JP2011084247A - 航空機衝撃低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機体が軟弱地盤からなる地面に接触した際における機体にかかる減速加速度を小さくすることにより、機体に対するショックを小さくすることができる航空機衝撃低減装置を提供する。
【解決手段】 小型飛行機Mにおける機体1には、衝撃低減装置2が設けられている。衝撃低減装置2は、ファイヤウォール21を備えており、ファイヤウォール21の前面には突起部22が形成されている。突起部22は、機体1を側面視した際、三角柱の底面が視認可能な形で配置されている。突起部22における下面は、後方に行くにしたがって下降する傾斜面とされている。
【選択図】 図3
【解決手段】 小型飛行機Mにおける機体1には、衝撃低減装置2が設けられている。衝撃低減装置2は、ファイヤウォール21を備えており、ファイヤウォール21の前面には突起部22が形成されている。突起部22は、機体1を側面視した際、三角柱の底面が視認可能な形で配置されている。突起部22における下面は、後方に行くにしたがって下降する傾斜面とされている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、航空機が地面に接触した際における機体への衝撃を低減する航空機衝撃低減装置に関する。
飛行体が地面に接触した際における機体への衝撃を低減する技術として、従来、機体の底部に補強を施した航空機の耐衝撃構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この航空機の機体底部には、互いに交差する第1および第2床下ビームが設けられている。また、衝突時の圧縮荷重が集中するこれらのビームの交差部には繊維強化複合材料からなる衝撃吸収体が設けられ、この衝撃吸収体によって第1および第2のビームを結合させている。これらの床下ビームや衝撃吸収体によって耐衝撃構造が設けられている。このような耐衝撃構造により、衝突時における床面加速度の低減効果を得られるというものである。
しかし、上記特許文献1に開示された耐衝撃構造を備えた航空機を想定した際、この航空機が機体の先端部から地盤に接触した場合を考えると、地面に対する機体の進入角によっては機体先端部が地盤に突き刺さってしまうことがある。特に、接触した地面の地盤が砂質土などからなる軟弱地盤である場合に、この傾向が顕著となる。地面への接触時に機体先端部が地盤に突き刺さると、機体に大きな減速加速度がかかり、ショックが生じるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、機体が軟弱地盤からなる地面に接触した際における機体にかかる減速加速度を小さくすることにより、機体に対するショックを小さくすることができる航空機衝撃低減装置を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る航空機衝撃低減装置は、航空機が地面に接触した際に、機体に与える衝撃を低減する航空機衝撃低減装置であって、機体における操縦席の前方に乗員保護壁が設けられており、機体が軟弱地面と接触した際に、軟弱地盤を形成する物質を乗員保護壁の下方部に誘導する突起部が乗員保護壁に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る航空機衝撃低減装置においては、機体が軟弱地面と接触した際に、軟弱地盤を形成する物質を乗員保護壁の下方部に誘導する突起部が乗員保護壁に形成されている。このため、航空機が落下して軟弱地盤からなる地面に接触した際、突起部によって機体の下方向に向けて軟弱地盤を形成する物質が案内される。機体の下方向に案内された土砂は、機首を押し上げるように作用し、一旦埋没した機首は再び浮上する。機首が再浮上することにより、機体の進行方向の抗力が減ぜられる。したがって、機体が軟弱地盤からなる地面に接触した際における機体にかかる減速加速度を小さくするができ、機体に対するショックを小さくことができる
ここで、突起部は、乗員保護壁の上端部に形成されている態様とすることができる。
このように、突起部が、乗員保護壁の上端部に形成されていることにより、乗員保護壁の前方部に広い空間を確保することができる。したがって、乗員保護壁の前方におけるエンジンを搭載する領域を確保することなど、乗員保護壁の前方の空間を有効に利用することができる。
本発明に係る航空機衝撃低減装置によれば、機体が軟弱地盤からなる地面に接触した際における機体にかかる減速加速度を小さくすることにより、機体に対するショックを小さくすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
図1は、本発明の航空機衝撃低減装置を備える小型飛行機を示す斜視図、図2はその先端部の拡大側面図である。
図1および図2に示すように、小型飛行機Mは、機体1を備えている。機体1には、胴体11が設けられており、胴体11には、窓12に囲まれた操縦室が形成されている。また、胴体11の側部には主翼13が取り付けられている。さらに、胴体11の後方側部には、水平尾翼14が取り付けられ、胴体11の後方上部に垂直尾翼15が取り付けられている。
胴体11の先端部における機首には、エンジンカウル16が設けられており、エンジンカウル16には、プロペラ17が取り付けられている。プロペラ17は、図示しないレシプロエンジンによってトルクを得て回転し、機体1に対して推力を付与している。主翼13は、小型飛行機Mの運動を制御するとともに、機体1の揚力を発生させる。また、水平尾翼14および垂直尾翼15は、小型飛行機Mの運動を制御するほか、機体1の横揺れや縦揺れに関して適度な安定感を与える機能を有している。
また、小型飛行機Mの機首には、衝撃低減装置2が設けられている。図3(a),(b)に示すように、衝撃低減装置2は、本発明の乗員保護壁であるファイヤウォール21を備えている。ファイヤウォール21は、エンジンカウル16の内側に設けられており、機体の主骨格を形成している。
さらに、ファイヤウォール21の前方上端部には、底面が直角三角形である三角柱状の突起部22が設けられている。突起部22は、機体1を側面視した際、三角柱の底面が視認可能な形で配置されている。また、三角柱の3つの側面のうち、直角部分を挟む2つの側面のうちの一方がファイヤウォール21の前面に沿って配置された背面とされ、もう一方の面が上方に配置された上面とされる。さらに、もう1つの側面である下面は、後方に行くにしたがって下降する傾斜面とされている。
このため、機体1が水平な状態にあるときに、図3(b)に示すように、突起部22の背面は鉛直面に沿って配置され、突起部22の上面は水平面に沿って配置される。突起部22における上面の前後方向の長さLは、200mmとされている。また、突起部22の上面と傾斜面とがなす角である先端角θは約45°とされている。
次に、本実施形態に係る航空機における衝撃低減装置の作用について説明する。
本実施形態に係る衝撃低減装置2を備える小型飛行機Mが落下し、機首側から軟弱地盤である地面に接触する場合について説明する。ここでの軟弱地盤とは、たとえば砂質土のような崩壊性の高い土壌が挙げられる。小型飛行機Mが落下して機首が地面に接触すると、地面との接触によって機体1からエンジンカウル16およびプロペラ17が外れ、衝撃低減装置2が露出する。
衝撃低減装置2が露出したら、衝撃低減装置2におけるファイヤウォール21が地面と接触する。ここで、地面が砂質土のような崩壊性の高土壌である場合、土壌を構成する土砂は、機体1に対して直ちに反力を発生させることはなく、ファイヤウォール21や機体1の下面といった機首構造が埋没するように排斥される。
土砂の排斥方向は、ファイヤウォール21および機体1の下面で構成される面による方向と、突起部22による方向とで大きく異なる。これらの2つの方向の合成成分が埋没した機首周りに相対的な土砂の流れを発生させる。ここで発生した土砂の流れは、ファイヤウォール21の上端に形成した突起部22の傾斜面に沿って機体1の下方向に向けて整流される。
整流された土壌の流れにより、機体1における機首部が上方に押し上げられ、結果として、一旦埋没した機首が再び浮上する。こうした機首の浮上により、土砂がファイヤウォール21の面でブルドージングされて発生する機体1の進行方向の抗力が減ぜられ、進行方向の減速がわずかとなり、減速加速度が低減されることとなる。その結果、機体が地面に接触した際における機体にかかる減速加速度を小さくすることにより、機体に対するショックを小さくすることができる。
特に、突起部22は、ファイヤウォール21の上端部に設けられている。このため、機体が軟弱地面と接触した際に、軟弱地盤を形成する物質を乗員保護壁の下方部に円滑かつ確実に誘導することができる。したがって、その分減速加速度をさらに小さくすることができ、機体に対するショックをさらに好適に小さくすることができる。
ここで、機体1が軟弱地盤に接触した際に、土砂を機体1の下方向に向けて整流させるためには、突起部22の長さLは200mm以上であることが好適である。さらに、突起部22の先端角は45°以上であることが好適である。
また、突起部22を設けることによる機体1と地面との接触時の機首上げの作用は、相対的な土壌の流れによって発生するものである。このため、ファイヤウォール21に繋がる機体1の形状を限定する必要がない。したがって、操縦席における乗員の空間を広くすることができる。さらには、エンジンの搭載空間を仕切る必要もないので、エンジンの小型化を要求されることもない。
さらに、機体1と地面が接触した際に突起にかかる負荷は、土壌による面圧のみであり、モーメント荷重が負荷されることがない。したがって、突起部22について強固な締結構造が要求されることがないので、重量増分の増大を小さく済ませることができる。
しかも、突起部22は、ファイヤウォール21の上端部に形成されている。このため、乗員保護壁の前方部に広い空間を確保することができる。したがって、ファイヤウォール21の前方におけるレシプロエンジンを搭載する領域を確保することなど、ファイヤウォール21の前方の空間を有効に利用することができる。
次に、本実施形態に係る衝撃低減装置の効果を確認するために行った実験およびその結果について説明する。この実験では、図3に示す本実施形態に係る衝撃低減装置2および従来の衝撃低減装置の約1/10スケールの機首モデルを用いた。以下、これらの機首モデルをそれぞれ第1モデルおよび第2モデルという。
この実験において、第1モデルおよび第2モデルの重量はいずれも3Kgとした。また、第1モデルの突起部22における上面の前後方向の長さLを20mm、先端角は45°とした。また、これらの第1モデルおよび第2モデルを高さ2000mmの支持点、弦長2300mmの振り子の錘とし、平滑にしたJIS4号硅砂に衝突させた。
このときの衝突速度は6.2m/s、衝突角は30°とした。さらに、第1モデルおよび第2モデルにそれぞれ加速度計を取り付けた。そして、第1モデルおよび第2モデルについて、それぞれ硅砂に衝突する前後の加速度と時間との相関関係を取得し、加速度と時間との相関関係から第1モデルおよび第2モデルのそれぞれの速度変化を計測した。その結果を図4に示す。
図4に示す結果では、進行方向の速度が減じて0となったものが土壌に完全に埋没した状態である。また、速度の減じ幅が小さいものほど、衝突時の減速加速度が小さいものである。図4に示すように、従来の衝撃吸収装置を模した第2モデルは、硅砂に接触した後の速度の低下が小さくなった。一方、本実施形態に係る衝撃低減装置を模した第1モデルは、速度低下が大きくなり、減速加速度を大きくすることができることがわかった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、突起部22をファイヤウォール21の上端部に設けた三角柱状の部材としているが、その他の態様とすることもできる。その他の態様としての変形例は、たとえば図5(a)〜(d)に示すものを挙げることができる。図5(a)に示す突起部22Aは、傾斜面が湾曲した形状をなしている。傾斜面における湾曲した形状は、下方向に凸となる形状をなしている。また、図5(b)に示す突起部22Bは、(a)に示す突起部22Bと同様、傾斜面が湾曲した形状をなしている。ただし、傾斜面における湾曲した形状は、上方向に凸となる形状をなしている。このように、傾斜面を湾曲した形状とすることもできる。
さらに、図5(c)に示す突起部22Cは、突起部22Cの下端部がファイヤウォール21の下端部にまで延在している形状をなしている。また、突起部22Cの傾斜面は、上方向に凸となる形状をなしている。ただし、図5(b)に示す突起部22Bよりも曲率が小さい湾曲形状とされている。そして、図5(d)に示す突起部22Dの傾斜面は、前後方向途中位置に屈折部が形成された形状とされている。突起部としては、これらの形状とすることもできる。さらには、後方にいくにしたがって傾斜する形状であれば、その他の形状とすることもできる。
また、上記実施形態では、衝撃低減装置2はエンジンカウル16の内側に設けられているが、エンジンカウル16の外側に設ける態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、航空機として小型飛行機Mを挙げているが、その他の航空機、たとえばヘリコプターなどに衝撃低減装置を設ける態様とすることもできる。
1…機体、2…衝撃低減装置、11…胴体、12…窓、13…主翼、14…水平尾翼、15…垂直尾翼、16…エンジンカウル、17…プロペラ、21…ファイヤウォール、22、22A〜22D…突起部、M…小型飛行機。
Claims (2)
- 航空機が地面に接触した際に、機体に与える衝撃を低減する航空機衝撃低減装置であって、
前記機体における操縦席の前方に乗員保護壁が設けられており、
前記機体が軟弱地面と接触した際に、前記軟弱地盤を形成する物質を前記乗員保護壁の下方部に誘導する突起部が前記乗員保護壁に形成されていることを特徴とする航空機衝撃低減装置。 - 前記突起部は、前記乗員保護壁の上端部に形成されている請求項1に記載の航空機衝撃低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009240438A JP2011084247A (ja) | 2009-10-19 | 2009-10-19 | 航空機衝撃低減装置 |
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JP6452877B1 (ja) * | 2018-04-10 | 2019-01-16 | 長谷川 隆 | 高揚力装置、飛行機の主翼、水中翼船の水中翼、及び飛行機のエンジンカウル |
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2009
- 2009-10-19 JP JP2009240438A patent/JP2011084247A/ja active Pending
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WO2019198349A1 (ja) * | 2018-04-10 | 2019-10-17 | 長谷川 隆 | 高揚力装置、飛行機の主翼、水中翼船の水中翼、及び飛行機のエンジンカウル |
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