最初に、本発明の一実施形態における入力処理装置が搭載される液晶表示装置について説明し、次に、その入力処理装置の構成及び動作について説明する。
(液晶表示装置)
図17は、本発明の一実施形態における液晶表示装置1の概略構成を示すブロック図である。液晶表示装置1は、画像処理部10と、表示コントローラ20と、表示部30と、本発明の特徴部分である入力処理装置40と、入力部50と、記憶部60と、を備えている。
画像処理部10は、原画像I及びマスキング画像Mが入力されており、これら原画像I及びマスキング画像Mを用いて表示部30に画像を表示するための画像処理を行なうためのものである。
また、画像処理部10は、入力処理装置40と接続されており、この入力処理装置40からの指示内容に基づき、表示部30の表示領域のうち少なくとも一部の領域における視野角制御を実行することができる。
表示コントローラ20は、画像処理部10と接続されており、画像処理部10が表示すべき画像が表示部30に表示されるよう、表示部30を駆動する。
入力部50は、入力処理装置40に接続されており、テンキー、キーボードなどを備えている。利用者は、この入力部50を用いて、テンキー、キーボード上に表わされた文字などを入力処理装置40に入力することができる。
なお、以下では、利用者が入力部50を用いて入力する文字、数字、句読点、その他の記号や制御符号であって、コンピュータにとっての1つの情報単位で表わされるものを単に「文字」と呼ぶことにする。したがって、この「文字」には例えば、ワードプロセッサで取り扱う文書中の改行マークや段落マーク等も含まれることになる。
記憶部60は、HDDなどの磁気ディスク装置や、半導体メモリなどの公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。記憶部60は、入力処理装置40が、自身が行なう入力処理の際に用いる各種のデータを一時的に記憶すると共に、その一時的に記憶するデータを入力処理装置40からの要求に応じて、入力処理装置40に供給する。
なお、本発明の特徴部分である入力処理装置40の構成及び動作については、後述する。
表示部30は、表示パネル32を有している。図17において、原画像Iは複数の画像要素によって表現されるが、該画像要素は、例えば、表示パネル32を構成する複数の画素の各々に対応する。原画像Iが表示部30に直接表示される場合、該画像は、軸上である位置P1の観察者からも、軸外である位置P2の観察者からも、視認可能である。第1位置P1と第2位置P2とは、それぞれ第1観察領域R1と第2観察領域R2の中にある。
これに対し、表示部30に対して位置P1に位置する第1観察者の見る画像が原画像Iと略同じであり、表示部30に対して位置P2に位置する第2観察者の見る画像が原画像Iと異なるようにすることもできる。このためにマスキング画像Mが用いられる。
表示パネル32は、図18に示すように、第1配置C1は4ドメイン(4領域)ツイステッドネマティック(TN)構成であり、4つの領域R11〜R14が図示されている。領域R11〜R14はそれぞれ異なるTN構成を有し、それぞれ他の構成と比較して90度配向が異なっている。
一方、図18に示すように、第2配置C2は、2ドメイン(2領域)ツイステッドネマティック(TN)構成であり、2つの領域R15,R16が図示されている。領域R15は領域R11,R12と同じ場所を占めており、領域R16は領域R13,R14と同じ場所を占めている。領域R15のTN構成は、領域R16のTN構成と比べて、配向が180度異なっている。
4領域液晶配置C1は、液晶配向に、例えばマルチラビングまたは光配向によりパターニングを施すことによって作られる。
表示パネル32は、例えば、その面内電極としての回路(図示省略)を含み、これによって、表示パネル32内の液晶の配向を、第1(広)モードにおける第1配置C1と第2(狭)モードにおける第2配置C2との間で切り替える。第1配置C1では、表示パネル32が表示する画像を、視野角内の広い範囲の観察者が視認できる。一方、第2配置C2では、表示パネル32が表示する画像を、視野角内の狭い範囲の観察者のみが視認できる。
第1(広)モードにおいて、配向は上記の第1配置C1に切り替えられる。4領域の平均輝度は、斜めの透過光に対して線形のデータ値/輝度応答性を有する。このモードでは、光が、それぞれ異なった液晶構成を有する4領域全てを通過する。各領域について、傾斜した角度で進む光の透過率が線形のデータ値/輝度応答性を持つ方向と、傾斜した角度で進む光の透過率が非線形のデータ値/輝度応答性を持つ、他の方向とがある、しかし、4領域の透過光が平均化されることで、全体としてのデータ値/輝度応答性は、全ての方向について略線形となる。
第2(狭)モードでは、配向は上記の第2配置C2に切り替えられ、各領域は、水平観察平面(紙面に対して法線方向で、紙面の上端と下端とに平行な平面)において、データ値/輝度応答性が斜めの透過光について非線形になるように、配向される。このモードでは、領域R15とR16の両方は、斜めに走行する光の透過率が非線形のデータ値/輝度応答性を持つ方向が、水平観察平面上にあるように構成される。よって、2つの領域の応答性の平均である、全体的なデータ値/輝度応答性は、非線形となる。
次に、画像処理部10の動作について説明する。図19は、画像処理部10の動作を示すフローチャートである。
原画像I中の画像要素は、通常0から255の範囲のいずれかの値をとる。先ず、ステップS1では、原画像Iは倍率が変更されてデータ値が中央に移動され、これによって該原画像Iは新規の圧縮されたデータ値を得る。これについては、図20の上半分で示している。
次に、ステップS2では、マスキング画像Mのデータ値範囲が倍率変更されて、最小データ値が0となり最大データ値が倍率変更された原画像の最小値と等しくなる。これについては、図20の下半分で示している。
図21は、倍率変更された原画像Iと倍率変更されたマスキング画像Mの例を示す断面図である。任意の地点におけるマスキング画像のデータ値は、倍率変更された原画像Iの対応する部分における画像要素についての分割のレベルを決定するために用いられる。分割のレベルは、マスキング像Mの倍率変更データ値に比例し、倍率変更原画像Iの隣接する画像要素が、倍率変更マスキング画像Mによって決定される分割レベルによって、それぞれ増加、減少させられる。図21の右半分は、倍率変更された原画像Iとマスキング画像Mとの組を図示し、マスキング画像Mが最大である部分にて分割の度合いが最大になる。
次に、ステップS3で、分割量は、まず、倍率変更マスキング画像Mのデータ値の半分を反転し、次に、ステップS4で、ステップS3で得られたデータ値のパターンを倍率変更原画像Iに加えることで、倍率変更原画像Iに対してそれぞれ加えられ、差し引かれる。
こうして生成された画像が、ステップS5にて、観察者に観察される。軸上に位置する観察者は、倍率変更原画像と略同じである。一方、軸外のP2に位置する観察者は、原画像と異なっており、少なくともある程度はマスキング画像Mに似ている画像を知覚する。良好なプライベートモードを実現するためには、マスキング画像は、軸外の観察者に対して視覚的にかなり分かりにくくさせるようなものであればよい。
マスキング画像Mは、用途によってどんな種類のものでも使用することができる。例えば、マスキング画像は、カラーまたは白黒の格子縞模様であってもよく、あるいは、パブリック/プライベートモード用のランダムなノイズであってもよい。マスキング画像は、特定の種類の表示装置、または特定位置にある観察者に対してのみ表示される、ロゴ、画像、文字、あるいはその他の形態の情報を含んでいてもよい。動画のマスキング画像も用いることができる。
マスキング画像は、滑らかに変化するデータ値を有することが望ましい。これは、急激な変化が、ある状況において軸上で認識された画像に軽微な影響を与えることがあるからである。図22は、マスキング画像の急激な変化が、どのような副作用を知覚された画像にもたらすかを示している。この副作用は、例えば、処理前の段階でマスキング画像に変更を加えて上記副作用をなくすまたは減少させる、あるいはマスキング画像を結合するためのアルゴリズムを変更して上記副作用をなくすまたは減少させる、などである。
なお、液晶表示装置1では、許可されていない観察者をさらにかく乱するための動画など、用途に合ったマスキング画像を使用することができる。また、公知技術のようにシヤッター式眼鏡を使用する必要がなく、マスキング画像を表示装置の全体または一部分に利用することができる。両方の平面について非線形性があれば、プライバシー機能が水平方向と垂直方向の両方で達成できる。プライバシー保護のレベルと範囲は、表示されるコンテンツによって異なり、分割のレベルを変更することで、視野角制限の度合いの変更も可能である。
また、画像処理部10は、ハードウェアでもソフトウェアでも、あるいはそれらの組み合わせでも実現できる。画像処理部10が行なう動作である画像処理を実行するための動作プラグラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録されてもよい。また、本発明を具現する動作プログラムはコンピュータが読取可能な記録媒体に記録される必要はなく、例えば、インターネットからダウンロード可能なデータ信号などの信号に具現化されていてもよい。以下のことを特徴とする請求項は、動作プログラムそのもの、搬送波による記録、信号、その他の形式をも包含するものである。
(入力処理装置)
図1は、本発明の一実施形態における入力処理装置40の構成を示すブロック図である。入力処理装置40は、図1に示すように、表示制御部(表示制御手段)41と、視野角制御部(視野角制御手段)42と、視野角制御開始条件検知部(第1の検知手段)43と、視野角制御停止条件検知部(第2の検知手段)44と、視野角制御領域保持部(領域保持部)45と、を備えている。
表示制御部41は、図17に示した画像処理部10と接続されており、画像処理部10が表示部30の表示パネル32に表示させる画像を制御するためのものである。
視野角制御部42は、表示制御部41が表示パネル32に画像を表示するとき、その画像を表示する表示パネル32の表示領域のうち、その一部の領域の視野角を制御するためのものである。視野角制御部42は、その一部の領域における視野角制御の内容を表示制御部41に供給する。
視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御部42がその一部の領域の視野角制御を開始すべき時期を決定するため、その視野角制御を開始すべき条件を表わす視野角制御開始条件の成立を監視する。そして、視野角制御開始条件検知部43は、その視野角制御開始条件が満足されたことを検知すると、その満足されたとの検知結果に基づいて、視野角制御部42にその一部の領域における視野角制御の開始を指示するものである。
視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御部42がその一部の領域の視野角制御を停止すべき時期を決定するため、その視野角制御を停止すべき条件を表わす視野角制御停止条件の成立を監視する。そして、視野角制御停止条件検知部44は、その視野角制御停止条件が満足されたことを検知すると、その満足されたとの検知結果に基づいて、視野角制御部42にその一部の領域における視野角制御の停止を指示するものである。
視野角制御領域保持部45は、表示パネル32に画像を表示するとき、その画像を表示する表示パネル32の表示領域のうち、視野角制御部42が視野角を制御すべき一部の領域(視野角制御領域)を特定する情報(視野角制御領域情報)を保持するためのものである。なお、この視野角制御領域情報は、表示パネル32に画像を表示するとき、その画像を表示する表示パネル32の表示領域のうち、視野角制御部42が視野角を制御すべき一部の領域を特定することができれば、どのような情報であっても構わない。例えば、視野角制御領域情報は、表示パネル32の表示領域において、特定の行と列の交差位置など、特定の場所を表すための座標の集合を用いてもよい。
視野角制御領域保持部45は、例えば、HDDなどの磁気ディスク装置や、半導体メモリなどの公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
次に、入力処理装置40の動作について説明する。図2は、入力処理装置40の入力処理動作の処理手順を示すフローチャートである。
図2において、先ず、ステップS101では、視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件の成立を検知する。
このステップS101では、視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件の成立の監視を開始するために、視野角制御開始条件が満足されたか否かを判断するための基データである開始条件判断データを表示制御部41から取得する。視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件の成立を検知するまで、この開始条件判断データを表示制御部41から取得する。
ここで、表示制御部41は、画像処理部10と接続しており、画像処理部10が画像処理を行なうために用いる原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データを取得することができる。表示制御部41は、画像処理部10から取得した画像情報を基に、上記の開始条件判断データを生成し、視野角制御開始条件検知部43に供給する。
また、表示制御部41は、入力部50と接続しており、利用者が入力部50を用いて入力処理装置40に入力する文字に関する文字データを画像処理部10に出力する。これと同時に、表示制御部41は、その文字の入力の有無を基に、上記の開始条件判断データを生成し、視野角制御開始条件検知部43に供給する。
視野角制御開始条件検知部43は、このようにして生成される開始条件判断データを用いて視野角制御開始条件が満足されたか否かを判断する。
そして、視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件が満足されたことを検知すると、その検知結果を表示制御部41に出力する。
次に、ステップS102では、視野角制御領域保持部45は、視野角制御部42が視野角制御を実行すべき、表示パネル32の表示領域の少なくとも一部の領域を特定する視野角制御領域情報を表示制御部41に出力する。
このステップS102では、表示制御部41は、視野角制御開始条件検知部43から視野角制御開始条件が満足されたとの検知結果を受け取ると、視野角制御が実行されるべき、表示パネル32の表示領域の少なくとも一部の領域である視野角制御領域を特定する視野角制御領域情報を、視野角制御領域保持部45から取得する。
視野角制御領域保持部45は、例えば利用者が入力部50を用いて文字を入力するときには、表示パネル32の表示領域のうち、その入力された文字が表示される領域を視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を予め保持する。
例えば、表示パネル32の表示領域が複数に分割されており、それぞれの分割領域に異なる原画像Iや同一の原画像Iの異なる部分を表示できる場合であれば、視野角制御領域保持部45は、その入力された文字を表示する分割領域の全体を視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を保持すれば良い。
また、視野角制御領域保持部45は、表示パネル32の表示領域に描かれている、その入力された文字が占める方形の画素ブロックを視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を予め保持しても良い。もちろん、複数の文字が入力される場合であれば、複数の画素ブロックからなる画素ブロック集合を視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を保持すればよい。さらに、画素ブロックまたは画素ブロックの集合、及び、これらの周囲の画素を含む領域を視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を保持しても良い。
要は、この文字編集領域は、利用者が入力部50を用いて入力する文字を表示する領域であって、表示パネル32の表示領域の少なくとも一部を占める領域であれば良い。
次に、ステップS103では、視野角制御部42は、視野角制御領域保持部45から取得した視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域における視野角制御を実行する。
このステップS103では、視野角制御部42は、視野角制御領域における視野角制御を実行するために、視野角制御領域における視野角制御の実行内容を決定するための基データである視野角制御実行内容データを表示制御部41から取得する。
ここで、表示制御部41は、上述したように、画像処理部10が画像処理を行なうために用いる原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データを取得することができる。表示制御部41は、画像処理部10から取得した画像情報を基に、上記の視野角制御実行内容データを生成し、視野角制御部42に供給する。
また、表示制御部41は、上述したように、利用者が入力部50を用いて入力処理装置40に入力する文字に関する文字データを画像処理部10に出力する。これと同時に、表示制御部41は、その文字データを基に、上記の視野角制御実行内容データを生成し、視野角制御部42に供給する。
視野角制御部42は、このようにして生成される視野角制御実行内容データを用いて、視野角制御領域保持部45から取得した視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域における視野角制御を実行する。
視野角制御部42は例えば、原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データに基づく視野角制御実行内容データを用いて、原画像Iを利用者のみに表示する場合における最適なマスキング画像を決定したり、文字データに基づく視野角制御実行内容データを用いて、原画像I中に利用者が入力する文字を表示する場合における最適なマスキング画像を決定したりする。
また、視野角制御部42は、例えば、入力部50を介して利用者が望むマスキング画像の種類が入力部50を介して表示制御部41に入力された場合には、表示制御部41は、利用者が望むそのマスキング画像の種類を視野角制御部42に出力すれば良い。視野角制御部42は、利用者が望むそのマスキング画像の種類が、原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データに基づく視野角制御実行内容データから決定可能であれば、利用者が望むそのマスキング画像の種類に従ってマスキング画像を決定すれば良い。もちろん、視野角制御部42は、利用者が望むそのマスキング画像の種類が、原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データに基づく視野角制御実行内容データから決定不可能であれば、利用者が望むそのマスキング画像の種類に近いマスキング画像を決定しても良いし、利用者が望むそのマスキング画像の種類とは全く異なるマスキング画像を決定しても良い。
そして、視野角制御部42は、このようにして決定された視野角制御実行内容を表示制御部41に出力する。
次に、ステップS104では、画像処理部10が画像を表示する。
このステップS104では、表示制御部41は、視野角制御領域保持部45から取得される視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域、及び、視野角制御部42により決定される視野角制御実行内容を、それぞれから取得し、画像処理部10に出力する。
画像処理部10は、原画像I及びマスキング画像M、並びに、上記の視野角制御領域及び視野角制御実効内容を基に、表示パネル32の表示領域に画像を表示する。上述したように、画像処理部10は、表示コントローラ20を用いて、このような画像表示を実行する。
次に、ステップS105では、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件の成立を検知する。
このステップS105では、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件の成立の監視を開始するために、視野角制御停止条件が満足されたか否かを判断するための基データである停止条件判断データを表示制御部41から取得する。視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件の成立を検知するまで、この停止条件判断データを表示制御部41から取得する。
ここで、表示制御部41は、上述したように、利用者が入力部50を用いて入力処理装置40に入力する文字に関する文字データを画像処理部10に出力している。これと同時に、表示制御部41は、その文字の入力の有無を基に、上記の停止条件判断データを生成し、視野角制御停止条件検知部44に供給する。
視野角制御停止条件検知部44は、このようにして生成される停止条件判断データを用いて視野角制御停止条件が満足されたか否かを判断する。
そして、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件が満足されたことを検知すると、その検知結果を表示制御部41に出力する。
次に、ステップS106では、視野角制御部42は、視野角制御領域保持部45から取得された視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域における視野角制御を停止する。
このステップS106では、視野角制御停止条件検知部44が、視野角制御停止条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力すると、その検知結果を受け取った表示制御部41は、視野角制御領域における視野角制御の停止内容を決定するための基データである視野角制御停止内容データを視野角制御部42に出力する。
ここで、表示制御部41は、上述したように、利用者が入力部50を用いて入力処理装置40に入力する文字に関する文字データを画像処理部10に出力している、これと同時に、表示制御部41は、その文字データを基に、上記の視野角制御停止内容データを生成し、視野角制御部42に供給する。
視野角制御部42は、このようにして生成される視野角制御停止内容データを用いて、視野角制御領域保持部45から取得した視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域における視野角制御を停止する。
視野角制御部42は、例えば、文字データに基づく視野角制御停止内容データから、入力部50を用いた利用者による文字入力が終了したことを認識できた時点で、視野角制御領域における視野角制御を停止すれば良い。また、視野角制御部42は、複数の文字が入力される場合であれば、各文字に対応する画素ブロックごとに、それぞれにおける視野角制御を個別に停止するようにしても良い。
そして、視野角制御部42は、このようにして決定された視野角制御停止内容を表示制御部41に出力する。
画像処理部10は、原画像I及びマスキング画像M、並びに、上記の視野角制御領域及び視野角制御停止内容を基に、表示パネル32の表示領域に画像を表示する。上述したように、画像処理部10は、表示コントローラ20を用いて、このような画像表示を実行する。
(視野角制御開始動作)
次に、入力処理装置40の視野角制御開始動作について説明する。
図3は、入力処理装置40の視野角制御開始動作の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3は、入力部50を用いた文字入力を開始したことを条件内容とする上記の視野角制御開始条件を採用した処理手順を示している。
図3において、先ず、ステップS201では、視野角制御開始条件検知部43は、自身が利用すべき視野角制御開始条件の取得を表示制御部41に要求する。表示制御部41は、視野角制御開始条件検知部43からの上記の要求に基づき、例えば記憶部60に予め記憶されている視野角制御開始条件を、記憶部60から取り出し、その取り出した視野角制御開始条件を視野角制御開始条件検知部43に出力する。
ここでは、表示制御部41は、入力部50を用いた文字入力が開始したことを条件内容とする上記の視野角制御開始条件を取り出し、その視野角制御開始条件を視野角制御開始条件検知部43に出力すれば良い。
こうして視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件を取得する。
次に、ステップS202では、利用者が入力部50を用いて文字の入力を開始する。
次に、ステップS203では、表示制御部41は、入力部50から文字が入力され始めると、その文字入力の開始の事実を表わす上記の開始条件判断データを生成する。そして、表示制御部41は、自身が生成した開始条件判断データを視野角制御開始条件検知部43に出力する。
ここでは、表示制御部41は、自身が視野角制御開始条件検知部43に渡した視野角制御開始条件に応じた開始条件判断データを生成すれば良い。したがって、表示制御部41は、上述したように、入力部50を用いた文字入力の開始の事実を表わす上記の開始条件判断データを生成することになる。
次に、ステップS204では、視野角制御開始条件検知部43は、表示制御部41から開始条件判断データを受け取る。そして、視野角制御開始条件検知部43は、その受け取った開始条件判断データから、先に取得している視野角制御開始条件が満足されているか否かを判断する。
ここでは、視野角制御開始条件検知部43は、入力部50を用いた文字入力の開始の事実を表わす開始条件判断データから、入力部50を用いた文字入力が開始したことを条件内容とする視野角制御開始条件が満足されたことを検知することになる。
そして、ステップS205では、視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力する。
なお、入力処理装置40の表示制御部41は、上記のステップS205以降において、入力部50から入力される文字を、例えば、記憶部60に一時的に記憶させると共に、その入力された文字を画像処理部10に出力する。ここでは、記憶部60は、画像処理部10による画像処理が済んでいない文字を一時的に記憶する先行入力バッファとして用いられている。
図4は、入力処理装置40の視野角制御開始動作の他の処理手順を示すフローチャートである。
図3に示した処理手順では、入力部50を用いた文字入力が開始したことを条件内容とする視野角制御開始条件が用いられていた。
これに対し、図4に示す処理手順では、例えば図1に示した原画像IがHTMLを用いて記述されており、画像処理部10がそのHTML記述に基づいて画像処理を行なう場合において、そのHTML記述に所定の情報が含まれていることを条件内容とする視野角制御開始条件を用いるものである。
先ず、HTML記述された原画像I、及び、その原画像IのHTML記述の一例について説明する。図5に、原画像IのHTML記述を示す。また、図6に、その原画像Iを示す。
図5に示すように、HTML記述では多数のタグが採用されており、各タグはHTML記述に基づく画像処理によって表示パネル32の表示領域に表示される画面の構造に関する情報を含むものである。
図5の例では、例えば、inputタグの属性typeが“password”であることに基づき、パスワード入力ボックスが作成されると共に、そのパスワード入力ボックスに入力される文字がアスタリスク(*)などの伏せ文字に置き換えて表示される。つまり、この“password”は、利用者による文字入力操作に従って入力される文字を伏せ文字に変換し、その伏せ文字を表示パネル32に表示すべきであることを表わす文字表示情報であるといえる。
また、そのパスワード入力ボックスに付されるタイトルである“パスワード”も記述されている。つまり、この“パスワード”は、表示パネル32に文字画像として表示すべき文字を表わす文字情報であるといえる。
さらに、例えば図7に示すように、BODYタグの属性VIEWが“veilview”と設定されていると、表示パネル32の表示領域に表示される画面に上記のマスキング画像を用い、視野角制御を行なう必要があることになる。つまり、この“veilview”は、表示パネル32に表示する画像に対し、視野角制御を実行すべきであることを表わす視野角制御情報であるといえる。
そこで、図4の処理手順では、上記のような所定の情報が表示すべ原画像Iを構成するHTML記述に含まれていることを上記の視野角制御開始条件として用いるものである。
図4において、先ず、ステップS301では、視野角制御開始条件検知部43は、自身が利用すべき視野角制御開始条件の取得を表示制御部41に要求する。表示制御部41は、視野角制御開始条件検知部43からの上記の要求に基づき、例えば記憶部60に予め記憶されている視野角制御開始条件を、記憶部60から取り出し、その取り出した視野角制御開始条件を視野角制御開始条件検知部43に出力する。
ここでは、表示制御部41は、原画像IのHTML記述に上記の文字表示情報、文字情報及び視野角制御情報のいずれかが含まれていることを条件内容とする上記の視野角制御開始条件を取り出し、その視野角制御開始条件を視野角制御開始条件検知部43に出力すれば良い。
こうして視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件を取得する。
次に、ステップS302では、画像処理部10が原画像Iの画像処理を開始する。入力処理装置40の表示制御部41は、画像処理部10が画像処理を開始する原画像IのHTML記述を画像処理部10から取得し、例えば、記憶部60に一時的に記憶させる。
次に、ステップS303では、表示制御部41は、記憶部60に一時的に記憶した原画像IのHTML記述を例えばテキストデータに変換し、その変換されたテキストデータを上記の開始条件判断データとして視野角制御開始条件検知部43に出力する。
ここでは、表示制御部41は、自身が視野角制御開始条件検知部43に渡した視野角制御開始条件に応じた開始条件判断データを生成すれば良い。したがって、表示制御部41は、上述したように、原画像IのHTML記述を例えばテキストデータに変換することで、その変換されたテキストデータを上記の開始条件判断データとしている。
次に、ステップS304では、視野角制御開始条件検知部43は、表示制御部41から開始条件判断データを受け取る。そして、視野角制御開始条件検知部43は、その受け取った開始条件判断データから、先に取得している視野角制御開始条件が満足されているか否かを判断する。
ここでは、視野角制御開始条件検知部43は、原画像IのHTML記述がテキストデータに変換された開始条件判断データに、上記の文字表示情報、文字情報及び視野角制御情報のいずれかが含まれていることを条件内容とする視野角制御開始条件が満足されたことを検知することになる。
そして、ステップS305では、視野角制御開始条件検知部43は、視野角制御開始条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力する。
(視野角制御停止動作)
次に、入力処理装置40の視野角制御停止動作について説明する。
図8は、入力処理装置40の視野角制御停止動作の処理手順を示すフローチャートである。なお、図8は、入力部50を用いた文字入力を終了したことを条件内容とする上記の視野角制御停止条件を採用した処理手順を示している。
図8において、先ず、ステップS401では、視野角制御停止条件検知部44は、自身が利用すべき視野角制御停止条件の取得を表示制御部41に要求する。表示制御部41は、視野角制御停止条件検知部44からの上記の要求に基づき、例えば記憶部60に予め記憶されている視野角制御停止条件を、記憶部60から取り出し、その取り出した視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力する。
ここでは、表示制御部41は、入力部50を用いた文字入力が終了したことを条件内容とする上記の視野角制御停止条件を取り出し、その視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力すれば良い。
なお、表示制御部41は、入力部50を用いた文字入力が終了したことを、例えば表示パネル32の表示領域に表示されている文字入力画面が閉じられたことから認識することができる。利用者は、通常、入力部50を用いた文字入力を終了させるために、文字入力画面に表示されている文字を確定させる必要があり、この場合、入力部50を用いて所定のキー入力を行なう必要があるからである。
したがって、表示制御部41は例えば、入力部50を用いて利用者が入力する、文字入力を終了させるためのキー入力の実行に基づき、入力部50を用いた文字入力が終了したことを認識すればよい。
こうして視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件を取得する。
次に、ステップS402では、利用者が入力部50を用いた文字の入力を停止する。そして、入力処理装置40の表示制御部41には、文字入力を停止するための所定の入力が入力部50から与えられることになる。
次に、ステップS403では、表示制御部41は、入力部50から文字入力を停止するための所定のキー入力を受け取ると、利用者による文字入力の停止の事実を表わす上記の停止条件判断データを生成する。そして、表示制御部41は、自身が生成した停止条件判断データを視野角制御停止条件検知部44に出力する。
ここでは、表示制御部41は、自身が視野角制御停止条件検知部44に渡した視野角制御停止条件に応じた停止条件判断データを生成すれば良い。したがって、表示制御部41は、上述したように、入力部50を用いた文字入力の停止の事実を表わす上記の停止条件判断データを生成することになる。
次に、ステップS404では、視野角制御停止条件検知部44は、表示制御部41から停止条件判断データを受け取る。そして、視野角制御停止条件検知部44は、その受け取った停止条件判断データから、先に取得している視野角制御停止条件が満足されているか否かを判断する。
ここでは、視野角制御停止条件検知部44は、入力部50を用いた文字入力の停止の事実を表わす停止条件判断データから、入力部50を用いた文字入力が停止したことを条件内容とする視野角制御停止条件が満足されたことを検知することになる。
そして、ステップS405では、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力する。
図9は、入力処理装置40の視野角制御停止動作の他の処理手順を示すフローチャートである。
上述したように、視野角制御領域保持部45は、表示パネル32の表示領域に描かれている、その入力された文字が占める方形の画素ブロックを視野角制御領域とし、その領域を特定する視野角制御領域情報を予め保持することができる。この場合には、各文字が占める方形の画素ブロックごとに視野角制御停止動作を行なうことができる。
図8に示した処理手順では、入力部50を用いた利用者による文字入力が停止しない限り、上記の視野角制御停止動作が行なわれることはない。
これに対し、図9に示す処理手順では、入力部50を用いた利用者による文字入力が継続している場合でも、各文字が占める方形の画素ブロックごとに視野角制御停止動作を行なうものである。
図9において、先ず、ステップS501では、視野角制御停止条件検知部44は、自身が利用すべき視野角制御停止条件の取得を表示制御部41に要求する。表示制御部41は、視野角制御停止条件検知部44からの上記の要求に基づき、例えば記憶部60に予め記憶されている視野角制御停止条件を、記憶部60から取り出し、その取り出した視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力する。
ここでは、表示制御部41は、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力の後、所定数の文字が入力されたことを条件内容とする上記の視野角制御停止条件を取り出し、その視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力すれば良い。
こうして視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件を取得する。
次に、ステップS502では、利用者が入力部50を用いて文字の入力を開始する。入力処理装置40の表示制御部41は、入力部50から入力される文字を、例えば、記憶部60に一時的に記憶させると共に、その入力された文字を画像処理部10に出力する。ここでは、記憶部60は、画像処理部10による画像処理が済んでいない文字を一時的に記憶する先行入力バッファとして用いられている。
具体的には、例えば、図10に示すように、数字の“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”がこの順で、利用者が入力部50を用いて入力するとする。この場合であれば、例えば、数字“1”が入力された後、表示制御部41はその“1”を記憶部60に記憶する。同様に、数字“2”、“3”、“4”…と引き続き、入力部60から入力される数字も記憶部60に記憶する。
次に、ステップS503では、表示制御部41は、各数字に関して、その数字の入力後に入力される数字の数をカウントし、その入力カウント数を記憶部60に記憶する。また、表示制御部41は、各数字に関する上記の入力カウント数を、入力部50から文字入力がされるたびに、更新すると共に、その更新された入力カウント数を記憶部60に記憶する。
具体的には、例えば、数字“1”が入力されると、表示制御部41は、その入力の後、数字“2”が入力されると、数字“1”に関する上記の入力カウント数を1とする。次に、表示制御部41は、数字“3”が入力されると、数字“1”に関する上記の入力カウント数を2に更新する。更に同様に、数字“4”が入力されると、数字“1”に関する上記の入力カウント数を3に更新する。
また、数字“2”についても、上記の数字“1”の場合と同様である。すなわち、数字“2”が入力されると、表示制御部41は、その入力の後、数字“3”が入力されると、数字“2”に関する上記の入力カウント数を1とする。次に、表示制御部41は、数字“4”が入力されると、数字“2”に関する上記の入力カウント数を2に更新する。更に同様に、数字“5”が入力されると、数字“2”に関する上記の入力カウント数を3に更新する。
このようにして表示制御部41は、各数字に関して、その数字の入力後に入力される数字の数をカウントし、その入力カウント数を記憶部60に記憶する。なお、表示制御部41は、文字入力数をカウントするためのカウンタを有することが好ましい。また、記憶部60は、上記のような入力カウント数を記憶する際には、例えば、入力された各文字と、各文字に関する入力文字数とをテーブル形式で記憶すれば良い。
次に、ステップS504では、表示制御部41は、入力部50から文字が入力され始めると、各文字に関する上記の入力カウント数を表わす上記の停止条件判断データを生成する。そして、表示制御部41は、自身が生成した停止条件判断データを視野角制御停止条件検知部44に出力する。
ここでは、表示制御部41は、自身が視野角制御停止条件検知部44に渡した視野角制御停止条件に応じた停止条件判断データを生成すれば良い。したがって、表示制御部41は、上述したように、各文字に関する上記の入力カウント数を表わす上記の停止条件判断データを生成することになる。
次に、ステップS505では、視野角制御停止条件検知部44は、表示制御部41から停止条件判断データを受け取る。そして、視野角制御停止条件検知部44は、その受け取った停止条件判断データから、先に取得している視野角制御停止条件が満足されているか否かを判断する。
ここでは、視野角制御停止条件検知部44は、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力の後、所定数の文字が入力されたこと、すなわち、入力された文字に関する上記の入力カウント数が所定数に達したことを条件内容とする視野角制御停止条件が満足されたことを検知することになる。
具体的には、例えば、図10の場合では、数字“1”に関する上記の入力カウント数は、数字“4”が入力された時点で3となる。このとき、上記の所定数が3であれば、この時点で、数字“1”に関しては、視野角制御停止条件が満足されたことになる。同様に、数字“2”に関する上記の入力カウント数は、数字“5”が入力された時点で3となり、この時点で、数字“2”に関しては、視野角制御停止条件が満足されたことになる。
なお、上記の所定数はもちろん3に限られるものではない。要は、利用者が視野角制御領域内に表示されている文字を確認することができるまで、視野角制御停止動作が実行されなければ良い。したがって、その所定数は2であってもよいし、4であってもよいし、あるいはその他の数であってもよい。
すなわち、視野角制御停止条件検知部44は、表示制御部41から受け取る停止条件判断データから、入力部50を用いて入力される複数の文字の各々に関する上記の入力カウント数を取得する。そして、視野角制御停止条件検知部44は、各文字に関する上記の入力カウント数が所定数に達したものから順に、各文字に関する視野角制御停止条件が満足されたことを検知することになる。
そして、ステップS506では、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力する。
なお、図9の処理手順では、視野角制御停止条件は、その条件内容として、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力の後、所定数の文字が入力されたこと、すなわち、入力された文字に関する上記の入力カウント数が所定数に達したことを用いている。
視野角制御停止条件の条件内容は、上記の内容に限られるものではなく、例えば、次のような条件内容を用いることができる。
すなわち、表示制御部41は、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力開始の時点から、所定時間が経過したことを条件内容とする上記の視野角制御停止条件を取り出し、その視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力することができる。
図11は、入力処理装置40の視野角制御停止動作の他の処理手順を示すフローチャートである。
図11において、先ず、ステップS601では、視野角制御停止条件検知部44は、自身が利用すべき視野角制御停止条件の取得を表示制御部41に要求する。表示制御部41は、視野角制御停止条件検知部44からの上記の要求に基づき、例えば記憶部60に予め記憶されている視野角制御停止条件を、記憶部60から取り出し、その取り出した視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力する。
ここでは、表示制御部41は、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力開始の時点から、所定時間が経過したことを条件内容とする上記の視野角制御停止条件を取り出し、その視野角制御停止条件を視野角制御停止条件検知部44に出力することができる。
こうして視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件を取得する。
次に、ステップS602では、利用者が入力部50を用いて文字の入力を開始する。
具体的には、例えば、図12に示すように、数字の“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”がこの順で、利用者が入力部50を用いて入力するとする。この場合であれば、例えば、数字“1”が入力された後、表示制御部41はその“1”を記憶部60に記憶する。同様に、数字“2”、“3”、“4”…と引き続き、入力部60から入力される数字も記憶部60に記憶する。
次に、ステップS603では、表示制御部41は、各数字に関して、その数字の入力後、その入力開始の時点を起点として時間の経過を計測し、その計測時間を記憶部60に記憶する。また、表示制御部41は、各数字に関する上記の計測時間を、例えば、入力部50から文字入力がされるたびに、更新すると共に、その更新された計測時間を記憶部60に記憶する。
具体的には、例えば、数字“1”が入力されると、表示制御部41は、その数字“1”の入力開始の時点を起点として時間の計測を開始する。次に、表示制御部41は、数字“2”が入力されると、その数字“2”の入力開始の時点を起点として時間の計測を開始する。更に同様に、数字“3”が入力されると、その数字“2”の入力開始の時点を起点として時間の計測を開始する。
このようにして表示制御部41は、各数字に関して、その数字の入力後、その入力開始の時点を起点として時間の経過を計測し、その計測時間を記憶部60に記憶する。なお、表示制御部41は、各文字の入力開始の時点を起点として時間の経過を計測するためのタイマを有することが好ましい。例えば、1つのタイマを有する場合であれば、入力部50から最初の文字の入力が開始された時点からタイマを作動させ、次々の入力される文字の各々に関する入力開始時点及びその後の経過時間をその作動されたタイマを用いて計測すればよい。
また、記憶部60は、上記のような計測時間を記憶する際には、例えば、入力された各文字と、各文字に関する計測時間をテーブル形式で記憶すれば良い。
次に、ステップS604では、表示制御部41は、入力部50から文字が入力され始めると、各文字に関する上記の計測時間を表わす上記の停止条件判断データを生成する。そして、表示制御部41は、自身が生成した停止条件判断データを視野角制御停止条件検知部44に出力する。
次に、ステップS605では、視野角制御停止条件検知部44は、入力部50を用いて利用者が文字を入力した後、その文字の入力開始の時点から、所定時間が経過したこと、すなわち、入力された文字に関する上記の計測時間が所定時間に達したことを条件内容とする視野角制御停止条件が満足されたことを検知することになる。
具体的には、例えば、図12の場合では、数字“1”に関する上記の計測時間は、数字“4”が入力された時点でt秒となる。このとき、上記の所定数がt秒であれば、この時点で、数字“1”に関しては、視野角制御停止条件が満足されたことになる。同様に、数字“2”に関する上記の入力カウント数は、数字“5”が入力された時点でt秒となり、この時点で、数字“2”に関しては、視野角制御停止条件が満足されたことになる。
すなわち、視野角制御停止条件検知部44は、表示制御部41から受け取る停止条件判断データから、入力部50を用いて入力される複数の文字の各々に関する上記の計測時間を取得する。そして、視野角制御停止条件検知部44は、各文字に関する上記の計測時間が所定時間に達したものから順に、各文字に関する視野角制御停止条件が満足されたことを検知することになる。
なお、上記の所定時間は、利用者が視野角制御領域内に表示されている文字を確認することができるまで、視野角制御停止動作が実行されないように設定されていればよい。
そして、ステップS606では、視野角制御停止条件検知部44は、視野角制御停止条件が満足されたとの検知結果を表示制御部41に出力する。
なお、入力処理装置40の表示制御部41は、入力部50から入力される文字を、例えば、記憶部60に一時的に記憶させると共に、その入力された文字を画像処理部10に出力する。ここでは、記憶部60は、画像処理部10による画像処理が済んでいない文字を一時的に記憶する先行入力バッファとして用いられている。
(視野角制御領域)
次に、視野角制御領域保持部45が予め保持する、視野角制御領域を特定する視野角制御領域情報について説明する。なお、視野角制御領域保持部45は、後述するような視野角制御領域のいずれかを特定する視野角制御領域情報を予め保持するものである。また、複数の視野角制御領域を特定する、複数の視野角制御領域情報を予め保持し、そのうちのいずれかを選択可能であってもよい。この場合であれば、表示制御部41は、例えば、画像処理部10より取得する原画像I及びマスキング画像Mに関する画像データに基づき、いずれかの視野角制御領域情報を選択すればよい。
図13は、視野角制御領域における表示内容を説明するための概念図であり、(a)は視野角制御領域を含む表示領域を説明するためのものであり、(b)は、従来の表示領域(特許文献1を参照)を説明するためのものである。
図13(b)に示すように、従来では、数字の“1”、“2”、“3”がこの順で、利用者が入力すると、例えば、数字“1”が入力された直後においては、数字“1”が他の文字に変換されること無く、そのまま表示領域に表示される。
そして、数字“1”の入力後、所定時間経過後、あるいは、次の数字“2”が入力された時点で、数字“1”はアスタリスク(*)などの伏せ文字に変換される。
同様に、数字“2”が入力された直後においては、数字“2”が他の文字に変換されること無く、そのまま表示領域に表示される。
そして、数字“2”の入力後、所定時間経過後、あるいは、次の数字“3”が入力された時点で、数字“2”はアスタリスク(*)などの伏せ文字に変換される。
数字“3”についても同様である。
すなわち、図13(b)では、利用者及び第三者は共に、数字“1”、“2”、“3”がそのまま表示領域に表示されている間は、それら数字を視認することができる。
これに対し、視野角制御領域保持部45が予め保持する視野角制御領域情報に基づく視野角制御領域において、図13(a)に示すように、視野角制御領域に表示される数字“1”、“2”、“3”は、例えば図17の位置P1に位置する利用者からはそのまま数字“1”、“2”、“3”として視認することができる。一方、例えば図17に示した位置P2に位置する第三者からは、数字数字“1”、“2”、“3”とは異なる文字や画像などを視認することになる。
具体的には、例えば、図14(a)に示す文字入力画面のように、その表示領域の一部の領域が視野角制御領域として設定されている場合であれば、図14(b)に示すように、利用者からはその視野角制御領域に表示されている数字“4”、“5”、“6”をそのまま視認することができる。
一方、第三者からは、図14(c)に示すように、視野角制御領域が塗りつぶされた状態で視認することになる。また、図14(d)に示すように、実際に入力された数字“4”、“5”、“6”とは異なる数字“2”、“9”、“8”を視認させてもよいし、図14(e)に示すように、アスタリスク(*)などの伏せ文字を視認させるようにしてもよい。
このような第三者が視認する画像は、上述したマスキング画像Mを変更することとで、容易に実現することができる。
図15は、図17に示した表示パネル32の表示領域における視野角制御領域の設定の仕方を説明するための図である。図15(a)では、表示領域の全体が視野角制御領域として設定されている。また、図15(b)では、表示領域に描かれている、その入力された文字が占める方形の画素ブロックが視野角制御領域として設定されている。さらに、図15(c)では、図15(b)の視野角制御領域として設定された画素ブロックを含むより広い範囲の領域が視野角制御領域として設定されている。
図15(d)では、視野角制御領域に表示されている文字のうち、図13(b)と同様、数字の“1”、“2”、“3”が、各数字の入力後、所定時間経過後、あるいは、次の数字が入力された時点で、各数字はアスタリスク(*)などの伏せ文字に変換されている。
図16には、図17に示した表示パネル32の表示領域において2つの画面、すなわち、ワンセグ等のテレビを視聴するための視聴画面と、文字を入力するための文字入力画面が表示されている。
近年、携帯電話等の携帯端末では、モバイル機器向けの地上デジタルテレビ放送が受信可能となって来ている。このような携帯端末では、図16に示すように、視聴画面と文字入力画面とを同時に表示させる場合がある。
このような場合でも、視野角制御領域を表示領域の一部の領域、つまり、入力された文字が表示されている領域のみにおいて視野角制御を行なうことにより、視聴画面における、表示パネル32が持つ本来の表示性能を低下させること無く、第三者による覗き見を防止しつつ利用者が文字などを確実に入力することができるのである。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、入力処理装置40の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、入力処理装置40は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである入力処理装置40の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記入力処理装置40に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−Rなどの光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROMなどの半導体メモリ系などを用いることができる。
また、入力処理装置40を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線などの有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。