検出手段18及びループ系統再投入手段19を有する。ループ系統事故検出手段18は、ループ系統内の配電線の短絡事故を検出するループ系統短絡事故検出手段20と、ループ系統内の地絡事故を検出するループ系統地絡事故検出手段21とを有し、ループ系統短絡事故検出手段20が短絡事故を検出したときは瞬時にループ点遮断器CB2を開放し、ループ系統地絡事故検出手段21が地絡事故を検出したときは、所定時限Tg後にループ点遮断器CB2を開放するループ点遮断指令FDを出力する。
一方、ループ系統再投入手段19は、ループ系統健全性確認手段22を有し、ループ系統事故検出手段18によりループ点遮断器CB2を開放した後に、ループ系統内の配電線が健全であることを検出したときは、ループ系統健全性確認手段22は、ループ点遮断器CB2を所定時限Ti後に再投入するループ点投入指令RECを出力する。
すなわち、ループ系統事故検出手段18は、ループ系統の短絡事故時は瞬時に、地絡事故時は変電所11のフィーダ保護装置15の事故検出リレーと協調を取った時限Tgでループ点遮断器CB2を遮断するものである。この時限協調については後述する。
また、ループ系統再投入手段19のループ系統健全性確認手段22はループ点遮断器CB2を開放した後、ループ系統を構成する配電線12A、12Bが健全であることを所定時間Tiの間において確認してループ点遮断器CB2を再投入するものである。
図4はループ点保護装置16のループ系統事故検出手段18の詳細構成の一例を示す構成図である。ループ系統事故検出手段18のループ系統短絡事故検出手段20は、ループ点に流れた過電流で動作する過電流リレーOC1で構成され、ループ配電線13の過負荷を過電流リレーOC2で検出する。また、ループ系統事故検出手段18のループ系統地絡事故検出手段21は、零相電圧で動作する地絡過電圧リレーOVG及び零相電流で動作する地絡過電流リレーOCGで構成される。
ループ配電線13に短絡事故が発生した場合は、過電流リレーOC1により瞬時にループ点遮断指令FDを出力しループ点遮断器CB2を遮断する。すなわち、過電流リレーOC1は、図2に示す変電所のフィーダ保護装置15の過電流リレーS−OC1より高感度な整定を行っている。一方、ループ配電線13に地絡事故が発生した場合は、地絡過電圧リレーOVGの出力と地絡過電流リレーOCGの出力とのアンド条件によりループ点遮断指令FDを出力する。すなわち、地絡過電圧リレーOVGの感度及び地絡過電流リレーOCGの感度は、変電所のフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度より高感度とし、地絡方向リレーDGRの時限(Td=0.9秒)より速く動作するように協調を取った時限(Tg1=0.7秒、Tg2=0.1秒)でループ点遮断器CB2を遮断する
また、過負荷検出用の過電流リレーOC2は、配電線12A、12Bの過負荷時に両回線とも遮断しないように、変電所のフィーダ保護装置15の過負荷検出用の過電流リレーS−OC2より高感度とし、過電流リレーOC2の時限(To2=0.2秒)はフィーダ保護装置15の過負荷検出用の過電流リレーS−OC2の時限(Ts2=0.5秒)より短くしている。
図5はループ点保護装置16のループ系統再投入手段19の詳細構成の一例を示す構成図である。ループ系統再投入手段19のループ系統健全性確認手段22は、配電線12Aの電圧を検出する不足電圧検出リレーUVR−A、配電線12Bの電圧を検出する不足電圧検出リレーUVR−B、配電線12Aの零相電圧で動作する地絡過電圧リレーOVG−A、配電線12Bの零相電圧で動作する地絡過電圧リレーOVG−Bとを有する。
不足電圧検出リレーUVR−A、UVR−Bで配電線12A、12Bの電圧が回復したことを検出し、地絡過電圧リレーOVG−A、OVG−Bで配電線12A、12Bに零相電圧が発生していないことを検出する。また、ループ展開法の条件は、ループ点遮断器CB2が遮断された状態であること、または開放しているという状態であることの条件であるが必ずしも必要ではない。
つまり、ループ点投入指令RECは、配電線12A、12Bの電圧が健全となってから所定時間Tivの経過後、かつ地絡事故は無い状態(零相電圧が所定値以下の状態)となってから所定時間Tigの経過後に出力され、ループ点遮断器CB2は投入される。なお、以上の説明では、配電線12A、12Bの電圧がそれぞれ回復したときを条件としたが、配電線12Aの電圧と配電線12Bの電圧との差分が一定値以下の場合に、配電線12A、12Bの電圧は健全と判定するようにしてもよい。
次にループ系統内の一般需要家構内で短絡事故や地絡事故が生じた場合を考える。いま、配電線12Aのループ点近傍の一般需要家構内で短絡事故が生じたとする。この場合、変電所11のフィーダ保護装置15の過電流リレーS−OC1は、一般需要家構内の保護リレーと協調を取っているので動作しない。ループ点におけるループ点保護装置16の過電流リレーOC1は、一般需要家構内の保護リレーより遅く、変電所の過電流リレーS−OC1より早い動作時間が要求されるが、高速の事故除去が要求される短絡事故でありこの協調は難しい場合が多い。
そこで、ループ点保護装置16の過電流リレーOC1は、フィーダ保護装置15の過電流リレーS−OC1との協調を取ることとし、需要家構内の保護リレーとの協調は考えない整定とする。このようにすると、一般需要家の事故時にループ点保護装置16の過電流リレーOC1も一般需要家構内の保護リレーと同時に動作し、ループ点遮断器CB2を開放する。
短絡事故は需要家構内の保護リレーで除去されるが、ループ点は開放される。このままにしておくと、配電線12Bが過負荷となることがある。配電線12Bが過負荷となると、変電所11の配電線12Bのフィーダ保護装置15の過電流リレーS−OC2が動作し、過負荷遮断して大口需要家14を停電させてしまうことになる。
このため、ループ点遮断器CB2の開放後に、ループ系統を構成する配電線12A、12Bの電圧が健全であり、かつ、地絡事故が発生していないという条件の成立で、ループ点保護装置16のループ系統再投入手段19により、ループ点遮断器CB2へ再投入指令を与えループ系統を再構築する。ループ点遮断器CB2が再投入されると、配電線12Bの過負荷が解消し変電所11のフィーダ保護装置15の過負荷検出リレーS−OC2が復帰し、大口需要家14へ安定して電力を供給できるようになる。
一方、一般需要家構内の地絡事故の場合は、需要家構内の地絡保護リレーの動作とループ点保護装置16の地絡過電流リレーOCGの動作時間は地絡過電圧リレーOVGによる時限Tgを持った協調が取られており、需要家構内の保護リレーにより事故除去されて、ループ点保護装置16によるループ点遮断器CB2の開放はない。
次にループ系統外の配電線の短絡事故や地絡事故が生じた場合を考える。ループ系統外の短絡事故の場合は、フィーダ保護装置15及びループ点保護装置16は何れも不動作であり、ループ系統外の事故回線の保護装置により事故除去されてループ系統は健全のままである。一方、地絡事故の場合は、ループ構成したことにより零相還流電流Iothの有無により事故除去が変わる。零相還流電流Iothが無い場合、あるいはフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度以下の場合は、短絡事故の場合と同じで、事故回線の保護装置で事故除去されてループ系統は健全である。
図6はループ系統の配電線の各相インピーダンスの不平衡によって負荷電流に起因する零相環流電流Iothが流れている場合の説明図である。
ループ系統に零相還流電流Iothが流れていると、フィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRが方向誤認する。このため、フィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの動作以前にループ点を開放し、地絡方向リレーDGRの動作を復帰させる必要がある。ループ点保護装置16の地絡過電圧リレーOVGは、図4に示すように時限Tg1を持ち、この時限Tg1は変電所の地絡方向リレーDGRの時限Tdと協調が取られている。
ループ系統外の事故配電線の遮断はフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの時限Tdと同じ時限で遮断されるが、それ以前に時限Tg1でループ点が地絡過電圧リレーOVGの出力と地絡過電流リレーOCGの出力とのアンド条件により開放され、大口需要家14の負荷により配電線12Bが過負荷となる。
事故回線の事故除去は地絡方向リレーDGRの時限Tg1後であり、その後、図5に示すループ系統再投入手段19によりループ点遮断器CB2の再投入を行う。ループ点が再投入されると過負荷が解消しフィーダ保護装置15の過負荷検出リレーS−OC2が復帰する。
以上のように、事故によりループ点が遮断された後、ループ系統が健全であることを確認してループ点を再投入することにより、大口需要家14への電力供給が継続できる。
次に、図7はループ点保護装置16の他の一例の説明図である。この一例は、図3に示したループ点保護装置16に対し、ループ点開放後のループ構成の配電線が大口需要家の負荷状態により過負荷になるか否かの配電線過負荷判定条件23を追加して設けたものである。図3と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
ループ点保護装置16のループ系統再投入手段19には、ループ点開放後のループ構成の配電線が大口需要家の負荷状態により過負荷になるか否かの配電線過負荷判定条件23が設けられている。大口需要家の負荷量(電流値)を検出し、大口需要家の負荷量がループ点開放後の配電線12Bの許容電流以上であるかどうかを判定し、この配電線過負荷判定条件23を満たしているときは、ループ点遮断器CB2の投入を許可し、この配電線過負荷判定条件23を満たしていないときはループ点遮断器CB2の投入を阻止する。
図3に示したループ点保護装置16では、ループ系統内に事故が発生したときはループ点保護装置16のループ系統事故検出手段18によりループ点遮断器CB2が開放し、その後に、ループ系統が健全であるときは、ループ点保護装置16のループ系統再投入手段19により再投入を行うが、ループ点遮断器CB2を開放した状態で配電線12Bが過負荷にならない場合には、ループ点遮断器CB2の再投入は不要である。
そこで、ループ点保護装置16のループ系統再投入手段19は、ループ点開放後のループ構成の配電線12Bが大口需要家14の負荷状態により過負荷にならないときには、ループ点遮断器CB2の再投入をしないこととし、過負荷になるときには、ループ点遮断器CB2を所定時限Ti後に再投入する。
大口需要家の負荷電流計測は、例えば、大口需要家14の引込み線に電流変成器を設置してこの出力から容易に得ることができる。また配電線12Bの許容電流は線種が決まれば自動的に決まる。この許容電流と大口需要家の負荷電流との比較で、再投入が必要かどうかの判定を行う。これにより、ループ点遮断器CB2の不要な開閉操作を抑制できる。
次に、フィーダ保護装置15の他の一例を説明する。図8はフィーダ保護装置15の他の一例の構成図である。図2に示したフィーダ保護装置15に対し、地絡方向リレーDGRの詳細構成を示しており、地絡過電圧リレーOVG(時限Td1)及び地絡過電流リレーOCG(時限Td2)を設けたものである。そして、フィーダ保護装置15及びループ点保護装置16の地絡検出時間をそれぞれに設けた地絡過電圧リレーOCRの時限協調を取ることによって、ループ系統内の地絡事故時の事故除去時間を遅延させないようにしたものである。
図4及び図8において、図4に示したループ点保護装置16の地絡過電圧リレーOVG(時限Tg1)が、図8に示したフィーダ保護装置15の地絡過電圧リレーOVG(時限Td1)より先に動作するように、ループ点保護装置16の地絡過電圧リレーOVGの時限Tg1を0.7秒とし、フィーダ保護装置15の地絡過電圧リレーOVGの時限Td1を0.9秒として時限協調を図っている。
図9はループ系統の配電線において変電所11の近傍の事故点Fで地絡事故が発生した場合のループ系統の構成図である。図9の事故点Fで地絡が発生したとすると、ループ系統に零相還流電流Iothが流れる。これにより、図4に示したループ点保護装置16の地絡過電圧リレーOVG(時限Tg1)及び地絡過電流リレーOCG(時限Tg2)が応動し時限Tg1、Tg2が起動されることになり、時限Tg1(=0.7秒)でループ点遮断器CB2が開放される。
ここで、図2に示すフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRが零相還流電流Iothを感知せず不動作の場合には、その時限Tdは起動されない。すなわち、図2に示す地絡方向リレーDGRによる時限起動方式では、ループ点遮断器CB2が開放された状態となって初めて事故回線の地絡方向リレーDGRの動作により時限が起動されることになる。
この場合、地絡方向リレーDGRの事故除去時間は、ループ点遮断器CB2が開放されるまでの時間(図4では0.7秒)に、地絡方向リレーDGRによる動作時間(図2では0.9秒)を加算した時間となり、地絡事故除去時間が1秒以上に遅延する。
そこで、これを防止するため、フィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの時限を地絡過電圧(地絡過電圧リレーOVG)による起動方式とすれば、変電所地絡方向リレーDGRの動作に関係なく時限が起動されており、事故除去時間の遅延が少なくて済む。すなわち、事故除去時間はループ点開放時間(図8では0.7秒)に関係なく地絡方向リレーDGRによる動作時間(図8では0.9秒)となる。
次に、配電線の各相インピーダンスの不平衡によって負荷電流に起因する零相環流電流を考慮したループ点保護装置16の動作について説明する。図10は、事故発生前にループ系統に流れる零相還流電流Iothを考慮したループ点保護装置16の動作内容を示すフローチャートである。
ループ点保護装置16は、予め事故発生前のループ系統に流れる零相還流電流Iothを検出し(S1)、その事故発生前の零相還流電流Iothがフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度以下であるかどうかを判定する(S2)。そして、地絡事故を検出したときは、事故発生前の零相還流電流Iothがフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度以下の場合と、大きい場合とに場合分けして処理を行う。
まず、事故発生前の零相還流電流Iothがフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度以下の場合に、地絡事故を検出したときは(S3)、地絡事故時にループ点に流れる零相電流IoFの大きさがループ構成内の事故判定零相電流レベルIoKより大きいか否かを判定する(S4)。
地絡事故時にループ点に流れる零相電流IoFの大きさが事故判定零相電流レベルIoKを超えるときはループ系統内の事故であるので、ループ構成内事故と判定されたときのループ点遮断協調時限Tkiが経過したかどうかを判定し(S5)、ループ点遮断協調時限Tkiが経過したときはループ点を遮断する(S6)。
ステップS4の判定で地絡事故時に流れる零相電流IoFの大きさが事故判定零相電流レベルIoK以下であれば、ループ系統外の事故か変電所近傍の事故であるので、フィーダ保護装置15の地絡方向リレーとの協調用時限Tkoを経過したかどうかを判定し(S7)、協調用時限Tkoを経過したときはループ点を開放せずに処理を終了する。
一方、事故発生前の零相還流電流Iothがフィーダ保護装置15の地絡方向リレーDGRの感度より大きい場合に、地絡事故を検出したときは(S8)、地絡事故前後のループ点の零相電流変化分ΔIoFが事故判定零相電流変化分レベルΔIoKより大きいか否かを判定する(S9)。
地絡事故時にループ点に流れる零相電流変化分ΔIoFの大きさが事故判定零相電流変化分レベルΔIoKを超えるときはループ系統内の事故であるので、ループ構成内事故と判定されたときのループ点遮断協調時限Tkiが経過したかどうかを判定し(S10)、ループ点遮断協調時限Tkiが経過したときはループ点を遮断する(S6)。
ステップS9の判定で地絡事故時に流れる零相電流変化分ΔIoFの大きさが事故判定零相電流変化分レベルΔIoK以下であれば、ループ系統外の事故か変電所近傍の事故であるので、フィーダ保護装置15の地絡方向リレーとの協調用時限Tkoを経過したかどうかを判定し(S11)、協調用時限Tkoを経過したときはループ点を開放せずに処理を終了する。
このように、地絡事故発生から一定時間後にループ点を開放してフィーダ保護装置15の地絡方向リレーの不要動作を防止し、さらに、ループ系統外の事故のときはループ点を再投入するものである。
本発明の実施の形態によれば、高圧配電線を複数のループ構成とし、ループ点の事故による開放をループ系統の健全性を確認し、高速に再投入することによって、高圧配電線として従来から制約のあった需要家負荷容量を大幅に大きくした系統構成が実現できる。
11…変電所、12…配電線、13…ループ配電線、14…大口需要家、15…フィーダ保護装置、16…ループ点保護装置、17…計器用変成器、18…ループ系統事故検出手段、19…ループ系統再投入手段、20…ループ系統短絡事故検出手段、21…ループ系統地絡事故検出手段、22…ループ系統健全性確認手段、23…配電線過負荷判定条件

Claims (4)

  1. 変電所から引き出された配電線をループに構成し、ループ系統のループ配電線から大口需要家へ電力を供給するループ系統の保護システムにおいて、
    前記変電所から引き出された前記配電線の短絡事故、地絡事故、過負荷状態を判定し前記変電所の遮断器を開閉制御するフィーダ保護装置と、
    前記ループ系統のループ点に設けられた計器用変成器から電気量を得て前記ループ系統の事故及び健全性を判定し前記ループ系統のループ点遮断器を開閉制御するループ点保護装置とを備え、
    前記ループ点保護装置は、前記ループ系統内の配電線の短絡事故は瞬時に、地絡事故は所定時限後に前記ループ点遮断器を開放するループ系統事故検出手段と、
    前記ループ系統事故検出手段により前記ループ点遮断器を開放した後に前記ループ系統内の配電線が健全であることを検出したときは前記ループ点遮断器を所定時限後に再投入するループ系統再投入手段とを備えたことを特徴とするループ系統の保護システム。
  2. 前記ループ系統再投入手段は、ループ点開放後のループ構成の配電線が前記大口需要家の負荷状態により過負荷になるか否かを判定し、過負荷になるときに前記ループ点遮断器を所定時限後に再投入することを特徴とする請求項1記載のループ系統の保護システム。
  3. 前記ループ点保護装置の地絡過電圧リレーが前記フィーダ保護装置の地絡過電圧リレーより先に動作するように、前記ループ点保護装置の地絡過電圧リレー及び前記フィーダ保護装置の地絡過電圧リレーの動作時限の時限協調を取ったことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のループ系統の保護システム。
  4. 前記ループ点保護装置は、事故発生前の零相還流電流の大きさと事故発生時のループ点の零相電流との大きさに基づいて前記ループ点遮断器の開閉制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のループ系統の保護システム。
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