JP2011085843A - ネガ型感光性平版印刷版 - Google Patents

ネガ型感光性平版印刷版 Download PDF

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賢治 平田
Yukio Okamoto
幸男 岡本
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Abstract

【課題】平版印刷版の経時による感度の変動が極めて小さいネガ型感光性平版印刷版を提供する。
【解決手段】プラスチックフィルム支持体上に、中間層、親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に有するネガ型感光性平版印刷版であって、中間層が少なくともゼラチンもしくはポリアクリル酸類のいずれかと無機多孔質化合物とを含有するネガ型感光性平版印刷版。
【選択図】なし

Description

本発明はプラスチックフィルム支持体上に、中間層、親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に有するネガ型感光性平版印刷版であり、特にケミカルレス現像に適応したネガ型感光性平版印刷版に関する。
近年、製版システムのデジタル化に伴いコンピューター画面上で組版したデジタルデータを、直接平版印刷版に出力するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)技術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した各種プレートセッターとこれらに適合する感光性平版印刷版の開発が盛んに行われている。またこのような出力機には、例えば青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)、ヘリウムネオンレーザー、赤色LED、近赤外線レーザー、赤外線レーザー、アルゴンレーザー等の各種レーザーを利用した出力機が好ましく用いられる。
上記したような各種レーザー光源に対応した感光性平版印刷版は、支持体として例えば表面を陽極酸化されたアルミニウム支持体を有する平版印刷版があるが、出力機内にコンパクトに収納することができず、出力機の専有面積は大きくなる課題を有する。他方、支持体としてプラスチックフィルム支持体を用いる感光性平版印刷版は、出力機内にコンパクトに収納することができ、軽量であるためハンドリング性も高い。
プラスチックフィルム支持体を用いる感光性平版印刷版としては、プラスチックフィルム支持体上に親水性層を塗設することが従来から知られており、例えば特開2000−158839号公報(特許文献1)には、支持体上に少なくともコロイダルシリカとカルボン酸ポリマーを含有する親水性層が開示されており、特開2006−82321号公報(特許文献2)には、支持体上と画像形成層の間にコロイダルシリカを含有する2層の親水性層が開示されており、特開2008−230205号公報には水溶性ポリマーと架橋剤を含有する親水性層が開示されている。これらの親水性層上に出力機の各種レーザーに適応した光重合性の感光層を有する平版印刷版を製作することができる。光重合性の感光層としては、例えば特開平9−134007号公報にはエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合可能な化合物と光増感色素と重合開始剤を含有する光重合性の感光層が開示されており、特開平5−5988号公報、特開平5−194619号公報、特開2000−98603号公報等には有機ホウ素アニオンと色素との組み合わせが開示されており、特開平4−31863号公報、特開平6−43633号公報等には色素とs−トリアジン系化合物との組み合わせが開示されており、特開平7−20629号公報、特開平7−271029号公報等にはレゾール樹脂、ノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び光酸発生剤の組み合わせが開示されており、特開平11−212252号公報、特開平11−231535号公報等には特定の重合体と光酸発生剤と近赤外増感色素の組み合わせが開示されているが、これらの平版印刷版では平版印刷版の経時による感度の安定性に関して充分な性能ではなく、また特開2001−290271号公報等には側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体を用いた光重合性の感光層が開示されているが、平版印刷版の経時による感度の安定性に関して充分な性能ではなく、経時により感度が低下する傾向にある。
また上記した光重合性の感光性平版印刷版の現像処理は一般に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸カリウム等の強アルカリ性化合物を溶解したpH値が10.0以上のアルカリ性現像液にて現像される。しかしアルカリ性現像液は人体に有害であり、その取り扱い及び保管には充分な注意と管理が必要とされ、更にその購入コスト及び廃液処理に関わるコストはユーザーに多大の負担を強いるものであり、加えてアルカリ性現像液の液性としてpH、温度等の管理に関して細心の注意が必要であり、極めて取り扱いが煩雑であった。対して現像処理に実質的に強アルカリ性化合物を含まない、いわゆるケミカルレス現像可能な平版印刷版として、特開2001−290271号公報、特開2003−215801号公報(特許文献3)には、プラスチックフィルム支持体上に側鎖にフェニル基を介してビニル基が結合したアニオン性の水溶性ポリマー、光重合開始剤または酸発生剤を含有する光重合性の感光層を有する平版印刷版が開示されているが、平版印刷版の経時による感度の安定性に関して充分な性能ではなく、経時により感度が低下する傾向にある。
特開2000−158839号公報 特開2006−82321号公報 特開2003−215801号公報
本発明の目的は、プラスチックフィルム支持体上に、中間層、親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に有するネガ型感光性平版印刷版において、平版印刷版の経時による感度の変動が極めて小さいネガ型感光性平版印刷版を提供することにある。
上記の課題は、以下の発明により達成された。
1)プラスチックフィルム支持体上に、中間層、親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に有するネガ型感光性平版印刷版であって、該中間層が少なくともゼラチンもしくはポリアクリル酸類のいずれかと無機多孔質化合物とを含有するネガ型感光性平版印刷版。
2)前記無機多孔質化合物がシリカ粒子である上記1)に記載のネガ型感光性平版印刷版。
本発明によれば、ネガ型感光性平版印刷版の経時による感度の変動が極めて小さいネガ型感光性平版印刷版を提供することができる。
本発明のネガ型感光性平版印刷版は、プラスチックフィルム支持体上に、少なくともゼラチンもしくはポリアクリル酸類のいずれかと無機多孔質化合物を含有する中間層を塗設し、更に親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に塗設してなる層構成を有する。このような構成とすることで、経時による感度の変動が極めて小さいネガ型感光性平版印刷版が得られる。このネガ型感光性平版印刷版の層構成としては、中間層、親水性層および光重合性の感光層をこの順に設ける層構成の他に、例えば光重合性の感光層の上部(支持体を下にして)に保護層を設けても良いし、プラスチックフィルム支持体の裏側(支持体からみて光重合性の感光層面の反対面)に裏層を設けても良い。
[中間層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の中間層には少なくともゼラチンもしくはポリアクリル酸類のいずれかと無機多孔質化合物を含有する。
ゼラチンとしては平均分子量が3000以上であり、例えば牛骨または牛皮を原料としたアルカリ法ゼラチン、豚皮を原料に用いた酸性法ゼラチン、変性ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン等)が挙げられ、またこれらのゼラチンに含まれる不純物(例えばカルシウムイオン、ナトリウムイオン、クロライドイオン等の塩類、脂質、核酸及びその分解物、アルデヒド類等)が精製や脱塩処理を施すことにより低減されたゼラチンが挙げられる。ポリアクリル酸類としては平均分子量が3000以上であり、ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸と他のモノマーとの共重合体(例えばアクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−(4−カルボキシ)スチレン共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−アクリルアミド共重合体)、変性アクリル酸等が挙げられ、本発明の中間層には二種類以上のゼラチンもしくはポリアクリル酸類を用いても良く、またゼラチンとポリアクリル酸類を併用しても良い。
無機多孔質化合物としては、シリカ粒子、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子、アルミノシリケート粒子、酸化バリウム粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、ゼオライト粒子等が挙げられ、本発明の最も好ましい無機多孔質化合物としてはシリカ粒子が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるシリカ粒子は、多孔質不定形粒子であり、平均粒径が1μm以上15μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上10μm以下であり、シリカ粒子1g当たりの比表面積(BET測定法)としては250平方メートル以上が好ましい。好ましいシリカ粒子の具体例としては、例えば富士シリシア化学株式会社製のサイリシア250、サイリシア256、サイリシア350、サイリシア380、サイリシア420、サイリシア435、サイリシア436、サイリシア440、サイリシア450、サイリシア550、サイリシア710、サイリシア740等が挙げられる。
上記無機多孔質化合物は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。本発明の効果を発現するにおいて、無機多孔質化合物とゼラチンもしくはポリアクリル酸類との比率は重要であり、無機多孔質化合物はゼラチンもしくはポリアクリル酸類100質量部に対して2〜150質量部の範囲であり、好ましくは5〜75質量部の範囲であり、特に好ましくは10〜50質量部の範囲である。
本発明の中間層には、上記のゼラチンもしくはポリアクリル酸類を架橋するための架橋剤を含有することが好ましく、かかる架橋剤としては、公知の種々の化合物が挙げられる。具体的にはエポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物及びその誘導体、ホルマリン等のアルデヒド化合物及びメチロール化合物、ヒドラジド化合物等が好ましい例として挙げられ、特に好ましい架橋剤はエポキシ化合物、アルデヒド化合物及びメチロール化合物である。
エポキシ化合物としては分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく使用される。好ましいエポキシ化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
アジリジン化合物として好ましい化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
オキサゾリン化合物としては、置換基として下記一般式(1)で示す基を分子内に2個以上含む化合物が好ましく、市販される各種化合物として例えば(株)日本触媒からエポクロスの商品名で提供される各種グレードの化合物が好ましく使用される。
Figure 2011085843
イソシアネート化合物としては、水中で安定である化合物が好ましく、いわゆる自己乳化性イソシアネート化合物や、ブロックイソシアネート化合物が好ましく使用される。自己乳化性イソシアネート化合物としては、例えば特公昭55−7472号公報(米国特許第3,996,154号明細書)、特開平5−222150号公報(米国特許第5,252,696号明細書)、特開平9−71720号公報、特開平9−328654号公報、特開平10−60073号公報等に記載されるような自己乳化性イソシアネートを指す。
ホルムアルデヒド、グリオキサール等のアルデヒド化合物及びメチロール化合物の例としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、及び下記に示すような種々のN−メチロール化合物を例示することができる。
Figure 2011085843
ヒドラジド化合物として好ましく使用できる化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
上記のような種々の架橋剤とゼラチンもしくはポリアクリル酸類との比率に関しては好ましい範囲が存在する。ゼラチンもしくはポリアクリル酸類100質量部に対して架橋剤は1〜40質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明の中間層の乾燥質量に関しては、好ましくは1平方メートルあたり0.5gから50gの間であり、更に好ましい範囲は1平方メートルあたり1gから25gの間であり、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり3gから15gの間である。
本発明の中間層には、無機多孔質化合物、ゼラチンもしくはポリアクリル酸類、架橋剤の他にポリマー類、ラテックス類、界面活性剤、pH調整剤等を含有することができる。
[親水性層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の親水性層としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、特公昭49−2286号公報に記載のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーによる親水性樹脂層、特公昭56−2938号公報に記載の尿素樹脂と顔料から構成される親水性層、特開昭48−83902号公報に記載のアクリルアミド系ポリマーをアルデヒド類で硬化させて得られる親水性層、特開昭62−280766号公報に記載の水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、水不溶性無機粉体を含有する組成物を硬化させて得られる親水性層、特開平8−184967号公報に記載の側鎖にアミジノ基を有する繰り返し単位を含む水溶性ポリマーを硬化して得られる親水性層、特開平8−272087号公報に記載の親水性(共)重合体を含有し、加水分解されたテトラアルキルオルソシリケートで硬化した親水性層、特開平10−296895号公報に記載のオニウム基を有する親水性層、特開平11−311861号公報に記載のルイス塩基部分を有する架橋親水性ポリマーを多価金属イオンとの相互作用によって三次元架橋させて得られる親水性層、特開2000−122269号公報に記載の親水性樹脂及び水分散性フィラーを含有する親水性層等を挙げることができる。
本発明の親水性層には印刷の性能上、一般式(2)で示されるポリマーを含有することが好ましく、該ポリマーを含有する親水性層を用いたネガ型感光性平版印刷版は、非画像部の耐地汚れ性に優れる反面、経時による感度の低下が顕著に表れる。
Figure 2011085843
式中Xはポリマー組成中に占める繰り返し単位の質量%を表し、1から40までの任意の数値を表す。繰り返し単位Aは反応性基としてカルボキシ基、アミノ基、水酸基、アセトアセトキシ基から選ばれる基を有する繰り返し単位を表し、繰り返し単位Bはポリマーを水溶性にするために必要な親水性基を有する繰り返し単位を表す。
上記一般式(2)で示される水溶性ポリマーは後述する架橋剤との間で効率的に架橋反応が進行するための反応性基を分子内に含むことが重要である。こうした反応性基として、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、アセトアセトキシ基が挙げられる。これらの反応性基を分子内に有する水溶性ポリマーを得るには、反応性基を有する各種モノマーを共重合する形で組み込むことが好ましく行われる。上記一般式(2)で示す繰り返し単位Aに対応するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン、アクリルアミド−N−グリコール酸等のカルボキシ基含有モノマー及びこれらの塩、アリルアミン、ジアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、4−アミノスチレン、4−アミノメチルスチレン、N,N−ジメチル−N−(4−ビニルベンジル)アミン、N,N−ジエチル−N−(4−ビニルベンジル)アミン等のアミノ基含有モノマー、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール等の含窒素複素環含有モノマー、N−メチロールアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類及びアセトアセトキシメタクリレート等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
上記一般式(2)において、繰り返し単位Aの共重合体中に於ける割合であるXは1から40であり、この範囲より少なければ架橋反応が進行しても充分な膜強度が得られない場合があり、この範囲より多ければ、下記の水溶性を付与するための繰り返し単位Bの導入による効果が薄れ、親水性層の水に対する親和性が低下する場合がある。
更に、一般式(2)における繰り返し単位Bを与えるためのモノマーとしては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー及びこれらの塩、ビニルホスホン酸等のリン酸基含有モノマー及びこれらの塩、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アクリル酸−2−(トリメチルアンモニオ)エチルエステル、メタクリル酸−2−(トリメチルアンモニオ)エチルエステル、アクリル酸−2−(トリエチルアンモニオ)エチルエステル、メタクリル酸−2−(トリエチルアンモニオ)エチルエステル、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−N−(4−ビニルベンジル)アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基含有(メタ)アクリレート類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら水溶性モノマーは繰り返し単位Bを構成するために1種で用いても良いし、任意の2種類以上を用いても良い。本発明に於ける好ましい水溶性ポリマーの具体例を下記に示す。なお、本発明において水溶性とは1Lの水に水溶性ポリマーが0.5g以上溶解することを意味する。
Figure 2011085843
Figure 2011085843
本発明のネガ型感光性平版印刷版の親水性層には無機微粒子を含有することが好ましい。これらの無機微粒子には、コロイダルシリカ、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子(例えば酸化アルミニウム水和物、水酸化アルミニウム)、ゼオライト、その他の金属酸化物からなる粒子等が挙げられる。また、これらの無機微粒子は粒子表面に表面処理がなされていても良い。本発明の好ましい無機微粒子としてはコロイダルシリカ、及び二酸化チタン粒子が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるコロイダルシリカとは、光散乱方式粒度分布計で計測される平均粒子径が好ましくは5〜200nmである球状、針状、不定形、あるいは球状粒子が連なってできるネックレス状等の種々の形状、粒子径のシリカ粒子であり、水中に安定的に分散したシリカゾルが好ましく用いられる。こうした素材は、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスの商品名で各種のコロイダルシリカが提供されており、球状のシリカゾルとしてスノーテックスXS(粒子径4〜6nm)、スノーテックスS(粒子径8〜11nm)、スノーテックス20(粒子径10〜20nm)、スノーテックスXL(粒子径40〜60nm)、スノーテックスYL(粒子径50〜80nm)、スノーテックスZL(粒子径70〜100nm)、スノーテックスMP−2040(粒子径200nm)及び表面のナトリウム塩を除去した酸性タイプのシリカゾルとしてスノーテックスOXS、OS等が好ましく使用できる。針状あるいは不定形のシリカゾルとして、例えばスノーテックスUP、OUPや日揮触媒化成(株)から出されているファインカタロイドF−120等が挙げられる。ネックレス状のシリカゾルとして、スノーテックスPS−S(粒子径80〜120nm)、PS−M(粒子径80〜150nm)及びこれらの酸性タイプであるPS−SO及びPS−MO等が挙げられる。
本発明に好ましく用いられる二酸化チタン粒子とは、平均粒子径が10〜800nmの間にある球状粒子が好ましく、その製造方法は塩素法、硫酸法がありアナタース型、ルチル型、ブルカライト型等があるが、好ましくはルチル型の二酸化チタンを無機物で表面処理したものである。二酸化チタン表面の無機処理としては、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理、亜鉛処理、錫処理、アンチモン処理等があり、それぞれの酸化物が用いられる。これらの中でもシリカ処理、ジルコニア処理、亜鉛処理が好ましく、特にシリカ処理、ジルコニア処理が好ましい。また、これらの無機処理は複合処理であっても良く、例えば、シリカとアルミナの複合処理、ジルコニアとアルミナの複合処理、シリカ、ジルコニア及びアルミナの複合処理が挙げられる。このような二酸化チタン粒子は、例えば堺化学工業(株)からR−11P(粒子径200nm)、R−21(粒子径200nm)、R−61N(粒子径260nm)、R−5N(粒子径250nm)、R−45M(粒子径290nm)、A−110(粒子径150nm)、A−190(粒子径150nm)として石原産業(株)からTTO−55A(粒子径30〜50nm)、TTO−55D(粒子径30〜50nm)として市販されている。
親水性層に含まれる無機微粒子は、各々の種類の無機微粒子を単独で使用しても良いが、あるいは異なる種類の無機微粒子を種々の割合で混合して用いても良い。上述したような無機微粒子の含有量は水溶性ポリマー1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5質量部の範囲で含まれることである。
親水性層の乾燥質量に関しては好ましい範囲が存在し、具体的には、親水性層の乾燥質量が1平方メートルあたり0.1gから10gの間であり、好ましい範囲は1平方メートルあたり0.2gから5gの間であり、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり0.3gから2gの間である。
本発明の親水性層には架橋剤を含むことが好ましく、上述した中間層に含有できる架橋剤と同様の化合物群から選択することができる。特に好ましい架橋剤はエポキシ化合物である。
本発明の親水性層には、前述の水溶性ポリマー、無機微粒子、架橋剤の他に、界面活性剤、pH調整剤等を含有することができる。
[光重合性の感光層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層とは、具体的には重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーと、光重合開始剤を含有する感光層である。重合性二重結合を有するモノマーとしては例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニルアクリレート、1−プロペニルメタクリレート、β−フェニルビニルメタクリレート、β−フェニルビニルアクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロビニルメタクリレート、α−クロロビニルアクリレート、β−メトキシビニルメタクリレート、β−メトキシビニルアクリレート、ビニルチオアクリレート、ビニルチオメタクリレート等を挙げることができる。
上記のポリマーの好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーと水溶性基含有モノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン、4−スルホスチレン、アクリロニトリル等)を共重合成分として含む側鎖に重合性二重結合と水溶性基を有する共重合ポリマーがある。ポリマー構造中に水溶性基を含むことで、未露光部の光重合性の感光層の現像性が促進される。
上述した共重合ポリマーのより好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーを共重合成分として含む共重合ポリマーが挙げられる。ビニル基が置換したフェニル基とは、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香族環にビニル基が置換されており、該ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良く、また芳香族環にも置換基を有していても良い。ポリマー構造中の側鎖にビニル基が置換したフェニル基と水溶性基を有する共重合ポリマーを光重合性の感光層に含有せしめることで、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により高感度なネガ型感光性平版印刷版が得られる。ビニル基が置換したフェニル基とは、詳細には下記一般式(3)で表される。
Figure 2011085843
式中、R11、R12及びR13は、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R11が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であり、R12及びR13が水素原子であるものが特に好ましい。
式中、R14は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表す。また、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
式中、mは0〜4の整数を表し、pは0または1の整数を表す。また、Lは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子群からなる多価の連結基を表す。
を構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
上述した多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
共重合ポリマーの最も好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーと、水溶性基含有モノマーとして構造中にカルボキシ基を有するモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、4−カルボキシスチレン、カルボキシエチルアクリレート等)を共重合成分として含む、側鎖にビニル基が置換したフェニル基とカルボキシ基を有する共重合ポリマー(以降、カルボン酸型ポリマーと称する)が挙げられる。このカルボン酸型ポリマーは構造中に有するカルボキシ基が、現像処理時に現像液に含有するアルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン等)と塩を形成し、未露光部の光重合性の感光層の現像が行われる。従って、カルボン酸型ポリマーを用いる場合は、現像処理において後述するアルカリ性現像液を用いる方法(以降、アルカリ現像と称する)が好ましく、アルカリ性現像液のpH値は10.0以上である。
本発明に於けるカルボン酸型ポリマーの具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
また共重合ポリマーの最も好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーと水溶性基含有モノマーとして構造中にスルホン酸基を有しているモノマー(例えば3−スルホプロピルメタクリレート、4−スルホスチレン、4−スルホ−n−ブチルメタクリルアミド、スルホ−tert−ブチルアクリルアミド等)を共重合成分として含む、側鎖にビニル基が置換したフェニル基とスルホン酸基を有するアニオン性の共重合ポリマー(以降、スルホン酸型ポリマーと称する)が挙げられ、該スルホン酸基は塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、トリエチルアンモニウム塩、リチウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等)を形成していても良い。このスルホン酸型ポリマーは構造中に有するスルホン酸基が水溶性を高めるため、上述したアルカリ性現像液を用いても良いが、本発明のより好ましい態様である現像液のpH値が4.0以上10.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法(以降、ケミカルレス現像と称する)が可能である。また前述のカルボン酸型ポリマーと同様、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有することで、高感度化が可能となる。
本発明に於けるスルホン酸型ポリマーの具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層には光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤としては、光または電子線の照射によりラジカルを発生しうる化合物であれば任意の化合物を用いることができる。
本発明に用いることのできる光重合開始剤の例としては(a)有機ホウ素塩化合物、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)アジニウム塩化合物、(g)活性エステル化合物、(h)メタロセン化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物、(j)芳香族ケトン類等が挙げられ、特に好ましい光重合開始剤は(a)有機ホウ素塩化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物である。
(a)有機ホウ素塩化合物の例としては、特開平8−217813号公報、特開平9−106242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報等に記載の有機ホウ素アンモニウム化合物、特開平6−175561号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−157623号公報等に記載の有機ホウ素スルホニウム化合物及び有機ホウ素オキソスルホニウム化合物、特開平6−175553号公報、特開平6−175554号公報等に記載の有機ホウ素ヨードニウム化合物、特開平9−188710号公報等に記載の有機ホウ素ホスホニウム化合物、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−292014号公報、特開平7−306527号公報等に記載の有機ホウ素遷移金属配位錯体化合物等が挙げられる。また、特開昭62−143044号公報、特開平5−194619号公報等に記載の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを含有するカチオン性色素が挙げられる。
(b)芳香族オニウム塩化合物の例としては、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩化合物は特公昭52−14277号公報、特開昭52−14278号公報、特開昭52−14279号公報等に例示されている化合物を挙げることができる。
(c)有機過酸化物の例としては、分子中に酸素−酸素結合を一個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ(tert−ブチルジパーオキシ)イソフタレート等の過酸化エステル系が好ましい。
(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報に記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(e)ケトオキシムエステル化合物の例としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)ブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(f)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報、特公昭46−42363号公報等に記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(g)活性エステル化合物の例としては、特公昭62−6223号公報等に記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号公報、特開昭59−174831号公報等に記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
(h)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報等に記載のチタノセン化合物、並びに特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報等に記載の鉄−アレーン錯体等を挙げることができる。
(i)トリハロアルキル置換化合物の例としては、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、米国特許第3,954,475号明細書、米国特許第3,987,037号明細書、米国特許第4,189,323号明細書、特開昭61−151644号公報、特開昭63−298339号公報、特開平4−69661号公報、特開平11−153859号公報等に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭54−74728号公報、特開昭55−77742号公報、特開昭60−138539号公報、特開昭61−143748号公報、特開平4−362644号公報、特開平11−84649号公報等に記載の2−トリハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。また、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合した、特開2001−290271号公報等に記載のトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
(j)芳香族ケトン類の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」 J.P.FUOASSIER,J.F.RABEK(1993)、P.77〜P.177に記載のベンゾフェノン骨格、あるいはチオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン類、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報に記載のベンゾインエーテル類、特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン類、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類を挙げることができる。
本発明に用いられる光重合開始剤には光酸発生剤として知られている化合物も含まれる。光酸発生剤は、光または電子線の照射により分解し、塩酸、スルホン酸等の強酸やルイス酸の如き酸を発生しうる化合物であれば任意の化合物を用いることができる。本発明に用いることのできる光酸発生剤の例としては、(k)芳香族ジアゾニウム塩化合物、(l)ピバリン酸−o−ニトロベンジルエステル、ベンゼンスルホン酸−o−ニトロベンジルエステル等のo−ニトロベンジルエステル類、(m)9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸−4−ニトロベンジルエステル、ピロガロールトリスメタンスルホネート、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル類等のスルホン酸エステル誘導体、(n)ジベンジルスルホン、4−クロロフェニル−4′−メトキシフェニルジスルホン等のスルホン類、(o)リン酸エステル誘導体及び(p)米国特許第3,332,936号明細書、特開平2−83638号公報、特開平11−322707号公報、特開2000−1469号公報等に記載のスルホニルジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
本発明で特に好ましい光重合開始剤である有機ホウ素塩化合物は、有機ホウ素塩から構成されており、有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式(4)で表される。
Figure 2011085843
式中、R21、R22、R23及びR24は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R21、R22、R23及びR24の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオン、オニウムイオン及びカチオン性増感色素が挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、ヨードニウム及びホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンまたはオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。また、カチオン性増感色素の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを含有する場合は、該増感色素の吸収波長に応じて感光性が付与される。しかし、後者の場合は更にアルカリ金属もしくはオニウム塩の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを併せて含有するのが好ましい。
本発明に用いられる有機ホウ素塩としては、先に示した一般式(4)で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオン及びオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
Figure 2011085843
本発明において、有機ホウ素塩とともに用いることで更に高感度化、硬調化が具現される光重合開始剤としてトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体及びオキサジアゾール誘導体が挙げられ、あるいは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい具体例を下記に示す。
Figure 2011085843
Figure 2011085843
上記光重合開始剤は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。光重合開始剤の含有量は、重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーの100質量部に対して1〜100質量部の範囲が好ましく、更に1〜40質量部の範囲が特に好ましい。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層には増感色素が含まれることが好ましい。かかる増感色素は増感色素が有する吸収極大波長に前述の光重合開始剤を増感するものである。これにより各種レーザー(例えば青紫色半導体レーザー、近赤外レーザー)による露光に対応することが可能になる。そして前記光重合開始剤が有機ホウ素塩である場合、該増感色素と組み合わせることで、各種レーザー光に対する感度が非常に高くなる特徴を有する。増感色素は、具体的には380〜1300nmの波長域において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素及び電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。本発明に関わる増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 2011085843
Figure 2011085843
本発明の増感色素として、近赤外レーザー対応のため、750〜1100nmの波長領域の光に感光性を持たせる系が好ましく、増感色素として、こうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2011085843
本発明の増感色素として、短波長に光源を有する青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)対応に使用される好ましい増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 2011085843
上記増感色素は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。増感色素の含有量は、重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーの100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲が好ましく、更に0.5〜20質量部の範囲が特に好ましい。
光重合性の感光層を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことができる。着色剤としては露光及び現像処理後において画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素及び顔料を使用することができる。
光重合性の感光層を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することもできる。例えば感光層組成物のブロッキングを防止する目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
光重合性の感光層の乾燥質量に関しては好ましい範囲が存在し、乾燥質量で1平方メートルあたり0.2gから5gの範囲で形成することが好ましく、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり0.5gから3gの範囲である。
[支持体]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の支持体には、各種プラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルム支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、硝酸セルロース等が代表的に挙げられ、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。これらのフィルムは下引き層や中間層等のバインダー層を設ける前に、表面に親水化加工が施されていることが好ましく、こうした親水化加工としては、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
本発明のネガ型感光性平版印刷版には、支持体からみて光重合性の感光層の上に保護層を有しても良く、光重合性の感光層において、レーザー露光により発生したラジカル種の失活を助長する要因にある酸素を、より遮断する性能の保護層が好ましく、特に露光機のレーザー光源がバイオレットレーザーの場合、市販されている光源では充分なエネルギー量が得られないため、保護層を塗設することが特に好ましい。保護層には比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等のような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独または混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル及びアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの保護層中における含有量は、固形分換算で50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
本発明の保護層には、ポリビニルアルコール、その他の水溶性ポリマー、各種の有機化合物、無機化合物を添加しても良い。また、光重合性の感光層上に塗設するための塗布性を改善する等の目的で界面活性剤を添加しても良い。
本発明の保護層の乾燥重量は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択されるが、1平方メートルあたり0.1gから3gの間が好ましい。
[現像処理方法]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法において、露光部は光重合性の感光層が光重合反応を起こしているため、画像状に残余し(画像部)、未露光部は現像処理によって光重合性の感光層が膨潤あるいは溶解されることで親水性層が表面に露出され(非画像部)、平版印刷版が得られる。
以下に本発明の現像処理方法に関して説明する。本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法としてアルカリ現像がある。このアルカリ現像にはアルカリ性現像液が用いられ、該現像液のpH値は10.0以上である。この現像液には無機アルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、有機アルカリ剤(例えばトリエチルアミン等)、更に他の添加剤として、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルセルソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種有機溶剤、あるいは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤等を添加することもできる。なお、この処理方法は現像工程の後に、例えば酸性水溶液による停止工程や水洗工程等を含んでも良い。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法の好ましい態様としてケミカルレス現像があり、このケミカルレス現像の現像液は実質的に強アルカリ性化合物を含まず、そのpH値は4.0以上10.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法であり、好ましくはpH値が4.0以上8.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法である。本発明におけるケミカルレス現像とは、水だけで現像を行う方策と、水に他の添加剤を添加した現像液を用いる方策があり、この添加剤として、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルセルソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種有機溶剤、あるいは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤、pH緩衝剤、防腐剤等を添加することが可能である。添加剤の量は添加剤の種類、目的によって異なるが、水100質量部に対して10質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下の範囲である。更に、市販の印刷版用版面保護液や、印刷版用湿し水を使用することもできる。なお、この処理方法は現像工程の後に、例えば水洗工程等を含んでも良い。
上述した現像処理方法において、アルカリ現像はアルカリ性現像液に含まれるアルカリ剤が、光重合性の感光層の露光部の膜強度を少なからず低下させるが、ケミカルレス現像はアルカリ性化合物を含まないため、光重合性の感光層の露光部へのダメージは最小限に抑えられ、より高い画像部の耐刷性を有する。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ネガ型感光性平版印刷版の作製)
<中間層>
厚みが100μmのポリエステルフィルム支持体上に、下記の中間層処方にてワイヤーバーで乾燥質量が5.0g(1平方メートル当たり)になるように塗布を行い、50℃の乾燥機にて10分間乾燥を行い、更に乾燥物を40℃の乾燥機にて2日間加熱を行った。
<中間層処方>
ゼラチンもしくはポリアクリル酸類(表1に記載) 10質量部
無機多孔質化合物(表1に記載) 固形分にて表1に記載
架橋剤 H−6 1質量部
pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液もしくは硫酸水溶液にてpH値を5.0に調整)
イオン交換水にて100質量部とした。
なお、表1の中間層塗布サンプルの中で、比較Aは上記の中間層を付与せず、下記親水性層を支持体上に直接塗布を行ったサンプルであり、比較B〜Dはゼラチンもしくはポリアクリル酸類の代わりに他のポリマーを用いたサンプルであり、比較Eは無機多孔質化合物を含有しないサンプルであり、比較Fは無機多孔質化合物の代わりに無機非孔質化合物を含有するサンプルである。
<親水性層>
上記中間層塗布サンプル上(中間層の表面)に、下記の親水性層処方にてワイヤーバーで乾燥質量が1.5g(1平方メートル当たり)になるように塗布を行い、50℃の乾燥機にて10分間乾燥を行い、更に乾燥物を50℃の乾燥機にて2日間加熱を行った。親水性層塗布サンプルを得た。
<親水性層処方>
水溶性ポリマー WP−4 1質量部
無機微粒子 コロイダルシリカ 日産化学工業(株)製スノーテックス20
(粒子径10〜20nm) 20質量%水溶液 15質量部
架橋剤 H−9 0.5質量部
pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液もしくは硫酸水溶液にてpH値を5.0に調整)
イオン交換水 10質量部
<光重合性の感光層>
上記親水性層塗布サンプル上(親水性層の表面)に、下記の光重合性の感光層処方にてワイヤーバーで乾燥質量が1.5g(1平方メートル当たり)になるように光重合性の感光層の塗布を行い、70℃の乾燥機にて3分間乾燥を行い、更に光重合性の感光層の上に下記の保護層処方にてワイヤーバーで乾燥質量が1.5g(1平方メートル当たり)になるように保護層の塗布を行い、70℃の乾燥機にて10分間乾燥を行い、本発明及び比較のネガ型感光性平版印刷版のサンプルを得た。
<光重合性の感光層処方>
スルホン酸型ポリマー SP−1 1質量部
光重合開始剤 BC−4 0.1質量部
光重合開始剤 T−8 0.1質量部
増感色素 S−19 0.05質量部
着色剤 ビクトリアブルー 0.2質量部
アセトン 5質量部
エタノール 5質量部
テトラヒドロフラン 10質量部
<保護層処方>
(株)クラレ製 PVA−117 1質量部
イオン交換水 20質量部
<平版印刷版経時条件>
上記で得られたネガ型感光性平版印刷版は、一部は経時標準条件として室温で1日放置した後、下述の製版処理を行い、一部は経時強制条件として50℃10日間強制加温の後に、下述の製版処理を行った。
<露光試験>
経時済みのサンプルを、405nmバイオレットレーザーを搭載したプレートセッター(三菱製紙(株)製VIPLAS)を使用して、1500dpi150線の画像を、露光量を5μJ/cm刻みで変更しながら露光し、後述する現像処理で得られた平版印刷版の50%網点画像の網点面積率がより50%に近い露光量を最適露光量とした。
<ケミカルレス現像処理>
上記露光済み版を厚さ200μmのアルミ板上に貼り付けて(光重合性の感光層が上側)、自動現像機として大日本スクリーン製造(株)製PS版用自動現像機PD−1310を用いて現像処理を行い、印刷用のプレートを得た。なお、現像処理の条件は、該自動現像機の第1槽(処理工程中にモルトン機構を有する)にイオン交換水を張り、液温度が30℃、処理時間が15秒の設定で上記露光済み版の処理を行い、第1槽の出口から処理済み版を取り出し、後に自然乾燥して、水現像プレートを得た。
<感度変動評価>
各サンプルの経時標準条件及び経時強制条件の最適露光量、更に経時条件による最適露光量差(感度差)を表1に示す。感度差が小さいほど、安定したネガ型感光性平版印刷版と言える。
<耐地汚れ性>
上記のようにして得られた水現像プレートを印刷機リョービ560に装着し、給湿液として10質量%イソプロピルアルコール水溶液、インキとしてDIC(株)製Fグロス紫(ソフトタイプ)を用いて印刷を行い、3000枚目の印刷物上にて非画像部に地汚れが発生するか否かを目視で観察した。なお印刷時の室内温度は23℃、室内湿度は55%RHである。この結果、比較A〜Dのネガ型感光性平版印刷版は地汚れが認められたが、比較E、F及び本発明1〜16のネガ型感光性平版印刷版は地汚れが認められなかった。
Figure 2011085843
表1の結果より本発明のネガ型感光性平版印刷版は、比較のネガ型感光性平版印刷版に比して、経時による感度の変動が極めて小さいことが分かる。

Claims (2)

  1. プラスチックフィルム支持体上に、中間層、親水性層および光重合性の感光層を少なくともこの順に有するネガ型感光性平版印刷版であって、中間層が少なくともゼラチンもしくはポリアクリル酸類のいずれかと無機多孔質化合物とを含有するネガ型感光性平版印刷版。
  2. 前記無機多孔質化合物がシリカ粒子である請求項1に記載のネガ型感光性平版印刷版。
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