<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4(a)は遊技盤24の正面図であり、図4(b)は遊技盤24に設けられた可変入賞装置32を説明するための縦断面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられているとともに、スルーゲート35も複数設けられている。
各一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及び各スルーゲート35に対しては1対1で対応させて検知センサ31a,31b,31c,32e,33a,34c,35a,35bが設けられている。これら検知センサ31a〜35bはいずれも遊技盤24の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に対して出力される。なお、検知センサ31a〜35bとしては、電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球の発生が検知されると、所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、図4(b)に示すように、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32cに連結されており(連結箇所については図示略)、当該可変入賞駆動部32cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。
また、可変入賞装置32には、大入賞口32aを介して可変入賞装置32に入賞した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部32dが形成されており、さらに当該入賞用通過部32dの位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口検知センサ32eによって可変入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示画面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、後述する低入賞高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図4(a)に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10では遊技盤24に、異常検知手段として、磁石検知センサ24aと、電波検知センサ24bとが設けられている。
磁石検知センサ24aは、上作動口33周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。上記のとおり上作動口33は内部抽選のトリガとなるため、窓パネル57の前方において上作動口33周辺に磁石を近付け、不正に上作動口33へと遊技球を誘導させようとする行為が想定される。これに対して、磁石検知センサ24aが設けられていることにより、上記磁石を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。磁石検知センサ24aは後述する主制御装置と電気的に接続されており、磁石検知センサ24aの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、磁石検知センサ24aの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、上記磁石を用いて一般入賞口31への入賞を不正に行わせようとする不正行為を抑制すべく、一般入賞口31周辺に磁石検知センサ24aを配置してもよい。
電波検知センサ24bは、上作動口33及び下作動口34周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。この位置についてより詳細には、電波検知センサ24bは高さ方向において上作動口33及び下作動口34の両方と略同一の高さ位置に配置されているとともに、横方向において上作動口33及び下作動口34よりも遊技機本体12の回動基端側に配置されている。ここで、遊技球の払出を実行する後述する払出装置は遊技機本体12の回動基端側寄りの位置に配置されているため、電波検知センサ24bは横方向において作動口装置と払出装置との間に配置されているとも言える。
上記のとおり上作動口33及び下作動口34は内部抽選のトリガとなるため、パチンコ機10前方において上作動口33又は下作動口34に向けて電波を不正に出力し、上作動口検知センサ33a又は下作動口検知センサ34cに遊技球の通過を誤検知させようとする行為が想定される。これに対して、電波検知センサ24bが設けられていることにより、上記電波を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。電波検知センサ24bは後述する主制御装置と電気的に接続されており、電波検知センサ24bの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、電波検知センサ24bの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、作動口装置よりも遊技機本体12の回動先端側であってもよく、作動口装置と可変入賞装置32との間の高さ位置に配置してもよい。また、電波検知センサ24bは所定の周波数として50MHz〜3GHzの電波を検知可能となっているが、上作動口33又は下作動口34への誤検知を行わせ得る周波数の電波を検知可能であれば当該周波数の範囲は任意であり、さらに検知対象とする周波数の範囲を変更できる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図6では、電源及び発射制御装置79から主制御装置71及び払出制御装置78への動作電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の供給ラインや信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)96と、を具備している。主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、ROM93及びRWM94が内蔵されている。
ROM93は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM93は、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM94は、SRWMやDRWMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM93よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU92又は主制御基板91には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRWM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置についても同様である。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入出力ポートが設けられており、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。MPU92の入力側及び出力側には、各種制御装置が接続されているとともに、各種センサ、各種駆動部及び各種表示部が接続されている。先ず各種センサ、各種駆動部及び各種表示部との接続に係る構成について説明する。
MPU92の入力側には、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,31b,31c,32e,33a,34c,35a,35b(以下、これらをまとめて入賞用検知センサ31a〜35bという)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板91と各入賞用検知センサ31a〜35bとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。MPU92では、主制御基板91に搭載された入賞用IC95を通じて、各入賞用検知センサ31a〜35bから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。
入賞用IC95は、経路異常の確認手段又は経路異常の確認回路である。当該入賞用IC95により各入賞用検知センサ31a〜35bとMPU92との間で正常な信号の伝送が行われているか否かが確認される。この確認内容の詳細については後に説明する。
MPU92の入力側には、上記各入賞用検知センサ31a〜35b以外にも磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bが電気配線を介して電気的に接続されている。MPU92では、磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bから信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無が判定される。
MPU92の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32cと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、が電気配線を介して電気的に接続されている。また、MPU92の出力側には、メイン表示部43と、役物用表示部44と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部32c,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU92において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるようにMPU92において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU92においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU92において役物用表示部44の表示制御が実行される。
ちなみに、図示による説明は省略するが、MPU92の出力側には、外部端子板81が接続されている。MPU92は、RWM94に対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、RWM94に設定された情報に応じて信号出力用の設定を外部端子板81に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させる。
次に、主制御装置71と払出制御装置78との通信に係る構成について説明する。これらの通信に係る構成の説明に先立ち、先ず払出制御装置78の電気的な構成を説明する。
払出制御装置78は、払出装置77を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板101を具備している。払出制御基板101には、MPU102が搭載されている。MPU102には、ROM103及びRWM104が内蔵されている。なお、以下の説明では、主制御装置71に設けられたMPU92、ROM93及びRWM94と区別するために、主制御装置71に設けられたMPU92、ROM93及びRWM94を主側MPU92、主側ROM93及び主側RWM94と称し、払出制御装置78に設けられたMPU102、ROM103及びRWM104を払出側MPU102、払出側ROM103及び払出側RWM104と称する。
払出側ROM103は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該払出側ROM103は、払出側MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RWM104は、SRWMやDRWMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM103よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。この払出側RWM104には、払出側ROM103内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出側MPU102又は払出制御基板101には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
払出側MPU102は払出装置77と電気的に接続されている。当該払出装置77には、タンク76から払出装置77に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体などの球止め部材を駆動する払出モータ77aが設けられているとともに、上記下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ77bが設けられている。払出側MPU102の出力側には払出モータ77aが電気配線を介して電気的に接続されているとともに、払出側MPU102の入力側には払出検知センサ77bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU102では、払出制御基板101に設けられたドライバ回路を通じて払出モータ77aに駆動信号を供給することで遊技球の払出を実行させるとともに、払出検知センサ77bの検知結果に基づいて払出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU102は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板105と電気配線を通じて電気的に接続されているとともに、当該球貸用接続端子板105が電気配線を通じて球貸装置Yと電気的に接続されている。
球貸装置Yは所謂CRユニットであり、図示による説明は省略するが外枠11の側方に設けられており、球貸装置Yの前面側にはカード挿入口が設けられている。そのカード挿入口へのカードの挿入を行うとともに、パチンコ機10に設けられた貸球操作装置(図示略)を適宜手動操作することによりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。払出側MPU102は、球貸装置Yとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく、現金であってもよく、また現金情報が記憶されたコインであってもよい。また、払出側MPU102には上記払出装置77や球貸装置Y以外にも、下皿62aといった球受け皿が遊技球の満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサが電気的に接続されているとともに、タンク76が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサが電気的に接続されている。
払出側MPU102は、主側MPU92との間で通信を行うことに基づき、遊技球の払出を制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板91と払出制御装置78との間には複数の信号経路が存在している。
かかる信号経路について詳細には、主側MPU92では入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU102に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1の信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報及び賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。具体的には、賞球コマンドは複数種類存在しており、各賞球コマンドは2バイトの情報からなる。
当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1の信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1の信号経路SL1は、主制御基板91及び払出制御基板101に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
払出側MPU102から主側MPU92に向けて情報を送信するための信号経路として、第2の信号経路SL2と、第3の信号経路SL3とが設けられている。第2の信号経路SL2は、払出側MPU102から主側MPU92に向けて払出状況コマンド(払出状況情報)を送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したこと及びその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドと、が含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報及び払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、例えば下皿62aの満杯状態やタンク76の球無し状態が含まれる。
当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2の信号経路SL2は第1の信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第2の信号経路SL2は、主制御基板91及び払出制御基板101に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第3の信号経路SL3は、払出側MPU102から主側MPU92に向けて払出許可信号を送信するために利用される。払出許可信号は、主側MPU92において賞球コマンドの出力タイミングを把握させるために、払出側MPU102から主側MPU92に送信される情報である。なお、当該払出許可信号が存在していることによる作用については後に説明する。
払出許可信号は1ビットの情報からなり、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの信号が送信される。但し、当該構成に限定されることはなく、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではHIレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではLOWレベルの信号が出力される構成としてもよい。
なお、第3の信号経路SL3は、主制御基板91及び払出制御基板101に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
ここで、主側MPU92と払出側MPU102との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板91と払出制御基板101とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、所謂ぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線などに隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払出を受けようとして行われるものであり、主制御基板91と払出制御基板101との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU92と払出側MPU102との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンドの通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れづらくなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
次に、主制御装置71及び払出制御装置78と、電源及び発射制御装置79との電気的な接続に係る構成を説明する。
電源及び発射制御装置79は電源及び発射制御基板111を備えており、当該電源及び発射制御基板111には、主制御装置71及び払出制御装置78を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路112が設けられている。電源回路112には、電入時用電源部113と、電断時用電源部114とが設けられている。
電入時用電源部113は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置71や払出制御装置78等の各々に必要な動作電圧を生成するとともに、その生成した動作電圧を主制御装置71や払出制御装置78等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部113は、裏パックユニット15に設けられた接続基板を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧などを生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御装置71や払出制御装置78等に対して供給する。なお、上記接続基板にはパチンコ機10の電源をON・OFF操作するための電源スイッチが設けられている。
電入時用電源部113と主側MPU92との電力供給経路の途中位置には停電監視基板96が設けられている。停電監視基板96は、電入時用電源部113から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主側MPU92に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判断している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。なお、これらLOW及びHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部114はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部113から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部114から放電され主側RWM94に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部114から記憶保持用電力が供給されている間は主側RWM94に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部114の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RWM94に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部114はコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部114への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源及び発射制御基板111には、上記電断時用電源部114とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板111では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主側MPU92は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、電源回路112から主側MPU92及び払出側MPU102への動作電力の供給に係る構成を詳細に説明する。
電入時用電源部113からの電力は、主側MPU92のVCC端子及び払出側MPU102のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU92,102にて各種制御処理が実行されるとともに、各RWM94,104にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部114からの電力は、主側MPU92のVBB端子に供給されているが、払出側MPU102のVBB端子(図示略)に供給されていない。つまり、電断時用電源部114からの記憶保持用電力は、主側RWM94に供給されるが、払出側RWM104には供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主側RWM94では情報の記憶保持が行われるが、払出側RWM104では情報の記憶保持が行われない。なお、払出側MPU102のVBB端子はアースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。
上記のように電断時用電源部114からの記憶保持用電力が主側RWM94に供給されるが、払出側RWM104に供給されない構成とすることにより、電断時用電源部114の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源及び発射制御基板111には、電源回路112以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路115が設けられている。発射制御回路115には、条件成立の送信回路116と、発射許可の受信回路117と、発射用IC118と、が設けられている。
条件成立の送信回路116は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU92に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路115は、発射ハンドル55の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ55aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される球止めスイッチ55bと、が電気的に接続されている。また、発射制御回路115は、払出制御基板101と電気的に接続されており、球貸装置Yが球貸用接続端子板105に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路116は、タッチセンサ55aからハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、球止めスイッチ55bから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU102から球貸装置Yが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU92に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU92に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、かかる構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路117は、条件成立の送信回路116から主側MPU92に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU92から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信するとともに、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC118に継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU92は、条件成立の送信回路116からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU92は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC118は、発射許可の受信回路117からHIレベルの発射許可信号又はそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構51の発射ソレノイド54及び球送り装置53のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。この場合、発射用IC118は、パルス信号として各駆動信号を出力するとともに、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール52に1個の遊技球が供給された後に、当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置53の方が発射ソレノイド54よりも早く設定されている。
なお、発射ハンドル55には上記のとおりハンドル部が設けられており、当該ハンドル部の操作量が多いほど発射ソレノイド54による遊技球の発射強度が強くなる。この場合、発射ハンドル55にはハンドル部の操作量を検知するための操作量検知手段として可変抵抗器が設けられており、発射用IC118では当該可変抵抗器から入力する電圧を通じて発射ソレノイド54に供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。なお、当該調整機能が発射用IC118に設けられていることは必須ではなく、発射用IC118と発射ソレノイド54との信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
次に、主制御装置71と、音声発光制御装置72との電気的な接続に係る構成を説明する。
主側MPU92の出力側には、音声発光制御装置72が接続されている。音声発光制御装置72は、主側MPU92から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部58a、エラーランプ部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置121にコマンドを送信する。表示制御装置121は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41の表示画面Gにおける画像の表示を制御する。なお、主側MPU92から音声発光制御装置72へのコマンドの送信はシリアルで行われるが、パラレルで行われる構成としてもよい。
<主側MPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図7を用いて説明する。
主側MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM94の抽選用カウンタエリア94aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア94bに格納される。
保留格納エリア94bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM93における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM93における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア94bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、主側ROM93のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とを主側MPU92において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM93の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RWM94に設けられた電役保留エリア94cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主側MPU92にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU92にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU92の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイと処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RWM94のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU92の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RWM94の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RWM94の初期化として当該主側RWM94をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RWM94の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、払出側RWM104の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU102に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側MPU92はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RWM94の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理及び割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理及び変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップS110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップS110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、主側MPU92において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際して主側MPU92のレジスタにその時点で格納されているデータの主側RWM94への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際して主側MPU92のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されるとともに、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINIの更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
<タイマ割込み処理>
次に、図9のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU92にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板91には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU92との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU92にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU92に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU92では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU92における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU92における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU92の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。詳細は後述するが、停電情報記憶処理では、停電監視基板96から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。詳細は後述するが、遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207移行の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では、各入賞用検知センサ31a〜35bから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。また、ステップS210では、主側RWM94に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS212では、遊技球の発射制御を実行する発射制御処理を実行する。また、ステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞用検知センサ31a〜35bの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS215では、電動役物34aの開放抽選及び電動役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留ランプ部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出側MPU102から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板81への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
なお、ステップS209の入賞検知処理、ステップS210のタイマ更新処理、ステップS211の不正検知処理、ステップS212の発射制御処理、ステップS213の入力状態監視処理、ステップS214の特図特電制御処理、ステップS215の普図普電制御処理、ステップS217のデモ表示用処理、ステップS218の払出状態受信処理及びステップS219の払出出力処理については、後に個別に説明する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。主側MPU92では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。主側MPU92では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<停電情報記憶処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS201にて実行される停電情報記憶処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
停電情報記憶処理では、先ずステップS301にて、主側RWM94に設けられた繰り返しカウンタに、停電信号用の繰り返し回数情報である「10」の情報をセットするとともに、ステップS302にて、主側RWM94に設けられた停電検知カウンタの情報を初期化する。
続くステップS303では、主側MPU92の入力ポートに受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップS303では、かかる停電信号の情報を主側MPU92のレジスタに読み込む処理を実行する。
続くステップS304では、ステップS303にて読み込んだ停電信号の情報が停電の発生(電断の発生)に対応したものであるか否かを判定する。停電の発生に対応している場合にはステップS305にて、停電検知カウンタの数値情報を1加算するように更新処理を実行した後にステップS306に進み、停電の発生に対応していない場合にはステップS304の処理を実行することなくステップS306に進む。
ステップS306では、繰り返しカウンタの数値情報を1減算するように更新処理を実行し、その後、ステップS307にて、当該繰り返しカウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。つまり、ステップS303〜ステップS306の処理を、ステップS301にて設定した繰り返し回数分実行したか否かを判定する。ステップS307にて否定判定をした場合には、ステップS303に戻り、ステップS303〜ステップS306の処理を繰り返す。一方、ステップS307にて肯定判定をした場合には、ステップS308に進む。
ステップS308では、停電検知カウンタの現状の数値情報が、停電発生に対応した契機基準回数以上となっているか否かを判定する。具体的には、ステップS303〜ステップS306の処理を繰り返し回数分実行した結果、停電検知カウンタの現状の数値情報が、「8」以上となっているか否かを判定する。契機基準回数未満である場合には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。
一方、契機基準回数以上である場合には、ステップS309〜ステップS312の停電時処理(電断時処理)を実行する。具体的には、先ずステップS309にて、主側RWM94の停電フラグに「1」をセットし、続くステップS310にて、チェックサム算出処理を実行する。ここで算出されたチェックサムは主側RWM94に記憶される。その後、ステップS311にて、主側RWM94の出力ポートの情報を全て「0」にセットするとともに、ステップS312にて主側RWM94へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、タイマ割込み処理の最初の処理として停電情報記憶処理を実行するようにしたことにより、復電後にタイマ割込み処理の途中から実行する必要がなくなる。これにより、停電発生時に実行していた処理のアドレスをスタック情報として主側RWM94に記憶する必要がなくなり、停電発生時の処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
ここで、停電発生の確認が上記のように実行されることの作用効果を説明する。図11は当該作用効果を説明するためのタイミングチャートである。
t1のタイミングで、商用電源の停電又はパチンコ機10の電源のOFF操作が行われることで、停電信号が電源遮断の発生に対応したHIレベル信号となる。その後、t2のタイミングで、停電情報記憶処理が起動されることで、繰り返しカウンタに繰り返し回数情報がセットされるとともに、停電検知カウンタの情報が初期化される。
その後、t3のタイミングで最初のステップS303〜ステップS306の処理(以下、停電確認処理ともいう)が実行されることで、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。また、t4のタイミングで次の停電確認処理が実行される。但し、このタイミングでは電気的なノイズの発生により、電源遮断が発生しているにも関わらず、停電信号は電源遮断が発生していないことに対応した状態となっている。したがって、当該タイミングでは繰り返しカウンタの数値情報は1減算されるが、停電検知カウンタの数値情報は更新されない。
本パチンコ機10では、停電信号が電源遮断の発生に対応している状態であるか否かに関わらず、繰り返しカウンタにセットされている回数分は停電確認処理が実行される。したがって、停電信号が電源遮断の発生に対応していると確認した後に、電源遮断が発生していないことに対応していると確認したとしても、停電確認処理は継続される。
その後、t5〜t10のタイミングでは、電気的なノイズの影響も消失し、停電信号が電源遮断の発生に対応していることが確認される。よって、各タイミングで、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。また、t11のタイミングでは、電気的なノイズの影響が再度発生し、停電信号は電源遮断が発生していないことに対応した情報となっているため、繰り返しカウンタの数値情報のみが1減算される。また、t12のタイミングでは、電気的なノイズの影響も消失し、停電信号が電源遮断の発生に対応していることが確認され、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。
その後、t13のタイミングで、繰り返しカウンタの数値情報が「0」であることを確認することで、繰り返し回数分の停電確認処理が完了したことを主側MPU92にて把握する。したがって、t13のタイミングで停電時処理が開始される。
以上のように電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を1回確認しただけで停電時処理を実行するのではなく、当該停電信号の受信を複数回確認した場合に停電時処理を実行するようにしたことにより、電気的なノイズ等の影響で停電信号が電断遮断の発生に対応したものに突発的になった際に停電時処理が実行されてしまうことを抑制できる。
また、電源遮断が発生した場合に停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されると、停電フラグに「1」がセットされていない状況や、チェックサムの算出及び保存が実行されていない状況で、主側MPU92における処理が終了されることとなる。そうすると、次回の復電に際して主側RWM94の初期化が実行されてしまい、賞球が無効化されてしまう不都合や、高確率モードや高頻度サポートモードが消失されてしまう不都合の発生が懸念される。このような事情においては、本パチンコ機10のように、タイマ割込み処理の1処理回の範囲内で停電確認処理が複数回実行されるとともに、当該処理回の範囲内で停電時処理が開始されることが好ましい。
また、電源遮断が発生している状況において電気的なノイズ等の影響で、電源遮断の発生に対応した停電信号が電源遮断の発生していない状態に対応したものに突発的に変化してしまうことが懸念される。この場合に、停電時処理を実行するための条件として、電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を複数回連続して確認することが設定されていると、電源遮断が発生しているにも関わらず上記電気的なノイズの影響で、主側MPU92にて電源遮断の発生と認識されず、停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されてしまうことが懸念される。これに対して、停電確認処理を所定の繰り返し回数分行う範囲内において電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数(繰り返し回数>契機基準回数)以上確認した場合に停電時処理を実行するようにし、確認の連続性を停電時処理の実行の条件から除外したことにより、上記のように電気的なノイズの影響があったとしても、停電時処理を良好に実行することができる。
また、停電時処理が実行されるためには電源遮断の発生に対応した停電信号を3回以上確認する必要がある。1回の処理回の範囲内で停電信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、上記のように電源遮断の発生に対応した停電信号を3回以上確認する必要があるため、電源遮断の発生に対応した停電信号の出力が継続されている期間として、停電時処理を実行するために要求される期間がある程度長いものとなる。よって、電気的なノイズの発生の影響で停電時処理が実行されてしま可能性が低減される。
ちなみに、一のステップの処理を主側MPU92において実行するために最低限必要な処理時間が存在し、さらに1回の停電確認処理を完了するには複数のステップの処理を実行する必要がある。つまり、1回の停電確認処理が開始されてから次の停電確認処理が開始されるまでには所定の時間を要することとなる。例えば、一のステップの処理を実行するのに要する時間を1.2μsecとした場合、1回の停電確認処理を実行するのに4.8μsec要することとなる。そして、当該停電確認処理を10回行った場合、停電時処理を開始するには約50μsec要することとなる。これに対して、電源遮断の発生から主側MPU92において完全に処理が実行できなくなるまでの時間(例えば主側MPU92へのリセット信号の出力が開始されるまでの時間)が10msec程度に設定されていれば、上記のように停電確認処理を複数回実行するとしても十分に停電時処理を完了することができる。
なお、確認基準回数である繰り返し回数が3回以上であり、さらに契機基準回数が繰り返し回数未満であって2回以上であれば、それら繰り返し回数及び契機基準回数の具体的な数値は任意である。
<入賞検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS209にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞用検知センサ31a〜35bにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU92の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図12を参照しながら、主側MPU92の入力ポート92aに対して入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果が入力されるための電気的な構成について説明する。
入力ポート92aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート92aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート92aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート92aへの入力対象となる信号群が各入賞用検知センサ31a〜35bに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ32eからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は上作動口検知センサ33aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は下作動口検知センサ34cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ31aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ31bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ31cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第1ゲート検知センサ35aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第2ゲート検知センサ35bからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞用検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板91には反転回路が設けられており、入力ポート92aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート92aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞用検知センサ31a〜35bにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞用検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図13(a)のフローチャートに示すように、先ずステップS401にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU92のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図13(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS402では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU92において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS402の処理が設定されていなくても、ステップS401とステップS403との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS402では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS401の処理とステップS403の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS403では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU92のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート92aにおける情報の更新はステップS401が完了してからステップS403が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS403にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS401の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図13(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS404にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。ここで、当該入賞判定処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS501にて、主側RWM94に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS502では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート92aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS503では、ステップS502にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS504にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図13(b−3)及び図13(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS505にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS506にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS507にて、ステップS503におけるAND処理結果の情報と、ステップS506における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS508にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。
ステップS508にて、AND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS509にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が上作動口33及び下作動口34のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。上作動口33及び下作動口34のいずれかに対応している場合には、ステップS510にて、主側RWM94に設けられた作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップS511にて、主側RWM94に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
作動入賞フラグは、上作動口33又は下作動口34への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。ちなみに、上作動口33と下作動口34とのそれぞれに対して入賞用検知センサ33a,34cが設けられた構成においては、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、作動入賞フラグは、作動口33,34の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタである。
ステップS509にて否定判定をした場合には、ステップS512にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置32に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置32に対応している場合には、ステップS513にて、主側RWM94に設けられた大入賞フラグに「1」をセットし、ステップS514にて、主側RWM94に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、可変入賞装置32への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタである。
ステップS512にて否定判定をした場合には、ステップS515にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS516にて、主側RWM94に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。ステップS515にて、否定判定をした場合には、今回の入賞が一般入賞口31に対応していることを意味するため、ステップS517にて、主側RWM94に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
スルーフラグは、スルーゲート35への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタである。
ステップS508にて否定判定をした場合、又はステップS511,ステップS514,ステップS516,ステップS517のいずれかの処理を実行した後は、ステップS518に進む。ステップS518では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS519にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS518にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS502〜ステップS517の処理を実行する。かかるステップS502〜ステップS517の処理を、ステップS501にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS519にて肯定判定をすることとなり、肯定判定をすることで、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図13)が実行されることにより、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無が検知される様子について図15を参照しながら説明する。
先ず、図15(A)を参照しながら、入賞用検知センサ31a〜35bにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図15(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図15(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図9)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS401,ステップS403)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS401)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは不正検知処理、発射制御処理、特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS401)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS403)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS402)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図15(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図15(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図15(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図15(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第3入賞口検知センサ31cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図15(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b及び第3入賞口検知センサ31cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図15(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図15(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c、下作動口検知センサ34c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図15(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図15(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図14)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図15(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に対して、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図15(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、第2ゲート検知センサ35bにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、上作動口検知センサ33aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図15(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて下作動口検知センサ34cが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図15(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では下作動口検知センサ34cが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
上記のような入賞有り情報の複数回の確認を、複数の処理回のタイマ割込み処理に亘って行うのではなく、1回の処理回の範囲内で行うことで、遊技球が比較的速い速度で入賞用検知センサ31a〜35bの検知位置を通過したとしても、それを正確に検知することが可能となる。例えば、入賞用検知センサ31a〜35bの検知位置を最速で10msec程度で遊技球が通過するように球通路が形成されている構成においては、4msec周期で定期的に起動されるタイマ割込み処理の各処理回で1回ずつ入賞情報を監視する処理を実行していると、その通過を見逃してしまうおそれがある。これに対して、タイマ割込み処理の1回の処理回の範囲内で入賞有り情報の複数回の確認を行うことで、このような見逃しの発生を低減することができる。
また、先側の入賞情報を監視する処理及び後側の入賞情報を監視する処理は既に説明したとおり、定期的に実行される。これにより、入賞情報を監視する処理が実行されない期間が局所的に長くなる事象の発生が抑えられ、この点からも遊技球の通過を見逃してしまう可能性が低減される。さらに、このように入賞情報を監視する処理が実行されない期間が局所的に長くなる事象の発生が抑えられていることにより、例えば今回の第2ゲート検知センサ35bにおける検知のようにn回目のタイマ割込み処理の途中で遊技球の通過の検知が開始されたとしても、その通過を見逃すことなく把握することができる。
但し、1回の処理回の範囲内で同一の入賞信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、既に説明したとおり、1回のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理と後側の入賞情報を監視する処理との間に入賞検知用のウェイト処理(ステップS402)が設定されており、さらにそのウェイト時間が電気的なノイズの影響が1組の入賞情報を監視する処理に亘って及んでしまわないように設定されている。よって、電気的なノイズの発生の影響で遊技球の入賞を誤検知してしまわないようになっている。
また、上記ウェイト処理は、主側MPU92において他の処理を実行することなく待機するための処理である。これにより、上記ウェイト時間が変動してしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の1回の処理回において同一の入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号を2回確認する場合の間隔の一定化が図られる。よって、入賞用検知センサ31a〜35bにて遊技球の検知が開始されてから入賞の発生と判定されるまでに要する時間が遊技の進行状況によって大きく変動してしまうことが抑えられる。
また、第3入賞口検知センサ31cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。また、かかる構成であっても、入賞が発生した場合にはタイマ割込み処理が2回実行された場合には入賞の発生と判定されるため、入賞の発生と判定するまでに要する期間の短縮化が図られる。
また、各回のタイマ割込み処理では、該当する処理回にて取得した複数の入賞情報に対して共通の論理演算を実行することで入賞情報の監視結果を算出し、連続する2処理回の当該算出結果から入賞が発生しているか否かを判定する。これにより、タイマ割込み処理の各処理回で同一の論理演算を実行することで、上記のような優れた効果を奏することができる。
ここで、入賞発生の有無の判定については、複数の監視回に亘る入賞情報を履歴として記憶し、それら記憶した履歴の入賞情報を利用して論理演算を行うことで当該判定が行われるのに対して、停電発生の有無の判定については、停電検知カウンタを用いて停電発生と特定した回数をカウントすることで当該判定が行われる。この場合に、入賞発生の有無の判定に関してステップS401の処理が開始されてからステップS508の処理が実行されるまでの期間は、停電発生の有無の判定に関してステップS301の処理が開始されてからステップS308の処理が実行されるまでの期間と同一、略同一又は同様となっている。これは、判定に際して信号の内容を監視する回数が停電発生の有無の判定の方が入賞発生の有無の判定に比べて多いのに対して、入賞発生の有無の判定においては入賞検知用のウェイト時間が設定されていることによる。
仮に、強制的なウェイト時間を利用する処理構成を停電発生の有無の判定を行うために適用しようとすると、信号の監視を行える回数が減少してしまい停電の発生を把握する精度が低下してしまう。一方、強制的なウェイト時間によるのではなく繰り返し確認する回数の多さを利用する処理構成を入賞発生の有無の判定を行うために適用しようとすると、入賞情報の履歴を記憶しておくために必要な記憶容量が極端に増加してしまう。したがって、入賞発生の有無の判定ではウェイト時間を利用して、停電発生の有無の判定では繰り返し回数の多さを利用することで、各判定を適切に行うことができる。
<タイマ更新処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS210にて実行されるタイマ更新処理について説明する。
タイマ更新処理には、処理の実行タイミングを把握すべく経過時間を把握するために主側RWM94に設けられたタイマカウンタのうち、経過時間の計測が数値情報の減算を通じて行われる複数種類の減算対応のタイマカウンタTC1〜TC10を減算するための処理が集約されている。
図16は主側RWM94に設定されたタイマ領域TAを説明するための説明図であり、当該図16に示すように、減算対応のタイマカウンタTC1〜TC10として、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が複数種類設けられているとともに、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が複数種類設けられている。16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4には、後述する特図特電タイマカウンタTC1と、後述する普図普電タイマカウンタTC2と、後述する電波報知用タイマカウンタTC3と、発射開始タイマカウンタTC4と、が含まれている。また、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10には、後述する監視用タイマカウンタTC5と、後述する断線報知用タイマカウンタTC6と、後述する短絡報知用タイマカウンタTC7と、後述する断線確認用タイマカウンタTC8と、が含まれている。
これら各タイマカウンタTC1〜TC10には、主側RWM94において割り当てられている物理ブロックを主側MPU92にて特定するためのアドレス情報が設定されている。連番となるアドレス情報のうち、1連のアドレス情報が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して割り当てられているとともに、それとは異なる1連のアドレス情報が8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群に対して割り当てられている。
具体的には、タイマアドレスの先端アドレス(P)からアドレス(Q−1)までの連番のアドレスが16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して割り当てられているとともに、アドレス(Q)からアドレス(R−1)までの連番のアドレスが8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群に対して割り当てられている。つまり、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して先側のアドレスが割り当てられているとともに、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群における最後のアドレスと、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群における最初のアドレスとが連番となっている。
また、各アドレス情報は1バイト分のエリアに対して個別に割り当てられているため、各8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10のそれぞれに対しては、1つのアドレス情報が割り当てられているのに対して、各16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のそれぞれに対しては、2つのアドレス情報が割り当てられている。この場合に、主側MPU92において16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4を特定する場合には各16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4に割り当てられている2つのアドレス情報のうち先側のアドレス情報を利用する。
さて、タイマ更新処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて、主側MPU92のレジスタにおけるタイマアドレスに16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の先頭アドレスをセットする。この先頭アドレスはプログラム上において設定されている。
続くステップS602では、更新処理の対象とすべき16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の数を主側MPU92にて特定するために、繰り返しカウンタに対して16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の数をセットする。続くステップS603では、現状のタイマアドレスに対応した16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4に格納されている数値情報を主側MPU92のレジスタに読み出す処理を実行する。なお、ステップS601及びステップS602の処理を実行した直後のステップS603では、先頭アドレスに対応した16ビットのタイマカウンタTC1に格納されている数値情報を読み出す。
続くステップS604では、ステップS603にて読み出した数値情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、ステップS605にて、その数値情報を1減算し、ステップS606にて、減算した結果の数値情報を読み出し元の16ビットのタイマカウンタに上書きする。その後、ステップS607に進む。
一方、ステップS604にて肯定判定をした場合には、ステップS604及びステップS605の処理を実行することなくステップS607に進む。つまり、更新対象となった16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が既に「0」となっている場合には、1減算する処理が実行されない。
ステップS607では、タイマアドレスを2加算することで、次の16ビットのタイマカウンタを更新対象に設定する。つまり、既に説明したとおり16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4は2バイトの情報量であり2つのアドレス情報が設定されているため、次の16ビットのタイマカウンタを更新対象とするためにはアドレス情報を2加算する必要が生じる。続くステップS608では、繰り返しカウンタを1減算する。
ここで、先頭アドレス以降は、タイマアドレスを2加算することで、対象となる16ビットのタイマカウンタのアドレスが認識される構成であるため、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のアドレスのうち先頭アドレス以外については、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がない。これにより、主側ROM93において必要な記憶容量の削減が図られる。さらに、先頭アドレス以外は全て、現状のタイマアドレスに2加算することで各アドレスが把握される構成である。これにより、アドレスの認識に係る処理の簡素化が図られる。
その後、ステップS609にて、ステップS608にて1減算した結果の繰り返しカウンタが「0」となっているか否かを判定する。つまり、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4全てについて更新処理が完了したか否かを判定する。繰り返しカウンタが1以上である場合には、ステップS609にて否定判定をし、ステップS607にて2加算した結果のタイマアドレスに対応した16ビットのタイマカウンタについて、ステップS603〜ステップS606の処理を実行する。繰り返しカウンタが「0」である場合には、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の全てについて更新が完了したことを意味するため、ステップS610に進む。
ステップS610では、更新処理の対象とすべき8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の数を主側MPU92にて特定するために、繰り返しカウンタに対して8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の数をセットする。
ここで、ステップS610の処理は、更新処理の対象が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4から8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に切り換えられた場合に実行されるが、この際に8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスの設定は行われない。これは、更新順序が最後となる16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が更新対象となった際におけるステップS607の処理にてタイマアドレスが、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスに設定されているからである。これにより、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスを、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がないため、主側ROM93において必要な記憶容量の削減が図られる。
続くステップS611では、現状のタイマアドレスに対応した8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に格納されている数値情報を主側MPU92のレジスタに読み出す処理を実行する。なお、ステップS610の処理を実行した直後のステップS611では、先頭アドレスに対応した8ビットのタイマカウンタTC5に格納されている数値情報を読み出す。
続くステップS612では、ステップS611にて読み出した数値情報を1減算する処理を実行し、その後にステップS613にて、その減算結果の数値情報にキャリーフラグの内容を加算する。そして、ステップS614にて、演算した結果の数値情報を読み出し元の8ビットのタイマカウンタに上書きする。
つまり、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10を更新する際には、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4を更新する場合とは異なりステップS604のような数値情報が「0」であるか否かの判定が行われることなく、数値情報を1減算する処理を実行する。したがって、数値情報が「0」である場合に1減算する処理が実行された場合には、8ビットの数値情報は16進数で「FF」となる。これに対して、ステップS612の処理後において数値情報が「FF」となった場合にはキャリーフラグに「1」がセットされ、ステップS613にてその「1」の数値情報が上記「FF」に対して加算される。そうすると、当該数値情報は「0」に復帰することとなる。
ここで、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10においてキャリーフラグを利用して「0」の数値情報を1減算後においても「0」に保持する処理の処理負荷は、ステップS604のように数値情報が「0」であるか否かを判定して進行していく処理を分岐させる場合の処理負荷に比べて小さいものである。したがって、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10においては上記のようにキャリーフラグを利用することで、処理負荷の軽減が図られる。その一方、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4においては数値情報の減算及び加算に際して扱うビット数が多くなる。そうすると、上記のようにキャリーフラグを利用して「0」の数値情報を1減算後において「0」に保持する処理の処理負荷の方が、ステップS604のように数値情報が「0」であるか否かを判定して進行していく処理を分岐させる場合の処理負荷に比べて大きくなる。したがって、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4についてはステップS604のような判定処理を実行することが好ましい。つまり、更新対象となった数値情報が「0」である場合の扱いを、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10と16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4とのそれぞれに対応させて適切に行うことが可能となる。
ステップS614の処理の実行後は、ステップS615にて、タイマアドレスを1加算することで、次の8ビットのタイマカウンタを更新対象に設定するとともに、ステップS616にて、繰り返しカウンタを1減算する。
ここで上記処理構成であることにより、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10については、それらのアドレスの全てを、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がない。これにより、主側ROM93において必要な記憶容量の削減が図られる。また、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が更新対象となってからは、現状のタイマアドレスに1加算することで各アドレスが把握される構成である。これにより、アドレスの認識に係る処理の簡素化が図られる。
その後、ステップS617にて、ステップS616にて1減算した結果の繰り返しカウンタが「0」となっているか否かを判定する。つまり、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10全てについて更新処理が完了したか否かを判定する。繰り返しカウンタが1以上である場合には、ステップS617にて否定判定をし、ステップS616にて1減算した結果のタイマアドレスに対応した8ビットのタイマカウンタについて、ステップS611〜ステップS616の処理を実行する。繰り返しカウンタが「0」である場合には、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の全てについて更新が完了したことを意味するため、本タイマ更新処理を終了する。
以上のとおり、数値情報を減算することで時間の経過を計測するために利用される16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4及び8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10は、その数値情報の更新がタイマ更新処理(図17)にて実行される。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
また、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4については、タイマアドレスの変更を通じていずれのカウンタであっても同一の更新処理(ステップS604〜ステップS606)を利用することができ、同様に、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10についても、タイマアドレスの変更を通じていずれのカウンタであっても同一の更新処理(ステップS612〜ステップS614)を利用することができる。よって、プログラム容量の削減が図られる。また、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理プログラムの読み出しを集約して行うことが可能となる。
また、例えば各タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新が加算式で行われる構成においては各タイマカウンタTC1〜TC10が期間の計測中であるか否かを、当該タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報とは別の情報を参照して個別に把握する必要が生じる。これに対して、タイマ更新処理では、数値情報が減算されることで期間の計測が行われるタイマカウンタTC1〜TC10のみが更新対象となっているとともに、数値情報が「0」を下回った状態で維持されないように当該更新処理が実行される。これにより、タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新を集約して行う構成において、それらタイマカウンタTC1〜TC10にて期間の計測が行われていない状況における処理の簡素化が図られる。
また、加算式で数値情報の更新が行われることで期間の計測が行われるタイマカウンタ(具体的には後述する払出許可カウンタ)の更新については、タイマ更新処理とは別に実行される。これにより、タイマ更新処理の処理構成が複雑化することを抑制しつつ加算式のタイマカウンタを利用することが可能となる。
また、タイマ更新処理は、タイマ割込み処理(図9)においてその開始タイミングから処理時間が相対的に変動し易い処理が含まれていないため、タイマ割込み処理に含まれる他の処理の処理時間が変動した場合であっても、その変動がタイマカウンタTC1〜TC10の更新タイミングに与える影響を低減することが可能となる。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新を定期的に行うことが可能となる。
<不正検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS211にて実行される不正検知処理について説明する。
不正検知処理では、予め定められている複数種類の検知対象の不正が発生しているか否かを監視し、不正が発生していることを特定した場合にそれに対処するための処理を実行する。かかる複数種類の検知対象の不正として、磁石を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為、可変入賞装置32の大入賞口検知センサ32eに遊技球の入賞を誤検知させようとする行為、及び電波を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為が含まれている。
さて、不正検知処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて、磁石検知センサ24aがONとなっているか否かを判定する。具体的には、磁石検知センサ24aは、磁石による磁気の発生を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの磁石検知信号を出力するとともに、磁石による磁気の発生を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの磁石検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる磁石検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS701では、入力ポート92aを監視することで、磁石検知センサ24aが磁気の発生を検知中であるか否かを判定する。
ステップS701にて否定判定をした場合には、ステップS702にて、主側RWM94に設けられた磁石検知カウンタを「0」クリアする。磁石検知カウンタは、磁石検知センサ24aが磁気の発生を検知中であることを確認した回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタである。
一方、ステップS701にて肯定判定をした場合には、ステップS703にて、磁石検知カウンタを1加算するための処理を実行し、ステップS704にて、その加算後の数値情報が「2」であるか否かを判定する。つまり、磁石検知センサ24aが磁気の発生を検知中であることを主側MPU92にて複数回に亘って確認したか否かを判定する。
ステップS704にて肯定判定をした場合には、ステップS705にて、主側RWM94の磁石検知済みフラグに「1」をセットすることで磁石検知済み状態に設定する。続くステップS706では、磁石検知コマンドを出力対象に設定する。磁石検知コマンドは、磁石を用いた不正行為の発生を主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドでる。なお、主側MPU92では出力対象として設定されたコマンドは、主側MPU92のプログラム上の処理にて特別な処理を実行することなく出力先の制御装置に送信される。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートにて示すような報知及び演出制御処理を定期的(例えば2msec周期)に実行しており、当該処理にて磁石検知コマンドの受信に対応した処理を実行する。
つまり、ステップS901にて報知系コマンドとして磁石検知コマンドを受信したか否かを判定し、磁石検知コマンドを受信している場合にはステップS902にて、その磁石検知コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、磁石を用いた不正行為の特定に対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って磁石対応用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び後述する第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、不正入賞用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS903では、磁石検知コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、磁石を用いた不正行為の特定に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って磁石対応用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
不正検知処理(図18)の説明に戻り、ステップS706の処理を実行した後は、ステップS707に進む。ステップS707では、磁石を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、外部端子板81に対する出力設定は、タイマ割込み処理(図9)の外部情報設定処理(ステップS220)にて実行される。これは以下の外部出力に係る処理についても同様である。
ステップS702の実行後、ステップS704にて否定判定をした場合又はステップS707の実行後は、ステップS708に進む。ステップS708では、主側RWM94の大入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aへの入賞が発生しているか否かを判定する。大入賞口32aへの入賞が発生している場合にはステップS709にて、主側RWM94に設けられた特図特電カウンタが「4」であるか否かを判定する。特図特電カウンタの内容については後に詳細に説明するが、当該カウンタが「4」である場合とは大入賞口32aが開放中であることを意味する。
特図特電カウンタが「4」ではない場合、すなわち大入賞口32aが閉鎖中である場合には、大入賞口32aが閉鎖中であるにも関わらず大入賞口検知センサ32eにて遊技球が検知されたことを意味する。この場合には、ステップS710に進み、主側RWM94の不正入賞フラグに「1」をセットすることで不正入賞状態に設定する。続くステップS711では、不正入賞コマンドを出力対象に設定する。不正入賞コマンドは、大入賞口検知センサ32eに入賞を誤検知させる不正行為が発生したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS901にて報知系コマンドとして不正入賞コマンドを受信したか否かを判定し、不正入賞コマンドを受信している場合にはステップS902にて、その不正入賞コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、不正入賞に対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って不正入賞用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び後述する第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS903では、不正入賞コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、不正入賞の特定に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って不正入賞対応用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
不正検知処理(図18)の説明に戻り、ステップS711の処理を実行した後は、ステップS712に進む。ステップS712では、不正入賞させる不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、ステップS709では、正規に開放されている大入賞口32aの閉鎖間際に遊技球の入賞が発生した場合を考慮して閉鎖タイミングから遊技球の検知に要する時間分が経過するまで否定判定をしない構成としてもよい。
ステップS708にて否定判定をした場合、ステップS709にて肯定判定をした場合又はステップS712の実行後は、ステップS713にて電波検知用処理を実行した後に、本不正検知処理を終了する。
ここで、図19のフローチャートを参照しながら電波検知用処理を説明する。
電波検知用処理では、先ずステップS801にて、電波検知の第1段階状態であるか否かを判定する。本実施の形態では、電波検知センサ24bにて電波の発生が検知されるが、電波の発生を検知しただけでは遊技停止とすることなく報知のみを行い、電波の発生を検知してさらに作動口33,34への入賞が発生した場合に遊技停止とする。この場合に、報知のみを行う状態が電波検知の第1段階状態であり、遊技停止を行う状態が電波検知の第2段階状態である。ちなみに、主側RWM94の第1電波検知フラグに「1」がセットされている状態が電波検知の第1段階状態であり、主側RWM94の第2電波検知フラグに「1」がセットされている状態が電波検知の第2段階状態である。
ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS802にて電波検知センサ24bがONとなっているか否かを判定する。具体的には、電波検知センサ24bは、電波を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの電波検知信号を出力するとともに、電波を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの電波検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる電波検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS802では、入力ポート92aを監視することで、電波検知センサ24bが電波を検知中であるか否かを判定する。
ステップS802にて肯定判定をした場合には、ステップS803にて、主側RWM94の第1電波検知フラグに「1」をセットすることで、電波検知の第1段階状態に設定する。なお、電波検知センサ24bがONとなっている状態を複数回確認した場合に、電波検知の第1段階状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS804では、第1段階コマンドを出力対象に設定する。第1段階コマンドは、電波検知の第1段階状態であることを主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS904にて第1段階コマンドを受信したか否かを判定し、第1段階コマンドを受信している場合にはステップS905にて、報知継続期間をセットする。この場合、報知継続期間として30secが設定されており、音声発光制御装置72に設けられたタイマカウンタなどを利用して当該報知継続期間の経過が計測される。そして、音声発光制御装置72では、第1段階コマンドを受信したことに対応した報知を、当該報知継続期間が経過するまで継続する。ちなみに、報知継続期間は、ステップS805にてセットされる報知周期よりも長い時間であれば任意であるが、第1段階用の報知を遊技ホールの管理者が十分に確認できる程度の時間は継続するように設定されていることが好ましい。
続くステップS906では、第1段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知の第1段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第1段階用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御や後述する発射許可用の制御よりも優先される。但し、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御との関係では、第1段階用の報知は優先されない。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS907では、第1段階コマンドの受信に対応した第1段階用のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、電波検知の第1段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第1段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
電波検知用処理(図19)の説明に戻り、ステップS804の処理を実行した後は、ステップS805に進む。ステップS805では、主側RWM94に設けられた電波報知用タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC3)に報知周期の時間(具体的には2000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、電波検知の第1段階状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に第1段階コマンドの送信が行われるようにしており、電波報知用タイマカウンタはその第1段階コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU92にて特定するために利用される。なお、報知周期の時間は任意であり、1000msecであってもよい。
その後、ステップS806にて、電波検知の第1段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために電波検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS807に進む。
ステップS807では、主側RWM94に設けられた監視用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC5)に監視時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。上記のとおり電波検知センサ24bにて電波を検知した場合には、先ず電波検知の第1段階状態に設定され、さらに作動口33,34への入賞が発生した場合に電波検知の第2段階状態に設定されることとなるが、かかる第2段階状態への設定は、電波の検知中又は電波の検知が終了してから所定期間が経過するまでに作動口33,34への入賞が発生したことを条件に行われる。ステップS807にてセットされる監視時間は、当該所定期間に相当する。
ステップS801にて電波検知の第1段階状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS808にて、電波検知センサ24bがONとなっている状態が継続しているか否かを判定する。継続している場合には、ステップS809にて、電波報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS807に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS804に進む。これにより、電波検知の第1段階状態が継続している場合に、第1段階コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS808にて否定判定をした場合には、ステップS810にて、主側RWM94の第1電波検知フラグを「0」クリアすることで、電波検知の第1段階状態を解除する。また、ステップS811にて、電波検知用の外部出力解除処理を実行して、電波検知の第1段階状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。
ステップS802にて否定判定をした場合、ステップS807の処理を実行した場合、又はステップS811の処理を実行した場合には、ステップS812に進む。ステップS812では、主側RWM94の作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。また、ステップS813では、監視用タイマカウンタの数値情報が「0」より大きい数値情報であるか否かを判定する。
ステップS812又はステップS813にて否定判定をした場合には、そのまま電波検知用処理を終了する。ステップS812及びステップS813の両方にて肯定判定をした場合、すなわち、電波の検知中又は電波の検知が終了してから監視時間が経過するまでに作動口33,34への入賞が発生した場合には、ステップS814〜ステップS816の処理に進む。
ステップS814では、主側RWM94の第2電波検知フラグに「1」をセットすることで、電波検知の第2段階状態に設定する。続くステップS815では、第2段階コマンドを出力対象に設定する。第2段階コマンドは、電波検知の第2段階状態であることを主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS908にて第2段階コマンドを受信したか否かを判定し、第2段階コマンドを受信している場合にはステップS909にて、第2段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知の第2段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
ちなみに、この場合の報知は、電波検知の第1段階状態における報知よりも明確又は派手な態様で行われる。また、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS910では、第2段階コマンドの受信に対応した第2段階用のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、電波検知の第2段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
電波検知用処理(図19)の説明に戻り、ステップS815の処理を実行した後は、ステップS816に進む。ステップS816では、電波検知の第2段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。その後、本電波検知用処理を終了する。
<遊技停止判定処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS205にて実行される遊技停止判定処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技停止判定処理では、ステップS1001にて磁石検知済み状態であるか否かを判定し、ステップS1002にて不正入賞状態であるか否かを判定し、さらにステップS1003にて電波検知の第2段階状態であるか否かを判定する。そして、ステップS1001〜ステップS1003の全てにおいて否定判定をした場合には、そのまま本遊技停止判定処理を終了する。
一方、ステップS1001〜ステップS1003のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では、主側MPU92の出力ポートにおける出力状態を全て「0」にセットする処理を実行する。これにより、例えば可変入賞装置32の大入賞口32aが開放状態である状況であっても、可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が停止されることで大入賞口32aが閉鎖状態に切り換えられる。また、下作動口34の電動役物34aが開放状態である状況であっても、電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力が停止されることで電動役物34aが閉鎖状態に切り換えられる。また、主側MPU92から電源及び発射制御装置79に向けてHIレベルの発射許可信号が出力されている状況であっても、それがLOWレベルの発射許可信号に切り換えられ、遊技球の発射が禁止される。
続くステップS1005では、主側RWM94に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットすることで、遊技停止状態とする。続くステップS1006では、その他の解除処理を実行する。例えば、払出側MPU102に対して遊技停止コマンドを出力することで、払出装置77による遊技球の払出を停止させる。また、メイン表示部43や役物用表示部44における絵柄の変動表示を停止させる。その後、本遊技停止判定処理を終了する。
上記のように遊技停止判定処理にて遊技停止状態に設定することにより、その後のタイマ割込み処理(図9)におけるステップS206にて肯定判定をすることとなる。そして、ステップS206にて肯定判定をした場合には、ステップS207〜ステップS221の処理をスキップする。これらステップS207〜ステップS221の処理は、実質的に遊技を進行させるための処理であり、かかる処理をスキップすることで、遊技の進行を停止させることができる。
但し、遊技停止状態であっても、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS201の停電情報記憶処理はスキップされない。これにより、遊技停止状態中に停電が発生したとしても、正常に停電時処理を実行することが可能となる。遊技停止状態中には停電時処理が正常に実行されない構成を想定すると、遊技停止状態となった際にパチンコ機10の電源が遮断された場合、停電フラグのセットやチェックサムの算出が正常に行われないことを通じてメイン処理の起動に際して主側RWM94の初期化が実行されてしまう。そうすると、パチンコ機10の単純な電源遮断を通じて遊技停止状態を解除できてしまう。このような場合、例えば不正行為により遊技球の払出を不正に発生させた後にパチンコ機10の電源を遮断させる行為が行われると、かかる不正行為を発見しづらくなるとともにその後にパチンコ機10が正常に動作することに起因してかかる不正行為を繰り返すことが可能となってしまう。これに対して、遊技停止状態中であっても停電時処理が正常に実行されるため、仮に上記不正行為を行った後にパチンコ機10の電源が遮断されたとしても、復電後には遊技停止状態に復帰することとなり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
上記のとおり遊技停止状態は、パチンコ機10の電源を遮断したとしても解除されないが、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチを手動操作し且つ電源を遮断することで、メイン処理(図8)におけるステップS108の処理を通じて遊技停止フラグが「0」クリアされて解除される。また、この際に不正の検知に関して外部出力を行う状態も解除される。この場合に、電源及び発射制御装置79はパチンコ機10の最背面に設けられているため、不正行為者にとってはRWM消去スイッチを手動操作しづらくなっている。ちなみに、かかる操作性をより困難なものとするために、裏パック73や他の部材により背面側から覆われる位置にRWM消去スイッチが設けられている構成としてもよい。
ちなみに、遊技停止状態であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSを更新する処理はスキップされることなく継続される。これにより、遊技停止状態中であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの更新を継続することができる。なお、当該構成は、RWM消去スイッチを操作し且つパチンコ機10の電源を遮断したとしても、各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの初期化が実行されない構成や、遊技停止状態の解除に際して主側RWM94の初期化を必須としない構成に適用するとより効果的である。
以上のとおり、遊技停止の対象となる不正行為が複数種類設定されている構成において、タイマ割込み処理(図9)において各不正行為の発生を特定する処理ではかかる不正行為の発生の有無を特定することに留め、具体的な遊技停止用の処理は、タイマ割込み処理において実質的に遊技を進行させるための処理を実行する前のタイミングで実行する。これにより、各不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行する場合に比べて、かかる遊技停止用の処理を一の処理に集約させることができ、処理の簡素化が図られる。
また、不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行しない構成であっても、不正行為の発生を特定した場合には即座にそれに対する報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者は不正行為の発見を早期に行うことが可能となる。また、異常用の外部出力も不正行為の発生を特定した場合に即座に行われるため、例えばその外部出力が行われた時間を遊技ホールの管理コンピュータにて管理データとして記憶する構成とすれば、不正行為の発生を特定した瞬間の時間を遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ここで、上記遊技停止の対象となる不正行為として電波を発生させる行為が含まれているが、電波は不正行為が行われていない状況であっても発生し得る。そこで、電波検知用処理では図19のフローチャートに示すような処理を実行することで、正規に遊技を行っている遊技者が不利益を受けづらくなるようにする対策が施されている。かかる対策について、図22のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図22(a)は電波検知センサ24bにおける電波検知の状況を示し、図22(b)は監視時間のセット状況を示し、図22(c)は主側MPU92からのコマンドの出力状況を示し、図22(d)は作動口33,34への遊技球の入賞状況を示し、図22(e)は遊技停止状態の設定状況を示す。
先ずt1のタイミングで電波検知センサ24bにおける電波の検知が開始される。このタイミングでは、第1段階コマンドが出力されて電波の検知が開始されたことに対応した報知が開始されるが、遊技停止状態の設定は行われない。また、t1のタイミングでは監視時間がセットされて、監視時間の計測が開始される。ちなみに、この監視時間のセットは、電波検知が継続している間は繰り返し実行される。
その後、電波検知センサ24bにて電波を検知している状態が継続している状況で、t2のタイミングにて、t1のタイミングから報知周期が経過することで、再度、第1段階コマンドが出力される。但し、このタイミングでは電波検知の第1段階用の報知は継続しているため、かかる報知の報知継続時間が再セットされるだけで当該報知はそのまま継続される。
その後、t3のタイミングで電波検知センサ24bにて電波を検知していない状態となる。但し、この状況であっても、監視時間の計測は継続している。特に、上記のとおり監視時間のセットは、電波検知が継続している間は繰り返し実行されるため、電波検知センサ24bにて電波を検知している状態から検知していない状態に切り換わったタイミングから監視時間分は監視状態が維持される。つまり、監視状態が実質的に継続する時間というのは、電波検知センサ24bにて電波を検知している時間と監視時間との和の時間となる。その後、t4のタイミングで監視時間の計測が終了する。
上記状況では、監視時間の計測が行われている期間、すなわち監視状態となっている期間において上作動口33又は下作動口34への入賞が発生していないため、第1段階用の報知は実行されているが遊技停止状態への設定は行われない。このような状況というのは、遊技者は正規に遊技を行っているにも関わらず、パチンコ機10又は遊技ホール内におけるノイズ等を原因に、電波検知センサ24bにて電波を検知した場合に起こり得る。この場合には、遊技停止状態とならないため、遊技ホールの管理者などには注意を促しながら、正規に遊技を行っている遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
一方、電波を利用した不正行為が行われる場合について説明すると、先ずt5のタイミングで、電波検知センサ24bにおける電波の検知が開始される。このタイミングでは既に説明したとおり第1段階コマンドの出力及び監視時間の計測の開始は行われるが、遊技停止状態の設定は行われない。
その後、監視時間の計測が行われている期間中、すなわち監視状態中であるt6のタイミングで上作動口33又は下作動口34への入賞が発生する。この場合、先ずt6のタイミングで第2段階コマンドが出力されて、電波検知の第2段階用の報知が開始される。また、t6のタイミングにおけるタイマ割込み処理の処理回に対して、次の処理回が開始されたt7のタイミングにて遊技停止状態への設定が行われ、遊技の進行が不可となる。なお、この際に監視時間の計測が終了される。
以上のように電波検知センサ24bにて電波を検知したとしても、即座に遊技停止状態への設定を行わずに、かかる検知に付随して開始される監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことを契機として遊技停止状態への設定を行うことで、既に説明したように正規の遊技者に不利益を与えないようにしながら、不正な電波を出力して上作動口33又は下作動口34への入賞を誤検知させる行為が行われた場合にはそれ以降の遊技の進行を停止させることが可能となる。
特に、電波を利用した不正行為は、上作動口33又は下作動口34への入賞の誤検知を発生させることを目的として行われるものであり、当該不正行為により電波を検知する場合には上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したと判定され易い。その一方、正規に遊技が行われている状況では電波の検知と上作動口33又は下作動口34への入賞とが同時期に発生する可能性が低い。このような事情において、電波を検知してさらに上作動口33又は下作動口34への入賞の発生を条件に遊技停止状態への設定を行うことで、不正行為者が不正を行うべく電波を発生させた場合には遊技停止状態への設定を通じてそれに対処できるとともに、正規に遊技が行われている状況で電波が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われてしまう可能性が低減される。
また、電波検知センサ24bにて電波を検知したことを契機として設定される監視状態は、電波検知センサ24bにて電波を検知している期間だけでなく、その期間の経過後において監視時間が経過するまで継続される。これにより、不正な電波の出力を停止してから主側MPU92にて上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したと判定されるまでに所定のタイムラグが発生していたとしても、かかる不正行為に対処することが可能となる。
また、上記のように電波を検知しただけでは遊技停止状態への設定を行わない構成において、電波を検知した場合にそれに対する報知が行われる。これにより、電波が検知された場合には先ず報知を行うことで、それに対処すべきことを遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、報知の実行という軽度な処置を先ず実行し、遊技の進行の停止という重度な処置をその後に実行することにより、電波の発生に対する処置を段階的に行うことができ、不正行為による電波の発生に対して適切に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
なお、電波の検知を通じた遊技停止状態への設定が正規に遊技を行っている遊技者のパチンコ機10にて行われづらくするために、例えば監視状態中の上作動口33又は下作動口34への入賞が、複数回として設定された基準回数に亘って連続して発生した場合、又は監視状態中の上作動口33又は下作動口34への入賞が少なくとも監視期間よりも長い期間として設定された所定期間中に複数回として設定された基準回数発生した場合に、遊技停止状態への設定を行う構成としてもよい。
また、電波を継続して又は断続して検知している期間が所定の基準期間を超えた場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
<発射制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS212にて実行される発射制御処理について説明する。
発射制御処理では、電源及び発射制御装置79における条件成立の送信回路116からHIレベルの条件成立信号を受信していることを条件として、当該電源及び発射制御装置79に対して遊技球の発射を許可するための処理である。
さて、発射制御処理では、先ずステップS1101にて、条件成立の受信済み状態であるか否かを判定する。条件成立の受信済み状態とは、HIレベルの条件成立信号を既に受信していることを主側MPU92にて特定済みである状態をいい、主側RWM94における条件成立の受信済みフラグに「1」がセットされている状態である。条件成立の受信済み状態ではない場合には、ステップS1102にて、条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる条件成立信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS1102では、入力ポート92aを監視することで、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、そのまま本発射制御処理を終了する。一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて、主側RWM94における条件成立の受信済みフラグに「1」をセットすることで、条件成立の受信済み状態に設定する。
続くステップS1104では、遅延時間の抽選処理を実行する。遅延時間の抽選処理では、主側MPU92にてHIレベルの条件成立信号の受信を開始した場合において、それに対してHIレベルの発射許可信号の送信を開始するタイミングを抽選により決定するための処理である。
具体的には、主側RWM94にはタイマ割込み処理が起動される度に1加算されるように更新される遅延抽選用のカウンタが設けられており、ステップS1104では先ずそのカウンタの現状の数値情報を読み出す。そして、その読み出した数値情報を、主側ROM93に設けられている遅延抽選用のテーブルと照合し、当該数値情報に対応した遅延時間の数値情報を読み出す。
ちなみに、本実施の形態では遅延時間として、0sec、遊技球の発射が継続して実行されている場合の発射周期である0.6sec、当該発射周期の2倍の時間、及び当該発射周期の3倍の時間といったように、複数種類の遅延時間が設定されている。但し、これに限定されることはなく、遅延時間が0secよりも長い時間である1種類のみが設定されており、ステップS1104では遅延時間の設定を行うか否かの抽選を実行する構成としてもよい。
また、遅延時間が上記時間よりも長い時間に設定されている構成としてもよい。但し、大入賞口32aが高頻度時間で開放される場合において、その開放が開始されたことを知った遊技者がそのタイミングで発射ハンドル55の操作を開始したにも関わらず、大入賞口32aへの入賞が発生することなく当該大入賞口32aが閉鎖されてしまうことを防止するために、遅延時間は高頻度時間よりも短い時間に設定されていることが好ましい。また、より好ましくは、高頻度時間による大入賞口32aの開放が開始されたタイミングで発射ハンドル55の操作が開始された場合であっても高頻度個数の入賞が発生し得るように遅延時間が設定されているとよい。また、開閉実行モード中又は大入賞口32aの開放中は遅延時間の設定が行われない構成としてもよい。
続くステップS1105では、ステップS1104における抽選処理の結果に対応した数値情報を主側RWM94に設けられた発射開始タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC4)にセットする。その後、本発射制御処理を終了する。
ステップS1101にて、条件成立の受信済み状態であると判定した場合には、ステップS1106にて、条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルである場合には、ステップS1107にて、発射許可済み状態であるか否かを判定する。発射許可済み状態とは、HIレベルの発射許可信号を既に出力している状態であることをいい、主側RWM94における発射許可済みフラグに「1」がセットされている状態である。発射許可済み状態である場合には、ステップS1107にて肯定判定をし、そのまま本発射制御処理を終了する。
発射許可済み状態ではない場合には、ステップS1107にて否定判定をし、ステップS1108に進む。ステップS1108では、主側RWM94における発射開始タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、そのまま本発射制御処理を終了する。「0」ではない場合には、ステップS1109〜ステップS1111の処理を実行する。
ステップS1109では、主側RWM94の発射許可済みフラグに「1」をセットすることで、発射許可済み状態に設定する。続くステップS1110では、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。これにより、電源及び発射制御装置79に対して遊技球の発射を許可した状態となる。その後、ステップS1111にて、発射許可コマンドを出力対象に設定した後に、本発射制御処理を終了する。
発射許可コマンドは、主側MPU92にて遊技球の発射を新たに許可したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS911にて発射許可コマンドを受信したか否かを判定し、発射許可コマンドを受信している場合にはステップS912にて、発射許可用の音声発光パターンを設定する。具体的には、発射許可に対応した報知が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って発射許可に対応した報知を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御よりも優先される。但し、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第1段階用の報知の制御、第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御との関係では、発射許可に対応した報知は優先されない。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS913では、発射許可コマンドの受信に対応した発射許可用のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、発射許可に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って発射許可対応の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
発射制御処理(図23)の説明に戻り、ステップS1106にて否定判定をした場合には、ステップS1112にて、主側RWM94における条件成立の受信済みフラグを「0」クリアすることで、条件成立の受信済み状態を解除するとともに、ステップS1113にて、主側RWM94における発射許可済みフラグを「0」クリアすることで、発射許可済み状態を解除する。続くステップS1114では、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。その後、本発射制御処理を終了する。
以上のとおり主側MPU92にて発射制御処理が実行されることにより、遊技球発射機構51の発射ソレノイド54が駆動中であるか否かを主側MPU92にて把握することが可能となる。かかる把握を通じて、本実施の形態では、遊技球の発射を許可したタイミングで当該発射を許可した旨の報知をサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に行わせることができる。このような報知が実行されることで、例えば遊技者が入賞の発生し易いタイミングを計って遊技球の発射タイミングを調整している場合にその旨をパチンコ機10自身にて報知を行うことが可能となり、そのような行為を抑制したい遊技ホールなどにおいてはその報知を通じて当該行為を中止させることが可能となる。
ちなみに、上記のような報知の構成は、入球口を開閉する開閉扉を有するとともに入球口を通じて遊技領域に開放される内部空間に有利口を有し、当該有利口への遊技球の入賞を契機として大当たり状態などの特典が遊技者に付与される構成に適用するとより効果的である。例えば、所定の開閉条件が成立した場合に上記開閉扉が所定のタイミングで又は所定の周期で複数回、開状態となる構成の場合、その開状態となるタイミングを狙って遊技球の発射を行う行為が想定される。この場合、そのような狙い打ちをされると、遊技ホールが予定外の不利益を受けることがあり得る。このような事情においては、上記のような発射許可に対応した報知が行われるようにすることで当該不利益の発生を抑制できる。
また、HIレベルの条件成立信号の受信を開始した場合には、ステップS1104にて遅延時間の抽選を行い、その抽選結果に対応した遅延時間が経過した後に発射許可信号をHIレベルに切り換える構成である。この点からも、上記のような狙い打ちを抑制することができる。つまり、狙い打ちを行うべく遊技者が所定のタイミングで発射ハンドル55を操作したとしても、それに対して実際に遊技球が発射されるタイミングは不規則に変動することとなるため、実質的に狙い打ちが抑制される。
<入力状態監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS213にて実行される入力状態監視処理について説明する。
入力状態監視処理では、入賞用IC95から受信している信号に基づいて、各入賞用検知センサ31a〜35b自身又は電気経路の途中位置にて断線や短絡が生じているか否かを主側MPU92にて把握するための処理を実行する。
ここで、図24を参照しながら入賞用IC95の機能について説明する。図24(a)は入賞用検知センサ31a〜35bのうち、大入賞口検知センサ32eと入賞用IC95との電気的な接続に関する構成を説明するためのブロック図であり、図24(b)は入賞用IC95への信号入力の様子を説明するための説明図である。なお、入賞用検知センサ31a〜35bのうち、大入賞口検知センサ32e以外のものについても図24(a),(b)の場合と同様である。
図24(a)に示すように、大入賞口検知センサ32eは入力用の電気経路EL1を通じて12Vの電圧が印加される。なお、当該電気経路EL1は、主制御基板91を介して電入時用電源部113に接続されている。また、大入賞口検知センサ32eは出力用の電気経路EL2を通じて入賞用IC95と接続されており、大入賞口検知センサ32eにおける検知結果に応じた電圧を入賞用IC95に対して印加する。この場合に、出力用の電気経路EL2に対しては複数の抵抗R1,R2が接続されており、これら抵抗R1,R2により入賞用IC95に印加される電圧を所定値以下とするとともに供給される電流を所定値以下とする機能が果たされる。
入賞用IC95には、大入賞口検知センサ32eの検知部における遊技球の通過の有無に応じて図24(b)に示すような電気信号が入力される。なお、図24(b)では理解を容易なものとするために単純な波形への整形後の信号を示す。この場合、大入賞口検知センサ32eの検知部を遊技球が通っていない状況ではLOWレベルの電気信号が入賞用IC95に入力され、検知部を遊技球が通っている状況ではHIレベルの電気信号が入賞用IC95に入力される。入賞用IC95では、このようなLOWレベル又はHIレベルの信号を入力している場合には、それに対応した信号を入賞信号として主側MPU92に出力する。
一方、大入賞口検知センサ32eについて、上記各電気経路EL1,EL2又はセンサ内部にて断線が生じた場合には、大入賞口検知センサ32eから入賞用IC95に入力される電圧がLOWレベルの場合よりも低い電圧であるVmin(すなわち0V)となる。また、上記各電気経路EL1,EL2間又はセンサ内部にて短絡が生じた場合には、大入賞口検知センサ32eから入賞用IC95に入力される電圧がHIレベルの場合よりも高い電圧であるVmaxとなる。
入賞用IC95は、大入賞口検知センサ32eに関して、入賞信号とは別に、断線信号及び短絡信号を主側MPU92に出力しており、大入賞口検知センサ32eから印加されている電圧がVminとなった場合には断線信号をLOWレベルからHIレベルに切り換え、さらにまた大入賞口検知センサ32eから印加されている電圧がVmaxとなった場合には短絡信号をLOWレベルからHIレベルに切り換える。主側MPU92では、このHIレベルへの切り換わりを確認することで、大入賞口検知センサ32eにて断線又は短絡が発生したことを認識し、それに対応した処理を実行する。
さて、入力状態監視処理では、図25のフローチャートに示すように、先ずステップS1201にて、断線発生状態であるか否かを判定する。断線発生状態とは、HIレベルの断線信号を既に受信していることを主側MPU92にて特定済みである状態をいい、主側RWM94における断線発生フラグに「1」がセットされている状態である。断線発生状態ではない場合には、ステップS1202にて、いずれかの断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる断線信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS1202では、入力ポート92aを監視することで、断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS1202にて否定判定をした場合には、そのままステップS1211に進む。ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203にて、主側RWM94の断線発生フラグに「1」をセットすることで断線発生状態に設定する。なお、断線信号がHIレベルであることを複数回確認した場合に、断線発生状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS1204では、断線発生コマンドを出力対象に設定する。断線発生コマンドは、入賞用検知センサ31a〜35bにおける断線の発生を主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。この場合、主側MPU92では、断線信号がHIレベルとなった対象の入賞用検知センサ31a〜35bがいずれであるかを特定可能となっており、断線発生コマンドにはその対象となったセンサの種類の情報が含まれる。ちなみに、複数の入賞用検知センサ31a〜35bにおいて断線が発生している場合には、それら複数のもの全てについての種類の情報が含まれることとなる。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS901にて報知系コマンドとして断線発生コマンドを受信したか否かを判定し、断線発生コマンドを受信している場合にはステップS902にて、その断線発生コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、断線発生に対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線発生用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。かかるデータテーブルは、30sec分に対応しているが、その時間は任意である。また、かかる断線発生用の報知は、断線発生の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類に関係なく同一の態様で行われるが、その種類に応じた態様で行われる構成としてもよい。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS903では、断線発生コマンドの受信に対応した断線系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから断線が発生した事実及びその断線の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類を把握し、その種類に対応した断線発生の報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線発生用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
入力状態監視処理(図25)の説明に戻り、ステップS1204の処理を実行した後は、ステップS1205に進む。ステップS1205では、主側RWM94に設けられた断線報知用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC6)に報知周期の時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、断線発生状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に断線発生コマンドの送信が行われるようにしており、断線報知用タイマカウンタはその断線発生コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU92にて特定するために利用される。その後、ステップS1206にて、断線発生状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために断線検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS1211に進む。
一方、ステップS1201にて断線発生状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS1207にて、いずれかの断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。HIレベルである場合には、ステップS1208にて、断線報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS1211に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS1204に進む。これにより、断線発生状態が継続している場合に、断線発生コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS1207にて否定判定をした場合には、ステップS1209にて、主側RWM94の断線発生フラグを「0」クリアすることで、断線発生状態を解除する。また、ステップS1210にて、断線検知用の外部出力解除処理を実行して、断線発生状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。その後、ステップS1211に進む。
ステップS1211では、短絡発生状態であるか否かを判定する。短絡発生状態とは、HIレベルの短絡信号を既に受信していることを主側MPU92にて特定済みである状態をいい、主側RWM94における短絡発生フラグに「1」がセットされている状態である。短絡発生状態ではない場合には、ステップS1212にて、いずれかの短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる短絡信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS1212では、入力ポート92aを監視することで、短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS1212にて否定判定をした場合には、そのままステップS1221に進む。ステップS1212にて肯定判定をした場合には、ステップS1213にて、主側RWM94の短絡発生フラグに「1」をセットすることで短絡発生状態に設定する。なお、短絡信号がHIレベルであることを複数回確認した場合に、短絡発生状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS1214では、短絡発生コマンドを出力対象に設定する。短絡発生コマンドは、入賞用検知センサ31a〜35bにおける短絡の発生を主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。この場合、主側MPU92では、短絡信号がHIレベルとなった対象の入賞用検知センサ31a〜35bがいずれであるかを特定可能となっており、短絡発生コマンドにはその対象となったセンサの種類の情報が含まれる。ちなみに、複数の入賞用検知センサ31a〜35bにおいて短絡が発生している場合には、それら複数のもの全てについての種類の情報が含まれることとなる。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS901にて報知系コマンドとして短絡発生コマンドを受信したか否かを判定し、短絡発生コマンドを受信している場合にはステップS902にて、その短絡発生コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、短絡発生に対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って短絡発生用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。かかるデータテーブルは、30sec分に対応しているが、その時間は任意である。また、かかる短絡発生用の報知は、短絡発生の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類に関係なく同一の態様で行われるが、その種類に応じた態様で行われる構成としてもよい。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS903では、短絡発生コマンドの受信に対応した短絡系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから短絡が発生した事実及びその短絡の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類を把握し、その種類に対応した短絡発生の報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って短絡発生用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
入力状態監視処理(図25)の説明に戻り、ステップS1214の処理を実行した後は、ステップS1215に進む。ステップS1215では、主側RWM94に設けられた短絡報知用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC7)に報知周期の時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、短絡発生状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に短絡発生コマンドの送信が行われるようにしており、短絡報知用タイマカウンタはその短絡発生コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU92にて特定するために利用される。その後、ステップS1216にて、短絡発生状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために短絡検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS1221に進む。
一方、ステップS1211にて短絡発生状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS1217にて、いずれかの短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。HIレベルである場合には、ステップS1218にて、短絡報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS1221に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS1214に進む。これにより、短絡発生状態が継続している場合に、短絡発生コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS1217にて否定判定をした場合には、ステップS1219にて、主側RWM94の短絡発生フラグを「0」クリアすることで、短絡発生状態を解除する。また、ステップS1220にて、短絡検知用の外部出力解除処理を実行して、短絡発生状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。その後、ステップS1221に進む。
ステップS1221では、その他の処理を実行する。その他の処理では、内枠13や前扉枠14が開放中であるか否かを把握し、開放中である場合にはその旨の報知が表示ランプ部58a、スピーカ部59及び図柄表示装置41の少なくともいずれかにて実行されるようにサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に対してコマンドを送信する。ステップS1221の処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
以上のように入力状態監視処理が実行されることで、入賞用検知センサ31a〜35bにて断線又は短絡が発生している場合にそれに対する報知が実行される。これにより、断線や短絡が発生している状態が放置されてしまうことが防止される。
なお、ステップS1201〜ステップS1220の処理が、各入賞用検知センサ31a〜35bに対して個別に実行される構成としてもよい。また、入賞用IC95が不具備であり、上記ステップS1201〜ステップS1220の処理が実行されない構成としてもよい。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
さて、特図特電制御処理では、図26のフローチャートに示すように、先ずステップS1301にて、保留情報の取得処理を実行する。ここで、保留情報の取得処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明すると、先ずステップS1401にて主側RWM94の作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。ここで、既に説明したとおり、作動入賞フラグは複数設けられているため、ステップS1401では、それら複数の作動入賞フラグのうちいずれかの作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
いずれの作動入賞フラグにも「1」がセットされていない場合には、そのまま本取得処理を終了する。いずれかの作動入賞フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1402にて、作動入賞フラグを「0」クリアする処理を実行する。この場合、一の作動入賞フラグにのみ「1」がセットされている場合には当該作動入賞フラグを「0」クリアし、複数の作動入賞フラグに「1」がセットされている場合にはそのうちの一の作動入賞フラグを「0」クリアする。
続くステップS1403では、保留格納エリア94bにおける保留数記憶エリアNAに格納された保留数Nを読み出し、当該保留数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS1406に進む。保留数Nが上限値未満である場合には、ステップS1404に進み、保留数Nを1加算する。
続くステップS1405では、前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS1404にて1加算した保留数Nと対応する保留エリアに格納する。その後、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、他の作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。「1」がセットされている作動入賞フラグが存在している場合にはステップS1402〜ステップS1405の処理を繰り返す。「1」がセットされている作動入賞フラグが存在していない場合には、本取得処理を終了する。
特図特電制御処理(図26)の説明に戻り、ステップS1301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS1302に進む。ステップS1302では、主側RWM94に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS1303では、主側ROM93から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS1304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS1302〜ステップS1304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU92にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて図28の説明図を用いて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU92にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、大入賞口32aが開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS1304の処理を実行した後は、ステップS1305にて、ゼロフラグの設定処理を実行する。ゼロフラグの設定処理では、特図特電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC1)の数値情報を読み出し、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU92にて特定するために利用されるカウンタである。
続くステップS1306では、ステップS1304に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS1307の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS1308の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS1309の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS1310の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS1311の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS1312の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS1313の特電終了処理にジャンプする。ステップS1307〜ステップS1313の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS1307〜ステップS1313の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS1307の特図変動開始処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS1502にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置72に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS1503では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM93に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM93に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS1504では、ステップS1503における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS1505にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、主側ROM93に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、低入賞高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS1506では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM93に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RWM94に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
続くステップS1507では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RWM94には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS1507では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS1505の振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS1504にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS1508にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM93に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RWM94に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS1507及びステップS1508のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1509にて、表示継続時間(表示継続期間)の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM93に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM93に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
続くステップS1510では、ステップS1509にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図17)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、メイン表示部43における絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップS1509にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と換言することもできる。
続くステップS1511では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、低確大当たり結果の情報、低入賞高確大当たり結果の情報、及び最有利大当たり結果の情報が含まれる。ステップS1511にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72に送信される。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS914にて演出系のコマンドとして変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定し、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合にはステップS915にて、それら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の遊技回に対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の表示継続時間に対応している。
続くステップS916では、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置41にて行わせる。
特図変動開始処理(図29)の説明に戻り、ステップS1511の処理を実行した後は、ステップS1512にてメイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS1513では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS1513の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、ステップS1308の特図変動中処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したことを意味する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、メイン表示部43の更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングではない場合にはそのまま本特図変動中処理を終了する。更新タイミングである場合にはステップS1603にて、更新内容の読み出し処理を実行する。かかる更新内容は、主側ROM93に更新用データテーブルとして記憶されており、ステップS1603では更新タイミングに対応した更新内容をそのデータテーブルから読み出す。
続くステップS1604では、ステップS1603にて読み出した更新内容をメイン表示部43の更新用にセットする。ちなみに、メイン表示部43の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS216の表示制御処理にて実行される。その後、本特図変動中処理を終了する。
一方、ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1605にて、確定コマンド(最終停止表示コマンド)を出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72に対して今回の遊技回用の演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS914にて演出系のコマンドとして確定コマンドを受信したか否かを判定し、確定コマンドを受信している場合にはステップS915にて、当該確定コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、確定表示に対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って確定表示用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。かかるデータテーブルは、確定時間に対応している。
続くステップS916では、確定コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから確定表示が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の遊技回用の演出における停止結果を確定表示させる。
特図変動中処理(図30)の説明に戻り、ステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606に進む。ステップS1606では、停止結果の読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して特図変動開始処理(図29)のステップS1506又はステップS1508にて主側RWM94に設定した停止表示させる絵柄の態様の情報を読み出す。続くステップS1607では、その読み出した絵柄の態様の情報をメイン表示部43の更新用にセットする。
続くステップS1608では、主側ROM93に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS1609では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップS1609の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
次に、ステップS1309の特図確定中処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701では、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したことを意味する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。
ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702に進む。ステップS1702では、主側RWM94における大当たり結果に対応したフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機となる結果)であったか否かを判定する。
ステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1703にて、オープニングコマンドを出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。ちなみに、オープニングコマンドには開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類の情報も含まれる。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS914にて演出系のコマンドとしてオープニングコマンドを受信したか否かを判定し、オープニングコマンドを受信している場合にはステップS915にて、当該オープニングコマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、開閉実行モードに対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って開閉実行モード用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類に応じて相違している。
続くステップS916では、オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから開閉実行モード用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の開閉実行モード用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類に応じて相違している。
特図確定中処理(図31)の説明に戻り、ステップS1703の処理を実行した後は、ステップS1704に進む。ステップS1704では、主側ROM93に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS1705では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS1705の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
一方、ステップS1702にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機とならない結果)であった場合には、ステップS1706に進む。ステップS1706では、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。その後、本特図確定中処理を終了する。
次に、ステップS1310の特電開始処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「3」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したことを意味する。ステップS1801にて否定判定をした場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802にて、主側RWM94に設けられたラウンドカウンタに「15」をセットするとともに、ステップS1803にて、主側RWM94に設けられた入賞カウンタに「9」をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは、一のラウンド遊技において上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU92にて特定するためのカウンタである。
続くステップS1804では、最初の開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、主側RWM94のフラグを確認することで、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が低入賞高確大当たり結果であるか否かを判定し、低入賞高確大当たり結果ではない場合には主側ROM93から長時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。一方、低入賞高確大当たり結果である場合には主側ROM93から短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。そして、その読み出した開放継続時間の情報を、ステップS1805にて、特図特電タイマカウンタにセットする。
続くステップS1806では、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、主側MPU92における大入賞口32aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図9)におけるステップS207のポート出力処理にて、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべく可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が開始される。
続くステップS1807では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップS1807の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
次に、ステップS1311の特電開放中処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「4」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したことを意味する。
ステップS1901にて肯定判定をした場合には、ステップS1902に進む。ステップS1902では、ラウンドカウンタを1減算する。続くステップS1903では、主側ROM93に予め記憶されている閉鎖時間(例えば1sec)の情報を読み出し、その閉鎖時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、ステップS1904にて、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。当該閉鎖設定処理では、主側MPU92における大入賞口32aに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図9)におけるステップS207のポート出力処理にて、大入賞口32aを閉鎖状態に切り換えるべく可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が停止される。
続くステップS1905では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップS1905の処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。その後、本特電開放中処理を終了する。
一方、ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1906にて、主側RWM94の大入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま本特電開放中処理を終了する。セットされている場合には、ステップS1907にて、大入賞フラグを「0」クリアするとともに、ステップS1908にて、入賞カウンタを1減算する。その後、ステップS1909にて入賞カウンタが「0」であるか否かを判定し、「0」である場合にはステップS1902〜ステップS1905の処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する一方、「0」ではない場合にはそのまま本特電開放中処理を終了する。
次に、ステップS1312の特電閉鎖中処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタが「0」ではない場合には、ステップS2002にて、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「5」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、閉鎖時間が経過したことを意味する。ステップS2002にて否定判定をした場合には、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
ステップS2002にて肯定判定をした場合には、ステップS2003にて入賞カウンタに「9」をセットする。続くステップS2004では、開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、特電開始処理(図32)のステップS1804における処理と同様の処理を実行することで、長時間態様に対応した開放継続時間の情報又は短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。そして、その読み出した開放継続時間の情報を、ステップS2005にて、特図特電タイマカウンタにセットする。
続くステップS2006では、開放設定処理を実行する。当該開放設定処理の処理内容は、特電開始処理(図32)におけるステップS1806の開放設定処理と同様である。続くステップS2007では、特図特電カウンタを1減算する。この場合、特電閉鎖中処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップS2007の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、ステップS2001にて、ラウンドカウンタが「0」であると判定した場合には、ステップS2008に進む。ステップS2008では、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。ちなみに、エンディングコマンドには開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類の情報も含まれる。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS914にて演出系のコマンドとしてエンディングコマンドを受信したか否かを判定し、エンディングコマンドを受信している場合にはステップS915にて、当該エンディングコマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、エンディングに対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってエンディング用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、エンディング時間に対応している。
続くステップS916では、エンディングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドからエンディング用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってエンディング用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、エンディング時間に対応している。
特電閉鎖中処理(図34)の説明に戻り、ステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009に進む。ステップS2009では、主側ROM93に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS2010では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップS2010の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「6」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
次に、ステップS1313の特電終了処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、エンディング時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図26)ではステップS1305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「6」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、エンディング時間が経過したことを意味する。ステップS2101にて否定判定をした場合には、そのまま本特電終了処理を終了する。
ステップS2101にて肯定判定をした場合には、ステップS2102にて遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類を、主側RWM94のフラグを参照することで確認し、その確認した大当たり結果の種類に対応した抽選モード及びサポートモードへの設定を行う。なお、当該処理にて大当たり結果の種類に対応した情報を示すフラグを「0」クリアする。続くステップS2103では、特図特電カウンタを「0」クリアする。その後、本特電終了処理を終了する。
以上のとおり、特図特電カウンタ、特図特電アドレステーブル及び特図特電タイマカウンタを利用して特図特電制御処理を実行するようにしたことで、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU92にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップS1307〜ステップS1313の各処理では、当該処理に対応した状況が終了する場合に、特図特電カウンタの数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する処理が実行される。これにより、一の状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電カウンタの初期値である「0」は、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技状況における最初の状況に対応している。これにより、主側RWM94の初期化後などにおいて特図特電カウンタの数値情報の設定を特別に行わなくても、上記一連の遊技状況における最初の状況となるようにすることができる。
また、特図特電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算及び「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。
また、上記一連の遊技状況のいずれの状況であっても発生し得る保留情報を取得するための処理は、ステップS1307〜ステップS1313の各処理とは別に設定されており、特図特電カウンタを参照して実行される各処理に含まれていない。これにより、特図特電カウンタの数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップS1307〜ステップS1313の各処理のうち、対応する状況の終了条件を判定するために期間の計測が行われる処理では、特図特電タイマカウンタという共通の期間計測手段を利用して期間の計測が行われる。これにより、主側RWM94の記憶容量の削減が図られる。また、当該特図特電タイマカウンタを利用する各処理に対応した状況は同時に発生することがないため、特図特電タイマカウンタを共通して利用したとしても当該タイマカウンタが複数の状況において同時に参照されることはなく、特図特電タイマカウンタを利用する上での処理構成が複雑化することもない。
また、特図特電タイマカウンタを更新する処理は、ステップS1307〜ステップS1313とは別の処理として設定されたタイマ更新処理(図17)にて実行される。これにより、特図特電タイマカウンタを更新する処理がステップS1307〜ステップS1313の各処理に対して個別に設定されている構成に比べ、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かの確認は、特図特電制御処理(図26)におけるステップS1305にて集約して行われ、ステップS1308〜ステップS1313の各処理では、主側MPU92のゼロフラグを確認することで各時間の経過を判断する。これにより、ステップS1308〜ステップS1313の各処理にて、主側RWM94の特図特電タイマカウンタから数値情報を読み出してその数値情報が「0」であるか否かの判定を行う場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
ここで、特電特図カウンタは、特図特電制御処理以外の処理においても、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技におけるいずれの状況であるかを確認するために参照される。かかる他の処理として、既に説明した不正検知処理(図18)が存在しており、不正検知処理では、ステップS709にて、特図特電カウンタが「4」であるか否かを確認することで大入賞口32aが開放中であるか否かの確認を行っている。また、これ以外にも、タイマ割込み処理(図9)のステップS217にて実行されるデモ表示用処理が存在している。
<デモ表示用処理>
以下に、図36のフローチャートを参照しながら、デモ表示用処理について説明する。
先ずステップS2201では、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ここで、従来のように遊技回用の演出が実行されている状況であることをフラグの有無により確認するとともに、開閉実行モード中であることをフラグの有無により確認する構成においては、先ず一方のフラグの情報を主側RWM94から読み出してその情報の確認を行うとともに、次に他方のフラグの情報を主側RWM94から読み出してその情報の確認を行う必要がある。そうすると、主側RWM94へのアドレス指定を少なくとも2回行い、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理を少なくとも2回行う必要が生じる。これに対して、特図特電カウンタを利用することで、主側RWM94へのアドレス指定は1回で済み、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理も1回で済む。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS2201にて、特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には、ステップS2202に進む。ステップS2202では、デモ表示状態であるか否かを判定する。
デモ表示状態とは、図柄表示装置41にてデモ表示(すなわち待機中表示)を既に行っている状態であることをいい、主側MPU92のデモ表示フラグに「1」がセットされている状態である。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、又は前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置41の表示画面Gに開始待ち演出の画像を表示させるとともに、表示ランプ部58aやスピーカ部59にてそれに即した演出を行うことをいう。
ちなみに、図柄表示装置41におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後に又はそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
ステップS2202にてデモ表示状態であると判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には、ステップS2203に進む。ステップS2203では、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する。デモ表示待ち状態とは、デモ待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、主側MPU92のデモ待ちフラグに「1」がセットされている状態である。
デモ表示待ち状態ではない場合には、ステップS2204に進み、主側ROM93に予め記憶されているデモ待ち時間の情報を読み出し、そのデモ待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS2205では、主側MPU92のデモ待ちフラグに「1」をセットすることで、デモ表示待ち状態に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、ステップS2203にて、デモ表示待ち状態であると判定した場合には、ステップS2206にて、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電タイマカウンタが「0」ではない場合には、本デモ表示用処理を終了する。この場合に、デモ待ちフラグを「0」クリアしてデモ表示待ち状態を解除する。
特図特電タイマカウンタが「0」である場合には、ステップS2207にて、主側MPU92のデモ表示フラグに「1」をセットすることで、デモ表示状態に設定する。なお、この際、デモ待ちフラグを「0」クリアしてデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始された場合にデモ表示フラグが「0」クリアされることで解除される。
続くステップS2208では、デモ開始コマンドを出力対象に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
デモ開始コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72に対してデモ表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS914にて演出系のコマンドとしてデモ開始コマンドを受信したか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合にはステップS915にて、当該デモ開始コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、デモ表示に対応した演出が表示ランプ部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。
続くステップS916では、デモ開始コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドからデモ表示用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。
<普図普電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
さて、普図普電制御処理では、図37のフローチャートに示すように、先ずステップS2301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、主側RWM94のスルーフラグに「1」がセットされていることを条件として、電動役物開放カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を電役保留エリア94cに格納する処理を実行する。但し、当該普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。
続くステップS2302では、主側RWM94に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS2303では、主側ROM93から普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS2304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS2302〜ステップS2304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、電動役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU92にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御の場合と同様に、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU92にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2305にて、普図側のゼロフラグの設定処理を実行する。普図側のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC2)の数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU92のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側MPU92にて特定するために利用されるカウンタである。
続くステップS2306では、ステップS2304に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS2307の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS2308の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS2309の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS2310の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS2311の普電閉鎖中処理にジャンプする。
ステップS2307の普図変動開始処理では、普図側の保留情報が保留記憶されていることを条件に、その普図側の保留情報を利用して電動役物34aの開放判定を行うとともに、役物用表示部44における絵柄の変動表示を開始させる処理を実行する。この場合に、役物用表示部44にて絵柄を変動表示させる表示継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、役物用表示部44における絵柄の変動表示を開始させた場合に普図普電カウンタを「0」から「1」に更新する。
ステップS2308の普図変動中処理では、役物用表示部44における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、表示継続時間の経過を確認したことを条件として、確定時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
ステップS2309の普図確定中処理では、今回の開放判定の結果を普図側の確定時間に亘って役物用表示部44に表示させるための処理を実行するとともに、開放判定の結果が当選結果である場合には電動役物34aを開放状態とするための処理及び今回の当選結果を契機として電動役物34aを開放させる場合の開放回数の設定を行うための処理を実行する。この場合に、普図側の確定時間の経過を確認したこと及び開放判定の結果が当選結果であることを条件として、電動役物34aにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「2」から「3」に更新する。一方、普図側の確定時間の経過を確認したものの開放判定の結果が当選結果ではない場合には、電動役物34aを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップS2310の普電開放中処理では、電動役物34aの開放状態を維持するとともに閉鎖タイミングとなった場合に電動役物34aを閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物34aの開放継続時間の経過を確認したことを条件として、電動役物34aにおける閉鎖継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを閉鎖状態とし、さらに普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
ステップS2311の普電閉鎖中処理では、電動役物34aの閉鎖状態を維持するとともに電動役物34aを再度開放状態とする必要がある場合には当該電動役物34aを開放状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物34aの閉鎖継続時間の経過を確認したこと及び再度開放状態とする必要があることを確認したことを条件として、電動役物34aにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。一方、電動役物34aの閉鎖継続時間の経過を確認したものの、電動役物34aを再度開放させる必要がない場合には、電動役物34aを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップS2307〜ステップS2311のいずれかの処理を実行した場合には、本普図普電制御処理を終了する。
以上のとおり、普図普電カウンタ、普図普電アドレステーブル及び普図普電タイマカウンタを利用して普図普電制御処理を実行するようにしたことで、普図用の演出及び電動役物34aの開閉から構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU92にて特定する場合には普図普電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、普図普電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算及び「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。また、特図特電制御処理の場合におけるゼロフラグと同様に、普図側のゼロフラグを利用しているため、処理構成の簡素化が図られる。
<払出状態受信処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS218にて実行される払出状態受信処理について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御装置79の電断時用電源部114からの電力は、主側RWM94に供給されるが、払出側RWM104には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部114の小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RWM104に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出側RWM104に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主側RWM94に記憶し、主側MPU92は払出側MPU102からHIレベルの払出許可信号を受信している場合に当該払出側MPU102に対して賞球コマンドを送信する。そして、払出側MPU102では、払出側RWM104に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球数)と、後述する許可基準数との和となるように払出許可信号をHIレベルとLOWレベルとの間で切り換えるタイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、払出許可信号とは、主側MPU92において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出側MPU102から主側MPU92に出力される情報である。
払出状態受信処理では、払出許可信号を含めて払出側MPU102から受信した情報に基づいて、当該払出側MPU102に対して賞球コマンドを出力可能な状況であるか否かの判定を行うための設定を行う。また、主側MPU92から払出側MPU102へコマンドを送信するための信号経路において断線が発生しているか否かの確認を行うための処理を実行する。
さて、払出状態受信処理では、図38のフローチャートに示すように、先ずステップS2401にて、払出許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。当該払出許可信号は、既に説明したとおり第3の信号経路SL3(図6参照)を通じて払出側MPU102から受信する信号であり、払出側MPU102において賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの払出許可信号が出力され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの払出許可信号が出力される。払出許可信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS2401では、入力ポート92aを監視することで、払出許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS2401にて否定判定をした場合にはステップS2402にて主側RWM94に設けられた払出許可カウンタを「0」クリアする。払出許可カウンタは、払出許可信号がHIレベルであることを連続して確認した回数を主側MPU92にて特定するためのカウンタである。換言すれば、払出許可カウンタは、払出許可信号がHIレベルである状態を確認している期間を計測するためのカウンタである。この点、当該払出許可カウンタはタイマカウンタとしての機能を有しており、その更新態様は初期値である「0」から加算されていく態様となっている。続くステップS2403では、断線確認用状態の解除処理を実行する。断線確認用状態については後に説明する。その後、ステップS2407に進む。
一方、ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2404にて、断線確認処理を実行する。断線確認処理については後に説明する。続くステップS2405では払出許可カウンタが5以上であるか否かを判定する。払出許可カウンタが5未満である場合には、ステップS2406にて払出許可カウンタを1加算した後にステップS2407に進み、払出許可カウンタが5以上である場合には、そのままステップS2407に進む。
ステップS2407では、第2の信号経路SL2(図6参照)を通じて払出側MPU102から異常開始コマンドを受信しているか否かを判定する。異常開始コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が発生した場合に払出側MPU102から送信される。異常開始コマンドを受信している場合にはステップS2408にて異常開始用の処理を実行する。具体的には、主側RWM94に設けられた払出異常フラグに「1」をセットすることで、払出異常状態に設定する。
なお、異常開始用の処理として、払出異常コマンドをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に送信する構成としてもよく、この場合、音声発光制御装置72では当該払出異常コマンドの受信を契機として払出異常報知がエラーランプ部58bやスピーカ部59にて実行されるようにしてもよい。また、かかる払出異常報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS2407にて否定判定をした場合又はステップS2408の処理を実行した後は、ステップS2409にて、第2の信号経路SL2(図6参照)を通じて払出側MPU102から異常終了コマンドを受信しているか否かを判定する。異常終了コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が解除された場合に払出側MPU102から送信される。異常終了コマンドを受信している場合にはステップS2410にて異常終了用の処理を実行する。具体的には、主側RWM94の払出異常フラグを「0」クリアすることで、払出異常状態を解除する。
なお、異常開始用の処理として上記のように払出異常コマンドを送信する構成においては、異常終了用の処理として、払出異常の解除コマンドを音声発光制御装置72に送信する構成としてもよく、この場合、音声発光制御装置72では既に実行している払出異常報知を終了させる構成としてもよい。
ステップS2409にて否定判定をした場合又はステップS2410の処理を実行した後は、ステップS2411にて、第2の信号経路SL2(図6参照)を通じて払出側MPU102から賞球完了コマンドを受信している否かを判定する。賞球完了コマンドは、既に説明したとおり、賞球が完了した場合に払出側MPU102から送信されるとともに、その賞球が完了した個数の情報が含まれる。
賞球完了コマンドを受信していない場合にはそのまま本払出状態受信処理を終了し、賞球完了コマンドを受信している場合にはステップS2412にて賞球数の外部出力処理を実行した後に、本払出状態受信処理を終了する。賞球数の外部出力処理では、今回完了した賞球の個数の情報を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる外部出力を行うための処理を実行する。
なお、賞球完了コマンドが払出側MPU102から送信されない構成としてもよい。また、当該構成においては払出側MPU102も外部端子板81に対して電気的に接続し、賞球が完了したことやその完了した賞球数の情報の外部出力が主側MPU92を介することなく払出側MPU102にて実行される構成としてもよい。
<払出出力処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS219にて実行される払出出力処理について説明する。払出出力処理は、払出側MPU102に対して賞球コマンドを出力するための処理である。
払出出力処理では、図39のフローチャートに示すように、先ずステップS2501にて、前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。前扉枠14が開放中である場合にはそのまま本払出出力処理を終了し、前扉枠14が閉鎖中である場合にはステップS2502に進む。
ステップS2502では、主側RWM94の払出許可カウンタの数値情報が許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、払出許可カウンタは、既に説明したとおり、HIレベルの払出許可信号を受信している状態が継続している場合にタイマ割込み処理(図9)の1処理回にて1加算され、さらにタイマ割込み処理は4msec周期で起動されるため、ステップS2502では、許可基準期間である20msec以上に亘って、HIレベルの払出許可信号の受信を継続しているか否かを判定していると言える。
払出許可カウンタの数値情報が5以上でない場合には、そのまま本払出出力処理を終了する。払出許可カウンタの数値情報が5以上である場合には、ステップS2503に進む。ステップS2503では、払出異常状態であるか否かを判定する。払出異常状態である場合には、そのまま本払出出力処理を終了し、払出異常状態ではない場合にはステップS2504に進む。
ステップS2504では、いずれかの賞球カウンタが1以上であるか否かを判定する。全ての賞球カウンタが「0」である場合にはそのまま本払出出力処理を終了し、いずれかの賞球カウンタが1以上である場合にはステップS2505に進む。
ステップS2505では、払出許可カウンタを「0」クリアする。その後、ステップS2506にて賞球コマンドの出力設定処理を実行する。賞球コマンドの出力設定処理では、15個賞球カウンタが1以上である場合には、15個の遊技球の払出を指示する15個賞球コマンドを出力対象に設定する。15個賞球カウンタが「0」であって10個賞球カウンタが1以上である場合には、10個の遊技球の払出を指示する10個賞球コマンドを出力対象に設定する。15個賞球カウンタ及び10個賞球カウンタの両方が「0」であって3個賞球カウンタが1以上である場合には、3個の遊技球の払出を指示する3個賞球コマンドを出力対象に設定する。
なお、ステップS2505の処理がステップS2506の処理の後に実行される構成としてもよい。また、賞球コマンドを出力対象として設定する際の優先度は上記パターンに限定されることはなく、例えば上記のパターンと逆であってもよく、入賞順序に従って出力対象として設定される構成としてもよい。
以上のように主側MPU92は、HIレベルの払出許可信号を確認したとしても、賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された許可基準回数だけ連続して確認した場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。これにより、電気的なノイズなどの原因でHIレベルの払出許可信号を受信している場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまう可能性が低減される。
また、払出許可カウンタの数値情報が許可基準回数となった場合には、一の賞球コマンドのみを出力対象とする構成としたことにより、払出側RWM104に記憶される賞球数の情報を少なく抑えることが可能となる。
また、ステップS2501の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。
ステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507にて、主側RWM94に設けられた出力直後フラグに「1」をセットする。出力直後フラグは、主側MPU92において賞球コマンドの出力直後であることを確認するためのフラグである。
続くステップS2508では、断線確認用の待機時間(切換対応期間)の情報を主側ROM93から読み出し、その読み出した待機時間の情報を、主側RWM94に設けられた断線確認用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC8)にセットする。具体的には、断線確認用タイマカウンタに「3」をセットする。断線確認用タイマカウンタは、賞球コマンドを出力対象に設定してから払出許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるまでの時間が断線確認用の待機時間を超えているか否かを主側MPU92にて特定するためのカウンタである。また、断線確認用タイマカウンタはタイマ割込み処理(図9)の1処理回ごとに1減算されるため、断線確認用の待機時間は12msecとなる。その後、本払出出力処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、払出側MPU102にて定期的(例えば2msec)に実行される払出制御処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、賞球コマンドは、自身が賞球コマンドであることを示す情報(以下、種類情報ともいう)、賞球個数を示す情報(以下、個数情報ともいう)、及びパリティーチェック(以下、チェック用情報ともいう)を行うために必要な情報を含むように複数バイト(例えば3バイト)のデータ量を有している。ステップS2601では、受信しているコマンドの情報のうち、賞球コマンドであることを示す情報を確認することで、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合にはステップS2602にて誤り確認処理を実行する。誤り確認処理では、パリティーチェックを行う。主側MPU92は、賞球コマンドを送信する場合に、上記種類情報に含まれる「1」の数と上記個数情報に含まれる「1」の数との合計数に対応した数値情報を算出し、その算出した数値情報を上記チェック用情報として送信する。パリティーチェックでは、上記種類情報に含まれる「1」の数と上記個数情報に含まれる「1」の数との合計数を算出し、その算出結果が上記チェック用情報の数値情報と一致するか否かを判定する。一致しない場合には、伝送途中に電気的なノイズで書き換えられてしまった可能性が高いため、その賞球コマンドを誤りのあるものとして扱う。
ステップS2603では、ステップS2602の誤り確認処理において誤り発生と判定したか否かを判定する。誤りが発生していないと判定した場合には、ステップS2604にて、上記個数情報から今回の賞球コマンドにより払出が指示されている賞球数を確認して払出側MPU102のレジスタに記憶する処理を実行する。また、当該確認処理では、その賞球数が、払出側ROM103に予め記憶されている賞球数の情報のいずれかに該当しているか否かを確認する。
続くステップS2605では、賞球数が異常であるか否かを判定する。賞球数が異常ではない場合には、ステップS2606にて、賞球数の加算処理を実行する。賞球数の加算処理では、払出側RWM104に設けられた賞球数カウンタに、ステップS2604にて確認した賞球数の情報を加算する。そして、ステップS2607にて、払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。
つまり、払出側MPU102は一の賞球コマンドを受信した場合には、払出許可信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。ここで、既に説明したとおり、主側MPU92はHIレベルの払出許可信号を5処理回のタイマ割込み処理(図9)に亘って連続して確認した場合に一の賞球コマンドを送信するとともに、その際に払出許可カウンタを「0」クリアする。この場合に、主側MPU92において賞球コマンドが出力対象として設定されてから、その賞球コマンドの受信を契機として払出側MPU102において払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、さらに当該LOWレベルの払出許可信号が主側MPU92にて確認されて払出許可カウンタが「0」クリアされるまでの時間が、払出許可カウンタの数値情報が「0」から出力許可基準回数である「5」となるまでの時間よりも短い時間となるように、処理速度及びデータの伝送速度が設定されている。したがって、払出側MPU102が払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定したことに対して、主側MPU92からは一の賞球コマンドのみが送信される。これにより、電断中に記憶保持用電力が供給されない払出側RWM104に対して記憶される賞球数を抑えることができ、電断が発生した際に未払出のまま消去されてしまう賞球数を抑えることができる。
ステップS2601にて否定判定をした場合、ステップS2603にて肯定判定をした場合、ステップS2605にて肯定判定をした場合、又はステップS2607の処理を実行した後は、ステップS2608にて、貸球用の設定処理を実行する。貸球用の設定処理では、球貸装置Yから遊技球の貸出指示を受けている場合にその貸出指示に係る遊技球の払出を行うための設定を行う。
続くステップS2609では、払出側RWM104の賞球数カウンタが1以上又は貸出必要数が1以上である場合に、遊技球の払出を実行するように払出装置77の払出モータ77aを駆動するための処理を実行する。但し、前扉枠14が開放中である場合や下皿62aが満杯状態である場合には、賞球数カウンタが1以上又は貸出必要数が1以上であっても、遊技球の払出が実行されないように規制する。
その後、ステップS2610にて、払出検知センサ77bの検知結果を確認することで1個の遊技球の払出が実行されたか否かを判定する。ステップS2610にて肯定判定をした場合には、ステップS2611にて賞球数カウンタ又は貸出必要数を1減算する。この場合、貸出必要数が優先して1減算されるように構成されているが逆であってもよい。
ステップS2610にて否定判定をした場合、又はステップS2611の処理を実行した後は、ステップS2612にて、賞球に係る払出の実行中であるか否かを判定する。賞球に係る払出の実行中である場合には、ステップS2613にて、賞球数カウンタの数値情報が許可基準数である2以下であるか否かを判定する。賞球数カウンタの数値情報が2以下である場合には、ステップS2614にて、払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。このように賞球数カウンタの数値情報が「0」となる前に払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定することで、主側RWM94において払出を実行すべき賞球数が記憶保持されている場合には、賞球に係る払出が連続して実行されるようにすることができる。
ステップS2612にて否定判定をした場合、ステップS2613にて否定判定をした場合、又はステップS2614の処理を実行した後は、ステップS2615にて、その他の処理を実行する。その他の処理では、下皿62aが満杯状態であるか否かの特定を行うとともに、満杯状態となった際には異常開始コマンドを主側MPU92に送信し、満杯状態が解除された際には異常終了コマンドを主側MPU92に送信する。また、タンク76が球無し状態であるか否かの特定を行うとともに、球無し状態となった際には異常開始コマンドを主側MPU92に送信し、球無し状態が解除された際には異常終了コマンドを主側MPU92に送信する。その後、本払出制御処理を終了する。
<断線確認処理>
次に、払出状態受信処理(図38)のステップS2404にて実行される断線確認処理について説明する。
断線確認処理では、主側MPU92から払出側MPU102にシリアル通信でコマンドを送信するために設けられた第1の信号経路SL1において断線が生じているか否かを、払出許可信号の入力状態から確認する処理を実行する。
具体的には、図41のフローチャートに示すように、先ずステップS2701にて、主側RWM94の出力直後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。出力直後フラグに「1」がセットされていない場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、出力直後フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2702に進む。
ステップS2702では、主側RWM94の断線確認用タイマカウンタの数値情報が「0」となっているか否かを判定する。つまり、賞球コマンドを出力対象に設定してから断線確認用の待機時間が経過しているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、「0」となっている場合には、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、主側RWM94の払出許可カウンタを「0」クリアする。続くステップS2704では、払出側の断線報知済み状態であるか否かを判定する。払出側の断線報知済み状態は、第1の信号経路SL1において断線が発生していることの報知を既に行っている状態のことをいい、主側MPU92のレジスタにおける払出側の断線報知済みフラグに「1」がセットされている状態である。払出側の断線報知済み状態である場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、払出側の断線報知済み状態ではない場合には、ステップS2705に進む。
ステップS2705では、払出側の断線報知コマンドを出力対象に設定する。払出側の断線報知コマンドは、第1の信号経路SL1における断線の発生を主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、図20のフローチャートに示すように、ステップS901にて報知系コマンドとして払出側の断線報知コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合にはステップS902にて、そのコマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、払出側の断線発生に対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って払出側の断線発生用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、及び短絡発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS903では、払出側の断線報知コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、第1の信号経路SL1における断線の発生に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線の発生に対応した報知を図柄表示装置41にて行わせる。
断線確認処理(図41)の説明に戻り、ステップS2705の処理を実行した後は、ステップS2706に進む。ステップS2706では、第1の信号経路SL1における断線の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために払出側の断線報知用の外部出力開始処理を実行する。続くステップS2707では、主側MPU92のレジスタにおける払出側の断線報知済みフラグに「1」をセットすることで、払出側の断線報知済み状態に設定する。その後、本断線確認処理を終了する。
払出側の断線報知済み状態は、払出状態受信処理(図38)のステップS2401にて、LOWレベルの払出許可信号の受信を確認して否定判定をし、ステップS2403にて、解除処理が実行されることで解除される。この場合に、払出側の断線報知用の外部出力が解除されるとともに、音声発光制御装置72に対して解除コマンドが送信されることで払出側の断線報知も解除される。
次に、賞球の払出が実行される様子及び第1の信号経路SL1の断線確認が行われる様子について、図42のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図42(a)は払出許可信号の出力状態を示し、図42(b)は賞球コマンドの出力状況を示し、図42(c)は主側RWM94に記憶されている賞球必要個数(各賞球カウンタの情報)を示し、図42(d)は賞球の払出の実行状況を示し、図42(e)は払出側の断線報知済み状態の設定状況を示す。
先ず、賞球の払出が正常に行われる場合について説明する。
賞球の払出が実行されている状況において、t1のタイミングで払出側RWM104の賞球数カウンタの数値情報が許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。この場合、主側RWM94には賞球必要個数の情報が記憶されているため、出力許可基準期間T1が経過したタイミングであるt2のタイミングで一の賞球コマンドを払出側MPU102に向けて送信する。この際、賞球必要個数の更新が行われる。また、払出側MPU102が賞球コマンドを受信するタイミングは許可基準数の遊技球の払出が完了する前のタイミングであるため、遊技球の払出は中断されることなく継続される。
賞球コマンドを受信した払出側MPU102は、t3のタイミングで、払出許可信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。このタイミングは、主側MPU92において賞球コマンドを出力対象として設定してから出力許可基準期間T1が経過する前のタイミングとなっている。これにより、複数の賞球コマンドが連続して送信されることが抑制される。
その後、t4のタイミングで払出側RWM104の賞球数カウンタの数値情報が再度、許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。そして、出力許可基準期間T1が経過したタイミングであるt5のタイミングで一の賞球コマンドを払出側MPU102に向けて送信し、それに対して、t6のタイミングで払出許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。
その後、t7のタイミングで払出側RWM104の賞球数カウンタの数値情報が再度、許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。但し、既に主側RWM94の賞球必要個数は「0」となっているため、賞球コマンドの送信は行われない。したがって、t8のタイミングで、賞球の払出が終了される。
次に、第1の信号経路SL1にて断線が発生していることに起因して、賞球の払出が正常に実行されない場合について説明する。
既に払出許可信号がHIレベルとなっている状況であるt9のタイミングで、新たな入賞が発生することで、主側RWM94に賞球必要個数が設定される。したがって、t10のタイミングで主側MPU92は賞球コマンドを払出側MPU102に向けて出力する。
しかしながら、第1の信号経路SL1に断線が発生しているため、当該賞球コマンドは払出側MPU102において受信されることはなく、賞球の払出が実行されない。また、払出側MPU102において賞球コマンドを受信していないため、払出許可信号のLOWレベルへの切り換えは実行されずにHIレベルの出力状態が維持される。
これに対して、賞球コマンドを出力対象として設定してから断線確認用の待機時間T2が経過したタイミングであるt11のタイミングで、払出側の断線報知済み状態に設定され、その旨の報知が開始される。これにより、第1の信号経路SL1において断線が発生していることを遊技ホールの管理者に知らせることができ、それに対処させることができる。
また、断線確認用の待機時間T2は、出力許可基準期間T1よりも短い時間に設定されているとともに、払出側の断線報知済み状態ではタイマ割込み処理(図9)が実行される度に払出許可カウンタが「0」クリアされる。これにより、第1の信号経路SL1に断線が発生した場合には、一の賞球コマンドが出力されてから次の賞球コマンドが出力される前に、新たな賞球コマンドの出力を禁止することができ、払出が未実行のまま無効化されてしまう賞球数を抑えることができる。
また、第1の信号経路SL1において断線が発生しているか否かの特定を、賞球コマンドの送信の許可設定をすべく払出側MPU102から主側MPU92に送信される払出許可信号のHIレベルからLOWレベルへの切り換えが発生しないことの確認を通じて行われる。これにより、賞球コマンドの送信の許可設定に係る構成を利用して断線確認を行うことができ、例えば払出側MPU102において断線確認用のハード構成やソフト構成を適用する必要がないため、構成の簡素化を図りつつ上記のような優れた効果を奏することができる。
また、上記出力許可基準期間T1は、既に説明したとおり、実際に払出側MPU102において賞球コマンドの出力を許可していない状況において電気的なノイズの影響で払い出し許可信号が単発的にHIレベルとなった際に賞球コマンドが出力されることを抑制するために設定されている。つまり、このような電気的なノイズの影響を抑えるための構成を利用して、断線発生時において新たな賞球コマンドの出力を阻止することができる。ちなみに、かかる効果は、断線の確認をした場合に払出許可カウンタに計測されている期間が出力許可基準期間T1とならないようにすることにより行われている構成(ステップS2703の処理)からも奏することができる。
また、第1の信号経路SL1がパラレル方式でコマンドを送信する構成においては、当該パラレル方式の一部の信号経路から所定の情報を受信しないことを通じて払出側MPU102にて断線の確認を行うことは可能であるが、本パチンコ機10では第1の信号経路SL1がシリアル方式でコマンドを送信する構成であるため、そのような対策を採用することができない。したがって、このようなシリアル方式でコマンドを送信する構成において上記のような断線確認に係る処理構成を適用することは効果的である。
また、断線確認用の待機時間T2は、主側MPU92において賞球コマンドが出力対象として設定されてから、その賞球コマンドの受信を契機として払出側MPU102において払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、さらに当該LOWレベルの払出許可信号が主側MPU92にて確認されて払出許可カウンタが「0」クリアされるまでの時間よりも長い時間となるように、処理速度及びデータの伝送速度が設定されている。したがって、第1の信号経路SL1において断線が発生していない状況において、賞球コマンドの出力設定の禁止や、払出側の断線報知が実行されてしまうことはない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
停電信号が電源遮断の発生に対応したものであることを1回確認しただけでは停電時処理を実行することなく、複数回確認した場合に停電時処理を実行する。これにより、電気的なノイズの影響で停電信号が電源遮断の発生に対応したものとなった場合に、停電時処理が実行されてしまう可能性が低減される。この場合に、停電信号の監視はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS201の停電情報記憶処理(図10)にて行われるが、当該停電情報記憶処理では、1回の処理回で停電信号の監視を複数回行う。これにより、タイマ割込み処理が実行されるタイミングの設計の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。また、停電信号が電源遮断の発生に対応していると最初に確認されてから停電時処理を開始するまでの時間設定の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。
また、電源遮断が発生している状況において電気的なノイズ等の影響で、電源遮断の発生に対応した停電信号が電源遮断の発生していない状態に対応したものに突発的に変化してしまうことが懸念される。この場合に、停電時処理を実行するための条件として、電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を複数回連続して確認することが設定されていると、電源遮断が発生しているにも関わらず上記電気的なノイズの影響で、主側MPU92にて電源遮断の発生と認識されず、停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されてしまうことが懸念される。これに対して、停電確認処理を所定の繰り返し回数分行う範囲内において電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数(繰り返し回数>契機基準回数)以上確認した場合に停電時処理を実行するようにし、確認の連続性を停電時処理の実行の条件から除外したことにより、上記のように電気的なノイズの影響があったとしても、停電時処理を良好に実行することができる。
入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号が遊技球の検知中に対応していることを1回確認しただけでは入賞の発生と判定することなく、複数回確認した場合に入賞の発生と判定する。これにより、電気的なノイズの影響で入賞信号が遊技球の通過中に対応したものとなった場合に、入賞の発生と判定されてしまう可能性が低減される。この場合に、入賞信号の監視はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS209の入賞検知処理(図13)にて行われるが、当該入賞検知処理では、1回の処理回で同一の入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号の監視を複数回行う。これにより、タイマ割込み処理が実行されるタイミングの設計の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。また、入賞信号が遊技球の検知中に対応していると最初に確認されてから入賞の発生と判定されるまでの時間設定の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。
但し、1回の処理回の範囲内で同一の入賞信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、既に説明したとおり、1回のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理と後側の入賞情報を監視する処理との間に入賞検知用のウェイト処理(ステップS402)が設定されており、さらにそのウェイト時間が電気的なノイズの影響が1組の入賞情報を監視する処理に亘って及んでしまわないように設定されている。よって、電気的なノイズの発生の影響で遊技球の入賞を誤検知してしまわないようになっている。
入賞発生の有無の判定については、遊技球の検知中に対応した入賞信号を複数回連続して確認した場合に入賞発生と判定するのに対して、停電発生の有無の判定については、10回の繰り返し回数の範囲内で、電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数である8回以上確認した場合に停電発生と判定する。このように検知対象となる事象の種類に応じて、事象の発生と判定する条件として、事象の発生に対応した信号の確認の連続性を必須とする場合と必須としない場合とを区別することにより、既に説明したように、検知対象となる事象の種類に応じてその事象の発生の特定を適切に行うことが可能となる。
つまり、停電信号については連続性を必須としないようにすることで、実際に電源遮断が発生しているにも関わらず停電時処理が実行されない可能性をより重点的に抑制することが可能となり、入賞信号については連続性を必須とすることで、実際に入賞が発生していないにも関わらず入賞発生と判定されてしまう可能性をより重点的に抑制することが可能となる。
また、入賞発生と判定されるのに必要な連続基準回数は、停電発生と判定されるのに必要な契機基準回数よりも少ない数に設定されている。これにより、停電発生の確認については電源遮断の発生に対応した停電信号の確認の連続性を必須としないことに対応させて契機基準回数を多く設定することで、確認の精度の向上が図られる。その一方、入賞発生の確認については遊技球の検知中に対応した入賞信号の確認の連続性を必須とすることに対応させて連続基準回数を契機基準回数よりも少ない数に設定することで、実際には入賞が発生しているにも関わらず電気的なノイズの影響で非検知中に対応した入賞信号を単発的に確認してしまい入賞発生と判定されなくなってしまう事態の発生を抑えることが可能となる。
主側MPU92から出力された賞球コマンドが第1の信号経路SL1を通じて払出側MPU102に送信される構成において、第1の信号経路SL1において断線が発生しているか否かの特定を、賞球コマンドの送信の許可設定をすべく払出側MPU102から主側MPU92に送信される払出許可信号のHIレベルからLOWレベルへの切り換えが発生しないことの確認を通じて行われる。これにより、賞球コマンドの送信の許可設定に係る構成を利用して断線確認を行うことができ、例えば払出側MPU102において断線確認用のハード構成やソフト構成を適用する必要がないため、構成の簡素化を図りつつ第1の信号経路SL1の断線確認を行うことができる。
電波検知センサ24bを設け、電波を利用した不正行為を抑制可能とした構成において、電波検知センサ24bにて電波を検知したとしても即座に遊技停止状態への設定が行われるのではなく、かかる検知に付随して開始される監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことを契機として遊技停止状態への設定が行われる。これにより、正規に遊技を行っているにも関わらずノイズ等を原因として電波検知センサ24bにて電波を検知した場合に、遊技停止状態への設定が行われてしまうことを抑制できる。
数値情報を減算することで時間の経過を計測するために利用される各タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新が、それらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行されるのではなく、それら各処理とは別の処理として設定されたタイマ更新処理(図17)にて実行される。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらの利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
特図特電制御処理において、特図特電カウンタの数値情報を参照することで実行すべき処理の内容を特定するようにしたことで、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技状況においていずれの状況であるのかを主側MPU92にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
発射ハンドル55を通じて遊技球の発射操作が行われたとしても、主側MPU92では即座に遊技球の発射を許可するのではなく、発射制御処理(図23)のステップS1104にて遅延時間の抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に対応した遅延時間が経過した後に発射を許可する。これにより、遊技球の発射開始タイミングを、発射ハンドル55の操作タイミングを通じて意図的に操作しようとしても、実際に発射操作が行われたタイミングに対して発射ソレノイド54が駆動状態となるタイミングが不規則に決定されるため、かかる意図的な操作を無効化させることが可能となる。
発射ソレノイド54が駆動状態となった場合にそれに対応した報知が行われるため、上記のような意図的な操作が行われている場合にそれを遊技ホールの管理者に認識させることができるとともに、発射ソレノイド54が駆動状態となるタイミングが不規則であることが故障によるものではないことを遊技者に認識させることが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、遊技領域の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。図43は本実施の形態における遊技盤24の正面図である。
図43に示すように、遊技盤24の表面には、上記第1の実施の形態と同様に、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48及び外レール部49によって区画されるようにして遊技領域が形成されている。遊技領域には、上記第1の実施の形態と同様に、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。また、これら以外にも、可変表示ユニット36のセンターフレーム42の上部に入賞装置122が設けられている。
本実施の形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき当否判定が行われることは上記第1の実施の形態と同様であるが、当該当否判定において当選結果となった場合に可変入賞装置32が開閉される開閉実行モードに移行するのではなく、入賞装置122への入球が可能となる入球可能モードへ移行する。そして、当該入球可能モードにおいて入賞装置122への入球が発生し、さらに当該入賞装置122に設けられた有利用通過部に遊技球が入賞することで開閉実行モードに移行する。なお、かかる遊技を進行させるための処理は、主側MPU92にて実行される。
以下、入賞装置122の構成について詳細に説明する。
入賞装置122は、回転体ユニット131を収容するとともに、当該回転体ユニット131に向けた遊技球の流入を許容する内部空間が形成されたベース体123を備えている。ベース体123には、回転体ユニット131への遊技球の導入を可能とする入賞口124が形成されており、当該入賞口124に対しては一対の開閉片125が設けられている。開閉片125はソレノイドなどの入賞駆動部126に連結されており、当該入賞駆動部126が主制御装置71により駆動制御されることで、入賞口124からの遊技球の流入を不可とする閉鎖位置と遊技球の流入を可能とする開放位置とのそれぞれに配置可能となっている。
入賞口124から流入した遊技球は回転体ユニット131に導かれることとなるが、ベース体123にはその流入した遊技球が回転体ユニット131に導かれる様子や回転体ユニット131に到達した遊技球の様子をパチンコ機10前方から視認可能とする窓部127が形成されている。つまり、入賞装置122内に流入した遊技球は、入賞装置122内に形成された転動領域又は回転体ユニット131への誘導通路を流下することとなるが、当該流下態様をパチンコ機10前方から視認可能となっている。
回転体ユニット131について説明する。図44は、回転体ユニット131の分解斜視図である。
回転体ユニット131は、図44に示すように、誘導通路形成部材132と排出通路形成部材133とを備えている。誘導通路形成部材132には、その略中央に下方に凹んだ凹部134が形成されている。凹部134は、平面視で円形状をしている。そして、凹部134の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路135が形成されている。誘導通路135は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。
誘導通路135の奥側中央は、入賞口124から流入した遊技球が導出される位置となっており、当該遊技球は誘導通路135の奥側中央に到達する。この到達した遊技球は誘導通路135の左右いずれかの傾斜部を流下して誘導通路135の手前側に誘導され、この誘導された遊技球は凹部134側へ導かれる。
凹部134には、その底面に入賞用通過部141が形成されている。入賞用通過部141は、排出通路形成部材133に形成された入賞用通路142に通じており、入賞用通過部141を通過した遊技球は入賞用通路142を通じて入賞装置122の外部へ排出される。この場合に、入賞用通路142には入賞用検知センサ143が設けられており、入賞用通路142を通過する遊技球は入賞用検知センサ143により検知される。
なお、この検知結果は主制御装置71に入力され、入賞用検知センサ143にて遊技球が検知された場合には所定個数の遊技球を払い出すための処理が実行される。
また、凹部134の側面には有利用通過部144が形成されている。有利用通過部144は、排出通路形成部材133に形成された有利用通路145に通じており、有利用通過部144を通過した遊技球は有利用通路145を通じて入賞装置122の外部へ排出される。この場合に、有利用通路145には有利用検知センサ146が設けられており、有利用通路145を通過する遊技球は有利用検知センサ146により検知される。
なお、この検知結果は主制御装置71に入力され、有利用検知センサ146にて遊技球が検知された場合には開閉実行モードへ移行させるための処理が実行される。
排出通路形成部材133には下側からモータ151が取り付けられており、当該モータ151の上下方向に延びる出力軸152は、排出通路形成部材133及び誘導通路形成部材132を貫通している。そして、出力軸152には回転体153が固定されている。なお、モータ151は主制御装置71により駆動制御される。
回転体153は、誘導通路形成部材132の凹部134よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部134内に配置されている。そして、回転体153はモータ151の駆動に伴って回転する。回転体153の外周には内側に凹んだ10個の球案内部154が形成されており、これら球案内部154は等間隔で並んでいる。このうち、5個の球案内部154は無底の入賞案内部154aとなっており、5個の球案内部154は有底の有利案内部154bとなっている。
各球案内部154は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路135の手前側から導出される遊技球はいずれかの球案内部154に入る。この場合に、入賞案内部154aに入った遊技球は回転体153の回転に伴って入賞用通過部141の上部に到達し、入賞用通路142内に落下する。一方、有利案内部154bに入った遊技球は回転体153の回転に伴って有利用通過部144の横方に到達し有利用通路145内に入る。
以上説明した入賞装置122内に入った遊技球は、入賞案内部154a及び有利案内部154bのいずれかに必ず導かれる。この場合に、回転体153における複数の球案内部154は、その半分が入賞案内部154aであり、残りの半分が有利案内部154bである。また、回転体153は一定の速度で回転する。したがって、入賞装置122に1個の遊技球が入賞した場合に、その遊技球が有利用検知センサ146により検知される確率は1/2となっている。但し、これに限定されることはなく、当該確率が1/2よりも低くてもよく、高くてもよい。
上記のように入賞装置122が設けられた構成においては、パチンコ機10に振動を与えることで、有利案内部154bに遊技球が導かれるようにする行為が想定される。これに対して、遊技盤24には、図43に示すように、振動検知センサ155が設けられている。
振動検知センサ155は、入賞装置122周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。振動検知センサ155は、主制御装置71と電気的に接続されており、振動検知センサ155の振動結果は主制御装置71に入力される。なお、振動検知センサ155の配置位置は上記のものに限定されることはなく、前扉枠14、樹脂ベース21又は裏パックユニット15に振動検知センサ155を配置してもよい。
次に、主側MPU92にて実行される振動検知用処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
振動検知用処理では、先ずステップS2801にて、振動検知の第1段階状態であるか否かを判定する。本実施の形態では、入賞装置122が開放中に振動の発生を検知しただけでは遊技停止とすることなく報知のみを行い、振動の発生を検知してさらに入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生した場合に遊技停止とする。この場合に、報知のみを行う状態が振動検知の第1段階状態であり、遊技停止を行う状態が振動検知の第2段階状態である。ちなみに、主側RWM94の第1振動検知フラグに「1」がセットされている状態が振動検知の第1段階状態であり、主側RWM94の第2振動検知フラグに「1」がセットされている状態が振動検知の第2段階状態である。
ステップS2801にて否定判定をした場合には、ステップS2802にて振動検知センサ155がONとなっているか否かを判定する。具体的には、振動検知センサ155は、振動を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの振動検知信号を出力するとともに、振動を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの振動検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる振動検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポート92aへ入力される。ステップS2802では、入力ポート92aを監視することで、振動検知センサ155が振動を検知中であるか否かを判定する。
ステップS2802にて肯定判定をした場合には、ステップS2803にて、主側RWM94に設けられた振動の監視用タイマカウンタに振動用監視時間(例えば5sec)に対応した数値情報をセットする。上記のとおり振動検知センサ155にて振動を検知した場合には、先ず振動検知の第1段階状態に設定され、さらに入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生した場合に振動検知の第2段階状態に設定されることとなるが、かかる第2段階状態の設定は、振動の検知中又は振動の検知が終了してから所定期間が経過するまでに入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生したことを条件に行われる。ステップS2803にてセットされる振動用監視時間は、当該所定期間に相当する。また、振動の監視用タイマカウンタにセットされた数値情報は、主側MPU92のタイマ更新処理(図17)にて1減算されるように更新される。
ちなみに、振動用監視時間は、誘導通路135に遊技球が到達してから当該遊技球が入賞用通過部141又は有利用通過部144を通過しそれが主側MPU92にて特定されるまでに要する最長時間よりも長い時間として設定されている。さらに説明すると、振動用監視時間は、遊技球が入賞口124を通過してから当該遊技球が入賞用通過部141又は有利用通過部144を通過しそれが主側MPU92にて特定されるまでに要する最長時間よりも長い時間として設定されている。
続くステップS2804では、入賞装置122が開放中であるか否かを判定する。入賞装置122が開放中である場合には、ステップS2805にて、主側RWM94の第1振動検知フラグに「1」をセットすることで、振動検知の第1段階状態に設定する。なお、振動検知センサ155がONとなっている状態を複数回確認した場合に、振動検知の第1段階状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS2806では、振動系の第1段階コマンドを出力対象に設定する。振動系の第1段階コマンドは、振動検知の第1段階状態であることを主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、振動系の第1段階コマンドを受信している場合には報知継続期間をセットする。この場合、報知継続期間として30secが設定されており、音声発光制御装置72に設けられたタイマカウンタなどを利用して当該報知継続期間の経過が計測される。そして、音声発光制御装置72では、振動系の第1段階コマンドを受信したことに対応した報知を、当該報知継続期間が経過するまで継続する。ちなみに、報知継続期間は、ステップS2807にてセットされる報知周期よりも長い時間であれば任意であるが、振動系の第1段階用の報知を遊技ホールの管理者が十分に確認できる程度の時間は継続するように設定されていることが好ましい。
また、振動系の第1段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、振動検知の第1段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って振動系の第1段階用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。また、振動系の第1段階コマンドの受信に対応した第1段階用のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、振動検知の第1段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第1段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
振動検知用処理(図45)の説明に戻り、ステップS2806の処理を実行した後は、ステップS2807に進む。ステップS2807では、主側RWM94に設けられた振動報知用タイマカウンタに報知周期の時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、振動検知の第1段階状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に振動系の第1段階コマンドの送信が行われるようにしており、振動報知用タイマカウンタはその第1段階コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU92にて特定するために利用される。また、振動報知用タイマカウンタにセットされた数値情報は、主側MPU92のタイマ更新処理(図17)にて1減算されるように更新される。その後、ステップS2808にて、振動検知の第1段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために振動検知用の外部出力開始処理を実行する。
ステップS2801にて振動検知の第1段階状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS2809にて、振動検知センサ155がONとなっている状態が継続しているか否かを判定する。継続している場合には、ステップS2810にて、主側RWM94に設けられた振動の監視用タイマカウンタに振動用監視時間(例えば5sec)に対応した数値情報を再度セットする。
続くステップS2811では、振動報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合にはステップS2806に進む。これにより、振動検知の第1段階状態が継続している場合に、振動系の第1段階コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS2809にて否定判定をした場合には、ステップS2812にて、主側RWM94の第1振動検知フラグを「0」クリアすることで、振動検知の第1段階状態を解除する。また、ステップS2813にて、振動検知用の外部出力解除処理を実行して、振動検知の第1段階状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。
ステップS2802にて否定判定をした場合、ステップS2804にて否定判定をした場合、ステップS2808の処理を実行した場合、ステップS2811にて否定判定をした場合、又はステップS2813の処理を実行した場合には、ステップS2814に進む。ステップS2814では、入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生しているか否かを判定する。また、ステップS2815では、振動の監視用タイマカウンタの数値情報が「0」より大きい数値情報であるか否かを判定する。
ステップS2814又はステップS2815にて否定判定をした場合には、そのまま本振動検知用処理を終了する。ステップS2814及びステップS2815の両方にて肯定判定をした場合、すなわち、振動の検知中又は振動の検知が終了してから振動用監視時間が経過するまでに入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生した場合には、ステップS2816〜ステップS2818の処理に進む。
ステップS2816では、主側RWM94の第2振動検知フラグに「1」をセットすることで、振動検知の第2段階状態に設定する。振動検知の第2段階状態に設定されることで、次回のタイマ割込み処理(図9)のステップS205における遊技停止判定処理にて遊技停止フラグに「1」がセットされて遊技停止状態に設定される。
続くステップS2817では、振動系の第2段階コマンドを出力対象に設定する。振動系の第2段階コマンドは、振動検知の第2段階状態であることを主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
音声発光制御装置72では、振動系の第2段階コマンドを受信している場合には、第2段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、振動検知の第2段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声発光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知をエラーランプ部58b及びスピーカ部59にて行わせる。また、振動系の第2段階コマンドの受信に対応した第2段階用のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、振動検知の第2段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
振動検知用処理(図19)の説明に戻り、ステップS2817の処理を実行した後は、ステップS2818に進む。ステップS2818では、振動検知の第2段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。その後、本振動検知用処理を終了する。
次に、振動検知センサ155にて振動を検知した場合におけるパチンコ機10の動作の様子を、図46のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図46(a)は、振動検知センサ155における振動検知の状況を示し、図46(b)は、入賞装置122の開放状況を示し、図46(c)は、振動用監視時間のセット状況を示し、図46(d)は、主側MPU92からのコマンドの出力状況を示し、図46(e)は、各通過部141,144への遊技球の入賞状況を示し、図46(f)は、遊技停止状態の設定状況を示す。
先ず、振動検知の第1段階状態及び第2段階状態のいずれにも設定されない場合について説明する。
入賞装置122が閉鎖中であるt1のタイミングで振動検知センサ155における振動の検知が開始され、t2のタイミングで振動の検知が終了される。この場合、振動用監視時間の計測は開始されるが、入賞装置122が閉鎖中であるため振動検知の第1段階状態に設定されることはなく、さらに各通過部141,144への入賞が発生しないため、振動検知の第2段階状態に設定されない。このように当該状況では振動検知センサ155にて振動を検知したとしても第1段階状態及び第2段階状態に設定しないようにしたことで、正規に遊技を行っている状況で偶然振動が発生してしまった場合に報知や遊技停止状態への設定が行われないようにすることができる。
次に、振動検知の第1段階状態に設定されるが、第2段階状態に設定されない場合について説明する。
先ずt3のタイミングで入賞装置122が開放状態となり、その開放状態が継続している状況であるt4のタイミングで振動検知センサ155における振動の検知が開始される。このタイミングでは、振動系の第1段階コマンドが出力されて振動の検知が開始されたことに対応した報知が開始されるが、遊技停止状態の設定は行われない。また、t4のタイミングでは振動用監視時間がセットされて、振動用監視時間の計測が開始される。この振動用監視時間のセットは、振動検知が継続している間は繰り返し実行される。当該状態が、振動検知の第1段階状態である。
その後、振動検知センサ155にて振動を検知している状態が継続している状況で、t5のタイミングにて、t4のタイミングから報知周期が経過することで、再度、振動系の第1段階コマンドが出力される。但し、このタイミングでは振動検知の第1段階用の報知は継続しているため、かかる報知の報知継続時間が再セットされるだけで当該報知はそのまま継続される。
その後、t6のタイミングで振動検知センサ155にて振動を検知していない状態となる。但し、この状況であっても、振動用監視時間の計測は継続している。特に、上記のとおり振動用監視時間のセットは、振動検知が継続している間は繰り返し実行されるため、振動検知センサ155にて振動を検知している状態から検知していない状態に切り換わったタイミングから振動用監視時間分は監視状態が維持される。つまり、監視状態が実質的に継続する時間というのは、振動検知センサ155にて振動を検知している時間と振動用監視時間との和の時間となる。その後、t7のタイミングで入賞装置122が閉鎖状態となるとともに、t8のタイミングで振動用監視時間の計測が終了する。
上記状況では、振動用監視時間の計測が行われている期間、すなわち監視状態となっている期間において各通過部141,144への入賞が発生していないため、第1段階用の報知は実行されているが遊技停止状態への設定は行われない。このような状況というのは、遊技者は正規に遊技を行っているにも関わらず、パチンコ機10に偶然振動を与えてしまったことを原因に、振動検知センサ155にて振動を検知した場合に起こり得る。この場合には、遊技停止状態とならないため、遊技ホールの管理者などには注意を促しながら、正規に遊技を行っている遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
次に、振動検知の第1段階状態及び第2段階状態に設定される場合について説明する。
先ずt9のタイミングで入賞装置122が開放状態となり、その開放状態が継続している状況であるt10のタイミングで振動検知センサ155における振動の検知が開始される。このタイミングでは、振動系の第1段階コマンドが出力されて振動の検知が開始されたことに対応した報知が開始されるが、遊技停止状態の設定は行われない。また、t10のタイミングでは振動用監視時間がセットされて、振動用監視時間の計測が開始される。
その後、振動検知センサ155にて振動を検知している状態が継続している状況で、t11のタイミングにて、t10のタイミングから報知周期が経過することで、再度、振動系の第1段階コマンドが出力される。
その後、t12のタイミングで振動検知センサ155にて振動を検知していない状態となる。但し、この状況であっても、振動用監視時間の計測は継続している。特に、上記のとおり振動用監視時間のセットは、振動検知が継続している間は繰り返し実行されるため、振動検知センサ155にて振動を検知している状態から検知していない状態に切り換わったタイミングから振動用監視時間分は監視状態が維持される。
その後、振動用監視時間の計測が行われている期間中であるt13のタイミングで、入賞用通過部141又は有利用通過部144への入賞が発生する。この場合、先ずt13のタイミングで振動系の第2段階コマンドが出力されて、振動検知の第2段階用の報知が開始される。また、t13のタイミングにおけるタイマ割込み処理の処理回に対して、次の処理回が開始されたt14のタイミングにて遊技停止状態への設定が行われ、遊技の進行が不可となる。なお、この際に監視時間の計測が終了される。
以上のように振動検知センサ155にて振動を検知したとしても、即座に遊技停止状態への設定を行わずに、かかる検知に付随して開始される振動用監視時間の計測中に通過部141,144への入賞が発生したことを契機として遊技停止状態への設定を行うことで、既に説明したように正規の遊技者に不利益を与えないようにしながら、不正に振動を与えて有利用通過部144への入賞を発生させる行為が行われた場合にはそれ以降の遊技の進行を停止させることが可能となる。
また、振動用監視時間の計測中に有利用通過部144を遊技球が通過した場合だけでなく、入賞用通過部141を遊技球が通過した場合にも、遊技停止状態への設定は行われる。これにより、有利用通過部144を遊技球が通過するように振動を与える不正行為が行われた場合には、それが成功したか否かに関係なく当該不正行為に対処することが可能となる。
また、パチンコ機10への振動の付与は正規に遊技を行っている状況であっても比較的生じやすいため、入賞装置122の閉鎖中に振動が発生したとしても通過部141,144への入賞が発生しない場合には報知の実行も行わないようにしたことにより、不必要に報知が行われてしまうことを抑制できる。
また、振動検知センサ155にて振動を検知したことを契機として設定される監視状態は、振動検知センサ155にて振動を検知している期間だけでなく、その期間の経過後において振動用監視時間が経過するまで継続される。これにより、不正に振動を付与してから主側MPU92にて通過部141,144への入賞が発生したと判定されるまでに所定のタイムラグが発生していたとしても、かかる不正行為に対処することが可能となる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、電波検知センサ24bを利用した監視を無効化することが可能となっている。当該無効化を行うための処理構成について説明する。
図47は、主側MPU92にて実行される電波検知の解除処理を示すフローチャートである。
先ずステップS2901にて、解除設定の待ち状態であるか否かを判定する。ステップS2901にて否定判定をした場合には、ステップS2902にて、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定する。手動操作されていない場合にはそのまま本解除処理を終了し、手動操作されている場合にはステップS2903に進む。ステップS2903では、解除設定の待ち状態に設定する。続くステップS2904では、解除設定の監視時間(例えば10sec)をセットする。その後、本解除処理を終了する。
一方、ステップS2901にて肯定判定をした場合には、ステップS2905にて、前扉枠14の前面において遊技者が手動操作することが可能なように設けられた演出スイッチが手動操作されているか否かを判定する。なお、演出スイッチは、操作された場合に進行先の演出を切り換える場合や表示演出の種類を相違させる場合などに操作される。
ステップS2905にて否定判定をした場合には、ステップS2906にて解除設定の監視時間が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本解除処理を終了し、「0」である場合にはステップS2907にて解除設定の待ち状態を解除した後に、本解除処理を終了する。
ステップS2905にて肯定判定をした場合には、ステップS2908にて、電波検知の無効化状態に設定する。これにより、電波検知用処理(図19)が実行されなくなる。なお、電波検知の無効化状態は、主側RWM94に設けられた無効化フラグに「1」がセットされることで設定されるため、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても復電後には電波検知の無効化状態は維持され、解除するためには主側RWM94を初期化する必要がある。
以上のように電波検知の無効化状態への設定を行うことが可能な構成としたことにより、例えば電波の影響を受けやすい遊技ホールにおいては電波検知用処理を無効化することで、不正な電波の出力が行われていないにも関わらず報知や遊技停止状態の設定が行われてしまうことを防止することができる。
また、電波検知の無効化状態は、当該無効化状態への設定以外の目的で使用されるRWM消去スイッチと演出スイッチとの操作を通じて行うことができるため、ハード構成の簡素化を図りつつ、無効化状態への設定を行う機能を付与することができる。
また、遊技者が操作可能な演出スイッチを無効化状態への設定に際して利用する構成であるが、当該演出スイッチの操作の前に、パチンコ機10の背面側に設けられたRWM消去スイッチの操作を要するようにしたことにより、遊技者や不正行為を行おうとしている者が上記無効化状態への設定を行えないようにすることができる。
なお、電波検知の無効化状態を設定するための処理構成は上記処理構成に限定されることはなく、例えば有効状態と無効化状態との間で切換操作を行うための操作手段として主制御装置71などにスイッチが設けられている構成としてもよい。この場合、当該スイッチの状態を判定することで、有効状態又は無効化状態への設定が行われる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施の形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施の形態の構成に適用してもよい。
(1)停電発生の判定に際して、電源遮断の発生に対応した停電信号の確認に関して連続性を必須としない構成としたが、連続性を必須とする構成としてもよい。この場合、電源遮断の発生に対応した停電信号をタイマ割込み処理(図9)の1処理回の範囲内で連続して2回確認した場合に停電時処理を実行する構成としてもよい。また、先側の確認処理が実行されてから後側の確認処理が実行されるまでの間に電気的なノイズの影響などを抑制するために所定の時間が確保されている構成としてもよい。また、その所定の時間を確保するために主側MPU92にて処理待ち状態となるウェイト処理が実行される構成としてもよい。
(2)停電発生の判定に際して、電源遮断の発生に対応した停電信号の確認を繰り返し回数に亘って行う場合に、それら繰り返し回数分の確認が複数の処理回のタイマ割込み処理に亘って行われる構成としてもよい。また、検知対象の事象が発生しているか否かの判定を行う場合に当該事象の発生に対応した信号の確認について連続性を必須としないことで、実際には当該事象が発生しているにも関わらず電気的なノイズの影響で当該事象が発生していないと判定される可能性が低減されることに着目した場合、タイマ割込み処理の1処理回において当該事象の発生に対応した信号の確認が複数回行われることは必須ではなく、タイマ割込み処理の1処理回において当該事象の発生に対応した信号の確認が1回のみ行われる構成としてもよい。
(3)入賞発生の判定に際して、遊技球の検知中に対応した入賞信号の確認に関して連続性を必須とする構成としたが、連続性を必須としない構成としてもよい。この場合、上記第1の実施の形態における停電発生の判定に係る処理と同様に、3回以上として設定された所定の繰り返し回数の範囲内において、遊技球の検知中に対応した入賞信号を2回以上であって繰り返し回数よりも少ない数として設定された所定の回数以上確認した否かを判定することで、入賞発生の判定を行う構成としてもよい。
(4)タイマ割込み処理(図9)の1処理回の範囲内において入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果を取得する場合にステップS401における先側のシフト処理(すなわち、第1の確認処理)と、ステップS403における後側のシフト処理(すなわち、第2の確認処理)との間に所定の時間を要するようにする上で、入賞検知用のウェイト処理(ステップS402)を実行する構成に代えて、他の処理が含まれている構成としてもよい。
例えば、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間で、これらシフト処理の結果を利用した制御とは異なる制御を行うための処理が含まれている構成としてもよい。より具体的には、先側のシフト処理がタイマ割込み処理の最初のタイミングといったようにステップS206よりも前のタイミングで実行され、後側のシフト処理がステップS206よりも後のタイミングで実行される構成としてもよい。但し、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間の時間が遊技の進行状況によって大きく変動してしまうことを抑制するためには、タイマ割込み処理において処理時間が変動し易い処理と処理時間が変動しにくい処理とが含まれている場合に、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間には変動し易い処理が含まれていない構成とすることが好ましい。
(5)入賞発生の判定に際して、上記先側のシフト処理と上記後側のシフト処理との間にウェイト処理(ステップS402)が設定されておらず、処理の順序としてこれらのシフト処理が連続している構成としてもよい。また、停電発生の判定に係る処理のように、対象事象が発生したと特定する場合に対象事象の発生に対応した信号の確認の連続性を必須としない処理において、ウェイト処理が設定されている構成としてもよい。この場合、当該対象事象が発生していないにも関わらず、電気的なノイズの影響で対象事象が発生したと特定されてしまう可能性が低減される。
(6)入賞発生の判定に際して、同一の入賞用検知センサ31a〜35bについて遊技球の検知中に対応した入賞信号を2回連続して確認した場合に入賞の発生と判定する構成としたが、これに限定されることはなく、3回連続して確認した場合に入賞の発生と判定する構成としてもよく、4回以上の連続基準回数に亘って遊技球の検知中に対応した入賞信号を確認した場合に入賞の発生と判定する構成としてもよい。この場合、当該連続基準回数が、停電発生の判定に係る契機基準回数と同一又はそれよりも多い数となる構成としてもよい。
また、このように連続基準回数が3回以上に設定されている構成においては、遊技球の検知中に対応した入賞信号の確認を連続基準回数分行うためには2回以上の処理回のタイマ割込み処理が実行される必要がある構成としてもよい。
(7)入賞発生の判定に際して、タイマ割込み処理の1処理回毎に、複数回行った入賞信号の確認結果を演算した結果を記憶して、連続する複数の処理回の上記演算した結果から入賞の発生を判定する構成としたが、かかる構成を変更してもよい。例えば、同一の入賞信号に係る各確認結果を所定の確認回数分の範囲内において個別に記憶し、それら個別に記憶した確認結果において、非検知中に対応した一の確認結果と、検知中に対応した連続基準回数分の確認結果とが連続している範囲が存在している場合に入賞の発生と判定する構成としてもよい。当該構成は、連続基準回数が、タイマ割込み処理の1処理回の範囲内における同一の入賞信号の確認回数により割り切れない場合に効果的である。
(8)同一の入賞信号について、最初に非検知中に対応した入賞信号を確認し、その後に検知中に対応した入賞信号を連続基準回数に亘って確認することにより、当該入賞信号に係る入賞が発生したと判定する構成に代えて、検知中に対応した入賞信号を連続基準回数以上に亘って確認し、その後に非検知中に対応した入賞信号を確認することにより、入賞が発生したと判定する構成としてもよい。この場合、非検知中に対応した入賞信号の確認を複数回行った場合に入賞が発生したと判定する構成としてもよい。
(9)タイマ割込み処理の1処理回毎に、複数回行った入賞信号の確認結果を演算する場合に、その演算が論理積で行われる構成に限定されることはなく、最終的に「0」,「1」,「1」の場合や「1」,「1」,「0」の場合に入賞発生と判定されるのであれば、論理積以外の演算が行われる構成としてもよい。
(10)上記第1の実施の形態における入賞発生の判定に係る処理構成を、入賞の発生とは異なる事象の発生を特定するために適用してもよい。例えば、内枠13や前扉枠14の開閉の状態を特定するために適用してもよく、磁石検知センサ24aや電波検知センサ24bなどの検知結果を通じて不正行為の発生を特定する場合に適用してもよい。
また、上記第1の実施の形態における停電発生の判定に係る処理構成を、停電の発生とは異なる事象の発生を特定するために適用してもよい。例えば、内枠13や前扉枠14の開閉の状態を特定するために適用してもよく、磁石検知センサ24aや電波検知センサ24bなどの検知結果を通じて不正行為の発生を特定する場合に適用してもよい。
(11)第1の信号経路SL1の断線確認処理(図41)において、賞球コマンドが出力され出力直後フラグに「1」がセットされている状況では、断線確認用タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かに関係なく払出許可カウンタの加算が阻止される構成としてもよく、払出許可カウンタの初期化を繰り返す構成としてもよい。例えば、出力直後フラグに「1」がセットされている状況ではステップS2406の処理が実行されないようにする構成としてもよい。この場合であっても、第1の信号経路SL1において断線が発生している場合に新たな賞球コマンドが送信されてしまう可能性が低減される。
また、断線確認用タイマカウンタを通じて切換対応期間が経過したと判定された場合であっても払出許可カウンタの初期化を行わずに、その代わりに出力直後フラグに「1」がセットされている状況では払出許可カウンタの数値情報が許可基準期間に対応した数値情報(具体的には「5」)となったとしても賞球コマンドの出力設定が行われない構成としてもよい。
(12)断線確認用タイマカウンタを不具備とし、払出許可カウンタを利用して、賞球コマンドを出力してからの切換対応期間の計測を行う構成としてもよい。具体的には、払出許可カウンタは賞球コマンドが出力された場合に初期化されるとともに払出許可信号がHIレベルである場合にはタイマ割込み処理が1回実行される度に1加算されるため、その初期化した状態から払出許可信号がLOWレベルに切り換えられることなく払出許可カウンタの数値情報が切換対応期間に対応した数値情報(具体的には「3」)となった場合に、第1の信号経路SL1にて断線が発生していると判定する構成としてもよい。この場合、断線確認を行うために必要な主側RWM94の記憶容量の削減が図られる。
(13)主側MPU92において賞球コマンドを出力した直後は当該出力の対象となった賞球コマンドの種類を記憶しておき、その後に第1の信号経路SL1の断線を確認しなかった場合にはその記憶している情報を消去する一方、その後に第1の信号経路SL1の断線を確認した場合にはその記憶されている種類の賞球コマンドを断線の解消後に再度出力する構成としてもよい。この場合、第1の信号経路SL1の断線が発生した場合に、遊技球の払出が無効化されてしまう可能性が低減される。
具体的な構成としては、賞球コマンドの出力後において出力直後フラグに「1」がセットされている状況ではその出力した賞球コマンドの種類を主側RWM94に記憶しておき、出力直後フラグがクリアされた場合にその記憶されている賞球コマンドを先ず出力対象として設定する構成が考えられる。
(14)上記第1の実施の形態における第1の信号経路SL1の断線確認に係る処理を、当該第1の信号経路SL1がシリアル式ではなく、パラレル式でコマンドの送信を行う構成に対して適用してもよい。この場合であっても、払出許可信号を送信する構成を利用して、第1の信号経路SL1の断線確認を行うことができる。
また、第1の信号経路SL1の断線確認に係る処理を、払出側RWM104に電断時用電源部104から電力が供給される構成に適用してもよい。この場合であっても、複数の賞球コマンドが連続して主側MPU92から送信されないようにするために払出許可信号を利用する構成が考えられ、払出許可信号の確認を通じて断線確認を行うことができる。
(15)払出許可信号は一の賞球コマンドが出力される毎に不許可に対応した信号への切換が行われる構成に限定されることはなく、予め定められた複数の賞球コマンドが出力される毎に不許可に対応した信号への切換が行われる構成としてもよい。この場合であっても、払出許可信号の確認を通じて断線確認を行うことができる。
(16)2個の制御装置間のうち一方から許可に対応した信号が出力されている状況で他方から所定の情報を含む信号が送信され、一方の制御装置ではその信号を受信した場合に所定の処理を実行するとともに上記許可に対応した信号を不許可に対応した信号に切り換える構成を、主側MPU92から払出側MPU102に賞球コマンドを伝送するための信号経路とは異なる信号経路の断線確認用に適用してもよい。
例えば、主側MPU92から音声発光制御装置72に演出用のコマンドを送信するための信号経路における断線確認用に適用してもよい。また、音声発光制御装置72から表示制御装置121に演出用のコマンドを送信するための信号経路における断線確認用に適用してもよい。
(17)上記第1の実施の形態において、電波が検知されている状況又は監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成に限定されることはなく、一般入賞口31への入賞又は可変入賞装置32への入賞が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
また、遊技球の払出が実行されている状況で電波が検知された場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。払出装置77を通じて遊技球の払出が実行されている状況で電波を不正に出力することで、実際には遊技球の払出が行われているにも関わらず遊技球が通過していないものと払出検知センサ77bに誤検知させる不正行為が想定される。これに対して、上記のように遊技球の払出が実行されている状況で電波が検知された場合に遊技停止状態への設定が行われることで、上記不正行為が行われたにも関わらず遊技の進行が通常通りに制御されることを抑制できる。ちなみに、当該効果を奏するためには、遊技球の払出が実行されている状況が先に発生し、その後に電波が検知された場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよく、電波が検知されている状況が先に発生し、その後に遊技球の払出が開始された場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。また、払出装置77のハウジングに電磁シールド用のシートを設けることで、払出検知センサ77bへの電波の影響を抑える構成としてもよい。
また、上記以外にも、電波が検知されている状況又は監視時間の計測中に、開閉実行モードへの移行が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
(18)上記第2の実施の形態において、振動が検知されている状況又は振動用監視時間の計測中に入賞用通過部141又は有利用通過部144を遊技球が通過した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成に限定されることはない。例えば、入賞口124の遊技球の通過を検知するためのセンサが設けられている構成においては当該センサの検知結果を通じて入賞装置122内に遊技球が存在していると判定されている状況で振動が検知された場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
また、例えば可変入賞装置32において大入賞口32aを通過した先に、通過が発生することで次のラウンド遊技への継続を発生させる継続通過部と、通過が発生したとしても次のラウンド遊技への継続が発生しない非継続通過部と、それら両通過部への遊技球の振分が行われる振分領域と、が設けられた構成においては、振動が検知されている状況又は振動用監視時間の計測中に継続通過部を遊技球が通過した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよく、振動が検知されている状況又は振動用監視時間の計測中に継続通過部又は非継続通部部を遊技球が通過した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。また、大入賞口32aが開放されている状況で振動を検知した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
また、上記以外にも、振動が検知されている状況又は振動用監視時間の計測中に開閉実行モードへの移行が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。また、上記第1の実施の形態に対して振動検知センサ155を設け、振動を検知している状況で上作動口33への入賞が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
(19)上記各実施の形態において、電波又は振動を検知し、さらに作動口33,34への入賞が発生した場合又は通過部141,144を遊技球が通過した場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成に代えて、それに対応した報知のみが行われる構成としてもよい。当該構成においては、電波又は振動を検知した際の1段階目の報知は実行されない構成としてもよい。
特に、上記第1の実施の形態における電波の検知に関して当該構成を適用することで、遊技ホールの環境などで発生し易い電波を検知した場合に正規に遊技が行われている状況に対して遊技停止状態の設定が行われることが防止される。また、当該構成においてはその報知が他の異常報知に比べて遊技者にとって目立たない態様で行われる構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の上側の隅角部分や側方部分にパチンコ機10の側方に向けて光を照射する報知用発光部を設け、電波検知の報知に際しては当該報知用発光部を発光させるだけの構成とすることで、遊技者に対しては当該報知を目立たないようにして行うことができるとともに、遊技ホールの管理者に対しては当該報知を認識し易くすることができる。また、当該報知の構成に代えて又は加えて、外部出力が行われる構成としてもよい。ちなみに、かかる報知の構成を、上記第1の実施の形態における第1段階の報知に対して適用してもよい。
また、遊技停止状態への設定に代えて、発射の禁止といったように遊技の開始操作を禁止させる又は無効化させる設定、遊技球の払出といった遊技媒体の付与を禁止させる設定、大当たり抽選などといった抽選処理を禁止させる設定、及び大当たり結果を無効化させる設定の少なくとも1つが行われる構成としてもよい。
(20)上記第2の実施の形態において、入賞装置122の入賞口124が閉鎖されている状況で振動が検知された場合にも報知が行われる構成としてもよい。この場合、入賞口124が開放されている状況で振動が検知された場合の報知よりも、入賞口124が閉鎖されている状況で振動が検知された場合の報知の方が遊技者にとって目立たない態様で行われる構成としてもよい。具体的には、入賞口124が閉鎖されている状況で振動が検知された場合の報知では、上記(19)の報知用発光部を利用して報知を行う構成が考えられる。また、例えば入賞口124が閉鎖されている状況で振動が検知された場合には外部出力のみを行い、入賞口124が開放されている状況で振動が検知された場合にはパチンコ機10自身にて報知が行われる構成としてもよい。
(21)上記第2の実施の形態において、振動が検知されている状況で入賞用通過部141を遊技球が通過したとしても遊技停止状態への設定が行われない構成としてもよい。この場合、振動用監視時間は、入賞口124を通過してから有利用通過部144を通過するのに要する最長時間よりも長い時間であって、入賞口124を通過してから入賞用通過部141を通過するのに要する最長時間よりも短い時間として設定されている構成としてもよい。
(22)上記第2の実施の形態において、入賞用通過部141に代えて、遊技球の通過が発生したとしても遊技者に対して何ら特典が付与されることはなく入賞装置122内からの遊技球の排出を単に行うための排出用通過部が設けられている構成としてもよい。この場合であっても、当該排出用通過部に対して遊技球の通過を検知するためのセンサを設け、振動を検知している状況又は振動用監視時間の計測中に排出用通過部を遊技球が通過した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
また、作動口33,34への入賞に基づく抽選により当選となったことを契機として開閉片125が開放状態となるのではなく、所定の入球部に遊技球が入球したことを契機として開閉片125が開放状態となるパチンコ機に対して、上記第2の実施の形態における振動検知に係る構成を適用してもよい。
(23)多数のタイマカウンタTC1〜TC10の更新を集約して行うタイマ更新処理(図17)を、タイマ割込み処理(図9)の最初の処理として実行する構成としてもよい。この場合、定期的に開始されるタイマ割込み処理の最初のタイミングでタイマ更新処理が実行されるため、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新間隔の更なる一定化が図られる。
また、タイマ更新処理がタイマ割込み処理におけるステップS206の処理よりも先に実行される構成としてもよい。この場合、遊技停止状態に設定されている状況であっても各タイマカウンタTC1〜TC10の更新を継続することが可能となる。
(24)タイマ更新処理による更新対象であるタイマカウンタTC1〜TC10を、減算式とするのではなく加算式としてもよい。但し、当該構成においては、タイマカウンタTC1〜TC10を利用した期間の計測が行われていない状況で当該タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報が加算され続けることを抑制するために、各タイマカウンタTC1〜TC10に対して個別に数値情報の上限値が設定されている構成としてもよい。又は、各タイマカウンタTC1〜TC10に対して個別に計測中フラグのエリアを用意しておき、当該計測中フラグに「1」がセットされているタイマカウンタTC1〜TC10のみ数値情報を加算する構成としてもよい。
また、タイマ更新処理では減算式のタイマカウンタ及び加算式のタイマカウンタの両方について数値情報の更新を行う構成としてもよい。この場合であっても、加算式のタイマカウンタについては上記のように数値情報が加算され続けないような構成を適用するとよい。
(25)タイマ更新処理による更新対象となるタイマカウンタは、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4及び8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に限定されることはなく、8ビットよりも少ないビット数のタイマカウンタや、8ビット〜16ビットの範囲に含まれるビット数のタイマカウンタや、16ビットよりも多いビット数のタイマカウンタであってもよい。
また、タイマ更新処理では、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4よりも先に更新対象となる構成としてもよい。この場合、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10のアドレスが16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のアドレスよりも小さい数値情報となるように各アドレスの設定を行うとともに、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスは読み出すが残りのアドレスはタイマアドレスを利用した演算により都度導出する構成としてもよい。
(26)上記第1の実施の形態では、デモ表示用処理(ステップS217)が特図特電制御処理(ステップS214)とは別に設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、デモ表示用処理が特図特電制御処理に含まれている構成としてもよい。この場合、デモ表示は遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードが実行されていない状況で実行されるため、デモ表示用処理はステップS1307の特図変動開始処理に含まれており、特図特電カウンタの数値情報が「0」であって保留情報が取得されていない状況でデモ表示用処理のステップS2202〜ステップS2208の処理が実行される構成とするとよい。
(27)特図特電カウンタの数値情報は、遊技回用の演出及び開閉実行モードにより構成される一連の遊技状況の各区分に対してその進行順序に即して昇順となるように設定されているが、各区分の状況に係る各処理の数値情報の間隔が「1」ではない構成としてもよい。この場合、当該数値情報の間隔が「2」以上の同一の数値である構成としてもよく、処理間ごとに数値が不規則である構成としてもよい。但し、特図特電カウンタの数値情報の更新に係る処理の簡素化を図る上では、上記数値情報の間隔が同一の数値である構成が好ましい。なお、これは普図普電カウンタの数値情報についても同様である。
(28)特図特電カウンタの数値情報は、遊技回用の演出及び開閉実行モードにより構成される一連の遊技状況の各区分に対してその進行順序に即して降順となるように設定されている構成としてもよい。この場合、各区分の状況に係る各処理の数値情報の間隔が「1」である構成としてもよく、「2」以上の数値であってもよい。
また、各状況の進行順序に対して数値情報の設定が、昇順や降順といった規則的なものではなく、不規則に行われている構成としてもよい。この場合、ステップS1307〜ステップS1313の各処理では、遷移先の状況に対応した数値の加算や減算が特図特電カウンタに対して行われるようにする必要がある。これは、上記(27)の場合においても同様である。なお、これは普図普電カウンタの数値情報についても同様である。
(29)開閉実行モードではその移行の契機となった遊技結果やその直前の遊技状態に関係なく下作動口34の電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードに設定される構成においては、普図普電制御処理(ステップS215)にて特図特電カウンタの数値情報が「3」以上であるか否かを判定することで、開閉実行モード中であるか否かを判定する構成としてもよい。また、開閉実行モードであってもエンディング期間中は、移行の契機となった遊技結果や直前の遊技状態に応じて、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される構成においては、普図普電制御処理にて特図特電カウンタの数値情報が「3」以上であって「5」以下であることを確認した場合にサポートモードを低頻度サポートモードに設定し、「6」であることを確認した場合にサポートモードを高頻度サポートモードに設定する構成としてもよい。これらの場合、特図特電カウンタの数値情報を利用して、電動役物34aの制御を行うことができるとともに、3種類以上の状況に含まれているか否かの判定を、1の数値情報を参照することで又は2の数値情報を参照することで把握することができ、当該判定に際しての処理負荷の軽減が図られる。
(30)遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モードのオープニング中である状況で、作動口33,34などの所定の入賞部に遊技球が入賞した場合といった追加条件が成立した場合には、特別な演出が実行される構成としてもよい。この場合、特図特電カウンタが「1」以上であって「3」以下であることを確認することで、遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モードのオープニング中のいずれかの状況であるかを把握することができる。
(31)上記第1の実施の形態では、特電開放中処理(ステップS1311)と特電閉鎖中処理(ステップS1312)とに対して、特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されていたが、これに代えて、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理が、特図特電カウンタの一の数値情報のみが設定された一の処理として設定されている構成としてもよい。この場合、特図特電カウンタの数値情報の更新に際しては1加算又は初期化のみを実行すればよいため、当該更新に係る処理の簡素化が図られる。
ちなみに、当該構成を、各状況の進行順序に対して特図特電カウンタの数値情報の設定が降順で設定されている構成に対して適用することで、特図特電カウンタの数値情報の更新に際しては1減算又は初期化のみを実行すればよいこととなる。
(32)上記第1の実施の形態では、特図変動中処理(ステップS1308)と特図確定中処理(ステップS1309)とに対して、特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されていたが、これに代えて、特図変動中処理及び特図確定中処理が、特図特電カウンタの一の数値情報のみが設定された一の処理として設定されている構成としてもよい。
また、特電変動中処理が、非リーチ用の処理と、リーチ発生後の処理とに区別されており、それら各処理に対して特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されている構成としてもよい。
また、特電開放中処理が、開放時間が長い場合の処理と、開放時間が短い場合の処理とに区別されており、それら各処理に対して特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されている構成としてもよい。
(33)特図特電カウンタの数値情報を更新するための処理が、ステップS1307〜ステップS1313の処理とは別に設定されている構成としてもよい。また、特図特電タイマカウンタを更新する処理が、ステップS1307〜ステップS1313の各処理にそれぞれ含まれている構成としてもよい。
(34)メイン処理(図8)では復電時の処理以降はステップS110〜ステップS113の処理が繰り返される構成としたが、ステップS207〜ステップS221の処理の一部がタイマ割込み処理(図9)ではなくメイン処理に設定されており、当該処理が復電時の処理以降に実行される構成としてもよい。この場合であっても、上記第1の実施の形態における特徴的な構成を適用することで、当該特徴的な構成に付随した効果を奏することができる。
(35)払出側MPU102において払出許可信号のLOWレベルからHIレベルへの切り換えの契機となる許可基準数が、1回の入賞に対する最小賞球数よりも大きい数であって、次に多い賞球数又は最大賞球数よりも少ない数であってもよい。この場合、主側MPU92から3個賞球コマンドが出力されたとしても払出許可信号がLOWレベルに切り換えられない状況が起こり得る。したがって、3個賞球コマンドを出力した場合には、主側MPU92において断線確認処理を実行しない構成としてもよい。但し、開閉実行モードではない通常の遊技状態において断線確認処理が実行されることが好ましいため、許可基準数は、当該通常の遊技状態であっても入賞が発生し得る入球部(例えば、一般入賞口31)に対応した賞球数よりも小さい数に設定されていることが好ましい。
(36)センターフレーム42などに演出用の可動物を設けるとともに、遊技回用の演出や開閉実行モードの演出として当該可動物を動作させるだけでなく、遊技球の発射が行われていない状況が所定期間に亘って継続した場合にも当該可動物を動作させる構成としてもよい。この場合であっても、主側MPU92には電源及び発射制御装置79から条件成立信号が入力されているため、可動物が動作している状況で発射操作が開始された場合には当該発射操作の開始を契機として可動物の動作を終了して非動作位置に収容することができる。
(37)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル55の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(38)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となる場合には上記実施形態のような遊技結果の振分が行われるが、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となり大当たり当選となった場合には最有利大当たり結果又は低確大当たり結果Cのいずれかに振り分けられる構成としてもよい。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(39)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置72により表示制御装置121が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置121が音声発光制御装置72を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置72と表示制御装置121とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音声発光制御装置72に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置72から表示制御装置121に出力されるコマンドの構成も任意である。
(40)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(41)上記各実施の形態では、主制御装置71において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置71において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置71では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
(42)上記各実施の形態では、メイン表示部43において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、メイン表示部43を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であってもメイン表示部43において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、メイン表示部43において停止結果がランダムに表示されることで、結果的にメイン表示部43の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(43)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.所定の事象(一般入賞口31への入賞、可変入賞装置32への入賞、上作動口33への入賞、下作動口34への入賞、スルーゲート35への入賞、電断遮断)の発生を検知する検知手段(入賞用検知センサ31a〜35b、停電監視基板96)と、当該検知手段における検知結果に対応した結果対応信号を受信するとともに当該受信結果が前記検知手段にて前記所定の事象の発生を検知したことに対応した発生受信結果であったことに基づき特別処理(主側MPU92におけるステップS509〜ステップS517の処理、主側MPU92におけるステップS309〜ステップS312の処理)を実行する制御手段(主側MPU92)と、を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
受信している前記結果対応信号の内容を確認する内容確認処理(主側MPU92におけるステップS401及びステップS403、主側MPU92におけるステップS303及びステップS304)を実行する内容確認手段(主側MPU92におけるステップS401〜ステップS403及びステップS502〜ステップS508の処理を実行する機能、主側MPU92におけるステップS301〜ステップS307の処理を実行する機能)と、
前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認される前記内容確認処理が複数回実行されたことに基づいて前記特別処理を実行する特別処理実行手段(主側MPU92におけるステップS509〜ステップS517の処理を実行する機能、主側MPU92におけるステップS308〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、定期的に実行される定期処理(主側MPU92におけるタイマ割込み処理)において前記内容確認処理及び前記特別処理を実行する構成であり、
前記内容確認手段は、前記定期処理の1処理回の範囲内において、同一の前記検知手段の前記結果対応信号に対する前記内容確認処理を複数回実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、結果対応信号の内容が発生受信結果であると確認される内容確認処理が複数回実行されたことに基づいて特別処理が実行されるため、検知手段の検知結果について電気的なノイズの影響が低減される。この場合に、同一の検知手段の結果対応信号に対する内容確認処理が定期処理の1処理回の範囲内において複数回実行される。これにより、定期処理が実行されるタイミングの設計の自由度が低下することを抑えながら上記のような効果を奏することができる、又は検知対象の事象が発生していると最初に特定されてから特別処理を開始するまでの時間設定の自由度が低下することを抑えながら上記のような効果を奏することができる。
以上より、検知手段において検知対象となっている事象の発生に対する処理の実行を良好に行うことが可能となる。
特徴A2.前記内容確認手段は、
前記定期処理の1処理回の範囲内において前記内容確認処理として第1の確認処理(主側MPU92におけるステップS401)を実行する第1確認手段(主側MPU92におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
前記定期処理の1処理回の範囲内において前記第1の確認処理よりも後のタイミングで前記内容確認処理として第2の確認処理(主側MPU92におけるステップS403)を実行する第2確認手段(主側MPU92におけるステップS403の処理を実行する機能)と、
前記定期処理の1処理回の範囲内において前記第1の確認処理が実行された後に前記第2の確認処理が開始されるまでに、所定の期間以上要するようにさせる期間設定手段(主側MPU92におけるステップS402の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
定期処理の1処理回の範囲内で同一の検知手段の結果対応信号に対する内容確認処理を複数回実行する構成においては、実際には検知対象となっている事象が発生していないにも関わらず、電気的なノイズの影響で発生受信結果となっている状態を複数回に亘って確認してしまうことが懸念される。これに対して、特徴A2によれば、第1の確認処理が実行された後に第2の確認処理が実行されるまでに、所定の期間以上要するように構成されている。これにより、上記のように発生受信結果であることを複数回に亘って誤認してしまう可能性が低減され、結果的に実際には検知対象となっている事象が発生していないにも関わらず特別処理が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴A3.前記期間設定手段は、前記所定の期間の間、前記制御手段において処理の実行待ち状態となるようにするものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1の確認処理が実行された後に第2の確認処理が実行されるまでに所定の期間以上要するようにされた構成において、当該所定の期間は制御手段における処理の実行待ち状態となる。これにより、所定の期間が変動してしまうことが抑えられ、第1の確認処理と第2の確認処理との実行間隔の一定化が図られることを通じて、検知対象の事象が発生してから特別処理が開始されるまでに要する時間が状況によって大きく変動してしまうことが抑えられる。
特徴A4.前記特別処理実行手段は、前記定期処理の一の処理回において前記第1の確認処理及び前記第2の確認処理の少なくとも一方で前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果ではないと確認され、且つ当該処理回の直前又は次の処理回における前記定期処理にて前記第1の確認処理及び前記第2の確認処理の両方において前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認されたことに基づいて、それら連続する2回の定期処理の処理回のうち後側の処理回にて前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、検知対象の事象が1回発生したことに対して特別処理が複数回実行されることを抑制しながら、検知対象の事象が発生した場合には定期処理の2回の処理回の範囲内で特別処理を開始することができる。
特徴A5.前記制御手段は、前記結果対応信号が入力されるとともに、その入力情報としてデータ0又はデータ1が記憶され、さらにそれらデータ0及びデータ1の一方が前記発生受信結果である入力情報となり他方が前記発生受信結果ではない入力情報となるように構成された入力手段(入力ポート92a)を備えており、
前記内容確認手段は、
前記定期処理の1処理回の範囲内において前記第1の確認処理及び前記第2の確認処理を含めた各確認処理にて確認された各入力情報を利用して所定の演算処理(主側MPU92におけるステップS503)を実行する演算実行手段(主側MPU92におけるステップS503の処理を実行する機能)と、
当該演算実行手段における演算結果の情報を結果記憶手段(第1演算後エリアWA3、第2演算後エリアWA4)に記憶させる記憶実行手段(主側MPU92におけるステップS504の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記特別処理実行手段は、前記定期処理の一の処理回における前記演算結果の情報が前記各確認処理の少なくとも一部の処理で前記発生受信結果ではない入力情報であると確認された場合の情報であり、且つ当該処理回の直前又は次の処理回における前記定期処理にて前記各確認処理の全てにおいて前記発生受信結果である入力情報であると確認された場合の情報であることに基づいて、前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、同一の演算処理を定期処理の各処理回で実行することで、上記特徴A5にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A6.前記内容確認手段は、前記定期処理の1処理回の範囲内において前記内容確認処理を3回以上の複数回として定められた確認基準回数実行するものであり、
前記特別処理実行手段は、
前記内容確認処理が前記確認基準回数実行された場合において、前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認された回数が当該確認基準回数よりも少ない数の複数回として定められた契機基準回数以上であることを特定する契機特定手段(主側MPU92におけるステップS308の処理を実行する機能)と、
当該契機特定手段により前記契機基準回数以上であることが特定された場合に前記特別処理を実行する特定後実行手段(主側MPU92におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特別処理が実行されるには、3回以上の複数回として定められた確認基準回数分の内容確認処理のうち全てにおいて発生受信結果であると確認される必要はなく、確認基準回数よりも少ない数の複数回として定められた契機基準回数以上、発生受信結果であると確認されればよい。これにより、実際には検知対象となっている事象が発生しているにも関わらず、電気的なノイズの影響で発生受信結果となっていない状態を単発的に確認したとしても、当該事象の発生に対して特別処理を実行することができる。
また、上記のように検知対象の事象の発生に対して特別処理が実行されるために3回以上の複数回として定められた確認基準回数分の内容確認処理が実行される必要がある構成において、当該確認基準回数分の内容確認処理は定期処理の1処理回の範囲内にて実行される。これにより、検知対象の事象の発生に対して特別処理が開始されるまでの時間が長時間化してしまうことを抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
特徴A7.前記特定後実行手段は、前記契機特定手段により前記契機基準回数以上であることが特定された場合に、その特定が行われた前記定期処理の処理回において前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特徴A6の作用効果にて説明したように、電気的なノイズの影響で発生受信結果となっていない状態を単発的に確認したとしても、当該事象の発生に対して特別処理を実行することができるようにした構成において、検知対象の事象が発生した場合には定期処理の1処理回の範囲内で特別処理を開始することができる。
特徴A8.前記検知手段は、動作電力が前記制御手段に供給されなくなることを検知する電断検知手段(停電監視基板96)であり、
前記特定後実行手段は、前記特別処理として、復電後において電断前の状態への復帰を可能とする電断時処理(主側MPU92におけるステップS309〜ステップS312)を実行するものであることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
電断時処理が実行された場合には遊技の進行が中断されることとなるため電気的なノイズの影響で電断時処理が実行されてしまうことは好ましくなく、その一方、電断が発生した場合にそれに対して電断時処理が実行されないと復電後において電断前の状態への復帰が不可となるため、好ましくない。これに対して、上記特徴A6の構成を適用することで、電気的なノイズの影響で電断時処理が実行されてしまう可能性が低減されるとともに、電断が発生した場合において電断時処理が実行されない可能性が低減される。さらにまた、動作電力が制御手段に供給されなくなった場合にそれに対して早期に電断時処理を実行することができる。
上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、遊技の進行を制御する制御装置を備えている。当該制御装置に対して各種センサやスイッチといった検知装置から信号が出力され、制御装置ではこの入力した信号に基づいて各種制御を実行する。なお、検知装置としては、例えば遊技媒体が所定の通過部を通過したことを検知するセンサ、遊技機の電断の発生を監視する監視回路、及び不正などに係る所定の外部要因の発生を監視するセンサなどが存在している。
検知装置は制御装置に対して例えば電気配線を通じて接続されており、対応する事象の発生に応じて検知装置から制御装置に対してその事象の発生を示す信号が出力される。そして、この信号に基づいて制御装置では所定の制御を実行する。
上記制御装置は入力ポート等の入力部を備えており、上記検知装置からの信号は当該入力部に入力される。例えば、入力部が複数ビットを有してなる構成においては、一の検知装置からの信号は入力部の一のビットに対して入力される。そして、そのビットには基本的に「0」が格納されており、上記事象の発生を示す信号を検知装置から入力している場合に検知情報として「1」が格納される。
制御装置は、例えば複数の処理を含むループ処理を実行するようにプログラム上設定されているとともに、当該ループ処理を所定の周期で繰り返し開始するように設定されており、当該ループ処理内にて上記ビットに格納されている情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する。そして、その判定結果に基づいて、上記事象の発生の有無を特定する。
ここで、遊技機においては電波や静電気などのノイズが発生することがあり、当該ノイズが検知装置や上記入力部に及ぶと、実際には上記事象が発生していないにも関わらず、制御装置において当該事象が発生したものと特定してしまうおそれがある。これに対して、入力部に上記検知情報が格納されていることが確認された場合に即座に事象発生と特定するのではなく、上記検知情報が格納されていることが所定の期間に亘って確認された場合に事象発生と特定する構成とすることで上記ノイズの影響が低減されると考えられる。
しかしながら、このような確認を単純に行おうとすると、例えば上記のようなループ処理との関係で問題が生じてしまうことが考えられ、また当該問題に代えて又は加えて、ノイズの影響の低減が良好に行えないことが考えられる。
<特徴B群>
特徴B1.所定の事象(電源遮断)の発生を検知する検知手段(停電監視基板96)と、当該検知手段における検知結果に対応した結果対応信号を受信するとともに当該受信結果が前記検知手段にて前記所定の事象の発生を検知したことに対応した発生受信結果であったことに基づき特別処理(主側MPU92におけるステップS309〜ステップS312の処理)を実行する制御手段(主側MPU92)と、を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
受信している前記結果対応信号の内容を確認する内容確認処理(主側MPU92におけるステップS303及びステップS304)を実行する内容確認手段(主側MPU92におけるステップS301〜ステップS307の処理を実行する機能)と、
前記内容確認処理の処理結果が、前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認された結果であることに基づいて前記特別処理を実行する特別処理実行手段(主側MPU92におけるステップS308〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
を備えており、
当該特別処理実行手段は、
前記内容確認処理が3回以上の複数回として定められた確認基準回数実行された場合において、前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認された回数が当該確認基準回数よりも少ない数の複数回として定められた契機基準回数以上であることを特定する第1契機特定手段(主側MPU92におけるステップS308の処理を実行する機能)と、
当該第1契機特定手段により前記契機基準回数以上であることが特定された場合に前記特別処理を実行する第1特定後実行手段(主側MPU92におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特別処理が実行されるのは、3回以上の複数回として定められた確認基準回数分の内容確認処理のうち全てにおいて発生受信結果であると確認される必要はなく、確認基準回数よりも少ない数の複数回として定められた契機基準回数以上、発生受信結果であると確認されればよい。これにより、実際には検知対象となっている事象が発生しているにも関わらず、電気的なノイズの影響で発生受信結果となっていない状態を単発的に確認したとしても、当該事象の発生に対して特別処理を実行することができる。
特徴B2.前記検知手段は、動作電力が前記制御手段に供給されなくなることを検知する電断検知手段であり、
前記第1特定後実行手段は、前記特別処理として、復電後において電断前の状態への復帰を可能とする電断時処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
電断時処理が実行された場合には遊技の進行が中断されることとなるため電気的なノイズの影響で電断時処理が実行されてしまうことは好ましくなく、その一方、電断が発生した場合にそれに対して電断時処理が実行されないと復電後において電断前の状態への復帰が不可となるため、好ましくない。これに対して、上記特徴B1の構成を適用することで、電気的なノイズの影響で電断時処理が実行されてしまう可能性が低減されるとともに、電断が発生した場合において電断時処理が実行されない可能性が低減される。
特徴B3.前記検知手段として、前記所定の事象として第1の事象(電源遮断)の発生を検知する第1検知手段(停電監視基板96)と、前記所定の事象として第2の事象(一般入賞口31への入賞、可変入賞装置32への入賞、上作動口33への入賞、下作動口34への入賞、スルーゲート35への入賞)の発生を検知する第2検知手段(入賞用検知センサ31a〜35b)と、を備えており、
前記第1契機特定手段は、前記第1検知手段における検知結果についての前記内容確認処理が前記確認基準回数実行された場合において、それら内容確認処理にて前記第1検知手段に係る前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると確認された回数が前記契機基準回数以上であることを特定するものであるとともに、
前記第1特定後実行手段は、前記第1契機特定手段により前記契機基準回数以上であることが特定された場合に、前記特別処理として前記第1の事象の発生に対応した第1特別処理を実行するものであり、
さらに、前記第2検知手段における検知結果についての前記内容確認処理が複数回実行された場合において、それら内容確認処理にて前記第2検知手段に係る前記結果対応信号の内容が前記発生受信結果であると連続して確認された回数が複数回として定められた連続基準回数以上であることを特定する第2契機特定手段(主側MPU92におけるステップS502〜ステップS508の処理を実行する機能)と、
当該連続特定手段により前記連続基準回数以上であることが特定された場合に、前記第2の事象の発生に対応した第2特別処理(主側MPU92におけるステップS509〜ステップS517の処理)を実行する第2特定後実行手段(主側MPU92におけるステップS509〜ステップS517の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、検知対象となる事象の種類に応じて、特別処理の実行条件として、発生受信結果の連続性を必須とする場合と必須としない場合とに振り分けることが可能となる。これにより、検知対象となる事象の種類に応じて適切に特別処理を実行することができる。
特徴B4.前記連続基準回数は前記契機基準回数よりも少ない数に設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1の事象については発生受信結果の確認の連続性を必須としないことに対応させて契機基準回数を多く設定することで、確認の精度の向上が図られる。その一方、第2の事象については発生受信結果の確認の連続性を必須とすることに対応させて連続基準回数を契機基準回数よりも少ない数に設定することで、実際には第2の事象が発生しているにも関わらず電気的なノイズの影響で発生受信結果となっていない状態を単発的に確認してしまい第2特別処理が実行されなくなってしまうという事態の発生を抑えることが可能となる。
特徴B5.前記第2検知手段は複数設けられているとともに、前記第2契機特定手段による特定の処理及び前記第2特定後実行手段による前記第2特別処理は各第2検知手段に対して個別に実行される構成であり、
前記第1検知手段の数は前記第2検知手段の数よりも少ないことを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記特徴B4の構成を備え、契機基準回数の方が連続基準回数よりも多い数に設定されているため、第1特別処理の実行契機を判定するために必要な記憶領域の容量は第2特別処理の実行契機を判定するために必要な記憶領域の容量に比べて多くなりやすい。これに対して、特徴B5によれば、第1検知手段の数は第2検知手段の数よりも少ない数に設定されているため、遊技機において必要な記憶領域の容量の削減が図られる。
上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、遊技の進行を制御する制御装置を備えている。当該制御装置に対して各種センサやスイッチといった検知装置から信号が出力され、制御装置ではこの入力した信号に基づいて各種制御を実行する。なお、検知装置としては、例えば遊技媒体が所定の通過部を通過したことを検知するセンサ、遊技機の電断の発生を監視する監視回路、及び不正などに係る所定の外部要因の発生を監視するセンサなどが存在している。
検知装置は制御装置に対して例えば電気配線を通じて接続されており、対応する事象の発生に応じて検知装置から制御装置に対してその事象の発生を示す信号が出力される。そして、この信号に基づいて制御装置では所定の制御を実行する。
上記制御装置は入力ポート等の入力部を備えており、上記検知装置からの信号は当該入力部に入力される。例えば、入力部が複数ビットを有してなる構成においては、一の検知装置からの信号は入力部の一のビットに対して入力される。そして、そのビットには基本的に「0」が格納されており、上記事象の発生を示す信号を信号出力装置から入力している場合に検知情報として「1」が格納される。
制御装置は、例えば複数の処理を含むループ処理を実行するようにプログラム上設定されているとともに、当該ループ処理を所定の周期で繰り返し開始するように設定されており、当該ループ処理内にて上記ビットに格納されている情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する。そして、その判定結果に基づいて、上記事象の発生の有無を特定する。
ここで、遊技機においては電波や静電気などのノイズが発生することがあり、当該ノイズが検知装置や上記入力部に及ぶと、実際には上記事象が発生していないにも関わらず、制御装置において当該事象が発生したものと特定してしまうおそれがある。これに対して、入力部に上記検知情報が格納されていることが確認された場合に即座に事象発生と特定するのではなく、上記検知情報が格納されていることが所定の期間に亘って連続して確認された場合に事象発生と特定する構成とすることで、上記ノイズの影響が低減されると考えられる。
しかしながら、検知対象となっている事象の発生を連続して確認することを必須のものとすると、当該事象の内容によっては、当該事象の発生に対応した処理を良好に実行できないおそれがある。
<特徴C群>
特徴C1.第1制御手段(主側MPU92)と第2制御手段(払出側MPU102)との間で双方向通信が行われることを通じて遊技の進行が制御される遊技機であって、
前記双方向通信のうち前記第1制御手段が出力元となった情報が伝送される第1通信手段(第1の信号経路SL1)と、
前記双方向通信のうち前記第2制御手段が出力元となった情報が伝送される第2通信手段(第3の信号経路SL3)と、
を備えており、
前記第1制御手段は、前記第2通信手段を通じて許可情報(HIレベルの払出許可信号)を受信している状況で前記第1通信手段に対して特定情報(賞球コマンド)の出力設定を行う第1出力設定手段(主側MPU92におけるステップS2506の処理を実行する機能)を備えており、
前記第2制御手段は、
前記第1通信手段を通じて前記特定情報を受信したことに基づいてそれに対応した特定対応処理(払出側MPU102におけるステップS2609〜ステップS2611の処理)を実行する特定対応実行手段(払出側MPU102におけるステップS2609〜ステップS2611の処理を実行する機能)と、
前記第2通信手段に対して前記許可情報の出力設定を行うとともに当該許可情報を出力している状況において前記特定情報を受信したことに基づいて当該許可情報の出力が停止されるようにその出力設定を変更する第2出力設定手段(払出側MPU102におけるステップS2607及びステップS2612〜ステップS2614の処理を実行する機能)と、
を備えており、
さらに、前記第1制御手段は、前記第1出力設定手段にて前記特定情報の出力設定が行われた後に前記許可情報の受信が終了されないことに基づいて、予め定められた非終了対応処理(主側MPU92におけるステップS2703〜ステップS2707の処理)を実行する非終了対応実行手段(主側MPU92における断線確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1制御手段は許可情報を受信している状況で特定情報の出力設定を行い、第2制御手段は特定情報を受信したことに基づいてそれに対応した特定対応処理を実行するとともに許可情報の出力が停止されるようにしてさらなる特定情報の出力を第1制御手段に禁止させる。これにより、特定対応処理を良好に実行することができる。
この場合に、第1制御手段は、特定情報の出力設定を行った後に許可情報を継続して受信している場合に非終了対応処理を実行する。これにより、第1通信手段において通信異常が発生している場合にそれに対処することができる。
特に、本構成では、第2制御手段において第1通信手段に通信異常が発生しているか否かを特定するための構成を別途設ける必要がなく、特定対応処理を上記のように良好に実行するための通信の構成を利用して通信異常に対処することができる。
以上より、複数の制御手段間の通信異常に対して良好に対処可能となる。
特徴C2.前記第1出力設定手段は、複数ビットの情報である前記特定情報がシリアルで伝送されるように出力設定を行うものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、シリアル方式で特定情報の伝送が行われることにより、特定情報を伝送するための信号経路の数を抑えられる。但し、このようにシリアルで特定情報の伝送が行われる構成においてはパラレルで特定情報の伝送が行われる構成に比べて、その信号経路にて断線などの通信異常が発生している場合に第2制御手段にてその事実を特定することが難しい。これに対して、上記特徴C1の構成を備えていることにより、当該通信異常に対して良好に対処可能となる。
特徴C3.前記非終了対応実行手段は、前記第1出力設定手段にて前記特定情報の出力設定が行われた後に前記許可情報の受信が継続している間、前記非終了対応処理として、前記特定情報の出力を禁止するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1通信手段にて通信異常が発生しているにも関わらず、特定情報の出力設定が行われ続けることを抑制できる。
特徴C4.前記第1出力設定手段は、
前記許可情報の受信を開始してからその受信を継続している期間を計測する許可受信計測手段(払出許可カウンタ)と、
当該許可受信計測手段にて計測されている期間が予め定められた許可基準期間となったことに基づいて前記特定情報の出力設定を行う出力設定実行手段(主側MPU92におけるステップS2506の処理を実行する機能)と、
当該出力設定実行手段により前記特定情報の出力設定が行われる場合に前記許可受信計測手段にて計測されている期間の情報を初期化する初期化実行手段(主側MPU92におけるステップS2505の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記非終了対応実行手段は、前記非終了対応処理として、前記出力設定実行手段により前記特定情報の出力設定が行われてから前記許可基準期間よりも短い切換対応期間が経過した場合に、前記特定情報の出力を禁止するものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1制御手段では許可情報を受信したとしても直ちに特定情報を送信するのではなく、許可情報の受信を許可基準期間に亘って継続した場合に特定情報を送信する。これにより、第2制御手段においては許可情報の出力設定を行っていないにも関わらず電気的なノイズなどの影響で許可情報を受信している状況が単発的に発生した場合に、それに対して特定情報の出力設定が行われてしまうことを抑制できる。
また、特定情報の出力設定が行われた場合には許可受信計測手段にて計測されている期間の情報が初期化されるとともに、当該出力設定後において許可情報の受信を継続している場合には許可基準期間よりも短い切換対応期間が経過した場合に特定情報の出力を禁止する。これにより、第1通信手段に通信異常が発生している場合には特定情報の新たな出力を阻止することができるとともに、かかる阻止を上記のような特定情報の出力設定に対するノイズの影響を抑える構成を利用して実現することができる。
特徴C5.前記第1出力設定手段にて前記特定情報の出力設定が行われてから前記第2制御手段にて当該特定情報の受信が正常に行われ且つ前記第2出力設定手段にて前記許可情報の出力が停止されてそれが前記第1制御手段にて認識されるまでに最長で所定期間を要する構成であり、
前記切換対応期間は、前記所定期間よりも長い期間であることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1通信手段に通信異常が発生している場合に特定情報の新たな出力を阻止することを切換対応期間の計測を利用して実現する構成において、第1通信手段に通信異常が発生していない状況で許可情報の出力停止を第1制御手段にて認識するまでに要する所定期間よりも長い期間として切換対応期間が設定されている。これにより、第1通信手段に通信異常が発生していない状況で特定情報の新たな出力を禁止するための処理が実行されることを抑制できる。
特徴C6.前記非終了対応実行手段は、前記許可受信計測手段に計測されている期間が前記許可基準期間となることを阻止することで、前記特定情報の出力を禁止するものであることを特徴とする特徴C4又はC5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1通信手段に通信異常が発生している状況で特定情報の新たな出力を禁止することを、特定情報の出力設定に対するノイズの影響を抑える構成を利用して実現することができる。
特徴C7.前記第1出力設定手段にて前記特定情報の出力設定が行われてから前記第2制御手段にて当該特定情報の受信が正常に行われ且つ前記第2出力設定手段にて前記許可情報の出力が停止されてそれが前記第1制御手段にて認識されるまでに最長で所定期間を要する構成であり、
前記非終了対応実行手段は、前記非終了対応処理として、所定の報知が実行されるようにするための報知用処理(主側MPU92におけるステップS2705及びステップS2706の処理)を実行する報知実行手段(主側MPU92におけるステップS2705及びステップS2706の処理を実行する機能)を備え、
当該報知実行手段は、前記第1出力設定手段にて前記特定情報の出力設定が行われてから前記所定期間よりも長い期間が経過した状況であっても前記許可情報の受信が終了されない場合に前記報知用処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、特定情報の出力設定を行った後に許可情報の受信が継続している場合には所定の報知が実行される。これにより、第1通信手段にて通信異常が発生していることを遊技ホールの管理者などに認識させることが可能となる。当該構成において、第1通信手段に通信異常が発生していない状況で許可情報の出力停止を第1制御手段にて認識するまでに要する所定期間よりも長い期間に亘って許可情報の受信を継続した場合に上記所定の報知を実行するための処理が行われる。これにより、第1通信手段に通信異常が発生していない状況で上記所定の報知が無駄に実行されてしまうことを抑制できる。
特徴C8.前記特定情報は、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて前記第1出力設定手段にて出力対象として設定される払出指令情報(賞球コマンド)であり、
前記特定対応実行手段は、前記払出指令情報を受信したことに基づいて、前記特定対応処理として、その受信した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置77)を駆動制御する処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1通信手段に通信異常が発生しているにも関わらず払出指令情報が送信され続けることを抑制できる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
特徴C9.電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部114)を備えており、
前記第1制御手段は、
前記遊技内容が前記払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側MPU92における入賞判定処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報(3個賞球カウンタの数値情報、15個賞球カウンタの数値情報及び10個賞球カウンタの数値情報)を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける第1側記憶手段(主側RWM94)と、
を備えており、
前記第1出力設定手段は、前記第1側記憶手段に前記賞情報が記憶されていることを一の条件として、前記払出指令情報を出力対象として設定するものであり、
前記第2制御手段は、前記払出指令情報を受信したことに基づいて当該払出指令情報に対応した賞払出数情報(賞球数の情報)を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない第2側記憶手段(払出側RWM104)を備えており、
前記特定対応実行手段は、前記第2側記憶手段に前記賞払出数情報が記憶されていることに基づいて、その賞払出数情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように前記払出手段を駆動制御する処理を実行するものであり、
前記第2出力設定手段は、前記第2側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている場合には前記許可情報の出力設定を行わないものであることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、第1側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、第2側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、第1側記憶手段及び第2側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時の記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。但し、このように第2側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、電断状態となると第2側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。これに対して、第2制御手段は第2側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている場合には許可情報の出力設定を行わない。これにより、第2側記憶手段に記憶される未払出の情報はある程度の媒体数に抑えられ、電断状態となった際に上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
上記構成において特定情報の出力設定が行われた後に許可情報の受信が終了されないことに基づいて非終了対応処理を実行するようにすることで、電断状態となった際に未払出の情報の全てが消去されてしまうことを抑制する構成を利用しながら、第1通信手段の通信異常に対処することが可能となる。
上記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、複数の制御装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、複数の制御装置間で通信を行いながら各制御装置にて所定の制御が実行されることで遊技の進行が制御される。
これら複数の制御装置を備える構成として、例えばパチンコ遊技機では、主制御装置と払出制御装置とを備えている。主制御装置では遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したか否かの入球判定が行われ、遊技球の払出に係る入球部への入球が発生した場合には主制御装置から払出制御装置へ賞球コマンドが出力される。払出制御装置は賞球コマンドに対応した個数の遊技球が払い出されるように、払出装置を駆動制御する。
ここで、上記のように複数の制御装置を備える構成においては、通信異常が発生することが考えられる。例えば複数の制御装置が電気配線を通じて接続されている構成においては、当該電気配線の断線や、電気配線と制御装置との接続部分の異常が生じることが考えられる。
この場合、その異常な状態が維持されてしまうと、遊技の進行が良好に制御されなくなり、例えば遊技者に不利益を与えてしまう可能性もある。そうすると、上記のような通信異常が発生した場合にそれに対処可能である構成とすることが好ましいが、当該構成を適用するために通信に係る構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくない。
<特徴D群>
特徴D1.異常要因(第1の実施の形態では電波、第2の実施の形態では振動)の発生を検知する異常検知手段(第1の実施の形態では電波検知センサ24b、第2の実施の形態では振動検知センサ155)と、
当該異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知されたことに基づいて異常対応処理(第1の実施の形態では主側MPU92におけるステップS205、ステップS206及びステップS814〜ステップS816の処理、第2の実施の形態では主側MPU92におけるステップS205、ステップS206及びステップS2816〜ステップS2818の処理)を実行する異常対応実行手段(第1の実施の形態では主側MPU92におけるステップS205、ステップS206及びステップS814〜ステップS816の処理を実行する機能、第2の実施の形態では主側MPU92におけるステップS205、ステップS206及びステップS2816〜ステップS2818の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記異常対応実行手段は、前記異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知され且つ当該異常要因の発生とは異なる予め定められた条件(第1の実施の形態では上作動口33又は下作動口34への入賞、第2の実施の形態では入賞用通過部141又は有利用通過部144の遊技球の通過)が成立した場合又は成立している場合に、前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、異常要因の発生が検知されただけでは異常対応処理が実行されずに、異常要因の発生が検知され且つそれとは異なる他の条件が成立した場合又は成立している場合に異常対応処理が実行される。これにより、異常対応処理が実行される条件を複合的なものとすることが可能となり、正規に遊技が行われている状況で異常要因が偶発的に発生した場合に異常対応処理が実行されてしまう可能性が低減される。よって、異常要因の発生を見過ごすと不都合が生じるとともに当該異常要因の発生が検知されただけで異常対応処理が実行された場合にも不都合が生じる状況に適切に対処することが可能となる。
特徴D2.前記異常対応実行手段は、前記異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知され、さらに前記予め定められた条件として、特典の付与に係る事象の発生が把握された場合に、前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
不正行為は特典の付与を不正に発生させることを目的として行われるものであり、当該不正行為により異常要因が発生する場合には特典の付与に係る事象も発生し易い。その一方、正規に遊技が行われている状況では異常要因の発生と特典の付与に係る事象の発生とが同時期に発生する可能性は低い。このような事情において特徴D2の構成を採用することで、不正行為者が不正を行うべく異常要因を発生させた場合には異常対応処理の実行を通じてそれに対処できるとともに、正規に遊技が行われている状況で異常要因が発生した場合に異常対応処理が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴D3.前記異常対応実行手段は、前記異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知されている状態が終了した場合であっても異常監視期間(第1の実施の形態では監視時間、第2の実施の形態では振動用監視時間)が経過するまでは、前記予め定められた条件が成立したことに対して前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、異常要因が発生している状況が終了してから予め定められた条件が成立するまでにタイムラグが存在し得る場合であっても、当該予め定められた条件が成立したことに対して異常対応処理を実行することが可能となる。
特徴D4.前記異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知された場合に、異常用の報知が実行されるようにするための異常報知用処理(第1の実施の形態では主側MPU92におけるステップS804の処理、第2の実施の形態では主側MPU92におけるステップS2806の処理)を実行する異常報知実行手段(第1の実施の形態では主側MPU92におけるステップS804の処理を実行する機能、第2の実施の形態では主側MPU92におけるステップS2806の処理を実行する機能)を備え、
前記異常対応処理は、前記異常報知用処理とは異なる処理であって遊技の進行を制御するために実行される処理の少なくとも一部の実行を制限する処理であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、異常検知手段にて異常要因の発生が検知された場合に先ず異常用の報知を行うことで遊技ホールの管理者に注意を促すことが可能となる。また、異常要因が発生しさらに予め定められた条件が成立した場合には、遊技の進行を制御するために実行される処理の少なくとも一部の実行が制限されることで、異常要因を発生させる行為が行われたにも関わらず通常通りに遊技が進行していってしまうことを抑制することが可能となる。さらにまた、軽度な処置から重度な処置というように、異常要因の発生に対する処置を段階的に行うことで、不正行為による異常要因の発生に対して適切に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D5.前記異常要因は、遊技ホールに遊技機が設置された状況において当該遊技機に対して正規の遊技が行われている状況で発生し得る要因であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
異常要因は、正規に遊技が行われている状況であっても発生し得るとともに不正行為を目的とした場合にも起こり得る。これに対して上記特徴D1の構成を適用することで、不正行為に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D6.前記異常検知手段は、前記異常要因として所定周波数の電波の発生を検知する電波検知手段(電波検知センサ24b)であることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
電波は、遊技ホールにおいて正規に遊技が行われている状況であっても発生し得るとともに、所定の検知センサに対して誤検知を行わせる目的で発生させられるものである。これに対して上記特徴D1の構成を適用することにより、不正行為に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D7.前記異常検知手段は、前記異常要因として振動の発生を検知する振動検知手段(振動検知センサ155)であることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
振動は、遊技ホールにおいて正規に遊技が行われている状況であっても発生し得るとともに、例えば遊技領域を流下する遊技球の流下経路を所望の入球部に向けた経路に変更させる目的で発生させられるものである。これに対して上記特徴D1の構成を適用することにより、不正行為に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D8.遊技球が流下する遊技領域に設けられ、当該流下する遊技球が入球可能な入球手段(入賞装置122)を備え、
当該入球手段は、
内部空間を遊技機前方から視認可能な状態で区画するとともに前記流下する遊技球を前記内部空間に入球可能とする入口部(入賞口124)が形成された空間区画部(ベース体123)と、
前記入口部を開閉するとともに、予め定められた開閉動作条件が成立したことに基づいて開閉動作状態に設定された場合に開閉動作する入口開閉手段(開閉片125)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、通過が発生したことに基づいて遊技者にとって有利な状態となる有利通過部(有利用通過部144)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、前記有利通過部を通過しない遊技球を前記内部空間から排出させる排出部(入賞用通過部141)と、
前記内部空間に設けられ、当該内部空間に入球した遊技球を前記有利通過部及び前記排出部のいずれかに振り分ける振分手段(誘導通路135、回転体153)と、
を備えており、
前記異常対応実行手段は、前記振動検知手段にて前記振動の発生が検知され且つ前記予め定められた条件として前記有利通過部を遊技球が通過した場合に、前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、入球手段が設けられていることにより、遊技領域を流下する遊技球の挙動への注目度が高められる。但し、当該入球手段が設けられた構成においては、振分手段により有利通過部又は排出部に遊技球が振り分けられようとしている状況で振動を意図的に与えて有利通過部側へ遊技球を振分させようとする行為が想定される。これに対して、振動検知手段にて振動の発生が検知され且つ有利通過部を遊技球が通過した場合には、異常対応処理が実行されるため、上記不正行為が行われた場合に遊技が通常通りに進行していくことを抑制できる。
その一方、有利通過部を遊技球が通過することは頻繁に発生するものではなく、正規に遊技が行われている状況では、当該有利通過部の遊技球の通過と振動の発生とが同時期に発生する可能性は低い。したがって、上記不正行為に対処可能とした構成において、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D9.前記異常対応実行手段は、前記異常対応処理として、遊技の進行を制御するために実行される処理の少なくとも一部の実行を制限する処理を実行するものであることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、振動検知手段にて振動の発生が検知され且つ有利通過部を遊技球が通過した場合には、遊技の進行を制御するために実行される処理のうち少なくとも一部の実行が制限されるため、上記不正行為が行われた場合に遊技が通常通りに進行していくことを抑制できる。その一方、有利通過部を遊技球が通過することは頻繁に発生するものではなく、正規に遊技が行われている状況では、当該有利通過部の遊技球の通過と振動の発生とが同時期に発生する可能性は低い。したがって、上記不正行為に対処可能とした構成において、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D10.前記振動検知手段にて振動の発生が検知された場合に、異常用の報知が実行されるようにするための異常報知用処理(主側MPU92におけるステップS2806の処理)を実行する異常報知実行手段(主側MPU92におけるステップS2806の処理を実行する機能)を備え、
当該異常報知実行手段は、前記開閉動作状態に設定されていない状況で前記振動検知手段にて振動の発生が検知された場合には、その振動の発生を契機とした前記異常用の報知は実行しないものであることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、振動検知手段にて振動の発生が検知された場合に異常用の報知を行うことで遊技ホールの管理者に注意を促すことが可能となる。但し、正規に遊技を行っている遊技者にとっては、体の一部が偶然遊技機に当たって当該遊技機を振動させた場合や、遊技ホールにおいて他の遊技機に対してメンテナンスが行われた結果、自身が遊技を行っている遊技機が振動した場合にまで異常用の報知が行われると、煩わしいものとなる。これに対して、開閉動作状態に設定されていない状況で振動が発生した場合にはそれを契機とした異常用の報知が実行されないため、異常用の報知を行うための構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
特徴D11.前記異常対応実行手段は、前記振動検知手段にて振動の発生が検知されている状態が終了した場合であっても異常監視期間(振動用監視時間)が経過するまでは、前記有利通過部を遊技球が通過したことに対して前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴D8乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D11によれば、振動が発生している状況が終了してから有利通過部を遊技球が通過するまでにタイムラグが存在した場合であっても、当該事象の発生に対して異常対応処理を実行することが可能となる。
特徴D12.前記異常対応実行手段は、前記振動検知手段にて前記振動の発生が検知され且つ前記排出部を遊技球が通過した場合においても前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴D8乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
振動を意図的に発生させて有利通過部の遊技球の通過を発生させる不正行為が行われた場合に、結果的に有利通過部の遊技球の通過は発生することなく排出部を遊技球が通過することが起こり得る。これに対して、特徴D12によれば、このような事象が発生した場合にも異常対応処理が実行されるため、上記不正行為が行われた場合にはそれが成功したか否かに関係なく当該不正行為に対処することが可能となる。
上記特徴D群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、遊技球が流下する遊技領域を備え、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球することで所定数の遊技球が払い出されるものがある。また、遊技領域に設けられた入球部のうち作動口への遊技球の入球に基づいて当否抽選を行い、当選結果であることに基づいて、大入賞口の開放動作が繰り返し発生する特別遊技状態に移行するものがある。
また、遊技領域に入球部が設けられているとともに、当該入球部への入球に基づいて内部空間が開放状態となり当該内部空間に設けられた有利口に遊技球が入球したことに基づいて特別遊技状態に移行するものもある。
ここで、上記遊技機においては、磁石を用いて遊技球を所望の箇所に入球させる行為や、遊技機を手で叩く等により振動を与えその振動により遊技球を所望の箇所に入球させる行為が想定される。また、これら以外にも、入球部への入球を検知するセンサや、遊技球の払出個数をカウントするセンサなどに向けて電波を出力し、遊技球を誤検知させる行為が想定される。
上記のような不正行為に対処する上では、その不正行為を発生させる異常要因を検知する検知手段を設け、当該検知手段にて当該要因を検知した場合にそれに対応した特別の処理を制御装置にて行う構成が考えられる。例えば、特別の処理として、その後の遊技を禁止する処理が考えられる。また、これ以外にも、例えば報知処理を実行して不正行為の発生を周囲や遊技ホール側の管理装置に知らせるようにする構成が考えられるとともに、遊技球の払出を不正に行わせる不正行為である場合には特別の処理として遊技球の払出を禁止する構成が考えられる。
しかしながら、不正行為を発生させる要因の種類によっては、その要因が不正行為を原因とするのではなく、正規の遊技を行っている過程で偶発的に生じてしまう場合もあり得る。このような場合において、一律に上記のような特別の処理を実行する構成とすると、正規に遊技を行っている遊技者に不利益を与えたり、不快感を与えたりしてしまうおそれがある。
なお、以上の問題はパチンコ遊技機に限定されることはなく、不正行為を発生させる要因を検知する検知手段を備えるとともに、当該検知手段にて当該要因を検知した場合にそれに対応した特別の処理を制御装置にて行う他の遊技機においても同様に発生する問題である。
<特徴E群>
特徴E1.数値情報を記憶するとともにその記憶している数値情報が定期的に更新されることで期間を計測する第1期間計測手段(16ビットのタイマカウンタTC1)及び第2期間計測手段(16ビットのタイマカウンタTC2)と、
前記第1期間計測手段に記憶されている数値情報を参照するとともにその参照結果に対応した処理を行う第1処理(主側MPU92における特図特電制御処理)を実行する第1処理実行手段(主側MPU92における特図特電制御処理を実行する機能)と、
前記第2期間計測手段に記憶されている数値情報を参照するとともにその参照結果に対応した処理を行う第2処理(主側MPU92における普図普電制御処理)を実行する第2処理実行手段(主側MPU92における普図普電制御処理を実行する機能)と、
前記第1処理及び前記第2処理を含むとともに定期的に実行される定期処理の1処理回の範囲内において前記第1処理及び前記第2処理とは異なる処理タイミングで実行され、前記第1期間計測手段及び前記第2期間計測手段に記憶されている各数値情報の更新処理(主側MPU92におけるステップS603〜ステップS606の処理、ステップS611〜ステップS614の処理)を実行する更新処理実行手段(主側MPU92におけるタイマ更新処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1期間計測手段の更新及び第2期間計測手段の更新が集約して行われるため、これら期間計測手段が参照される各処理にて個別に更新が実行される構成に比べて、各期間計測手段の更新を行うための処理プログラムの読み出しや各期間計測手段からの数値情報の読み出しを集約して行うことが可能となる。
以上より、複数の期間計測手段を備えた構成において、それら期間計測手段の更新に係る処理を好適に行うことが可能となる。
特徴E2.前記第1期間計測手段は前記数値情報の加算及び減算のうちいずれか一方が行われることで期間を計測するものであるとともに、前記第2期間計測手段は前記数値情報の加算及び減算のうち前記第1期間計測手段と同一の更新態様で数値情報が更新されることで期間を計測するものであり、
前記更新処理実行手段は、前記第1期間計測手段の数値情報の更新を行う場合及び前記第2期間計測手段の数値情報の更新を行う場合のいずれにおいても、同一の処理プログラムを利用して前記更新処理を実行するものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第1期間計測手段の数値情報の更新及び第2期間計測手段の数値情報の更新がいずれも同一の処理プログラムを利用して行われることにより、記憶容量の削減が図られる。また、それら数値情報の更新が集約して行われるため、処理プログラムの読み出しを集約して行うことが可能となる。
特徴E3.前記第1期間計測手段及び前記第2期間計測手段はいずれも、「1」以上である所定の数値情報が格納された後に当該数値情報が減算されることで期間を計測するものであり、
前記更新処理実行手段は、前記更新処理として、前記第1期間計測手段に記憶されている数値情報を減算する処理を実行するとともに、前記第2期間計測手段に記憶されている数値情報を減算する処理を実行するものであり、さらにそれら第1期間計測手段及び前記第2期間計測手段の数値情報が「0」を下回った状態で維持されないようにそれら処理を実行するものであることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
例えば各期間計測手段の数値情報の更新が加算式で行われる構成においては各期間計測手段が期間の計測中であるか否かを、期間計測手段の数値情報とは別の情報を参照して個別に把握する必要が生じる。これに対して、特徴E3によれば、第1期間計測手段及び第2期間計測手段は数値情報の更新が減算式で行われるとともに、当該更新が「0」を下回った状態で維持されないように行われる。これにより、第1期間計測手段の数値情報の更新及び第2期間計測手段の数値情報の更新を集約して行う構成において、それら期間計測手段にて期間の計測が行われていない状況における処理の簡素化が図られる。
特徴E4.数値情報を記憶するとともにその記憶している数値情報が定期的に加算されることで期間を計測する加算対応の期間計測手段(払出許可カウンタ)と、
当該加算対応の期間計測手段に記憶されている数値情報を参照するとともにその参照結果に対応した処理を行う他の処理を実行する手段(主側MPU92における払出出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記加算対応の期間計測手段の更新は、前記他の処理にて実行されることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、第1期間計測手段及び第2期間計測手段を更新する処理の処理構成が複雑化することを抑制しつつ、加算対応の期間計測手段を利用することが可能となる。
特徴E5.数値情報を記憶するとともにその記憶している数値情報が定期的に更新されることで期間を計測する期間計測手段として、前記第1期間計測手段及び前記第2期間計測手段の他に、第3期間計測手段(16ビットのタイマカウンタTC3)を備えているとともに、
当該第3期間計測手段に記憶されている数値情報を参照することに基づき、第3処理(主側MPU92におけるステップS809及びその結果に基づき実行されるステップS804〜ステップS806の処理)を実行する第3処理実行手段(主側MPU92におけるステップS809及びその結果に基づき実行されるステップS804〜ステップS806の処理を実行する機能)を備えており、
前記第1〜第3期間計測手段は、前記更新処理実行手段による情報の読み出し及び情報の書き込みが可能な両用記憶手段(主側RWM94)においてそれぞれ異なるアドレスの記憶領域が割り当てられていることにより設けられており、
前記第1期間計測手段のアドレスの数値と前記第2期間計測手段のアドレスの数値との差が前記第2期間計測手段のアドレスの数値と前記第3期間計測手段のアドレスの数値との差と同一であり、
前記更新処理実行手段は、前記定期処理の1処理回の範囲内において前記第1〜第3処理とは異なる処理タイミングで前記更新処理を実行するとともに、前記第1期間計測手段のアドレスに対応させて予め記憶された数値情報を参照して当該第1期間計測手段の数値情報を読み出し当該数値情報の更新を行った後に、前記予め記憶された数値情報に対して前記差に対応した数値情報を順次加算することを通じて前記第2期間計測手段の数値情報及び前記第3期間計測手段の数値情報の更新を行うものであることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、第1〜第3期間計測手段の更新を行う上で、第1期間計測手段のアドレスに対応した数値情報のみを予め記憶しておけばよく、第2期間計測手段及び第3期間計測手段についてはそれらアドレスに対応した数値情報を予め記憶しておく必要がない。これにより、数値情報を予め記憶しておくのに必要な記憶容量の削減が図られる。また、第1期間計測手段のアドレスに対応した数値情報に対して上記差に対応した数値情報の加算を行うだけで、第2期間計測手段及び第3期間計測手段のアドレスを更新処理実行手段にて認識することが可能となるため、アドレスの認識に係る処理の簡素化が図られる。
特徴E6.前記第1〜第3期間計測手段は同一ビットの記憶容量であるとともに、前記差に対応した数値情報は当該記憶容量に対応した第1差の数値情報であり、
数値情報を記憶するとともにその記憶している数値情報が定期的に更新されることで期間を計測する期間計測手段として、前記第1〜第3期間計測手段を含めて記憶容量が同一ビットとなるとともに前記差に対応した数値情報が前記第1差の数値情報となる特定の期間計測手段群の他に、当該特定の期間計測手段群の各期間計測手段とは異なるビットであって相互に同一ビットの記憶容量である第4期間計測手段(8ビットのタイマカウンタTC5)及び第5期間計測手段(8ビットのタイマカウンタTC6)を備えており、
前記第4期間計測手段に記憶されている数値情報を参照することに基づき、第4処理(主側MPU92におけるステップS812〜ステップS816の処理)を実行する第4処理実行手段(主側MPU92におけるステップS812〜ステップS816の処理を実行する機能)と、前記第5期間計測手段に記憶されている数値情報を参照することに基づき、第5処理(主側MPU92におけるステップS1208及びその結果に基づき実行されるステップS1204〜ステップS1206の処理)を実行する第5処理実行手段(主側MPU92におけるステップS1208及びその結果に基づき実行されるステップS1204〜ステップS1206の処理を実行する機能)と、を備えており、
前記第4期間計測手段のアドレスの数値と前記第5期間計測手段のアドレスの数値との差は前記第1差とは異なる第2差となる構成であり、
前記更新処理実行手段は、前記特定の期間計測手段群における最後のアドレスに対応した期間計測手段の数値情報を読み出し当該数値情報の更新を行った後に、参照すべき現状のアドレスの数値情報に対して前記第1差の数値情報を加算することを通じて前記第4期間計測手段の数値情報の更新を行い、さらに当該第4期間計測手段の数値情報の更新を行った後に、参照すべき現状のアドレスの数値情報に対して前記第2差の数値情報を加算することを通じて前記第5期間計測手段の数値情報の更新を行うものであることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、第1〜第3期間計測手段を含めた特定の期間計測手段群と第4〜第5期間計測手段とで記憶容量が異なるため、計測すべき期間が相互に異なる場合において計測対象の期間に応じた記憶容量の配分を行うことが可能となる。また、このように記憶容量が異なる場合であっても、各期間計測手段に対するアドレスの設定の仕方を通じて、予め記憶しておくアドレスに対応した数値情報は上記各期間計測手段のうち第1期間計測手段のみでよくなる。
特徴E7.前記定期処理には完了するまでの処理時間が相対的に変動し易い処理(主側MPU92におけるステップS211〜ステップS215の処理)と変動しにくい処理(主側MPU92におけるステップS201〜ステップS209の処理)とが含まれており、
前記更新処理は、前記定期処理の開始タイミングから前記変動し易い処理が含まれていない範囲内において実行されるようにその処理タイミングが設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、定期処理に含まれる他の処理の処理時間が変動した場合であっても、その変動が各期間計測手段の更新タイミングに与える影響を低減することが可能となる。これにより、各期間計測手段の更新を定期的に行うことが可能となる。
上記特徴E群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、遊技の進行を制御する制御装置を備えている。この場合、制御装置に設けられたCPUなどの制御素子において所定の処理を実行するタイミングを特定するために利用される手段として、タイマカウンタを備えた構成が知られている。
当該タイマカウンタを利用した実行タイミングの特定の仕方について一例を説明すると、多数の記憶領域を備えるとともにそれら記憶領域に記憶された情報の読み出し及び書き換えが可能な記憶素子を上記制御素子とは別に備え、当該記憶素子の記憶領域を利用してタイマカウンタが設けられた構成が知られている。
当該構成の場合、制御素子は所定の周期でタイマカウンタに記憶されている数値情報を加算する又は減算するように更新処理を実行する。そして、タイマカウンタに記憶されている数値情報が所定の数値情報となった場合に、制御素子において所定の処理を実行することとなる。
ここで、制御素子にて実行される処理を複雑化していくほど、必要なタイマカウンタの数が増加することが考えられる。この場合、処理の複雑化を要因とした処理負荷の増加だけでなく、タイマカウンタの更新処理についても処理負荷が増加し、制御素子の処理負荷が極端に増加してしまうことが懸念される。その一方、タイマカウンタの数を増加させないようにすると、かえって処理が複雑化してしまうことが懸念される。
<特徴F群>
特徴F1.処理プログラムを記憶したプログラム記憶手段(主側ROM93)と、当該プログラム記憶手段に記憶された処理プログラムを利用して定期的に定期処理(主側MPU92におけるタイマ割込み処理)を実行することで遊技の進行を制御する制御手段(主側MPU92)と、を備えている遊技機において、
前記プログラム記憶手段は、遊技の過程で同時に発生することがない状況であってそれら各状況に滞在している場合に前記定期処理が複数回実行されることとなる第1状況(特図特電カウンタの数値情報が「0」である状況)、第2状況(特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況)及び第3状況(特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況)のそれぞれに対応させて、第1状況用の処理プログラムと、第2状況用の処理プログラムと、第3状況用の処理プログラムと、を記憶しており、
前記制御手段は、
前記第1状況用の処理プログラムを利用して前記第1状況の進行を制御する第1状況処理(主側MPU92における特図変動開始処理)を実行する第1状況処理実行手段(主側MPU92における特図変動開始処理を実行する機能)と、
前記第2状況用の処理プログラムを利用して前記第2状況の進行を制御する第2状況処理(主側MPU92における特図変動中処理)を実行する第2状況処理実行手段(主側MPU92における特図変動中処理を実行する機能)と、
前記第3状況用の処理プログラムを利用して前記第3状況の進行を制御する第3状況処理(主側MPU92における特図確定中処理)を実行する第3状況処理実行手段(主側MPU92における特図確定中処理を実行する機能)と、
前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況のそれぞれに対応した数値情報を含めて所定範囲の数値情報を記憶可能であるとともに各状況となる条件が成立した場合に各状況に対応したものとなるように数値情報の更新が行われる状況対応記憶手段(特図特電カウンタ)と、
当該状況対応記憶手段に記憶されている数値情報を読み出すとともに、その読み出した数値情報に対応した処理プログラムを読み出し、前記第1状況処理、前記第2状況処理及び前記第3状況処理のいずれかが実行されるようにするプログラム読み出し手段(主側MPU92におけるステップS1306の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1の遊技機では、遊技の過程で同時に発生することがない状況として第1〜第3状況が設定されていることで、遊技の過程として多様な状況が存在することとなる。また、第1〜第3状況の各状況が終了するまでに長い期間を要するとしても、各状況において定期処理は複数回実行されるため、それら状況の期間に依存することなく定期処理の実行間隔を決定することが可能となる。
この場合に、例えば各状況に対応したフラグを用意し、各状況処理にてそれらフラグを個別に確認して実行すべき処理を把握する構成とすると、フラグの確認処理が繰り返し行われることとなり、処理構成の簡素化を図ることができない。
これに対して、第1〜第3状況のそれぞれに対応した数値情報を含めて所定範囲の数値情報を記憶可能な状況対応記憶手段を設け、当該記憶手段に記憶されている数値情報に対応した処理プログラムを読み出して上記第1〜第3状況のいずれかに対応した処理を開始する構成である。これにより、上記のようにフラグの確認処理を繰り返し行う必要が生じないため、処理構成の簡素化を図りながら、遊技の過程として多様な状況が存在するようにすることができる。
以上より、複数の状況が設定された構成において、それら状況を進行させるための処理を好適に行うことが可能となる。
特徴F2.予め定められた開始条件(保留情報の取得)が成立したことに基づいて開始され、予め定められた終了条件(遊技回用の演出の終了又は開閉実行モードの終了)が成立したことに基づいて終了する特定の遊技状況(遊技回用の演出及び開閉実行モードが実行される状況)が設定されており、
前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況は、前記特定の遊技状況において実行タイミングが相違する所定の区間にそれぞれ対応していることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、特定の遊技状況におけるいずれの区間に滞在している状況であるかを状況対応記憶手段に記憶されている数値情報を利用して把握することが可能となり、当該遊技状況を進行させるための処理構成の簡素化が図られる。
特徴F3.前記第1状況処理、前記第2状況処理及び前記第3状況処理では、対応する状況が終了する場合に、前記状況対応記憶手段の数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する構成であることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、各状況が終了する場合にそれに対応する各状況処理にて、状況対応記憶手段の数値情報がその後に続く状況に対応したものに更新されるため、一の状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
特徴F4.前記第1状況は前記遊技状況が開始される場合の状況であるとともに、当該第1状況に対応した数値情報は前記状況対応記憶手段の初期値であることを特徴とする特徴F2又はF3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、状況対応記憶手段の初期値が第1状況に対応していることにより、遊技機の記憶手段の初期化後などにおいて状況対応記憶手段の数値情報の設定を特別に行わなくても、特定の遊技状況における最初の状況である第1状況となるようにすることができる。
特徴F5.前記状況対応記憶手段の数値情報を更新する処理では、その更新直前の数値情報に対する初期化と、当該更新直前の数値情報に対する所定値の加算及び当該所定値の減算の少なくとも一方とが実行されるように、前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況を含めた前記特定の遊技状況における各区分が設定されていることを特徴とする特徴F2乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、状況対応記憶手段の数値情報の更新を行う場合に、所定値の加算、当該所定値の減算及び初期化のいずれかのみを実行すればよいため、当該更新を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴F6.予め定められた取得条件(上作動口33への入賞又は下作動口34への入賞)が成立したことに基づいて、進行契機情報(保留情報)を取得する取得処理(主側MPU92におけるステップS1405の処理)を実行する情報取得手段(主側MPU92における保留情報の取得処理を実行する機能)と、
前記取得処理により取得された前記進行契機情報を記憶する契機情報記憶手段(保留格納エリア94b)と、
を備え、前記進行契機情報が記憶されていることが前記遊技状況を進行させる契機となる構成であり、
前記取得条件の成立は、前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況を含めた前記特定の遊技状況の進行途中においても発生する構成であるとともに、
前記取得処理は、前記第1状況処理、前記第2状況処理及び前記第3状況処理を含めた前記状況対応記憶手段の数値情報を参照して実行される各状況処理とは別に設定されていることを特徴とする特徴F2乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、進行契機情報の取得を契機として特定の遊技状況が進行していくこととなるため、その進行の契機が明確となる。また、取得条件の成立が、特定の遊技状況の進行途中においても発生する構成であるため、進行契機情報が取得されるタイミングが幅広いものとなる。この場合に、進行契機情報を取得する取得処理は、状況対応記憶手段の数値情報を参照して実行される各状況処理とは別に設定されているため、状況対応記憶手段の数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
特徴F7.前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況のうち少なくとも2つの状況では、当該状況が開始されてからそれぞれに対応する所定の期間が経過した場合に当該状況の終了条件が成立することとなる構成であり、
前記所定の期間が経過した場合に終了条件が成立することとなる複数の状況に対応した各状況処理を実行する各状況処理実行手段は、前記所定の期間の計測を行う場合に共通の期間計測手段(特図特電タイマカウンタ)を利用する構成であることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F7によれば、期間計測手段の数の削減が図られる。また、第1状況、第2状況及び第3状況は同時に発生しない状況であるため、共通の期間計測手段を利用するようにしたとしても、当該期間計測手段が複数の状況において同時に参照されることはなく、期間計測手段を利用する上での処理構成が複雑化することもない。
特徴F8.前記第1状況処理、前記第2状況処理及び前記第3状況処理を含めた各状況処理とは別に、前記共通の期間計測手段の数値情報を定期的に更新する期間更新処理(主側MPU92におけるタイマ更新処理)を実行する期間更新手段(主側MPU92におけるタイマ更新処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、共通の期間計測手段を更新するための処理が各状況処理に対して個別に設定されている構成に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
特徴F9.前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況のうち一部の状況(特図特電カウンタが「0」である状況)において予め定められた実行条件(デモ待ち時間の経過)が成立した場合には特定状況対応処理(主側MPU92におけるステップS2207及びステップS2208の処理)を実行する一方、当該一部の状況ではない場合に当該実行条件が成立した場合には前記特定状況対応処理を実行しない特定状況実行手段(主側MPU92におけるデモ表示用処理を実行する機能)を備えており、
当該特定状況実行手段は、前記状況対応記憶手段の数値情報を参照することで前記一部の状況であるか否かを特定するものであることを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F9によれば、状況対応記憶手段の数値情報を、特定状況対応処理を実行すべきタイミングであるか否かを把握するために利用することができ、当該実行すべきタイミングを利用するために別の情報を設定する構成に比べて、必要な記憶容量の削減が図られる。
特徴F10.予め定められた開始条件(保留情報の取得)が成立したことに基づいて開始されるとともに、予め定められた終了条件(遊技回用の演出の終了又は開閉実行モードの終了)が成立したことに基づいて終了し、さらに実行タイミングが相違する所定の区間として、前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況を含む特定の遊技状況(遊技回用の演出及び開閉実行モードが実行される状況)が設定されており、
当該特定の遊技状況に含まれる各状況に対応した前記状況対応記憶手段の数値情報は、各状況の進行順序に応じて昇順又は降順となるように設定されており、
さらに、前記一部の状況は前記特定の遊技状況において連続する一部の区間を構成するとともに、前記状況対応記憶手段の複数種類の数値情報に対応した状況であり、
前記特定状況実行手段は、前記状況対応記憶手段の数値情報が特定の数値範囲に含まれるか否かを特定することで、前記一部の状況であるか否かを特定するものであることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
特徴F10によれば、特定状況対応処理を実行すべきタイミングが、特定の遊技状況において連続する一部の区間を構成するとともに、状況対応記憶手段の複数種類の数値情報に対応した状況であっても、状況対応記憶手段の数値情報は各状況の進行順序に応じて昇順又は降順に設定されているため、各数値情報を個別に照合するのではなく、数値情報が特定の数値範囲に含まれるか否かを特定することで、特定状況対応処理を実行すべきタイミングを特定することができる。よって、かかる特定に要する処理構成の簡素化が図られる。
特徴F11.前記特定状況実行手段は、前記状況対応記憶手段の数値情報が特定の数値を基準として小さい側であるか否か又は大きい側であるか否かを特定することで、前記一部の状況であるか否かを特定するものであることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
特徴F11によれば、特定状況対応処理を実行すべきタイミングであるか否かを特定する際に、状況対応記憶手段の数値情報において照合すべき対象が1つのみとなる。これにより、当該特定に要する処理構成の簡素化が図られる。
特徴F12.予め定められた抽選条件(上作動口33への入賞又は下作動口34への入賞)が成立したことに基づいて抽選処理(主側MPU92におけるステップS1405及びステップS1503の処理)を実行する抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS1405及びステップS1503の処理を実行する機能)と、
前記抽選条件が成立したことに基づいて演出実行手段(図柄表示装置41及びメイン表示部43)にて演出を開始させ、前記抽選処理結果に対応した結果としながら当該演出を終了させることを遊技回の1回として、各遊技回の演出が行われるように前記演出実行手段を制御する遊技回制御手段(主側MPU92におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能)と、
前記抽選処理にて当選結果となりそれに対応した遊技回用の演出が終了した場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるとともに所定の終了条件が成立した場合に当該特別遊技状態を終了させる状態移行手段(主側MPU92におけるステップS1310〜ステップS1313の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記第1状況、前記第2状況及び前記第3状況は、前記抽選条件の成立を契機として前記遊技回の演出が行われさらに前記特別遊技状態が終了されるまでの遊技状況において実行タイミングが相違する所定の区間に対応していることを特徴とする特徴F1乃至F11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F12によれば、遊技回用の演出が開始されてから有利な状態が終了するまでの遊技状況を進行させるための処理について、処理構成の簡素化を図ることができる。
上記特徴F群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、遊技の状況が多数設定されており、それぞれに対応する遷移条件が成立することに基づき、遊技の状況の遷移が発生する。
パチンコ遊技機では、例えば遊技領域に設けられた所定の入球部への遊技球の入球に基づき内部抽選が行われるとともに、液晶表示装置などにおける図柄の変動表示といった遊技回用装置における遊技回用動作を開始させ、さらに内部抽選の結果が当選結果である場合にはその結果に対応した状態で遊技回用動作を終了させて大当たり遊技状態に移行させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、上記遊技回用動作が実行されておらず且つ大当たり遊技状態でもない開始待ち状況と、上記遊技回用動作が実行されている遊技回中の状況と、上記大当たり遊技状態となっている状況と、が設定されていることとなる。
また、遊技領域に設けられた入球口の開閉が複数回行われることで上記大当たり遊技状態が進行する構成においては、当該大当たり遊技状態中の状況として、上記入球口を開放させている開放状況と、連続する開放回の間において上記入球口を閉鎖させた状態で維持する閉鎖状況と、が設定されていることとなる。
ちなみに、スロットマシンにおいても、具体的な遊技の内容は相違するものの、開始待ち状況、遊技回中の状況及び大当たり遊技状態中の状況といったように、多数の遊技の状況が設定されている構成が知られている。
上記のような多数の状況のそれぞれは、制御装置にて定期的に実行される定期処理においてそれぞれの状況に対応する処理が行われることで進行していくこととなる。この場合、現状滞在している状況とは異なる状況に対応した処理を進行させないようにする必要がある。したがって、このような事象を避けるために、各状況に対応させてフラグを用意しておき、各処理では、フラグに格納されている情報を読み出し、その読み出した情報から現状滞在している状況の判定を行うようにした構成が知られている。
ここで、上記のようにフラグに格納されている情報を読み出してその情報を判定する処理を行おうとすると、フラグを読み出して確認する処理が例えば定期処理の1処理回の範囲内で繰り返し実行されることとなる。そうすると、処理構成が煩雑なものとなる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技球を発射すべく操作される発射操作手段(発射ハンドル55)と、
出力部を駆動させる駆動状態となることで遊技領域に向けて遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記発射操作手段が操作されたことに基づき前記発射手段を前記駆動状態とすることで遊技球の発射を定期的に行わせる発射制御手段(主側MPU92における発射制御処理を実行する機能、電源及び発射制御装置79)と、
を備えた遊技機において、
前記発射制御手段は、
前記発射手段が前記駆動状態となっていない状況で当該駆動状態とすべき操作が前記発射操作手段に対して行われた場合に当該駆動状態となることを許可するまでの期間を複数種類の期間情報の中から選択する選択手段(主側MPU92におけるステップS1104の処理を実行する機能)と、
当該選択手段に選択された期間が経過した後に前記発射手段を前記駆動状態とする駆動状態設定手段(主側MPU92におけるステップS1110の処理を実行する機能、電源及び発射制御装置79)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技球の発射開始タイミングを、発射操作手段の操作タイミングを通じて意図的に操作しようとしても、実際に発射操作が行われたタイミングに対して発射手段が駆動状態となるタイミングが一義的に定められていないため、かかる意図的な操作を無効化させることが可能となる。
特徴G2.前記選択手段は、前記駆動状態となることを許可するまでの期間を抽選により決定するものであることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、発射操作が行われたタイミングに対して発射手段が駆動状態となるまでのタイミングを不規則なものとすることが可能となり、上記意図的な操作をより確実に無効化させることが可能となる。
特徴G3.前記駆動状態設定手段により前記発射手段を前記駆動状態とする設定が行われた場合に、それに対応した所定の報知が行われるようにする駆動報知制御手段(主側MPU92におけるステップS1111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、実際に発射操作が行われたタイミングに対して発射手段が駆動状態となるタイミングが一義的ではない構成において、駆動状態とする設定が行われた場合に所定の報知が行われるため、かかる一義的ではない構成が故障によるものではないことを遊技者に認識させることが可能となる。
上記特徴G群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、当該発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
しかしながら、遊技球の発射開始タイミングを、発射操作装置の操作タイミングを通じて意図的に操作して、遊技球の付与率を遊技機の設計段階において想定した付与率よりも上回らせる行為が考えられ、この場合、遊技ホールに対して予想外の不利益を及ぼすこととなる。これに対して、当該行為をも想定した状態で遊技球の付与率を設計しようとすると、設計段階における作業が煩雑化してしまう。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。