JP2011085657A - 画像形成装置用クリーニングブレード - Google Patents

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岳宏 冨田
Akihiko Kawatani
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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れ、特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニングに適した高い線圧でもって感光体の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させた際に長期間にわたって良好なクリーニング性能を維持できる画像形成装置用クリーニングブレードを提供する。
【解決手段】画像形成装置用クリーニングブレード22は、XNBRおよび/またはHXNBRを60質量%以上の割合で含むゴム分と、前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下の硫黄と、前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満の酸化亜鉛とを含むエラストマ組成物を用いて形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の画像形成装置に用いる画像形成装置用クリーニングブレードに関するものである。
前記画像形成装置においては、光導電性を有する感光体の表面を一様に帯電させた状態で露光して、前記表面に形成画像に対応する静電潜像を形成し(帯電工程→露光工程)、前記静電潜像を、あらかじめ帯電させたトナーを選択的に付着させることでトナー像に現像したのち(現像工程)、前記トナー像を紙(プラスチックフィルム等を含む、以下同様)の表面に転写し(転写工程)、さらに定着させることにより(定着工程)、前記紙の表面に画像が形成される。またトナー像を紙の表面に転写した後の感光体の表面は、クリーニング工程で残留したトナーが除去されて次の画像形成に利用される。
トナーとしては、
(a) 定着用樹脂や着色剤等を含む混練物を粉砕し、さらに必要に応じて分級して製造される粉砕トナーや、あるいは
(b) 定着用樹脂のもとになるモノマーないしオリゴマー、重合開始剤、着色剤等の混合物を分散媒中に微小な球状に分散させた状態で前記モノマー等を重合させて製造される球形の重合トナーを、さらに圧縮変形等によって異形化させて得られる異形化重合トナー
等が広く用いられる。
クリーニング工程には、例えば矩形平板状に形成され、前記矩形の一辺のエッジ部分を感光体の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させることにより、前記表面に残留するトナーを剥離させて除去するクリーニングブレードを用いるのが一般的である。
前記粉砕トナーや異形化重合トナーは、クリーニングブレードのエッジ部分の、感光体の表面に対する接触圧(線圧)が低くても十分にクリーニングすることが可能である。
そのためクリーニングブレードとして、従来は、耐熱性、耐摩耗性等が低いため特に画像形成装置の運転時に高温に曝された状態で感光体との摩擦によって前記エッジ部分が比較的短期間で摩耗してトナーを除去する機能が低下しやすいという問題を有するものの、感光体の表面をできるだけ摩耗させたり傷つけたりせずに、前記感光体の表面に付着したトナーを掻き落としたり弾き飛ばしたりして効率よく除去できるようにすること等を考慮して、柔軟なウレタンゴム製のものが広く用いられてきた。
しかし近年、画像形成装置のより一層の省エネルギー化、低コスト化、形成画像の高画質化のためにトナーの小粒径化や、あるいは重合トナーを異形化させずに球形のままで使用すること等が一般化しつつあり、前記小粒径トナーや球形トナーを感光体の表面から確実に除去してクリーニング不良が発生するのを防止するためには、現状よりもクリーニングブレードの線圧を高める必要が生じてきている。
ところが従来のウレタンゴム製のクリーニングブレードは、前記のように耐熱性、耐摩耗性等が十分でなくエッジ部分が摩耗しやすいため、線圧を現状よりも高めることは実質的に困難である。
そこで近時、耐熱性や耐摩耗性に優れ特にエッジ部分が摩耗しにくいため、線圧を高めて小粒径トナーや球形トナーに対するクリーニング性能を向上できるクリーニングブレードを提供するべく、前記クリーニングブレードの形成材料について種々検討されている。
例えば特許文献1〜3では、前記クリーニングブレードを、ゴム分として水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(以下「HNBR」と略記する場合がある)、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(以下「XNBR」と略記する場合がある)、あるいは水素添加カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(以下「HXNBR」と略記する場合がある)のうちいずれか1種のNBR系ゴムを含むエラストマ組成物によって形成することが提案されている。
詳しくは前記ゴム分と、その架橋剤と、充填剤その他とを含むエラストマ組成物を所定のクリーニングブレードの形状に成形するとともに、ゴム分を架橋により補強することで前記クリーニングブレードが製造される。
架橋剤としては硫黄や有機含硫黄化合物、過酸化物架橋剤等が用いられる。このうち硫黄を用いる場合、特許文献1〜3の実施例では、いずれもゴム分100質量部あたり1.5質量部の硫黄を含有させている。
またゴム分として前記XNBR、HXNBRを用いる系では、エラストマ組成物に酸化亜鉛や(メタ)アクリル酸亜鉛等を含有させる場合もある。前記酸化亜鉛等は、前記XNBR、HXNBR中のカルボキシル基とイオン結合して、前記架橋剤によって架橋したゴム分をさらに補強するための共架橋剤として機能する。
特開2008−107754号公報 特開2008−299204号公報 特開2009−186928号公報
しかし発明者の検討によると、前記特許文献1〜3に記載の発明のクリーニングブレードは、いずれも従来のウレタンゴム製のものに比べれば確かに耐摩耗性は向上しているものの、その向上効果は未だ十分ではなく、更なる改善の余地があることが明らかになった。
本発明の目的は、現状よりもさらに耐摩耗性に優れ、特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニングに適した高い線圧でもって感光体の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させた際に、より長期間にわたって良好なクリーニング性能を維持できる画像形成装置用クリーニングブレードを提供することにある。
本発明は、エラストマ組成物からなる画像形成装置用クリーニングブレードであって、前記エラストマ組成物は、ゴム分として、
(1-1) カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(XNBR)、および水素添加カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(HXNBR)からなる群より選ばれた少なくとも1種のゴム、または
(1-2) 前記(1-1)のゴムと、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)とからなり、かつ前記両者の総量に占める前記(1-1)のゴムの量が60質量%以上である混合ゴム、
のうちのいずれか一方を含み、かつ
(2) 前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下の硫黄、および
(3) 前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満の酸化亜鉛、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、前記のようにNBR系のゴム分を、現状よりも多い、前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上の硫黄によって架橋反応(ゴム分中の二重結合と硫黄との架橋反応)させることでその架橋密度を高めて、前記架橋による補強効果を向上することができる。
そのため、XNBRおよび/またはHXNBRを60質量%以上の範囲で含む前記ゴム分中のカルボキシル基と、前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満の酸化亜鉛とのイオン結合によって、前記架橋したゴム分をさらに補強できることと相まって、本発明によれば、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性を現状よりもさらに向上することが可能となる。
したがって本発明によれば、特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニングに適した高い線圧でもって感光体の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させた際に、より長期間にわたって良好なクリーニング性能を維持できる画像形成装置用クリーニングブレードを提供することができる。
なお本発明において、ゴム分の総量に占めるXNBRおよび/またはHXNBRの量が60質量%以上に限定されるのは、前記範囲未満では、酸化亜鉛とのイオン結合点(カルボキシル基)が少なくなり、イオン結合による補強効果が十分に得られなくなって、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するためである。
また本発明において、硫黄の量が前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下に限定されるのは、前記範囲未満ではゴム分の架橋密度を十分に高めることができず、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するためである。また前記範囲を超える場合には、ゴム分と架橋反応しない余剰の硫黄が増加し、前記余剰の硫黄が架橋後の画像形成装置用クリーニングブレードの表面にブルームするためである。
さらに本発明において、酸化亜鉛の量が前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満に限定されるのは、前記範囲以上では、前記量の硫黄によって高密度に架橋されたゴム分にさらに酸化亜鉛によるイオン結合構造が導入されることで、硬化後の画像形成装置用クリーニングブレードが硬くかつ脆くなって、却ってその耐摩耗性が低下するためである。
なお特許文献2、3では、それぞれ硫黄の量の好適な範囲を、ゴム分の総量100質量部あたり0.1〜20質量部としており、この範囲は、本発明における前記範囲と重複している。しかし特許文献2、3では、先に説明したようにゴム分の総量100質量部あたり1.5質量部の硫黄を含有させた場合についてその効果を実施例でもって検証しているに過ぎず、2.5質量部を超える多量の硫黄を含有させた際にどのような効果が得られるかについては一切記載していない。
また特許文献1を含めて、これら各特許文献に記載の発明では、特にXNBRおよび/またはHXNBRとHNBRとを併用すること、かかる併用系(混合ゴム)においてXNBRおよび/またはHXNBRの量をゴム分の総量の60質量%以上とすること、前記混合ゴムを、前記所定量の硫黄で架橋させるとともに酸化亜鉛で補強することについても一切記載していない。
前記HNBRは、残存二重結合量が3%以上、10%以下となるように水素添加したHNBRであるのが好ましい。残存二重結合量が前記範囲未満では、前記量の硫黄によって架橋反応させてもゴム分の架橋密度を十分に高めることができず、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ゴムとしての機械的強度が低下して、却って画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。
前記エラストマ組成物は、さらにカーボンブラックおよびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上、35質量部以下の範囲で含んでいるのが好ましい。
前記量の充填剤を含有させることで、先に説明した硫黄による架橋、および酸化亜鉛によるイオン結合による補強効果をさらに増強して、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性をより一層向上できる。
なお充填剤の量が前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上、35質量部以下であるのが好ましいのは、前記範囲未満では、充填剤を含有させることによる補強効果が十分に得られないおそれがあるためである。また、例えばエラストマ組成物を成形し、架橋したのち、所定の画像形成装置用クリーニングブレードの形状に加工(カット、打ち抜き等)する際の加工性が低下するおそれもあるためである。一方、前記範囲を超える場合には、逆に、前記充填剤による補強効果が薄れて、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがあるためである。
前記エラストマ組成物は、さらにチアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の加硫促進剤を含んでいるのが好ましい。
これら加硫促進剤は、先に説明したゴム分中の二重結合と硫黄との架橋反応、およびゴム分中のカルボキシル基と酸化亜鉛とのイオン結合反応を促進する働きをするため、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性をより一層向上できる。
本発明によれば、現状よりもさらに耐摩耗性に優れ、特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニングに適した高い線圧でもって感光体の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させた際に、より長期間にわたって良好なクリーニング性能を維持できる画像形成装置用クリーニングブレードを提供することができる。
本発明の画像形成装置用クリーニングブレードを組み込むことができる画像形成装置の一例の概略断面図である。 前記例の画像形成装置のうち画像形成装置用クリーニングブレードの部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施例、比較例で作製した画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性を評価する摩耗試験において、エッジ部分に生じた摩耗面の寸法の測定方法を説明するための図である。
本発明は、エラストマ組成物からなる画像形成装置用クリーニングブレードであって、前記エラストマ組成物は、ゴム分として、
(1-1) XNBR、およびHXNBRからなる群より選ばれた少なくとも1種のゴム、または
(1-2) 前記(1-1)のゴムと、HNBRとからなり、かつ前記両者の総量に占める前記(1-1)のゴムの量が60質量%以上である混合ゴム、
のうちのいずれか一方を含み、かつ
(2) 前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下の硫黄、および
(3) 前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満の酸化亜鉛、
を含むことを特徴とするものである。
XNBRとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(以下「NBR」と略記する場合がある)の主鎖を構成するアクリロニトリルおよびブタジエンとともに、第3成分としてアクリル酸またはメタクリル酸を共重合させることで、前記NBRの側鎖にカルボキシル基を導入した種々のXNBRが挙げられる。またHXNBRとしては、前記XNBRの主鎖のブタジエン部分に含まれる二重結合を水素化した種々のHXNBRが挙げられる。
前記XNBR、HXNBRにおけるカルボキシル基の含量は0.5質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましく、30質量%以下、特に20質量%以下であるのが好ましい。カルボキシル基の含量が前記範囲未満では、前記カルボキシル基を酸化亜鉛とのイオン結合点として機能させることによる補強効果が十分に得られなくなって、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、XNBR、HXNBRの反応性が高くなりすぎていわゆるゴム焼けを生じやすくなり、前記ゴム焼けを生じた場合には画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。
XNBR、HXNBRは、結合アクリロニトリル量が21%以上であるのが好ましく、46%以下、特に44%以下であるのが好ましい。結合アクリロニトリル量が前記範囲未満では、前記XNBR、HXNBR自体の機械的強度が不十分になって、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、前記XNBR、HXNBR自体のガラス転移温度Tgが高くなるため、特に低温環境下で画像形成装置用クリーニングブレードが硬くなってクリーニング性能が低下するおそれがある。
またXNBR、HXBNRは、その分子量を示すムーニー粘度が20ML(1+4)100℃以上、特に40ML(1+4)100℃以上であるのが好ましく、160ML(1+4)100℃以下、特に150ML(1+4)100℃以下であるのが好ましい。ムーニー粘度が前記範囲未満である分子量の小さいXNBR、HXNBRは機械的強度が不十分で、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える分子量の大きいXNBR、HXNBRは混練したり成形したりするのが容易でないため、画像形成装置用クリーニングブレードの生産性が低下するおそれがある。
またHXNBRは、残存二重結合量が3%以上、特に3.5%以上であるのが好ましく、10%以下、特に9%以下であるのが好ましい。残存二重結合量が前記範囲未満では、前記量の硫黄によって架橋反応させてもゴム分の架橋密度を十分に高めることができず、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ゴムとしての機械的強度が低下して、却って画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。
前記XNBRとしては、例えばドイツ ランクセス(LANXESS)社製のKRYNAC(クリナック、登録商標)シリーズの各種XNBRが挙げられる。またHXNBRとしては、同じくランクセス社製のTHERBAN(ザーバン、登録商標)シリーズの各種HXNBRが挙げられる。
HNBRとしては、NBRの主鎖のブタジエン部分に含まれる二重結合を水素化した種々のHNBRが挙げられる。
HNBRは、結合アクリロニトリル量が21%以上であるのが好ましく、46%以下、特に44%以下であるのが好ましい。結合アクリロニトリル量が前記範囲未満では、前記HNBR自体の機械的強度が不十分になって、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、前記HNBR自体のガラス転移温度Tgが高くなるため、特に低温環境下で画像形成装置用クリーニングブレードが硬くなってクリーニング性能が低下するおそれがある。
またHBNRは、その分子量を示すムーニー粘度が20ML(1+4)100℃以上、特に40ML(1+4)100℃以上であるのが好ましく、160ML(1+4)100℃以下、特に150ML(1+4)100℃以下であるのが好ましい。ムーニー粘度が前記範囲未満である分子量の小さいHNBRは機械的強度が不十分で、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える分子量の大きいHNBRは混練したり成形したりするのが容易でないため、画像形成装置用クリーニングブレードの生産性が低下するおそれがある。
またHNBRは、残存二重結合量が3%以上、特に3.5%以上であるのが好ましく、10%以下、特に9%以下であるのが好ましい。残存二重結合量が前記範囲未満では、前記量の硫黄によって架橋反応させてもゴム分の架橋密度を十分に高めることができず、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ゴムとしての機械的強度が低下して、却って画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明においては、前記のようにゴム分として、
(1-1) XNBR、およびHXNBRからなる群より選ばれた少なくとも1種のゴム、または
(1-2) 前記(1-1)のゴムと、HNBRとからなり、かつ前記両者の総量に占める前記(1-1)のゴムの量が60質量%以上である混合ゴム、
のうちのいずれか一方を用いる。
前記(1-2)の併用系において、XNBRおよび/またはHXNBRの量がゴム分の総量の60質量%以上に限定されるのは、前記範囲未満では、酸化亜鉛とのイオン結合点(カルボキシル基)が少なくなり、イオン結合による補強効果が十分に得られなくなって、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するためである。
なお酸化亜鉛とのイオン結合による補強効果をより一層向上して、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性をさらに向上することを考慮すると、前記XNBRおよび/またはHXNBRの量は、前記範囲内でも70質量%以上であるのが好ましい。
前記XNBRおよび/またはHXNBRの量の上限は100質量%である。すなわち(1-1)に記載のようにXNBRおよび/またはHXNBRのみを用いてHNBRを含まない場合も本発明には含まれる。
画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性を向上する効果を考慮すると、前記のようにXNBRおよび/またはHXNBRの量は前記範囲内でも多い方が好ましいが、より安価なHNBRを前記範囲内で配合することで、クリーニング性能を落とさずに、画像形成装置用クリーニングブレードの低コスト化を図ることができる。
架橋剤としての硫黄の量が、前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下に限定されるのは、前記範囲未満ではゴム分の架橋密度を十分に高めることができず、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するためである。また前記範囲を超える場合には、ゴム分と架橋反応しない余剰の硫黄が増加し、前記余剰の硫黄が架橋後の画像形成装置用クリーニングブレードの表面にブルームするためである。
なお硫黄の量は、前記硫黄のブルームが発生するのをより確実に防止しながら、ゴム分の架橋密度をさらに向上することを考慮すると、前記範囲内でもゴム分の総量100質量部あたり3質量部以上であるのが好ましく、5.5質量部以下であるのが好ましい。
さらに本発明において、共架橋剤としての酸化亜鉛の量が、前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満に限定されるのは、前記範囲以上では、前記量の硫黄によって高密度に架橋されたゴム分にさらに酸化亜鉛によるイオン結合構造が導入されることで、硬化後の画像形成装置用クリーニングブレードが硬くかつ脆くなって、却ってその耐摩耗性が低下するためである。
なお酸化亜鉛の量は、前記の問題が生じるのをより確実に防止しながら、カルボキシル基とのイオン結合反応によってゴム分を補強する効果をさらに向上することを考慮すると、前記範囲内でもゴム分の総量100質量部あたり3質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
前記エラストマ組成物は、さらにカーボンブラックおよびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を含んでいるのが好ましい。
充填剤の量は、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、35質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
前記量の充填剤を含有させることで、先に説明した硫黄による架橋、および酸化亜鉛によるイオン結合による補強効果をさらに増強して、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性をより一層向上できる。
充填剤の量が前記範囲未満では、充填剤を含有させることによる補強効果が十分に得られないおそれがある。また、例えばエラストマ組成物を成形し、架橋したのち、所定の画像形成装置用クリーニングブレードの形状に加工(カット、打ち抜き等)する際の加工性が低下するおそれも。一方、前記範囲を超える場合には、逆に、前記充填剤による補強効果が薄れて、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性が低下するおそれがある。
カーボンブラックとしては、ゴムの充填剤、補強剤として用いられる種々のグレードのカーボンブラックがいずれも使用可能である。前記カーボンブラックとしては、例えばSAF、SAF−HS、ISAF、N−339、ISAF−LS、ISAF−HS、HAF、HAF−HS、N−351、HAF−LS、LI−HAF、MAF、FEF、SRF、SRF−LM、GPF等の1種または2種以上が挙げられる。
またシリカとしては、その製法によって分類される湿式シリカ、乾式シリカのうちゴムの充填剤、補強剤として用いられる種々のグレードのシリカがいずれも使用可能である。
充填剤としてシリカを用いる場合には、前記シリカの、ゴム分に対する親和性等を高めるために、シランカップリング剤等のカップリング剤を添加するのが好ましい。前記カップリング剤の量は、シリカ100質量部あたり6質量部以上、12質量部以下程度であるのが好ましい。
前記エラストマ組成物は、さらにチアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の加硫促進剤を含んでいるのが好ましい。
これら加硫促進剤は、先に説明したゴム分中の二重結合と硫黄との架橋反応、およびゴム分中のカルボキシル基と酸化亜鉛とのイオン結合反応を促進する働きをするため、画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性をより一層向上できる。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えばM〔2−メルカプトベンゾチアゾール、MBT〕、DM〔ジベンゾチアジルジスルフィド、MBTS〕、MZ〔2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ZnMBT〕、HM〔2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、CMBT〕、DS〔2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、MDB〕等の1種または2種以上が挙げられ、特にDMが好ましい。
またチウラム系加硫促進剤としては、例えばTT〔テトラメチルチウラムジスルフィド、TMTD〕、TET〔テトラエチルチウラムジスルフィド、TETD〕、TBT〔テトラブチルチウラムジスルフィド、TBTD〕、TS〔テトラメチルチウラムモノスルフィド、TMTM〕、TRA〔ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、DPTT〕等の1種または2種以上が挙げられ、特にTSが好ましい。
前記チアゾール系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤は、加硫促進のメカニズムが異なるため両者を併用するのが好ましい。特に前記DMとTSとを併用するのが、先に説明したゴム分中の二重結合と硫黄との架橋反応、およびゴム分中のカルボキシル基と酸化亜鉛とのイオン結合反応を促進する効果の点で好適である。
DM等のチアゾール系加硫促進剤の量は、硫黄1質量部あたり1/4質量部以上、1質量部以下であるのが好ましく、TS等のチウラム系加硫促進剤の量は、硫黄1質量部あたり1/2質量部以上、3/2質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進剤の量が前記範囲未満では、架橋後の画像形成装置用クリーニングブレードの表面に未反応の硫黄がブルームするおそれがあり、前記範囲を超える場合には、前記架橋後の画像形成装置用クリーニングブレードの表面に、余剰の加硫促進剤がブルームするおそれがある。
なお加硫促進剤としては、前記以外の他の加硫促進剤を使用することもできる。前記他の加硫促進剤としては、例えばチオウレア類、ジチオカーバミン酸塩類、グアニジン類、スルフェンアミド類等の1種または2種以上が挙げられる。
エラストマ組成物は、前記各成分に加えて、さらに加硫促進助剤、老化防止剤、ゴム用軟化剤等を含んでいてもよい。
このうち加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他種々の加硫促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。酸化亜鉛は、先に説明したように共架橋剤として兼用できる。加硫促進助剤の量は、ゴム分100質量部あたり30質量部以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、例えばアミン類、フェノール類、イミダゾール類、リン酸類、チオウレア類等の1種または2種以上が挙げられる。老化防止剤の量は、ゴム分100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましい。
ゴム用軟化剤としては、例えばフタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバチン酸誘導体、安息香酸誘導体、リン酸誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。ゴム用軟化剤の量は、ゴム分100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。
エラストマ組成物を調整するには、例えば2軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いてゴム分を加熱下で混練し、次いで混練を続けながらまず充填剤を加えて、前記充填剤をゴム分中に十分に分散させた後、酸化亜鉛、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等を加えてさらに混練する。
この際、充填剤を加えるまでのゴム分のみでの混練の条件は温度80〜120℃で0.5〜2分間程度とするのが好ましい。混練の温度が80℃未満であるか、または混練の時間が0.5分間未満ではゴム分を十分に可塑化させることができず、充填剤その他の成分を良好に分散できないおそれがある。また混練の温度が120℃を超えるか、または混練の時間が2分間を超える場合にはゴム分が分解したり劣化したりするおそれがある。
その後の混練の条件は特に限定されないが、充填剤を加えた後の混練は温度が80〜120℃で0.5〜2分間程度とするのが好ましい。また酸化亜鉛その他の成分を加えた後の混練は、前記各成分をできるだけ均一に分散させるために温度が120〜140℃で5〜60秒間程度とするのが好ましい。
次いで前記混練物を混練機から取り出し、所定量の硫黄を加えて、例えばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いて、例えば80〜90℃で5〜6分間程度混練してエラストマ組成物を調製する。混練の温度が80℃未満であるか、または混練の時間が5分間未満では、混練物を十分に可塑化させることができず、硫黄を良好に分散できないおそれがある。また混練の温度が90℃を超えるか、または混練の時間が6分間を超える場合には、通常は8個の原子が環状に連なって安定化している硫黄が分解して活性化し、活性化した硫黄によって混練中に加硫反応が進んで、いわゆる焼けを生じるおそれがある。
次いで前記エラストマ組成物を混練機から取り出し、例えば金型内にセットしてプレス架橋等することで、前記エラストマ組成物をシート状に成形しながらゴム分を架橋させて、画像形成装置用クリーニングブレードのもとになるシート状の前駆体を作製し、前記前駆体を所定の平面形状となるようにカットしたり打ち抜いたりすることで、前記画像形成装置用クリーニングブレードが製造される。
架橋の条件は140〜170℃で20〜40分間程度とするのが好ましい。架橋の温度が140℃未満であるか、または架橋の時間が20分間未満では、ゴム分を十分に架橋させることができず、耐摩耗性に優れた画像形成装置用クリーニングブレードを製造できないおそれがある。また架橋の温度が170℃を超えるか、または架橋の時間が40分間を超える場合には、ゴム分が分解したり劣化したりして、やはり耐摩耗性に優れた画像形成装置用クリーニングブレードを製造できないおそれがある。
本発明の画像形成装置用クリーニングブレードは、組み込む画像形成装置の構造や、特に組み合わせる感光体のサイズ等に応じて任意の寸法、形状に形成することができる。例えば一般的なA4サイズ対応のレーザープリンタに組み込む画像形成装置用クリーニングブレードは、厚み1〜3mm、感光体の回転方向と直交する方向の幅220〜300mm、前記回転方向の長さ10〜40mm程度とすればよい。
前記本発明の画像形成装置用クリーニングブレードは、耐摩耗性に優れ、特に特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニング性能に優れたものとすることを考慮すると、日本工業規格JIS K6251:2004「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定された切断時引張応力が10MPa以上であるのが好ましい。
図1は、本発明の画像形成装置用クリーニングブレードを組み込むことができる画像形成装置の一例としてのカラーレーザープリンタの概略断面図である。また図2は、前記例の画像形成装置のうち画像形成装置用クリーニングブレードの部分を拡大して示す断面図である。
両図を参照して、この例のカラーレーザープリンタ1は、図中に実線の矢印で示す方向に回転する回転式の感光体2を備えている。
また感光体2の周囲には、前記回転方向に沿って順に、前記感光体2の表面を一様に帯電させるための帯電ローラ3、帯電させた感光体2の表面を露光して、前記表面に、形成画像に対応する静電潜像を形成するための露光手段4、前記静電潜像を、トナーを選択的に付着させることでトナー像に現像するための現像手段5を備えている。
前記露光手段4は、カラー画像を形成する場合、前記カラー画像をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)の4色に色分解した画像データごとに感光体2の表面に露光して、それぞれの色に対応した静電潜像を順次、感光体の表面に形成する。また文書等のモノクロ画像を形成する場合、露光手段4は、色分解しない画像データを感光体2の表面に露光する。
現像手段5は、前記露光手段4によって露光されて感光体2の表面に形成された静電潜像に対応して、前記静電潜像を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)の4色のトナーのうち、その静電潜像に対応するいずれか1色のトナーで現像するための4つの現像部6〜9を備えている。
前記現像部6〜9は、感光体2と平行に配列された回転式の保持体10によって保持されており、現像手段5は、前記保持体10を回転させて現像部6〜9のいずれかを感光体2の表面に対峙させた状態で保持して、前記表面に形成された静電潜像を、対峙させたいずれかの現像部6〜9によって所定の色のトナー像に現像する。
感光体2の周囲の、前記現像手段5より回転方向の下流側には、前記感光体2の回転と同期して図中に実線の矢印で示す方向に送られる無端状の中間転写ベルト11と、感光体2との間に前記中間転写ベルト11を挟んだ状態で配設された一次転写ローラ12とを備えた転写手段13が配けられている。感光体2の表面に形成されたトナー像は、前記感光体2と一次転写ローラ12との間に所定の転写電圧を印加することで、前記感光体2の表面から中間転写ベルト11の表面に転写される。
カラー画像を形成する場合、露光手段4での露光によって感光体2の表面にまず1色目の画像データに対応する静電潜像が形成され、前記静電潜像が、現像手段5において対応する1色目のトナー像に現像され、転写手段13において中間転写ベルト11の表面に転写される。この操作を2色目〜4色目の画像データについても繰り返して、前記中間転写ベルト11の表面に、4色のトナーを順に重ねるように転写させると、前記中間転写ベルト11の表面に所定のカラー画像が形成される。
またモノクロ画像を形成する場合は、露光手段4での露光によって感光体2の表面に所定の画像データに対応する静電潜像が形成され、前記静電潜像が、現像手段5において所定の1色(通常はブラック)のトナー像に現像され、転写手段13において中間転写ベルト11の表面に転写される。
前記転写手段13は1組の二次転写ローラ14、15を備えており、中間転写ベルト11は、前記二次転写ローラ14、15間を挿通されている。
中間転写ベルト11の表面に形成されたトナー像(カラー画像またはモノクロ画像)は、前記中間転写ベルト11と紙16とを重ねた状態で二次転写ローラ14、15間を通過させながら、前記二次転写ローラ14、15間に所定の転写電圧を印加することで、前記中間転写ベルト11の表面から紙16の表面に転写される。
トナー像が転写された紙16は、図中に実線の矢印で示すように、例えば所定の温度に加熱されている1組の定着ローラ17、18間を挿通される。これにより前記トナー像が紙16の表面に定着される。
なお各色のトナー像を重ねてカラー画像を形成する際に、前記二次転写ローラ14、15は、互いに離間されるか、もしくは転写電圧と逆電圧が印加された状態とされる。これにより、トナー像が二次転写ローラ14の表面に部分的に転写される等して画像不良が生じるのが防止される。
感光体2の周囲の、転写手段13より回転方向の下流側で、かつ帯電ローラ3の上流側には、前記転写手段13においてトナー像を転写後の感光体2の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段19が設けられている。
前記クリーニング手段19は、感光体2の表面から除去したトナーを収容するためのトナー回収ボックス20と、前記トナー回収ボックス20に、支持部材21を介して保持された、前記本発明の画像形成装置用クリーニングブレード22とを備えている。
前記画像形成装置用クリーニングブレード22は、先に説明したように例えば矩形平板状に形成され、前記矩形の一辺のエッジ部分23を所定の線圧でもって感光体2の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接される。そしてその際に、感光体2の表面に付着したトナーを、前記エッジ部分23によって掻き落としたり弾き飛ばしたりしてトナー回収ボックス20に回収して除去することができる。
しかも本発明の画像形成装置用クリーニングブレード22は、先に説明した所定の組成を有するエラストマ組成物からなり、耐摩耗性に優れるため、特に小粒径トナーや球形トナーのクリーニングに適した高い線圧でもって感光体2の表面に接触させた状態で前記表面上を摺接させた際に、より長期間にわたって良好なクリーニング性能を維持することができる。
支持部材21としては、例えば金属、硬質プラスチック、セラミック等によって形成されたものを用いることができる。本発明の画像形成装置用クリーニングブレード22を前記支持部材21に接着する接着剤としては、例えばポリアミド系、ポリウレタン系のホットメルト接着剤や、あるいはエポキシ系、フェノール系の接着剤等を用いることができ、特に接着の作業に要する時間を短縮すること等を考慮するとホットメルト接着剤が好ましい。
以下の実施例、比較例の画像形成装置用クリーニングブレードの製造、特性の測定、および試験を、特記した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
ゴム分としてのHNBR〔日本ゼオン(株)製のZETPOL(ゼットポール、登録商標)1020〕40質量部とHXNBR〔ドイツ ランクセス社製のTHERBAN(ザーバン、登録商標)XT VPKA8889〕60質量部とを、バンバリーミキサーを用いて80〜120℃で0.5〜2分間混練し、次いでカーボンブラック〔東海カーボン(株)製の商品名シーストISAF〕20質量部を加えて80〜120℃で0.5〜2分間混練した。
次いで清掃、すなわち前記混練のためにバンバリーミキサーのラムを閉じた際に吹き上がったカーボンブラックを内部に落とす作業をした後、前記混練物をさらに120〜140℃で1〜5分間混練した後、下記の各成分を加えて80〜120℃で5〜60秒間混練した。
酸化亜鉛〔三井金属(株)製の酸化亜鉛二種〕:5質量部
ステアリン酸〔日油(株)製の商品名つばき〕:1質量部
老化防止剤A〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)CD、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)〕:1質量部
老化防止剤B〔大内新興化学工業(株)製のノクラックMB、2-メルカプトベンゾイミダゾール(MBI)〕:2質量部
加硫促進剤A〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TS、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)〕:3.5質量部
加硫促進剤B〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)〕:1.17質量部
次いで前記混練物を2軸押出機から取り出し、前記混練物中のゴム分の総量100質量部あたり3.5質量部の硫黄〔鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄〕を加えて、オープンロールを用いて80〜90℃で5〜6分間混練した後、金型内にセットして160℃で30分間プレス加硫させて厚み2mmのシートを作製し、前記シートを、感光体の回転方向と直交する方向の幅が220mm、前記回転方向の長さが30mmの矩形平板状に打ち抜いて画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例2〉
ゴム分として30質量部のHNBRと70質量部のHXNBRとを用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例3〉
ゴム分として100質量部のHXNBRを用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例4〉
カーボンブラックに代えて、ゴム分の総量100質量部あたり20質量部のシリカ〔デグサ(株)製のウルトラジルVN3〕と、2質量部のシランカップリング剤〔エボニック デグサ ジャパン(株)製のSi266〕とを用いたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例5〉
ゴム分として40質量部のHNBRと60質量部のXNBR〔ドイツ ランクセス社製のKRYNAC(クリナック、登録商標)X750〕とを用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例6、7〉
ゴム分の総量100質量部あたりのカーボンブラックの量を5質量部(実施例6)、35質量部(実施例7)としたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例8〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を2.5質量部、加硫促進剤Aの量を2.5質量部、加硫促進剤Bの量を0.83質量部としたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈実施例9〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を6質量部、加硫促進剤Aの量を6質量部、加硫促進剤Bの量を2質量部としたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例1〉
ゴム分として100質量部のHXNBRを用いるとともに、前記ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を1.5質量部、加硫促進剤Aの量を1.5質量部、加硫促進剤Bの量を0.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例2〉
ゴム分として50質量部のHNBRと50質量部のHXNBRとを用いたこと以外は比較例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例3〉
ゴム分として50質量部のHXNBRと50質量部のXNBRとを用いたこと以外は比較例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例4〉
ゴム分として30質量部のHNBRと70質量部のHXNBRとを用いるとともに、前記ゴム分の総量100質量部あたりのカーボンブラックの量を4質量部としたこと以外は比較例1と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例5〉
ゴム分の総量100質量部あたりのカーボンブラックの量を40質量部としたこと以外は比較例4と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例6〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を2質量部、加硫促進剤Aの量を2質量部、加硫促進剤Bの量を0.67質量部としたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈比較例7〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を6.5質量部、加硫促進剤Aの量を6.5質量部、加硫促進剤Bの量を2.17質量部としたこと以外は実施例2と同様にして画像形成装置用クリーニングブレードを製造した。
〈引張試験〉
前記実施例、比較例で作製した厚み2mmのシートを打ち抜いて、日本工業規格JIS K6251:2004「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」において規定されたダンベル状3号形試験片を作製し、前記試験片を用いて、前記規格に所載の測定方法に則って切断時引張応力(MPa)を測定した。
〈摩耗試験〉
前記実施例、比較例で製造した画像形成装置用クリーニングブレード22を図2に示すように支持部材21に接着し、前記支持部材21を介して、回転式の感光体2を備えた市販のレーザープリンタに組み込んだ。前記画像形成装置用クリーニングブレード22のエッジ部分23の、感光体2の表面に対する線圧は1.2N/cmとした。
そして前記感光体2を周速200〜500mm/sで回転させながら印字濃度4%の画像を普通紙の表面に150000枚連続して画像形成した後、図3に示すように前記画像形成装置用クリーニングブレード22を測定基準面24に対して傾斜角度45°で保持した状態で、エッジ部分23に生じた摩耗面25を前記測定基準面24に投影し、前記摩耗面25の、画像形成装置用クリーニングブレード22の幅方向と直交する方向の投影寸法Wを測定して、下記の基準で耐摩耗性を評価した。
◎:Wは、摩耗面25を生じていない状態である0μm以上で、5μm以下であった。耐摩耗性極めて良好。
○:Wは5μmを超え、10μm以下であった。耐摩耗性良好。
△:Wは10μmを超え、50μm以下であった。耐摩耗性やや不良。
×:Wは50μmを超えていた。耐摩耗性不良。
〈クリーニング性能試験〉
前記実施例、比較例で製造した画像形成装置用クリーニングブレード22を図2に示すように支持部材21に接着し、前記支持部材21を介して、回転式の感光体2を備え、球形トナーを用いる画像形成装置の試験機(自社製)に組み込んだ。前記画像形成装置用クリーニングブレード22のエッジ部分23の、感光体2の表面に対する線圧は1.2N/cmとした。
球形トナーとしては、重合法によって製造した、体積平均径が5〜10μm、長径と短径の比で表される球形度が0.90〜0.99であるものを用いた。
そして前記感光体を周速200〜500mm/sで回転させながら印字濃度4%の画像を普通紙の表面に150000枚連続して画像形成した後、前記感光体の、画像形成装置用クリーニングブレード22を通過した後の表面に付着したトナーの、単位面積あたりの付着量Ta(μg)を求めた。
ついで画像形成をせずに感光体をさらにもう1回回転させた後、前記感光体の、画像形成装置用クリーニングブレード22を通過した後の表面に、前記画像形成装置用クリーニングブレード22をすり抜けて残留したトナーの、単位面積あたりの付着量Tb(μg)を求めた。
そしてTb/Taを求めてクリーニング性能を評価した。すなわちTb/Taが小さいほど、画像形成装置用クリーニングブレード22はクリーニング性能に優れていると評価することができた。
〈ブルームの有無〉
前記実施例、比較例で製造した画像形成装置用クリーニングブレード22を温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で1ヶ月間静置したのちその表面を観察して、ブルーム発生の有無を確認した。
以上の結果を表1、表2に示す。
Figure 2011085657
Figure 2011085657
両表の実施例、比較例の結果より、ゴム分としてXNBRおよび/またはHXNBRを60質量%以上の範囲で含み、かつ前記ゴム分100質量部あたりの酸化亜鉛の量を20質量部未満とした系において、硫黄の量を2.5質量部以上、6質量部以下の範囲内としたエラストマ組成物を用いて画像形成装置用クリーニングブレードを形成することにより、硫黄のブルームを防止し、かつ線圧を高めて良好なクリーニング性能を維持しながら、前記画像形成装置用クリーニングブレードの耐摩耗性を向上できることが判った。
1 カラーレーザープリンタ
2 感光体
3 帯電ローラ
4 露光手段
5 現像手段
6、7、8、9 現像部
10 保持体
11 中間転写ベルト
12 一次転写ローラ
13 転写手段
14、15 二次転写ローラ
16 紙
17、18 定着ローラ
19 クリーニング手段
20 トナー回収ボックス
21 支持部材
22 画像形成装置用クリーニングブレード
23 エッジ部分
24 測定基準面
25 摩耗面

Claims (4)

  1. エラストマ組成物からなる画像形成装置用クリーニングブレードであって、前記エラストマ組成物は、ゴム分として、
    (1-1) カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム、および水素添加カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種のゴム、または
    (1-2) 前記(1-1)のゴムと、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムとからなり、かつ前記両者の総量に占める前記(1-1)のゴムの量が60質量%以上である混合ゴム、
    のうちのいずれか一方を含み、かつ
    (2) 前記ゴム分の総量100質量部あたり2.5質量部以上、6質量部以下の硫黄、および
    (3) 前記ゴム分の総量100質量部あたり20質量部未満の酸化亜鉛、
    を含むことを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレード。
  2. 前記水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムは、残存二重結合量が3%以上、10%以下の水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムである請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  3. 前記エラストマ組成物は、さらにカーボンブラックおよびシリカからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を、前記ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上、35質量部以下の範囲で含んでいる請求項1または2に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  4. 前記エラストマ組成物は、さらにチアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の加硫促進剤を含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
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