JP2010237559A - ネガ型感光性平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルム支持体上に、少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に有するネガ型感光性平版印刷版において、耐汚れ性に優れたネガ型感光性平版印刷版を提供する。
【解決手段】親水性層と該支持体との間に親水性ポリマー、尿素及びビニルスルホン系架橋剤を含有する中間層を有するネガ型感光性平版印刷版。
【選択図】なし

Description

本発明はプラスチックフィルム支持体上に、少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に有するネガ型感光性平版印刷版に関し、詳しくはケミカルレス現像が可能なネガ型感光性平版印刷版であり、特に750〜1100nmの赤外線レーザーや380〜430nmの青紫色半導体レーザーに感度を有するネガ型感光性平版印刷版に関する。
近年、製版システムのデジタル化に伴いコンピューター画面上で組版したデジタルデータを、直接平版印刷版に出力するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)技術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した各種プレートセッターとこれらに適合する感光性平版印刷版の開発が盛んに行われている。またこのような出力機には、例えば青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)、ヘリウムネオンレーザー、赤色LED、近赤外線レーザー、赤外線レーザー、アルゴンレーザー等の各種レーザーを利用した出力機が好ましく用いられる。
このような各種レーザーに対応した光重合性の感光層を有する平版印刷版としては、例えば特開平9−134007号公報にはエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合可能な化合物と光増感色素と重合開始剤を含有する平版印刷版が開示されており、特開平5−5988号公報、特開平5−194619号公報、特開2000−98603号公報等には、有機ホウ素アニオンと色素との組み合わせが開示されており、特開平4−31863号公報、特開平6−43633号公報等には色素とs−トリアジン系化合物との組み合わせが開示されており、特開平7−20629号公報、特開平7−271029号公報等にはレゾール樹脂、ノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び光酸発生剤の組み合わせが開示されており、特開平11−212252号公報、特開平11−231535号公報等には特定の重合体と光酸発生剤と近赤外増感色素の組み合わせが開示されており、特開2001−290271号公報等には、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体を用いた平版印刷版が開示されている。また特開2005−274695号公報や特開2007−25220号公報には、バイオレットレーザー光源に対応した光重合性の感光層を有する平版印刷版が開示されている。
上記したような各種レーザー光源に対応した光重合性の感光性平版印刷版の処理工程は、各種レーザー光源を有する出力機により露光された後、自動現像機を用いて現像処理される。しかしながら支持体として例えば表面を陽極酸化されたアルミニウム支持体を有する平版印刷版は出力機内にコンパクトに収納することができず、出力機の専有面積は大きくなる。また上記した光重合性の感光性平版印刷版の現像処理は一般に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸カリウム等の強アルカリ性化合物を溶解したpH値が10.0以上のアルカリ性現像液にて現像される。しかしアルカリ性現像液は人体に有害であり、その取り扱い及び保管には充分な注意と管理が必要とされ、更にその購入コスト及び廃液処理に関わるコストはユーザーに多大の負担を強いるものであり、加えてアルカリ性現像液の液性としてpH、温度等の管理を細心の注意を以て管理しなければならず、極めて取り扱いが煩雑であった。
出力機内にコンパクトに収納することができるプラスチックフィルム支持体を有し、更に実質的に強アルカリ性化合物を含まない、いわゆるケミカルレス現像可能な平版印刷版として、特開2003−215801号公報(特許文献1)には、プラスチックフィルム支持体上に側鎖にフェニル基を介してビニル基が結合したカチオン性もしくはアニオン性の水溶性ポリマー、光重合開始剤または酸発生剤を含有する感光層を有する平版印刷版が開示されている。またプラスチックフィルム支持体上に好ましく用いられる親水性層として、特公昭49−2286号公報に記載のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーによる親水性樹脂層、特公昭56−2938号公報に記載の尿素樹脂と顔料から構成される親水性層、特開昭48−83902号公報に記載のアクリルアミド系ポリマーをアルデヒド類で硬化させて得られる親水性層、特開昭62−280766号公報に記載の水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、水不溶性無機粉体を含有する組成物を硬化させて得られる親水性層、特開平8−184967号公報に記載の側鎖にアミジノ基を有する繰り返し単位を含む水溶性ポリマーを硬化して得られる親水性層、特開平8−272087号公報に記載の親水性(共)重合体を含有し、加水分解されたテトラアルキルオルソシリケートで硬化された親水性層、特開平10−296895号公報に記載のオニウム基を有する親水性層、特開平11−311861号公報に記載のルイス塩基部分を有する架橋親水性ポリマーを多価金属イオンとの相互作用によって三次元架橋させて得られる親水性層、特開2000−122269号公報に記載の親水性樹脂及び水分散性フィラーを含有する親水性層等が記載される。しかし非画像部の耐汚れ性に問題があった。
また特開2008−265297号公報(特許文献2)、特開2008−230205号公報(特許文献3)、特開2008−238506号公報(特許文献4)等には、特定の水溶性ポリマー(水溶性共重合体や特定の水溶性グラフトポリマー)、かかる水溶性ポリマーの架橋剤、及びコロイダルシリカ等を含有する親水性層が記載されるが、非画像部の耐汚れ性において充分満足できるものではなかった。
一方、特開2005−305852号公報(特許文献5)には、親水性層上に熱融着性微粒子を含有する感熱性の画像形成層やホットメルト型インクや放射線硬化型インク等をインクジェット方式にて画像を形成する平版印刷版の塗布故障、機上現像性等の改善を目的に、ゼラチンと該ゼラチンに対して特定の量の硬膜剤を含有する下引き層を設けた平版印刷版が記載される。
特開2003−215801号公報 特開2008−265297号公報 特開2008−230205号公報 特開2008−238506号公報 特開2005−305852号公報
本発明の目的は、プラスチックフィルム支持体上に、少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に有するネガ型感光性平版印刷版において、耐汚れ性に優れたネガ型感光性平版印刷版を提供することにある。
上記の課題は、以下の発明により達成された。
1)プラスチックフィルム支持体上に少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に有するネガ型感光性平版印刷版において、該親水性層と該支持体との間に親水性ポリマー、尿素及びビニルスルホン系架橋剤を含有する中間層を有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
本発明によれば、耐汚れ性に優れたネガ型感光性平版印刷版を提供することができる。
本発明のネガ型感光性平版印刷版は、プラスチックフィルム支持体上に、少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に塗設してなるネガ型感光性平版印刷版であって、親水性層と支持体の間に親水性ポリマー、尿素及びビニルスルホン系架橋剤を含有する中間層を有するネガ型感光性平版印刷版である。このネガ型感光性平版印刷版の層構成としては、プラスチックフィルム支持体の上部に前記中間層、親水性層、光重合性の感光層をこの順に設ける層構成の他に、例えば光重合性の感光層の上部(支持体を下にして)に保護層を設けても良いし、プラスチックフィルム支持体の裏側(支持体から見て光重合性の感光層面の反対面)に裏層を設けても良い。また、中間層と支持体の間に下塗り層を設けても良い。
本発明のネガ型感光性平版印刷版は、親水性ポリマー、尿素及びビニルスルホン系架橋剤を含有する中間層を塗設することで、耐汚れ性が大きく改善される。その機構は定かではないが、本発明の中間層を用いることにより親水性層の保水性が改善されるのと同時に親水性の接着強度が高まるため、印刷時の耐汚れ性が向上すると推測する。
[中間層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版において中間層に含有するビニルスルホン系架橋剤とは分子中に少なくとも2個のビニルスルホニル基を有する化合物のことを言い、例えば下記一般式(1)もしくは下記一般式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010237559
式中L、Lはそれぞれ存在してもしなくても良い2価の連結基を示す。L、Lが存在する場合、好ましくは炭素数1〜5の置換されていても良いアルキレン基、アリーレン基、カルバモイル基、スルファモイル基、酸素、硫黄、イミノ基等を示し、これらは組み合わさっていても良い。Rは水素原子、炭素数1〜5の置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いベンゼン、ナフタレン等のアリール基を示し、中でも水素原子が好ましい。
Figure 2010237559
式中、Lは少なくとも一個の水酸基を有するm価の基であり、mは2〜4である。一般式(2)において、Lとしては、2〜4価の炭素数1〜10の非環状炭化水素基、窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子を含有する5または6員の複素環基、5または6員での環状炭化水素基、または炭素数7〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。非環状炭化水素基としては、好ましくは1〜8の炭素数を有するアルキレン基である。Lで表されるそれぞれの基は、置換基を有していてもよく、または、ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子)、カルボニル基またはカルバミド基を介し相互に結合してもよい。Lは、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4を有する1種以上のアルキコキシ基、また塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アセトキシ基等で置換されていてもよい。
上記一般式(1)の化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010237559
上記一般式(2)の化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010237559
これら本発明で用いるビニルスルホン系架橋剤の添加量としては、中間層が含有する親水性ポリマーに対して、0.005〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜15質量%であることが好ましい。
本発明の中間層は上記のようなビニルスルホン系架橋剤と尿素を含有するが、他の架橋剤を併用することができる。他の架橋剤としては、公知の種々の化合物が挙げられる。具体的にはエポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物及びその誘導体、ホルマリン等のアルデヒド化合物及びメチロール化合物、ヒドラジド化合物などが好ましい例として挙げられる。
本発明の中間層が含有する尿素の添加量としては、ビニルスルホン系架橋剤に対して好ましくは10〜500質量%、より好ましくは50〜300質量%含有させる。
本発明に用いるビニルスルホン系架橋剤と尿素の添加方法は中間層の塗布液を製造する際に添加したり、中間層を塗設するための塗布液を塗布する際にインラインで添加することもできる。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の中間層には親水性ポリマーを含有する。親水性ポリマーとしては、ゼラチン、ポリアクリル酸、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物及びスチレン・ブタジエン、アクリロニトリル・ブタジエン、アクリレート系のポリマーラテックス等が挙げられる。好ましくは、平均分子量が3000以上のゼラチンであり、例えば牛骨または牛皮を原料としたアルカリ法ゼラチン、豚皮を原料に用いた酸性法ゼラチン、変性ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン等)が挙げられる。またこれらのゼラチンに含まれる不純物(例えばカルシウムイオン、ナトリウムイオン、クロライドイオン等の塩類、脂質、核酸及びその分解物、アルデヒド類等)が精製や脱塩処理を施すことにより低減されたゼラチンも使用できる。本発明の中間層には二種類以上の親水性ポリマーを併用してもよい。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の中間層には無機微粒子を含有することができる。これらの無機微粒子には、コロイダルシリカ、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子(例えば酸化アルミニウム水和物、水酸化アルミニウム)、ゼオライト、その他の金属酸化物からなる粒子等が挙げられる。また、これらの無機微粒子は粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の中間層の乾燥質量に関しては好ましい範囲が存在し、具体的には、中間層の乾燥質量が1平方メートルあたり0.1gから10gの間であり、好ましい範囲は1平方メートルあたり1gから7gの間であり、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり2.5gから5gの間である。
[親水性層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の親水性層としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、特公昭49−2286号公報に記載のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーによる親水性樹脂層、特公昭56−2938号公報に記載の尿素樹脂と顔料から構成される親水性層、特開昭48−83902号公報に記載のアクリルアミド系ポリマーをアルデヒド類で硬化させて得られる親水性層、特開昭62−280766号公報に記載の水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、水不溶性無機粉体を含有する組成物を硬化させて得られる親水性層、特開平8−184967号公報に記載の側鎖にアミジノ基を有する繰り返し単位を含む水溶性ポリマーを硬化して得られる親水性層、特開平8−272087号公報に記載の親水性(共)重合体を含有し、加水分解されたテトラアルキルオルソシリケートで硬化された親水性層、特開平10−296895号公報に記載のオニウム基を有する親水性層、特開平11−311861号公報に記載のルイス塩基部分を有する架橋親水性ポリマーを多価金属イオンとの相互作用によって三次元架橋させて得られる親水性層、特開2000−122269号公報に記載の親水性樹脂及び水分散性フィラーを含有する親水性層等を挙げることができる。
本発明の親水性層には下記一般式(3)で示されるポリマーを含有することが特に好ましく、該ポリマーを用いることで、非画像部の耐汚れ性にとりわけ優れたネガ型感光性平版印刷版が得られる。
Figure 2010237559
式中Xはポリマー組成中に占める繰り返し単位の質量%を表し、1から40までの任意の数値を表す。繰り返し単位Aは反応性基としてカルボキシ基、アミノ基、水酸基、アセトアセトキシ基から選ばれる基を有する繰り返し単位を表し、繰り返し単位Bはポリマーを水溶性にするために必要な親水性基を有する繰り返し単位を表す。
上記一般式(3)で示される水溶性ポリマーは後述する架橋剤との間で効率的に架橋反応が進行するための反応性基を分子内に含むことが重要である。こうした反応性基として、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、アセトアセトキシ基が挙げられる。これらの反応性基を分子内に有する水溶性ポリマーを得るには、反応性基を有する各種モノマーを共重合する形で組み込むことが好ましく行われる。上記一般式(4)で示す繰り返し単位Aに対応するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン、アクリルアミド−N−グリコール酸等のカルボキシ基含有モノマー及びこれらの塩、アリルアミン、ジアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、4−アミノスチレン、4−アミノメチルスチレン、N,N−ジメチル−N−(4−ビニルベンジル)アミン、N,N−ジエチル−N−(4−ビニルベンジル)アミン等のアミノ基含有モノマー、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール等の含窒素複素環含有モノマー、N−メチロールアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類及びアセトアセトキシメタクリレート等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
上記一般式(3)において、繰り返し単位Aの共重合体中に於ける割合であるXは1から40であり、この範囲より少なければ架橋反応が進行しても充分な膜強度が得られない場合があり、この範囲より多ければ、下記の水溶性を付与するための繰り返し単位Bの導入による効果が薄れ、親水性層の水に対する親和性が低下する場合がある。
更に、一般式(3)における繰り返し単位Bを与えるためのモノマーとしては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー及びこれらの塩、ビニルホスホン酸等のリン酸基含有モノマー及びこれらの塩、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アクリル酸−2−(トリメチルアンモニオ)エチルエステル、メタクリル酸−2−(トリメチルアンモニオ)エチルエステル、アクリル酸−2−(トリエチルアンモニオ)エチルエステル、メタクリル酸−2−(トリエチルアンモニオ)エチルエステル、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−N−(4−ビニルベンジル)アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基含有(メタ)アクリレート類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら水溶性モノマーは繰り返し単位Bを構成するために1種で用いても良いし、任意の2種類以上を用いても良い。本発明に於ける好ましい水溶性ポリマーの具体例を下記に示す。なお、本発明において水溶性とは1Lの水に水溶性ポリマーが0.5g以上溶解することを意味する。
Figure 2010237559
Figure 2010237559
本発明の親水性層は架橋剤を含むことが好ましい。かかる架橋剤としては、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物及びその誘導体、ホルマリン等のアルデヒド化合物、及びメチロール化合物、ヒドラジド化合物等が挙げられる。特に好ましい架橋剤はエポキシ化合物である。エポキシ化合物としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく使用される。好ましいエポキシ化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2010237559
本発明の親水性層は無機微粒子を含有することが好ましい。これらの無機微粒子には、コロイダルシリカ、二酸化チタン粒子、アルミナ粒子(例えば酸化アルミニウム水和物、水酸化アルミニウム)、ゼオライト、その他の金属酸化物からなる粒子等が挙げられる。また、これらの無機微粒子は粒子表面に表面処理がなされていてもよい。本発明の好ましい無機微粒子はコロイダルシリカ、二酸化チタン粒子であり、特に優れた耐刷性と耐汚れ性が得られる。
本発明に好ましく用いられるコロイダルシリカとは、光散乱方式粒度分布計で計測される平均粒子径が好ましくは5〜200nmである球状、針状、不定形あるいは、球状粒子が連なってできるネックレス状などの種々の形状、粒子径のシリカ粒子であり、水中に安定的に分散したシリカゾルが好ましく用いられる。こうした素材は、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスの商品名で各種のコロイダルシリカが提供されており、球状のシリカゾルとしてスノーテックスXS(粒子径4〜6nm)、スノーテックスS(粒子径8〜11nm)、スノーテックス20(粒子径10〜20nm)、スノーテックスXL(粒子径40〜60nm)、スノーテックスYL(粒子径50〜80nm)、スノーテックスZL(粒子径70〜100nm)、スノーテックスMP−2040(粒子径200nm)及び表面のナトリウム塩を除去した酸性タイプのシリカゾルとしてスノーテックスOXS、OS等が好ましく使用できる。針状あるいは不定形のシリカゾルとして、例えばスノーテックスUP、OUPや触媒化成工業(株)から出されているファインカタロイドF−120等が挙げられる。ネックレス状のシリカゾルとして、スノーテックスPS−S(粒子径80〜120nm)、PS−M(粒子径80〜150nm)及びこれらの酸性タイプであるPS−SO及びPS−MO等が挙げられる。
本発明に好ましく用いられる二酸化チタン粒子とは、平均粒子径が10〜800nmの間にある球状粒子が好ましく、その製造方法は塩素法、硫酸法がありアナタース型、ルチル型、ブルカライト型等があるが、好ましくはルチル型の二酸化チタンを無機物で表面処理したものである。二酸化チタン表面の無機処理としては、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理、亜鉛処理、錫処理、アンチモン処理などがあり、それぞれの酸化物が用いられる。これらの中でもシリカ処理、ジルコニア処理、亜鉛処理が好ましく、特にシリカ処理、ジルコニア処理が好ましい。また、これらの無機処理は複合処理であってもよく、例えば、シリカとアルミナの複合処理、ジルコニアとアルミナの複合処理、シリカ、ジルコニア及びアルミナの複合処理が挙げられる。このような二酸化チタン粒子は、例えば堺化学工業(株)からR−11P(粒子径200nm)、R−21(粒子径200nm)、R−61N(粒子径260nm)、R−5N(粒子径250nm)、R−45M(粒子径290nm)、A−110(粒子径150nm)、A−190(粒子径150nm)、石原産業(株)からTTO−55A(粒子径30〜50nm)、TTO−55D(粒子径30〜50nm)として市販されている。
親水性層に含まれる無機微粒子は、各々の種類の無機微粒子を単独で使用しても良いが、あるいは異なる種類の無機微粒子を種々の割合で混合して用いても良い。上述したような無機微粒子の含有量は水溶性ポリマー1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5質量部の範囲で含まれることである。
親水性層の乾燥質量に関しては好ましい範囲が存在し、具体的には、親水性層の乾燥質量が1平方メートルあたり0.1gから10gの間であり、好ましい範囲は1平方メートルあたり0.2gから5gの間であり、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり0.3gから2gの間である。
本発明の親水性層には、前述の水溶性ポリマー、無機微粒子、架橋剤の他に、界面活性剤、pH調整剤等を含有することができる。
[光重合性の感光層]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層とは、具体的には重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーと、光重合開始剤を含有する感光層である。重合性二重結合を有するモノマーとしては例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニルアクリレート、1−プロペニルメタクリレート、β−フェニルビニルメタクリレート、β−フェニルビニルアクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロビニルメタクリレート、α−クロロビニルアクリレート、β−メトキシビニルメタクリレート、β−メトキシビニルアクリレート、ビニルチオアクリレート、ビニルチオメタクリレート等を挙げることができる。
上記のポリマーの好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーと水溶性基含有モノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン、4−スルホスチレン、アクリロニトリル等)を共重合成分として含む側鎖に重合性二重結合と水溶性基を有する共重合ポリマーがある。ポリマー構造中に水溶性基を含むことで、未露光部の光重合性の感光層の現像性が促進される。
上述した共重合ポリマーのより好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーを共重合成分として含む共重合ポリマーが挙げられる。ビニル基が置換したフェニル基とは、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香族環にビニル基が置換されており、該ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良く、また芳香族環にも置換基を有していてもよい。ポリマー構造中の側鎖にビニル基が置換したフェニル基と水溶性基を有する共重合ポリマーを光重合性の感光層に含有せしめることで、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により高感度なネガ型感光性平版印刷版が得られる。ビニル基が置換したフェニル基とは、詳細には下記一般式(4)で表される。
Figure 2010237559
式中、R11、R12及びR13は、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R11が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であり、R12及びR13が水素原子であるものが特に好ましい。
式中、R14は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表す。また、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
式中、mは0〜4の整数を表し、pは0または1の整数を表す。また、Lは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子群からなる多価の連結基を表す。
を構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
上述した多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
共重合ポリマーの最も好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーと、水溶性基含有モノマーとして構造中にカルボキシ基を有するモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、4−カルボキシスチレン、カルボキシエチルアクリレート等)を共重合成分として含む、側鎖にビニル基が置換したフェニル基とカルボキシ基を有する共重合ポリマー(以降、カルボン酸型ポリマーと称する)が挙げられる。このカルボン酸型ポリマーは構造中に有するカルボキシ基が、現像処理時に現像液に含有するアルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン等)と塩を形成し、未露光部の光重合性の感光層の現像が行われる。従って、カルボン酸型ポリマーを用いる場合は、現像処理において後述するアルカリ性現像液を用いる方法(以降、アルカリ現像と称する)が好ましく、アルカリ性現像液のpH値は10.0以上である。
本発明に於けるカルボン酸型ポリマーの具体例を下記に示す。
Figure 2010237559
また共重合ポリマーの最も好ましい態様として、重合性二重結合を有するモノマーとしてビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーと水溶性基含有モノマーとして構造中にスルホン酸基を有しているモノマー(例えば3−スルホプロピルメタクリレート、4−スルホスチレン、4−スルホ−n−ブチルメタクリルアミド、スルホ−tert−ブチルアクリルアミド等)を共重合成分として含む、側鎖にビニル基が置換したフェニル基とスルホン酸基を有する共重合ポリマー(以降、スルホン酸型ポリマーと称する)が挙げられ、該スルホン酸基は塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、トリエチルアンモニウム塩、リチウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等)を形成していても良い。このスルホン酸型ポリマーは構造中に有するスルホン酸基が水溶性を高めるため、上述したアルカリ性現像液を用いてもよいが、本発明のより好ましい態様である現像液のpH値が4.0以上10.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法(以降、ケミカルレス現像と称する)が可能である。また前述のカルボン酸型ポリマーと同様、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有することで、高感度化が可能となる。
本発明に於けるスルホン酸型ポリマーの具体例を下記に示す。
Figure 2010237559
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層には光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤としては、光または電子線の照射によりラジカルを発生しうる化合物であれば任意の化合物を用いることができる。
本発明に用いることのできる光重合開始剤の例としては(a)有機ホウ素塩化合物、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)アジニウム塩化合物、(g)活性エステル化合物、(h)メタロセン化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物、(j)芳香族ケトン類等が挙げられ、特に好ましい光重合開始剤は(a)有機ホウ素塩化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物である。
(a)有機ホウ素塩化合物の例としては、特開平8−217813号公報、特開平9−106242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報等に記載の有機ホウ素アンモニウム化合物、特開平6−175561号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−157623号公報等に記載の有機ホウ素スルホニウム化合物及び有機ホウ素オキソスルホニウム化合物、特開平6−175553号公報、特開平6−175554号公報等に記載の有機ホウ素ヨードニウム化合物、特開平9−188710号公報等に記載の有機ホウ素ホスホニウム化合物、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−292014号公報、特開平7−306527号公報等に記載の有機ホウ素遷移金属配位錯体化合物等が挙げられる。また、特開昭62−143044号公報、特開平5−194619号公報等に記載の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを含有するカチオン性色素が挙げられる。
(b)芳香族オニウム塩化合物の例としては、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩化合物は特公昭52−14277号公報、特開昭52−14278号公報、特開昭52−14279号公報等に例示されている化合物を挙げることができる。
(c)有機過酸化物の例としては、分子中に酸素−酸素結合を一個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ(tert−ブチルジパーオキシ)イソフタレート等の過酸化エステル系が好ましい。
(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報に記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(e)ケトオキシムエステル化合物の例としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)ブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(f)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報、特公昭46−42363号公報等に記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(g)活性エステル化合物の例としては特公昭62−6223号公報等に記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号公報、特開昭59−174831号公報等に記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
(h)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報等に記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報等に記載の鉄−アレーン錯体等を挙げることができる。
(i)トリハロアルキル置換化合物の例としては、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、米国特許第3,954,475号明細書、米国特許第3,987,037号明細書、米国特許第4,189,323号明細書、特開昭61−151644号公報、特開昭63−298339号公報、特開平4−69661号公報、特開平11−153859号公報等に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭54−74728号公報、特開昭55−77742号公報、特開昭60−138539号公報、特開昭61−143748号公報、特開平4−362644号公報、特開平11−84649号公報等に記載の2−トリハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。また、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合した、特開2001−290271号公報等に記載のトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
(j)芳香族ケトン類の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」 J.P.FUOASSIER,J.F.RABEK(1993)、P.77〜P.177に記載のベンゾフェノン骨格、あるいはチオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン類、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報に記載のベンゾインエーテル類、特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン類、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類を挙げることができる。
本発明に用いられる光重合開始剤には光酸発生剤として知られている化合物も含まれる。光酸発生剤は、光または電子線の照射により分解し、塩酸、スルホン酸等の強酸やルイス酸の如き酸を発生しうる化合物であれば任意の化合物を用いることができる。本発明に用いることのできる光酸発生剤の例としては、(k)芳香族ジアゾニウム塩化合物、(l)ピバリン酸−o−ニトロベンジルエステル、ベンゼンスルホン酸−o−ニトロベンジルエステル等のo−ニトロベンジルエステル類、(m)9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸−4−ニトロベンジルエステル、ピロガロールトリスメタンスルホネート、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル類等のスルホン酸エステル誘導体、(n)ジベンジルスルホン、4−クロロフェニル−4′−メトキシフェニルジスルホン等のスルホン類、(o)リン酸エステル誘導体及び(p)米国特許第3,332,936号明細書、特開平2−83638号公報、特開平11−322707号公報、特開2000−1469号公報等に記載のスルホニルジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
本発明で特に好ましい光重合開始剤である有機ホウ素塩化合物は、有機ホウ素塩から構成されており、有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式(5)で表される。
Figure 2010237559
式中、R21、R22、R23及びR24は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R21、R22、R23及びR24の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオン、オニウムイオン及びカチオン性増感色素が挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、ヨードニウム及びホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンまたはオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。また、カチオン性増感色素の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを含有する場合は、該増感色素の吸収波長に応じて感光性が付与される。しかし、後者の場合は更にアルカリ金属もしくはオニウム塩の対アニオンとして有機ホウ素アニオンを併せて含有するのが好ましい。
本発明に用いられる有機ホウ素塩としては、先に示した一般式(5)で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオン及びオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の具体例を下記に示す。
Figure 2010237559
Figure 2010237559
本発明において、有機ホウ素塩とともに用いることで更に高感度化、硬調化が具現される光重合開始剤としてトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体及びオキサジアゾール誘導体が挙げられ、あるいは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい具体例を下記に示す。
Figure 2010237559
Figure 2010237559
上記光重合開始剤は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。光重合開始剤の含有量は、重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーの100質量部に対して1〜100質量部の範囲が好ましく、更に1〜40質量部の範囲が特に好ましい。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の光重合性の感光層には増感色素が含まれることが好ましい。かかる増感色素は増感色素が有する吸収極大波長に前述の光重合開始剤を増感するものである。これにより各種レーザー(例えば青紫色半導体レーザー、近赤外レーザー)による露光に対応することが可能になる。そして前記光重合開始剤が有機ホウ素塩である場合、該増感色素と組み合わせることで、各種レーザー光に対する感度が非常に高くなる特徴を有する。増感色素は、具体的には380〜1300nmの波長域において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素及び電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。本発明に関わる増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 2010237559
Figure 2010237559
本発明の増感色素として、近赤外レーザー対応のため、750〜1100nmの波長領域の光に感光性を持たせる系が好ましく、増感色素として、こうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2010237559
本発明の増感色素として、短波長に光源を有する青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)対応に使用される特に好ましい増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 2010237559
上記増感色素は単独で用いても良いし、任意の2種以上の組み合わせで用いても良い。増感色素の含有量は、重合性二重結合を有するモノマーを共重合成分として含むポリマーの100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲が好ましく、更に0.5〜20質量部の範囲が特に好ましい。
光重合性の感光層を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことができる。着色剤としては露光及び現像処理後において画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素及び顔料を使用することができる。
光重合性の感光層を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することもできる。例えば感光層組成物のブロッキングを防止する目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
光重合性の感光層の乾燥質量に関しては好ましい範囲が存在し、乾燥質量で1平方メートルあたり0.2gから5gの範囲で形成することが好ましく、最も好ましい範囲は1平方メートルあたり0.5gから3gの範囲である。
[支持体]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の支持体には、各種プラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルム支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、硝酸セルロースなどが代表的に挙げられ、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。これらのフィルムはバインダー層を設ける前に、表面に親水化加工が施されていることが好ましく、こうした親水化加工としては、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
本発明のネガ型感光性平版印刷版には、支持体から見て感光層の上に保護層を有してもよく、光重合性の感光層において、レーザー露光により発生したラジカル種の失活を助長する要因にある酸素を、より遮断する性能の保護層が好ましく、特に露光機のレーザー光源がバイオレットレーザーの場合、市販されている光源では充分なエネルギー量が得られないため、保護層を塗設することが特に好ましい。
保護層には比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独または混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの保護層中における含有量は、固形分換算で50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
本発明の保護層には、ポリビニルアルコール、その他の水溶性ポリマー、各種の有機化合物、無機化合物を添加してもよい。また、光重合性の感光層上に塗設するための塗布性を改善するなどの目的で界面活性剤を添加しても良い。
本発明の保護層の乾燥重量は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択されるが、1平方メートルあたり0.1gから3gの間が好ましい。
[現像処理方法]
本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法において、露光部は光重合性の感光層が光重合反応を起こしているため、画像状に残余し(画像部)、未露光部は現像処理によって光重合性の感光層が膨潤あるいは溶解されることで親水性層が表面に露出され(非画像部)、平版印刷版が得られる。
以下に本発明の現像処理方法に関して説明する。本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法としてアルカリ現像がある。このアルカリ現像にはアルカリ性現像液が用いられ、該現像液のpH値は10.0以上である。この現像液には無機アルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、有機アルカリ剤(例えばトリエチルアミン等)、更に他の添加剤として、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルセルソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種有機溶剤、あるいは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤等を添加することもできる。なお、この処理方法は現像工程の後に、例えば酸性水溶液による停止工程や水洗工程等を含んでもよい。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理方法の好ましい態様としてケミカルレス現像があり、このケミカルレス現像の現像液のpH値は4.0以上10.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法であり、好ましくはpH値が4.0以上8.0未満の範囲内にあるケミカルレス現像液を用いる方法である。本発明におけるケミカルレス現像とは、水だけで現像を行う方策と、水に他の添加剤を添加した現像液を用いる方策があり、この添加剤として、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルセルソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種有機溶剤、あるいは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤、pH緩衝剤、防腐剤等を添加することが可能である。添加剤の量は添加剤の種類、目的によって異なるが、水100質量部に対して10質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下の範囲である。更に、市販の印刷版用版面保護液や、印刷版用湿し水を使用することもできる。なお、この処理方法は現像工程の後に、例えば水洗工程等を含んでもよい。
上述した現像処理方法において、アルカリ現像はアルカリ性現像液に含まれるアルカリ剤が、光重合性の感光層の露光部の膜強度を少なからず低下させるが、ケミカルレス現像はアルカリ性化合物を含まないため、光重合性の感光層の露光部へのダメージは最小限に抑えられ、より高い画像部の耐刷性を有する。よって、本発明のより好ましい現像処理方法はケミカルレス現像である。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、記載中%は質量基準である。
(ネガ型感光性平版印刷版の作製)
<中間層>
厚みが175μmのポリエステルフィルム支持体上に、下記の中間層処方にて塗布を行い、50℃の乾燥機にて10分間乾燥し、更に乾燥物を40℃の乾燥機にて2日間加熱を行った。
<中間層処方>
ゼラチン 10g
イオン交換水 80ml
pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液もしくは硫酸水溶液にてpH値を5.0に調整)
ビニルスルホン系架橋剤VS−3と尿素の添加量は表1に記載した。その後、イオン交換水を加えて全量を100gとした。上記により得た塗液を25g/m(湿分塗布量)で塗布した。また、比較9の架橋剤は、ホルマリン2gを添加した。
<親水性層>
上記下塗り層塗布サンプル上(中間層の表面)に、下記の親水性層処方にて塗布を行い、50℃の乾燥機にて10分間乾燥し親水性層塗布サンプルを得た。更に乾燥物を50℃の乾燥機にて2日間加熱を行った。
<親水性層処方>
水溶性ポリマー WP−4(10%溶液) 15g
無機微粒子 コロイダルシリカ (日産化学工業(株)製スノーテックス20
粒子径10〜20nm 20%水溶液) 15g
架橋剤 H−9 0.5g
pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液もしくは硫酸水溶液にてpH値を5.0に調整)
イオン交換水 50ml
上記により得た塗液を8g/m(湿分塗布量)で塗布した。
<光重合性の感光層>
上記親水性層塗布サンプル上(親水性層の表面)に、下記の光重合性の感光層処方にて調液後、ワイヤーバーで21.5g/m(湿分塗布量)になるように光重合性の感光層の塗布を行い、70℃の乾燥機にて3分間乾燥を行った。更に光重合性の感光層の上に下記の保護層処方にてワイヤーバーで30g/m(湿分塗布量)になるように保護層の塗布を行い、70℃の乾燥機にて10分間乾燥を行った。本発明及び比較のネガ型感光性平版印刷版のサンプルを得た。
<光重合性の感光層処方>
スルホン酸型ポリマー SP−1 10g
光重合開始剤 BC−4 1g
光重合開始剤 T−8 1g
増感色素 S−19 0.5g
着色剤 ビクトリアブルー 2g
アセトン 50ml
エタノール 50ml
テトラヒドロフラン 100ml
<保護層処方>
(株)クラレ製 PVA−117 10g
イオン交換水 190ml
<露光試験>
得られたネガ型感光性平版印刷版を、405nmバイオレットレーザーを搭載したプレートセッター三菱製紙(株)製VIPLASを使用して、2400dpi175線の画像を露光量100μJ/cmで露光した。
<現像処理>
上記露光済み版を厚さ200μmのアルミ板上に貼り付けて(感光層が上側)、自動現像機として大日本スクリーン製造(株)製PS版用自動現像機PD−1310を用いて水現像処理を行った。なお、現像の条件は該自動現像機の第1槽(処理工程中にモルトン機構を有する:水温30℃)、第2槽、第3槽にイオン交換水を張り、処理時間は15秒の設定にて行った。
<耐汚れ性印刷試験方法>
上記現像処理で得られた各々のプレートを、リョービ(株)製3200CCDに装着し、給湿液として2%日研化学(株)製アストロマーク3、インキとして合同インキ(株)製ユニソイ4CN G−1紅Sを用いて印刷を行い、1000枚目より1000枚毎に2万枚目までの印刷物をサンプリングした。印刷時の条件は室内温度が23℃、室内湿度が55%RHであった。
<耐汚れ性評価基準>
上記の1000枚目から2万枚目の印刷物(1000枚毎)において、非画像部の耐汚れ性を目視にて以下の基準で評価した。結果は表1に示す。なお、評価基準の数値が大きいほど耐汚れ性は良い。
5:2万枚目でも非画像部に汚れ発生が見られない
4:1万5000枚目〜1万9000枚目の間に非画像部に汚れ発生が見られる
3:1万枚目〜1万4000枚目の間に非画像部に汚れ発生が見られる
2:4000枚目〜9000枚目の間に非画像部に汚れ発生が見られる
1:3000枚目以下で非画像部に汚れ発生が見られる
Figure 2010237559
また、実施例(1)の中間層に含有するビニルスルホン系架橋剤としてVS−3以外にVS−1、−2、−5、−7、−12、−16を使用した系も上記実施例と同様に耐汚れ性は5の評価結果を得た。
以上の結果より本発明のネガ型感光性平版印刷版は、比較のネガ型感光性平版印刷版に比して、耐汚れ性に優れていることが判る。

Claims (1)

  1. プラスチックフィルム支持体上に少なくとも親水性層と光重合性の感光層を順に有するネガ型感光性平版印刷版において、該親水性層と該支持体との間に親水性ポリマー、尿素及びビニルスルホン系架橋剤を含有する中間層を有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
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