JP2011091228A - 光導変換半導体層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布法によりCuxSやCuxSeの生成を抑制して、CIS層あるいはCIGS層(光導変換半導体層)を製造する方法を提供する。
【解決手段】基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、100℃以下の温度で、反応容器21にInイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液を入れ、溶液槽24aにCuイオンを含む溶液を、溶液槽24bにSイオンまたはSeイオンを含む溶液を入れ、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液と、SイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造する。
【選択図】図1
【解決手段】基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、100℃以下の温度で、反応容器21にInイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液を入れ、溶液槽24aにCuイオンを含む溶液を、溶液槽24bにSイオンまたはSeイオンを含む溶液を入れ、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液と、SイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池等の用途に好適な光導変換半導体層の製造方法に関するものである。
下部電極(裏面電極)と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層と上部電極との積層構造を有する光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。
従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Si又は多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCIS(Cu−In−Se)系あるいはCIGS(Cu−In−Ga−Se)系等の薄膜系とが知られている。CIS系あるいはCIGS系は、光吸収率が高く、高エネルギー変換効率であることが報告されている。
従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Si又は多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCIS(Cu−In−Se)系あるいはCIGS(Cu−In−Ga−Se)系等の薄膜系とが知られている。CIS系あるいはCIGS系は、光吸収率が高く、高エネルギー変換効率であることが報告されている。
CIGS層の製造方法としては、三段階法あるいはセレン化法等が知られている。しかしながら、いずれも真空成膜であるため、高コストで、大きな設備投資が必要である。非真空系プロセスのCIGS層の製造方法としては、CIGSの構成元素を含む粒子を塗布した後、焼結する方法が提案されており、例えば、非特許文献1および2には、0℃のピリジン中で合成したCIGS粒子を基板上に塗布した後、Se雰囲気で熱処理(450〜550℃)してCIGS粒子を結晶化する方法が記載されている。また、特許文献1にはIIIa族元素を含む粒子とIb族元素を含む粒子を混合して塗布した後、SeまたはS雰囲気で熱処理(400〜550℃)してCIGS粒子を結晶化する方法が、非特許文献3にはCu2S,In2Se3,Ga,Seの粒子をヒドラジンと混合して塗布した後、Se雰囲気で熱処理(400〜550℃)してCIGS粒子を結晶化する方法が記載されている。また、特許文献2には、Cu2(Se1-xSx)粒子及び(In、Ga)2(Se1-ySy)3粒子を塗布または印刷した後、Se雰囲気で熱処理(500〜600℃)してCIGS結晶層を形成する方法が、特許文献3には200℃のトリオクチルアミン中で粒子表面を1−ドデカンチオールで保護しながら合成したCuInS2粒子を塗布した後に450℃で焼結して結晶化する方法が記載されている。
上記文献に記載されている方法は、いずれも500℃前後でCIGSの構成元素を含む粒子を塗布した膜を加熱してCIGS結晶層を形成しているため、高温に耐え得る設備と加熱に要する時間が必要であり、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
Colloids Surface A 313-314 (2008) 171-174
Solar Ener. Mater. & Solar Cells 91 (2007) 1836-1841
Thin Solid Films 517 (2009) 2158-2162
本発明は液相で形成したCIGSの構成元素を含む微粒子を塗布した後、比較的低い温度(通常の加熱装置の範囲内)で加熱してCIGS結晶層を形成し、安価な光電変換半導体層を提供しようとするものであるが、特許文献1、特許文献2および非特許文献3に記載の方法では比較的低い温度で加熱した後も加熱前から存在するCuxSやCuxSe(xは1≦x≦2である。以下、この記載は省略する。)が残存してしまうという問題がある。非特許文献1及び2に記載の方法は低温でCIGS粒子を形成した時に不純物であるCuxSやCuxSeが生成しやすく、比較的低い温度での加熱後にも残存しやすい。CuxSやCuxSeの残存は暗電流の増加や光吸収量低下につながり、発電効率を低下させてしまうため好ましくない。一方、特許文献3に記載の方法は高温でCIS粒子を形成する際に使用するキャッピング剤が比較的低い温度での加熱後にも残存しやすいという問題がある。キャッピング剤などの有機物の残渣はキャリア伝導を阻害し、発電効率を低下させてしまうため好ましくない。
本発明者が鋭意検討したところ、塗布法によりCIS層あるいはCIGS層を製造する場合に、CIS系粒子あるいはCIGS系粒子の製造条件を工夫することにより、CuxSやCuxSeの生成を抑制することが可能であり、比抵抗値を所望とする範囲に維持してCIS層あるいはCIGS層を製造できることがわかった。本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、CIS層あるいはCIGS層を所望とする範囲の比抵抗値を有するものとし、光電変換効率の高いものに製造することが可能な光導変換半導体層の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の光導変換半導体層の製造方法は、基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、前記CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、100℃以下の温度で、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造することを特徴とするものである(ただし、S/Seは、SまたはSeを意味する。以下この記載は省略する。)。ここで、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液は、CuIn(Ga)(S/Se)粒子の場合には、InイオンおよびGaイオンを含む母液であり、CuIn (S/Se)粒子の場合には、Inイオンを含む母液を意味する。
前記母液に対して、さらに1価のCuイオンをキレート化するキレート剤を添加することが好ましい。
また、前記塗布後の加熱温度は300℃以下であることがより好ましい。
また、前記塗布後の加熱温度は300℃以下であることがより好ましい。
本発明の光導変換半導体層の製造方法は、基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造するので、100℃以下という低温液相系の製造条件であっても、CuxSやCuxSeの生成を抑制することが可能であり、これによって高温熱処理を実施しなくても、CIS系粒子あるいはCIGS系粒子からなるCIS層あるいはCIGS層を所望とする範囲の比抵抗値(50〜300Ωcm)を有するものとすることができ、光電変換効率の高いものに製造することが可能である。
また、光電変換半導体層を塗布法で製造するので、気相法に比較して格段に高速で製膜することが可能である上、気相法のような高価な蒸着装置を必要としてないので低コストで製造することができる。加えて、従来の高温液相系での粒子の製造においては、粒子の保護のためのキャッピング剤や有機溶媒に起因する有機物を高温(500℃前後)で除去しなければならないため、液相法といえども高温加熱装置が必要である上、層からの有機物の除去部分に隙間ができて、これによってキャリア伝導が阻害されて光電変換効率が上がらないという問題が生じるが、本発明の製造方法では、100℃以下という低温で粒子を製造するためキャッピング剤が不要であり、塗布後の加熱温度が通常の加熱装置の範囲内であっても残存有機物量を低減することが可能である。
本発明の光導変換半導体層の製造方法は、基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造することを特徴とする。
まず、本発明の光導変換半導体層の製造方法におけるCuIn(Ga)(S/Se)粒子の製造方法について詳細に説明する。なお、CuIn(Ga)(S/Se)粒子においてGaは任意成分であり、CuIn(Ga)(S/Se)粒子は、CuInS2、CuInSe2(CIS)、あるいはこれらにGaを固溶させたCu(In,Ga)S2、Cu(In,Ga)Se2(CIGS)、あるいはこれらの硫化セレン化物を含むものである。
Inイオン,GaイオンおよびCuイオンの供給源としては、これら金属の塩または錯体が挙げられ、詳細には、金属ハロゲン化物、金属硫化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、錯体金属塩、アンモニウム錯塩、クロロ錯塩、ヒドロキソ錯塩、シアノ錯塩、金属アルコラート、金属フェノラート、金属炭酸塩、カルボン酸金属塩、金属水素化物、及び金属有機化合物等が好適に挙げられる。SイオンおよびSeイオンの供給源としては、これらの塩または錯体が挙げられ、詳細には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、チオアセトアミド類やチオール類等を好適に用いることができる。
上記Inイオン,GaイオンおよびCuイオンの供給源、SイオンおよびSeイオンの供給源を溶解させる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、エトキシプロパノール、テトラフルオロプロパノールなどのアルコール系溶媒を好ましく挙げることができ、乾燥後に膜中に溶媒を残存させないという観点からは、沸点が160℃以下の溶媒が好ましく、さらには沸点が140℃以下の溶媒が好ましい。とりわけ、光導変換半導体層に有機物除去の際にできる隙間の発生を抑制するという観点、製造コスト上の観点からは水を用いることがより好ましい。なお、上記それぞれの供給源が溶液である場合には、あえて上記溶媒で溶解させる必要はない。
添加する塩または錯塩のモル比は、目的とするCuIn(Ga)(S/Se)粒子の組成比の比率に応じて適宜選択される。反応温度は、100℃以下、好ましくは0℃以上〜100℃以下の範囲とすることが望ましい。この温度で反応させることにより反応時のキャッピング剤が不要であるため、通常の加熱装置の範囲内であっても残存有機物量を低減することが可能である。
Cuイオンを含む溶液は、1価のCuイオンをキレート化した状態で添加することによりCuイオンを徐放することができる。従って、キレート剤は最終的には母液に添加されるが、Cuイオンを含む溶液にあらかじめ添加しておくことがキレート剤の効果を高める観点からより好ましい。1価のCuイオンをキレート化するキレート剤としては、2,2’−ビピリジン、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン骨格を有する化合物あるいは分子量300から3000のポリエチレングリコール等が好ましく挙げられ、より詳細には、2,2’−ビピリジン、6,6’−ジメチルビピリジン、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン、バソフェナントロリン、バソクプロイン及びこれらの誘導体が挙げられ、置換基として水溶性基を有するものが好ましい。これらの中でもバソクプロインジスルホン酸ナトリウムあるいは分子量300から1000のポリエチレングリコールがより好ましい。これによってCuxSやCuxSeの生成をより抑制することが可能となる。1価のCuイオンをキレート化するキレート剤の添加量は添加するキレート剤にもよるが、概ねCuイオンの含有量に対して100〜300モル%であることが好ましい。
上記のとおり、Cuイオンを含む溶液は2価のCuイオンよりも1価のCuイオンの形で添加することが好ましいため、Cuイオンを含む溶液は、2価のCuイオンを1価のCuイオンに還元する還元剤を含むことが好ましい。この還元剤としては、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン(水和物)、クエン酸、アスコルビン酸、水素化ホウ素塩、ジボラン、ポリオール、アミノアルコールを好ましく挙げることができ、さらにはヒドロキシルアミン、ヒドラジン(水和物)がより好ましい。
Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加してCuIn(Ga)(S/Se)粒子を製造する工程は、攪拌部を有する反応容器を用いて行うことができる。図1は、CuIn(Ga)(S/Se)粒子の製造方法に好適な製造装置の一実施の形態を示す概略断面模式図である。図1に示すように、反応装置1は、混合液を加熱・撹拌して反応させる反応容器21、反応容器を加熱するための温度制御部22、反応液を撹拌するためのモーター23と撹拌部12、Cuイオンを含む溶液を装填する溶液槽24aとこの溶液を反応容器21へと供給するための送液流路25a、SイオンまたはSeイオンを含む溶液を装填する溶液槽24bとこの溶液を反応容器21へと供給するための送液流路25bとを具備している。
なお、図1において撹拌部12は、撹拌羽根を用いる撹拌方式を示しているが、磁力回転する磁気式撹拌子を用いる撹拌方式、せん断型撹拌装置を用いる撹拌方式を用いてもよい。撹拌羽根の形状としては、プロペラ型、ファン型、U字型、十字型、トンボ型、バタフライ型、アンカー型、タービン型、半月型、こね器型、遠心力型、溶解型などを用いることができる。磁気式撹拌子としては、ピボット型、オクタゴン型、三角柱型、平小判型、星型、十字切込型、フットボール型、バーベル型、歯車型、十字型、車輪型、ドーナツ型などを用いることができる。せん断型の撹拌装置としては、ホモジナイザーなどを用いて良く、例えば商品名オムニミキサー(ヤマト科学)等を用いることができる。
まず、反応容器21にInイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液を、Cuイオンを含む溶液を溶液槽24aに、SイオンまたはSeイオンを含む溶液を溶液槽24bにそれぞれ装填する。続いて、温度制御部22を作用させて、反応容器21中の母液を100℃以下の温度に加熱する。次に、Cuイオンを含む溶液を送液流路25aから、SイオンまたはSeイオンを含む溶液を送液流路25bから、反応容器21内へとそれぞれ添加する。添加の開始から、混合の促進、反応の促進、反応溶液の循環による均一化のため、モーター23を作動させて撹拌部12により混合液の撹拌を行う。
このように、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを別々に添加して製造することにより、CuイオンとInイオンまたはGaイオンとの接触が、SイオンとSeイオンとの接触よりも先になるために、CuIn(Ga)(S/Se)混晶にInやGaが取り込まれやすくなり、CuxSやCuxSeの生成を抑制することが可能となる。従って、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に対して、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを一緒の溶液槽から添加することは本発明の製造方法からは除かれる。
反応液から粒子を精製するため、一般に良く知られているデカンテーション法、遠心分離法、限外濾過(UF)法を用いることで、副生成物や過剰の分散剤などの不要物を除去することができる。洗浄液としては、アルコール、水またはアルコール/水混合液を用い、凝集や乾固を起こさないように行う。
上記の製造方法によりCuIn(Ga)(S/Se)粒子を製造することにより、CuxSやCuxSeの含有率を0〜3モル%以下、好適には0〜1モル%以下にまで軽減して製造することが可能である。そして、このCuIn(Ga)(S/Se)粒子を用いて、下記に記載する塗布法により光電変換半導体層を製造すれば、比抵抗値を50〜300Ωcm、好適には50〜100Ωcmの範囲で製造することが可能である。比抵抗値が50Ωcmよりも小さくなると、暗電流が増加し、光吸収量が減少するために発電効率が低下する。一方で300Ωcmよりも大きくなっても、やはり暗電流が増加し、光吸収量が減少するために発電効率が低下することになる。従って比抵抗値を50〜300Ωcmの範囲で製造することが可能な本発明の製造方法は極めて有益である。
本発明の光電変換半導体層は、上記のようにして製造したCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を基板上に塗布した後に加熱することで製造することができる。塗布工程に先立ち、基板は充分に乾燥させておくことが好ましい。用いる基板としては、特に限定されるものではなく、例えばガラス基板や、陽極酸化基板等を用いることができ、電極が形成されている基板の電極に対して塗布してもよい。基板上へ塗布液を塗布する方法としては特に制限されない。塗布方法としては、ウェブコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、ドクターブレードコーティング法、スクリーン印刷法、インクジェット法などを用いることができる。特に、ウェブコーティング法、スクリーン印刷法、インクジェット法に関しては、可撓性基板へのRoll to Roll製造が可能であり、好ましい。
特に塗布を利用した非真空プロセスで最大のメリットが連続搬送系(ロールトゥロールプロセス)により、高速で製膜が可能であることを考えると、可撓性のある基板を用いることがより好ましい。可撓性のある基板としては、金属基板、あるいはポリイミド等の有機ポリマーによる基板を使用することが好ましいが、実用時の耐久性を考えると、金属基板であることがより好ましい。
金属基板としては、ステンレス、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、銅、マグネシウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン等の金属箔、可撓性がある範囲での薄板を使用することができるが、コスト等の実用性を鑑みると、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅であることが好ましい。これらの金属薄板は、そのまま電極として使用し、それによって得た太陽電池をそのまま直列に接続して使用することもできるが、金属薄板表面を絶縁し、集積型の太陽電池を形成することが好ましい。
ステンレスを用いる場合、金属薄板表面を酸化ケイ素等の材料で被覆し、絶縁性を得ることが好ましく、例えば、特開2006−80370号公報に記載されているように、SiO2:40〜60wt%、B2O3:15〜30wt%、Na2O:2〜10wt%、TiO2:8〜20%を含有するガラス層を設けて使用することが好ましい。さらに、特開2006−295035号公報記載されているように、金属薄板上にゾルゲル法で第一の絶縁層を形成し、さらに別の絶縁材料で第二の絶縁層を形成することで絶縁性を保つことも好ましい。
しかしながら、ステンレス基板に関するこれらの方法ではピンホールの発生による局所的な導通を完全に防ぐことができず、十分な耐電圧が得られないという問題があるため、金属基板としてはステンレスより、表面に絶縁性の酸化皮膜を形成することができるアルミニウム、チタン、銅を使用することがより好ましい。
酸化被膜を積極的に形成する方法としては、陽極酸化処理が良く知られている。酸化被膜は、電気伝導性が低く、耐電特性を持ち、また融点も高いため光電変換部分の形成時に曝される高温下においても十分な耐熱性が得られる。コストの観点から、これらの金属薄板のうち、アルミニウムを好ましく用いることができる。一般にアルミニウムは熱膨張係数が大きく、光電変換層形成時に高温のプロセスを経るCIGS太陽電池には不向きとされてきたが、金属薄板表面に酸化被膜を形成することで、アルミニウム自身の熱伸縮を抑えることが可能である。
分散媒は必要に応じて使用することができ、水及び有機溶剤等の液体の分散媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、極性溶媒が好ましく、アルコール系の溶媒がより好ましい。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、エトキシプロパノール、テトラフルオロプロパノールなどが用いられ、エトキシエタノール、エトキシプロパノールまたはテトラフルオロプロパノール等が好ましい。塗布剤の粘度及び表面張力などの液物性に関しては、塗布方法に合わせて、上記の分散媒により好適な範囲に調節される。球状粒子の塗布を行うと、球状粒子は自然に最密に基板上に並び、粒子層を形成する。
塗布により粒子層を形成した後、加熱を行う。この加熱工程は300℃以下であることが好ましく、250℃以下とすることがより好ましい。残存する有機物が少ないためにこの程度の加熱で光電変換半導体層を製造することができ、層形成後も用いた粒子の形状と組成をそのまま維持することが可能である。また、この程度の加熱は通常の加熱装置により行うことが可能であり、高コストの高熱加熱装置は必要はなく、製造コストを抑えることができる。
なお、本発明の光電変換半導体層には、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれていてもよい。不純物は隣接する層からの拡散、及び/又は積極的なドープによって、光電変換半導体層中に含有させることができる。本発明の光電変換半導体層には、特性に支障のない限りにおいて、半導体、所望の導電型とするための不純物以外の任意成分が含まれていても構わない。
以下に本発明の光導変換半導体層の製造方法の実施例を示す。
以下に本発明の光導変換半導体層の製造方法の実施例を示す。
(実施例1)
In2(SO4)3 1.29gを水300mlに溶解したもの(母液:pH2.5)、CuSO4 2.58gをNH3(28%)5.9mlとNH2OH(50%)3.2mlを含む水溶液300mlに溶解したもの(添加液a:pH10)、CH3CSNH2 2.25gを含む水溶液300ml(添加液b:pH7)をそれぞれ準備した。図1に示す製造装置1の反応漕22に上記で調整した母液を注入し、送液漕24aに添加液aを送液漕25bに添加液bをそれぞれ注入した。温度制御部22により母液を加熱して母液の温度を80℃とし、撹拌部12により母液を攪拌した。この状態を維持して、送液漕24aから添加液aを送液漕25bから添加液bをそれぞれ毎分9mlの速度で10分間かけて、仕込み比がCu:In:S=1:1:6となるように反応漕22に添加した。添加終了後、更に30分間攪拌を継続した後、常温まで冷却した。その後、遠心分離を行って上澄み液を捨て、沈殿物に水を加えて分散した。これを2回繰り返した。さらに、遠心分離を行って上澄み液を捨て、沈殿物にエタノールを加えて分散した。これを2回繰り返し、CuInS2を含むエタノール液を得た。
In2(SO4)3 1.29gを水300mlに溶解したもの(母液:pH2.5)、CuSO4 2.58gをNH3(28%)5.9mlとNH2OH(50%)3.2mlを含む水溶液300mlに溶解したもの(添加液a:pH10)、CH3CSNH2 2.25gを含む水溶液300ml(添加液b:pH7)をそれぞれ準備した。図1に示す製造装置1の反応漕22に上記で調整した母液を注入し、送液漕24aに添加液aを送液漕25bに添加液bをそれぞれ注入した。温度制御部22により母液を加熱して母液の温度を80℃とし、撹拌部12により母液を攪拌した。この状態を維持して、送液漕24aから添加液aを送液漕25bから添加液bをそれぞれ毎分9mlの速度で10分間かけて、仕込み比がCu:In:S=1:1:6となるように反応漕22に添加した。添加終了後、更に30分間攪拌を継続した後、常温まで冷却した。その後、遠心分離を行って上澄み液を捨て、沈殿物に水を加えて分散した。これを2回繰り返した。さらに、遠心分離を行って上澄み液を捨て、沈殿物にエタノールを加えて分散した。これを2回繰り返し、CuInS2を含むエタノール液を得た。
基材として純度99.5%のアルミニウム板を用いて、16℃の0.5Mシュウ酸水溶液中で、直流電源を用いて、電圧40Vの陽極酸化条件において厚さの5μmの陽極酸化皮膜をアルミニウム基板の両面に形成し、更に水洗、乾燥を行った。作製した陽極酸化アルミニウム基板上に、Mo電極(厚さ0.8μm)を3cm×3cmのサイズでスパッタにより形成し、太陽電池用フレキシブル基板及び背面電極とした。作製した電極付きアルミニウム基板上に、作製したCuInS2を含むエタノール液をドクターブレード法を用いて、乾燥膜厚が1.0μmとなるように塗布した。塗布膜の焼結にランプ加熱RTP装置を用い、硫黄雰囲気で300℃30分加熱して光電変換素子を形成した。
(実施例2)
実施例1において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
実施例1において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例3)
実施例1において、In2(SO4)3をInCl3 1.46gに変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
実施例1において、In2(SO4)3をInCl3 1.46gに変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例4)
実施例1において、粒子形成時の母液の温度(反応温度)を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
実施例1において、粒子形成時の母液の温度(反応温度)を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例1)
ステンレススチール基板上に、RFスパッタリング法によって、Mo下部電極を形成した。下部電極の厚みは約1.0μmとした。下部電極を形成したステンレススチール基板上に520℃で真空蒸着法により、CuとInとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた。なお、蒸着時の基板温度は550℃とした。取出し外部電極は実施例1と同様にして設けて光電変換素子を得た。
ステンレススチール基板上に、RFスパッタリング法によって、Mo下部電極を形成した。下部電極の厚みは約1.0μmとした。下部電極を形成したステンレススチール基板上に520℃で真空蒸着法により、CuとInとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた。なお、蒸着時の基板温度は550℃とした。取出し外部電極は実施例1と同様にして設けて光電変換素子を得た。
(比較例2)
アルゴンガス雰囲気下、In(CH3COO)3 1.65g、1−ドデカンチオール35ml、Cu(CH3COO)2 1.06gを含むトリオクチルアミン100gを90℃で30分攪拌し、250℃に昇温して100分攪拌した後、実施例1と同様に遠心分離を行ってCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
アルゴンガス雰囲気下、In(CH3COO)3 1.65g、1−ドデカンチオール35ml、Cu(CH3COO)2 1.06gを含むトリオクチルアミン100gを90℃で30分攪拌し、250℃に昇温して100分攪拌した後、実施例1と同様に遠心分離を行ってCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例3)
窒素ガス雰囲気下、高速で攪拌されているCuI 0.95gを含むピリジン溶液200mlに、Na2S 0.78gを溶解させた0℃のメタノール溶液50mlとInI 1.21gを溶解したピリジン溶液50mlを10分間かけて添加し60分撹拌した後、実施例1と同様に遠心分離を行ってCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
窒素ガス雰囲気下、高速で攪拌されているCuI 0.95gを含むピリジン溶液200mlに、Na2S 0.78gを溶解させた0℃のメタノール溶液50mlとInI 1.21gを溶解したピリジン溶液50mlを10分間かけて添加し60分撹拌した後、実施例1と同様に遠心分離を行ってCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例4)
実施例1において、添加液bを母液として用い、母液を添加液bとして用いた以外は同様の手順でCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
実施例1において、添加液bを母液として用い、母液を添加液bとして用いた以外は同様の手順でCuInS2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(評価方法)
(CuxSの含有率)
実施例1〜4、比較例2〜4で得られたCIS粒子10mgを30%過酸化水素水2.2mlとテトラエチレンペンタミン8.8mlで溶解し、上澄み中のCuイオンおよびSイオンをICPで定量することにより、CuxSの含有率をモル%として測定した。比較例1は基板上に蒸着して形成したCIS膜を掻き取って剥離し、これを用いて上記と同様にして測定した。
(CuxSの含有率)
実施例1〜4、比較例2〜4で得られたCIS粒子10mgを30%過酸化水素水2.2mlとテトラエチレンペンタミン8.8mlで溶解し、上澄み中のCuイオンおよびSイオンをICPで定量することにより、CuxSの含有率をモル%として測定した。比較例1は基板上に蒸着して形成したCIS膜を掻き取って剥離し、これを用いて上記と同様にして測定した。
(比抵抗値)
実施例1〜4、比較例2〜4で作製した光電変換素子の膜上に直径2mmの金電極を蒸着で4箇所に取り付け、直流四端子法で測定した。
実施例1〜4、比較例2〜4で作製した光電変換素子の膜上に直径2mmの金電極を蒸着で4箇所に取り付け、直流四端子法で測定した。
(光電変換効率)
実施例1〜4、比較例2〜4で作製した光電変換素子の表面に、CdS薄膜を90nm程度溶液成長法で堆積し、その上に、透明導電膜のZnO:Al膜をRFスパッタ法により厚さ0.6μmで形成した。最後に上部電極として、Alグリッド電極を蒸着法で付与することで太陽電池セルを作製した。このようにして作製した太陽電池について、Air Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いて光電変換効率を求めた。
結果を表1に示す。
実施例1〜4、比較例2〜4で作製した光電変換素子の表面に、CdS薄膜を90nm程度溶液成長法で堆積し、その上に、透明導電膜のZnO:Al膜をRFスパッタ法により厚さ0.6μmで形成した。最後に上部電極として、Alグリッド電極を蒸着法で付与することで太陽電池セルを作製した。このようにして作製した太陽電池について、Air Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いて光電変換効率を求めた。
結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の製造方法で得られたCIS光電変換層を有する光電変換素子は従来の低温液相系の製造方法で得られたCIS光電変換層を有する光電変換素子(比較例4)に比べて、いずれもCuxS含有率が低減しており、比抵抗値は所望とする範囲内(50〜300Ωcm)であった。比較例4はSイオンを含む溶液にInイオンを含む溶液とCuイオンを含む溶液とを添加して製造しているため、CuxSの発生を抑制することができず、この結果の比較から、Inイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンを含む溶液とを添加して製造することにより、CuxSの生成を抑制することが可能であることが看取される。
また、塗布法で製造した実施例では、気相法(比較例1)に比べて製膜速度が非常に速いにもかかわらず、気相法と遜色のない光電変換効率が得られた。なお、比較例2は高温液相法で製造したCIS粒子を用いたCIS光電変換層を有する光電変換素子であるが、この場合には高温液相系に起因してCuxSの生成は抑制されていたものの、残存有機物に起因して比抵抗値が上昇してしまい、光電変換効率が低下した。また、比較例3は低温液相系でSイオンを含む溶液にInイオンを含む溶液とCuイオンを含む溶液とを添加して製造しているため、CuxSの生成は抑制されていたものの、残存有機物に起因して比抵抗値が上昇してしまい、光電変換効率が低下した。
次に、CIGS粒子(CuIn0.7Ga0.3S2粒子)を用いた実施例を示す。
次に、CIGS粒子(CuIn0.7Ga0.3S2粒子)を用いた実施例を示す。
(実施例11)
実施例1において、In2(SO4)31.29gをIn2(SO4)30.90gとGa2(SO4)30.32gに変えた以外は実施例1と同様にしてCuIn0.7Ga0.3S2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
実施例1において、In2(SO4)31.29gをIn2(SO4)30.90gとGa2(SO4)30.32gに変えた以外は実施例1と同様にしてCuIn0.7Ga0.3S2の粒子を得、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例12)
実施例11において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
実施例11において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例13)
実施例11において、In2(SO4)3をInCl3 0.77gとGaCl3 0.26gに変更した以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
実施例11において、In2(SO4)3をInCl3 0.77gとGaCl3 0.26gに変更した以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例14)
実施例11において、粒子形成時の母液の温度を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
実施例11において、粒子形成時の母液の温度を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例11)
CuとInとGaとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた以外は、比較例1と同様にして光電変換素子を得た。
CuとInとGaとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた以外は、比較例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例12)
比較例2において、In(CH3COO)3 1.65gをIn(CH3COO)3 1.16gとGa(CH3COO)3 0.42gに変えた以外は比較例2と同様にして光電変換素子を得た。
比較例2において、In(CH3COO)3 1.65gをIn(CH3COO)3 1.16gとGa(CH3COO)3 0.42gに変えた以外は比較例2と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例13)
比較例3において、InI 1.21gをInI 0.85gとGaI 0.30gに変えた以外は比較例3と同様にして光電変換素子を得た。
比較例3において、InI 1.21gをInI 0.85gとGaI 0.30gに変えた以外は比較例3と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例14)
実施例11において、添加液bを母液として用い、母液に添加液bを用いた以外は同様の手順でCuIn0.7Ga0.3S2の粒子を得、実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
実施例11において、添加液bを母液として用い、母液に添加液bを用いた以外は同様の手順でCuIn0.7Ga0.3S2の粒子を得、実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
上記実施例1〜4、比較例1〜4で行った評価方法により、実施例11〜14、比較例11〜14の光電変換素子を同様に評価した。結果を表2に示す。表2に示すように、CuIn0.7Ga0.3S2粒子においても、CIS粒子と同様の結果が得られた。
次に、CIGS粒子(CuIn0.7Ga0.3Se2粒子)を用いた実施例を示す。
(実施例21)
実施例11において、添加液bとしてCH3CSNH2 2.25gに変えてCH3CSeNH2 3.65gを用いた以外は実施例11と同様にしてCuIn0.7Ga0.3Se2の粒子を得、実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例21)
実施例11において、添加液bとしてCH3CSNH2 2.25gに変えてCH3CSeNH2 3.65gを用いた以外は実施例11と同様にしてCuIn0.7Ga0.3Se2の粒子を得、実施例11と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例22)
実施例21において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
実施例21において、添加液aにバソクプロインジスルホン酸二ナトリウム9.1gを添加した以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例23)
実施例21において、In2(SO4)3をInCl3 0.77gとGaCl3 0.26gに変更した以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
実施例21において、In2(SO4)3をInCl3 0.77gとGaCl3 0.26gに変更した以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例24)
実施例21において、粒子形成時の母液の温度を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
実施例21において、粒子形成時の母液の温度を25℃とし、添加液aおよび添加液bの添加時間を1分間とした以外は実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例21)
CuとInとGaとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた以外は、比較例1と同様にして光電変換素子を得た。
CuとInとGaとSeとを独立した蒸着源から蒸着させた以外は、比較例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例22)
比較例12において、1−ドデカンチオール35mlを1−ドデカンセレノール43ml に変えた以外は比較例12と同様にして光電変換素子を得た。
比較例12において、1−ドデカンチオール35mlを1−ドデカンセレノール43ml に変えた以外は比較例12と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例23)
比較例13において、Na2S 0.78gをNa2Se 1.25gに変えた以外は比較例13と同様にして光電変換素子を得た。
比較例13において、Na2S 0.78gをNa2Se 1.25gに変えた以外は比較例13と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例24)
実施例21において、添加液bを母液として用い、母液に添加液bを用いた以外は同様の手順でCuIn0.7Ga0.3Se2の粒子を得、実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
実施例21において、添加液bを母液として用い、母液に添加液bを用いた以外は同様の手順でCuIn0.7Ga0.3Se2の粒子を得、実施例21と同様にして光電変換素子を得た。
上記実施例1〜4、比較例1〜4で行った評価方法により、実施例11〜14、比較例11〜14の光電変換半導体層を同様に評価した。なお、CuxSeの含有率は、CIGS粒子10mgを30%を過酸化水素水2.2mlとテトラエチレンペンタミン8.8mlで溶解し、上澄み中のCuイオンおよびSeイオンをICPで定量することにより、CuxSeの含有率をモル%として測定した。結果を表3に示す。
表3に示すように、CuIn0.7Ga0.3Se2粒子においても、CIS粒子と同様の結果が得られた。
表3に示すように、CuIn0.7Ga0.3Se2粒子においても、CIS粒子と同様の結果が得られた。
以上の実施例から明らかなように、本発明の光導変換半導体層の製造方法は、CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造するので、100℃以下という低温液相系の製造条件であっても、CuxSやCuxSeの生成を抑制することが可能であり、これによって高温熱処理を実施しなくても、CIS系粒子あるいはCIGS系粒子からなるCIS層あるいはCIGS層の比抵抗値を50〜300Ωcmの範囲とすることができ、光電変換効率の高いものに製造することが可能である。
1 反応装置
21 反応容器
24a 溶液槽
24b 溶液槽
21 反応容器
24a 溶液槽
24b 溶液槽
Claims (3)
- 基板上にCuIn(Ga)(S/Se)粒子と分散媒を含む塗布液を塗布した後に加熱する光電変換半導体層の製造方法であって、前記CuIn(Ga)(S/Se)粒子を、100℃以下の温度で、Inイオンを含む母液またはInイオンとGaイオンを含む母液に、Cuイオンを含む溶液とSイオンまたはSeイオンを含む溶液とを添加して製造することを特徴とする光導変換半導体層の製造方法。(ただし、S/Seは、SまたはSeを意味する。)
- 前記母液に対して、さらに1価のCuイオンをキレート化するキレート剤を添加することを特徴とする請求項1記載の光導変換半導体層の製造方法。
- 前記塗布後の加熱温度が300℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光導変換半導体層の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8268270B1 (en) | 2011-06-10 | 2012-09-18 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Coating solution for forming a light-absorbing layer of a chalcopyrite solar cell, method of producing a light-absorbing layer of a chalcopyrite solar cell, method of producing a chalcopyrite solar cell and method of producing a coating solution for forming a light-absorbing layer of a chalcopyrite solar cell |
WO2012169617A1 (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-13 | 東京応化工業株式会社 | ヒドラジン配位Cuカルコゲニド錯体およびその製造方法、光吸収層形成用塗布液、ならびに光吸収層形成用塗布液の製造方法 |
WO2012169621A1 (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-13 | 東京応化工業株式会社 | 光吸収層形成用塗布液、及び光吸収層形成用塗布液の製造方法 |
JP2013012703A (ja) * | 2011-05-30 | 2013-01-17 | Kyocera Corp | 化合物半導体膜の製造方法および製造装置 |
US20160155867A1 (en) * | 2012-10-29 | 2016-06-02 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Coating solution for forming light-absorbing layer, and method of producing coating solution for forming light-absorbing layer |
-
2009
- 2009-10-23 JP JP2009244076A patent/JP2011091228A/ja not_active Withdrawn
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