JP2011087114A - アンテナ評価装置及びアンテナ評価方法 - Google Patents

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山本  温
Tsutomu Sakata
勉 坂田
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Abstract

【課題】MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、電波のマルチパス伝搬によるフェージング及び遅延を含む多重波伝搬環境を生成する。
【解決手段】コンピュータ10は、信号発生器11a,11bで発生された無線周波信号に遅延時間と第1のフェージングを付加するようにフェージング回路12a,12bを制御する。コンピュータ10はさらに、信号発生器13a,13bで発生され、分配器14a,14bで分配された各無線周波信号の位相と振幅を変化させることにより、散乱体アンテナから無線周波信号が放射されたとき第2のフェージングを生成するように移相回路15a,15bと減衰回路16a,16bを制御する。アンテナ評価装置は、散乱体アンテナから無線周波信号を放射することによって、第1及び第2のフェージングを含む多重波を受信アンテナの周囲に生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置のアンテナの性能を評価するためのアンテナ評価装置及び当該アンテナ評価装置を用いたアンテナ評価方法に関する。
近年、携帯電話機などの移動通信用無線端末装置が急速に発達している。基地局から無線端末装置に到達する電波は、その伝搬経路の地形や構造物などによる反射、散乱、あるいは回折などにより多重波になり、電波の振幅及び位相は場所によってランダムに変化する。この伝搬経路内を移動しながら基地局からの電波を受信する場合には、電波のマルチパス伝搬によるフェージング(すなわち、瞬時値変動を含む信号レベルの落ち込み)が生じ、この結果、ディジタル方式の通信環境では符号誤りが増大し、伝送品質が大きく劣化する(非特許文献1を参照)。このように、無線端末装置の通信性能を評価する場合には、電波暗室内での静特性評価はもちろんのこと、多重波伝搬環境中における性能評価を行うことが望ましい。このため、本願出願人は、特許文献1及び非特許文献2〜5に記載のようなアンテナ評価装置(空間多重波生成装置又はフェージングエミュレータともいう。)を提案してきた。
図11は、特許文献1記載の従来技術のアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。アンテナ評価装置は、半径rの円周上に等間隔に配置された複数の送信アンテナ(以下、散乱体アンテナという。)121−1〜121−7と、円の中心部付近に配置されたダイバーシチアンテナ等の被測定アンテナ122と、これらに接続された制御及び測定装置100とを備える。制御及び測定装置100は、ネットワークアナライザ111と、分配器112と、移相回路113と、減衰回路114と、D/Aコンバータ115と、コンピュータ110とを備える。ネットワークアナライザ111は無線周波信号を発生し、分配器112は、発生された無線周波信号を、散乱体アンテナ121−1〜121−7の個数に合わせて分配する。移相回路113及び減衰回路114は、分配された無線周波信号の位相及び振幅を調整し、調整後の無線周波信号は各散乱体アンテナ121−1〜121−7から放射される。ネットワークアナライザ111には、被測定アンテナ122で受信された無線周波信号が入力される。コンピュータ110は、ネットワークアナライザ111を制御するとともに、D/Aコンバータ115を介して移相回路113の位相調整量と減衰回路114の振幅調整量(減衰量)とを制御する。このアンテナ評価装置では、散乱体アンテナ121−1〜121−7から放射される無線周波信号の振幅と位相を制御することにより、この放射された無線周波信号によって円の中心部付近に構成される多重波伝搬環境(フェージング環境など)の性質を制御する。このとき、円の中心部付近に配置された被測定アンテナ122によって、実使用環境中の性能評価を行う。
また、特許文献2には、空間的な広がりを持ったレイリーフェージングを表現することができる3次元モデルを用いたフェージングシミュレータ(送信機と受信機との間にケーブルを接続して使用し、実際の通信環境の時空間特性を模擬的に作り出す装置)が開示されている。
近年、複数のアンテナ素子を用いて複数のチャネルの無線信号を同時に送受信するMIMO(Multi−Input Multi−Output)アンテナ装置が開発されている。図12は、2つの送信アンテナ201,202を備えたMIMO送信機200と、2つの受信アンテナ211,212を備えたMIMO受信機210とを含むMIMO無線通信システムを示す概略図である。MIMO送信機200は、送信すべきデータストリームを複数(この場合は2つ)のサブストリームに多重化し、各サブストリームを、対応する送信アンテナ201,202から送信する。この場合、送信アンテナ201から送信された第1のサブストリームは、第1のチャネル221を伝搬して受信アンテナ211に到来し、第2のチャネル222を伝搬して受信アンテナ212に到来する。同様に、送信アンテナ202から送信された第2のサブストリームは、第3のチャネル223を伝搬して受信アンテナ211に到来し、第4のチャネル224を伝搬して受信アンテナ212に到来する。
特開2005−227213号公報。 特許第3816499号公報。
唐沢好男、「ディジタル移動通信の電波伝搬基礎」、コロナ社、5〜8ページ、2003年3月。 坂田勉ほか、「空間フェージングエミュレータによる端末アンテナの実効性能評価」、松下テクニカルジャーナル、第52巻、第5号、70頁〜75頁、2006年10月。 坂田勉ほか、「空間フェージングエミュレータによるMIMOアンテナのチャネル容量測定」、電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会講演論文集、B−1−9,2007年9月。 坂田勉ほか、「角度スペクトラムが設定可能な端末MIMOアンテナ測定用空間多重波生成装置」、電子情報通信学会技術研究報告、第108巻、第5号、13頁〜18頁、2008年4月。 坂田勉ほか、「多重波生成装置による複数クラスタ伝搬環境下における端末MIMOアンテナ測定用空間多重波生成装置によるアンテナの伝送特性評価」、電子情報通信学会技術研究報告、第108巻、第429号、121頁〜126頁、2009年4月。
多重波伝搬環境におけるアンテナの性能評価をする際に、電波がさまざまな伝搬経路をたどることによって生じる伝搬時間の差、すなわちマルチパスによる遅延を考慮する必要がある。
さらに、図11のアンテナ評価装置を図12のMIMO無線通信システムの性能評価に適用しようとする場合、MIMO送信機から送信される各サブストリームが異なる伝搬経路をたどることを想定し、サブストリーム毎に異なる多重波伝搬環境を設定する必要がある。
現在、EUで無線通信システムの測定方法の規格化が行われているが、電波のモデルはSCME(Spatial Channel Model Extended)と呼ばれる複雑なモデルがスタンダード化されつつある。SCMEは、複数の遅延波が存在するモデルを規定しているが、異なる遅延波はそれぞれ、互いに異なるフェージング、好ましくは相関が0になるフェージングを生成する必要がある。
本発明の目的は、以上の課題を解決し、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、電波のマルチパス伝搬によるフェージング及び遅延を含む多重波伝搬環境を生成することができるアンテナ評価装置を提供し、また当該アンテナ評価装置を用いたアンテナ評価方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に係るアンテナ評価装置によれば、
評価対象の受信アンテナと、上記受信アンテナの周囲に設けられた複数の散乱体アンテナとを備えたアンテナ評価装置において、上記アンテナ評価装置は、
上記複数の散乱体アンテナからそれぞれ放射する複数の無線周波信号を生成する少なくとも1つの送信手段と、
上記送信手段を制御する制御手段とを備え、
上記送信手段のそれぞれは、
無線周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の信号発生器と、
上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号から、少なくとも1つの遅延された無線周波信号を生成し、上記発生された無線周波信号と上記遅延された各無線周波信号とに対して、互いに異なる第1のフェージングをそれぞれ付加し、上記第1のフェージングが付加された各無線周波信号を互いに合成して出力する第1の信号処理手段と、
上記第2の信号発生器によって発生された無線周波信号を分配し、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整して出力する第2の信号処理手段と、
上記第1の信号処理手段から出力される無線周波信号と、上記第2の信号処理手段から出力される各無線周波信号とをそれぞれ混合し、上記混合された各無線周波信号を上記各散乱体アンテナから放射させる複数のミキサとを備え、
上記制御手段は、上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及び上記第1のフェージングを付加するように上記第1の信号処理手段を制御する一方、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号が放射されたとき所定の第2のフェージングを生成するように上記第2の信号処理手段を制御し、
上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号を放射することによって、上記第1及び第2のフェージングを含む多重波を上記受信アンテナの周囲に生成することを特徴とする。
上記アンテナ評価装置において、上記互いに異なる第1のフェージングは、互いに無相関なフェージングであることを特徴とする。
また、上記アンテナ評価装置において、上記第1の信号処理手段はフェージングシミュレータであることを特徴とする。
さらに、上記アンテナ評価装置は複数の送信手段を備え、複数の第1の信号発生器は、MIMO通信方式で送信される複数の無線周波信号を発生することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るアンテナ評価方法によれば、
評価対象の受信アンテナと、上記受信アンテナの周囲に設けられた複数の散乱体アンテナとを備えたアンテナ評価装置を用いて上記受信アンテナを評価するアンテナ評価方法において、上記アンテナ評価装置は、上記複数の散乱体アンテナからそれぞれ放射する複数の無線周波信号を生成する少なくとも1つの送信手段を備え、
上記送信手段のそれぞれは、
無線周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の信号発生器と、
上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号から、少なくとも1つの遅延された無線周波信号を生成し、上記発生された無線周波信号と上記遅延された各無線周波信号とに対して、互いに異なる第1のフェージングをそれぞれ付加し、上記第1のフェージングが付加された各無線周波信号を互いに合成して出力する第1の信号処理手段と、
上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号を分配し、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整して出力する第2の信号処理手段と、
上記第2の信号処理手段から出力される無線周波信号と、上記第2の信号処理手段から出力される各無線周波信号とをそれぞれ混合し、上記混合された各無線周波信号を上記各散乱体アンテナから放射させる複数のミキサとを備え、
上記アンテナ評価方法は、
上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及び上記第1のフェージングを付加するように上記第1の信号処理手段を制御するステップと、
上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号が放射されたとき所定の第2のフェージングを生成するように上記第2の信号処理手段を制御するステップと、
上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号を放射することによって、上記第1及び第2のフェージングを含む多重波を上記受信アンテナの周囲に生成するステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係るアンテナ評価装置及びアンテナ評価方法によれば、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、MIMO送信機から送信される各サブストリームがさまざまな伝搬経路をたどることを想定し、サブストリーム毎に異なるフェージング及び遅延を含む多重波伝搬環境を生成することができる。
さらに、本発明に係るアンテナ評価装置及びアンテナ評価方法によれば、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、空間的なフェージングを生成することと、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成することとを同時に実現することができる。
本発明の実施形態に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。 図1のアンテナ評価装置のアンテナ配置を示す平面図である。 図1のフェージング回路12aの詳細構成を示すブロック図である。 複数の遅延波の存在を説明するための概略図である。 図4の第1波及び第2波が互いに異なるフェージングを含んでいる状態を示すグラフである。 (a)は、図1のフェージング回路12aによって生成される第1のフェージングを示すグラフであり、(b)は、フェージング回路12aによって生成される第2のフェージングを示すグラフであり、(c)は、図1の移相回路16a及び減衰回路17aによって生成されるフェージングを示すグラフである。 (a)は、図6(a)及び図6(c)のフェージングを合成して得られるフェージングを示すグラフであり、(b)は、図6(b)及び図6(c)のフェージングを合成して得られるフェージングを示すグラフである。 本発明の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。 図8のアンテナ評価装置のアンテナ配置を示す平面図である。 本発明の実施形態の第2の変形例に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。 従来技術のアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。 MIMO無線通信システムを示す概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。アンテナ評価装置は、互いに近接して配置された2つの受信アンテナ22a,22bと、それらを包囲するように配置された複数の散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nとを備える。本実施形態では、2つの受信アンテナ22a,22bは、例えば評価対象であるMIMO受信機の2つの受信アンテナとして設けられる。また、散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nは、例えば2つの送信アンテナを備えて2つのサブストリームを送信するMIMO送信機の第1の送信アンテナから放射される第1のサブストリームに対応する多重波を受信アンテナ22a,22bの付近に生成し、散乱体アンテナ21b−1〜21b−Nは、同じMIMO送信機の第2の送信アンテナから放射される第2のサブストリームに対応する多重波を受信アンテナ22a,22bの付近に生成する。これにより、本実施形態のアンテナ評価装置は、図12のように2つの送信アンテナを備えたMIMO送信機と2つの受信アンテナを備えたMIMO受信機とを含むMIMO無線通信システムにおける多重波伝搬環境を発生させる。
本実施形態のアンテナ評価装置は、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成し、その一方で、受信アンテナ22a,22bが移動することによって生じるフェージング(空間的なフェージング)を仮想的に生成することを特徴とする。背景技術の箇所で説明したように、SCMEは、複数の遅延波が存在するモデルを規定し、ここで、異なる遅延波はそれぞれ、互いに異なるフェージング、好ましくは相関が0になるフェージングを生成する必要がある。図4は、複数の遅延波の存在を説明するための概略図であり、図5は、図4の第1波及び第2波が互いに異なるフェージングを含んでいる状態を示すグラフである。このため、本実施形態のアンテナ評価装置は、複数の遅延波を含む多重波伝搬環境を生成し、さらに、遅延波ごとに異なるフェージングを生成する。
図1において、アンテナ評価装置は、所定周波数の無線周波信号をそれぞれ発生する信号発生器11a,11b,13a,13bを備える。本実施形態のアンテナ評価装置は、MIMO送信機から送信されるサブストリーム毎に2つずつの信号発生器を備え、これらの信号発生器のそれぞれを、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成することと、空間的なフェージングを生成することとに用いる。本実施形態では、MIMO送信機から2つのサブストリームを送信することを想定しているので、一方のサブストリームのために信号発生器11a,13aを備え、他方のサブストリームのために信号発生器11b,13bを備えている。信号発生器11a,11bは、互いに無相関である(又は、互いに直交する)、所定の変調された無線周波信号を発生する。信号発生器13a,13bは、連続波(CW)の無線周波信号を発生する。信号発生器13a,13bによって発生される無線周波信号は同一であってもよく、従って、個別の信号発生器13a,13bに代えて単一の信号源を用いてもよい。
信号発生器11aによって発生された無線周波信号は、フェージング回路12aに送られる。フェージング回路12aは、入力された無線周波信号から少なくとも1つの遅延波を発生させ、入力された無線周波信号と遅延された各無線周波信号とに対して互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を付加し、フェージングが付加された無線周波信号を互いに合成する。フェージング回路12aは、合成後の無線周波信号をミキサ18a−1〜18a−Nにそれぞれ送る。フェージング回路12aの詳細構成については、図3を参照して後述する。信号発生器13aによって発生された無線周波信号は、分配器14aによって、散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nの個数に合わせてN個に分配される。分配器14aの後段には、移相器15a−1〜15a−Nを含む移相回路15aと、減衰器16a−1〜16a−Nを含む減衰回路16aとが設けられ、各移相器15a−1〜15a−N及び減衰器16a−1〜16a−Nは、分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整し、調整後の無線周波信号はミキサ18a−1〜18a−Nにそれぞれ送られる。ミキサ18a−1〜18a−Nは、フェージング回路12aから送られた無線周波信号と、各減衰器16a−1〜16a−Nから送られた各無線周波信号とを混合し、混合された各無線周波信号は、散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nからそれぞれ放射される。フェージング回路12b、分配器14b、移相器15b−1〜15b−Nを含む移相回路15b、減衰器16b−1〜16b−Nを含む減衰回路16b、及びミキサ18b−1〜18b−Nの構成及び動作は、上述のフェージング回路12a、分配器14a、移相回路15a、減衰回路16a、及びミキサ18a−1〜18a−Nのものと同様である。ミキサ18b−1〜18b−Nにより混合された各無線周波信号は、散乱体アンテナ21b−1〜21b−Nからそれぞれ放射される。
放射された2N個の無線周波信号は、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nで包囲された中心付近の空間で重ね合わされて多重波となり、受信アンテナ22a,22bに到来する。受信アンテナ22a,22bに到来した無線周波信号はそれぞれ、受信機19a,19bによって測定される。受信機19a,19bによる無線周波信号の測定結果は、コンピュータ10に送られて処理される。コンピュータ10はさらに、信号発生器11a,11b,13a,13bを制御し、フェージング回路12a,12bによって生成される遅延及びフェージングを制御し、D/Aコンバータ17aを介して移相回路15aの位相調整量及び減衰回路16aの振幅調整量(減衰量)を制御し、D/Aコンバータ17bを介して移相回路15bの位相調整量及び減衰回路16bの振幅調整量(減衰量)を制御する。また、信号発生器11a,11b,13a,13b及び受信機19a,19bは、公知の方法により互いに同期している。
図2は、図1のアンテナ評価装置のアンテナ配置を示す平面図である。図2に示すように、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nは、半径rの円周上に所定幅で互いに離隔して配置され、2つの受信アンテナ22a,22bは、その円の中心部付近に配置される。円の中心に対して散乱体アンテナ21a−1が位置する方向を基準方向の角度φ=0として、散乱体アンテナ21a−2が位置する方向を角度φとし、散乱体アンテナ21a−3が位置する方向を角度φとし、以下同様に配置し、散乱体アンテナ21a−Nが位置する方向を角度φとする。円周上において、散乱体アンテナ21a−1に対して所定距離d(例えば送信する無線周波信号の半波長に等しい距離)だけ離して散乱体アンテナ21b−1を設け、散乱体アンテナ21a−2に対して距離dだけ離して散乱体アンテナ21b−2を設け、散乱体アンテナ21a−3に対して距離dだけ離して散乱体アンテナ21b−3を設け、以下同様に配置し、散乱体アンテナ21a−Nに対して距離dだけ離して散乱体アンテナ21b−Nを設ける。散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nの配置は、図2の配置に限定されるものではなく、受信アンテナ22a,22bの付近に所望の多重波を生成可能であれば任意の配置を用いてもよい。例えば、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nは、円周上で互いに等しい角度幅で配置されてもよい。受信アンテナ22a,22bは、評価対象であるMIMO受信機の構造に応じて、所定距離(例えば受信する無線周波信号の半波長に等しい距離)だけ互いに離隔される。散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nは、例えば図11に示す散乱体アンテナ支持台101により、床面から所定高さHに位置するように設けられる。同様に、受信アンテナ22a,22は、例えば図11に示す受信アンテナ支持台102により、床面から所定高さHに位置するように設けられる。本実施形態において、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−N及び受信アンテナ22a,22bはそれぞれ、例えば半波長ダイポールアンテナとして構成されるが、これに限定されるものではない。また、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−N及び受信アンテナ22a,22bはそれぞれ、例えば床面に対して垂直に設けられ、垂直偏波の電波を送受信するが、このような配置に限定されるものではない。
図3は、図1のフェージング回路12aの詳細構成を示すブロック図である。フェージング回路12a,12bは、例えば特許文献2に開示されるようなフェージングシミュレータに基づいて構成される。図3において、本実施形態のフェージング回路12aは、FIFO型メモリ301と、複素乗算器302と、DSP303と、ガウスノイズ発生器304と、ドップラースペクトラムフィルタ305と、複素乗算器306と、合成器307とから主に構成される。フェージング回路12aは、ベースバンドで動作するため、周波数変換器321,322をさらに備える。分配器82から入力された無線周波信号は、最初に周波数変換器321によって無線周波数(RF)からベースバンド周波数(BB)に変換され、FIFO型メモリ301に送られる。FIFO型メモリ301は、最大パス数Np個だけ用意され、DSP303により制御された遅延量だけ入力信号を遅延させる。複素乗算器302は、最大パス数Np個だけ用意され、FIFO型メモリ301にて遅延された入力信号に対して、DSP303により制御された複素係数を乗算する。DSP303は、遅延量設定部311と、パス数設定部312と、複素係数設定部313を備える。遅延量設定部311は、遅延時間のパラメータに応じてFIFO型メモリ301の遅延量を設定する。パス数設定部312は、各電波の受信電力の大きさに基づいて、複数のパスを利用してレイリーフェージングを表現する電波(以下、「第1電波」という)とドップラースペクトラムフィルタ305でフィルタリングしてレイリーフェージングを表現する電波(以下、「第2電波」という)とを選別し、第1電波に割り当てるパス数を設定する。また、パス数設定部312は、第2電波について、ドップラー周波数をドップラースペクトラムフィルタ305に出力する。複素係数設定部313は、第1電波について、受信電力、位相及びドップラー周波数のパラメータに基づいて複素乗算器302の複素係数を設定する。ガウスノイズ発生器304は、ガウスノイズを発生させて、ドップラースペクトラムフィルタ305に出力する。ドップラースペクトラムフィルタ305は、ドップラー周波数に応じた広がりを持つように、ガウスノイズをフィルタリングする。複素乗算器306は、最大パス数Np個だけ用意され、各複素乗算器302の出力信号に、ドップラースペクトラムフィルタ305のフィルタリングによって得られた複素係数を乗算する。合成器307は、各複素乗算器306の出力信号を合成する。合成された信号は、周波数変換器322によってベースバンド周波数(BB)から無線周波数(RF)に変換され、分配器84−1に送られる。これにより、入力信号をマルチパス化し、それぞれのパスに対して位相回転とレベル制御を行うことができ、実際の通信環境の時空間特性を模擬的に作り出すことができる。フェージング回路12aは、以上の構成を備えたことにより、入力された無線周波信号から少なくとも1つの遅延波を発生させ、入力された無線周波信号と遅延された各無線周波信号とに対して、互いに任意の相関を有するフェージングをそれぞれ付加することができ、好ましくは互いに無相関なフェージングをそれぞれ付加することができる。フェージング回路12bも、フェージング回路12aと同様に構成される。
フェージング回路12a,12bは、受信アンテナ22a,22bの移動によって生じる所定周波数の時間軸上における受信電力の変動(「狭帯域フェージング」という)を発生させることに加えて、到来波の伝搬経路の違いによる遅延によって生じる周波数軸の変動(「広帯域フェージング」という)を発生させる。
本実施形態のアンテナ評価装置において、コンピュータ10は、信号発生器11aによって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及びフェージングを付加するようにフェージング回路12aを制御する一方、分配器14aにより分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nから無線周波信号が放射されたとき空間的なフェージングを生成するように移相回路15a及び減衰回路16aを制御する。コンピュータ10はまた、信号発生器11bによって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及びフェージングを付加するようにフェージング回路12bを制御する一方、分配器14bにより分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、散乱体アンテナ21b−1〜21b−Nから無線周波信号が放射されたとき空間的なフェージングを生成するように移相回路15b及び減衰回路16bを制御する。これにより、本実施形態のアンテナ評価装置によれば、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、MIMO送信機から送信される各サブストリームがさまざまな伝搬経路をたどることを想定し、サブストリーム毎に異なるフェージング及び遅延を含む多重波伝搬環境を生成することができ、さらに、空間的なフェージングを生成することと、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成することとを同時に実現することができる。
以下、本実施形態のアンテナ評価装置がフェージングを含む多重波伝搬環境を生成するときの動作原理について説明する。
本実施形態のアンテナ評価装置は、受信アンテナ22a,22bが移動することによって生じるフェージングを仮想的に発生させることができる。ここでは、説明の簡単化のために、到来波分布が全方位角にわたって一様であると仮定し、さらに受信アンテナ22a,22bの放射指向性が水平面内に無指向性であると仮定する。
以下、信号発生器11a,13aによって発生される無線周波信号を参照して説明する。本実施形態のアンテナ評価装置は、フェージングを生成するために、信号発生器11aで発生された無線周波信号にフェージング回路12aによって付加されるフェージング(すなわち、ベースバンドのディジタル回路又はアナログ回路で生成されるフェージング)と、信号発生器13aで発生された無線周波信号に移相回路15a及び減衰回路16aによって付加されるフェージング(すなわち、無線周波のアナログ回路で生成されるフェージング)とを合成して用いる。
フェージング回路12aは、コンピュータ10の制御下で、信号発生器11aによって発生された無線周波信号から少なくとも1つの遅延波を生成し、元の無線周波信号と、その遅延波のそれぞれに対して、互いに異なる所定のフェージングを付加する。フェージング回路12aによって付加されるフェージングは、第1のドップラー周波数fD1を共通に有し、さらに互いに異なり、好ましくは互いに無相関である。フェージングの生成方法としては、一般的には、複素ガウス分布に従う乱数を発生させ、ドップラー周波数に対応した周波数フィルタで周波数帯域を制限する方法を使用する場合がある。この方法は、一般的にはディジタル回路で実現される。一方、フェージング信号をアナログ回路で生成することも可能であり、以下、この場合のモデルについて説明する。
例示的なフェージング回路12aから出力される無線周波信号f(t)を、次式で示す。
Figure 2011087114
ここで、ωは、信号発生器11aによって発生された無線周波信号の搬送波の角周波数である。l(1≦l≦L)はそれぞれ、異なる遅延波に対応し、遅延波の個数Lは、フェージング回路12aにより設定可能な最大パス数Np(図3を参照)以下である。k(1≦k≦K)は、フェージングを生成するための信号成分の個数である。Kは、フェージング回路12a内での単なる計算上のパラメータであり、任意に設定可能であるが、フェージング回路12aから出力される無線周波信号がレイリーフェージングを含むようにするために、Kは一般的に最低で5に設定され、望ましくは7以上に設定される。ψl,kは、フェージングを生成するために、フェージング回路12a内で仮想的に設定した電波の到来角度を表す変数である。例えば、所定のlに対してψl,1,ψl,2,…,ψl,Kが互いに2π/Kの間隔を有するように設定され、他のlに対しても同様に等間隔に設定されてもよい。τは、τ=0から次第に増大し、互いに異なる遅延時間を示す。αl,kは、所定の初期位相である。数1のモデルにおいて、仮想的な到来角度ψl,k及び初期位相αl,kは遅延波毎に異なるが、第1のドップラー周波数fD1は、受信アンテナ22a,22bの仮想的な移動速度によって決まるので、遅延波によらず一定である。なお、数1では、フェージングを生成するためにパラメータkについて異なるψl,k及びαl,kを含む式の総和を計算しているが、フェージングを生成するためのモデルは数1に限定されるものではない。
フェージング回路12aは、フェージングが付加された無線周波信号及びその遅延波を合成して、合成後の無線周波信号f(t)をミキサ18a−1〜18a−Nに送る。
一方、コンピュータ10は、分配器14aによって分配されたN個の無線周波信号の位相を移相回路15aによって独立に瞬時制御することにより、空間的なフェージングを生成する。すなわち、各散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nから放射される無線周波信号の位相変化を制御することにより、中心付近に空間的なフェージング変動(例えばレイリーフェージング、又はその他のフェージング)を有する多重波の重ね合わせを発生させることが可能となる。図2に示すように、受信アンテナ22a,22bが角度φの方向に、速度vで移動する場合を想定する。この場合、角度φの方向に位置した散乱体アンテナ21a−i(i≦1≦N)に対応する減衰器16−i(i≦1≦N)から出力される無線周波信号g(t)を、次式で示す。
Figure 2011087114
ここで、ωは、信号発生器13aによって発生された無線周波信号の搬送波の角周波数である。fD2は、第2のドップラー周波数であり、第2のドップラー周波数fD2は、第1のドップラー周波数fD1と同程度の大きさに設定される。γは、所定の初期位相である。また、角度φは任意に設定可能である。図6及び図7を参照して後述するように、簡単化したモデルでは、受信アンテナ22a,22bに到来した無線周波信号の最大ドップラー周波数f=v/λ(λは無線周波信号の波長)は、第1及び第2のドップラー周波数の和として表すことができる。従って、本実施形態では、所望の最大ドップラー周波数fに対して、f=fD1+fD2を満たすように第1及び第2のドップラー周波数を設定する。最大ドップラー周波数fは、歩行に相当する値(数Hz)から、高速移動に相当する値(数百Hz)まで任意に設定可能である。
数1及び数2で表す各無線周波信号がミキサ18a−1〜18a−Nにより混合され、混合された各無線周波信号は散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nから放射される。放射される多重波F(t)を次式で示す。
Figure 2011087114
このように、本実施形態のアンテナ評価装置では、実際に人が移動することにより生じる各到来波の位相変化を、放射される各無線周波信号に与えることにより、中心付近に所望の多重波伝搬環境を発生させる。
以上、信号発生器11a,13a、フェージング回路12a、分配器14a、移相回路15a及び減衰回路16aの動作を説明したが、信号発生器11b,13b、フェージング回路12b、分配器14b、移相回路15b及び減衰回路16bも同様に動作する。
この場合、数2において、散乱体アンテナ21a−iが位置する角度φに代えて、各散乱体アンテナ21b−1〜21b−Nが位置する角度を用いればよい。この結果、実際には受信アンテナ22a,22bは静止しているにもかかわらず、受信アンテナ22a,22bが移動している状況を発生させることができる。
以上説明したように、フェージング回路12a,12bは、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成し、その一方で、移相回路15a,15b及び減衰回路16a,16bは、受信アンテナ22a,22bが移動することによって生じる空間的なフェージングを仮想的に生成する。これにより、本実施形態のアンテナ評価装置は、空間的なフェージングを生成することと、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成することとを同時に実現することができる。
次に、図6及び図7の例示的な信号波形を参照して、例示的なフェージングの生成について説明する。図6(a)は、図1のフェージング回路12aによって生成され、フェージング回路12aから出力される無線周波信号に含まれる第1のフェージングを示すグラフであり、図6(b)は、フェージング回路12aによって生成され、フェージング回路12aから出力される無線周波信号に含まれる第2のフェージングを示すグラフである。図6(a)及び(b)は、同じドップラー周波数fD1=1Hzを有し、互いに無相関である信号を示す。第1のフェージングは、例えば、所定の第1の遅延時間だけ遅延された無線周波信号に付加されるフェージングであり、第2のフェージングは、例えば、第1の遅延時間とは異なる所定の第2の遅延時間だけ遅延された無線周波信号に付加されるフェージングである。図6(c)は、図1の移相回路15a及び減衰回路16aによって生成されるフェージング、すなわち、分配器14aによって分配された無線周波信号に対して移相回路15a及び減衰回路16aによって付加されるフェージングを示すグラフである。移相回路15a及び減衰回路16aによって付加されるフェージングは、ドップラー周波数fD2=2Hzを有する。図7(a)は、図6(a)及び図6(c)のフェージングを合成して得られるフェージングを示すグラフであり、図7(b)は、図6(b)及び図6(c)のフェージングを合成して得られるフェージングを示すグラフである。図7に示すように、フェージング回路12a,12bにより互いに無相関なフェージングを生成することにより、最終的な多重波のフェージングも互いに無相関にすることができる。また、図7に示すフェージングは、第1及び第2のドップラー周波数の和(1Hz+2Hz=3Hz)に相当する最大ドップラー周波数を有する。従って、例えば、図4の第1波と、その遅延波(第2波及び第3波等)とを、互いに無相関にすることができる。図6では説明の簡単化のために、生成されるフェージングを正弦波で示したが、より複雑な波形を有するフェージングであっても、同様に生成可能である。
なお、数3より、多重波F(t)の搬送波の角周波数はω+ωで表される。従って、例えば、信号発生器11a,13aが同じ周波数で動作する場合には、それぞれ、最終的な多重波の所望搬送波周波数の1/2の周波数を有する無線周波信号を発生する必要がある。
本実施形態では、MIMO送信機から送信される各サブストリームが異なる伝搬経路をたどることを想定し、このため、サブストリーム毎に異なる多重波伝搬環境を設定するために、信号発生器11a,11bによってそれぞれ発生された無線周波信号に対して、移相回路15a,15bによって独立に所定の初期位相γを設定してもよい。
全方位角にわたって一様ではない到来波分布を生成する場合には、減衰回路16a,15bを用いて所望の分布を設定することができる。また、サブストリーム毎に異なる多重波伝搬環境を設定するために、信号発生器11a,11bによってそれぞれ発生された無線周波信号に対して、減衰回路16a,16bによって独立に所定の振幅調整量を設定してもよい。
散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nから放射する無線周波信号として例えば2GHz付近の周波数帯域の信号を用いた場合、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−N及び受信アンテナ22a,22bの床面からの高さHは1.5mに設定され、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nと受信アンテナ22a,22bとの距離、すなわち散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nが配置された円周の半径rは1.5mに設定される。使用する周波数帯域及びアンテナ配置はこれに限定せず、他の値を用いてもよい。
本実施形態のアンテナ評価装置は、好ましくは、電波暗室内に設置される。これにより、天井、床面、壁面などで反射する反射波の影響は直接波に比較して十分小さくなり、受信アンテナ22a,22bの付近において、散乱体アンテナ21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−Nから放射された直接波からなる多重波が生成される。
図8は、本発明の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図であり、図9は、図8のアンテナ評価装置のアンテナ配置を示す平面図である。信号発生器11a,13aによって発生された無線周波信号と、信号発生器11b,13bによって発生された無線周波信号とのために、図1のように散乱体アンテナ21a−1〜21a−Nと、散乱体アンテナ21b−1〜21b−Nとを別個に設けることなく、共通の散乱体アンテナ21−1〜21−Nを用いてもよい。本変型例において、ミキサ18a−1〜18a−Nの出力信号と、ミキサ18b−1〜18b−Nの出力信号とは、合成器31−1〜31−Nによってそれぞれ合成され、合成後の無線周波信号が散乱体アンテナ21−1〜21−Nからそれぞれ放射される。信号発生器11a,11bによってそれぞれ発生される無線周波信号は互いに直交しているので、本変型例のアンテナ評価装置は、共通の散乱体アンテナ21−1〜21−Nを使用していても、図1の構成と同様に動作可能である。散乱体アンテナ21−1〜21−Nは、例えば図11に示す散乱体アンテナ支持台101により設けられてもよい。本変型例のアンテナ評価装置によれば、図1の構成に比べて散乱体アンテナの個数を削減することにより、アンテナ評価装置の構成を簡単化することができる。
図10は、本発明の実施形態の第2の変形例に係るアンテナ評価装置の構成を示すブロック図である。信号発生器11a,11bによってそれぞれ発生された無線周波信号が同じ位相及び同じ到来波分布を有する場合には、図1のように移相回路15a,15b及び減衰回路16a,16bを別個に設けることなく、共通の移相回路15及び減衰回路16を用いてもよい。信号発生器11a,11bは、互いに無相関である(又は、互いに直交する)、所定の変調された無線周波信号を発生し、信号発生器13は、連続波(CW)の無線周波信号を発生する。信号発生器11a,11bによって発生された無線周波信号は、フェージング回路12a,12bに送られる。フェージング回路12a,12bの出力信号は合成器41によって合成されて、ミキサ18−1〜18−Nにそれぞれ送られる。信号発生器13によって発生された無線周波信号は、分配器14により、散乱体アンテナ21−1〜21−Nの個数に合わせてN個に分配される。分配器14の後段には、移相器15−1〜15−Nを含む移相回路15と、減衰器16−1〜16−Nを含む減衰回路16とが設けられ、各移相器15−1〜15−N及び減衰器16−1〜16−Nは、分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整し、調整後の無線周波信号はミキサ18−1〜18−Nにそれぞれ送られる。ミキサ18−1〜18−Nは、合成器41から送られた無線周波信号と、各減衰器16−1〜16−Nから送られた各無線周波信号とを混合し、混合された各無線周波信号は、散乱体アンテナ21−1〜21−Nからそれぞれ放射される。コンピュータ10は、D/Aコンバータ17を介して移相回路15の位相調整量及び減衰回路16の振幅調整量を制御する。本変型例のアンテナ評価装置によれば、図1の構成に比べて散乱体アンテナ、減衰器及び移相器の個数を削減することにより、アンテナ評価装置の構成を簡単化することができる。
変型例.
以上説明した本発明の実施形態に係るアンテナ評価装置のさらなる変型例として、互いに無相関である(又は、互いに直交する)無線周波信号を発生する3つ以上の信号発生器(及び、連続波(CW)の無線周波信号を発生する少なくとも1つの信号発生器)と、3つ以上の受信機とを用いて、互いに無相関である2つの無線周波信号に代えて、互いに無相関である3つ以上の無線周波信号を発生して多重波伝搬環境を生成してもよい。図1のアンテナ評価装置では、信号発生器11a,13a、フェージング回路12a、分配器14a、移相回路15a、減衰回路16a及びミキサ18a−1〜18a−Nが1組の送信回路を構成する一方、信号発生器11b,13b、フェージング回路12b、分配器14b、移相回路15b、減衰回路16b及びミキサ18b−1〜18b−Nがもう1組の送信回路を構成しているが、1組のみの送信回路を備えたアンテナ評価装置を構成してもよく、それに代わって、3組以上の送信回路を備えたアンテナ評価装置を構成してもよい。複数組の送信回路を備えたアンテナ評価装置を構成するとき、移相回路及び減衰回路に送られる無線周波信号は、個別の信号発生器を用いて発生することに代えて単一の信号源を用いて発生してもよい。これにより、より多数の送信アンテナ及び受信アンテナを用いたMIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価することができる。また、複数の信号発生器により発生される無線周波信号は、互いに無相関であるものに限定されず、互いに区別可能であれば他の適切な無線周波信号を使用可能である。
以上説明した本発明の実施形態に係るアンテナ評価装置によれば、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、MIMO送信機から送信される各サブストリームがさまざまな伝搬経路をたどることを想定し、サブストリーム毎に異なるフェージング及び遅延を含む多重波伝搬環境を生成するアンテナ評価装置を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態に係るアンテナ評価装置及びアンテナ評価方法によれば、MIMO無線通信システムの受信アンテナの性能を評価する際に、空間的なフェージングを生成することと、複数の遅延波を発生させて遅延波毎に互いに異なるフェージング(好ましくは、互いに無相関なフェージング)を生成することとを同時に実現することができる。
10…コンピュータ、
11a,11b,13a,13b,13…信号発生器、
12a,12b…フェージング回路、
14a,14b,14…分配器、
15a,15b,15…移相回路、
15a−1〜15a−N,15b−1〜15b−N,15−1〜15−N…移相器、
16,16a,16b…減衰回路、
16a−1〜16a−N,16b−1〜16b−N,16−1〜16−N…減衰器、
17a,17b,17…D/Aコンバータ、
18a−1〜18a−N,18b−1〜18b−N,18−1〜18−N…ミキサ、
19a,19b…受信機、
21a−1〜21a−N,21b−1〜21b−N,21−1〜21−N…散乱体アンテナ、
22a,22b…受信アンテナ、
31−1〜31−N,41…合成器、
200…MIMO送信機、
210…MIMO受信機、
301…FIFO型メモリ、
302,306…複素乗算器、
303…DSP、
304…ガウスノイズ発生器、
305…ドップラースペクトラムフィルタ、
307…合成器、
311…遅延量設定部、
312…パス数設定部、
313…複素係数設定部、
321,322…周波数変換器。

Claims (5)

  1. 評価対象の受信アンテナと、上記受信アンテナの周囲に設けられた複数の散乱体アンテナとを備えたアンテナ評価装置において、上記アンテナ評価装置は、
    上記複数の散乱体アンテナからそれぞれ放射する複数の無線周波信号を生成する少なくとも1つの送信手段と、
    上記送信手段を制御する制御手段とを備え、
    上記送信手段のそれぞれは、
    無線周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の信号発生器と、
    上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号から、少なくとも1つの遅延された無線周波信号を生成し、上記発生された無線周波信号と上記遅延された各無線周波信号とに対して、互いに異なる第1のフェージングをそれぞれ付加し、上記第1のフェージングが付加された各無線周波信号を互いに合成して出力する第1の信号処理手段と、
    上記第2の信号発生器によって発生された無線周波信号を分配し、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整して出力する第2の信号処理手段と、
    上記第1の信号処理手段から出力される無線周波信号と、上記第2の信号処理手段から出力される各無線周波信号とをそれぞれ混合し、上記混合された各無線周波信号を上記各散乱体アンテナから放射させる複数のミキサとを備え、
    上記制御手段は、上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及び上記第1のフェージングを付加するように上記第1の信号処理手段を制御する一方、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号が放射されたとき所定の第2のフェージングを生成するように上記第2の信号処理手段を制御し、
    上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号を放射することによって、上記第1及び第2のフェージングを含む多重波を上記受信アンテナの周囲に生成することを特徴とするアンテナ評価装置。
  2. 上記互いに異なる第1のフェージングは、互いに無相関なフェージングであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ評価装置。
  3. 上記第1の信号処理手段はフェージングシミュレータであることを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ評価装置。
  4. 上記アンテナ評価装置は複数の送信手段を備え、複数の第1の信号発生器は、MIMO通信方式で送信される複数の無線周波信号を発生することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のアンテナ評価装置。
  5. 評価対象の受信アンテナと、上記受信アンテナの周囲に設けられた複数の散乱体アンテナとを備えたアンテナ評価装置を用いて上記受信アンテナを評価するアンテナ評価方法において、上記アンテナ評価装置は、上記複数の散乱体アンテナからそれぞれ放射する複数の無線周波信号を生成する少なくとも1つの送信手段を備え、
    上記送信手段のそれぞれは、
    無線周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の信号発生器と、
    上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号から、少なくとも1つの遅延された無線周波信号を生成し、上記発生された無線周波信号と上記遅延された各無線周波信号とに対して、互いに異なる第1のフェージングをそれぞれ付加し、上記第1のフェージングが付加された各無線周波信号を互いに合成して出力する第1の信号処理手段と、
    上記第2の信号発生器によって発生された無線周波信号を分配し、上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を調整して出力する第2の信号処理手段と、
    上記第1の信号処理手段から出力される無線周波信号と、上記第2の信号処理手段から出力される各無線周波信号とをそれぞれ混合し、上記混合された各無線周波信号を上記各散乱体アンテナから放射させる複数のミキサとを備え、
    上記アンテナ評価方法は、
    上記第1の信号発生器によって発生された無線周波信号に所定の遅延時間及び上記第1のフェージングを付加するように上記第1の信号処理手段を制御するステップと、
    上記分配された各無線周波信号の位相及び振幅を変化させることにより、上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号が放射されたとき所定の第2のフェージングを生成するように上記第2の信号処理手段を制御するステップと、
    上記複数の散乱体アンテナから上記複数の無線周波信号を放射することによって、上記第1及び第2のフェージングを含む多重波を上記受信アンテナの周囲に生成するステップとを含むことを特徴とするアンテナ評価方法。
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