JP2011090047A - 移動軌跡図作成装置およびコンピュータプログラム - Google Patents

移動軌跡図作成装置およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 飛翔体の三次元軌跡を2Dや3Dの地図と組み合わせて表示し、飛翔体の動きを把握する。
【解決手段】 移動体(21)をカメラ(22)で撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラ(22)の位置データを入力するデータ入力部(12)と、前記画像データに対応する画像位置を検出する撮影位置検出手段(19)と、前記画像位置に対応する2D地図データ(31)を入力する二次元地図入力部(13)と、前記画像位置に対応する等高線を示す標高付き3D地図データ(32)を入力する三次元地図入力部(14)と、前記画像データおよび光学的データを用いて移動体(21)の三次元位置座標の軌跡(23)を演算する飛翔体軌跡演算部(16)と、2D地図データ(31)および3D地図データ(32)をX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせ、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて飛翔体軌跡演算部(16)で演算した移動体(21)の軌跡を合成する合成演算部(17)と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鳥や飛行物体などの飛翔体の三次元位置座標データを取得した後のデータ処理であって、その飛翔体と実際における地表面の構造物との位置関係を示す移動軌跡図を作成する移動軌跡図作成装置およびコンピュータプログラムに関する。
大規模な屋外フィールドにおける鳥などの飛翔体の軌跡を記録するには、以下のような方法が一般的であった。
まず、撮影対象となるフィールドを挟むように、2台のカメラを充分に離れた2カ所に設置する。そして、その2台のカメラで同時に撮影することによって飛翔体の画像データを取得する。その画像データを三次元における速度ベクトルに変換し、飛翔体の三次元の軌跡(飛翔図)を求めていた。三次元における速度ベクトルに変換する方法としては、例えば、ステレオPTV法を用いて三次元位置座標を定量的に計測する。その計測データに基づいて時間毎の位置から三次元飛翔図を作成していた。
さて、特許文献1には、移動物体の三次元軌跡を計測する技術が開示されている。この技術は、球技スポーツにおけるボールのように高速で移動する物体の移動軌跡を求める技術である。これは、複数(たいてい2台)のカメラで飛翔体を含む画像データを取得し、同期させた複数の画像データ中において、一致する粒子や画素を抽出する(PTVのステレオペアマッチング)。 一致した粒子や画素について、三次元における速度ベクトルに変換し、三次元の軌跡を求めるものである。この技術を飛翔体の軌跡を求めるために応用することができる。
また、移動物体の三次元軌跡を計測する他の従来の技術としては、以下のようなものもあり、特許文献2,3などに開示されている。
すなわち、左カメラと右カメラを用いて所定の空間領域を互いに異なる方向から同期させて連続撮影し、それぞれ左側画像データおよび右側画像データを取得する。次に、左側画像データおよび右側画像データの粒子の対応付けを実行する。その対応付けを行った粒子に対して時刻間の対応付けが行われる。このとき、複数の時刻間で対応付けが検証されていた。
上記の対応付けられた複数の時刻間の粒子により、その粒子の三次元速度ベクトルが算出される。
特開2007−115236号公報 特開平8−14828号公報 特開平10−122819号公報
さて、鳥などの飛翔体や移動物体が三次元空間を飛翔した軌跡を三次元で表す三次元飛翔図を作成する際に、ステレオ撮影を実行するカメラに絶対的な位置データを把握可能なGPS(Global Positioning System)レシーバを備えることとする。そうすれば、そのGPSレシーバにてカメラの緯度および経度を取得することができる。そして、ステレオ撮影にて得た飛翔体の画像データを対応付けし、その画像データを座標変換すれば地表面からの絶対的な高さが把握できる。すると、飛翔体の軌跡を緯度、経度、標高の三次元座標値にて表わすことができることとなる。
しかし、ここまででは当該飛翔体の軌跡が緯度および経度を含んだ三次元座標値として得られるのみである。すなわち、その緯度および経度に実際に存在する森林、谷、丘等の自然形態や、地表面に設置された構造物との位置関係までは把握できなかった。そのために、飛翔体(鳥)が地表の形態とどのような関わりを持って移動しているかを分析することに役立つデータ取得には至っていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、鳥などの飛翔体、移動体の三次元軌跡を電子地図と組み合わせて効果的に表示し、移動体の軌跡を効果的に把握することができる移動軌跡図作成装置を提供することにある。
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 移動体(21)をカメラ(22)で撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラ(22)の位置データを入力するデータ入力部(12)と、 データ入力部(12)に入力された前記位置データおよび前記光学的データを用いて前記画像データに対応する画像位置を検出する撮影位置検出手段(19)と、 その撮影位置検出手段(19)が検出した画像位置に対応する二次元の地図データである2D地図データ(31)を入力する二次元地図入力部(13)と、 前記撮影位置検出手段(19)が検出した画像位置に対応する等高線を示す標高付き地図データである3D地図データ(32)を入力する三次元地図入力部(14)と、 前記画像データおよび光学的データを用いて移動体(21)の三次元位置座標の軌跡(23)を演算する飛翔体軌跡演算部(16)と、 前記2D地図データ(31)および前記3D地図データ(32)をX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部(16)で演算した前記移動体(21)の軌跡を合成する合成演算部(17)と、を備えた移動軌跡図作成装置に係る。
(用語説明)
「移動体」とは、例えば、鳥などの飛翔体、飛行体などである。
「二次元の地図データ」とは、市販されている二次元の数値地図のデータであり、三次元の地図データより細かいメッシュの間隔を持つものである。
「三次元の地図データ」とは、市販されている三次元の等高線を示す標高付き数値地図のデータである。
(作用)
移動体(21)をカメラ(22)で撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラの位置データをデータ入力部(12)から入力すると、撮影位置検出手段(19)では前記画像データに対応する画像位置を検出し、その画像位置に対応する2D地図データ(31)および3D地図データ(32)を取得する。一方、飛翔体軌跡演算部(16)では、前記画像データおよび光学的データを用いて移動体(21)の三次元位置座標の軌跡(23)を演算する。合成演算部(17)では、前記2D地図データ(31)および前記3D地図データ(32)をX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部(16)で演算した移動体(21)の軌跡を合成する。その結果、移動体(21)の軌跡を詳細な三次元の地図上に移動軌跡図として作成可能である。
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記Z軸の高さ方向の基準点を、二次元地図における所望の場所の海抜高さにオフセットしてもよい。
(作用)
二次元地図における所望の場所の海抜高さをZ軸の基準点としてオフセットしたので、移動体(21)の軌跡(23)はその地形に対する高さデータで表示して容易に把握することができる。
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記合成演算部(17)にて合成した合成データを出力表示させる出力表示部(18)を備え、 その出力表示部(18)は、飛翔体の軌跡(23)を動画にて表示する出力形態としてもよい。
(作用)
動画での表示出力とすることによって、飛翔体の動きを時間経過とともに把握することが可能となる。
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記出力表示部(18)は、移動体(21)の軌跡(23)上の任意の点に、その速度と方向をベクトル表示で表示する出力形態としてもよい。
(作用)
静止画像で移動体(21)の軌跡(23)を表示する際に、移動体(21)の軌跡(23)上にその速度と方向をベクトル表示することによって、小さいデータ量でも効果的に移動体(21)の動きを把握することが可能となる。
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記データ入力部は、2D地図データ(31)および3D地図データ(32)を人為的に変化させる人為データを入力可能とし、 前記合成演算部は、その人為データを反映させて合成データを演算可能としても良い。
ここで、「人為データ」とは、建築予定の構造物(34)、予定されている造成によって変化した後の地形などを表すために必要なデータである。
(作用)
データ入力部からは、人為データが入力可能なので、建築予定の構造物(34)を二次元地図の所望の場所に該当する三次元地図上に表示することができる。その人為データを反映させた三次元地図上に飛翔体の移動軌跡を表示させれば、その建築予定地の適否を容易に把握することが可能となる。しかもシミュレーションすることで、より効果的に解析できる。
(第一の発明のバリエーション5)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記合成演算部(17)は、合成した二次元地図データ(31)と三次元地図データ(32)と前記移動体(21)の軌跡(23)を合成した三次元データに基づいて、所望の位置における解析用のX軸−Z軸平面もしくはY軸−Z軸平面の二次元データを演算する機能を備えてもよい。
(作用)
合成した三次元データに基づいて、地図上の所望の位置でX軸−Z軸平面もしくはY軸−Z軸平面で表示することによって、その場所での移動体(21)の高さ方向の動きを効果的に解析することが可能となる。
(第二の発明)
第二の発明は、地形などの高さ方向のデータをも備えた地図データに対して当該地図データ内を移動する移動体の移動軌跡を表示可能なコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、 移動体をカメラで撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラの位置データを入力するデータ入力手順と、 データ入力手順にて入力された前記位置データおよび前記光学的データを用いて前記画像データに対応する画像位置を検出する撮影位置検出手順と、 その撮影位置検出手順にて検出した画像位置に対応する二次元の地図データである2D地図データを入力する二次元地図入力手順と、 前記撮影位置検出手順にて検出した画像位置に対応する等高線を示す標高付き地図データである3D地図データを入力する三次元地図入力手順と、 前記画像データおよび光学的データを用いて移動体の三次元位置座標の軌跡を演算する飛翔体軌跡演算手順と、 前記2D地図データおよび前記3D地図データをX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部で演算した前記移動体の軌跡を合成することで合成データを作成する合成演算手順と、 その合成データを出力表示させる出力手順とをコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
(第二の発明のバリエーション)
第二の発明は、2D地図データおよび3D地図データを人為的に変化させる人為データを入力する人為データ入力手順を含むとともに、 前記合成演算手順には、その人為データを反映させて合成データを演算可能とすることもできる。
第二の発明は、記録媒体に格納して提供することも可能であるし、通信手段を介して送受信することも可能である。
第一の発明によれば、鳥などの飛翔体の三次元軌跡を2Dや3Dの地図と組み合わせて表示し、飛翔体の動きを効果的に把握可能な移動軌跡図作成装置を提供することができた。
第二の発明によれば、鳥などの飛翔体の三次元軌跡を2Dや3Dの地図と組み合わせて表示し、飛翔体の動きを効果的に把握可能な移動軌跡図作成プログラムを提供することができた。
本発明の実施形態の移動軌跡図作成装置によって合成されるデータを概念的に示したものである。(A)は鳥の軌跡を示す移動軌跡図であり、(B)はワイヤフレームで示す三次元地図データであり、(C)は二次元地図データであり、(D)は(A)〜(C)を基準点で合成した移動軌跡図である。 移動軌跡図作成装置(コンピュータ)の構成ブロック図である。 移動軌跡図を作成するための画像データを取得する方法を示す斜視図である。 (A)、(B)は、飛翔体の軌跡を表示する出力形態の一例を示す斜視図である。 (A)は、図1(D)のA地点を含むX軸−Z軸平面図で、(B)は、図1(D)のA地点を含むY軸−Z軸平面図である。 図2に示した構成ブロック図のバリエーションを示す。 図6に示した構成ブロック図のバリエーションを示す。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施形態に係る移動軌跡図作成装置10は、鳥21などの飛翔体や移動物体の三次元軌跡を電子地図と組み合わせて効果的に表示し、移動体の軌跡を効果的に把握するコンピュータである。
すなわち、鳥21(移動体)をカメラ22で撮影し、その撮影した画像データから前記鳥21の三次元位置座標を得るためのデータを取得する。その後、前記データから鳥21の軌跡23を計算する。その鳥21の軌跡23と市販の地図データ30を合成して表示することによって、実際に存在する道路、森林、河川、湖、谷、丘等の自然形態や、地表面に設置された、あるいは設置される予定の構造物34との位置関係を把握するための移動軌跡図20を作成するものである。
鳥21の軌跡23と市販の地図データ30を合成して表示することによって、鳥21が地表の形態とどのような関わりを持って移動しているかを容易に把握して分析する。
地図データ上に鳥21の軌跡23を表示するにあたり、市販の地図データ30は、二次元地図データ31(以下、「2D地図データ」という)と三次元地図データ32(以下、「3D地図データ」という)がある。
3D地図データ32は国土地理院などを介して入手可能であるが、三次元の等高線を示す標高付き数値地図が2D地図データ31に比べて種類が圧倒的に少ない。メッシュも50m間隔程度である。例えば1km四方を表示するに当たり、格子点数は一辺20点となり、非常に少ないものである。したがって、単に3D地図データ32と鳥21の軌跡23を合成して解析するとしても、空間解像度の低下が問題となる。
一方、2D地図データ31は、公的機関を含む各社から入手可能であり、その種類が多く、細密なメッシュをデータとして備えたものもある。例えば0.5メートルから数メートル間隔程度のメッシュ毎に土地や建物の高さ方向のデータを備えている。加えて、用途に応じて建物名など付加情報も含まれたものもある。
本実施形態の移動軌跡図作成装置10では、2D地図データ31と3D地図データ32を合成することによって、細かいメッシュの2D地図データ31が3D地図データ32に反映されることとなる。例えば、2D地図データ31の道路、家屋、森林、河川などの詳しい位置が3D地図データ32の地形に反映される。また、2D地図データ31の細かいメッシュに対応するメッシュで3D地図データ32に仮想した三次元の線を表示することもできる。
そのように合成した三次元の地図上に、細かい間隔で取得した鳥21の軌跡データを合成することによって、鳥21の軌跡23が地表面の各種の自然形態や構造物34と関連付けられて効果的に解析可能な移動軌跡図20を作成することになる。
鳥21の軌跡23を示す移動軌跡図20を作成するための画像データを取得する方法としては、図3に示すように、撮影対象となる所定の空間領域24を挟むように、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rの2台を充分に離れた2か所に設置する。その左カメラ22Lおよび右カメラ22Rの2台で同時にステレオ撮影することによって鳥21の画像データを取得する。
すなわち、左カメラ22Lと右カメラ22Rが互いに異なる方向から当該所定の空間領域24(撮影領域)を互いに同期して連続撮影する。本実施形態では1秒間に50回ほど連続撮影し、例えば5〜10分間、撮影する。なお、左カメラ22Lと右カメラ22Rとの距離は例えば6km(キロメートル)である。
図3では、説明のために、左カメラ22Lで取得した左側画像25Lと、右カメラ22Rで取得した右側画像25Rはハッチングの面で図示している。
左カメラ22Lおよび右カメラ22RはC−MOSセンサを用いたカメラである。C−MOSセンサを備えているのは、CCD素子よりも露光時間の制御が容易であり、飛行速度の速い鳥類の画像を捉えるのに適している。また曇天などにおいても撮影が容易でレーザ光の照射などの設備が不要となるからである。
また、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rは、それぞれGPSレシーバ26を備えている。各GPSレシーバ26で取得した位置データを用いて、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rで撮影した各画像データに対応する緯度、経度、標高の三次元位置データを取得することができる。そのようにして、鳥21の軌跡23は海抜0mを基準点とするX軸、Y軸、Z軸座標データで表わされる。なお、X軸−Y軸平面は水平面であり、Z軸は垂線方向の軸である。
なお、鳥21の軌跡23を示す移動軌跡図20を作成するための画像データを取得する他の方法としては、一台のカメラ(図示を省略)で鳥21を撮影し、前記カメラから鳥21までの距離を例えばレーザ距離計などのセオドライト(図示を省略)で計測することによっても可能である。前記カメラの位置データは、当該カメラに装備されたGPSレシーバを用いて取得する。そのように、一台のカメラで撮影した画像データ、前記カメラの位置データ、鳥21までの距離等のデータに基づいて、鳥21のX軸、Y軸、Z軸座標を取得できる。
本実施形態の移動軌跡図作成装置10(コンピュータ)は、図2に示すように、中央処理装置であるCPU11に、データ入力部12と、撮影位置検出手段19と、二次元地図入力部13と、三次元地図入力部14と、種々のデータを記憶する記憶手段15と、飛翔体軌跡演算部16と、合成演算部17が接続されている。
データ入力部12は、鳥21を撮影手段で撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラ22の位置データを入力するものである。
本実施形態では、撮影手段である左カメラ22Lおよび右カメラ22Rの2台を用いて取得した左側画像25Lの画像データと右側画像25Rの画像データを入力することを例にとって説明する。
光学的データとは、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rのレンズの種類(レンズのミリ数、画角)および左カメラ22Lおよび右カメラ22Rが向いている方位といったデータである。前記方位は前記GPSレシーバ26によって取得できる。
左カメラ22Lおよび右カメラ22Rの位置データとは、各GPSレシーバ26によって取得したX軸、Y軸、Z軸座標値の三次元位置のデータである。
撮影位置検出手段19は、前記データ入力部12に入力された位置データおよび光学的データを用いて画像データに対応する画像位置を検出するものである。
例えば、2D地図データ31は、公的機関を含む各社から販売されているデータベースを利用することができる。一方、3D地図データ32は、例えば国土地理院などから販売されている標高付き数値地図のデータベースを利用することができる。すなわち、それらのデータベースから前記位置データに対応する2D地図データ31および3D地図データ32を検出する。
二次元地図入力部13は、前記撮影位置検出手段19が検出した画像位置に対応する二次元の地図データである2D地図データ31を入力するものである。
三次元地図入力部14は、前記撮影位置検出手段19が検出した画像位置に対応する等高線を示す標高付き地図データである3D地図データ32を入力するものである。
飛翔体軌跡演算部16は、前記データ入力部12から入力された画像データおよび光学的データを用いて鳥21の三次元位置座標の軌跡23を演算するものである。
すなわち、飛翔体軌跡演算部16では、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rで取得した左側画像25Lの画像データと右側画像25Rの画像データからステレオマッチングが行われる。
そのステレオマッチングは、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rによって取得した左側画像データおよび右側画像データの高さ方向が予め同一に設定されていることが望ましい。その左側画像データおよび右側画像データの水平方向における探索領域が画面縦方向の上下に予め許容範囲で設定される。左側画像データの鳥21などの飛翔体による粒子と、右側画像データの鳥21などの飛翔体による粒子を、前記許容範囲に限って対応付けることによって三次元データを作成する。
動いている部位のデータは、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rにおいては二次元の動きであるために、三次元のどの方向に向かうかは不明である。しかし、左側画像データおよび右側画像データを同期させると三次元データとなる。例えば、左側画像25Lの鳥21の粒子と、右側画像25Rの鳥21の粒子が許容範囲の中に位置している場合は同じ鳥21として判断する。
また、飛翔体軌跡演算部16の内部に備えている撮像データ解析手段(図示なし)が、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rが撮影した左側画像データおよび右側画像データを解析する。その際に、左側画像データおよび右側画像データの高さ方向が予め同一に設定されているので、単に、左側画像データおよび右側画像データで同一の高さにあるものを同じ対象の飛翔体であると判断する。
なお、左カメラ22Lおよび右カメラ22Rで撮影した画像データは、緯度、経度、標高の位置データに対応して画像検出しているので、鳥21の位置は海抜0mを基準点とするX軸、Y軸、Z軸座標データで表わされる。
次に、時刻間を対応付けする。その時刻間対応付けは、前記三次元データの鳥21の粒子に対して、例えばΔt秒後の次の時刻の左側画像データおよび右側画像データで対応付けられた三次元データの鳥21の中で最も距離が短い粒子が、対応する鳥21の粒子として決定される。
次に、速度ベクトルを算出する。すなわち、前記時刻間対応付けによって対応付けられた二つの時刻間(Δt秒間)の鳥21の粒子に対して、その粒子の三次元速度ベクトル27を算出する。その三次元速度ベクトル27は、例えば図4(A)、(B)に示すように表示できる。
時刻ごとに算出した鳥21の粒子の三次元速度ベクトル27を連続させてたどっていくと、鳥21の軌跡23が算出される。その鳥21の軌跡23は海抜0mを基準点とするX軸、Y軸、Z軸座標データで表わすことができる。
合成演算部17は、前記2D地図データ31および前記3D地図データ32をX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部16で演算した鳥21の軌跡23を合成するものである。
例えば、図1(B)に示す3D地図データ32のX軸−Y軸平面上の基準点と、図1(C)に示す2D地図データ31のX軸−Y軸平面上の基準点を重ね合わせて合成する。このとき、2D地図データ31は、いわゆる高さの次元がないX軸−Y軸平面であるので、海抜0mのZ軸の基準点に2D地図データ31を重ね合わせる。
なお、2D地図データ31は例えば0.5〜数メートル間隔程度の細かいメッシュであるので、そのメッシュに関連づけをさせて、3D地図上に細かいメッシュで仮想した三次元の線を表示するように演算することもできる。
さらに、鳥21の軌跡23に関するデータは、海抜0mをZ軸の基準点として重ね合わせることによって3D地図データ32の地形に対して関連付けることができる。
なお、上記のように海抜0mをZ軸の基準点として重ね合わせることは、市販の3D地図データ32と、GPSによる位置データから得た鳥21の軌跡23に関するデータを、そのままの数値で演算できるので、演算処理が容易である。しかし、実際には、鳥21の軌跡23は2D地図データ31および3D地図データ32が示す地形に対して表示する方が把握しやすくなる。つまり、所望の場所の地形に対してどのくらいの高さを飛んでいるかをX軸、Y軸、Z軸座標値で表示する方が実際的である。そこで、2D地図データ31における所望の場所の標高をZ軸の基準点としてオフセットすることが望ましい。
また、上記のCPU11には、前記合成演算部17にて合成した合成データを出力表示させる出力表示部18を接続することができる。
出力表示部18は、上記の合成演算部17において2D地図と3D地図と鳥21の軌跡23を重ね合わせて演算したデータを、モニタの画面に三次元表示するものである。
図1(D)に示すように、2D地図データ31は海抜0mの基準点にX軸−Y軸平面で表示される。この2D地図データ31上に、3D地図データ32の等高線をワイヤフレーム33にて表現して海抜0mの基準点に重ね合わせて表示する。その三次元の地図上に、鳥21の軌跡23を合成して三次元表示する。
2D地図には実際に存在する道路、森林、河川、湖、谷、丘等の自然形態や、地表面に設置された構造物34などの詳しい位置データが細かいメッシュで表示される。その2D地図の詳しい位置データはワイヤフレーム33に反映される。例えば、その2D地図の位置データを平面的に切り出してワイヤフレーム33の対応する地表面に表示することができる。
鳥21の軌跡23はワイヤフレーム33の地表面に関連付けて表示されるので、鳥21が地表の形態とどのような関わりを持って移動しているかを容易に把握して分析することができる。
なお、上記の出力表示部18では、鳥21の軌跡23を動画で表示する出力形態とすることができる。動画はデータ量が大きいのであるが、アニメーション表示することによって鳥21の動きを効果的に把握することができる。
また、上記の出力表示部18では、図4(A)に示すように、静止画像の鳥21の軌跡23上の任意の点に、その速度と方向をベクトル表示で表示する出力形態とすることができる。ベクトル27の長さで速度を表わし、ベクトル27の方向が地表に対してどのような移動をしているかを把握することができる。例えばベクトル27の矢印線の太さは、ベクトル27が長いほどを細くし、ベクトル27が短いほど太くするようにして、速度の変化を表示させる。このような出力形態は、鳥21の移動速度変化を一目して容易に把握できるように助ける。
あるいは、出力表示部18は、図4(B)に示すように、鳥21の軌跡23上における任意の点に、その速度を数字などのアナログで表示する出力形態とすることができる。例えば、「4.2m/秒」と表示する。このようなアナログによる出力形態は、一目してすぐに速度変化を把握することはできないが、正確な速度の変化を把握する点で効果がある。
以上のような静止画像の出力形態は、リアルな動きを表示する効果性という点では動画より低下するが、上記のような工夫をすることで、鳥21の動きをある程度の時間経過を視覚的に把握することができる。しかも、静止画像は、動画データに比べてデータ量が小さくて済むというメリットがある。
また、前述したデータ入力部12は、2D地図データ31および3D地図データ32を人為的に変化させる人為データを入力可能とすることができる。なお、人為データとは、建築予定の構造物34、予定されている造成によって変化した後の地形などを表すために必要なデータである。
これに伴って、前記合成演算部17は、前記データ入力部12から入力した人為データを反映させて合成データを演算可能とすることができる。すなわち、合成演算部17では、二次元地図の所望の場所に該当する三次元地図上に、人為データとして建築予定の建築構造物34を表示すべく演算する。
出力表示部18では、図1(D)に示すように、ワイヤフレーム33などの三次元地図上に、建築構造物34の大きさを立体的に表示する。
その結果、データ入力部12から、人為データが入力可能なので、建築予定の構造物34を二次元地図の所望の場所に該当する三次元地図上に表示することができる。その人為データを反映させた三次元地図上に鳥21の移動軌跡を表示させれば、その建築予定地の適否を容易に把握することが可能となる。そのことをシミュレーションすることで、より効果的に解析することができる。
例えば、建築予定地に立てられる建築構造物34が、鳥21の動きにどのような影響を与えるかを容易に把握し、分析することができる。そのようにして、建築予定地に対する鳥21の軌跡23から判断すると、どの地点の予定地がベストになるかを解析することができる。
上記の合成演算部17では、合成した2D地図データ31および3D地図データ32と、その地図上に鳥21の軌跡23を合成した三次元の合成データに基づいて、所望の位置(地点)における解析用のX軸−Z軸平面もしくはY軸−Z軸平面の二次元データを演算する機能を備えることができる。
例えば、図1(D)のA地点を含むX軸−Z軸平面では、鳥21の動きが図5(A)に示すようになる。図1(D)のA地点を含むY軸−Z軸平面では、鳥21の動きが図5(B)に示すようになる。これにより、特にA地点付近の垂直方向(Z軸方向)の鳥21の動きをよりいっそう明確に把握し分析することができる。
高さ方向のゼロ点は、海抜ゼロメートルであるが、撮影場所における基準点をゼロに調整することができる機能を備えている。
(図6)
図6は、図2とは異なる表現にて、移動軌跡図作成装置10(画像作成装置)を示している。
カメラ22は2台でのステレオ撮影であり、それぞれの左カメラ22Lおよび右カメラ22RにはGPS機能が装備されている。したがって、データ入力部12に対しては、前記GPS機能が取得した左カメラ22Lおよび右カメラ22Rの位置データを送信することができる。
データ入力部12に対しては、当該位置データの他に、当該左カメラ22Lおよび右カメラ22Rのレンズの種類(レンズのミリ数、画角)および左カメラ22Lおよび右カメラ22Rが向いている方位といった光学的データを送信する。
撮影位置検出手段19は、データ入力部12が取得した前記位置データおよび光学的データを用いて、飛翔体を含む位置データに相当する地図データを取得する。その取得元は、前記移動軌跡図作成装置とは物理的に離れた場所に存在する2D地図データベースおよび3D地図データベースである。それら2D地図データベースおよび3D地図データベースからは、通信回線を介して、必要な地図データを取得する。
取得した2D地図データおよび3D地図データは、それぞれ2D地図データ蓄積手段15aおよび3D地図データ蓄積手段15bに蓄積され、合成データ作成の際に使用される。2D地図データ蓄積手段15aおよび3D地図データ蓄積手段15bとは、実質的にはランダムアクセスメモリに該当する。
(図7)
図7と図6との相違点は、移動軌跡図作成装置10として、2D地図データベースおよび3D地図データベースを装置内に備えている点、および出力表示部も装置内に備えている点である。
出力表示部18とは、事実上、モニタとなっている。
本発明は、飛翔体に関する環境アセスメントの情報を収集するための計測サービスに関する事業、当該計測機器の製造業、当該計測サービスに関するソフトウェア作成業などにおいて、利用可能性を有する。
10 移動軌跡図作成装置 11 CPU
12 データ入力部 13 二次元地図入力部
14 三次元地図入力部 15 記憶手段
15a 2D地図蓄積手段 15b 3D地図蓄積手段
16 飛翔体軌跡演算部 17 合成演算部
18 出力表示部 19 撮影位置検出手段
20 移動軌跡図 21 鳥(飛翔体)
22 カメラ(撮影手段) 22L 左カメラ
22R 右カメラ 23 鳥の軌跡
24 空間領域 25L 左側画像
25R 右側画像 26 GPSレシーバ
27 三次元速度ベクトル
30 地図データ
31 2D地図データ(二次元地図データ)
32 3D地図データ(三次元地図データ)
33 ワイヤフレーム 34 建築構造物

Claims (8)

  1. 移動体をカメラで撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラの位置データを入力するデータ入力部と、
    データ入力部に入力された前記位置データおよび前記光学的データを用いて前記画像データに対応する画像位置を検出する撮影位置検出手段と、
    その撮影位置検出手段が検出した画像位置に対応する二次元の地図データである2D地図データを入力する二次元地図入力部と、
    前記撮影位置検出手段が検出した画像位置に対応する等高線を示す標高付き地図データである3D地図データを入力する三次元地図入力部と、
    前記画像データおよび光学的データを用いて移動体の三次元位置座標の軌跡を演算する飛翔体軌跡演算部と、
    前記2D地図データおよび前記3D地図データをX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部で演算した前記移動体の軌跡を合成することで合成データを作成する合成演算部とを備えた移動軌跡図作成装置。
  2. 前記Z軸の高さ方向の基準点を、二次元地図における所望の場所の海抜高さにオフセットする構成とした請求項1記載の移動軌跡図作成装置。
  3. 前記合成演算部にて合成した合成データを出力表示させる出力表示部を備え、
    その出力表示部は、飛翔体の軌跡を動画にて表示する出力形態とした請求項1または2記載の移動軌跡図作成装置。
  4. 前記出力表示部は、飛翔体の軌跡上における任意の点に、その速度と方向をベクトル表示で表示する出力形態とした請求項3に記載の移動軌跡図作成装置。
  5. 前記データ入力部は、2D地図データおよび3D地図データを人為的に変化させる人為データを入力可能とし、
    前記合成演算部は、その人為データを反映させて合成データを演算可能とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の移動軌跡図作成装置。
  6. 前記合成演算部は、合成した二次元地図データと三次元地図データと前記飛翔体の軌跡を合成した三次元データに基づいて、所望の位置における解析用のX軸−Z軸平面もしくはY軸−Z軸平面の二次元データを演算する機能を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の移動軌跡図作成装置。
  7. 地形などの高さ方向のデータをも備えた地図データに対して当該地図データ内を移動する移動体の移動軌跡を表示可能なコンピュータプログラムであって、
    そのコンピュータプログラムは、
    移動体をカメラで撮影した画像データ、その画像データに関する光学的データおよびカメラの位置データを入力するデータ入力手順と、
    データ入力手順にて入力された前記位置データおよび前記光学的データを用いて前記画像データに対応する画像位置を検出する撮影位置検出手順と、
    その撮影位置検出手順にて検出した画像位置に対応する二次元の地図データである2D地図データを入力する二次元地図入力手順と、
    前記撮影位置検出手順にて検出した画像位置に対応する等高線を示す標高付き地図データである3D地図データを入力する三次元地図入力手順と、
    前記画像データおよび光学的データを用いて移動体の三次元位置座標の軌跡を演算する飛翔体軌跡演算手順と、
    前記2D地図データおよび前記3D地図データをX軸−Y軸平面上の基準点で重ね合わせるとともに、X軸、Y軸、Z軸の基準点に合わせて前記飛翔体軌跡演算部で演算した前記移動体の軌跡を合成することで合成データを作成する合成演算手順と、
    その合成データを出力表示させる出力手順と、をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。
  8. 2D地図データおよび3D地図データを人為的に変化させる人為データを入力する人為データ入力手順を含むとともに、
    前記合成演算手順は、その人為データを反映させて合成データを演算可能とした請求項7に記載のコンピュータプログラム。
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