JP2011095682A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮像装置の回路規模や、プログラムの処理時間増加を低減しながら、精度の高い手ぶれ補正を行うこと。
【解決手段】 振れを検出して、該検出した振れの大きさを示す振れ信号を出力する振れ検出部(114)と、前記振れ検出部から出力された振れ信号を増幅するための、増幅率が可変な増幅部(101)と、予め設定された前記振れ信号の振幅範囲に収まると予測される値に前記増幅率を設定し、前記増幅部に設定する増幅率設定部と、前記増幅部により増幅された振れ信号に基づいて、前記検出した振れを補正するための振れ補正量を算出する振れ補正量算出算出部(107)と、前記振れ補正量を用いて振れを補正する振れ補正手段(103、301〜303)とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、特に手ぶれ補正機能を有する撮像装置及びその制御方法に関するものである。
従来、手ぶれ補正機能を有する撮像装置に関しては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。特許文献1に開示された技術においては、手振れ補正機能の精度を改善すること、特に微小振幅の手振れを確実に補正することを目的としている。これを実現するために、特許文献1では、手ぶれ信号を検出するための角速度センサから出力されるセンサ信号に拡大利得をかけたセンサ信号と、通常利得をかけてからビット拡張したセンサ信号とを作成する。そして、一例として、センサ信号が所定値未満の時にのみ、拡大利得をかけたセンサ信号を用いて手ブレ補正を行うことが開示されている。また、別の例として、拡大利得をかけたセンサ信号がA/D変換部のダイナミックレンジを超えている場合に、その信号を、複数のサンプリング点のビット拡張したセンサ信号を用いて補間することが開示されている。
特開2004−320733号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、角速度センサから出力されるセンサ信号を異なる複数の増幅率で増幅するため、複数の増幅回路が必要となる。また、異なる増幅率で増幅された複数のアナログ信号を切り替えてひとつのA/D変換器によりデジタル化するため、変換するアナログ信号が増えれば、A/D変換時間が増大してしまう。さらには、センサ信号がA/D変換部のダイナミックレンジを超えているか否かに応じて、複数のサンプリング点の値から補間処理を行うための複雑なプログラムや回路が必要となる。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、撮像装置の回路規模や、プログラムの処理時間増加を低減しながら、精度の高い手ぶれ補正を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、振れを検出して、該検出した振れの大きさを示す振れ信号を出力する振れ検出手段と、前記振れ検出手段から出力された振れ信号を増幅するための、増幅率が可変な増幅手段と、予め設定された前記振れ信号の振幅範囲に収まると予測される値に前記増幅率を設定し、前記増幅手段に設定する設定手段と、前記増幅手段により増幅された振れ信号に基づいて、前記検出した振れを補正するための振れ補正量を算出する振れ補正量算出手段と、前記振れ補正量を用いて振れを補正する振れ補正手段とを有する。
本発明によれば、撮像装置の回路規模や、プログラムの処理時間増加を低減しながら、精度の高い手ぶれ補正を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る振れ補正システムの概略を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る防振制御部の詳細構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る振れ信号の増幅率設定処理のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る振れ信号の増幅率設定処理のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る振れ信号の振幅と増幅率との関係を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る振れ補正量算出処理のフローチャート。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
スチルカメラ、ビデオカメラ等に代表される撮像装置において、撮像装置に外部から与えられた振れによる画像のブレを補正する手段は、大別すると光学式の手振れ補正と電子式の手振れ補正がある。光学式の手振れ補正は、レンズを光軸と垂直な方向に駆動させて撮像面を移動させるレンズ手振れ補正方式や、同じく撮像素子を駆動させる撮像素子手振れ補正方式等がある。また、電子式の手振れ補正は、撮像素子上に結像する光像の読み出し位置を変更することによって画像の切り出し位置を変更する手振れ補正である。これらの方式は、振れの大きさを検知するセンサからの信号に対して、A/D変換を通してデジタル信号処理を行い、振れ補正量を算出している。ここで振れの大きさの検出には角速度センサがよく使用されており、この角速度センサは圧電素子等の振動材を一定周波数で振動させ、回転運動成分により発生するコリオリ力による力を電圧に変換して角速度情報を得ている。
このようにして算出された振れ補正量に基づいて、補正レンズ(以下シフトレンズ)や撮像素子など振れ補正駆動部材を駆動させたり、撮像素子面の読み出し位置(画像の切り出し位置)を変更したりして、ブレを補正している。
図1は光学式手振れ補正方式による振れ補正システムの概略を示すブロック図である。図1において、103はシフトレンズであり、シフトレンズ103を光軸と垂直な方向に駆動させることによって撮像面を移動させることができる。114aは縦方向振れ検出部、114bは横方向振れ検出部であり、例えば角速度センサである。通常姿勢の撮像装置の垂直方向若しくは水平方向の振れを検知する。そして、検知した揺れの揺れ量を出力する。
413a、413bは、それぞれ縦方向及び横方向における防振制御部であり、縦方向、横方向の振れ量からシフトレンズ103の目標位置を決定する。なお、防振制御部413a、413bの詳細は、図2を参照して後述する。301a、301bは縦方向及び横方向のPID制御を行う制御部(以下PID部)であり、目標位置とシフトレンズ103の位置を示す実位置信号との偏差から制御量を求め、位置指令信号を出力する。
302a、302bはそれぞれドライブ部であり、PID部301a、301bから送られた位置指令信号に基づき、シフトレンズ103を駆動する。303a、303bはそれぞれ位置検出部であり、シフトレンズ103の縦方向及び横方向の位置を検知する。
次に、シフトレンズ103の位置制御について説明する。シフトレンズ103の位置制御では、縦方向振れ検出部114a及び横方向振れ検出部114bからの撮像装置の振れを表す信号に基づいて、それぞれの方向にシフトレンズ103を駆動させる。シフトレンズ103には磁石が付けられており、この磁石の磁場を位置検出部303a、303bで検知し、シフトレンズ103の実位置を示す位置信号がPID部301a、301bへそれぞれ送られる。
PID部301a、301bは、これらの位置信号が防振制御部413a、413bから送られる目標位置にそれぞれ収束するようなフィードバック制御を行う。このとき、PID部301a、301bでは比例制御、積分制御、及び微分制御とを選択的に組み合わせたPID制御を行う。これによって撮像装置に手振れなどの振れが発生した時に画像振れを防止している。
図2は、本第1の実施形態における防振制御部413a、413bの詳細構成を示すブロック部である。なお、図1では縦方向及び横方向それぞれついて構成を記載しているが、縦方向と横方向とで構成は同様であるため、図2においては、縦方向と横方向を特に区別せず、参照番号のa、bを用いないで表している。
振れ情報を検出する角速度センサ等の縦方向振れ検出部114aまたは横方向振れ検出部114b(以下、方向に関わりなく「角速度センサ114」と呼ぶ。)は、振れを検出して、検出した振れの大きさを示す振れ信号を出力する。この振れ信号は、増幅率が可変な増幅器101により、後述する増幅率設定部104により設定された増幅率で増幅される。増幅された振れ信号は、A/D変換部102によりデジタル数値化され、カットオフ周波数が変更可能なデジタルハイパスフィルタ(HPF)105、デジタルローパスフィルタ(LPF)106で処理され、所定周波数帯域成分の振れ信号が出力される。フィルタ処理された振れ信号は、振れ補正量算出部107により実際のシフトレンズ103の目標位置に換算され、PID部301によりシフトレンズ103の現在位置と目標位置とから制御量が計算される。この計算された制御量に基づいて、シフトレンズ103を駆動するドライブ部302a及び302bが駆動される。
また、108は振れ信号の振幅とあらかじめ決められた振幅レベルを比較する振れ振幅判定部、109は振れ信号からパンニング動作の有無を判定するパンニング動作判定部である。また、110は露光タイミング通知部、111はズーム倍率変更部、112は交換レンズ変更検出部である。増幅率設定部104は、振れ振幅判定部108による比較結果と、パンニング動作判定部109によるパンニング動作の有無と、露光タイミング通知部110による露光タイミング情報と、ズーム倍率変更部111によるズーム位置情報、そして交換レンズ変更検出部112によるレンズ変更の情報から増幅率を決定し、決定された増幅率を増幅器101に設定する。
またA/D変換部102によりデジタル数値化された信号は、角速度センサ114の持つ温度ドリフト成分等によりオフセットを持つ場合がある。このオフセット成分を除去するためのデジタルオフセット量算出部113ならびに、HPF105、LPF106のカットオフ周波数を変更するカットオフ変更部115を持つ。カットオフ変更部115は、増幅率設定部104の情報を用いて、増幅率変更時にデジタルオフセット量ならびにカットオフを変更する。
次に、図3のフローチャートを参照して、本第1の実施形態において防振制御部413で行われる振れ信号の増幅率を決定する処理について説明する。なお、本第1の実施形態では、増幅率として1倍、4倍、8倍に限定して説明するが、本発明は他の倍率でも同様に実施可能であり、例えば、変更する倍率が4つ以上の場合でも同様に実施可能である。
防振制御部413により増幅率設定処理が開始されると、まず、パンニング動作判定部109によりパンニング動作中であるかの判定が行われる(S11)。パンニング動作中であると判定された場合には、撮像装置の画角変化が大きく、大きな振れに対しても振れ補正を行うことが必要である。そのため、振れ角検出のダイナミックレンジを広く取るために増幅率設定部104は増幅率を1倍に設定して(S14)、増幅率設定処理を終了する。
一方、パンニング動作中であると判定されなかった場合は、ズーム倍率変更部111から得られるズーム位置情報が、予め決められたズーム位置よりもワイド(低倍率)側を示しているかを判定する(S12)。ズーム位置がワイド側であると判定した場合にも同様にダイナミックレンジを広く取ることが有効であるため、増幅率を1倍に設定する(S14)。なお、上記の例では、予め決められたズーム位置よりもワイド側か否かにより増幅率を設定しているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ズーム位置を細かく分類して、各ズーム位置に増幅率を設定しても良い。その際に、ワイド端に近いほど画角が広くなるため、ワイド端に近いほど増幅率を低くして、振れ角検出のダイナミックレンジをより広く取るようにしてもよい。
さらに本発明では、ズーム位置変更による焦点距離の変化に対して増幅率を変更しているが、同様の考え方として交換レンズのレンズ交換に伴う焦点距離変化に対しても増幅率を変更するようにしても良い。この場合には、交換レンズの装着を検出する交換レンズ変更検出部112より、低倍率レンズの装着時には、最も低い増幅率を選択することで振れ角検出のダイナミックレンジを広く取るようにする。また、高倍率レンズの装着時には、最も高い増幅率を選択することで、微小な振れに対する角度変化の分解能を改善する。
ズーム位置がワイド側でないもしくは低倍率レンズ非装着の場合には、露光タイミング通知部110により露光中であるか否かを判定する(S13)。露光中である場合には増幅率を8倍に設定し(S16)、露光中でない場合には増幅率を4倍に設定し(S15)、増幅率設定処理を終了する。ここで露光中のみ増幅率を最大の倍率である8倍に設定するのは、次の理由による。即ち、露光中は撮影者はカメラをしっかりと構えているために画角変化が小さいことが多いため、広い角度変化を検出するよりも、むしろ微小な振れに対する角度変化の分解能を改善することで撮影の成功率が改善するためである。
本第1の実施形態によれば、パンニング動作、ズーム位置、交換レンズ装着の有無、露光中か否かの撮影状況によって、増幅された振れ信号が想定されるダイナミックレンジの範囲に充分な角度変化の分解能をもって効率よく収まると予測される増幅率を設定する。これにより、大きな振れに対するダイナミックレンジの確保と、微小な振れに対する検出分解能向上の両者を改善することができ、振れ補正の精度向上が可能となる。
なお、上述した第1の実施形態では、パンニング動作、ズーム位置、交換レンズ装着の有無、露光中か否かに応じて増幅率を設定していたが、これらの判断のうち、少なくともいずれか1つを行うことで、増幅率を設定するようにしても良い。
<第2の実施形態>
次に、本第2の実施形態における増幅率設定処理について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。なお、振れ補正システムの構成は、図1及び図2に示すものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
防振制御部413により増幅率設定処理が開始されると、まず、現在、増幅器101に設定されている増幅率が1倍であるか否かを判定する(S21)。増幅率が1倍である場合には、振れ振幅判定部108により、振れ信号の振幅が予め設定された第1の振幅範囲以上であるかどうかの判定を行う(S23)。図5(a)のA1が、第1の振幅範囲を示している。第1の振幅範囲を超える場合には、現在、増幅率1倍のダイナミックレンジをフルに使用しており、増幅率を上げることで振れ信号がA/D変換部102のレンジを超えてしまう恐れがあるため、増幅率の変更は行わず、増幅率設定処理を終了する。一方、振れ信号の振幅が第1の振幅範囲内の場合には、増幅率を上げることにより、振れ信号の分解能を改善することが可能であるため増幅率を4倍に設定し(S26)、増幅率設定処理を終了する。
増幅率が1倍ではない場合には(S21でNO)、増幅率が4倍であるかの判定を行い(S22)、増幅率が4倍の場合には、振れ信号の振幅判定を行う(S24)。ここでは、振れ信号の振幅が予め設定された第2の振幅範囲内にあるかどうかを調べる。なお、増幅率が4倍の場合には、第1の振幅範囲とは異なり、振幅の上限だけではなく、振幅の下限も規定されている。第2の振幅範囲の一例を、図5(b)のA2に示している。第2の振幅範囲以上の場合には増幅率を1倍に下げ(S27)、第2の振幅範囲より小さい場合には8倍に上げる(S28)。また、第2の振幅範囲内の場合には現在の増幅率が適正であるため、現在の増幅率の4倍を維持したまま増幅率設定処理を終了する。
増幅率が4倍ではない場合には、本第2の実施形態では8倍であることが明確であるため、振れ信号の振幅が予め設定された第3の振幅範囲以上であるどうかを判定する(S25)。図5(c)のA3が、第3の振幅範囲を示している。第3の振幅範囲以上の場合には増幅率を4倍に下げる(S29)。一方、振れ信号の振幅が第3の振幅範囲内の場合には、本第1の実施形態ではこれ以上増幅率を上げることができないので、現在の増幅率を維持して、増幅率設定処理を終了する。
上記の通り本第2の実施形態によれば、振れ信号の振幅の大きさに応じて、次に増幅された振れ信号が、所望のダイナミックレンジの範囲(振幅範囲)に、充分な角度変化の分解能をもって効率よく収まると予測される増幅率を設定する。これにより、大きな振れに対するダイナミックレンジの確保と、微小な振れに対する検出分解能向上の両者を改善することができ、振れ補正の精度向上が可能となる。
なお、上述した例では、増幅率が4倍の時の第2の振幅範囲では、振幅範囲の上限と下限を規定しているが、増幅率が1倍の時の第1の振幅範囲と、8倍の時の第3の振幅範囲では、振幅範囲の上限しか規定していない。図4に示す制御の基本的な考え方は、各増幅率において、振幅がある一定の振幅(第1の振幅)以上となった場合に増幅率を下げ、振幅が、第1の振幅よりも小さい、ある一定の振幅(第2の振幅)より小さくなった場合に増幅率を上げるものである。しかしながら、増幅率が1倍の時にはこれ以上低い増幅率が無く、また、増幅率が8倍の時にはこれ以上高い増幅率が無い。そのため、第1の振幅と第2の振幅により決まる振幅範囲との比較を行うのではなく、1倍の時には倍率を上げるかどうかを判断するために第2の振幅のみにより決まる振幅範囲との比較を行っている。同様に、8倍の時には倍率を下げるかどうかを判断するために第1の振幅のみにより決まる振幅範囲との比較を行っている。従って、増幅器101の増幅率を4種類以上に制御可能である場合には、最小の増幅率と、最大の増幅率の時に振れ信号の振幅を判断する場合には、1つの振幅により規定される振幅範囲と比較すればよい。なお、第1の振幅と第2の振幅は、増幅率毎に決めておくことができる。
また、本第2の実施形態において、倍率の初期値は、予め固定値(例えば1倍)に設定しておいてもよいし、上述した第1の実施形態で説明した方法で設定された倍率を変更するようにしても良い。
<第3の実施形態>
次に、本第3の実施形態における増幅率変更時の振れ補正量算出処理について、図6のフローチャ―トを参照しながら説明する。なお、振れ補正システムの構成は、図1及び図2に示すものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
上述したように、撮影状況や振れ信号の振幅によって振れ信号にかける増幅率を変更することで、振れ補正の精度向上が可能である。しかしながら、増幅率の変更で、増幅率を上げることにより同じ程度の揺れに対するデジタル値の信号レベルが大きくなり、振れ信号がオフセットを持つ場合には、増幅率変更直後に信号が不連続になるため過渡応答が発生してしまう可能性がある。そのため、増幅率変更が頻繁に行われる場合には、過渡応答防止のための処理を行うことが必要となる。
まず、デジタルオフセット量算出部113は、A/D変換部102によりデジタル数値化された振れ信号(以下、「デジタル振れ信号」と呼ぶ。)を取得する(S31)。次に、取得したデジタル振れ信号から以下の式(1)を用いてデジタルオフセット量を算出する(S32)。
揺れ信号=(デジタル振れ信号−デジタルオフセット量)×所定倍率…(1)
式(1)において、揺れのない時には左辺の揺れ信号が常に0になるはずである。デジタル振れ信号にオフセットがある場合には、(デジタル振れ信号―デジタルオフセット量)に何らかの値が生じる。そのため、揺れのない時に式(1)の左辺が0となるようにデジタル振れ信号の数サンプル間の平均値を計算する等によりデジタルオフセット量を算出する。デジタルオフセット量は、振れ補正量算出周期毎あるいは、特定の周期毎に更新する。次に増幅率設定部104の情報を用いて増幅率の変更があったかを判定し(S33)、変更があった場合には式(2)によりデジタルオフセット量の補正を行う(S34)。
揺れ信号=(デジタル振れ信号−デジタルオフセット量×増幅率)
×(所定倍率/増幅率) …(2)
式(2)の増幅率は、増幅器101の理論的な増幅率であり、増幅率の変更があった際に式(2)の計算は、デジタル振れ信号のオフセットも増幅率に応じて変化する。そのため、増幅率変更直後にデジタルオフセット量とに差が生じ、揺れ信号にはステップ応答が発生する。そこで、増幅率変更直前のデジタルオフセット量に増幅率を掛けることで、増幅率変更によるステップ応答を防止する。さらに、所定倍率から増幅率を除することで、同一の揺れに対する揺れ信号のレンジは同じとなり、振れ信号算出後のデジタルフィルタ処理においてもステップ応答を防止することができる。ただし、式(2)における増幅率は理想的な増幅率であり増幅器の回路定数ばらつき等によっては、誤差が生じる。そのため、増幅率の理論値との誤差によるオフセット除去残りの影響を防止するために、増幅率変更直後にデジタルフィルタのカットオフ周波数を高周波数側に変更する(S35)。カットオフ周波数の変更を行うデジタルフィルタはHPF105もしくはLPF106のいずれか、もしくは両方でもよい。
増幅率の変更が無い場合にはS34ならびにS35の処理を行わずに次の処理へ移行する。直近の増幅率変更時点から所定時間経過したかを判定し(S36)、所定時間経過したらデジタルフィルタのカットオフ周波数を低域側に変更する(S37)。これにより、増幅率変更直後のデジタルフィルタの収束性を早め、フィルタ出力部の過渡応答を防止することができる。次に補正したデジタルオフセット量をデジタル振れ信号から差分することにより除去し(S38)、HPF処理(S39)、LPF処理(S40)を行い、振れ補正量の算出を終了する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (9)

  1. 振れを検出して、該検出した振れの大きさを示す振れ信号を出力する振れ検出手段と、
    前記振れ検出手段から出力された振れ信号を増幅するための、増幅率が可変な増幅手段と、
    予め設定された前記振れ信号の振幅範囲に収まると予測される値に前記増幅率を設定し、前記増幅手段に設定する設定手段と、
    前記増幅手段により増幅された振れ信号に基づいて、前記検出した振れを補正するための振れ補正量を算出する振れ補正量算出手段と、
    前記振れ補正量を用いて振れを補正する振れ補正手段と
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. ズーム倍率変更手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記ズーム倍率変更手段から得られるズーム位置情報がワイド端に近いほど、より低い増幅率に設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像装置に含まれる撮像素子を露光しているかどうかを通知する露光タイミング通知手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記露光タイミング通知手段からの通知に基づいて、前記撮像素子を露光している場合に、前記増幅手段の増幅率の内、最も高い増幅率に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記振れ信号からパンニング動作の有無を判定するパンニング動作判定手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記パンニング動作判定手段によりパンニング動作が行われていると判定された場合に、前記増幅手段の増幅率の内、最も低い増幅率に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 交換レンズ変更検出手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記交換レンズ変更検出手段により低倍率もしくは高倍率へのレンズ交換が行われた判定された場合に、前記増幅手段の増幅率の内、低倍率レンズの場合は最も低い増幅率に設定し、高倍率レンズの場合には最も高い増幅率に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記増幅手段により増幅された振れ信号の振幅と、前記増幅手段の増幅率毎に予め決められた振幅範囲とを比較する振幅判定手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記振れ信号の振幅が前記振幅範囲以上の場合に、前記増幅手段の現在の増幅率が最小でなければ下げ、前記振幅範囲よりも小さい場合に前記増幅手段の現在の増幅率が最大でなければ上げ、いずれでもない場合に、現在の増幅率を維持するように設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記増幅手段により増幅された振れ信号の内、所定周波数帯域成分の振れ信号を出力するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段のカットオフ周波数を変更する変更手段とを更に有し、
    前記設定手段によって設定される増幅率が直前の増幅率と異なる場合、該設定される増幅率を前記増幅手段に設定してから予め設定された時間、前記フィルタ手段のカットオフ周波数を高周波数側に変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 揺れが無いときの振れ信号から、該振れ信号に含まれるオフセット量を算出するオフセット量算出手段と、
    前記増幅手段により増幅された振れ信号から、前記オフセット量を差分する差分手段とを更に有し、
    前記設定手段によって設定される増幅率が直前の増幅率と異なる場合、該設定される増幅率が前記増幅手段に設定する際に、前記オフセット量算出手段は、前記算出したオフセット量に前記増幅率を掛けることによりオフセット量を補正し、前記振れ補正量算出手段は、該オフセット量を差分された振れ信号に基づいて、振れ補正量を算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 振れ検出手段により振れを検出して、該検出した振れの大きさを示す振れ信号を出力する振れ検出工程と、
    増幅手段が、前記振れ検出工程で出力された振れ信号を増幅するための、増幅率が可変な増幅工程と、
    設定手段が、予め設定された前記振れ信号の振幅範囲に収まると予測される値に前記増幅率を設定し、前記増幅手段に設定する設定工程と、
    振れ補正量算出手段が、前記増幅工程で増幅された振れ信号に基づいて、前記検出した振れを補正するための振れ補正量を算出する振れ補正量算出工程と、
    振れ補正手段が、前記振れ補正量を用いて振れを補正する振れ補正工程と
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020101611A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法

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JP2020101611A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法
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