JP2011087601A - 干渉用二重鎖rna - Google Patents
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Abstract
【課題】 細胞毒性が軽減された干渉用二重鎖RNAおよび干渉用二重鎖RNAを発現するためのベクターおよび機能遺伝子ノックダウン細胞を生産する。
【解決手段】 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基、又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする干渉用二重鎖RNAをRNAiに用いる。塩基置換及び塩基の挿入を含む二重鎖RNAを用いることもできる。本発明の干渉用二重鎖RNAにより、細胞毒性が軽減されたRNAiを高い効率で誘導することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基、又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする干渉用二重鎖RNAをRNAiに用いる。塩基置換及び塩基の挿入を含む二重鎖RNAを用いることもできる。本発明の干渉用二重鎖RNAにより、細胞毒性が軽減されたRNAiを高い効率で誘導することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、干渉用二重鎖RNAおよび干渉用二重鎖RNAを発現するためのベクターおよび機能遺伝子ノックダウン細胞の生産方法に関する。より具体的には、二重鎖の部分が、25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基の干渉用二重鎖RNA、それらの干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるためのベクター、ベクターを含む干渉用二重鎖RNA発現システム、およびこれらを保有する細胞等に関する。
RNA干渉(RNA interference、以下「RNAi」と略称する)は、標的遺伝子のmRNAと相同な配列からなるセンスRNAとこれと相補的な配列からなるアンチセンスRNAとからなる二重鎖RNA(以下、「dsRNA」と略称する)を細胞等に導入することにより、標的遺伝子mRNAの破壊を誘導し、標的遺伝子の発現を抑制し得る現象である。このようにRNAiは、標的遺伝子の発現を抑制し得ることから、従来の煩雑で効率の低い相同組換えによる遺伝子破壊方法に代わる簡易な遺伝子ノックアウト方法として、または、遺伝子治療への応用として注目を集めている。このようなRNAiは、当初、線虫において発見されたが(非特許文献1)、現在では、線虫のみならず、植物、線形動物、ショウジョウバエ、原生動物などの種々の生物において観察されている(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。これらの生物では、外来のdsRNAを導入することにより、標的遺伝子の発現が抑制されることが実際に確認されており、ノックアウト個体を創生する方法としても利用されつつある。
哺乳動物細胞では、他の生物と同様にdsRNAを細胞外から導入することによりRNAiの誘導が試みられている。しかし、導入されたdsRNAによりウイルス感染などに対する宿主細胞の防御機構が作動することにより、タンパク質合成が阻害され、RNAiを観察することができなかった。
最近、Tuschlらにより、他の生物で用いられているような長いdsRNAに代えて、2もしく3ヌクレオチドの一本鎖の3’末端の突出(オーバーハング)を有する全長21もしくは22ヌクレオチド(オーバーハングを含めて数える)の短鎖の干渉用RNA二重鎖(short interfering RNA、以下、「siRNA」と略称する)を哺乳動物細胞に導入することにより、哺乳動物細胞でもRNAiを誘導し得ることが報告された(非特許文献6、非特許文献7)。
このようにsiRNAがリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチドを越える遺伝子の機能解析や発現制御のための強力なツールとして使用できることがわかり、その改良が日夜続けられている。特に、遺伝子の一次配列がヒトを含む多くの生物種でほぼ決定された現在、生体における遺伝子機能を網羅的かつ高効率に解析するための最も有力なツールとしてsiRNAの利用が注目されている。
このようにsiRNAがリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチドを越える遺伝子の機能解析や発現制御のための強力なツールとして使用できることがわかり、その改良が日夜続けられている。特に、遺伝子の一次配列がヒトを含む多くの生物種でほぼ決定された現在、生体における遺伝子機能を網羅的かつ高効率に解析するための最も有力なツールとしてsiRNAの利用が注目されている。
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RNAiを利用してmRNAレベルで任意の遺伝子の発現を抑制することによって、その遺伝子の機能を解析することができ、また、医療分野への応用として、前述のような方法により疾患原因遺伝子の解明のほか、RNAウイルスの増殖抑制、疾患関連遺伝子の発現抑制を行なうことのできる可能性がある。
RNAの化学合成には、DNA合成に比べ、塩基数が長いほど格段に費用がかかること等から、哺乳動物細胞では、Tuschlらが行なった二重鎖RNA部分の塩基数が19〜21(2塩基のオーバーハングをアンチセンスRNAおよびセンスRNAの3’側に2塩基含むため、オーバーハングを含めて数えると塩基数21〜23)のsiRNAを用いている。しかし、これらの塩基数だと、標的とする配列により遺伝子発現の抑制効果が異なる。すなわち、発現を抑制させたい標的遺伝子のうちの、どの部位をアンチセンスRNAと相補的な部位にするかにより発現抑制効果は異なり、標的とする部位によっては遺伝子発現を効果的に抑制できるが、部位によってはほとんど抑制されない場合もある。このため、実際の適用には、効果的な標的とする部位を予め検討する必要がある。
一方、長い塩基数のRNAを用いた場合には、dsRNA依存的タンパク質依存キナーゼ(PKR)が活性化し、遺伝子全体の翻訳が阻害される。このため、RNA干渉効果の特異性が下がり、またアポトーシスも誘導されるため、細胞毒性が上がる。
一方、長い塩基数のRNAを用いた場合には、dsRNA依存的タンパク質依存キナーゼ(PKR)が活性化し、遺伝子全体の翻訳が阻害される。このため、RNA干渉効果の特異性が下がり、またアポトーシスも誘導されるため、細胞毒性が上がる。
そこで、RNAiを遺伝子機能解析および遺伝子治療に適用するにあたり、標的とする部位によらず、効果的に遺伝子発現が抑制されるが、細胞毒性が低いsiRNAの開発が望まれる。
そこで、本発明は、干渉用二重鎖RNAおよびsiRNAを発現するためのベクターおよび機能遺伝子ノックダウン細胞の生産方法に関する。
そこで、本発明は、干渉用二重鎖RNAおよびsiRNAを発現するためのベクターおよび機能遺伝子ノックダウン細胞の生産方法に関する。
本願発明者らは、上記課題に鑑みて、二重鎖の部分が、25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基のsiRNAを用いた場合、部位によらず高い発現抑制効果を有しかつ低毒性であることを見出した。
すなわち、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする干渉用二重鎖RNAを提供する。
この干渉用二重鎖RNAは、化学合成により作製することができる。
すなわち、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする干渉用二重鎖RNAを提供する。
この干渉用二重鎖RNAは、化学合成により作製することができる。
この干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。この場合、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目の塩基が、他の塩基により置換されているのが望ましい。
あるいは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。この場合、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目の塩基が、他の塩基により置換されているのが望ましい。
あるいは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換され、かつ、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基に対応する前記センスRNAの塩基が、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基と相補的塩基対を形成する他の塩基に置換されていてもよい。この場合、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目の塩基及びセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目の塩基が他の塩基により置換されているのが望ましい。
上記のようなアンチセンスRNAまたはセンスRNAの塩基の置換は、グアニン(G)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換、またはシトシン(C)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換が望ましい。
さらに、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基または27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とする干渉用二重鎖RNAを提供する。
このような二重鎖RNAとしては、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このような二重鎖RNAとしては、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
さらに、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基または27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とする干渉用二重鎖RNAを提供する。
このような二重鎖RNAとしては、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このような二重鎖RNAとしては、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
さらに、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む干渉用二重鎖RNAであって、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した24塩基、25塩基または26以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入され、前記アンチセンスRNAに挿入された塩基と相補的塩基対を形成する塩基が、前記アンチセンスRNAの前記挿入された塩基に対応する前記センスRNAの位置に挿入されていることを特徴とする干渉用二重鎖RNAを提供する。
このような二重鎖RNAとしては、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入され、かつ、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このような二重鎖RNAとしては、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入され、かつ、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
本発明の干渉用二重鎖RNAは、アンチセンスRNA及びセンスRNAの3’側に1〜4個の塩基からなるオーバーハングをさらに有していてもよく、あるいは、アンチセンスRNAの5’末端とセンスRNAの3’末端の間にリンカーRNAをさらに含んでいてもよい。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるためのベクターであって、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターとを含んでなるベクターであって、前記ベクターから生成される前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25個、26個、または27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成することを特徴とするベクターを提供する。
このベクターから生じる干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。この場合、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目の塩基が、他の塩基により置換されているものが望ましい。
あるいは、このベクターから生じる干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。この場合、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目の塩基が、他の塩基により置換されているものが望ましい。
あるいは、このベクターから生じる干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換され、かつ、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基に対応する前記センスRNAの塩基が、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基と相補的塩基対を形成する他の塩基に置換されていてもよい。この場合、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目の塩基及びセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目の塩基が他の塩基により置換されているものが望ましい。
上記のようなアンチセンスRNAまたはセンスRNAの塩基の置換は、グアニン(G)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換、またはシトシン(C)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換が望ましい。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるためのベクターであって、 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターとを含んでなるベクターであって、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基または27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とするベクターを提供する。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるためのベクターであって、 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターとを含んでなるベクターであって前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基、または27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とするベクターを提供する。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
本発明は、さらに、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるためのベクターであって、 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターとを含んでなるベクターであって前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した24塩基、25塩基、または26以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入され、前記アンチセンスRNAに挿入された塩基と相補的塩基対を形成する塩基が、前記アンチセンスRNAの前記挿入された塩基に対応する前記センスRNAの位置に挿入されていることを特徴とするベクターを提供する。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入され、かつ、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
このようなベクターから生じる二重鎖RNAとしては、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入され、かつ、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
本発明のベクターは、アンチセンスRNA及びセンスRNAのそれぞれ3’側に1〜4個の塩基からなるオーバーハング部分をコードする配列をさらに有していてもよい。また、本発明のベクターは、リンカーをコードするリンカーDNAを、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとの間にさらに含むものであってもよい。
また、本発明のベクターに含まれるプロモーターは、polIII系プロモーターを用いることができる。polIII系プロモーターとしては、U6プロモーター、H1プロモーター、5S rRNAプロモーター、tRNAプロモーター、7SLプロモーター、7SKプロモーター、レトロウイルス性LTRプロモーター、アデノウイルスVAlプロモーターからなる群から選択することができる。
また、本発明のベクターに含まれるプロモーターは、polII系プロモーターを用いることもできる。polII系プロモーターとしては、サイトメガロウイルスプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、SP6プロモーター、RSVプロモーター、EF−1αプロモーター、β−アクチンプロモーター、γ−グロブリンプロモーター、SRαプロモーターからなる群から選択することができる。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるための発現システムであって、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターとを含んでなり、前記第一のベクターから生成される前記アンチセンスRNAと前記第二のベクターから生成される前記センスRNAとが連続した25個、26個、または27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖を形成することを特徴とする発現システムを提供することができる。
本発明の発現システムから生じる二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。
あるいは、本発明の発現システムから生じる二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換されていてもよい。
あるいは、本発明から生じる二重鎖RNAは、前記標的遺伝子のmRNAの配列に対して、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基が他の塩基により置換され、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基に対応する前記センスRNAの塩基が、前記アンチセンスRNAの前記置換された塩基と相補的塩基対を形成する他の塩基に置換されていてもよい。
上記のようなアンチセンスRNAまたはセンスRNAの塩基の置換は、グアニン(G)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換、またはシトシン(C)からウラシル(U)若しくはアデニン(A)への置換が望ましい。
本発明は、さらに、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるための発現システムであって、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターとを含んでなり、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とする発現システムを提供する。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるための発現システムであって、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターとを含んでなり、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていることを特徴とする発現システムを提供する。
さらに、本発明は、干渉用二重鎖RNAを細胞内で発現させるための発現システムであって、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターとを含んでなり、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域は、連続した24塩基、25塩基、または26以上の塩基の領域であり、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入され、前記アンチセンスRNAに挿入された塩基と相補的塩基対を形成する塩基が、前記アンチセンスRNAの前記挿入された塩基に対応する前記センスRNAの位置に挿入されていることを特徴とする発現システムを提供する。
本発明の発現システムから生じる二重鎖RNAは、アンチセンスRNA及びセンスRNAの3’側にそれぞれ1〜4個の塩基からなるオーバーハング部分をコードする配列をさらに有していてもよい。
また、本発明の発現システムに含まれるプロモーターは、polIII系プロモーターを用いることができる。polIII系プロモーターとしては、U6プロモーター、H1プロモーター、5S rRNAプロモーター、tRNAプロモーター、7SLプロモーター、7SKプロモーター、レトロウイルス性LTRプロモーター、アデノウイルスVAlプロモーターからなる群から選択することができる。
また、本発明の発現システムに含まれるプロモーターは、polII系プロモーターを用いることもできる。polII系プロモーターとしては、サイトメガロウイルスプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、SP6プロモーター、RSVプロモーター、EF−1αプロモーター、β−アクチンプロモーター、γ−グロブリンプロモーター、SRαプロモーターからなる群から選択することができる。
さらに、本発明の二重鎖RNAは、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から17から19番目の塩基、またはセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から17から19番目の塩基のうちの1個が他の塩基により置換されていてもよい。アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から19番目の塩基またはセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から19番目の塩基の置換が好ましく、より好ましくはG又はCからA又はUへの置換である。
またさらに、本発明の二重鎖RNAは、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から18番目と19番目の塩基、またはセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から18番目と19番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されていてもよい。
また、本発明の二重鎖RNAは、センスRNA鎖の5’側が平滑末端であるか、又はオーバーハングとして1〜3塩基突出してもよい。あるいは、センスRNA鎖及びアンチセンスRNA鎖の両鎖又はいずれか一方の鎖の3’末端が、2又は1塩基突出していてもよい。
さらに、本発明は、上記ベクターまたは上記発現システムを保持した細胞を提供する。そのような細胞としては、植物細胞及び動物細胞が好ましく、特に、哺乳動物細胞を例示できる。
また、本発明は上記ベクターまたは上記発現システムを含む組成物を提供する。このような組成物としては、医薬組成物が好ましい。
さらに本発明は、上記ベクターまたは上記発現システムを細胞に導入する工程と、前記ベクター又は前記発現システムが導入された細胞を選択する工程とを含む標的遺伝子の発現が抑制された細胞を生産する方法を提供する。
また、本発明は上記ベクターまたは上記発現システムを含む組成物を提供する。このような組成物としては、医薬組成物が好ましい。
さらに本発明は、上記ベクターまたは上記発現システムを細胞に導入する工程と、前記ベクター又は前記発現システムが導入された細胞を選択する工程とを含む標的遺伝子の発現が抑制された細胞を生産する方法を提供する。
またさらに、本発明は、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28塩基にわたって二重鎖を形成している二重鎖RNAを、インビトロの哺乳動物細胞に導入するステップを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法を提供する。
この干渉用二重鎖RNAは、化学合成により作製することができる。
この干渉用二重鎖RNAは、化学合成により作製することができる。
ここで、前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖の5’側を平滑末端又は2塩基突出とすることができる。または、前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖及びアンチセンスRNA鎖の両鎖又はいずれか一方の鎖の3’末端を2塩基突出とすることができる。また、前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖の3’側を平滑末端とし、かつ、アンチセンスRNA鎖の3’末端を2塩基突出とすることができる。
上記標的遺伝子の発現を抑制する方法において、二重鎖RNAを最終濃度10nM以下、最終濃度1nM以下又は最終濃度0.1nMで、インビトロの哺乳動物細胞に導入することができる。
上記の通り、本発明のsiRNAを用いることにより、特定の標的部位のみに限定されることがなく、かつ低い細胞毒性でRNAiをもたらすことができる。
また、本発明のベクターまたは発現システムは、化学合成によらずsiRNAを細胞内で合成できるため、より短いsiRNAを用いたときのように予め発現抑制効果の高い部位を特定することなく、かつ低毒性なsiRNAを、安価に作成することができる。このような本発明のベクターまたは発現システムを用いて、標的遺伝子の機能解析や、ウイルスの発現抑制、疾患原因遺伝子の発現抑制などによる遺伝子治療を行なうことができる。さらには、本発明のベクターまたはシステムを用いて、標的遺伝子の機能解析のための研究材料となるノックダウン細胞、ノックダウン動物または植物を作成することができる。植物細胞に本発明のsiRNAを導入した場合には、機能解析のみならず、品種改良に用いることができる。
また、本発明のベクターまたは発現システムは、化学合成によらずsiRNAを細胞内で合成できるため、より短いsiRNAを用いたときのように予め発現抑制効果の高い部位を特定することなく、かつ低毒性なsiRNAを、安価に作成することができる。このような本発明のベクターまたは発現システムを用いて、標的遺伝子の機能解析や、ウイルスの発現抑制、疾患原因遺伝子の発現抑制などによる遺伝子治療を行なうことができる。さらには、本発明のベクターまたはシステムを用いて、標的遺伝子の機能解析のための研究材料となるノックダウン細胞、ノックダウン動物または植物を作成することができる。植物細胞に本発明のsiRNAを導入した場合には、機能解析のみならず、品種改良に用いることができる。
本発明の第一の側面は、標的とする配列が限定されることなく、かつ細胞毒性の低い、干渉用二重鎖RNAに関する。この干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25個、26個、27個又は28個以上の塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする。
さらに、この干渉用二重鎖RNAは、標的遺伝子のmRNAの配列に対して、二重鎖を形成しているアンチセンスRNAまたはセンスRNAの少なくとも1個の塩基が他の塩基に置換していてもよい。具体的には、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基、好ましくは5’側から1番目の塩基が他の塩基により置換されているものや、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1〜4番目の塩基のうちの1塩基、好ましくは、3’側から1番目の塩基が他の塩基により置換されているものが挙げられる。
塩基置換の例としては、アンチセンスRNAまたはセンスRNAにおいて、グアニン(G)がアデニン(A)若しくはウラシル(U)に置換しているもの、またはシトシン(C)がアデニン(A)若しくはウラシル(U)に置換しているものが挙げられる。この場合、置換された塩基を含むRNAと相補的なRNA鎖(例えば、アンチセンスRNAが置換された塩基を含む場合には、センスRNA)における置換された塩基に対応する位置の塩基は、置換せずもとの塩基のままであっても、置換された塩基と相補的な塩基対を形成するように置換しても良い。例えば、アンチセンスRNAにおいてグアニン(G)をアデニン(A)に置換した場合、対応するセンスRNAはシトシン(C)のままでもよいし、置換されたアデニン(A)と相補的な塩基対を形成するようにセンスRNAの対応する塩基をウラシル(U)に置換してもよい。
または、二重鎖を形成している領域内のアンチセンスRNAの5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれか、またはセンスRNAの3’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入されていてもよい。挿入される塩基は、任意の塩基でよく、修飾された塩基を挿入してもよい。
さらに、本願の干渉用二重鎖RNAは、アンチセンスRNAとセンスRNAとの間で形成される二重鎖の部分だけではなく、アンチセンスRNA及びセンスRNAの3’側に、1〜4個の塩基、好ましくは2〜3個の塩基からなるオーバーハングを有しても良い。オーバーハングは、二重鎖を形成しない一本鎖の突出部分である。このオーバーハングは、標的遺伝子との特異性が低いため、標的遺伝子の配列と相補的(アンチセンス)配列あるいは同じ(センス)配列である必要は必ずしもない。また、siRNAによる標的遺伝子の発現抑制効果を保持し得る範囲で、例えば一端の突出部分に低分子RNA(例えば、tRNA、rRNAまたはウイルスRNAのような天然のRNA分子であってもよく、また人工的なRNA分子)を備えてもよい。
本発明のさらに別の干渉用二重鎖RNAとして、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した24塩基、25塩基または26以上の塩基にわたって二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入され、前記アンチセンスRNAに挿入された塩基と相補的塩基対を形成する塩基が、前記アンチセンスRNAの前記挿入された塩基に対応する前記センスRNAの位置に挿入されていることを特徴とする。このばあいには、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入され、かつ、センスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間の位置に1個の塩基が挿入されているものが望ましい。
本発明の別の側面として、標的とする配列が限定されることなく、かつ細胞毒性の低い、干渉用二重鎖RNAを発現させるためのベクターが提供される。このベクターには、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAおよび前記センスコードDNAから、前記アンチセンスRNAおよび前記センスコードRNAをそれぞれ発現させるための一つ以上のプロモーターとを含んでなり、前記ベクターからは、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖が形成された干渉用二重鎖RNAが形成される。
本願のベクターから生じる干渉用二重鎖RNAは、上記に説明したように、二重鎖を形成しているアンチセンスRNAまたはセンスRNAの少なくとも1個の塩基が他の塩基に置換していてもよい。または、アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、若しくは4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置、またはセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の3’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、若しくは4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に、1個の塩基が挿入されていてもよい。
本発明のさらに別のベクターとして、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、生じる二重鎖RNAは、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した24塩基、25塩基または26以上の塩基にわたって二重鎖を形成し、前記アンチセンスRNAの二重鎖を形成している領域内の5’側から1番目と2番目の塩基の間、2番目と3番目の塩基の間、3番目と4番目の塩基の間、または4番目と5番目の塩基の間のうちのいずれかの位置に1個の塩基が挿入され、前記アンチセンスRNAに挿入された塩基と相補的塩基対を形成する塩基が、前記アンチセンスRNAの前記挿入された塩基に対応する前記センスRNAの位置に挿入されている。
上記ベクターは、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとの間に、リンカーをコードするリンカーDNAをさらに含んでもよい。このリンカーDNAを含むベクターから転写されるRNAは、二重鎖RNAの一方の端部がリンカーRNAにより接続されたステムループ型構造となる。また、リンカーDNAの長さ、配列は特に限定されないが、siRNAの生成を阻害するようなターミネーション配列などでなく、および上述したように二重鎖RNAまで生成された際にステム部分の対合に支障のないリンカーの長さ、配列であればよい。例えば、ステムの対合の安定化およびステム部分をコードしているDNA間での組換えを抑制するために、リンカー部分にクローバーリーフtRNA構造を用いてもよい。また、リンカーの長さがステムの対合に支障を与える長さであっても、例えば、リンカー部分にイントロンを包含させ、前駆RNAから成熟RNAにプロセッシングされる際にイントロンが切り出されて、ステム部分が対合するような構成をとってもよい。また、二重鎖RNAのループを形成していない側のアンチセンスRNAまたはセンスRNAのいずれかの端部に、低分子RNAをさらに備えてもよい。この低分子RNAは、上述したように、tRNA、rRNAまたはウイルスRNAのような天然のRNA分子であってもよく、また人工的なRNA分子であってもよい。
本発明の別の側面として、標的とする配列が限定されることなく、かつ細胞毒性の低い、干渉用二重鎖RNAを発現させるための発現システムが提供される。この発現システムには、標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、前記アンチセンスコードDNAから前記アンチセンスRNAを発現させるための第一のプロモーターとを含む第一のベクターと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAをコードしたセンスコードDNAと、前記センスコードDNAから前記センスRNAを発現させるための第二のプロモーターとを含む第二のベクターとを含んでなり、前記発現システムからは、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基、26塩基、27塩基又は28以上の塩基にわたって二重鎖が形成された干渉用二重鎖RNAが形成される。
「siRNA」は、哺乳動物細胞内で毒性を示さない範囲の短鎖からなる二重鎖RNAを意味する。siRNAの長さは、アンチセンスRNAおよびセンスRNAとの間で形成される二重鎖部分の長さが、25塩基、26塩基、27塩基又は28塩基以上である。
本発明において、「アンチセンスRNA」は、標的遺伝子のmRNAの一部の配列と相補する配列からなるRNAであり、このアンチセンスRNAが標的遺伝子のmRNAと結合してRNAiを誘導すると考えられている。アンチセンスRNAは、標的遺伝子のmRNAにおける特定の領域と完全に相補的な塩基配列を有する必要はなく、センスRNAとともに二重鎖RNAを形成できる限り、塩基配列の一部に不対合部分が含まれていてもよい。また、「センスRNA」は、上記アンチセンスRNAと相補する配列、すなわち、標的遺伝子のmRNAと相同な(同じ)塩基配列を備え、相補的なアンチセンスRNAとアニーリングしてsiRNAを生成するRNAである。センスRNAは、前記標的遺伝子のmRNAにおける特定の領域と完全に相同な(同じ)塩基配列を有する必要はなく、アンチセンスRNAとともに二重鎖RNAを形成できる限り、塩基配列の一部に不対合部分が含まれていてもよい。これらアンチセンスRNAとセンスRNAとは、従来では、RNA合成機により化学合成されることが多いが、本発明では、化学合成のみならず、ベクター中のアンチセンスRNAをコードしたDNA(アンチセンスコードDNA)、センスRNAをコードしたDNA(センスコードDNA)より細胞内で発現される。
「標的遺伝子」は、その遺伝子の発現がsiRNAより抑制される遺伝子であり、任意に選択することができる。この標的遺伝子は、例えば、配列は判明しているがどのような機能を有するかを解明したい遺伝子や、その発現が疾患の原因と考えられる遺伝子などを好適に選択することができる。標的遺伝子は、そのmRNA配列の一部、すなわちsiRNAの一方の鎖(アンチセンスRNA鎖)と結合し得る長さである少なくとも15塩基以上が判明しているものであれば、ゲノム配列まで判明していない遺伝子であっても選択することができる。したがって、EST(Expressed Sequence Tag)などのmRNAの一部は判明しているが、全長が判明していない遺伝子なども「標的遺伝子」として選択することができる。
上記アンチセンスコードDNA、センスコードDNAよりアンチセンスRNA、センスRNAを発現させるために、本発明のsiRNA発現ベクターおよびsiRNA発現システムには、一つ以上の「プロモーター」が備えられている。このプロモーターは、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとを発現し得るものであれば、その種類、数、位置などは任意に定めることができる。プロモーターは、上記各DNAより対応するRNAを産生し得るものであれば、polII系、polIII系のいずれでもよいが、好ましくはsiRNAのような短いRNAの発現に適したpolIII系を用いることができる。このpolIII系のプロモーターとしては、例えば、U6プロモーター、tRNAプロモーター、レトロウイルス性LTRプロモーター、アデノウイルスVAlプロモーター、5S rRNAプロモーター、7SK RNAプロモーター、7SL RNAプロモーター、H1 RNAプロモーターなどを挙げることができる。
本発明のベクターとしては、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAの5’上流にプロモーターをそれぞれ備えたタンデム型のsiRNA発現ベクターや、アンチセンスDNAとセンスコードDNAとを同一DNA鎖上に逆向きに配置し、これらDNA間にリンカーを挟んで連結させたユニットを一つのプロモーターの下流に接続させたステムループタイプのsiRNAベクターが挙げられる。
タンデム型のsiRNA発現ベクターでは、アンチセンスRNAとセンスRNAをそれぞれ別々のRNA鎖として発現させた後に、アニーリングさせ、二重鎖RNAとすることができる。ステムループタイプのsiRNA発現ベクターから生じるsiRNAは、リンカー部分をループとし、その両側のセンスRNAとアンチセンスRNAとが対合(ステム構造)となったステムループ型構造を有する。そして、細胞内の酵素によりプロセッシングを受けてループ部分が切断され、siRNAを生成させることができる。なお、この場合のステム部分の長さ、リンカーの長さ、種類などは上述した通りの構成とすることができる。
本発明の発現システムでは、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとを別個のベクターに保持させる。この場合には、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAのそれぞれの5’上流にプロモーターを含む。この場合には、アンチセンスRNAとセンスRNAをそれぞれ別々のRNA鎖として発現させた後に、アニーリングさせ、二重鎖RNAとすることができる。
センスRNA、アンチセンスRNAの下流に余分な配列が付加されることを避けるために、それぞれの鎖(アンチセンスRNAコード鎖、センスRNAコード鎖)の3’末端にターミネーターをそれぞれ備えることが好ましい。このターミネーターは、T(チミン)塩基を4つ以上連続させた配列などを用いることができる。
また、いずれの場合にも、5’端にプロモーターからの転写を促進し得る配列を備えてもよい。具体的にはタンデム型の場合には、アンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとの5’端それぞれに、また、ステムループ型の場合には上記ユニットの5’端に、プロモーターからの転写を促進し得る配列を備えることにより、siRNAの生成を効率化してもよい。なお、こうした配列からの転写物は、siRNAによる標的遺伝子の発現抑制に支障がない場合には、siRNAに付加された状態で用いてもよいが、発現抑制に影響を与える場合には、リボザイムのようなトリミング手段を用いてトリミングを行うことが好ましい。
また、本発明では、RNA干渉を誘導するための、標的遺伝子のmRNAの一部の配列と相補する部分が25塩基、26塩基、27塩基又は28塩基以上からなる一本鎖アンチセンスRNAをも意図している。また、本願発明は、標的遺伝子のmRNAの一部の配列と相補する部分が25塩基、26塩基、27塩基又は28塩基以上からなる一本鎖アンチセンスRNAを発現させるためのベクター、当該ベクターを保持する細胞、当該細胞を有する生物個体、当該ベクターを細胞に導入して、標的遺伝子の発現が抑制された細胞を生産する方法をも意図している。
(1)dsRNAの作成
ショートヘアピンRNAの転写は、40mMのHepes-KOH(pH7.8)、20mMのMgCl2、5mMのジチオトレイトール、1mMのNTP混合物、2mMスペルミジン、48μg/mlの牛血清アルブミン、100nMのDNA鋳型 (Hokkaido System Science Inc.)、0.47μg/mlのパン酵母無機ピロホスファターゼ(Sigma)及び5.7μg/mlのT7 RNAポリメラーゼを含む400μlの反応混合液中で42℃にて1時間行った。標的遺伝子として、HygEGFP遺伝子を標的とし、転写したショートヘアピンRNA(shRNA)は、トリミングループに結合している表1及び表2に示す二本鎖領域と一本鎖5’−GGG配列とを有している。トリミングループは、ループの2番目と最後の位置に2個の特異的なG残基を有している。RNase T1 (10,000U/ml)は、 100 mMのMgCl2の存在下で0℃という限定された条件下で、これら2個のG残基及び5’−GGG配列を特異的に切断する。トリミングしたsiRNAをフェノールで抽出し、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製した。精製したsiRNAの品質はPAGE分析及びMALDI−TOF質量スペクトル分析で確認した
ショートヘアピンRNAの転写は、40mMのHepes-KOH(pH7.8)、20mMのMgCl2、5mMのジチオトレイトール、1mMのNTP混合物、2mMスペルミジン、48μg/mlの牛血清アルブミン、100nMのDNA鋳型 (Hokkaido System Science Inc.)、0.47μg/mlのパン酵母無機ピロホスファターゼ(Sigma)及び5.7μg/mlのT7 RNAポリメラーゼを含む400μlの反応混合液中で42℃にて1時間行った。標的遺伝子として、HygEGFP遺伝子を標的とし、転写したショートヘアピンRNA(shRNA)は、トリミングループに結合している表1及び表2に示す二本鎖領域と一本鎖5’−GGG配列とを有している。トリミングループは、ループの2番目と最後の位置に2個の特異的なG残基を有している。RNase T1 (10,000U/ml)は、 100 mMのMgCl2の存在下で0℃という限定された条件下で、これら2個のG残基及び5’−GGG配列を特異的に切断する。トリミングしたsiRNAをフェノールで抽出し、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製した。精製したsiRNAの品質はPAGE分析及びMALDI−TOF質量スペクトル分析で確認した
表1及び表2は、生じるsiRNAのセンスRNAおよびアンチセンスRNAの塩基配列を5’から3’の方向に示したものである。
表1において、EGFP483-18〜EGFP483-28で示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの483番目の塩基に対応するよう設定され、二重鎖RNAの部分の長さが、それぞれ16〜26塩基のものである。480〜490により示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基が、それぞれEGFP遺伝子のmRNAの480〜490番目の塩基に対応するよう設定されている。
表2において、EGFP638-18〜EGFP638-28で示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの638番目の塩基に対応するよう設定され、二重鎖RNAの部分の長さが、それぞれ16〜26塩基のものである。635〜645により示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基が、それぞれEGFP遺伝子のmRNAの635〜645番目の塩基に対応するよう設定されている。
表1において、EGFP483-18〜EGFP483-28で示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの483番目の塩基に対応するよう設定され、二重鎖RNAの部分の長さが、それぞれ16〜26塩基のものである。480〜490により示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基が、それぞれEGFP遺伝子のmRNAの480〜490番目の塩基に対応するよう設定されている。
表2において、EGFP638-18〜EGFP638-28で示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの638番目の塩基に対応するよう設定され、二重鎖RNAの部分の長さが、それぞれ16〜26塩基のものである。635〜645により示されるsiRNAは、そのアンチセンスRNAの3’末端の塩基が、それぞれEGFP遺伝子のmRNAの635〜645番目の塩基に対応するよう設定されている。
(2)細胞培養及びトランスフェクション
Hyg/EGFP を安定に発現しているHeLa細胞(HeLaS3/HygEGFP細胞)を、トランスフェクションに用い、RNAi活性の測定にはHygEGFP遺伝子を標的とするsiRNAを使用した。Hyg/EGFP 遺伝子は、EGFPとハイグロマイシン耐性遺伝子との融合タンパク質を発現するpHygEGFP (Clontech)に由来するものである。細胞は、10%牛胎児血清(FBS)、100unit/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン及び100μg/mlのハイグロマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地で培養した。7.5×104個の細胞を6穴プレートに接種し、48時間培養した。培地を、ハイグロマイシンを含まない1mlのOPTI-MEM I (Gibco)に交換した。10μlのオリゴフェクタミン(Invitrogen)を用いて、(1)で作成した10μmolのEGFP用siRNA(最終濃度10 nM) を細胞にトランスフェクションし、4時間インキュベートした後、30% FBS を含む500μlのダルベッコ改変イーグル培地を添加した。
Hyg/EGFP を安定に発現しているHeLa細胞(HeLaS3/HygEGFP細胞)を、トランスフェクションに用い、RNAi活性の測定にはHygEGFP遺伝子を標的とするsiRNAを使用した。Hyg/EGFP 遺伝子は、EGFPとハイグロマイシン耐性遺伝子との融合タンパク質を発現するpHygEGFP (Clontech)に由来するものである。細胞は、10%牛胎児血清(FBS)、100unit/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン及び100μg/mlのハイグロマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地で培養した。7.5×104個の細胞を6穴プレートに接種し、48時間培養した。培地を、ハイグロマイシンを含まない1mlのOPTI-MEM I (Gibco)に交換した。10μlのオリゴフェクタミン(Invitrogen)を用いて、(1)で作成した10μmolのEGFP用siRNA(最終濃度10 nM) を細胞にトランスフェクションし、4時間インキュベートした後、30% FBS を含む500μlのダルベッコ改変イーグル培地を添加した。
(3)フローサイトメトリー及び免疫蛍光分析
トランスフェクションの72時間後に、細胞をトリプシンで処理し、冷PBSで2回洗浄し、0.1%アジ化ナトリウム及び0.2%BSAを含むHanks緩衝液に再懸濁した。EGFPの蛍光をFACScalibur (Becton Dickinson)を用いてフローサイトメトリーにより測定した。結果を図1及び図2に示す。
トランスフェクションの72時間後に、細胞をトリプシンで処理し、冷PBSで2回洗浄し、0.1%アジ化ナトリウム及び0.2%BSAを含むHanks緩衝液に再懸濁した。EGFPの蛍光をFACScalibur (Becton Dickinson)を用いてフローサイトメトリーにより測定した。結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2では、棒グラフで示した結果は、アンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの483番目及び638番目の塩基に対応するように設定されたsiRNAのRNAi活性を示す。このsiRNAは二重鎖RNA部分の長さが、16〜26塩基のものであり、二重鎖RNA部分の長さはグラフ上部に示された16〜26の数字に対応する。
折れ線グラフで示された結果は、アンチセンスRNAの3’末端の塩基がEGFP遺伝子のmRNAの480〜490番目及び635〜645番目の塩基に対応するように設定されたsiRNAのRNAi活性を示す。このsiRNAは、二重鎖RNAの長さが19塩基のものであり、アンチセンスRNAの3’末端の塩基が対応する、EGFP遺伝子のmRNAの塩基の位置がグラフ下部に示された480〜490及び635〜645の数字に対応する。
二重鎖部分が25、26、27塩基又は28塩基(オーバーハングを入れて数えた場合には27、28、29、30塩基)のsiRNAは、従来使用されている二重鎖部分が19塩基(オーバーハングを入れて数えた場合、21塩基)のものと比べて、標的とする配列によらず高い活性を示すことがわかる。
(4)細胞の培養及びトランスフェクション、並びにレポーター遺伝子の発現アッセイ
shRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方が同様に活性を阻害するかどうか解析するために、図3に示すような2種のヘアピン型RNAを設計した。A/Bタイプヘアピンは、「A配列」をセンス鎖として、「B配列」をアンチセンス鎖として有するのに対して、B/Aタイプヘアピンは、「A配列」をアンチセンス鎖として、「B配列」をセンス鎖として有する。「A配列」と「B配列」は、それぞれ相補的である。また、比較のため、タンデム型のベクターを作成した。また、ホタルルシフェラーゼ発現ベクターであるpGL3コントロールベクターに、A配列及びB配列の標的を挿入したものを作成した。
shRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方が同様に活性を阻害するかどうか解析するために、図3に示すような2種のヘアピン型RNAを設計した。A/Bタイプヘアピンは、「A配列」をセンス鎖として、「B配列」をアンチセンス鎖として有するのに対して、B/Aタイプヘアピンは、「A配列」をアンチセンス鎖として、「B配列」をセンス鎖として有する。「A配列」と「B配列」は、それぞれ相補的である。また、比較のため、タンデム型のベクターを作成した。また、ホタルルシフェラーゼ発現ベクターであるpGL3コントロールベクターに、A配列及びB配列の標的を挿入したものを作成した。
HeLa S3細胞をpGL3コントロールベクターとβgal発現ベクターとにより共トランスフェクションした。HeLa S3細胞は、10%胎児牛血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地において培養された。トランスフェクションは、300ngのタンデム型または30ngのヘアピン型のsiRNAの発現プラスミド、30ngのホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL3; Promega, Madison, WI)、10ngのRenillaルシフェラーゼ発現プラスミド(pRL-RSV)を用いて、指示書に従い、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)により行なった。ルシフェラーゼ活性は、Dual Luciferase System (Promega)24時間後測定された。相当するDNA量を確認するため、インサートの入っていないプラスミドが各トランスフェクションの適当なレベルに加えられた。
内部コントロールとしてβgal発現ベクターを用いた。タンデム型とヘアピン型とを比較した結果を図4の左のグラフに示す。ヘアピン型ではアンチセンス鎖のみが抑制効果を保っていたのに対して、タンデム型は、センス及びアンチセンスの両方とも抑制効果があった。
この活性の差が配列自体に依存するのか、ヘアピンの構造自体に依存するのか確認するため、図3に示すA/BとB/Aのヘアピンベクターを用いて抑制効果を測定した。両ベクターのアンチセンス鎖は、センス鎖に比べてより発現を抑制することが示された(図4の右のグラフ)。このことから、ヘアピン型のベクターの発現抑制効果は、配列自体だけではなく、ヘアピンにおけるアンチセンス鎖とセンス鎖の位置が重要であることが示された。
ヘアピンベクターにおけるセンス又はアンチセンスの位置の重要性をさらに解明するために、図3に示すA/Bベクター、B/Aベクター及びタンデムベクターについてノザン解析を行なった。1μgのsiRNA発現プラスミド、又はホタルルシフェラーゼに対する10nMのsiRNAによりHeLa S3細胞をトランスフェクションし、24時間後、全RNAをIsogen Reagent (和光純薬株式会社)により抽出した。抽出された全RNA(15μg)を18%(wt/vol)ポリアクリルアミド−ウレアゲルによりサイズ分画し、Hybond N+ membrane(アマシャム)に転写した。転写されたHybond N+ membraneを室温で乾燥し、紫外線により固定した。30%のホルマリン、10%の硫酸デキストラン、5×SSC、0.5%のSDS、1×デンハード溶液及び0.1mg/mlのサケ精子DNA(シグマ)中で、Hybond N+ membraneをプレハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーションを、ホタルルシフェラーゼ遺伝子又はウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子の配列と相補的な、以下に示す合成オリゴヌクレオチドプローブにより、36℃で3時間行なった。
ホタルルシフェラーゼ サイトB; (センス) 5’-AAG CTA TGA AAC GAT ATG GG-3’,
ウミシイタケルシフェラーゼ サイトC; (センス) 5’-AAG TAG TGT GGT GTA TTA TA-3’,
(アンチセンス) 5’-TAT AAT ACA CCG CGC TAC TT-3’.
ウミシイタケルシフェラーゼ サイトC; (センス) 5’-AAG TAG TGT GGT GTA TTA TA-3’,
(アンチセンス) 5’-TAT AAT ACA CCG CGC TAC TT-3’.
コントロールとして用いられたバリンのtRNAのプローブの配列は次の通りである。
5’-GAA CGT GAT AAC CAC TAC ACT ACG GAA ACC CTA TAG TGA GTC GTA TTA GGC GGG AAC CGC CTA ATA CGA CTC ACT ATA GG-3’.
5’-GAA CGT GAT AAC CAC TAC ACT ACG GAA ACC CTA TAG TGA GTC GTA TTA GGC GGG AAC CGC CTA ATA CGA CTC ACT ATA GG-3’.
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)により、32P-ATP(アマシャム)で合成プローブを標識した。このHybond N+ membraneを、36℃で2×SSCで2回洗浄し、Fujix Bio-Image Analyzer BAS1000(富士写真フィルム株式会社)により解析した。結果を図5に示す。マーカー(MK)は21塩基の長さである。B配列の検出のため、A配列をプローブとして用いてハイブリッドさせたものを左側、A配列の検出のためB配列をプローブとして用いたものを右側に示す。B配列の検出では(図5左)、A/Bベクター及びタンデムベクターを用いた場合、B配列を明らかに検出できたが、B/Aベクターは検出されなかった。さらに、A配列はB/Aベクターの場合とタンデムベクターの場合のみ検出された(図5右)
これらのことから、ヘアピン型のsiRNA発現ベクターはセンス鎖の非特異的な作用を抑制できるため、より望ましいことがわかった。
これらのことから、ヘアピン型のsiRNA発現ベクターはセンス鎖の非特異的な作用を抑制できるため、より望ましいことがわかった。
(5)平滑末端又は2塩基突出末端を有する19塩基、25塩基及び27塩基の二本鎖RNAの発現抑制効果の比較
HeLaS3細胞にリポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、10ngのウミシイタケルシフェラーゼ発現ベクター(pRL-CMV)(プロメガ社)と30ngのホタルルシフェラーゼ発現ベクター(pGL3)および、様々なウミシイタケルシフェラーゼに対する2本鎖RNA(終濃度1nM)を導入した。使用した2本鎖RNAは、次の通りである。
HeLaS3細胞にリポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、10ngのウミシイタケルシフェラーゼ発現ベクター(pRL-CMV)(プロメガ社)と30ngのホタルルシフェラーゼ発現ベクター(pGL3)および、様々なウミシイタケルシフェラーゼに対する2本鎖RNA(終濃度1nM)を導入した。使用した2本鎖RNAは、次の通りである。
19塩基2本鎖RNA(両端2塩基突出)
5’-UUCACGCUGAAAGUGUAGUUU-3’
5’-ACUACACUUUCAGCGUGAAUU-3’
25塩基2本鎖RNA(両端平滑)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUA-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
25塩基2本鎖RNA(両端2塩基突出)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCUUU-3’
27塩基2本鎖RNA(両端平滑)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-ACUACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
25塩基2本鎖RNA(片端2塩基突出)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
5’-UUCACGCUGAAAGUGUAGUUU-3’
5’-ACUACACUUUCAGCGUGAAUU-3’
25塩基2本鎖RNA(両端平滑)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUA-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
25塩基2本鎖RNA(両端2塩基突出)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCUUU-3’
27塩基2本鎖RNA(両端平滑)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-ACUACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
25塩基2本鎖RNA(片端2塩基突出)
5’-AGCAAUAGUUCACGCUGAAAGUGUAGU-3’
5’-UACACUUUCAGCGUGAACUAUUGCU-3’
12時間後に細胞を回収し、デュアル・ルシフェラーゼ・アッセイキット(プロメガ社)を用いて、ホタルルシフェラーゼ・ウミシイタケルシフェラーゼの活性を測定した。測定データーは、トランスフェクション効率などを補正するために、ウミシイタケルシフェラーゼをホタルルシフェラーゼで規格化したものを用いた。
結果を図6に示す。図6において、1は、二本鎖RNAなし、2は、19塩基2本鎖RNA(両端2塩基突出)、3は25塩基2本鎖RNA(両端平滑)、4は25塩基2本鎖RNA(両端2塩基突出)、5は27塩基2本鎖RNA(両端平滑)、6は25塩基2本鎖RNA(片端2塩基突出)を示す。図6に示すように、19塩基2本鎖RNAに比較して、25塩基、27塩基2本鎖RNAが高い抑制活性を示した。
(6)EGFPに対する異なる長さのsiRNAのRNAi活性の比較
センス鎖の2本鎖部分の配列が、19、21、23、25又は27塩基のsiRNAを合成した(オーバーハングを含めると、21、23、25、29塩基)。センス鎖の5’末端の位置は、EGFPのORFのポジション438に相当する。オーバーハングは、センス鎖AG、アンチセンス鎖AUである。用いた配列を以下に記す。
センス鎖の2本鎖部分の配列が、19、21、23、25又は27塩基のsiRNAを合成した(オーバーハングを含めると、21、23、25、29塩基)。センス鎖の5’末端の位置は、EGFPのORFのポジション438に相当する。オーバーハングは、センス鎖AG、アンチセンス鎖AUである。用いた配列を以下に記す。
19塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAU-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAU-AG-3’
アンチセンス 5’-AUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
21塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAU-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAU-AG-3’
アンチセンス 5’-AUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
23塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCA-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCA-AG-3’
アンチセンス 5’-UGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
25塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUG-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUG-AG-3’
アンチセンス 5’-CAUGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
27塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUGGC-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUGGC-AG-3’
アンチセンス 5’-GCCAUGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAU-AG-3’
アンチセンス 5’-AUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
21塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAU-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAU-AG-3’
アンチセンス 5’-AUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
23塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCA-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCA-AG-3’
アンチセンス 5’-UGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
25塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUG-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUG-AG-3’
アンチセンス 5’-CAUGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
27塩基 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUGGC-3’(2本鎖RNA領域)
センス 5’-CAACAGCCACAACGUCUAUAUCAUGGC-AG-3’
アンチセンス 5’-GCCAUGAUAUAGACGUUGUGGCUGUUG-AU-3’
実験条件は以下のとおりである。EGFP遺伝子を導入したHeLa細胞を37℃、5%CO2条件下にて24wellプレートで24時間前培養し、50%コンフルエントの状態にした。培地はDulbecco’s modified Eagle培地に10%Fetal Bovine serum(FBS)を加えたものを使用した。細胞をPBSで洗浄後、培地をOpti-MEM I (GIBCO)に交換し、siRNAを終濃度 0.1 nMでトランスフェクションした。
トランスフェクション試薬はオリゴフェクトアミン(インビトロジェン社)を使用し、トランスフェクションボリュームは250μlとした。4時間後、30%FBSを含む培地(Dulbecco’s modified Eagle培地)を125μl加え、引き続き培養した。siRNA導入から48時間後にフローサイトメトリーによって、EGFPの蛍光強度を測定した。結果を図7に示す。二本鎖部分が25塩基及び27塩基の二本鎖RNAについて、19塩基の二本鎖RNAより、RNAiの活性が高いことが確認された。
トランスフェクション試薬はオリゴフェクトアミン(インビトロジェン社)を使用し、トランスフェクションボリュームは250μlとした。4時間後、30%FBSを含む培地(Dulbecco’s modified Eagle培地)を125μl加え、引き続き培養した。siRNA導入から48時間後にフローサイトメトリーによって、EGFPの蛍光強度を測定した。結果を図7に示す。二本鎖部分が25塩基及び27塩基の二本鎖RNAについて、19塩基の二本鎖RNAより、RNAiの活性が高いことが確認された。
(7)19塩基、25塩基及び26塩基のsiRNAにおけるタンデム型及びヘアピン型の発現抑制の比較
HeLa S3細胞を、10%胎児牛血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地において培養した。300ngのタンデム型または30ngのヘアピン型のsiRNAの発現プラスミド、30ngのホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL3; Promega, Madison, WI)、及び10ngのウミシイタケルシフェラーゼ発現プラスミド(pRL-RSV)により、Promegaの指示書に従い、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いてトランスフェクションを行なった。Dual Luciferase System (Promega)により24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。相当するDNA量を確認するため、インサートの入っていないプラスミドを各トランスフェクションの適当なレベルに加えた。
U6プロモーターのすぐ下流に挿入された配列は、以下の通りである(センス配列のみ記載)。
HeLa S3細胞を、10%胎児牛血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地において培養した。300ngのタンデム型または30ngのヘアピン型のsiRNAの発現プラスミド、30ngのホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL3; Promega, Madison, WI)、及び10ngのウミシイタケルシフェラーゼ発現プラスミド(pRL-RSV)により、Promegaの指示書に従い、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いてトランスフェクションを行なった。Dual Luciferase System (Promega)により24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。相当するDNA量を確認するため、インサートの入っていないプラスミドを各トランスフェクションの適当なレベルに加えた。
U6プロモーターのすぐ下流に挿入された配列は、以下の通りである(センス配列のみ記載)。
pU6tandem19及びpU6hairpin19, GTG CGC TGC TGG TGC CAA C;
pU6tandem26, GTG CGC TGC TGG TGC CAA CCC TAT TC;
pU6hairpin25, GTG CGC TGC TGG TGC CAA CCC TAT T
pU6tandem26, GTG CGC TGC TGG TGC CAA CCC TAT TC;
pU6hairpin25, GTG CGC TGC TGG TGC CAA CCC TAT T
結果を図8に示す。タンデム型とヘアピン型いずれにおいても、19塩基と26塩基または25塩基とで比較すると、26塩基又は25塩基のほうが19塩基より効果的にルシフェラーゼの発現を抑制することがわかった。
Claims (19)
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む二重鎖干渉用RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする化学合成により作製した二重鎖干渉用RNA。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む二重鎖干渉用RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した26塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする化学合成により作製した二重鎖干渉用RNA。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む二重鎖干渉用RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した27塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする化学合成により作製した二重鎖干渉用RNA。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含む二重鎖干渉用RNAであって、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した28塩基にわたって二重鎖を形成していることを特徴とする化学合成により作製した二重鎖干渉用RNA。
- センスRNA鎖の5’側が平滑末端である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- センスRNA鎖の5’側が2塩基突出している請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- センスRNA鎖及びアンチセンスRNA鎖の両鎖又はいずれか一方の鎖の3’末端が、2塩基突出している請求項1〜4に記載の二本鎖干渉用RNA。
- センスRNA鎖の3’側が平滑末端であり、かつ、アンチセンスRNA鎖の3’末端が2塩基突出している請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重鎖干渉用RNA。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した25塩基にわたって二重鎖を形成している二重鎖RNAを、インビトロの哺乳動物細胞に導入するステップを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した26塩基にわたって二重鎖を形成している二重鎖RNAを、インビトロの哺乳動物細胞に導入するステップを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法。
- 標的遺伝子のmRNAにおけるいずれかの領域と相補的なアンチセンスRNAと、前記標的遺伝子のmRNAにおける前記領域と相同なセンスRNAとを含み、前記アンチセンスRNAと前記センスRNAとが連続した27塩基にわたって二重鎖を形成している二重鎖RNAを、インビトロの哺乳動物細胞に導入するステップを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法。
- 前記二重鎖RNAが化学合成により作製されたことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖の5’側が平滑末端である請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖の5’側が2塩基突出している請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖及びアンチセンスRNA鎖の両鎖又はいずれか一方の鎖の3’末端が、2塩基突出している請求項9〜12に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAのセンスRNA鎖の3’側が平滑末端であり、かつ、アンチセンスRNA鎖の3’末端が2塩基突出している請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAが、最終濃度10nM以下でインビトロの哺乳動物細胞に導入される請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAが、最終濃度1nM以下でインビトロの哺乳動物細胞に導入される請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二重鎖RNAが、最終濃度0.1nM以下でインビトロの哺乳動物細胞に導入される請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
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