JP2011096085A - タッチパネル式入力装置及び物体放置検出方法 - Google Patents

タッチパネル式入力装置及び物体放置検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学式タッチパネルを用いるタッチパネル式入力装置においてより正確に物体放置を検出することのできる技術を提供する。
【解決手段】発光素子50及び受光素子60からなる対を複数配置して、遮光領域からタッチパネル4の位置座標を検出するタッチパネル式入力装置1において、記憶部33は、タッチパネル4上に物体がない状態における発光素子50が光を発してから受光素子60が光を検知するまでの時間である基準到達時間T0を記憶する。演算部31は、光の遮蔽が検知された場合に、光の遮蔽を検知した発光素子50及び受光素子60の対とは異なる他の対の発光素子50が光を発してから受光素子60が光を検知するまでの時間である到達時間T1を算出する。比較部32は、到達時間T1と基準到達時間T0との比較を行う。放置検出部35は、到達時間T1及び基準到達時間T0の不一致が検出された場合には、タッチパネル4上に物体が放置されていると判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネルを備える入力装置に関し、特に、入力装置のタッチパネル上に物体が放置されていることを検出する技術に関する。
近年では、タッチパネル等のタッチパネルを備える端末装置が、多くの場で用いられるようになってきている。タッチパネルは、各種方式により、利用者が押下した位置座標を検出する。タッチパネルの位置座標の検出方式の一つに、赤外線方式がある。
赤外線方式を採用するタッチパネルでは、発光素子(LED、Light Emitting Diode)から発せられたビームを受光素子において検出できない場合や検出レベルが低下した場合に、利用者によりタッチパネルの操作が行われたことを認識する。
赤外線方式によれば、タッチパネル上に物体が放置されているような場合であっても、操作がなされた場合と同様にビームが遮蔽されてしまうため、実際の利用者によるタッチパネルの操作と、タッチパネル上に物体が放置されていることとを区別する必要がある。そこで、ビームの遮蔽が所定の期間以上継続する場合には、タッチパネル上に物体が放置されていると判断する物体放置検知機能を備えるタッチパネルが提供されている。
タッチパネルに関する公知の技術として、例えば、ペーパーディスプレイの下部に、ペーパーディスプレイの押圧によるひずみを検知するタッチパネルを配置する技術について提供されている(例えば、特許文献1)。
また、歪みゲージを用いて、タッチパネルの押下によるひずみを計測する技術についても提供されている(例えば、特許文献2)。
特開2003−280812号公報 特開2006−252093号公報
上記の従来技術に係るタッチパネルの物体放置検知機能によれば、発光側または受光側のいずれかの素子不良によりビーム遮蔽が起こっている場合であっても、物体放置と判断することとなる。
従来は、素子不良により誤って物体放置が検知された場合であっても、タッチパネルのユーザに対して音声や表示等により報知して、放置物体の除去を依頼していた。物体放置と発光側または受光側の素子不良とを判別することが可能となれば、このような誤った報知をユーザに対して行わずとも済むようになる。
本発明は、赤外線式タッチパネル等の光学式タッチパネルを用いるタッチパネル式入力装置において、より正確に物体放置を検出することのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るタッチパネル式入力装置は、光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子から発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置であって、前記タッチパネル上に前記発光素子から発する光を遮蔽する物体がない状態における、前記発光素子が光を発してから前記受光素子が該光を検知するまでの基準到達時間を記憶する記憶部と、該対の光の遮蔽が検知された場合に、該対の光の遮蔽を検知した発光素子及び受光素子の対とは異なる他の対の発光素子が光を発してから受光素子が該他の対の光を検知するまでの到達時間を算出する演算部と、前記演算部において算出した前記到達時間と、前記記憶部に記憶されている基準到達時間との比較を行う比較部と、前記比較部において、前記到達時間及び前記基準到達時間を比較し、不一致が検出された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する放置検出部とを備える構成とする。
または、光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子から発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置であって、前記複数の発光素子の中から選択した一の発光素子から発光させ、該発光素子と対をなす受光素子、及び、該選択した発光素子と対をなす受光素子以外の受光素子であって該選択した発光素子が発した光を受光可能な位置に配置された受光素子のうち、いずれかにおいて光を検知するか否かにより、該選択した発光素子の不良の有無を判断する第1の判断部と、前記複数の受光素子の中から選択した一の受光素子と対をなす発光素子、及び、該発光素子以外の発光素子であって、該選択した受光素子において光の検知が可能な位置に配置された発光素子から発した光を、該選択した受光素子において検知するか否かにより、該選択した受光素子の不良の有無を判断する第2の判断部と、前記第1及び第2の判断部において不良が無いと判断された発光素子及び受光素子について光の遮蔽が検知された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する放置検出部とを備える構成とする。
本発明に係るタッチパネル式入力装置によれば、光の遮蔽が検知された場合に、それが物体放置によるものであるのか、あるいは発光素子または受光素子の不良によるものであるかの切り分けが可能となるため、より正確に物体放置を検出することが可能となる。
第1の実施形態に係るタッチパネル式入力装置の構成図である。 タッチパネルへの物体放置による到達時間の変化を説明する図である。 初期到達時間テーブルの構造を示す図である。 第1の実施形態に係る物体放置を検出する処理を示したフローチャートである。 第2の実施形態に係るタッチパネル式入力装置の構成図である。 赤外線ビームの拡散を利用して物体放置を検出する方法を説明する図である。 第2の実施形態に係る物体放置を検出する処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るタッチパネル式入力装置の構成図である。図1に示すタッチパネル式入力装置1は、パネル部2と、コントローラ部3とを有し、パネル部2を押下してユーザが入力した情報を、コントローラ部3において処理する。図1においては、本実施形態に係る物体検知処理に係わる構成のみを示しており、他の構成については記載を省略している。
パネル部2は、タッチパネル4、発光部5及び受光部6を有する。
タッチパネル4は、タッチパネル式入力装置1のユーザがタッチ面を押下して各種操作や情報の入力を行うために設けられている。タッチパネル4のタッチ面には、例えばアクリル等の材料を使用する。
発光部5及び受光部6は、それぞれ複数の発光素子50及び受光素子60を有する。発光素子50及び受光素子60は、同数ずつ対を成すように備えられ、発光素子50は、所定の波長域の光を発光し、受光素子60は、対をなす発光素子50から発せられた光を受光する。発光素子50は、実施例では、赤外線領域の波長の光を利用する。なお、それぞれ対は、それぞれの対の光路が略並行となるように配置されることが望ましい。
発光素子50及び受光素子60の対は、光軸がタッチパネル4のタッチ面の水平方向及び垂直方向となるように、タッチパネル4の外縁部に、互いに対向する位置に配置される。図1においては、図面の簡単のため、光軸を水平方向とする発光素子50及び受光素子60の対のみ記載している。
タッチパネル式入力装置1のコントローラ部3は、演算部31、比較部32、記憶部33及び放置検出部35を有する。図1においては本実施形態に係る物体放置の検出に係わる構成のみを示し、他の構成については記載を省略しているが、コントローラ部3は、パネル部2の発光部5及び受光部6から入力される信号により、赤外線ビームの遮蔽を検知した場合には、発光部5と受光部6との間すなわちタッチパネル4上に遮蔽物があると認識する。発光素子50が発光する赤外線ビームの遮蔽が起こっている発光素子50及び受光素子60の対により、ユーザがタッチパネル4を押下した位置を認識する。赤外線式タッチパネル等の光学式タッチパネルの位置検出技術については、公知の技術であるので、詳細な説明は割愛する。
演算部31は、パネル部2の発光部5及び受光部6から入力された信号により、発光素子50が発光させてから受光素子60が受光するまでの時間を求める。この発光素子50から発せられた光が受光素子60に到達するまでの時間を、以下の説明においては「到達時間」とする。
比較部32は、演算部31において求めた到達時間を、記憶部33に記憶しているテーブル34上の基準となる到達時間と比較する。基準となる到達時間とは、タッチパネル4上に物体が置かれていないときの到達時間を言い、以下の説明においては「基準到達時間」とする。
制御部36は少なくとも、発光部5の発光素子50の発光タイミング及び、受光部6の受光素子60の受光タイミングを制御する。
なお、本実施形態においては、基準到達時間として、タッチパネル式入力装置1の初期状態における到達時間を用いている。これは、タッチパネル式入力装置1の起動時等の初期状態においては、タッチパネル4の上には何も置かれていないことが保証されているとの仮定に基づく。初期時における基準到達時間を、以下においては「初期到達時間」とする。演算部31及び比較部32の動作については、後で詳しく説明する。
放置検出部35は、比較部32において比較した結果に基づき、タッチパネル4上に物体が放置されているか否かを判断して検出する。
図1に示すタッチパネル式入力装置1は、所定の期間以上に渡って、あるいは所定の回数以上のタッチパネル4の押下を認識した場合には、それがユーザによるタッチパネル4の操作ではないと判断する。そして、発光部5の発光素子50から発せられた光が受光部6の受光素子60に到達するまでの到達時間を求め、求めた到達時間を利用して、タッチパネル4上に物体が放置されているのか、あるいは発光素子50若しくは受光素子60の側において障害が発生しているのかを判断する。
次に、図2を参照して、到達時間を利用して物体放置を検出する方法について具体的に説明する。
図2は、タッチパネル4への物体放置による到達時間の変化を説明する図であり、タッチパネル4を断面(側面)から見た図である。タッチパネル4上に何も置かれていない場合(図2(1))の発光素子50及び受光素子60の間の受発光距離をL0、到達時間をT0とし、タッチパネル4上に物体10が放置されている場合(図2(2))の受発光距離をLx、到達時間をTxとする。
図2(2)に示すとおり、タッチパネル4上に物体10が置かれた状態である場合には、タッチパネル4が物体10の重みにより下方にひずみが生じ、受発光距離L0とLxの関係は、L0≧Lxを満たす。タッチパネル4上の物体10の有無に係わらず、赤外線ビームの速度は変わらないため、到達時間T0とTxの関係についても、T0≧Txが成り立つ。これより、本実施形態においては、タッチパネル4の押下を所定の期間以上に渡り認識した場合等には、到達時間を求め、物体10が置かれていないときの到達時間(基準到達時間)T0との比較を行う。そして、「求めた到達時間が基準到達時間T0を下回る」との条件を満たす場合には、物体放置と判断し、条件を満たさない場合には、物体10により赤外線ビームの遮蔽が起こっているのではなく、発光素子50または受光素子60の不良と判断する。
なお、実施例では、到達時間が基準到達時間を下回る場合に、ビーム遮蔽が物体放置によるものであると判断しているが、これには限らない。例えば、ビーム遮蔽の検知された対については、到達時間を計測することができないため、他の対について到達時間を計測することとなる。
上記の実施例では、ビーム遮蔽の検知された対と比較的近傍に位置する対を選択して到達時間を計測する場合には、上記の条件(すなわち、到達時間が基準到達時間を下回るか否か)で物体放置の判断を行っているが、これには限らない。例えば、到達時間が基準到達時間と等しいか否かを判定し、互いに不一致の場合には物体放置と判断する構成も考えられる。
基準到達時間は、図1の記憶部33のテーブルに格納しておく。上記のとおり、実施例では、タッチパネル式入力装置1の起動時等の初期状態における到達時間である初期到達時間を格納する。
図3は、初期到達時間テーブル34の構造を示す図である。図3に示すテーブルのうち、各行は発光部5の発光素子(図3においてはE、E等、Nは自然数)50のそれぞれを、各列は受光部6の受光素子(図3においてはR、R等、nは自然数)60のそれぞれを表し、交差する箇所には、対応する発光素子50と受光素子60との間の初期到達時間が格納されている。以下の説明においては、互いに対をなす発光素子50及び受光素子60については、それぞれアルファベットの大文字及び小文字で表現することとする。例えば、N番目の発光素子Eとn番目の受光素子Rとは互いに対をなす関係とする。また、本実施例においては、N=nの関係で説明しているがこれに限られるものではなく、他のタッチパネルの構成としてN=nの関係を満たさない構成としても良い。
発光部5に設けられた複数の発光素子50のうち、ある発光素子50から発せられたビームは、図1においても模式的に示しているとおり、拡散により、対をなす受光素子60だけでなく、近傍の他の受光素子60にも届く。発光素子50と受光素子60との対のうち、互いにビームを送受できない対については、初期到達時間を計測不能であるとして、初期到達時間テーブル34には値が格納されない。図3では、網掛けで示す箇所がこれに該当する。網掛けで示す以外の対については、ビームの送受が可能であり、初期到達時間の計測が可能であり、値が格納されていることを示している。
なお、初期到達時間T0は、タッチパネル式入力装置1の起動時等の初期化時に測定して初期到達時間テーブル34に格納する構成としてもよいし、タッチパネル式入力装置1の出荷時等に設定する構成としてもよい。あるいは、タッチパネル式入力装置1のユーティリティソフトウェア等を起動して初期到達時間を測定し、初期到達時間テーブル34に測定値を格納する構成としてもよい。
次に、図3に示す初期到達時間テーブル34に格納されている初期到達時間を用いて物体放置を検出する方法について、フローチャートを参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る物体放置を検出する処理を示したフローチャートである。タッチパネル式入力装置1が起動され、ユーザによりタッチパネル式入力装置1の使用が開始されたことを契機として、図4に示す処理を開始する。なお、図4に示す処理の開始に際しては、上記のとおり、初期到達時間テーブル34に初期到達時間T0が格納され、テーブルが作成されていることが前提となる。
まず、ステップS1で、赤外線ビームの遮蔽を検知する。すなわち、発光部5の各発光素子50から発せられた赤外線ビームのうち、受光部6の受光素子60のいずれにおいても受光されないことを検知する。赤外線ビームの遮蔽を検知した発光素子50、受光素子60の対を(E、R)とする。対(E、R)は、例えば図1においては図面上からそれぞれN番目及びn番目の発光素子50及び受光素子60の対を表し、赤外線ビームを受光できなかった受光素子Rと、これと対をなす発光素子Eからなる。
ステップS2で、赤外線ビームの遮蔽が所定の時間以上、あるいは所定回数以上に渡り継続するか否かを判定する。赤外線ビームが遮蔽されている状態が所定の時間内あるいは所定回数内に終了した場合には、ステップS6に進み、ビーム遮蔽はユーザのタッチパネル4の操作によるものと判定し、物体放置検出の処理を終了する。
一方、ステップS2において、赤外線ビームの遮蔽が所定の時間以上あるいは所定回数以上継続していると判定した場合には、ステップS3に進み、到達時間を初期到達時間T0と比較する。具体的には、赤外線ビームの遮蔽を検出した対(E、R)以外の対についてのビーム遮蔽を検知する直前の到達時間と、初期到達時間テーブル34から読み出した対応する初期到達時間T0とを比較する。
上記のとおり、実施例では、所定の時間以上あるいは所定回数以上に渡りビーム遮蔽が継続するか否かに基づいて、赤外線ビームの遮蔽がユーザのタッチパネル4の操作等によるものであるか否かを判定している。これは、操作によるタッチの場合には、タッチ面にタッチしたあとは指を離すために通常一定時間内にてビーム遮蔽状態が解除されるが、物体放置の場合には除去されるまでは遮蔽状態が継続される、という相違を利用したものである。
また、S/N比を(signal-noise ratio)を向上させるため、タッチパネル式入力装置では、一般的に、赤外線ビームの投光及び遮蔽については発光部5及び受光部6の各素子の状態を周期的に監視しており、所定の時間以上あるいは所定の監視回数以上に渡って投光/遮蔽状態が継続していることをもって、ビームの状態(投光または遮蔽のいずれの状態であるか)を判断している。
ステップS2において比較に利用する対を、(EN−A、Rn−a)とする。(EN−A、Rn−a)としては、赤外線ビームの遮蔽が検出された対(E、R)と近接し、タッチパネル4上に物体が置かれている場合には、タッチパネル4に生じたひずみが到達時間に影響を与え得る程度の位置にあるが、ビーム遮蔽は生じていない対を利用する。
なお、上記の例では、ステップS3において、1対(EN−A、Rn−a)についての到達時間T1を初期到達時間T0と比較しているが、これに限らない。上記の条件を満たすより多くの対のそれぞれについて到達時間T1を求め、それぞれの初期到達時間T0との比較を行うことで、物体放置と、発光素子50又は受光素子60の不良との判別の精度を更に向上させることができる。
対(EN−A、Rn−a)について計測した到達時間T1(N−A、n−a)と、対(EN−A、Rn−a)について初期到達時間テーブル34から読み出したT0(N−A、n−a)との大小関係を比較すると、ステップS4に進む。
ステップS4においては、到達時間T1と初期到達時間T0とを比較した結果、計測した到達時間T1は初期到達時間T0を下回るか否かを判定する。到達時間T1が初期到達時間T0以上の値をとる場合には、ステップS7に進む。そして、ビーム遮蔽は、ビーム遮蔽の検知された対(E、R)のうち、発光側もしくは受光側のいずれかにおける素子不良であると判断し、処理を終了する。
一方、到達時間T1が初期到達時間T0を下回る場合には、ステップS4からステップS5に進み、対(E、R)のビーム遮蔽は物体放置によるものであると判断して物体放置を検出し、処理を終了する。
上記のステップS5において、物体放置を検出した場合には、タッチパネル4上に物体が放置されている旨の通知を音声や表示等することにより、ユーザに通知することが望ましい。
なお、ビーム遮蔽を検知した対(E、R)から距離の離れた位置にある対ほどひずみは小さくなり、初期到達時間T0と、計測した到達時間T1との差が小さくなる。この傾向をステップS4の判断条件に加味して判断を行う等の方法をとることにより、更にS/N比を向上させることもできる。
以上説明したように、本実施形態に係るタッチパネル式入力装置1によれば、ビーム遮蔽が所定の時間以上に渡って検知された場合等には、タッチパネル4にひずみが生じているか否かを、ビームが発光素子50から受光素子60に到達するまでの時間(到達時間)を計測して、物体が放置されていない場合に要する時間(基準到達時間、初期到達時間)と比較を行う。計測した時間が比較した時間を下回る等、互いに一致しない場合には、物体放置によりタッチパネル4にひずみが生じていると判断する。ビーム遮蔽が物体放置によるものであるか、あるいは素子側の不良によるものであるかの切り分けが可能となり、より正確に物体放置を検出することが可能となる。
<第2の実施形態>
上記の実施形態に係るタッチパネル式入力装置1においては、物体放置の場合には、タッチパネル4の物体の置かれている箇所にひずみが生じることを利用して、物体放置を検出している。すなわち、発光素子50から発せられた赤外線ビームが受光素子60に到達するまでの時間を、物体が置かれていないときに要する時間と比較することにより、物体放置と素子不良との切り分けを行っている。
これに対し、本実施形態に係るタッチパネル式入力装置では、発光部5から発せられた赤外線ビームが拡散することを利用して、予め発光側または受光側の素子不良であるか否かを判断することにより、赤外線ビームの遮蔽を検知したときに、物体放置か素子不良によるものかの判断を行っている点で異なる。
以下に、図面を参照して本実施形態に係るタッチパネル式入力装置において物体放置を検出する方法について、具体的に説明する。
図5は、第2の実施形態に係るタッチパネル式入力装置の構成図である。上記の実施形態に係るタッチパネル式入力装置1と同様の構成については詳細な説明は省略し、異なる点を中心に説明することとする。
図5に示すタッチパネル式入力装置1Aのうち、パネル部2の構成については図1に示す構成と同様である。コントローラ部7は、障害判断部71、放置検出部74及び記憶部75を有する。
障害判断部71は、発光側障害判断部72と受光側障害判断部73とを有し、赤外線ビームの受発光を行う素子について障害の有無を判断する。発光側障害判断部72及び受光側障害判断部73は、それぞれ発光部5及び受光部6の素子につき、不良であるか否かを判断する。
記憶部75は、障害判断部71において素子不良と判断された発光素子50や受光素子60を特定する情報を記憶する。
放置検出部74は、障害判断部71の判断結果に基づき、タッチパネル4上に物体が放置されていることを検出する。
図5に示すタッチパネル式入力装置1は、発光部5のある発光素子50から発せられた赤外線ビームが受光部6の複数の受光素子60のうちいずれかにおいて受光できた場合には、発光素子50については不良なしと判断する。また、受光部6のある受光素子60について、発光部5の複数の発光素子50から発せられた赤外線ビームのいずれかを受光できた場合には、受光素子60については不良なしと判断する。このようにして、予め素子不良を判断しておくことにより、物体放置と素子不良との判別を行う。
図6は、赤外線ビームの拡散を利用して物体放置を検出する方法を説明する図である。
複数の発光素子50及び受光素子60の対のうち、N番目の対による光軸について説明する。N番目の発光素子(Eとする)50から発せられた赤外線ビームは、これと対を成すn番目の受光素子(Rとする)60で受光される。ここで、発光素子Eから発せられるビームは、その拡散により、対応する受光素子(R)60だけでなく、R近傍の他の受光素子60においても受光される。
図6に示す例では、N番目の発光素子(E)50から発せられた赤外線ビームは、拡散により、対の受光素子(R)60や、Rの近傍に位置する受光素子(Rn−m〜Rn+m)60により受光が可能であるとする。
ここでは、ある発光素子50から発せられた赤外線ビームを検知可能な受光素子60は、ビームを発する発光素子50対をなす受光素子60、及び、この受光素子60から数えて±m(mは正の整数)個の受光素子60の合計2m+1個の受光素子60であると仮定している。この場合、N―M番目の発光素子EN−Mから発せられた赤外線ビームについては、受光素子Rn−2m〜Rにより受光が可能である。
タッチパネル4上に置かれた物体10により、発光素子Eから発せられたビームが対の受光素子Rにおいて受光できないとしても、Rにおいて他の発光素子(例えば図6のEN−M)から発せられたビームを受光できる場合には、Rの素子不良ではない、と判断することができる。また、発光素子Eから発せられたビームが対の受光素子Eにおいて受光されないとしても、他の受光素子(たとえば図6のRn−m)において受光できる場合には、Eの素子不良ではない、と判断することができる。
本実施形態に係るタッチパネル式入力装置1Aは、このことを利用して、予め発光素子50や受光素子60の中に不良素子が含まれていないか判断しておく。そして、素子不良により検知されるビーム遮蔽を判別して、物体放置によるビーム遮蔽をより正確に検出することを可能とする。なお、この不良素子判断は、起動時だけに限らず、適時行う処理としても良い。これにより不良素子判断の精度を上げることが可能となる。
図7は、本実施形態に係る物体放置を検出する処理を示したフローチャートである。タッチパネル式入力装置1が起動されたことを契機として、図7に示す処理を開始する。
まず、ステップS11で、ある発光素子(Eとする)から赤外線ビームを発光させ、ステップS12で、Eから発せられたビームを受光可能な受光素子(Rn−m〜Rn+m)60で受光するかを監視する。そして、ステップS13で、ステップS12において監視した結果、n−m番目からn+m番目の受光素子60のうち、いずれかにおいて受光を検知したか否かを判定する。
n−m〜Rn+mの受光素子60のいずれにおいても発光素子E50からのビームを検知できなかった場合には、ステップS14に進む。ステップS14においては、N番目の発光素子Eの素子不良と判定し、記憶部75に素子不良の発光素子としてEを記憶させると、ステップS15に進む。
n−m〜Rn+mの受光素子60の少なくとも1つにより発光素子E50からのビームを検知できた場合には、特に処理を行わず、ステップS15に進む。
ステップS15では、ある受光素子(Rとする)においてビームを受光可能な発光素子(EN−M〜EN+M)から赤外線ビームを発光させ、ステップS16で、EN−M〜EN+Mの発光素子50から発せられたビームを受光素子Rにおいて受光するかを監視する。そして、ステップS17で、ステップS16において監視した結果、N−M番目からN+M番目の発光素子50のうちいずれかにつき、発したビームが受光素子Rにおいて受光されたか否かを判定する。
受光素子Rにおいて、EN−M〜EN+Mの発光素子50から発せられたビームのいずれも検知できなかった場合には、ステップS18に進む。ステップS18においては、n番目の受光素子Rの素子不良と判定し、記憶部75に素子不良の受光素子としてRを記憶させると、ステップS19に進む。
受光素子Rにおいて、EN−M〜EN+Mの発光素子50のうち少なくとも1つから発せられたビームを検知できた場合には、特に処理を行わず、ステップS19に進む。
上記のステップS11〜ステップS18までの処理を、発光部5及び受光部6に含まれる全ての発光素子50及び受光素子60について実行すると、ステップS19で、赤外線ビームの遮蔽を待ち受ける。ビームの遮蔽を検知すると、ステップS20に進む。
ここではステップS11〜ステップS18までの処理完了後にステップS19で、赤外線ビームの遮蔽を待ち受けるとしたが、ステップS19で、赤外線ビームの遮蔽を待ちうけているあいだにもステップS11〜ステップS18までの処理を定期的に行うことで素子状態を最新状態に更新し、より正確に物体放置を検出することも可能である。
なお、本実施形態に係るタッチパネル式入力装置1Aにおいて赤外線ビームの遮蔽を検知する方法については、上記実施形態におけるそれと同様である。また、ここでは、ステップS19においてビームの遮蔽を検知した発光素子50及び受光素子60の対を(E、R)とする。
ステップS20で、記憶部75に格納されている情報を参照し、ビームの遮蔽を検知した対(E、R)については、ステップS14及びステップS18において素子不良と判定されたか否かを判定する。EまたはRのいずれかが素子不良と判定されたものである場合には、ステップS23に進む。そして、ビーム遮蔽は発光側もしくは受光側の素子不良によるものであると判断し、処理を終了する。
一方、発光素子E及び受光素子Rのいずれについても素子不良と判定されたものでない場合には、ステップS21に進み、赤外線ビーム遮蔽が所定の時間以上(あるいは所定回数以上)継続するか否かを判定する。
赤外線ビームが遮蔽されている状態が所定の時間内(あるいは所定回数内)に終了した場合には、ステップS24に進み、ビーム遮蔽はユーザのタッチパネル4の操作によるものと判定し、処理を終了する。
一方、ステップS21において、赤外線ビームの遮蔽が所定の時間以上あるいは所定回数以上継続していると判定した場合には、ステップS22に進み、対(E、R)のビーム遮蔽は物体放置によるものであると判断し、処理を終了する。物体放置を検出した場合には、上記実施形態についてと同様に、タッチパネル4上に物体が放置されている旨の通知を音声や表示等することにより、ユーザに通知することが望ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るタッチパネル式入力装置1Aによれば、ビームが拡散する性質を利用して、予め発光側または受光側の素子について障害の有無を判断しておく。具体的には、発光素子50から発せられたビームが複数の受光素子60のうちいずれかにおいて検知されたか否かにより、発光側の素子不良を判断し、受光素子60が、複数の発光素子50のそれぞれから発せられたビームのいずれかを検知することができるか否かにより、受光側の素子不良を判断する。ビーム遮蔽が所定の時間以上に渡って検知された場合等には、予め判断しておいた素子不良の有無についての情報を参照し、素子不良でない場合には、物体放置と判断する。ビーム遮蔽が物体放置によるものであるか、あるいは素子側の不良によるものであるかの切り分けが可能となり、より正確に物体放置を検出することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態に係るタッチパネル式入力装置は、第1の実施形態に係るタッチパネル式入力装置1において、ひずみを利用する方法と、第2の実施形態に係るタッチパネル式入力装置1Aにおいて、ビームの拡散を利用することにより素子不良を予め判断しておく方法とを組み合わせることにより、タッチパネル4上に物体が放置されていることを検出することを特徴とする。
本実施形態に係るタッチパネル式入力装置は、図1に示すコントローラ部3の構成と、図5に示すコントローラ部7の構成とを組み合わせた構成である。すなわち、パネル部2からの信号が、演算部31及び障害判断部71に与えられる。そして、演算部31は、演算結果を比較部32に渡し、比較部32は演算部31から入力された到達時間T1と、記憶部33から読み出した初期到達時間T0とを比較する。放置検出部は、比較部32における比較の結果と障害判断部71における判断結果とを利用して、物体放置を検出する。
本実施形態に係る物体放置検出方法は、第2の実施形態に係る方法すなわちビーム拡散を利用する方法のうち、図7のステップS19〜ステップS24までの処理(図7においては※印で示す処理)を、図4に示す一連の処理(図4のステップS1〜ステップS7までの処理)に置き換えて実行することにより実現できる。
例えば、発光素子50や受光素子60と物体が置かれている場所との距離が近いような場合には、ビームの拡散を利用した素子不良の切り分けが難しくなる。このような場合であっても、タッチパネル4に生じるひずみを利用して物体放置の判断を行うことで、素子不良と物体放置との判別の精度を向上させることが可能となる。また、タッチパネル4上に放置されている物体の質量等によっては、生じるひずみ量が比較的小さい場合がある。このような場合であって、ビームの拡散を利用して予め素子不良の判断を行っておくことで、より正確に物体放置を検出することが可能となる。
1、1A タッチパネル式入力装置
2 パネル部
3 コントローラ部
4 タッチパネル
5 発光部
6 受光部
7 コントローラ部
10 物体
31 演算部
32 比較部
33 記憶部
34 初期到達時間テーブル
35 放置検出部
36 制御部
71 障害判断部
72 発光側障害判断部(第1の判断部)
73 受光側障害判断部(第2の判断部)
74 放置検出部
75 記憶部

Claims (5)

  1. 光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子が発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置であって、
    前記タッチパネル上に前記発光素子が発する光を遮蔽する物体がない状態における、前記発光素子が光を発してから前記受光素子が該光を検知するまでの基準到達時間を記憶する記憶部と、
    該対の光の遮蔽が検知された場合に、該対の光の遮蔽を検知した発光素子及び受光素子の対とは異なる他の対の発光素子が光を発してから受光素子が該他の対の光を検知するまでの到達時間を算出する演算部と、
    前記演算部において算出した前記到達時間と、前記記憶部に記憶されている基準到達時間との比較を行う比較部と、
    前記比較部において、前記到達時間及び前記基準到達時間を比較し、不一致が検出された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する放置検出部と、
    を備えることを特徴とするタッチパネル式入力装置。
  2. 前記複数の発光素子の中から選択した一の発光素子から発光させ、該発光素子と対をなす受光素子、及び、該選択した発光素子と対をなす受光素子以外の受光素子であって該選択した発光素子が発した光を受光可能な位置に配置された受光素子のうち、いずれかにおいて光を検知するか否かにより、該選択した発光素子の不良の有無を判断する第1の判断部と、
    前記複数の受光素子の中から選択した一の受光素子と対をなす発光素子、及び、該発光素子以外の発光素子であって、該選択した受光素子においては光の検知が可能な位置に配置された発光素子から発した光を、該選択した受光素子において受光するか否かにより、該選択した受光素子の不良の有無を判断する第2の判断部と、
    を更に備え、
    前記放置検出部は、前記比較部により前記到達時間及び前記基準到達時間の不一致が検出され、且つ光の遮蔽を検知した発光素子及び受光素子が、前記第1及び第2の判断部においてそれぞれ不良が無いと判断されたものである場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル式入力装置。
  3. 光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子が発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置であって、
    前記複数の発光素子の中から選択した一の発光素子から発光させ、該発光素子と対をなす受光素子、及び、該選択した発光素子と対をなす受光素子以外の受光素子であって該選択した発光素子が発した光を受光可能な位置に配置された受光素子のうち、いずれかにおいて光を検知するか否かにより、該選択した発光素子の不良の有無を判断する第1の判断部と、
    前記複数の受光素子の中から選択した一の受光素子と対をなす発光素子、及び、該発光素子以外の発光素子であって、該選択した受光素子において光の検知が可能な位置に配置された発光素子から発した光を、該選択した受光素子において検知するか否かにより、該選択した受光素子の不良の有無を判断する第2の判断部と、
    前記第1及び第2の判断部において不良が無いと判断された発光素子及び受光素子について光の遮蔽が検知された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する放置検出部と、
    を備えることを特徴とするタッチパネル式入力装置。
  4. 光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子が発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置において、該タッチパネル上に物体が放置されていることを検出する物体放置検出方法であって、
    該対の光の遮蔽が検知された場合に、該対の光の遮蔽を検知した発光素子及び受光そしの対とは異なる他の対の発光素子が光を発してから受光素子が該他の対の光を検知するまでの到達時間を算出し、
    前記算出した前記到達時間と、記憶部から読み出した、前記タッチパネル上に光を遮蔽する物体がない状態における、前記発光素子が光を発してから前記受光素子が該光を検知するまでの基準到達時間との比較を行い、
    前記到達時間及び前記基準到達時間を比較し、不一致が検出された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する
    ことを特徴とする物体放置検出方法。
  5. 光を発する発光素子及び該発光素子から発せられた光を受ける受光素子を対とし、該対を複数配置して、前記発光素子が発する光の遮光領域からタッチパネルの位置座標を検出するタッチパネル式入力装置において、該タッチパネル上に物体が放置されていることを検出する物体放置検出方法であって、
    前記複数の発光素子の中から選択した一の発光素子から発光させ、該発光素子と対をなす受光素子、及び、該選択した発光素子と対をなす受光素子以外の受光素子であって該選択した発光素子が発した光を受光可能な位置に配置された受光素子のうち、いずれかにおいて光を検知するか否かにより、該選択した発光素子の不良の有無を判断し、
    前記複数の受光素子の中から選択した一の受光素子と対をなす発光素子、及び、該発光素子以外の発光素子であって、該選択した受光素子において光の検知が可能な位置に配置された発光素子から発した光を、該選択した受光素子において検知するか否かにより、該選択した受光素子の不良の有無を判断し、
    前記判断処理において不良が無いと判断された発光素子及び受光素子について光の遮蔽が検知された場合には、前記タッチパネル上に物体が放置されていると判断する
    ことを特徴とする物体放置検出方法。
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