JP2011096969A - 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子 - Google Patents

圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子 Download PDF

Info

Publication number
JP2011096969A
JP2011096969A JP2009251988A JP2009251988A JP2011096969A JP 2011096969 A JP2011096969 A JP 2011096969A JP 2009251988 A JP2009251988 A JP 2009251988A JP 2009251988 A JP2009251988 A JP 2009251988A JP 2011096969 A JP2011096969 A JP 2011096969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
film
piezoelectric film
max
young
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009251988A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5497405B2 (ja
Inventor
Takamitsu Fujii
隆満 藤井
Takayuki Naono
崇幸 直野
Takami Shinkawa
高見 新川
Keiichi Hishinuma
慶一 菱沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009251988A priority Critical patent/JP5497405B2/ja
Publication of JP2011096969A publication Critical patent/JP2011096969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5497405B2 publication Critical patent/JP5497405B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】膜自身の機械的強度や耐電圧性が高く、駆動耐久性に優れた圧電体膜を提供する。
【解決手段】本発明の圧電体膜は、基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜であり、膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足することを特徴とするものである。1.05≦Emax/Emin≦1.20であることが好ましい。Eminが30〜150GPaの範囲内にあることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、圧電体膜とその成膜方法、圧電体膜を備えた圧電素子、これを用いた液体吐出装置及び圧電型超音波振動子に関するものである。
電界印加強度の増減に伴って伸縮する圧電体と、圧電体に対して電界を印加する電極とを備えた圧電素子が、インクジェット式記録ヘッドに搭載される圧電アクチュエータ等の用途に使用されている。圧電材料としては、PZT(ジルコンチタン酸鉛)、及びPZTのAサイト及び/又はBサイトの一部を他元素で置換したPZTの置換系等が知られている。
圧電素子の小型薄型化を考慮すれば、圧電体としては薄膜が好ましい。圧電体膜の成膜においては、通常400〜600℃程度の基板温度加熱が必要とされている。そのため、室温に降温する過程で、基板と圧電体膜との間の熱膨張係数差に起因して、圧電体膜に内部応力が発生する。この応力は圧電体膜の機械的強度や耐電圧性を低下させ、圧電素子を連続的に長時間駆動したり長期間使用したりする際に、圧電体膜にクラックや絶縁破壊などを生じさせる恐れがある。
特許文献1では、圧電体膜内に圧電体膜よりもヤング率の小さな応力緩和層を設けることが提案されている(請求項1、図5等)。応力緩和層の組成としては、白金系貴金属を主成分とする金属又はその酸化物が挙げられている(請求項4)。
特許文献2では、圧電体膜とこれを挟持する一対の電極を備え、さらに弾性体膜を備えたユニモルフカンチレバーを有する微小変位素子が開示されている。特許文献2の図1の態様では、弾性体膜は下部電極の基板側に設けられている。弾性体膜は応力緩和層として機能すると考えられる。
特許文献2において、弾性体膜のヤング率は10MPa〜100GPa(1×10〜1×1011N/m )が好ましいことが記載されている(請求項2)。弾性体膜を構成する材料の線熱膨張係数Aと、圧電体膜を構成する材料の線熱膨張係数Bとの関係が、(A−B)/A×100≦50%を充足することが好ましいことが記載されている(請求項6)。弾性体膜の構成材料としては、酸化マグネシウム、モリブデン、シリコン、及び有機材料が挙げられている(請求項7、8)。
特開2004-128492号公報 特開平5-347439号公報
特許文献1,2にはいずれも、圧電素子の必須膜とは別に応力緩和層を設けている。かかる構成では、圧電体膜や基板の組成や熱膨張係数等に合わせて、素子ごとに応力緩和層の組成やヤング率等を設計する必要がある。また、本来必須でない応力緩和層の成膜プロセスが増えるため、生産性が低下し、生産コストも増加する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、膜自身の機械的強度や耐電圧性が高く、駆動耐久性に優れた圧電体膜を提供することを目的とするものである。
本発明の圧電体膜は、基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)において、
膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足することを特徴とするものである。
本発明の圧電体膜の成膜方法は、
基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)の成膜方法において、
膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足するように、成膜を行うことを特徴とするものである。
同じサンプルに対して測定を行っても、「ヤング率の絶対値」は測定方法によって異なる可能性がある。ただし、ある1つの膜に対して膜厚方向のヤング率の変化を同じ測定方法で測定した場合のEmax/Eminは、測定方法によらず、同様の結果が得られる。したがって、公知のいかなる方法で測定してもよい。
ヤング率は例えば、島津製作所製の超微小硬度計DUH-W、Hysitron Inc.製のTribo Indenter、及びフィッシャーインストルメンツ製ピコインデンター等を使用することができる。膜をイオンミリングあるいはCMP研磨等で表面側から削りながら硬度を測定することで、膜厚方向のヤング率の変化を測定することができる。また、膜断面に対してMTSシステムズ社製のナノインデンター(登録商標)を接触させ、接触させる位置を膜厚方向に変化させて硬度を測定することで、膜厚方向のヤング率を測定することができる。いずれの方法においても、膜厚方向の同じ箇所について3回以上測定を行い、その平均値をヤング率として求めるものとする。
本発明の圧電素子は、上記の本発明の圧電体膜と、該圧電体膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電素子と、該圧電素子に隣接して設けられた液体吐出部材とを備え、該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、前記圧電体膜に対する前記電界の印加に応じて該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有することを特徴とするものである。
本発明の圧電型超音波振動子は、上記の本発明の圧電素子と、前記電極に交流電流を印加する交流電源と、前記圧電体膜の伸縮により振動する振動板とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、膜自身の機械的強度や耐電圧性が高く、駆動耐久性に優れた圧電体膜を提供することができる。本発明の圧電体膜は、クラックや絶縁破壊が生じにくく、駆動耐久性に優れたものである。本発明の圧電体膜は耐電圧が高いため、最大印加電圧を高く設定することができる。液体吐出装置等の用途において、最大印加電圧を高く設定して圧電体膜を大きく変位させることができ、好ましい。
本発明に係る一実施形態の圧電素子及びインクジェット式記録ヘッドの構造を示す断面図 インクジェット式記録装置の構成例を示す図 図2のインクジェット式記録装置の部分上面図 本発明に係る一実施形態の圧電型超音波振動子の構造を示す断面図 比較例1の圧電体膜の断面EBSD像 実施例1の圧電体膜の断面EBSD像
「圧電体膜とその成膜方法」
本発明者は、気相成膜の成膜条件を工夫することにより、膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足する圧電体膜を実現した。
本発明の圧電体膜は、基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)において、
膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足することを特徴とするものである。
本発明の圧電体膜の成膜方法は、
基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)の成膜方法において、
膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足するように、成膜を行うことを特徴とするものである。
上記規定を充足する本発明の圧電体膜は、膜自身の機械的強度や耐電圧性が高く、駆動耐久性に優れている。必ずしも明確な対応がある訳ではないが、ヤング率の値が大きい程、硬度が高い傾向にある。本発明の圧電体膜は、膜厚方向に見たときのヤング率が一様ではない。かかる構成では、相対的にヤング率の小さい領域が応力緩和層のように機能すると考えられる。
1.05≦Emax/Eminにおいて、膜厚方向に見たときのヤング率の差を積極的に付けない通常の成膜(Emax/Eminは通常1.0±0.02の範囲内)に対する優位性が見られる。
max/Eminの上限は特に制限されず、Emax/Eminが過大では膜厚方向の物性の差が大きくなりすぎて、駆動時にクラックなどの発生の要因になる可能性がある。また、Emax/Eminが大きくなる程、膜厚方向に大きなヤング率の差を付けなければならないので、成膜も難しくなる傾向にある。Emax/Eminは応力緩和効果が得られる範囲で、大きくなりすぎない範囲が適当である。
本発明者は、後記[実施例]の項において、Emax/Emin=1.10の膜を実際に作製し、耐電圧の向上を確認している。応力緩和効果が良好に得られ、成膜制御もしやすいことから、本発明の圧電体膜において、1.05≦Emax/Emin≦1.20であることが好ましく、1.10≦Emax/Emin≦1.20であることがより好ましい。
minの絶対値は特に制限されない。Eminが過大では相対的にヤング率の低い領域の応力緩和層としての機能が不充分となる恐れがある。また、Eminが過大ではEmaxとの差を付けにくく、Emax/Eminを規定範囲内にすることが難しくなる。Eminが過小では膜厚方向の物性の差が大きくなりすぎて、駆動時にクラックなどの発生の要因になる可能性がある。Eminは30〜150GPaの範囲内にあることが好ましく、40〜130GPaの範囲内にあることがより好ましく、50〜120GPaの範囲内にあることが特に好ましい。
maxの絶対値は特に制限されない。Emaxが過大では膜厚方向の物性の差が大きくなりすぎて、駆動時にクラックなどの発生の要因になる可能性がある。Emaxが過小ではEminとの差を付けにくく、Emax/Eminを規定範囲内にすることが難しくなる。Emaxは30〜150GPaの範囲内にあることが好ましく、40〜130GPaの範囲内にあることがより好ましく、50〜120GPaの範囲内にあることが特に好ましい。
本明細書において、「Eminの絶対値及びEmaxの絶対値」は、膜断面に対してMTSシステムズ社製のナノインデンター(登録商標)あるいはフィッシャーインストルメンツ社のピコデンター(登録商標)を接触させ、接触させる位置を膜厚方向に変化させて硬度を測定することで、膜厚方向のヤング率の分布を測定して、求めるものとする。
ナノインデンターを用いた測定条件は、圧子:Berkovich、荷重1.0mN、荷重を印加する時間は1.0mNまで10秒以上とし、荷重除荷曲線の接続の傾きから接触剛性を求める。このとき傾きは、荷重除荷曲線の最大値の95%と65%の荷重値での値を用いて求める。また、圧子形状に起因する定数は0.75を用い、ヤング率を求めるための材料パラメータであるポアソン比は0.3とする。ナノインデンターを用いた測定法については、KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS, Vol.52, No.2 p.74-77を参照されたい。ピコデンターの測定条件も同等である。上記の方法で測定する限りは、大きな誤差を含むことなく再現性よく測定できる。
本発明の圧電体膜において、ヤング率の膜厚方向の変化は、連続的でも不連続的でも構わない。本発明の圧電体膜は、明確に分かれた複数の層からなる積層構造でも、単層構造でも構わない。
本発明の圧電体膜において、ヤング率が膜厚方向に連続的に変化していると、不連続構造と比較して、応力が分散されてクラックが起こりにくく、好ましい。層剥離の恐れがないことから、本発明のヤング率は明確に分かれた複数の層からなる積層構造よりも単層構造が好ましい。
maxとEminの膜厚方向の位置は特に制限されない。膜厚方向に見たときに、基板側の面のヤング率が最も大きく、基板と反対側の面のヤング率が最も小さい構成(後記実施例1の構成)でもよいし、膜厚方向に見たときに、基板側の面のヤング率が最も小さく、基板と反対側の面のヤング率が最も大きい構成(後記実施例2の構成)でもよい。EmaxとEminの膜厚方向の位置は、基板側の面あるいは基板と反対側の面以外の任意の箇所にあってもよい。
成膜条件の制御がしやすい、より高い耐電圧性が得られる等の理由から、膜厚方向に見たときに、基板側の面のヤング率が最も大きく、基板と反対側の面のヤング率が最も小さい構成が好ましい。
本発明によれば、駆動耐久性に優れ、電流値が1μA以上となる印加電圧により定義される絶縁破壊電圧が350kV/cm以上である圧電体膜を提供することができる。
本明細書において、下部電極―上部電極間にDC電圧を印加し、電流値が1μA以上になるポイントを絶縁破壊電圧として耐電圧を測定するものとする。上部電極を変えて5箇所について耐電圧を測定し、その平均を求めるものとする。
max、Emin、及びEmax/Eminの値は、成膜条件を調整することで、所望の範囲内に制御することができる。
本発明の圧電体膜の成膜方法は特に制限されない。成膜条件を調整して、Emax、Emin、及びEmax/Eminの値を所望の範囲内に制御しやすいことから、本発明の圧電体膜の成膜方法としては気相成長法が好ましく、プラズマを用いる気相成長法が特に好ましい。プラズマを用いる気相成長法としては、スパッタ法、PLD法、及びプラズマCVD法等の気相成長法が特に好ましい。
プラズマを用いる気相成長法において例えば、Emax/Eminが前記式を充足するように、成膜パワー、成膜温度(基板温度)、成膜圧力、ガス流量、ガス組成、基板―ターゲット間距離、ターゲット組成、及び基板電位等の成膜条件を設定して成膜を行うことで、本発明の圧電体膜を成膜することができる。成膜開始から終了まで同じ成膜条件で成膜を行ってもよいし、成膜途中で成膜条件を変えてもよい。
maxとEminとの差を付けやすく、Emax/Eminを規定範囲に制御しやすいことから、成膜途中に少なくとも1つの成膜条件を1回以上変えて、成膜を行うことが好ましい。
プラズマを用いる気相成長法において例えば、Emax/Eminが前記式を充足するように、成膜パワー、成膜温度(基板温度)、成膜圧力、ガス流量、ガス組成、基板―ターゲット間距離、ターゲット組成、及び基板電位等の成膜条件のうち少なくとも1つの成膜条件を成膜途中に1回以上変えて、成膜を行うことが好ましい。
成膜途中に成膜条件を変えて成膜を行う場合、成膜条件を変えた瞬間に膜構造が急に変化する訳ではない。成膜条件を変えた時点において先に成膜された部分も引き続き成膜温度と成膜圧力等の成膜環境下にあり、膜構造として不完全な状態にある。そのため、成膜条件を変えた時点より先に成膜された部分の少なくとも一部は新たな成膜条件の影響を受け、先の成膜条件と新たな成膜条件の両方の影響を受けた膜構造となる。成膜条件を変えた後に成膜される部分についても、先に成膜された部分が下地となるので、下地の影響と新たな成膜条件の影響を受けた膜構造となる。
プラズマを用いる気相成長法において、Emax/Eminが本発明の規定を充足する圧電体膜は、成膜途中に成膜条件を変えなくても、下地の結晶構造と成膜される粒子のエネルギーとを適切に制御することでも、成膜可能である。
成膜初期には、下地の結晶構造を引きずって結晶成長が起こる。また、成膜される粒子の持つエネルギーが大きい程、横方向の粒成長が大きくなる傾向にある。したがって、これらの条件を好適化することで、膜厚方向のヤング率Eを変えることができる。
本発明の圧電体膜の膜構造は特に制限されない。上記で挙げたプラズマを用いる気相成長法においては一般に、基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体(グレイン)からなる柱状構造膜が得られる。
本願で言う「柱状構造膜」は、Movchan and Demchishin,Phys.Met.Mettallogr.,28,83(1969)、及びThornton,J.Vac.Sci.Technol.,11,666(1974)等に記載された構造の膜である。柱状構造膜は結晶構造を有していてもアモルファス構造を有していても構わず、結晶構造を有することが好ましい。結晶構造を有する場合、個々の柱状体が柱状の結晶粒となる。
柱状構造膜に関しては、成膜時の基板温度及び成膜圧力と生成される柱状体の形状や柱径との関係、及び柱状体の分類について、研究がなされている。かかる研究は、蒸着膜ではMovchan and Demchishin,Phys.Met.Mettallogr.,28,83(1969)に詳細に記載されており、スパッタ膜ではThornton,J.Vac.Sci.Technol.,11,666(1974)に詳細に記載されている。かかるモデルを参照して成膜条件の目安とすることができる。成膜途中に少なくとも1つの成膜条件を1回以上変える場合も、上記文献のモデルを参照して成膜条件の変更の目安とすることができる。
本発明者は、柱状構造膜においては、個々のグレインの横方向サイズ(基板面に対して水平方向の柱径)が小さい程、グレイン間の間隙が少なく、小さな多数のグレインが緻密に形成され、ヤング率Eが大きくなる傾向にあることを見出している。逆に、個々のグレインの横方向サイズ(基板面に対して水平方向の柱径)が大きい程、グレイン間の間隙が大きく、ヤング率Eが小さくなる傾向にあることを見出している。したがって、水平方向のグレインの平均柱径が膜厚方向に分布を有するように、成膜条件を工夫することで、膜厚方向のヤング率Eに分布を持たせることができる。
本発明者は例えば、プラズマを用いる気相成長法において、成膜途中に成膜パワーを変えることで、水平方向のグレインの平均柱径を膜厚方向に変え、膜厚方向にヤング率の変化を付けることに成功している(後記実施例1,2を参照)。
「水平方向のグレインの平均柱径」は、断面EBSD像から求めることができる。ある膜厚方向の位置について、水平方向のすべてのグレインの柱径を求め、その平均値を「水平方向の平均柱径」として求めるものとする。
本発明の圧電体膜は、結晶配向性を有する強誘電体相を含むことが好ましい。
圧電歪には、
(1)自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致したときに、電界印加強度の増減によって電界印加方向に伸縮する通常の圧電歪(電界誘起歪)、
(2)電界印加強度の増減によって分極軸が可逆的に非180°回転することで生じる圧電歪、
(3)電界印加強度の増減によって結晶を相転移させ、相転移による体積変化を利用する圧電歪、
(4)電界印加により相転移する特性を有する材料を用い、自発分極軸方向とは異なる方向に結晶配向性を有する強誘電体相を含む結晶配向構造とすることで、より大きな歪が得られるエンジニアードドメイン効果を利用する圧電歪(エンジニアードドメイン効果を利用する場合には、相転移が起こる条件で駆動してもよいし、相転移が起こらない範囲で駆動してもよい)などが挙げられる。
(2)可逆的非180°ドメイン回転を利用した圧電歪については、特開2004-363557号公報等に記載されている。(3)相転移を利用する圧電歪については特許第3568107号公報等に記載されている。(4)電界誘起相転移及びエンジニアードドメイン効果を利用した圧電歪については、“Ultrahigh strain and piezoelectric behavior in relaxor based ferroelectric single crystals”, S.E.Park et.al., JAP, 82, 1804(1997)、特開2007-116091号公報に記載されている。
上記の圧電歪(1)〜(4)を単独で又は組み合わせて利用することで、所望の圧電歪が得られる。上記の圧電歪(1)〜(4)はいずれも、それぞれの歪発生の原理に応じた結晶配向構造とすることで、より大きな圧電歪が得られる。本発明の圧電体膜は例えば、(100)配向の強誘電体相及び/又は(001)配向の強誘電体相を含むことができる。
本発明の圧電体膜の組成は特に制限されない。
本発明の圧電体膜の組成としては、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(P)を含むものが挙げられる。
一般式ABO・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Sb,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素。
O:酸素元素。
Aサイト元素とBサイト元素と酸素元素のモル比は1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ビスマスフェライト等の非鉛含有化合物、及びこれらの混晶系が挙げられる。
高圧電定数が得られることから、本発明の圧電体膜は、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(PX)を含むことが好ましい。
(Zr,Ti,Mb−x−y・・・(PX)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。
Mは1種又は2種以上の金属元素を示す。
0<x<b、0<y<b、0≦b−x−y。
a:b:c=1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
Bサイトの1種又は2種以上の置換元素であるMは、特に制限されない。
被置換イオンの価数よりも高い価数を有する各種ドナイオンを添加したPZTでは、真性PZTよりも圧電性能等の特性が向上することが知られている。Mは、4価のZr,Tiよりも価数の大きい1種又は2種以上のドナイオンであることが好ましい。かかるドナイオンとしては、V5+,Nb5+,Ta5+,Sb5+,Mo6+,及びW6+等が挙げられる。本発明の圧電体膜は、ペロブスカイト型酸化物(PX)の中でも、0<b−x−yであり、MがV,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含むペロブスカイト型酸化物を含むことが好ましい。
ペロブスカイト型酸化物(PX)において、Aサイトに含まれてもよいPb以外の元素としては特に制限されず、ドナイオンが好ましく、具体的にはBi,及びLa等の各種ランタノイド等の少なくとも1種の元素が好ましい。
本発明の圧電体膜の膜厚は特に制限されない。膜厚が薄くなる程、耐電圧性が低くなる傾向にあるので、本発明は薄膜に特に有効である。本発明は例えば膜厚が20μm以下の薄膜に有効であり、膜厚が10μm以下の薄膜に特に有効である。本発明は例えば500nm〜20μmの薄膜に有効であり、500nm〜10μmの薄膜に有効である。
以上説明したように、本発明によれば、膜自身の機械的強度や耐電圧性が高く、駆動耐久性に優れた圧電体膜を提供することができる。本発明の圧電体膜は、クラックや絶縁破壊が生じにくく、駆動耐久性に優れたものである。また、本発明の圧電体膜は耐電圧が高いため、最大印加電圧を高く設定することができる。液体吐出装置等の用途において、最大印加電圧を高く設定して圧電体膜を大きく変位させることができ、好ましい。
「圧電素子及びインクジェット式記録ヘッド」
図1を参照して、本発明に係る一実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図1はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の膜厚方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
本実施形態の圧電素子1は、基板10上に、下部電極20と圧電体膜30と上部電極40とが順次積層された素子である。圧電体膜30は本発明のヤング率の規定を充足する圧電体膜であり、圧電体膜30に対して下部電極20と上部電極40とにより膜厚方向に電界が印加されるようになっている。
下部電極20は基板10の略全面に形成されており、この上にライン状の凸部31がストライプ状に配列したパターンの圧電体膜30が形成され、各凸部31の上に上部電極40が形成されている。
圧電体膜30のパターンは図示するものに限定されず、適宜設計される。また、圧電体膜30は連続膜でも構わない。但し、圧電体膜30は、連続膜ではなく、互いに分離した複数の凸部31からなるパターンで形成することで、個々の凸部31の伸縮がスムーズに起こるので、より大きな変位量が得られ、好ましい。なお、圧電体膜30が柱状構造膜である場合、個々のグレイン(柱状体)は凸部31よりもはるかに小さく、個々の凸部31が多数のグレイン(柱状体)により構成される。
基板10としては特に制限なく、シリコン,酸化シリコン,ステンレス(SUS),イットリウム安定化ジルコニア(YSZ),アルミナ,サファイヤ,SiC,及びSrTiO等の基板が挙げられる。基材10としては、シリコン基板上にSiO膜とSi活性層とが順次積層されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極20の組成は特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。上部電極40の組成は特に制限なく、下部電極20で例示した材料,Al,Ta,Cr,Cu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。下部電極20と上部電極40の厚みは特に制限なく、50〜500nmであることが好ましい。
圧電アクチュエータ2は、圧電素子1の基板10の裏面に、圧電体膜30の伸縮により振動する振動板50が取り付けられたものである。圧電アクチュエータ2には、圧電素子1の駆動を制御する駆動回路等の制御手段(図示略)も備えられている。
インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、圧電アクチュエータ2の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)61及びインク室61から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)62を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)60が取り付けられたものである。インク室61は、圧電体膜30の凸部31の数及びパターンに対応して、複数設けられている。インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子1に印加する電界強度を増減させて圧電素子1を伸縮させ、これによってインク室61からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板10とは独立した部材の振動板50及びインクノズル60を取り付ける代わりに、基板10の一部を振動板50及びインクノズル60に加工してもよい。例えば、基板10がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板10を裏面側からエッチングしてインク室61を形成し、基板自体の加工により振動板50とインクノズル60とを形成することができる。
本実施形態の圧電素子1及びインクジェット式記録ヘッド3は、以上のように構成されている。本実施形態によれば、機械的強度及び耐電圧に優れ駆動耐久性に優れた圧電素子1を提供することができる。
本実施形態の圧電素子1では、圧電体膜30自身の機械的強度や耐電圧性が高いため、特許文献1,2のように別途応力緩和層を設ける必要がない。したがって、本実施形態の圧電素子1は、特許文献1,2に記載の素子に比較して応力緩和層が不要な分、素子設計が容易であり、生産性に優れ、低コストである。
なお、本実施形態の圧電素子1では、応力緩和層が必須ではないが、必要に応じて、別途応力緩和層を設けることは差し支えない。
本実施形態の圧電素子1においては、圧電体膜30のヤング率が膜厚方向に分布を有している。膜厚方向にヤング率を変えることで、機械的強度及び絶縁耐圧に優れ駆動耐久性に優れた圧電素子を提供することができる。すなわち、駆動時に発生する大きな応力をヤング率の相対的に低い層領域(明確に「層」として存在していない場合もあるが、ここでは説明を簡略化するために、「層領域」という文言を使用している。)にて緩和することができるため、長期の駆動時において耐久性が向上する。また、絶縁破壊電圧がより大きくなる。この理由は明確ではないが、以下のように推察している。一般的に圧電体膜に大きな電圧を印加したときに、圧電体膜は大きく歪み、大きな応力が加わる。その際に応力によってマイクロクラクックが発生し、そこを起点として膜厚方向にクラックが伸びて、結果として絶縁破壊が生じる。本発明のようにヤング率の異なる層領域が圧電体膜に含まれていると、応力に対して異なる歪をもつ層領域が膜中に存在することとなる。歪量が異なる層領域が膜中に存在すれば、仮にマイクロクラックが発生したとしても、そのクラックは膜厚方向に進行せずに、ヤング率の異なる層領域にてブロックされる。そのため、絶縁破壊電圧が高くなり、耐久性が向上する。さらに膜中のヤング率が相対的に低い層領域は実質的に応力緩和層として働いている可能性もある。
上記のように、膜厚方向のヤング率を変えることができるということは、インクジェット式記録ヘッド3などのデバイスの設計において、設計自由度が広がり、好ましい。例えば、変位量やインクの吐出力は、振動板のヤング率と厚み、及び圧電体膜のヤング率と厚みの関係によって決まる。そのため、圧電体膜のヤング率を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となれば、とりうる設計解の範囲が大きくなり、ロバストネスのある設計が可能となるという効果もある。すなわち、ヤング率の大きな圧電体膜を用いれば、剛性が高くなるので、より薄い膜を用いることができる。あるいは、ヤング率の小さな圧電体膜を用いれば、同じ厚みでも剛性が低くなるため、より大きな変位を得ることができる。このように、膜のヤング率を変えることが可能となれば設計の技術的余裕度が広がる。
「インクジェット式記録装置」
図2及び図3を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図2は装置全体図であり、図3は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図2のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図2上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図2の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図3を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
「圧電型超音波振動子(超音波トランスデューサ)」
図4を参照して、本発明に係る一実施形態の圧電型超音波振動子の構造について説明する。図4は圧電型超音波振動子の要部断面図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
本実施形態の圧電型超音波振動子5は、裏面側からリアクティブイオンエッチング(RIE)加工されて、空洞部81と振動板82と振動板82を支える支持部83とが一体形成されたオープンプール構造のSOI基板80と、この基板上に形成された圧電素子4と、圧電素子4の電極71、73に高周波交流電流を印加するRf電源(高周波交流電源)90とから概略構成されている。圧電素子4は、基板80側から下部電極71と圧電体膜72と上部電極73との積層構造を有している。
下部電極71及び上部電極73の組成や厚みは、図1の圧電素子1の下部電極20及び上部電極40と同様である。圧電体膜72は、本発明のヤング率の規定を充足する圧電体膜である。
圧電素子4の電極71、73に超音波領域の電気交流信号が印加されると、印加された電気交流信号と同じ周波数で圧電素子4に撓み振動が生じ、振動板82は圧電素子4と一体となって撓み振動する。このとき、振動板82は支持部83により周縁部が支持された状態で振動することにより、振動板82の圧電素子4と反対側から、印加された電気交流信号と同じ周波数の超音波が放射される。
本実施形態の圧電型超音波振動子5は、以上のように構成されている。本実施形態によれば、機械的強度及び耐電圧に優れ駆動耐久性に優れた圧電型超音波振動子5を提供することができる。
本実施形態の圧電型超音波振動子5は、超音波モータ等に使用できる。
本実施形態の圧電型超音波振動子5はまた、特定周波数の超音波を発生し、対象物より反響して戻ってきた超音波を検知するセンサ等として使用でき、超音波探触子等に使用できる。対象物より反響して戻ってきた超音波を受けて振動板82が振動すれば、その応力に応じて圧電体膜72が変位し、圧電素子4にはその変位量に応じた電圧が生じる。これを検出することで、対象物の形状等を検出することができる。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(比較例1,2)
Siウエハ上にスパッタ法により、基板温度350℃にて、下部電極として20nm厚のTi膜と150nm厚のIr膜とを順次成膜した。この下部電極上に、4.0μm厚のNbドープPZT圧電体膜を成膜した。
比較例1,2においては、成膜パワーを変更する以外は同一条件で成膜を実施した。また、これらの例においては、成膜途中に成膜条件を変えずに、終止同じ条件で成膜を実施した。成膜条件は以下の通りとした。
成膜装置:Rfスパッタ装置、
ターゲット:150mmφのPb1.3(Zr0.46Ti0.42Nb0.12)O焼結体、
基板温度:475℃、
基板―ターゲット間距離(T−S距離):60mm、
成膜圧力:0.5Pa、
成膜ガス:Ar/O=30sccm/0.8sccm、
成膜時間:計90分間、
投入電力(成膜パワー):500W(比較例1)、700W(比較例2)。
得られた圧電体膜のEBSD測定を実施した。断面EBSD像を図5に示す。図5に示すように、得られた圧電体膜は、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であった。膜厚方向に見たとき、後記実施例1のように平均柱径の大きな変化は見られなかった。
各例において得られた圧電体膜のヤング率を測定した。ヤング率はフィッシャーインストルメンツ製のピコインデンターを用いて測定した。圧子としてBerkovichを用い、硬度計を膜表面から接触させた状態で荷重を1mNまで印加して押し込み、計5回測定して、その平均値を求めた。
比較例1の圧電体膜のヤング率は110GPa、比較例2の圧電体膜のヤング率は100GPaであった。これらの例においては、膜厚方向のヤング率変化はなく、膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、Emax/Emin=1.0であった。
上記圧電体膜上にPt/Ti上部電極(Pt:150nm厚/Ti:30nm厚)を蒸着し、これを複数の400μmφの円形状パターンにパターニングして、圧電素子を得た。
下部電極―上部電極間にDC電圧を印加し、電流値が1μA以上になるポイントを絶縁破壊電圧として耐電圧を測定した。上部電極を変えて5箇所について耐電圧を測定し、その平均を求めた。比較例1の圧電体膜の耐電圧は220kV/cm、比較例2の圧電体膜の耐電圧は300kV/cmであった。
(実施例1)
圧電体膜の成膜条件を途中で変更して成膜を実施した以外は、比較例1,2と同様にして、本発明の圧電素子を得た。圧電体膜の成膜条件は以下の通りとした。
成膜装置:比較例1,2と同じ、
ターゲット:比較例1,2と同じ、
基板温度:比較例1,2と同じ、
基板―ターゲット間距離(T−S距離):比較例1,2と同じ、
成膜圧力:比較例1,2と同じ、
成膜ガス:比較例1,2と同じ、
投入電力:成膜開始〜60分間は500W、その後の30分間は700W、
成膜時間:計90分間。
得られた圧電体膜のX線回折(XRD)測定を実施したところ、(100)方向に配向性を有するペロブスカイト結晶であった。
得られた圧電体膜のEBSD測定を実施した。断面EBSD像を図6に示す。図6に示すように、得られた圧電体膜は、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であり、かつ、膜厚方向に見て、下部電極側から上方に向けて水平方向の平均柱径が連続的に大きくなる柱状構造膜であった。
MTSシステムズ社製のナノインデンター(登録商標)を用いて膜厚方向のヤング率の分布を測定したところ、ヤング率が膜厚方向に連続的に変化しており、基板側の面のヤング率が最も大きく、基板と反対側の面のヤング率が最も小さく、基板側から膜厚方向に連続的にヤング率が小さくなる構造であった。膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、Emax=110GPa、Emin=100GPa、Emax/Emin=110/100=1.10であった。
比較例1,2と同様に耐電圧を測定したところ、圧電体膜の耐電圧は550kV/cmであった。
(実施例2)
圧電体膜の成膜条件を途中で変更して成膜を実施した以外は、比較例1,2と同様にして、本発明の圧電素子を得た。圧電体膜の成膜条件は以下の通りとした。
成膜装置:比較例1,2と同じ、
ターゲット:比較例1,2と同じ、
基板温度:比較例1,2と同じ、
基板―ターゲット間距離(T−S距離):比較例1,2と同じ、
成膜圧力:比較例1,2と同じ、
成膜ガス:比較例1,2と同じ、
投入電力:成膜開始〜60分間は700W、その後の30分間は500W、
成膜時間:計90分間。
得られた圧電体膜のX線回折(XRD)測定を実施したところ、(100)方向に配向性を有するペロブスカイト結晶であった。
ナノインデンターを用いて膜厚方向のヤング率の分布を測定したところ、ヤング率が膜厚方向に連続的に変化しており、基板側の面のヤング率が最も小さく、基板と反対側の面のヤング率が最も大きく、基板側から膜厚方向に連続的にヤング率が大きくなる構造であった。膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、Emax=110GPa、Emin=100GPa、Emax/Emin=110/100=1.10であった。
比較例1,2と同様に耐電圧を測定したところ、圧電体膜の耐電圧は350kV/cmであった。
本発明の圧電体膜は、インクジェット式記録ヘッド、磁気記録再生ヘッド、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス、マイクロポンプ、超音波探触子、及び超音波モータ等に搭載される圧電素子/圧電型超音波振動子/圧電型発電素子等、あるいは強誘電体メモリ等の強誘電体素子に好ましく適用できる。
1 圧電素子
3、3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
10 基板
20、40 電極
30 圧電体膜
60 インクノズル(液体貯留吐出部材)
61 インク室(液体貯留室)
62 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置
4 圧電素子
5 圧電型超音波振動子(超音波トランスデューサ)
71、73 電極
72 圧電体膜
82 振動板
90 Rf電源(高周波交流電源)

Claims (23)

  1. 基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)において、
    膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足することを特徴とする圧電体膜。
  2. 1.05≦Emax/Emin≦1.20であることを特徴とする請求項1に記載の圧電体膜。
  3. minが30〜150GPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電体膜。
  4. ヤング率が膜厚方向に連続的に変化していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電体膜。
  5. 膜厚方向に見たときに、前記基板側の面のヤング率が最も大きく、前記基板と反対側の面のヤング率が最も小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電体膜。
  6. 前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧電体膜。
  7. 気相成長法により成膜されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の圧電体膜。
  8. プラズマを用いる気相成長法により成膜されたものであることを特徴とする請求項7に記載の圧電体膜。
  9. 成膜途中に少なくとも1つの成膜条件を1回以上変えて成膜されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の圧電体膜。
  10. 電流値が1μA以上となる印加電圧により定義される絶縁破壊電圧が350kV/cm以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の圧電体膜。
  11. 膜厚が20.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の圧電体膜。
  12. 下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(P)を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の圧電体膜。
    一般式ABO・・・(P)
    (式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。
    B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Sb,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素。
    O:酸素元素。
    Aサイト元素とBサイト元素と酸素元素のモル比は1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
  13. 下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(PX)を含むことを特徴とする請求項12に記載の圧電体膜。
    (Zr,Ti,Mb−x−y・・・(PX)
    (式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。
    Mは1種又は2種以上の金属元素を示す。
    0<x<b、0<y<b、0≦b−x−y。
    a:b:c=1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
  14. 0<b−x−yであり、ペロブスカイト型酸化物(PX)のMが、V,Nb,Ta,及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項13に記載の圧電体膜。
  15. 基板上に成膜されたペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)の成膜方法において、
    膜厚方向に見たときのヤング率の最大値をEmaxとし、最小値をEminとしたとき、1.05≦Emax/Eminを充足するように、成膜を行うことを特徴とする圧電体膜の成膜方法。
  16. 1.05≦Emax/Emin≦1.20を充足するように、前記成膜を行うことを特徴とする請求項15に記載の圧電体膜の成膜方法。
  17. 気相成長法により前記成膜を行うことを特徴とする請求項15又は16に記載の圧電体膜の成膜方法。
  18. プラズマを用いる気相成長法により前記成膜を行うことを特徴とする請求項17に記載の圧電体膜の成膜方法。
  19. max/Eminが前記関係を充足するように、成膜途中に少なくとも1つの成膜条件を1回以上変えて、前記成膜を行うことを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の圧電体膜の成膜方法。
  20. max/Eminが前記関係を充足するように、成膜途中に、成膜パワー、成膜温度、成膜圧力、ガス流量、ガス組成、基板―ターゲット間距離、ターゲット組成、及び基板電位のうち少なくとも1つの成膜条件を1回以上変えて、前記成膜を行うことを特徴とする請求項18に記載の圧電体膜の成膜方法。
  21. 請求項1〜14のいずれかに記載の圧電体膜と、該圧電体膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする圧電素子。
  22. 請求項21に記載の圧電素子と、該圧電素子に隣接して設けられた液体吐出部材とを備え、該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、前記圧電体膜に対する前記電界の印加に応じて該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有することを特徴とする液体吐出装置。
  23. 請求項21に記載の圧電素子と、
    前記電極に交流電流を印加する交流電源と、
    前記圧電体膜の伸縮により振動する振動板とを備えたことを特徴とする圧電型超音波振動子。
JP2009251988A 2009-11-02 2009-11-02 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子 Active JP5497405B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009251988A JP5497405B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009251988A JP5497405B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011096969A true JP2011096969A (ja) 2011-05-12
JP5497405B2 JP5497405B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=44113563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009251988A Active JP5497405B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5497405B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019004184A (ja) * 2014-03-18 2019-01-10 セイコーエプソン株式会社 圧電素子、アクチュエーター装置、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置
JP2020170781A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 アドバンストマテリアルテクノロジーズ株式会社 膜構造体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11112048A (ja) * 1997-10-02 1999-04-23 Seiko Epson Corp 圧電体素子、インクジェット式記録ヘッドおよびそれらの製造方法
JP2002043643A (ja) * 2000-07-24 2002-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜圧電素子
JP2004068058A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Japan Science & Technology Corp 結晶性薄膜形成方法および形成装置
JP2006298747A (ja) * 2005-03-22 2006-11-02 Fuji Photo Film Co Ltd 配向膜の製造方法、及び、液体吐出ヘッドの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11112048A (ja) * 1997-10-02 1999-04-23 Seiko Epson Corp 圧電体素子、インクジェット式記録ヘッドおよびそれらの製造方法
JP2002043643A (ja) * 2000-07-24 2002-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜圧電素子
JP2004068058A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Japan Science & Technology Corp 結晶性薄膜形成方法および形成装置
JP2006298747A (ja) * 2005-03-22 2006-11-02 Fuji Photo Film Co Ltd 配向膜の製造方法、及び、液体吐出ヘッドの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019004184A (ja) * 2014-03-18 2019-01-10 セイコーエプソン株式会社 圧電素子、アクチュエーター装置、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置
JP2020170781A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 アドバンストマテリアルテクノロジーズ株式会社 膜構造体
JP7421710B2 (ja) 2019-04-03 2024-01-25 I-PEX Piezo Solutions株式会社 膜構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5497405B2 (ja) 2014-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4299360B2 (ja) 圧電素子及びそれを用いた液体吐出装置
JP5329863B2 (ja) 圧電素子及び圧電素子の製造方法、液体吐出装置
US7768178B2 (en) Piezoelectric device, piezoelectric actuator, and liquid discharge device having piezoelectric films
JP5497394B2 (ja) 圧電アクチュエータとその駆動方法、液体吐出装置、圧電型超音波振動子
JP5399166B2 (ja) 柱状構造膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子
JP2008252071A (ja) 圧電素子とその製造方法、及び液体吐出装置
JP5265973B2 (ja) 圧電素子及び液体吐出装置
JP2010080813A (ja) 圧電体膜とその製造方法、圧電素子、及び液体吐出装置
JP4438893B1 (ja) 圧電体とその製造方法、圧電素子、及び液体吐出装置
WO2016084365A1 (ja) 圧電体膜及びそれを備えた圧電素子、及び液体吐出装置
JP5329820B2 (ja) 液体吐出装置
JP5290610B2 (ja) 圧電膜の成膜方法
JP5592104B2 (ja) 圧電体膜並びにそれを備えた圧電素子及び液体吐出装置
JP2007314368A (ja) ペロブスカイト型酸化物、強誘電素子、圧電アクチュエータ、及び液体吐出装置
JP6219535B2 (ja) 圧電素子の製造方法、及びアクチュエータの製造方法
JP5497405B2 (ja) 圧電体膜とその成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子
JP2007281049A (ja) 積層素子、圧電素子、及びインクジェット式記録ヘッド
JP6392360B2 (ja) 圧電体膜とその製造方法、圧電素子、及び液体吐出装置
JP5449970B2 (ja) 圧電体膜の成膜方法、圧電素子、液体吐出装置、及び圧電型超音波振動子
JP4564580B2 (ja) 圧電体膜の製造方法およびそれにより製造された圧電体膜
JP2008192867A (ja) ペロブスカイト型酸化物とその製造方法、圧電体膜、圧電素子、液体吐出装置
JP5270278B2 (ja) 圧電素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5497405

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250