JP2011084932A - 既設鉄骨階段の改修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設鉄骨階段の改修を短工期および低コストで行うことのできる既設鉄骨階段の改修方法を提供する。
【解決手段】複数階の建物Bに設置された階段本体13と、該階段本体13を取り付けるための柱部材14および梁部材15とを有する既設鉄骨階段11の改修方法において、既設鉄骨階段11の既設柱部材14および既設梁部材15を残して既設階段本体13を撤去した後、残存する既設柱部材14および既設梁部材15に新規階段本体21を取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設鉄骨階段の改修方法に係り、特に、既設鉄骨階段の改修を短工期および低コストで行うのに好適な既設鉄骨階段の改修方法に関する。
従来から、集合住宅やオフィスビルなどの複数階の建物には、手摺りを備えた階段本体と、この階段本体を取り付けるための柱部材および梁部材とを有する外階段などの鉄骨階段が設けられている。また、建物は、その維持管理のために改修工事が実施されており、鉄骨階段も長期間の使用により階段本体の一部を構成する鋼板製の踏み板などが腐蝕した場合、鉄骨階段全体を交換、すなわち、既設鉄骨階段を新規鉄骨階段に交換する改修工事が行われている。
ところで、鉄骨階段全体を交換するのは、工期が長く、しかもコストが高くなるという問題点があった。
そこで、既設鉄骨階段の改修方法として、既設鉄骨階段の改修を短工期および低コストで行うことのできるものが求められている。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、既設鉄骨階段の改修を短工期および低コストで行うことのできる既設鉄骨階段の改修方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の既設鉄骨階段の改修方法の特徴は、複数階の建物に設置された階段本体と、該階段本体を取り付けるための柱部材および梁部材とを有する既設鉄骨階段の改修方法において、前記既設鉄骨階段の既設柱部材および既設梁部材を残して既設階段本体を撤去した後、残存する前記既設柱部材および前記既設梁部材に新規階段本体を取り付ける点にある。
そして、このような構成を採用したことにより、既設柱部材および既設梁部材を撤去せずに再利用するので、既設鉄骨階段の改修の短工期化および低コスト化を容易かつ確実に図ることができる。
請求項2に記載の本発明の既設鉄骨階段の改修方法は、請求項1において、前記既設階段本体を撤去するに先立って、前記既設柱部材および前記既設梁部材に新規塗装を施す点にある。そして、このような構成を採用したことにより、新規階段本体を取り付けた後に塗装を行う場合に必要な、新規階段本体に塗料の付着を防止するために施すマスキング作業を省くことができるので、作業者による塗装作業の作業性を向上することができる。
請求項1に記載の本発明の既設鉄骨階段の改修方法によれば、既設柱部材および既設梁部材を撤去せずに再利用するので、既設鉄骨階段の改修の短工期化および低コスト化を容易かつ確実に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
請求項2に記載の本発明の既設鉄骨階段の改修方法によれば、新規階段本体を取り付けた後に塗装を行う場合に必要な、新規階段本体に塗料の付着を防止するために施すマスキング作業を省くことができるので、作業者による塗装作業の作業性を向上することができるなどの優れた効果を奏する。
本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法の実施形態の要部を工程順に示すブロック図 本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法が適用される改修前の既設鉄骨階段の一例の要部を簡略化して示す説明図 本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法の実施形態の既設階段本体の撤去過程における最上階の既設階段本体を撤去した状態の要部を示す説明図 本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法の実施形態の既設階段本体の撤去が終了した状態の要部を示す説明図 本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法の実施形態の新規階段本体の取付過程における最下階の新規階段本体を取り付けた状態の要部を示す説明図 本発明に係る既設鉄骨階段の改修方法における残存する既設柱部材および既設梁部材に手摺りを含む新規階段本体を取り付けた改修後の改修状態を簡略化して示す斜視図
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
図1に示すように、本実施形態の既設鉄骨階段の改修方法(以下、単に、階段改修方法と記す。)は、足場設置工程1と、柱梁塗装工程2と、既設本体撤去工程3と、新規本体取付工程4と、足場撤去工程5とをこの順に行うようになっている。
前記足場設置工程1は、既設鉄骨階段11(図2)の周囲に、従来と同様に、図示しない足場を組み立てるとともに、足場廻りに図2の2点鎖線にて示す災害防止のための防災シート、防災パネル、防災ネットなどの防災部材12を上部が開口となるように張り巡らすことにより実施する。
本実施形態の既設鉄骨階段11は、図2に示すように、複数階の建物Bの外側に設置された非常階段などの外階段とされている。この既設鉄骨階段11は、手摺り13aを備えた既設階段本体13と、この既設階段本体13を取り付けるための複数の既設柱部材14および複数の既設梁部材15とを有している。
なお、既設鉄骨階段11としては、外階段に限定されるものではなく、建物Bにおける上階と下階との間を昇降するための各種の鉄骨階段に適用することができる。
前記柱梁塗装工程2は、既設柱部材14および既設梁部材15に新規塗装を施すことにより実施する。
前記柱梁塗装工程2は、新規本体取付工程4の後に行うこともできるが、この場合、塗装の前に、新規階段本体21に塗料の付着を防止するためのマスキングを施すマスキング作業が必要である。
すなわち、既設鉄骨階段11から既設階段本体13を撤去するに先立って既設柱部材14および既設梁部材15に新規塗装を施すことが、新規階段本体21を取り付けた後に塗装を行う場合に必要な、新規階段本体21に塗料の付着を防止するために施すマスキング作業を省くことができるという意味で好ましい。このマスキング作業を省くことにより、作業者による塗装作業の作業性を向上することができるし、塗装後に廃棄するマスキング部材を得るのに必要なコストを削減できる。
前記既設本体撤去工程3は、既設鉄骨階段11から既設階段本体13を撤去することにより実施する。
前記既設階段本体13の分離は、工期の短縮化、撤去作業性の向上などの理由により、下階と上階との間を昇降する1つの階毎(以下、1フロア分毎と記す。)に分割し、かつ、階段の昇降方向に対して直交する方向、すなわち、既設鉄骨階段11を外側から正面に見て左右方向に2分割した平面帯状のストレートタイプのものを1ピースとする分離ユニット毎に行うことが好ましい。また、分離ユニットをクレーンにより円滑に撤去することができるという意味で、既設鉄骨階段11からの既設階段本体13の分離に先立って、既設階段本体13から手摺り13aを分離して撤去することが好ましい。
なお、既設鉄骨階段11からの既設階段本体13の分離は、最上部から下方に向けて順次行う。また、既設鉄骨階段11から分離ユニットを分離するに先立って、分離ユニットは、落下しないようにクレーンなどにより上方から支持されており、既設鉄骨階段11から分離された分離ユニットは、レッカー車のクレーンによりつり上げて移動することにより撤去する。
前記既設鉄骨階段11からの分離ユニットの分離は、例えば、既設柱部材14および既設梁部材15に対して既設階段本体13が溶接で接合されている溶接部位についてはガス切断などにより行われ、既設階段本体13がボルトおよびナットにより締結されているボルト止め部位については、ボルトおよびナットの取り外し作業および/またはガス切断などにより行われる。
なお、既設階段本体13からのすべての手摺り13aの分離を先に行ってもよい。この手摺り13aの分離は、ガス切断などにより行う。
前記既設階段本体13の撤去過程における最上階の既設階段本体13(手摺り13aを含む2つの分離ユニット)を撤去した状態を図3に示す。なお、図3は、足場および防災部材12を省いてある。
前記既設本体撤去工程3が終了し、既設鉄骨階段11から既設階段本体13(手摺り13aを含むすべての分離ユニット)の撤去が終了した状態、すなわち、既設柱部材14および既設梁部材15のみが残存する状態を図4に示す。この図4の状態において、既設柱部材14および既設梁部材15に新規塗装を施すことも可能である。
前記新規本体取付工程4は、残存する既設柱部材14および既設梁部材15に新規階段本体21を取り付けることにより実施する。
前記新規階段本体21は、工期の短縮化、取付作業性の向上などの理由により、前述した分離ユニットと同様に、下階と上階との間を昇降する1フロア分毎に分割され、かつ、階段の昇降方向に対して直交する方向、すなわち、既設鉄骨階段11を外側から正面に見て左右方向に2分割したものを1ピースとする平面帯状に形成されたストレートタイプの階段ユニット(図示せず)を用いることが好ましい。なお、階段ユニットとしては、溶接および/またはボルト止めなどにより手摺り21aを後から取り付けることができるように、分離することが好ましい。なお、分離した手摺り21aは、さらに複数に分割するとよい。この分割数は、設計コンセプトなどの必要に応じて設定することができる。
前記新規階段本体21の図示しない踏み板としては、既設階段本体13における鋼板製の踏み板の経年劣化による錆、腐蝕および耐力低下の防止を容易に行うことができるという意味で、ガラス短繊維、あるいは、炭素短繊維などの補強材を含有させた繊維強化コンクリートにより形成された踏み板をササラ桁にボルト止めする構成のものが好ましい。なお、踏み板を繊維強化コンクリートにより形成することにより、水はけを良くすることができるし、塗装が不要なのでメンテナンスフリーとすることができる。
なお、手摺り21aを後から階段ユニットに取り付ける場合、手摺り21aの取付は、1つの階段ユニットの取り付け毎、1フロア分の階段ユニットの取り付け毎、すべての階段ユニットを取り付けた後の何れであってもよい。
また、既設柱部材14および既設梁部材15の塗装の塗り残し部が有る場合には、前記新規本体取付工程4が終了した後で、前記足場撤去工程5に先立って塗り残し部の塗装を行うとよい。
前記新規階段本体21の取付過程における最下階の新規階段本体21(手摺り21aを除く1フロア分の2つの階段ユニット)を取り付けた状態を図5に示す。なお、図5は、足場および防災部材12を省いてある。
前記足場撤去工程5は、従来と同様に、前記足場設置工程1において設置した足場および防災部材12を撤去することにより実施する。
そして足場撤去工程5が終了すると、本実施形態の改修方法が終了する。
前記残存する既設柱部材14および既設梁部材15に手摺り21aを含む新規階段本体21を取り付けた改修状態を図6に示す。
前述した本実施形態の階段改修方法によれば、既設鉄骨階段11の既設柱部材14および既設梁部材15を残して既設階段本体13を撤去した後、残存する既設柱部材14および既設梁部材15に新規階段本体21を取り付けるから、既設柱部材14および既設梁部材15を撤去せずに再利用するので、既設鉄骨階段11の改修の短工期化および低コスト化を容易かつ確実に図ることができる。
また、本実施形態の階段改修方法によれば、既設階段本体13を撤去するに先立って、既設柱部材14および既設梁部材15に新規塗装を施すから、新規階段本体21を取り付けた後に塗装を行う場合に必要な、新規階段本体21に塗料の付着を防止するために施すマスキング作業を省くことができるので、作業者による塗装作業の作業性を向上することができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、既設柱部部材および既設梁部材の一部に、設計コンセプトや腐蝕などの理由により再利用できない、あるいは再利用しないものがある場合には、既設柱部部材および既設梁部材のすべてを残存させずに、再利用できない、あるいは再利用しない既設柱部部材および既設梁部材を撤去して、再利用できる既設柱部部材および既設梁部材のみが残存するように、既設鉄骨階段の既設柱部材および既設梁部材の一部を残す構成とすることもできる。
1 足場設置工程
2 柱梁塗装工程
3 既設本体撤去工程
4 新規本体取付工程
5 足場撤去工程
11 既設鉄骨階段
12 防災部材
13 既設階段本体
13a (既設階段本体の)手摺り
14 既設柱部材
15 既設梁部材
21 新規階段本体
21a (新規階段本体の)手摺り
B 建物

Claims (2)

  1. 複数階の建物に設置され、手摺りを備えた階段本体と、該階段本体を取り付けるための柱部材および梁部材とを有する既設鉄骨階段の改修方法において、
    前記既設鉄骨階段の既設柱部材および既設梁部材を残して既設階段本体を撤去した後、残存する前記既設柱部材および前記既設梁部材に新規階段本体を取り付けることを特徴とする既設鉄骨階段の改修方法。
  2. 前記既設階段本体を撤去するに先立って、前記既設柱部材および前記既設梁部材に新規塗装を施すことを特徴とする請求項1に記載の既設鉄骨階段の改修方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113404322A (zh) * 2021-06-15 2021-09-17 中国电建集团贵阳勘测设计研究院有限公司 一种高耸混凝土结构中钢梯改造为混凝土楼梯的方法

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