JP2007236059A - 電力系統の保護継電システム、電力系統の保護方法 - Google Patents

電力系統の保護継電システム、電力系統の保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な仕組みでコストをかけずに電力系統を適切に保護する。
【解決手段】発電機の第1の電圧を変圧器の一次巻線に印加して当該変圧器の二次巻線から当該第1の電圧を変換した第2の電圧を取り出し、当該取り出した第2の電圧を遮断器を介して送電する電気所に配設された電力系統の保護継電システムにおいて、前記一次巻線に印加された前記第1の電圧を検出する第1の電圧変成器と、前記二次巻線から取り出された前記第2の電圧を検出する第2の電圧変成器と、前記第1の電圧変成器において検出された前記第1の電圧と、前記第2の電圧変成器において検出された前記第2の電圧との電位差が所定の閾値を超える場合に前記遮断器をトリップさせる保護継電装置と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統の保護継電システム、電力系統の保護方法に関する。
電力系統は、発電所、変電所、開閉所、変換所(以下、「電気所」という。)、送電線及び需要家の負荷を有機的に連系し、発電所において発生した電力を最終的に需要家の負荷に供給するためのシステムである。
尚、所定の需要家の負荷をまかなう電力系統は、電力の安定供給等の観点から、単独系統とはされず、遠隔地にある小水力発電所等の電力系統と連系される場合や、他電力会社の電力系統と広域連系される場合がある等、多連系の実施態様となる。また、最近では、電力自由化の進展に伴い、大口需要家が配設した小型の自家用発電設備、いわゆる分散型電源が系統連系される場合もある。
ところで、電気所には、かかる電力系統において短絡事故や地絡事故等の発生に起因して過電流や不足電圧等の異常現象が出現する場合を想定し、一般的には、外部事故等による異常現象の侵入防止や自己の異常現象の拡散防止のために、いわゆる保護継電装置が設けられる。
保護継電装置は、例えば、系統電圧が設定レベルより低下した場合に遮断器等をトリップさせる不足電圧リレーUV(Under Voltage)、系統電流が設定量を越えた場合に遮断器等をトリップさせる過電流リレーOC(Over Current)、及び地絡事故時の過電圧を検出して遮断器等をトリップさせる地絡過電圧リレーOVG(Over Voltage Grand)や、その他、周波数リレー、方向リレー、距離リレー等、様々なタイプがあり、実際上、複数種のリレーが組み合わされてシステム構築される。
図5は、従来の保護継電装置が配設された大容量の電気所Aと小容量の電気所Bが連系された電力系統を示す図である(例えば、以下に示す特許文献1を参照)。尚、電気所Aは、電力会社の火力発電等の大容量の発電設備が備えられた二次変電所(例えば、275kV/66kV)の場合とし、電気所Bは、需要家に対し電気所Aよりも遠隔地にあり且つ電気所Aの容量(電源容量、変圧器容量等)よりも小容量の水力発電等の発電設備が備えられた発電所(例えば、22kV/66kV)の場合とする。
電気所Aは、一次変電所からの一次側電圧V0(275kV)を二次側電圧V1(66kV)へと変換する主変圧器10と、主変圧器10の二次側から二次側電圧V1が給電される所内母線11と、所内母線11と接続された系統連系用の遮断器12と、が設けられる。
尚、遮断器12の二次側は、当該二次側から延設された二次側電圧V1(66kV)の送電線16を介して、複数の需要家の負荷31が電気的・機械的に接続された送電線乃至配電線系統(以下、「送電線系統」という。)30と連系され、電気所Aの電力は送電線系統30の各負荷31へと供給される。
また、電気所Aは、短絡事故や地絡事故等に起因した異常現象(過電流や不足電圧)の保護のため、保護継電装置13が設けられる。
保護継電装置13は、遮断器12の一次側(発電所側)に設けられた電流変成器(CT)14において検出された検出電流が設定量を超えたときに動作する過電流リレー131と、遮断器12の二次側(需要家側)に設けられた電圧変成器(PT)15において検出された検出電圧が設定レベルを下回る場合に動作する不足電圧リレー132と、過電流リレー131と不足電圧リレー132とが共に動作したときに遮断器12をトリップ(開放)させる指令taを出すシーケンス回路133と、によって構成されており、いわゆる過電流継電方式を採用している。
尚、過電流継電方式の他にも、電流変成器(CT)14において検出された検出電流と電圧変成器(PT)15において検出された検出電圧を用いてインピーダンスを計算し、設定レベルを下回る場合に動作する距離継電方式や、通信線を使用して電気所Aと電気所B間で情報を交換して送電線事故を判定するパイロット継電方式等を採用する場合もある。しかし、以下では、説明を簡単にするため、電気所Aの保護継電装置13並びに電気所Bの保護継電装置53については、前述した過電流継電方式を例に採りあげる。
一方、電気所Bは、電気所Aと同様に、発電機電圧V2(66kV)の発電機50と、発電機50から発電機電圧V2が給電される所内母線51と、所内母線51と接続された系統連系用の遮断器52と、が設けられ、遮断器52の二次側から延設された発電機電圧V2(66kV)の送電線56を介して、複数の需要家の負荷31が電気的・機械的に接続された送電線系統30と連系される。
また、電気所Bは、電気所Aの保護継電装置13と同様の保護継電装置53が設けられる。すなわち、保護継電装置53は、遮断器52の一次側(発電所側)に設けられた電流変成器(CT)54において検出された検出電流が設定量を超えたときに動作する過電流リレー531と、遮断器52の二次側(需要家側)又は所内母線51に設けられた電圧変成器(PT)55において検出された検出電圧が設定レベルを下回る場合に動作する不足電圧リレー532と、過電流リレー531と不足電圧リレー532とが共に動作したときに遮断器52をトリップ(開放)させる指令tcを出すシーケンス回路533と、によって構成される。
尚、水力発電所は一般的には遠隔地にあるため完全自動化されており、遠方監視制御装置を使用した遠方制御によって運転がなされる。従って、電気所Bの保護継電装置53は、遠方監視による遮断器52の転送遮断を可能ならしめるべく、電力会社の制御所・営業所等からの長距離にわたる通信線を引き込むとともに、いわゆるデジタル保護リレーの構成を採用する場合が多い。
特開平5−22865号公報
ところで、図5に示す電力系統において、図中に示す電気所A側の送電線16の事故点Fで短絡事故が発生した場合とする。この場合、大容量の電気所Aの側では、電流変成器14では急激に増加する過電流(事故電流)が検出され、電圧変成器15では急激に低下した不足電圧が検出される。従って、保護継電装置13は、過電流リレー131ならびに不足電圧リレー132が動作するため、遮断器12をトリップさせる指令taを出すことになる。
一方、小容量の電気所Bの側では、前述と同様に、電流変成器54では過電流(事故電流)が検出され、電圧変成器55では不足電圧が検出されるものの、電気所Aの場合と対比すると、電気所Aよりも小容量であるが故に、電流変成器54で検出された過電流が過電流リレー131を動作させる程には大きくなく、また、電圧変成器55で検出された不足電圧が不足電圧リレー132を動作させる程には低下しない場合が容易に想定され得る。
従って、電気所Bに設置された保護継電装置53は、事故点Fで短絡事故が発生しているにも関わらず、遮断器52をトリップさせる指令を出せずにいるので、電気所Bの発電機50と送電線系統30との連系を継続させることになる。この結果、電気所Bから事故点Fに向けて、送電線系統30へと事故電流が継続して流れ込むため、最悪の場合、送電線系統30と接続された需要家の負荷31の故障や需要家が生産する製品の不良を招く恐れがある。
また、一般的には、電気的事故が発生して保護継電装置によって該当する遮断器を遮断した場合に、早期の停電解消を図るために自動で当該遮断器を投入するための復旧装置が設けられている。ここで、送電線系統30が電気所B単独で給電された場合には、後述する電力品質の低下を招くばかりでなく、前述した復旧装置の本来の機能が発揮されず、早期の停電解消ができなくなる。
さらに、電気所A側の発電機(不図示)は電力供給を停止する一方で、電気所Bの発電機50が電力供給を停止せずに単独運転となる場合、電力系統の周波数が安定しない問題もある。この場合、電力系統内に周波数リレー(不図示)を設けている場合であっても、電気所Bの容量が小さいが故に電気所Bの発電機50の容量と送電線系統30の負荷31の容量とが均衡しておれば、当該周波数リレーを動作させる程度には周波数変動が起こらない。よって、当該周波数リレーをせっかく設けてあっても何ら意味をなさず、電気所Bの発電機50の単独運転が短絡事故後にあっても継続する恐れがある。
さらに、電気所Bが遠隔地にある小水力発電所である場合、通信線を介した遠方監視制御装置からの指令によって遠隔的な運転制御が行われる。よって、短絡事故後に電気所Bの保護継電装置53が動作しない場合であっても、遠隔的な制御によって遮断器52を強制的にトリップさせることもできる。ただし、遠方監視制御装置を使用するためには、電力会社の制御所・営業所等から遠隔地にある電気所Bまで、遠方制御のために通信線を敷設しなければならず、設備コストや運用コストがかかるという問題がある。
前述した課題を解決する主たる本発明は、発電機の第1の電圧を変圧器の一次巻線に印加して当該変圧器の二次巻線から当該第1の電圧を変換した第2の電圧を取り出し、当該取り出した第2の電圧を遮断器を介して送電する電気所に配設された電力系統の保護継電システムにおいて、前記一次巻線に印加された前記第1の電圧を検出する第1の電圧変成器と、前記二次巻線から取り出された前記第2の電圧を検出する第2の電圧変成器と、前記第1の電圧変成器において検出された前記第1の電圧と、前記第2の電圧変成器において検出された前記第2の電圧との電位差が所定の閾値を超える場合に前記遮断器をトリップさせる保護継電装置と、を有することとする。
本発明によれば、簡易な仕組みでコストをかけずに電力系統を適切に保護する保護継電装置を提供することができる。
<電力系統の全体構成>
図1(a)は、従前の保護継電装置13を具備した大容量の電気所A(本発明に係る『その他の電気所』)と、本発明の一実施形態に係る保護継電装置28を具備した小容量の電気所B(本発明に係る『電気所』)と、が需要家の負荷31と接続された送電線系統30へと共に連系された電力系統を示す図である。尚、電気所とは、電力系統を構成する発電所、変電所、開閉所若しくは変換所を総称したものである。
図1(a)に示した電気所A、Bは、図5に示した電気所A、Bと同様に、電気所Aは、電力会社の火力発電等の大容量の発電設備が備えられた二次変電所(例えば、275kV/66kV)の場合とし、電気所Bは、需要家に対し電気所Aよりも遠隔地にあり且つ電気所Aの容量(電源容量、変圧器容量等)よりも小容量の水力発電や太陽光発電や風力発電等を利用した分散型電源システム等の発電設備が備えられた発電所の場合とする。すなわち、電気所Bは、電力会社の電気所Aよりも小容量でありさえすればよい。
電気所Aの構成は、図5に示した場合と同様であるため説明を省略する。
電気所Bは、発電機電圧VG1(本発明に係る『第1の電圧』、例えば、22kV)の発電機20と、発電機20からの一次側(発電機側)の発電機電圧VG1(22kV)が給電される一次側所内母線21と、一次側所内母線21の発電機電圧VG1が一次巻線221へと印加され、所定の巻線比(例えば、1/3)に応じて、二次巻線222から二次側(需要家側)の母線電圧VL1(本発明に係る『第2の電圧』、例えば、66kV)を取り出せる主変圧器22と、主変圧器22の二次巻線222からの母線電圧VL1が給電される二次側所内母線24と、二次側所内母線24と接続された系統連系用の遮断器25と、が設けられ、遮断器25の二次側から延設された母線電圧VL1(66kV)の送電線29を介して、複数の需要家の負荷31が電気的・機械的に接続された送電線系統30と連系される。尚、水力発電の場合の発電機電圧VG1は、一般的に、“400V〜18kV”程度である。
また、電気所Bは、一次側所内母線21と接続された電圧変成器26(本発明に係る『第1の電圧変成器』)と、二次側所内母線22と接続された電圧変成器27(本発明に係る『第2の電圧変成器』)と、保護継電装置28と、により構成された本発明に係る『電力系統の保護継電システム』を有する。
電圧変成器26は、定格電圧が一般的には”110V”と規定されており、一次側所内母線21の発電機電圧VG1(22kV)が一次巻線261へと印加され、所定の巻線比(例えば、200/1)に応じて、二次巻線262から検出電圧VG2(例えば、110V)を取り出すための計器である。
電圧変成器27は、電圧変成器26と同様に、定格電圧が一般的には”110V”と規定されており、二次側所内母線24の母線電圧VL1(66kV)が一次巻線271へと印加され、所定の巻線比(例えば、600/1)に応じて、二次巻線272から検出電圧VL2(例えば、110V)を取り出すための計器である。
保護継電装置28は、電圧変成器26において検出された検出電圧VG2と、電圧変成器27において検出された検出電圧VL2とが印加される。ここで、平常時では、検出電圧VG2と検出電圧VL2のレベルが均衡していることとする。すなわち、平常時に検出電圧VG2と検出電圧VL2のレベルが均衡すべく、電圧変成器26ならびに電圧変成器27の巻線比が選択される。
保護継電装置28は、電力系統内での短絡事故の発生に起因して過電流等の異常現象が生じた場合に、検出電圧VG2と検出電圧VL2の均衡が崩れたことを識別し、その際に遮断器25をトリップ(開放)させる指令tbを出す。尚、事故誤検出防止の為に、検出電圧VG2と検出電圧VL2の電位差が数ミリ〜数V程度かけ離れた程度ではトリップ指令tbが出力されないようにすべく不感帯を設定しておく必要がある。
図1(b)は、図1(a)に示した電力系統において事故点Fで短絡事故が発生した場合の、系統インピーダンスを横軸に示し、電圧変成器26、27の定格電圧”110V”に正規化した系統電圧を縦軸に示した図である。
図1(b)の横軸に示す系統インピーダンスによれば、電気所Bの系統インピーダンスは、一般的に、主変圧器22の一次側換算(巻数比の2乗倍)された二次側インピーダンスの大きさの影響で、電気所Aの系統インピーダンスや送電線16、29の系統インピーダンスと対比して大きいことが知られている。
ここで、電気所Aは、電気所Bと対比して、系統インピーダンスは小さいが、大きな短絡電流が事故点Fに流れ込むため、保護継電装置13が遮断器12にトリップ指令taを出力する程に、電流変成器14では過電流(短絡電流)を検出し、電圧変成器15では不足電圧(電圧降下)を検出するものと考えられる。すなわち、電気所Aの側では、保護継電装置13が有効に機能することを前提とする。
一方、電気所Bは、電気所Aと対比して、小容量のため、事故点Fに流れ込む短絡電流が小さいと思われる。しかし、前述したように、電気所Bの系統インピーダンスは、電力系統全体のインピーダンスで大きな割合を占める程大きい。このため、一次側所内母線21の発電機電圧VG1と二次側所内母線24の母線電圧VL1の電位差は、短絡事故に伴って、事故点Fに流れ込む短絡電流がたとえ小さくても、オームの法則(電圧=電流×インピーダンス)に従って、ある程度の大きな変化が見込まれる。
換言すると、電圧変成器26で検出された検出電圧VG2と、電圧変成器27で検出された検出電圧VL2との電位差ΔVは、短絡事故の際にある程度の大きな変化が見込まれる。保護継電装置28は、かかる電位差ΔVによって、検出電圧VG2とVL2の均衡が短絡事故によって崩れた旨を精度良く識別できる。また、発電機20が単独運転を継続しないように、すなわち事故が拡大しないように、遮断器25をトリップさせる指令tbを出力することが可能となる。
このように、保護継電装置28は、短絡事故が起きた場合に短絡電流が小さくても、主変圧器22の系統インピーダンスの大きさによって、電圧降下はある程度の大きさが見込まれる点に着眼し、主変圧器22の一次側の発電機電圧VG1と二次側の母線電圧VL1との電位差に基づいて、短絡事故の検出ならびに遮断器25のトリップを行うようにした。
すなわち、例えば、従来の不足電圧リレーUVによる系統保護の場合には、電力系統のある一点の系統電圧しか監視しておらず、電力系統全体にわたった如何なる状態変動によっても(保護対象外の系統内の事故であっても)動作する恐れがあるのに対し、保護継電装置28は、既に大容量の電気所Aにおける保護動作が完了しているであろうとの見込みのもとで、後は電気所B側の系統保護のみに的を絞ることによって、主変圧器22の一次側・二次側電圧の電位差を監視するという簡素な仕組みで実現できる。
また、従来の遠方監視による遮断器52の転送遮断方式の場合には、長距離の通信線の敷設コストがかかるが、本発明の場合では、小容量の電気所B内で保護継電装置28を現場盤として設置できるためコストをかけずに実現できる。
<保護継電システムの詳細構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る保護継電システムの構成を示す図である。
保護継電装置28は、電圧変成器26から検出電圧VG2がA/I入力され、電圧変成器27から検出電圧VL2がA/I入力される。
入力変換器281は、補助変成器等を具備しており、A/I入力された検出電圧VG2、VL2を後段の事故検出回路282等に適したレベルへと変換する。
事故検出回路282は、入力変換器281を介した検出電圧VG2、VL2のレベルをもとに、電力系統において短絡事故に伴う異常現象が発生していないかどうかを検出するために電磁リレーやスイッチ等を組み合わせたシーケンス回路である。尚、保護継電装置28をデジタル保護リレーとして構成する場合には、事故検出回路282は、リレー回路からCPUに置換される。
具体的には、事故検出回路282は、検出電圧VG2、VL2の定常時の均衡が短絡事故によって崩れているか否かを、検出電圧VG2、VL2の電位差ΔVに基づいて検出する。このため、差動増幅器283によって電位差ΔVを得る。また、検出電圧VG2、VL2の均衡が崩れている旨を識別すべく、比較器284は、差動増幅器283より出力された電位差ΔVと所定の閾値Vrefとの比較を行う。
比較器284において電位差ΔVが閾値Vrefを超える場合に、検出電圧VG2、VL2の均衡が崩れたものとみなして、a接点スイッチ285を閉じるためのスイッチ閉指令を出力する。a接点スイッチが閉じると、限時リレー286が励磁されて、整定値Tl経過後に限時動作a接点スイッチ288を閉じるためのスイッチ閉指令を出力する。
尚、限時リレー286の整定値Tlは、電気所A側の保護継電装置13による遮断器12のトリップに要する時間Taよりも長時間に整定しておく。すなわち、保護継電装置28の保護対象外の電気所A側の系統や、送電線系統30と接続されたその他の系統内で短絡事故が発生した場合に、電気所A側の系統内等で復旧可能であるにも関わらず、電位差ΔVが閾値Vrefを超えて保護継電装置28が動作する恐れもある。
従って、保護継電装置28は、電位差ΔVが閾値Vrefを超えた場合でも、自己の保護対象外の系統で起きた事故を検出したのかもしれないので、遮断器25をトリップさせるまでにはある程度の時限をもたせるようにした。例えば、大容量発電機の場合の過電流リレーは一般的に“1秒”以内(Ta)に遮断器をトリップさせるので、限時リレー286の整定値Tlとしては、“2〜3秒”以内に整定することとする。
出力回路287は、事故検出回路282の限時リレー286から整定値Tlの経過後に出力されるスイッチ閉指令によって、限時動作a接点スイッチ288を閉じる。この結果、遮断器25を開閉させる電磁リレー289が励磁されて、遮断器25をトリップさせる指令tbをD/O出力する。
<保護継電装置の動作範囲>
図3は、保護継電装置28の動作範囲G、具体的には、遮断器25をトリップさせる動作範囲Gを示す図である。
短絡事故前の定常状態では、検出電圧VG2、VL2のレベルは均衡するようにシステム設計されており、検出電圧VG2、VL2の定格電圧はともに“110V”である。このため、図3中において、検出電圧VG2、VL2の最大レベルは、定格電圧の“110V”となる。
図3中に示す範囲Aは、検出電圧VG2よりも検出電圧VL2の方がレベルの高い範囲となるので、保護継電装置28の動作範囲Gとはなりえない。すなわち、図1(a)に示したように電力系統の事故点Fにおいて短絡事故が発生した場合には、検出電圧VG2は短絡事故後であっても事故前の状態をある程度維持するが、検出電圧VL2は短絡事故後に急峻な電圧降下が生じうる。従って、短絡事故が発生した場合は、検出電圧VL2は、検出電圧VG2よりも極めて低いレベルとなるからである。
図3中に示す範囲Bは、検出電圧VG2の微小な擾乱の影響を受けないように設定された不感帯である。例えば、範囲Bは、検出電圧VG2が、定格電圧の“110V”から数V程度低下するまでの範囲に設定する。
図3中に示す範囲Cは、検出電圧VG2の微小な擾乱及び検出電圧VL2の微小な擾乱の影響を受けないように設定された不感帯である。例えば、範囲Cは、検出電圧VG2が、定格電圧の“110V”から数V程度低下するまでの範囲であり、且つ、検出電圧VL2が定格電圧の“110V”から数V程度低下するまでの範囲として設定する。
図3中に示す範囲Dは、検出電圧VL2の微小な擾乱及び検出電圧VG2、VL2の電位差ΔVの微小な変化の影響を受けないように設定された不感帯である。例えば、範囲Dは、検出電圧VL2が、定格電圧の“110V”から数V程度低下するまでの範囲であり、且つ、検出電圧VG2、VL2の電位差ΔVが、ゼロ電位から数V程度の変動分増加するまでの範囲として設定する。
図3中に示す範囲Eは、検出電圧VG2、VL2の電位差ΔVの微小な変化の影響を受けないように設定された不感帯である。例えば、範囲Eは、検出電圧VG2、VL2の電位差ΔVが、ゼロ電位から数V程度の変動分増加するまでの範囲として設定する。
図3中に示した範囲Fは、検出電圧VG2が、定常時の定格電圧“110V”に対比して約半分以上の割合で低下しているため、発電機50の運転が停止している場合となる。すなわち、この場合、電気所Bから事故点Fに対して短絡電流が流れ込む恐れを考慮する必要がないので、図3中に示す範囲Fを不感帯として設定する。例えば、範囲Fは、検出電圧VG2が、ゼロ電位から発電機20が運転可能な約60V付近までの範囲として設定する。
従って、保護継電装置28の動作範囲は、図3中に示す範囲A乃至Fを取り除いた動作範囲Gのみである。このように、動作範囲Gを設定した結果、保護継電装置28は、事故の誤検出の恐れがなく、また無駄な事故検出を防止することができる。
<保護継電装置の動作>
図4は、図1(a)に示した電気所A側の送電線16の事故点Fで短絡事故が発生した場合の本発明に係る保護継電装置28の動作を示すフローチャートである。
まず、電気所A側では、事故点Fで短絡事故が発生した場合(S400)、電流変成器14において過電流が検出されるとともに電圧変成器15において不足電圧が検出される。このため、保護継電装置13が動作して、遮断器12をトリップさせる指令taを出力する(S401、S402)。尚、保護継電装置13によって遮断器12がトリップされるまでに時間taを要する。尚、時間taは、一般的には“1秒”程度である。
一方、電気所B側では、保護継電装置28は、電圧変成器26から検出電圧VG2が常時入力されるとともに、電圧変成器27から検出電圧VL2が常時入力される(S403)。ここで、保護継電装置28は、事故検出回路282によって、検出電圧VG2と検出電圧VL2の電位差ΔVが定常時の均衡が崩れたことを示す所定の閾値Vrefを超えるか否か、より具体的には、図3に示した動作範囲Gに属するか否かを識別する(S404)。
保護継電装置28は、電位差ΔVが閾値Vrefを超えない場合には(S404:NO)、短絡事故が生じなかったものとみなして、新たな検出電圧VL2、VG2を監視すべく、S403〜S404の処理を繰り返し行う。一方、電位差ΔVが閾値Vrefを超える場合には(S404:YES)、短絡事故が生じた旨を検出して、出力回路284のa接点スイッチ285を閉じて、限時リレー286を励磁させる(S405)。
尚、限時リレー286の整定値Tlは、時間Taよりも長く整定される。従って、限時リレー286の整定値Tlが経過するまでの間に、保護継電装置13によって遮断器12のトリップが完了している。従って、このままの状態では、小容量の発電機20は送電線系統30に対して単独運転することになるので、異常現象の拡散防止をするため、遮断器25をトリップさせる必要がある。しかし、保護継電装置28の保護対象外の系統の事故までも検出する必要はないので、限時リレー286の整定値Tl経過後に(S406:YES)、遮断器25をトリップさせるようにした。尚、時間taが“1秒”程度であるため、整定値Tlとしては“2〜3秒”程度に設定している。
以上、本実施の形態について説明したが、前述した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る保護継電装置を具備した電力系統の構成を示す図であり、図1(b)は、図1(a)に示した電力系統において事故点Fで短絡事故が発生した場合の系統インピーダンスと系統電圧の関係を示した図である。 本発明の一実施形態に係る保護継電装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る保護継電装置の動作範囲を示す図である。 本発明の一実施形態に係る保護継電装置の動作を示すフローチャートである。 従来の保護継電装置を具備した電力系統の構成を示す図である。
符号の説明
10、22 主変圧器 11、51 所内母線
12 遮断器 13、28、53 保護継電装置
131、531 過電流リレー 132、532 不足電圧リレー
14、54 電流変成器 15、26、27、55 電圧変成器
16、29、56 送電線 20、50 発電機
21 一次側所内母線 221、261、271 一次巻線
222、262、272 二次巻線 24 二次側所内母線
25、52 遮断器 281 入力変換器
282 事故検出回路 283 差動増幅器
284 比較回路 285 a接点スイッチ
286 限時リレー 287 出力回路
288 限時動作a接点スイッチ 289 電磁リレー
30 送電線系統 31 負荷

Claims (8)

  1. 発電機の第1の電圧を変圧器の一次巻線に印加して当該変圧器の二次巻線から当該第1の電圧を変換した第2の電圧を取り出し、当該取り出した第2の電圧を遮断器を介して送電する電気所に配設された電力系統の保護継電システムにおいて、
    前記一次巻線に印加された前記第1の電圧を検出する第1の電圧変成器と、
    前記二次巻線から取り出された前記第2の電圧を検出する第2の電圧変成器と、
    前記第1の電圧変成器において検出された前記第1の電圧と、前記第2の電圧変成器において検出された前記第2の電圧との電位差が所定の閾値を超える場合に前記遮断器をトリップさせる保護継電装置と、
    を有することを特徴とする電力系統の保護継電システム。
  2. 前記保護継電装置は、前記検出された第1及び第2の電圧が、定格電圧から所定の変動分低下するまでの範囲を、前記遮断器をトリップさせない不感帯として設定すること、を特徴とする請求項1に記載の電力系統の保護継電システム。
  3. 前記保護継電装置は、前記検出された第1の電圧が、ゼロ電位から前記発電機が運転可能となる所定の変動分増加するまでの範囲を、前記遮断器をトリップさせない不感帯として設定すること、を特徴とする請求項1に記載の電力系統の保護継電システム。
  4. 前記保護継電装置は、前記電位差が、ゼロ電位から所定の変動分増加するまでの範囲を、前記遮断器をトリップさせない不感帯として設定すること、を特徴とする請求項1に記載の電力系統の保護継電システム。
  5. 前記電気所は、前記電気所の容量よりも大容量であるその他の電気所と前記遮断器を介して系統連系されること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電力系統の保護継電システム。
  6. 前記その他の電気所は、その他の遮断器並びにその他の保護継電装置を具備し、当該その他の遮断器を介して送電するとともに当該その他の保護継電装置の動作によって当該その他の遮断器をトリップさせ、
    前記保護継電装置は、
    前記電位差が前記所定の閾値を超える場合、前記その他の保護継電装置の動作によって前記その他の遮断器をトリップさせるのに要する時間よりも長い時間経過した後、前記遮断器をトリップさせること、
    を特徴とする請求項5に記載の電力系統の保護継電システム。
  7. 前記電気所は、前記その他の電気所と対比して需要家よりも遠方に位置する水力発電の発電所であること、を特徴とする請求項6に記載の電力系統の保護継電システム。
  8. 発電機の第1の電圧を変圧器の一次巻線に印加して当該変圧器の二次巻線から当該第1の電圧を変換した第2の電圧を取り出し、当該取り出した第2の電圧を遮断器を介して送電する電気所における電力系統の保護方法において、
    前記一次巻線に印加された前記第1の電圧を検出するとともに、前記二次巻線から取り出された前記第2の電圧を検出し、
    前記検出された第1及び第2の電圧との電位差が所定の閾値を超える場合に前記遮断器をトリップさせること、
    を特徴とする電力系統の保護方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3379717A3 (en) * 2017-03-24 2018-12-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Variable-speed pumped storage power system and variable-speed pumped storage power method

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