JP2011094744A - サスペンションおよび制振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】常に電磁石に通電をすることなく、駆動力を得ることができるサスペンションおよび制振装置を提供する。
【解決手段】長手方向に摺動可能な軸と、前記軸に固定された相対的に保磁力が大きい第1永久磁石と、固定部材に固定され、前記第1永久磁石に対して前記軸の長手方向に空隙をもって配置された相対的に保磁力が小さい第2永久磁石と、前記第2永久磁石の磁力を変化させるための磁界を印加する磁場発生部とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】長手方向に摺動可能な軸と、前記軸に固定された相対的に保磁力が大きい第1永久磁石と、固定部材に固定され、前記第1永久磁石に対して前記軸の長手方向に空隙をもって配置された相対的に保磁力が小さい第2永久磁石と、前記第2永久磁石の磁力を変化させるための磁界を印加する磁場発生部とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、外部の振動の大きさに合わせてダンパー力が可変可能なサスペンションの技術に関する。
従来の電動サスペンションとして、軸方向に永久磁石と電磁石を配置し、電磁石を構成するコイルが抵抗値の大きな第1コイルと抵抗値の小さな第2コイルとで構成されているものが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。この構成により、電磁石を構成するコイルへの通電の向きおよび電流を制御することで、電磁石で発生する磁界と永久磁石から発生する磁界により吸引・反発力を発生させて駆動力を得ている。
また、コイルに通電しない場合は、外力により永久磁石とコイルが相対的に移動し、相対速度に比例する誘起電流がコイルに発生する。この電磁石で発生する誘起電流をコイルおよび他の抵抗により消費することで、ダンパー力を得ている。
上述の構成では、駆動力を得るためには常に電磁石に通電をする必要があり、消費電力が大きいという問題がある。また、電磁石で発生する誘導電流は決まった位置においては同じ大きさとなるため、外部からの振動が大きい場合には振動を吸収できなくなるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、常に電磁石に通電をすることなく、駆動力を得ることができるサスペンション等を提供する。
本発明のサスペンションは、長手方向に摺動可能な軸と、前記軸に固定された相対的に保磁力が大きい第1永久磁石と、固定部材に固定され、前記第1永久磁石に対して前記軸の長手方向に空隙をもって配置された相対的に保磁力が小さい第2永久磁石と、前記第2永久磁石の磁力を変化させるための磁界を印加する磁場発生部とを有することを特徴とする。
常に電磁石に通電をすることなく、駆動力を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図4を参照しながら説明する。
以下、実施例1におけるサスペンション1の一実施例として図1ないし図3を参照し説明する。
図1は、本発明の第1の実施例のサスペンション1の構成図を示す。
このサスペンション1は、軸2と、軸2の中央部に固定された第1永久磁石3と、第1永久磁石3に対して軸2の長手方向に空隙を介して挟んで配置された第2永久磁石4および第3永久磁石5と、第2永久磁石4および第3永久磁石5のそれぞれの外周に配置されたコイル6aおよびコイル6bと、コイル6aおよびコイル6bを固定する固定部材7とを有している。
軸2は、円柱状に形成され、長手方向に摺動可能な構成となっている。
第1永久磁石3は、保磁力の大きい磁石で形成され、軸2を周方向に取り囲むように、軸2の中央部に接着剤で接合されている。また、第1永久磁石3は、軸2の長手方向に磁化されており、本実施例では、第2永久磁石4側をN極、第3永久磁石5側をS極とする。また、本実施例では、保磁力の大きい磁石として、例えば保磁力が800kA/m程度のネオジム焼結磁石で形成されたものを用いる。
第2永久磁石4は、保磁力の小さい磁石で形成され、第1永久磁石3の一端に対して軸2の長手方向に空隙を介して配置されている。第2永久磁石4は、軸2と固定されておらず、リニアブッシュ8aにより軸2を軸2の長手方向に摺動可能に支持している。また、本実施例では、保磁力の小さい磁石として、例えば保磁力を200kA/m程度に低減したサマリウム・コバルト磁石を用いる。
第3永久磁石5は、保磁力の小さい磁石で形成され、第1永久磁石3の他端に対して軸2の長手方向に空隙を介して配置されている。第3永久磁石5は、軸2と固定されておらず、リニアブッシュ8bにより軸2を軸2の長手方向に摺動可能に支持している。また、本実施例では、保磁力の小さい磁石として、例えば保磁力を200kA/m程度に低減したサマリウム・コバルト磁石を用いる。
なお、ネオジム焼結磁石が保磁力が大きく、サマリウム・コバルト磁石が保磁力が小さいというのは、コイル6a、6bから電機子反作用による外部磁界(コイル6a、6bを流れる電流によって発生する磁界)を作用させた場合に、サマリウム・コバルト磁石の着磁量を変化させることができる程度の電流ではネオジム磁石の着磁量が変化しないという基準において、ネオジム焼結磁石を保磁力が大きい、サマリウム・コバルト磁石を保磁力が小さいと称している。なお、保磁力の大きい磁石にネオジム焼結磁石を用い、保磁力の小さい磁石をサマリウム・コバルト磁石を用いると示したが、上記基準を満たす磁石であればよく、多種のものを使用することができる。保磁力の小さい磁石としては、サマリウム・コバルト磁石のほかにアルニコ磁石やフェライトなども使用できる。
コイル6a、6bは、第2永久磁石4および第3永久磁石5のそれぞれの外周に、同心円上にソレノイド巻きされて配置されている。
固定部材7は、第2永久磁石4の周囲のコイル6aと、第3永久磁石5の周囲のコイル6bとの外周を覆って固定している。また、固定部材7は、それぞれのコイル6a、6bの相対位置を固定している。
センサ9は、固定部材7に固定され、軸2と固定部材7との相対的な移動量や移動速度が検知可能な構成となっている。
制御部10は、コイル6a、6bと電気的に接続され、コイル6a、6bへ電流を供給する電流供給部11と、センサ9と電気的に接続され、センサ9に電源を供給するセンサ電源供給部12と、センサ9と電気的に接続され、センサ9が検知した信号を処理する信号処理部13とから構成されている。制御部10は、センサ9により検知された軸2と固定部材7との相対的な移動量や移動速度が信号処理部13により処理され、信号処理部13で処理された値に基づき、コイル6a、6bへの通電を制御する。
次に、上記構成のサスペンション1の動作について説明する。
固定部材7もしくは軸2に振動などの外乱が加わると、固定部材7と軸2との相対的な位置関係が変化し、その変化量をセンサ9が検知する。制御部10は、センサ9からの信号に基づいてコイル6a、6bに印加する電流値と通電方向を決定する。
電磁石にパルス状の電流、例えば数ms〜数十ms程度の電流を流すことで、第2永久磁石4および第3永久磁石5の磁力を変化させることができる。それぞれの磁石の磁化方向と同じ方向に磁束が発生するようにコイル6a、6bに電流を流すと、磁石の磁力が強くなる(増磁)。逆に、それぞれの磁石の磁化方向と逆の方向に磁束が発生するようにコイル6a、6bに電流を流すと、磁石の磁力が弱くなる(減磁)。さらに磁石の磁極を逆にすることもできる。この磁力が強くなった状態または磁力が弱くなった状態は、コイル6a、6bへの通電を止めても維持される。これにより、第1永久磁石3と第2永久磁石4との間と、第1永久磁石3と第3永久磁石5との間に働く磁気吸引力または磁気反発力のバランスを変化させて、外乱の大きさに対して、その吸収力を変化させることができる。
また、軸2に負荷がかかった状態において、磁気吸引力または磁気反発力のバランスを変化させて、固定部材7と軸2との相対距離を所定の状態に維持することができる。さらに、第2永久磁石4は磁気反発力が働くようにし、第3永久磁石5は磁気吸引力が働くようにすることで、剛体として機能することができる。これにより、装置運搬時等で振動させたくない状態でも使用することができる。
また、外乱が無い状態で、磁気吸引力または磁気反発力のバランスを変化させると、固定部材7と軸2との距離を変化させる駆動力を発生させることもできる。
次に、本実施例のサスペンション1を搭載した制振装置100、101の構造と作用について図2ないし図3を参照して説明する。
図2は、振動体20を有する構造体21、例えば洗濯機に本発明のサスペンション1を用いた制振装置100の構成図を示す。
サスペンション1の固定部材7が、振動体20を有する構造体21に固定されている。また、サスペンション1の軸2が、構造体の振動体20に固定されている。ここで、洗濯機を例に挙げると、構造体21が筐体を示し、振動体20が洗濯槽を示す。
振動体20が振動し、サスペンション1の軸2を振動させようとする。この時、サスペンション1の磁気吸引力または磁気反発力のバランスを、振動の変位を元に戻す方向に変化させることにより振動を抑える。また、固定部材7と軸2との相対距離を所定の位置に維持することができ、振動体20の位置を常に同じ場所に維持できる。これにより、洗濯機では、洗濯槽の重心位置が動くことなく、安定した回転を可能とする。
図3は、振動体22の振動を伝えたくない構造体23、例えば自動車、自転車、バイク、製造装置、除振台などに本発明のサスペンション1を用いた制振装置101の構成図を示す。
この構造も同様に、サスペンション1の固定部材7が、振動体22を有する構造体23の固定部材7に固定されている。また、サスペンション1の軸2が、構造体23の振動体22に固定されている。ここで、自動車を例に挙げると、構造体23が車体を示し、振動体22がタイヤを示す。
振動体22が振動し、その振動を構造体23に伝えようとする。この時、サスペンション1の磁気吸引力または磁気反発力のバランスを変化させ、振動を吸収するように作用させることで、振動体22は振動したままだが、構造体23には振動が伝わらないようにすることができる。これにより、自動車では、路面の凹凸によるタイヤの振動を車体に伝えることなく、乗車者に不快感を与えないことを可能とする。
本実施例によれば、磁石間に働く力を変化させることができるため、外乱の大きさや周波数に応じて、最適な振動吸収力にリアルタイムに変化させることができる。また、磁石間に働く力を変化させることができるため、外乱の大きさや周波数の影響を受けても、固定部材7と軸2との相対距離を所定の位置に維持することができる。また、磁石間に働く力を変化させることにより、駆動力を発生させることができる。
さらに、保磁力の小さい磁石である第2永久磁石4および第3永久磁石5を用いているので、磁石間に働く力を変化させるために、第2永久磁石4および第3永久磁石5へ一時的に電流を印加すれば良いため、消費電力が低減できる。
また、コイルばねのようにヘタリや金属疲労がないため、衝撃吸収力が安定するとともに寿命を長くできる。
図4は、本発明の実施例2を示すもので、前述の実施例1と異なるところを中心に説明する。なお、実施例1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例のサスペンション30は、第1永久磁石3と第2永久磁石4との間、および第1永久磁石3と第3永久磁石5との間に弾性体31が配置されている。弾性体31は、NBRなどのゴムで形成されている。
この構成においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
さらに、第1永久磁石3と第2永久磁石4との間、および第1永久磁石3と第3永久磁石5との間に弾性体31を介在させることで、第1永久磁石3と第2永久磁石4との衝突、および第1永久磁石3と第3永久磁石5との衝突を防ぎ、機構部の破損を防止することができる。
なお、本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。
例えば、以下のような変形又は拡張が可能である。
保磁力の大きい1つの磁石および保磁力の小さい2つの磁石の計3つの磁石で構成された実施例を示したが、これに限られず、保磁力の大きい1つの磁石と保磁力の小さい1つの磁石の計2つの磁石で構成されていてもよいし、4つ以上の磁石で構成してもよい。保磁力の大きい磁石と保磁力の小さい磁石を並べて配置し、保磁力の小さい磁石の磁力を変化させることができれば、上記と同じ効果を得ることができる。
また、保磁力の大きい磁石としてネオジム焼結磁石を用い、保磁力の小さい磁石としてサマリウム・コバルト磁石を用いる形態を示したが、コイルからの電機子反作用による外部磁界を作用させた場合に、保磁力の大きい磁石は磁力が変化せず、保磁力の小さい磁石は磁力が変化する組み合わせであればよく、種々の磁石を使用することができる。
1…サスペンション、2…軸、3…第1永久磁石、4…第2永久磁石、5…第3永久磁石、6a、6b…コイル、7…固定部材、8…リニアブッシュ、9…センサ、10…制御部、20、22…振動体、21、23…構造体、100、101…制振装置
Claims (5)
- 長手方向に摺動可能な軸と、
前記軸に固定された相対的に保磁力の大きい第1永久磁石と、
固定部材に固定され、前記第1永久磁石に対して前記軸の長手方向に空隙をもって配置された相対的に保磁力の小さい第2永久磁石と、
前記第2永久磁石の磁力を変化させるための磁界を印加する磁場発生部と、
を有することを特徴とするサスペンション。 - 前記固定部材に固定され、前記第1永久磁石に対して前記軸の長手方向に空隙をもって第2永久磁石と反対側に配置された相対的に保磁力の小さい第3永久磁石を有し、
前記磁場発生部は、前記第2永久磁石および前記第3永久磁石の磁力を変化させるための磁界を印加することを特徴とする請求項1記載のサスペンション。 - 前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間および前記第1永久磁石と前記第3永久磁石の間に弾性体が配置されていることを特徴とする請求項2記載のサスペンション。
- 前記固定部材に設置され、前記固定部材と前記軸との相対的な速度または位置の変動を検知するセンサと、
前記センサの情報に基づき、前記磁場発生部から発生する磁界を制御する制御部と
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のサスペンション。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかのサスペンションと、
振動体を有する構造体とを有し、
前記振動体と前記軸とが固定され、前記構造体と前記固定部材とが固定されていることを特徴とする制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009250720A JP2011094744A (ja) | 2009-10-30 | 2009-10-30 | サスペンションおよび制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009250720A JP2011094744A (ja) | 2009-10-30 | 2009-10-30 | サスペンションおよび制振装置 |
Publications (1)
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JP2009250720A Pending JP2011094744A (ja) | 2009-10-30 | 2009-10-30 | サスペンションおよび制振装置 |
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KR101352824B1 (ko) | 2012-08-26 | 2014-01-16 | 심민주 | 전자력을 이용한 완충 방법 |
-
2009
- 2009-10-30 JP JP2009250720A patent/JP2011094744A/ja active Pending
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