JP2011089610A - クラッチ制御装置 - Google Patents

クラッチ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011089610A
JP2011089610A JP2009244707A JP2009244707A JP2011089610A JP 2011089610 A JP2011089610 A JP 2011089610A JP 2009244707 A JP2009244707 A JP 2009244707A JP 2009244707 A JP2009244707 A JP 2009244707A JP 2011089610 A JP2011089610 A JP 2011089610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
actuator
clutch
plate clutch
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009244707A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Suzuki
悟 鈴木
Yosuke Masuda
洋介 増田
Yoshitaka Onishi
義孝 大西
Takaharu Oba
崇晴 大羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Univance Corp
Original Assignee
Univance Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Univance Corp filed Critical Univance Corp
Priority to JP2009244707A priority Critical patent/JP2011089610A/ja
Publication of JP2011089610A publication Critical patent/JP2011089610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】製造上の誤差によるクラッチ伝達トルク特性のバラツキの影響に左右されることなく、クラッチ伝達トルクを制御可能としたクラッチ制御装置を提供する。
【解決手段】多板クラッチに対する押圧操作を介して伝達されるトルクを付与するアクチュエータの回転位置から、多板クラッチの伝達トルクを推定する手段54を有しており、伝達トルクの推定値と目標値の偏差に応じて推定値を目標値に一致させるべくアクチュエータの正逆回転駆動を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば第1伝達部材と第2伝達部材との間の伝達トルクを制御するクラッチ制御装置に関するものである。
従来、4輪駆動車両の動力伝達機構の一例としては、例えばエンジンの駆動力が伝達される入力軸と、入力軸の駆動力を後輪へ伝達する第1出力軸と、第1出力軸の駆動力を前輪へ伝達する第2出力軸と、この第1出力軸と第2出力軸とのトルク配分比を調整する摩擦クラッチとを備えた動力伝達機構がある(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載された従来の動力伝達機構には、モータ及び減速機の回転変位を軸方向変位に変換する変換機構を介して第1出力軸の軸方向に移動する押圧板が設けられている。この押圧板の押圧操作により摩擦クラッチの伝達トルクが制御される構成となっている。
この従来の動力伝達機構では、モータ回転位置と摩擦クラッチ伝達トルクとの関係が予め決められた特性曲線に基づいて、摩擦クラッチにより伝達すべきトルクから、モータの回転位置が求められる。その回転位置に相当する信号をモータへ出力することでモータが駆動制御される構成となっている。
特表2005−527741号公報
しかしながら、上記従来の動力伝達機構のような構造においては、製造される動力伝達機構の製品個体毎に、寸法誤差や組付誤差等による製造バラツキがあるため、モータ回転位置と摩擦クラッチ伝達トルクの特性に差が生じてしまう。摩擦クラッチに加える伝達トルクを高い精度をもって制御するためには製品個体毎のバラツキを小さく抑えることが必要であり、精度の高い厳格な加工精度や組立精度を必要とし、それと相まって製造コストが高騰するという問題点があった。
上記従来の動力伝達機構は、電源投入時毎に、モータ回転位置と摩擦クラッチ伝達トルクの特性に基づいて摩擦クラッチ伝達トルクのほぼゼロ位置に相当するモータ回転位置が検出され、そのモータ回転位置を制御原点位置としてモータに対する駆動制御量を制御するようになっている。この制御原点位置の検出誤差の影響やモータ回転位置と摩擦クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線のバラツキの影響により、特性曲線上において高トルク領域側になればなる程、大きなトルク誤差となって現れる。
このような従来の動力伝達機構を四輪駆動車の前後駆動力配分に適用した場合は、高トルク時において摩擦クラッチ伝達トルクのバラツキが大きくなり、必要以上の大きな伝達トルクが摩擦クラッチに作用することになる。これにより、駆動伝達系全体の剛性や強度を大きくして設計しなければならなくなり、大型化することに相まって重量が嵩むばかりでなく、製造コストが高騰するという問題点があった。
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、製造上の誤差によるクラッチ伝達トルク特性のバラツキの影響に左右されることなく、クラッチ伝達トルクを制御可能としたクラッチ制御装置を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するため、動力伝達軸上に設けられた多板クラッチと、前記多板クラッチに対する押圧操作を介して伝達されるトルクを付与するアクチュエータと、前記アクチュエータの回転位置を検出するセンサと、前記センサの前記アクチュエータ回転位置から、前記多板クラッチに伝達されるトルクを推定する手段と、前記推定手段により求めたトルク推定値とトルク目標値の偏差に応じて、前記トルク推定値を前記トルク目標値に一致させるべく前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段とを備えてなることを特徴とするクラッチ制御装置を提供する。
[2]上記[1]記載の発明にあって、前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線から、前記多板クラッチ伝達トルクを推定することを特徴としている。
[3]上記[1]又は[2]記載の発明にあって、多板クラッチ最大トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を越えないように制限する手段を有してなることを特徴としている。
[4]上記[1]又は[2]記載の発明にあって、多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を越えて戻らないように制限する手段を有してなることを特徴としている。
[5]上記[1]又は[2]記載の発明にあって、多板クラッチ伝達トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を基準位置として求め、得られた前記基準位置を前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線上の制御基準位置とすることを特徴としている。
[6]上記[1]又は[2]記載の発明にあって、多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置と多板クラッチ最大トルク相当の前記アクチュエータ回転位置とを求め、得られた前記アクチュエータ回転位置を前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線上にあてはめることで、多板クラッチ最小トルク位置及び多板クラッチ最大トルク位置とすることを特徴としている。
[7]上記[4]〜[6]のいずれかに記載の発明にあって、前記多板クラッチを押し付けないフリー位置からトルク伝達領域に向けて一定電圧により前記アクチュエータを駆動し、所定以上の減速度が発生した位置を多板クラッチ最小トルク位置とすることを特徴としている。
[8]上記[4]〜[6]のいずれかに記載の発明にあって、多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置からトルク伝達領域に向けて最大トルク相当の電流により前記アクチュエータを駆動し、当該アクチュエータが静止した位置を多板クラッチ最大トルク位置とすることを特徴としている。
[9]上記[8]記載の発明にあって、前記アクチュエータに流れる電流に対して低周波のディザー信号を加えることを特徴としている。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の発明にあって、前記アクチュエータに流す電流と当該電流に対する誘起トルクを計測し、その計測により得られたバラツキを所定範囲に層別使用するための層別区分に従い選別し、その選別した層別ランクを識別する手段を有するとともに、前記層別ランクを認識させる手段を有してなることを特徴としている。
[11]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の発明にあって、前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段に所定の電流を流し、そのときの電流検出信号を所定の電流であると認識させる手段を有してなることを特徴としている。
[12]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の発明にあって、前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段により前記アクチュエータに電流を流したときの前記アクチュエータの発生トルクを計測し、そのときの電流検出信号を前記アクチュエータの発生トルクに相当する電流であると認識させる手段を有してなり、前記アクチュエータ及び前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段を一組として使用することを特徴としている。
本発明によれば、クラッチ伝達トルク特性のバラツキの影響を無視できるようになり、クラッチ伝達トルクを高い精度をもって効率的に制御することが可能となる。
本発明の代表的な実施の形態である四輪駆動車の動力伝達系を簡略的に示す説明図である。 トランスファの内部構造を模式的に示す一部断面図である。 トランスファの制御系を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、モータ回転位置とクラッチ伝達トルクとの関係を示す曲線にモータ制御基準点をあてはめた状態を示す図である。 (a)は、図4(b)に示す特性曲線に最小トルク相当のモータ回転位置を検出する一例を説明するための図であり、(b)は、最大トルク相当のモータ回転位置を検出する一例を説明するための図である。 モータ回転位置とクラッチ伝達トルクとの関係を示す図である。 モータ駆動制御装置の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
(車両の動力伝達系の全体構成)
図1において、全体を示す符号1は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)タイプの四輪駆動車の全体構成を模式的に示している。この四輪駆動車1は、エンジン2と、変速動作を行うトランスミッション3と、エンジン2の駆動力がトランスミッション3を介して伝達されるセンタードライブシャフト4と、センタードライブシャフト4の駆動力が入力されるトランスファ5と、トランスファ5によりエンジン2の駆動力が所定の配分比で出力されるフロントドライブシャフト6及びリヤドライブシャフト7とを備えている。フロントドライブシャフト6の駆動力は、フロントデファレンシャル8を介して左右一対の前輪9,9に伝達される。リヤドライブシャフト7の駆動力は、リヤデファレンシャル10を介して左右一対の後輪11,11に伝達される。
トランスファ5は、図1及び図2に示すように、センタードライブシャフト4と一体に回転する図示しない入力軸と、フロントドライブシャフト6に接続される同じく図示を省略した前輪用出力軸と、リヤドライブシャフト7に接続される後輪用出力軸12とを備えている。後輪用出力軸12は、ボールベアリング14を介してケース13に回転自在に支持されている。入力軸と前輪用出力軸のそれぞれは、後輪用出力軸12と同様に、図示しないボールベアリングを介してケース13に回転自在に支持されている。
入力軸は後輪用出力軸12と同一軸上に配されており、入力軸の駆動力は図示しない副変速機を介して後輪用出力軸12に伝達されるようになっている。後輪用出力軸12の入力側には、後輪用出力軸12に対して回転自在なスプロケット15が設けられている。一方、前輪用出力軸は、後輪用出力軸12と平行に配されている。前輪用出力軸の外周に固定された図示しないスプロケットと後輪用出力軸12のスプロケット15にはチェーンベルト16が巻回されている。後輪用出力軸12からスプロケット15に駆動力が伝達されると、チェーンベルト16を介して前輪用出力軸が回転駆動するようになっている。
(トランスファの構成)
トランスファ5のケース13内には、図2に示すように、トルク配分クラッチとして機能するクラッチ機構18が設けられている。図示例によるクラッチ機構18は、後輪用出力軸12と前輪用出力軸とを断続するための多板式の摩擦クラッチ19と、摩擦クラッチ19の押圧及び開放を行うクラッチ押付部材20と、モータ25の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構17とを備えている。これらの構成部材により前後輪間の駆動力配分比が制御される。
摩擦クラッチ19は、図2に示すように、トルク伝達を行う多数枚のクラッチプレートを有している。このクラッチプレートは、スプロケット15に固定されたクラッチドラム21と、後輪用出力軸12の外周に固定されたクラッチハブ22との間に形成された第1環状空間内に軸方向移動自在に支持されている。クラッチ押付部材20は、摩擦クラッチ19の締結力を調整する。クラッチ押付部材20は、クラッチドラム21とクラッチハブ22との間の第2環状空間内に設けられたリターンスプリング23により摩擦クラッチ19の開放方向に付勢されており、アクチュエータ24の駆動により軸方向へ移動されるようになっている。アクチュエータ24は、モータ25と、モータ25の出力を減速する減速機26とを備えている。減速機26はケース13に固定されるとともに、モータ25は図示しないブラケットを介してケース13に固定されている。
運動変換機構17は、図2に示すように、摩擦クラッチ19のクラッチ締結力を無段階に調整するボールカムからなる。このボールカムは、駆動側の第1カムプレート28、反力側の第2カムプレート29、及びボール30を有する。第1カムプレート28は、クラッチ押付部材20にスラスト軸受31を介して配されており、後輪用出力軸12の外周まわりに回転自在に支持されている。第1カムプレート28の先端は、減速機26の出力軸26aに接続されたピニオンギヤ27と噛み合わされている。一方の第2カムプレート29は、固定部材32にスラスト軸受33を介して配されており、後輪用出力軸12の外周に回転自在に支持されている。これらのカムプレート28,29が互いに対向するカム面には、その回転中心を中心とする同一円周上に所定の位相差をもって傾斜溝状をなす複数のボールカム溝28a,29aがそれぞれ形成されている。ボールカム溝28a,29a内にはボール30が回動自在に挟持されている。
摩擦クラッチ19を締結する場合は、第1カムプレート28の先端が減速機26のピニオンギヤ27を介して回転駆動することで、第1カムプレート28が第2カムプレート29に対して回転駆動される。第1カムプレート28が回転駆動すると、第1カムプレート28は、ボールカム溝28a,29a内のボール30による押圧を受けながら、後輪出力軸12の軸方向に移動する。第1カムプレート28が軸方向に移動すると、クラッチ押付部材20は、後輪出力軸12の軸方向に押されて摩擦クラッチ19を押す。一方、摩擦クラッチ19の締結を解除する場合は、減速機26のピニオンギヤ27が逆方向に回転駆動することで、上記操作とは逆の操作を行うことになる。これにより、クラッチ押付部材20は上記操作とは逆の軸方向へ移動する。
(クラッチ制御装置の構成)
以上のように構成された実施の形態に係るトランスファ5、運動変換機構17、及びクラッチ機構18等の構成部分は、従来周知の構成と変わるところはない。従って、この実施の形態は、これらの構成に限定されるものではない。この実施の形態は、摩擦クラッチ19の荷重を検出する荷重センサを排除してクラッチ伝達トルクを制御する構成に特徴部を有している。
本発明に係るクラッチ制御機構にあっては図示例に特定されるものではないが、以下、図3〜図7を参照しながら、エンジン2から前後輪9,11の間に伝達される駆動力配分比を制御するクラッチ制御機構を有する4輪駆動車において、クラッチ伝達トルクを制御する一構成例について説明する。
トランスファ5によるフロントドライブシャフト6及びリヤドライブシャフト7への駆動力配分比は、ECU(Electronic Control Unit)40により決定される。このECU40は、図3に示すように、ステアリングの舵角を検出する舵角センサ41、乗員により操作される操作スイッチ42、車両の速度を検出する車速センサ43、車両の横方向加速度を検出する加速度センサ44、前輪9の回転数を検出する前輪回転センサ45、後輪11の回転数を検出する後輪回転センサ46、エンジン2におけるスロットル開度を検出するスロットルセンサ47、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転センサ48等の各種のセンサに電気的に接続されている。
このECU40は、図3に示すように、モード入力部50と、車両状態入力部51と、目標トルク演算部52とを有している。モード入力部50には、操作スイッチ42からの信号が入力される。車両状態入力部51には、各種のセンサ41,43〜48等からの信号が入力される。目標トルク演算部52は、モード入力部50及び車両状態入力部51に入力された信号に基づいてフロントドライブシャフト6及びリヤドライブシャフト7に要求されるトルク(以下、目標トルクという。)を演算する。
ECU40は、図1及び図3に示すように、操作スイッチ42に入力されたモードに従ってトランスファ5の制御を行う。このモードの一例としては、例えば2WDモード、4WDオートモード、及び4WDロックモードの3つのモードが挙げられる。操作スイッチ42により2WDモードが選択されると、リヤドライブシャフト7に全ての駆動力が伝達され、フロントドライブシャフト6には駆動力が伝達されないようにECU40がトランスファ5を制御する。操作スイッチ42により4WDロックモードが選択されると、フロントドライブシャフト6とリヤドライブシャフト7とには50:50の割合で駆動力が伝達されるようにECU40がトランスファ5を制御する。操作スイッチ42により4WDオートモードが選択されると、舵角センサ41、車速センサ43、加速度センサ44、前輪回転センサ45、後輪回転センサ46、スロットルセンサ47やエンジン回転センサ48等の車両の状態に応じて、フロントドライブシャフト6及びリヤドライブシャフト7へ伝達される駆動力の配分を調整するようにECU40がトランスファ5を制御する。
アクチュエータ24のモータ25は、図3に示すように、ECU40からの信号に基づいて制御される。モータ25の出力軸には、回転方向、回転位置(回転角)や回転速度(回転数)等を検出する回転位置センサであるパルスセンサ49が設けられている。パルスセンサ49の一例としては、例えば光学式ロータリエンコーダ、あるいは磁気式ロータリエンコーダ等が使用される。
ECU40は更に、図3に示すように、変位入力部53と、推定トルク演算部54と、加減算部55と、PID(Proportional Integral Differential)制御部56と、電流出力部57とを有している。変位入力部53は、パルスセンサ49からの検出信号をデジタル処理変換する。推定トルク演算部54は、変位入力部53からの位置情報に基づいてフロントドライブシャフト6及びリヤドライブシャフト7に配分されると推定されるトルク(以下、推定トルクという。)を推定計算する。加減算部55は、目標トルク演算部52の目標トルク及び推定トルク演算部54の推定トルクの偏差を求める。PID制御部56は、加減算部55からの偏差を表す値に基づいて推定トルクが目標トルクに一致するように制御する。電流出力部57は、PID制御部56からの駆動パルス信号(デューティ信号)をモータ駆動回路に供給してモータ25を駆動する。
ECU40の記憶部58には、図4に示すように、3つの各モードにおいてモータ回転位置と推定トルクとを関連付けたトルクマップが記憶されている。このトルクマップには、図6に示すように、モータ回転位置と推定トルクとの関数として形成される特性曲線(以下、推定トルク特性曲線という。)が記憶されている。
この推定トルク特性曲線上において、モータ回転位置は、摩擦クラッチ19の現在のトルクを推定する手段として用いられるものであり、モータ回転位置を制御対象とするものではないことは留意すべきことである。この推定トルクは、推定トルク特性曲線においてモータ回転位置の関数として決定されるものである。
(推定トルク特性曲線の基準位置設定)
この推定トルク特性曲線は、例えばトランスファ5、運動変換機構17、及びクラッチ機構18等の複数の製品検査時において、これらの寸法バラツキ、これら各部品の組み付け状態における部品相互間の寸法バラツキ等の製品バラツキの補正を行うことで得られるものである。その補正手段の一例としては、図4(a)及び(b)に示すように、例えば複数の製品個体毎に、摩擦クラッチ19の伝達トルクが最小となるモータ回転位置を0%位置とし、摩擦クラッチ19の伝達トルクが最大となるモータ回転位置を100%位置として摩擦クラッチ伝達トルクとモータ回転位置との相関を定法に従って求めることで、破線でプロットしたバラツキ曲線の中央値(平均値)を通る実線でプロットした平均曲線を取得する。その平均曲線の最小位置a1と最大位置b1とを基準点として、設計上の基準特性曲線にあてはめることで、図4(b)に示すような相似形の仮想のトルク特性曲線が得られる。
最小位置a1の設定手段の一例としては、図5(a)に示すように、例えば一定電圧により2WD位置から4WD位置領域に向けて摩擦クラッチ19に当接する位置a2までモータ25を回転駆動させると、摩擦クラッチ19に当接した位置でモータ25にブレーキがかかり、モータ25が減速する。この摩擦クラッチ当接位置a2を最小トルク相当の位置a2として検出する。好ましくは、モータ25の減速度が所定の閾値αを超えた位置を最小トルク相当位置a2とすることが好適である。最小トルク相当位置a2が検出されたときに、トルク特性曲線上において最小トルク位置が決定される。
最大位置b1の設定手段の一例としては、図5(b)に示すように、徐々に電流を増加させることにより2WD位置から4WD位置領域に向けてモータ25を回転駆動させ、最終的にはモータ電流を最大トルク相当の一定電流に変化させると、モータ25は最大トルク相当の位置b2に停止する。この最大トルク相当位置b2が検出されたときに、トルク特性曲線上において最大トルク位置が入力される。
得られた仮想のトルク特性曲線を用いて最小トルク位置及び最大トルク位置を設定するとき、ECU40の加減算部55にディザー信号を入力させることでモータ電流に対して低周波のディザー信号を印加・重畳させる。これにより、モータ25の電流値とクラッチ伝達トルクとの関係に大きなヒステリシスが生じない。また、減速機26等のスティックスリップを防止し、モータ25の応答を高めることでモータ停止精度を向上させることができる。
以上より、モータ回転位置と推定トルクとの関数である推定トルク特性曲線をクラッチ制御機構の基準特性として決定し、記憶部58に記憶する。最小トルクと最大トルクの2点で摩擦クラッチ伝達トルク特性の基準合わせを行い、モータ回転位置と推定トルクとの関数である推定トルク特性曲線をクラッチ制御機構の基準特性として決定することにより、推定トルク特性曲線の個体バラツキを補正することができる。これにより、クラッチ制御機構の特性にバラツキがあっても、クラッチ制御機構の特性を全ての領域において予め求めておかなくても、各部品の加工精度や組立精度を向上させることによるクラッチ制御機構の製造コストを高騰させることはない。
それに加えて、クラッチ制御機構の特性のデータ取りに手間や時間等をかける必要もない。特性曲線上において高トルク領域側の精度が高められる。トルクオーバーが小さくなり、四輪駆動車の前後駆動力配分に適用した場合でも、駆動伝達系全体の剛性や強度を大きくして設計する必要がなくなり、小型軽量化や低コスト化を達成することが可能となる。
この推定トルク特性曲線においては、図6に示すように、グラフ上にプロットしたA点は、モータ25の回転変位がゼロの状態となる初期位置(2WDモード位置)を示し、A点−B点の間は、モータ出力軸の回転変位が増大しても、推定伝達トルクはゼロのままの状態である動作制限領域となる。この動作制限領域では、クラッチ押付部材20の移動に伴いリターンスプリング23が圧縮されていくので次第にアクチュエータ負荷トルクが増大するが、摩擦クラッチ19のクラッチプレート同士に隙間があり、トルクを伝達していない。B点は推定トルクの最小トルク位置を示し、C点は推定トルクの最大トルク位置を示している。B点−C点の間は、推定トルク制御領域となる。
目標トルク演算部52の目標トルクと推定トルク演算部54の推定トルクとの偏差がゼロとなるようにフィードバック制御が行われ、モータ25が回転駆動される。図6に示すグラフ上のA点である2WDモード位置においては、モータ出力軸の回転変位をゼロ位置に固定して摩擦クラッチ19がフリーとなるように設定される。
図6に示すグラフ上のB点である推定トルクの最小トルク位置は、クラッチ押付部材20が摩擦クラッチ19のクラッチプレートに当接する4WDモード開始位置(以下、4WDフルタイムモードの原点ともいう。)となるように設定されている。B点−C点の間である推定トルク制御領域は、4WDオートモード(以下、4WDフルタイムモードともいう。)位置であり、車両状態に応じて摩擦クラッチ19の締結力が変化するように設定されている。C点である推定トルクの最大トルク位置は、4WDロックモード位置であり、クラッチ押付部材20が摩擦クラッチ19を押し付けているときの摩擦クラッチ19の締結力が最大となるように設定されている。
(モータの下限回転位置の制限処理)
ところで、モータ25が、図6に示す動作制限領域(グラフ上のA点−B点)上を回転変位しているときは、クラッチ締結解除(フリー)状態となっているので、伝達トルクはゼロのままの状態であり、制御上ではモータ回転位置が定まらず、2WDモード位置(グラフ上のA点)まで逆戻りしてしまう場合がある。このような場合において目標トルクが上昇すると、モータ出力軸は、グラフ上の全領域A点−B点−C点のうち、動作制限領域(グラフ上のA点−B点)の最も長い距離を回転変位しなければならず、クラッチ締結解除状態からクラッチ締結状態へ移る際の応答時間がかかり、トルク伝達の応答性が悪化する。
これを防止するための対策としては、例えばエンコーダのパルスカウンタ値に基づいて、モータ25の回転変位がゼロの状態となる初期位置(グラフ上のA点)を基準位置として、その初期位置からモータ回転位置(グラフ上の全領域A点−B点−C点)までのパルスカウンタ数を求めておくことが好適である。従って、パルスカウンタ数が4WDフルタイムモード(B点−C点)の領域に一致したときに4WDフルタイムモードの原点(グラフ上のB点)から2WD側(グラフ上のA点−B点側)へ逆戻りしないように制御することで、トルク伝達の応答性の悪化を回避することができる。
(モータの上限回転位置の制限処理)
一方、制御のオーバーシュートにより推定トルクの最大トルク位置(グラフ上のC点)を超えてしまう場合がある。これを防止するための対策としては、例えばエンコーダのパルスカウンタ値に基づいて最大トルク相当のモータ回転位置(グラフ上のC点)を特定しておく。推定トルク制御領域でトルク制御中に、最大トルク位置(C点)に近付く場合には、例えば最大トルク位置を超えないように電流を制御することで、モータ25にブレーキトルクを発生させることが好適である。これにより、過大な伝達トルクの発生を防止することができる。
(モータ駆動制御手段の構成)
ECU40には、図7に示すように、電流出力部58として、モータ駆動回路59や電流検出回路60を備えた図示しない制御基板が組み込まれている。このモータ駆動回路59では、ブリッジ形態で接続された4つのFET(電界効果トランジスタ)61〜64のオンオフ切替えによりモータ25が正逆方向に回転駆動される。
直列接続された2つのFET61とFET62の間にはモータ25の一側が電気的に接続されている。直列接続された2つのFET63とFET64の間にはモータ25の他側が電気的に接続されている。4つのFET61〜64はECU40の電流出力部57に電気的に接続されている。この電流出力部57からの入力信号によりFET61,64をオフし、FET62,63をオンすることで、モータ25に図7に矢印で示す方向に電流が流れるようになっている。一方、FET61,64をオンし、FET62,63をオフすることで、モータ25に図7に矢印で示す方向とは逆方向に電流が流れるようになっている。
モータ駆動回路59には、図7に示すように、モータ25への通電電流値を検出する検出用の抵抗65が設けられている。この抵抗65の出力が電流検出回路60を介してCPU66に電気的に接続されている。抵抗65に発生する電圧は電流検出回路60に入力される。入力された電圧は、電流検出回路60で増幅され、CPU66に入力される。CPU66は、A/D変換してデジタル値として読み込むことでモータ電流を検出する。
(モータ制御手段のキャリブレーション処理)
ところで、抵抗65及び電流検出回路60には部品精度のバラツキがあるため、そのモータ電流の検出値には誤差が発生する。この誤差を小さく抑えるのには、部品精度を高める必要があるが、製造コストが高くなるので好ましくない。
この実施の形態に係る典型的な一例としては、例えば製造過程において実際に所定の電流をモータ駆動回路59に流し、電流検出回路60の出力のキャリブレーション(以下、キャリともいう。)を行うことが好適である。CPU66では、電流検出回路60の電流検出値をキャリブレーション値として記憶部67に記憶する。このキャリブレーション値に基づいて、CPU66では、下記の式(1)を用いた演算が行われ、モータ駆動回路59に流れる電流を認識する。これにより、抵抗65及び電流検出回路60の部品精度のバラツキを低減させることができる。
電流=検出電圧×キャリ電流/キャリ検出電圧 ……(1)
(モータのキャリブレーション処理)
モータ25は、種類が同じであっても、個々について品質バラツキがあり、特性が異なることがある。そのようなモータ25の個体差の影響により、モータ電流に対する誘起トルクにバラツキが発生すると、モータ25の制御精度がばらつくという問題がある。
この実施の形態に係る典型的な一例としては、例えばモータ製造時において所定の電流及びその電流に対する誘起トルク等のモータ固有の特性値を測定し、そのバラツキを所定範囲に層別使用するための層別区分に従ってモータ25をバラツキの所定範囲毎にグループ化することが好適である。そして、グループ化したモータ個体毎の層別ランクをCPU66に認識させる。CPU66では、モータ個体毎の電流と誘起トルクとをキャリブレーション値として記憶部67に記憶する。従って、モータ25の層別ランクに従った制御を行うことで、モータ電流及びその電流に対する誘起トルクのバラツキの影響を小さく抑えることができる。
モータ個体毎のモータ固有の特性値に応じたランクに応じて層別ランクをCPU66に認識させる手段の一例としては、次の(1)〜(3)などが挙げられる。
(1)制御基板上に層別ランク識別用のディップスイッチを設け、モータ表面に層別ランク識別用の記号等の情報を印刷する。この情報によりモータランクに従った設定を行う。
(2)層別ランク識別用のジャンパースイッチを同梱する。CPU66に層別ランク識別用のジャンパースイッチをセットすることで、モータランクに従った設定を行う。
(3)モータ25のコネクタ部に層別ランク識別用のディップスイッチを設け、モータランクに応じた接続状態とする。CPU66と接続する側のコネクタをモータ25に接続することで、モータランクが認識できる。
(モータ及び制御手段のキャリブレーション処理)
モータ単体のキャリブレーションでは、モータ個体毎の層別ランク分けしかできず、層別ランク内のバラツキが残る。この実施の形態に係る典型的な一例としては、例えば製造時においてモータ25とCPU66とを組み合わせた状態で、実際に所定の電流をモータ駆動回路59に流すことで、モータ電流に対する誘起トルクを測定することが好適である。CPU66では、電流検出回路60の電流検出値とモータ誘起トルクとをキャリブレーション値として記憶部67に記憶する。
このキャリブレーション値に基づいて、CPU66では、上記式(1)及び下記式(2)を用いた演算が行われ、電流及びモータ誘起トルクを認識する。モータ25とCPU66とを2個一組としてキャリブレーションしたので、モータ25及びCPU66の部品毎に調整を行う必要がなくなり、バラツキの影響を小さく抑えることができる。下記式(2)において、キャリ誘起トルク/キャリ電流はモータトルク定数である。
モータ誘起トルク=電流×キャリ誘起トルク/キャリ電流 ……(2)
なお、ECU40の各構成要素は、CPU、メモリ、各構成要素を実現する制御プログラム、制御プログラムを格納する記憶ユニット、外部接続用インターフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現されるものである。その方法や装置としては、従来周知の各種の方法や装置を使用することができることは当業者には理解されるところであり、上記実施の形態、及び図示例に特定されるものではない。
(実施の形態の効果)
以上のように構成された実施の形態に係るクラッチ制御装置によると、以下の効果が得られる。
(1)最小トルクと最大トルクの2点で摩擦クラッチ伝達トルク特性の基準合わせを行うため、摩擦クラッチ押付系の剛性バラツキの影響を低減することができるとともに、剛性バラツキに関係する部品の精度を高くする必要がなくなり、製造コストを低減することができる。
(2)高トルク領域でも、伝達トルク誤差を小さくすることができ、4WD車に適用した場合には駆動伝達系の強度及び剛性を必要以上に高める必要がなくなり、小型軽量化や低コスト化を達成することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、アクチュエータ24のモータ出力軸の変位を検出する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1カムプレート28の変位を検出するようにしてもよく、減速機26の出力軸26aの回転位置を検出してもよい。モータ25の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構17としては、例えばボールネジ等であってもよい。
上記実施の形態では、前輪のみ、あるいは後輪のみを駆動する2WDモード、車両状態に応じて前後輪間の駆動力を自動制御する4WDオートモード、及び最大駆動力に保持する4WDロックモードの3つのモードに切り換えられる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば少なくとも4WDオートモードを備えた構成、あるいは4WDオートモードと4WDロックモードの2つのモードに切り換えられる構成のものにも適用が可能である。
上記実施の形態では、FRタイプの4WD車における前後輪間の駆動力を制御する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えばFRタイプの4WD車における左右前輪間、あるいは左右後輪間の駆動力を制御する構成のもの、FFタイプの4WD車における前後輪間、左右前輪間、あるいは左右後輪間の駆動力を制御する構成のものにも適用することができる。
上記実施の形態では、トランスファに本発明のクラッチ制御装置を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではないことは勿論であり、例えばデファレンシャルなどの各種の駆動伝達経路上に本発明のクラッチ制御装置を効果的に使用することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明は、上記実施の形態、及び図示例に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。本発明は、例えば入力側と出力側の間でトルクを伝達する各種の装置に使用することができることは勿論であり、例えば農業機械、建設土木機械、運搬機械等の作業用車両、不整地用四輪走行車(ATV)、鉄道等の各種の車両、各種の産業機械や工作機械等にも適用可能であり、本発明の初期の目的を十分に達成することができる。
1 四輪駆動車
2 エンジン
3 トランスミッション
4 センタードライブシャフト
5 トランスファ
6 フロントドライブシャフト
7 リヤドライブシャフト
8 フロントデファレンシャル
9 前輪
10 リヤデファレンシャル
11 後輪
12 後輪用出力軸
13 ケース
14 ボールベアリング
15 スプロケット
16 チェーンベルト
17 運動変換機構
18 クラッチ機構
19 摩擦クラッチ
20 クラッチ押付部材
21 クラッチドラム
22 クラッチハブ
23 リターンスプリング
24 アクチュエータ
25 モータ
26 減速機
26a 出力軸
27 ピニオンギヤ
28 第1カムプレート
28a,29a ボールカム溝
29 第2カムプレート
30 ボール
31,33 スラスト軸受
32 固定部材
40 ECU
41 舵角センサ
42 操作スイッチ
43 車速センサ
44 加速度センサ
45 前輪回転センサ
46 後輪回転センサ
47 スロットルセンサ
48 エンジン回転センサ
49 パルスセンサ
50 モード入力部
51 車両状態入力部
52 目標トルク演算部
53 変位入力部
54 推定トルク演算部
55 加減算部
56 PID制御部
57 電流出力部
58,67 記憶部
59 モータ駆動回路
60 電流検出回路
61〜64 FET
65 抵抗
66 CPU

Claims (12)

  1. 動力伝達軸上に設けられた多板クラッチと、
    前記多板クラッチに対する押圧操作を介して伝達されるトルクを付与するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの回転位置を検出するセンサと、
    前記センサの前記アクチュエータ回転位置から、前記多板クラッチに伝達されるトルクを推定する手段と、
    前記推定手段により求めたトルク推定値とトルク目標値の偏差に応じて、前記トルク推定値を前記トルク目標値に一致させるべく前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段とを備えてなることを特徴とするクラッチ制御装置。
  2. 前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線から、前記多板クラッチ伝達トルクを推定することを特徴とする請求項1記載のクラッチ制御装置。
  3. 多板クラッチ最大トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を越えないように制限する手段を有してなることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチ制御装置。
  4. 多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を越えて戻らないように制限する手段を有してなることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチ制御装置。
  5. 多板クラッチ伝達トルク相当の前記アクチュエータ回転位置を基準位置として求め、得られた前記基準位置を前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線上の制御基準位置とすることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチ制御装置。
  6. 多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置と多板クラッチ最大トルク相当の前記アクチュエータ回転位置とを求め、得られた前記アクチュエータ回転位置を前記アクチュエータ回転位置と前記多板クラッチ伝達トルクとの関係を示す特性曲線上にあてはめることで、多板クラッチ最小トルク位置及び多板クラッチ最大トルク位置とすることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチ制御装置。
  7. 前記多板クラッチを押し付けないフリー位置からトルク伝達領域に向けて一定電圧により前記アクチュエータを駆動し、所定以上の減速度が発生した位置を多板クラッチ最小トルク位置とすることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のクラッチ制御装置。
  8. 多板クラッチ最小トルク相当の前記アクチュエータ回転位置からトルク伝達領域に向けて最大トルク相当の電流により前記アクチュエータを駆動し、当該アクチュエータが静止した位置を多板クラッチ最大トルク位置とすることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のクラッチ制御装置。
  9. 前記アクチュエータに流れる電流に対して低周波のディザー信号を加えることを特徴とする請求項8記載のクラッチ制御装置。
  10. 前記アクチュエータに流す電流と当該電流に対する誘起トルクを計測し、その計測により得られたバラツキを所定範囲に層別使用するための層別区分に従い選別し、その選別した層別ランクを識別する手段を有するとともに、前記層別ランクを認識させる手段を有してなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のクラッチ制御装置。
  11. 前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段に所定の電流を流し、そのときの電流検出信号を所定の電流であると認識させる手段を有してなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のクラッチ制御装置。
  12. 前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段により前記アクチュエータに電流を流したときの前記アクチュエータの発生トルクを計測し、そのときの電流検出信号を前記アクチュエータの発生トルクに相当する電流であると認識させる手段を有してなり、
    前記アクチュエータ及び前記アクチュエータの正逆回転駆動を制御する手段を一組として使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のクラッチ制御装置。
JP2009244707A 2009-10-23 2009-10-23 クラッチ制御装置 Pending JP2011089610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009244707A JP2011089610A (ja) 2009-10-23 2009-10-23 クラッチ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009244707A JP2011089610A (ja) 2009-10-23 2009-10-23 クラッチ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011089610A true JP2011089610A (ja) 2011-05-06

Family

ID=44108037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009244707A Pending JP2011089610A (ja) 2009-10-23 2009-10-23 クラッチ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011089610A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015129584A (ja) * 2013-12-20 2015-07-16 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー 車両駆動系トルク管理プロセス
US9956645B2 (en) 2012-11-08 2018-05-01 Dana Automotive Systems Group, Llc Tube profile machining process
JP2020051616A (ja) * 2018-08-20 2020-04-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド トルク伝達用のクラッチユニットを有する車両の駆動伝達系を動作させるための方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9956645B2 (en) 2012-11-08 2018-05-01 Dana Automotive Systems Group, Llc Tube profile machining process
JP2015129584A (ja) * 2013-12-20 2015-07-16 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー 車両駆動系トルク管理プロセス
JP2020051616A (ja) * 2018-08-20 2020-04-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド トルク伝達用のクラッチユニットを有する車両の駆動伝達系を動作させるための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3199416B1 (en) Electric brake system
JP5134554B2 (ja) 多板クラッチの制御装置及びトランスファ
JP5827059B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置、駆動力配分制御装置、及び四輪駆動車
US9114706B2 (en) Control apparatus for four wheel drive vehicle
CN109955892B (zh) 转向系统
US9643642B2 (en) Vehicle steering apparatus
CN110901761B (zh) 线控转向系统和用于估计线控转向系统的齿条力的方法
JP2009539052A (ja) トルク測定を統合された軸受装置及びトルク分配を制御する装置
KR20130129932A (ko) 자동차용 가속기 페달 유닛 운용 방법
US9561720B2 (en) Driving force distribution control apparatus
WO2011049132A1 (ja) クラッチ制御装置
US10167053B2 (en) Bicycle drive unit
JP2011089610A (ja) クラッチ制御装置
US7593799B2 (en) Torque transmission device
WO2019049993A1 (ja) シフトレンジ制御装置
JP2004286054A (ja) 車両用制動装置
JP2009074630A (ja) 摩擦クラッチ制御装置及び駆動力配分装置
EP1666338B1 (en) Torque detecting apparatus
US20090276123A1 (en) Steering System of a Motor Vehicle
US11168751B2 (en) Driving force transmission device and control method for driving force transmission device
US11220267B2 (en) Vehicle control device and four-wheel drive vehicle
WO2017154790A1 (ja) 直動アクチュエータ
WO2020235590A1 (ja) 車両用トランスファの制御装置
CN103303362A (zh) 车辆用转向控制装置
JPH10258757A (ja) 操舵制御装置