JP2011082373A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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直樹 虎澤
Toru Hinomura
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Abstract

【課題】Ruバリア上にダイレクトにめっきするプロセスにおいて、ボイドフリーの埋め込みを実現する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置100の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜101に凹部102を形成する工程(a)と、凹部102の側壁及び底部を覆うようにバリアメタル膜103を形成する工程(b)と、第1の電界めっき処理により、バリアメタル膜103の表面に沿ってコンフォーマルな第1の導電膜104を形成する工程(c)と、工程(c)の後、第2の電界めっき処理により、凹部内に第2の導電膜105を形成する工程(d)とを有する
【選択図】図1

Description

本発明は、ダマシン法により形成されたCu配線を有する半導体装置に関し、特に微細トレンチやビアホールを埋め込む方法に関する。
0.13μmルールのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )デバイス以降、配線抵抗の低減、配線遅延の抑制等を目的として、システムLSI(Large Scale Integration )にCu配線が適用されている。しかしながら、継続的な微細化の進行に伴い、配線、ビアプラグ等の埋め込みの難易度は増加傾向にある。そこで現在、埋め込み特性向上を目的として、Ru上ダイレクトめっきプロセスが提案されている。
従来、Taバリア上にCuシード層を形成し、その上にCuめっきを行なっていた。これに対し、Ru上ダイレクトめっきプロセスでは、バリア材料としてTaに代えてRuを用い、該Ruバリア上に(Cuシード層を形成することなく)直接Cu電解めっきによってトレンチやビアホールを埋め込む。
Ru上ダイレクトめっきについては、例えば特許文献1に記載されている。Ru上ダイレクトめっきによると、Ru上に直接、電解めっきを形成するので、従来必要としていたCuシード膜が不要になる。このことから、Cu電解めっき前のトレンチやビアホールの開口を広くすることができるため、微細化に適していると言える。
特開2008−117853号公報
しかしながら、Ru上ダイレクトめっきプロセスにおいて、埋め込み不良が発生しやすい。よって、その解決が課題となっている。
このことに鑑み、本発明は、Cuシード膜を用いないダイレクトめっきプロセスを用い、ボイドフリーの(埋め込み不良の無い)埋め込みを実現する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本願発明者らは前記の埋め込み不良が発生する理由を検討した。結果、ダイレクトめっきプロセスにおいて、電解めっきによる埋め込みを1ステップで実施すると埋め込み不良が生じやすいことを見出し、次のように考えた。
Ruバリア上では、Cu上に比べて、めっき液中におけるめっき成長を抑制する働きを有する添加材料(以下、サプレッサー(Suppressor)と記す場合がある)、及び、めっき液中におけるめっき成長を促進させる働きを有する添加材料(以下、アクセラレーター(Accelerator)と記す場合がある)の効果が乏しい。つまり、既知の添加剤はCu上にめっきすることを前提にしているため、Ru上では効果が乏しくなる。
このことが原因となり、Ruバリア上ダイレクトめっきプロセスの場合、初期のめっきレートの確保が難しい。つまり、Ruバリア直上に対するめっきの形成速度は、既に形成されためっき上に更にめっきが成長する速度に比べて遅い。このため、少しでもめっきが形成された部分では、急速にめっき成長が進む。この結果、めっきは不均一に成長し、ボイドを残してトレンチを埋め込んでしまうことになりやすく、残されたボイド部分ではそれ以上のめっき成長ができなくなる。このようにして、埋め込み不良が発生する。
そこで、本願発明者らは、トレンチ内に形成したRuバリア上に、初めにコンフォーマルな(膜厚が略均一な)めっき層を形成し、その後、トレンチ内を埋め込むように更にめっきを成長させることを着想した。
また、トレンチ内部にめっき成長を行なう際、トレンチ外の部分(層間絶縁膜上に形成された部分のバリア膜上等)にもめっきは形成される。ここで、トレンチ内部をめっきが埋め込むよりもトレンチ外のめっき成長が優先されると、トレンチ内部のめっき成長が阻害され、埋め込み不良の原因となる。よって、これを避けることを着想した。
このような着想に基づき、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜に凹部を形成する工程(a)と、凹部の側壁及び底部を覆うようにバリアメタル膜を形成する工程(b)と、第1の電界めっき処理により、バリアメタル膜の表面に沿ってコンフォーマルな第1の導電膜を形成する工程(c)と、工程(c)の後に、第2の電界めっき処理により、凹部内に第2の導電膜を形成する工程(d)とを有する。
このような半導体装置の製造方法によると、工程(c)において、コンフォーマルな第1の導電膜により、バリアメタル膜を覆う。その後、工程(b)において第1の導電膜上に第2の導電膜を形成すると、バリアメタル膜上と、既にめっきが形成された箇所とのめっきレートの違いに起因しためっき成長の不均一を回避することができ、埋め込み不良を抑制して凹部内を埋め込むことができる。
尚、工程(d)における第2の導電膜の形成は、凹部の側壁に垂直な方向のめっき成長よりも、凹部の底部に垂直な方向のめっき成長が優先される条件にて行なわれることが好ましい。
このようにすると、凹部の底部側から凹部の外側に向かうめっきの成長が優先され、凹部内部が埋め込まれる前に開口部が閉ざされるのを抑制することができる。この結果、更にボイドの発生を抑制することができる。
また、工程(d)における第2の導電膜の形成は、凹部外におけるめっき成長よりも、凹部内におけるめっき成長が優先される条件にて行なわれることが好ましい。
めっき成長は、凹部の外において絶縁膜上に形成されたバリアメタル膜上等においても進行する。ここで、凹部の外におけるめっき成長が優先されると、凹部内でのめっき成長を阻害し、ボイドの原因になる場合がある。そこで、凹部内におけるめっき成長が優先される条件とすることにより、ボイドの発生を抑制できる。
また、第1の電界めっき処理によるめっき成長は、第2の電界めっき処理によるめっき成長に比べ、抑制されていることが好ましい。
バリアメタル膜上に対するめっき成長よりも、既にめっきが形成された箇所に対するめっき成長の方が早いのであるから、成長の速いめっき方法を用いるほど、形成されるめっきは不均一になりやすい。そのため、バリアメタル膜上にコンフォーマルな第1の導電膜を形成するための第1の電界めっき処理は、第1の導電膜上に第2の導電膜を形成する第2の電界めっき処理に比べて成長が抑制されている方が良い。
また、第1の電界めっき処理に用いる第1の電界めっき液は、第1の導電膜の成長を抑制する第1の添加材料を含み、第2の電界めっき処理に用いる第2の電界めっき液は、第2の導電膜の成長を抑制する第2の添加材料を含むことが好ましい。
めっきレートを制御するために、このような添加材料を含む電界めっき液を用いるのが良い。
また、第1の添加材料の分子量は、第2の添加材料の分子量よりも小さいことが好ましい。
このようにすると、第1の添加材料は、第2の添加材料に比べて凹部内に入りやすい。このため、第1の電界めっき液を用いる工程(c)において、第2の電界めっき処理を用いる工程(d)に比べて凹部内におけるめっき成長は抑制されている。この結果、工程(c)において、コンフォーマルな第1の導電膜をより確実に形成することができる。
また、第1の電界めっき液における第1の添加材料の濃度は、第2の電界めっき液における第2の添加材料の濃度よりも小さいことが好ましい。
第1の添加材料の濃度が相対的に小さい工程(c)の場合、凹部内とフィールド上(凹部以外の部分の絶縁膜上)とについて、第1の添加材料の濃度の違い(濃度勾配)は比較的小さくなる。このため、凹部内とフィールド上とにおいてコンフォーマルな第1の導電膜が形成される。
これに対し、第2の添加材料の濃度が相対的に大きい工程(d)では、凹部内とフィールド上とについて、第2の添加材料の濃度の違いが大きくなる。このとき、凹部内の方が、第2の添加材料の濃度が小さいために、フィールド上よりもめっきレートが大きくなる。この結果、フィールド上よりも優先して凹部内のめっき成長が進行する。これにより、フィールド上に形成される導電膜によって凹部が塞がれるのを避け、凹部における埋め込み不良を避けることができる。
また、工程(c)及び工程(d)は、半導体基板を回転させながら行なわれ、工程(c)における基板の回転は、工程(d)における基板の回転よりも遅いことが好ましい。
基板の回転が遅い工程(c)の場合、第1の添加材料の供給量が少ないため、凹部内とフィールド上とにおけるその濃度の違いは小さくなる。よって、コンフォーマルな第1の導電膜を形成できる。工程(d)の場合、工程(c)に比べて第2の添加材料の濃度の違いは大きくなる。この結果、凹部における埋め込み不良を避けることができる。
また、第2の電界めっき処理に用いる第2の電界めっき液は、第2の導電膜の成長を抑制する第2の添加材料を含むことが好ましい。
つまり、第2の電界めっき液はめっき成長を抑制する添加剤を含み、第1の電界めっき処理に用いるめっき液は、そのような添加剤を含まないことが好ましい。これにより、第1の電界めっき液が低い濃度の添加剤を含む場合と同様に、埋め込み不良を避けることができる。
バリアメタル膜は、Ruの単層膜であるか、又は、Ta膜及びRu膜の積層膜であることが好ましい。このようなバリアメタル膜を用いる場合に、本開示の技術の効果が顕著に発揮される。
また、凹部の幅は、50nm以下であることが好ましい。本開示の技術の効果は、凹部の幅が狭い(開口部の幅が狭い)場合、例えば、幅が50nm以下である場合に顕著な効果を発揮する。
また、凹部は、トレンチ及びビアホールの少なくとも一方であることが好ましい。このようにすると、めっきが埋め込まれた配線又はビアプラグを形成することができる。
また、凹部は、トレンチ及び前記トレンチに連通するビアホールを含むことが好ましい。このようにすると、トレンチとそれに連通するビアホールを同時に配線材料により埋め込むデュアルダマシン法に適用することができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、微細なトレンチやビアホールについても、ボイドフリーに埋め込むことが可能である。
図1(a)〜(e)は、本発明の一実施形態に例示する半導体装置及びその製造工程を示す断面図である。 図2(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る第1の電解めっき処理及び第2の電解めっき処理によるメカニズムを説明した図である。 図3(a)及び(b)は本発明の一実施形態の第1変形例に係る第1の電解めっき処理及び第2の電解めっき処理によるメカニズムを説明した図である。 図4(a)及び(b)は本発明の一実施形態の第2変形例に係る第1の電解めっき処理及び第2の電解めっき処理によるメカニズムを説明した図である。 図5(a)〜(c)は、トレンチの側壁に垂直な方向よりも底部に垂直な方向についてめっき成長を優先させることについて説明する図である。
以下、本発明の一実施形態の例示的半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。ここで使用している材料、数値等は好ましい例を例示しているものであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、便宜変更は可能である。
図1(a)〜(e)は、例示的半導体装置100(図1(e))の製造工程を説明する断面図である。
初めに、図1(a)に示す工程を行なう。ここでは、トランジスタ等の素子が形成された半導体基板(図示省略)上に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりSiOC膜からなる層間絶縁膜101を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、層間絶縁膜101上に、トレンチパターンを有するフォトレジスト(図示省略)を形成する。その後、該フォトレジストをマスクとするドライエッチング処理を行ない、所定部分の層間絶縁膜101を除去することにより、凹部としてトレンチ102を形成する。この際、エッチングガスとしては、弗化炭素(CF)系のガスを用いることができる。トレンチ102の寸法は、例えば、幅45nm、深さ90nmである。本実施形態の方法は、トレンチの幅(開口部の幅)が狭い場合に効果が大きく、特に、トレンチ幅が50nm以下であるときに効果が大きい。
続いて、図1(b)の工程を行なう。ここでは、Ruターゲットを用いるPVD(Physical Vapor Deposition )法により、トレンチ102の側壁及び底部を覆うように、バリアメタル膜103を形成する。この際、トレンチ102内のみではなく、トレンチ102外の部分の層間絶縁膜101上にもバリアメタル膜103は形成される。
また、PVDの条件は、例えば、ターゲットパワーが40000W、基板Biasパワー1000W、DC−Coilパワーが0W、RF−Coilパワーが0W、Ar流量が4sccmとする。ここで、sccmとは、標準状態(0℃、1013hPa)におけるmL/分を意味する。
このようにして形成される本実施形態のバリアメタル膜103は、単層のRu膜である。また、バリアメタル膜103の膜厚については、層間絶縁膜101上において、1nm以上で且つ10nm以下となるようにする。このようにすると、トレンチ102の側壁及び底部を覆うようにバリアメタル膜103を形成し、且つ、トレンチ102の開口を広く保つことができる。但し、前記の膜厚の範囲は、好ましい値であるが、これに限定されることはない。
続いて、図1(c)の工程を行なう。ここでは、第1の電界めっき処理により、バリアメタル膜103の表面を覆い、バリアメタル膜103が露出した部分を残さないように第1の導電膜104を形成する。第1の導電膜104は、トレンチ102内の側壁及び底部だけではなく、トレンチ102外(フィールド上)においても形成されている。また、第1の導電膜104は、Cu膜であることが好ましい。また、この工程は、半導体基板の表面を下向きにして回転させながら、処理タンク等のめっき液に接触させることにより行なわれる。
続いて、図1(d)の工程を行なう。ここでは、第2の電界めっき処理により、トレンチ102内を埋め込むように、第2の導電膜105を形成する。
尚、第2の導電膜105は、第1の導電膜104と同一の膜であることが好ましく、特に、Cuであることが好ましい。この工程についても、半導体基板の表面を下向きにして回転させながら、処理タンク等のめっき液に接触させることにより行なわれる。
また、図1(d)において、第1の導電膜104は第2の導電膜105と一体になったものとして、図1(c)における形状を破線により示している。また、第2の導電膜105は、トレンチ102外においても形成される。
続いて、図1(e)の工程を行なう。ここでは、CMP(Chemical Mechanical Polishing )法により、トレンチ102からはみ出た余剰部分の第2の導電膜105及びバリアメタル膜103を除去する。これにより、トレンチ102以外の部分において層間絶縁膜101の上面を露出させると共に、トレンチ102内に第2の導電膜105を残す。トレンチ102内には、バリアメタル膜103上に第2の導電膜105が積層された配線106が構成される。
以上に説明した図1(a)〜(e)の工程を必要に応じて繰り返すことにより、多層配線構造を有する半導体装置を製造することができる。このような半導体装置は、微細なパターンに対するCu等の埋め込み性が良好であり、信頼性の高い半導体装置となっている。
次に、図1(c)に示す第1の電界めっき処理と、図1(d)に示す第2の電界めっき処理とについて更に説明する。
第1の電界めっき処理に用いる第1の電界めっき液には、第1の導電膜104を形成するためのめっき材料が含まれている。同様に、第2の電界めっき処理に用いる第2の電界めっき液には、第2の導電膜105を形成するためのめっき材料が含まれている。また、第1及び第2の電界めっき液には、いずれも、めっき成長を抑制する働きを有する添加材料であるサプレッサーと、めっき成長を促進させる働きを有する添加剤であるアクセラレーターとの両方が含まれている。
ここで、アクセラレーターは、分子量が小さいことが好ましい。分子量が小さいことにより、トレンチ内部にも十分に拡散することができ、半導体基板の表面のどの部分にも均一に存在することができるからである。このようなアクセラレーターのとしては、例えば、硫黄(sulfur)を含む有機化合物であることが好ましい。
また、サプレッサーは、アクセラレーターに比べて分子量が大きい方が好ましい。分子量が大きいことにより、アクセラレーターに比べて、トレンチ内部への拡散量が少なくなる。この結果、トレンチ内部において、フィールド上(トレンチ外の層間絶縁膜101上)よりもめっき成長が速くなり、ボイドの発生を抑制することができる。
このようなサプレッサーの好ましい例としては、PEG−PPG(Poly Ethylene Glycol-Poly Propylene Glycol)の共重合体を挙げることができる。
以上のようなアクセラレーター及びサプレッサーが、Cu膜等の導電膜上におけるめっき成長に対する効果を示す。ここで、アクセラレーターは、導電膜の表面に対して略垂直方向に電気的にめっきを成長させる役割を果たす。また、サプレッサーは、Cu膜等の導電膜上に吸着することにより、めっき液中のめっき材料(Cuイオン等)がめっき対象物(導電膜)の表面に拡散するのを物理的に阻害し、めっきの成長を抑制する。
ここで、本実施形態の場合、第1の電界めっき液に含まれる第1のサプレッサーの分子量は、第2の電界めっき液に含まれる第2のサプレッサーの分子量に比べて小さい。また、アクセラレーターについては、第1の電界めっき液及び第2の電界めっき液において同程度の分子量を有することが好ましく、同一のアクセラレーターであっても良い。
このようにすると、第1の電界めっき処理を行なう際(図1(c)の工程)に、図2(a)に示すように、相対的に分子量の小さい第1のサプレッサーS1は、アクセラレーターAと共に、トレンチ102内部にも均一に拡散する。このため、トレンチ102内部及びフィールド上のいずれにおいても均一にめっきの成長が抑制され、トレンチ102内部及びフィールド上(トレンチ102外のバリアメタル膜103上)の表面に沿って、バリアメタル膜103を覆うように、コンフォーマルに成長する。
これに対し、第2の電界めっき処理を行なう際(図1(d))、図2(b)に示すように、第1のサプレッサーよりも分子量が大きい第2のサプレッサーS2は、トレンチ102内部には拡散しにくい。よって、トレンチ102内部ではアクセラレーターAの影響が強くなり、トレンチ102の側面及び底部のそれぞれに略垂直な方向にめっき成長しやすくなる。
以上のようにすることによって、第1の電界めっき処理によりトレンチ102の側壁及び底部に沿ってコンフォーマルな第1の導電膜104を形成し、その後、第2の電界めっき処理によりトレンチ102を不良なく埋め込むように第2の導電膜105を形成することができる。
尚、図1(d)の工程において、トレンチ102の側壁に垂直な方向に比べ、トレンチ102の底部に垂直な方向におけるめっき成長を優先的に行なうようにする。これについて、図5(a)〜(c)を参照して説明する。尚、バリア膜103及び第1の導電膜104の図示は省略している。
図5(a)は、めっきの初期状態を示している。このとき、トレンチ102内にアクセラレーターAは均一に存在するため、トレンチ102内におけるめっき成長の速度は均一である。
ここで、アクセラレーターAは、めっき成長が進行しても第2の導電膜105に取り込まれることはなく、めっき液中に残される。このため、もともとの底部付近に存在していたアクセラレーターAは、めっき成長に伴い、トレンチ102内に残されている空間の底部側の領域に集まることになる。結果として、図5(b)に示すように、トレンチ102内に残されている空間の底部側においてアクセラレーターAの濃度が非常に高くなる。
めっき成長の速度はアクセラレーターAの数に比例すると考えることができるため、底部側におけるめっき成長が速くなる。よって、底部に垂直な方向のめっき成長が、側壁に垂直な方向のめっき成長に比べて速くなる。図5(c)には、底部に垂直なめっき成長が更に進行し、底部側のアクセラレーターAの濃度が更に高くなった様子を示している。
また、第1の導電膜104は、Cu膜であることが好ましい。このため、第1の電界めっき液に含まれるめっき材料としては、硫酸銅溶液(硫酸10g/L、Cu50g/L、塩素50ppm及び純水を含む)を用いることが好ましい。同様に、第2の導電膜105についてもCu膜であることが好ましく、前記の第1の電界めっき液と同様の硫酸銅水溶液を用いることが好ましい。
また、第1の電界めっき処理について条件を例示すると、次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚10〜20nm、ウェハ回転数90rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度2ml/L、サプレッサー分子量500g/mol。
同様に、第2の電界めっき処理について条件を例示すると次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚100nm、ウェハ回転数90rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度2ml/L、サプレッサー分子量10000g/mol。
(第1の変形例)
次に、前記実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法について、図3(a)及び(b)を参照して説明する。本変形例において、図1(c)の第1の電界めっき処理及び図1(d)の第2の電界めっき処理以外の工程については、既に説明した工程と同様であるため、詳しい説明を省略する。以下には、本変形例における第1、第2の電界めっき処理について説明する。
本変形例において、第1の電界めっき液に含まれるサプレッサーの濃度は、第2の電界めっき液に含まれるサプレッサーの濃度に比べて低いようになっている。
このため、第1の電界めっき処理の際、トレンチ102内部とフィールド上とにおけるサプレッサーの濃度の違い(濃度勾配)が小さくなる。このため、トレンチ102内部及びフィールド上において均一にめっきの成長が抑制され、トレンチ102内部及びフィールド上の表面に沿ってコンフォーマルに成長する。
尚、第1の電界めっき液におけるサプレッサーの濃度は、0(ゼロ)であっても良い。この場合、第1の電界めっき液における添加剤はアクセラレーターだけになり、これがトレンチ102内部及びフィールド上において均一に存在することになる。その結果、トレンチ102内部及びフィールド上の表面に沿ってコンフォーマルにめっきが成長する。このような、めっきされる部分を制御することにより、コンフォーマルな第1の導電膜104を形成することができる。この様子を、図3(a)に示している。
これに対し、第2の電界めっき処理を行なう際には、第2の電界めっき液に含まれるサプレッサーの濃度は、第1の電界めっき液に含まれるサプレッサーの濃度に比べて高い。このため、拡散しにくいトレンチ内部と、拡散の影響しないフィールド上とのサプレッサー濃度の差(サプレッサーの濃度勾配)が大きくなる。
この結果、トレンチ102内部へのアクセラレーターの拡散の影響が大きくなり、トレンチ102内部において(側面及び底部にそれぞれ垂直な方向に)めっき成長しやすくなる。この様子を、図3(b)に示している。
以上のようにすることによって、第1の電界めっき処理によりトレンチ102の側壁及び底部に沿ってコンフォーマルな第1の導電膜104を形成し、その後、第2の電界めっき処理によりトレンチ102を不良なく埋め込むように第2の導電膜105を形成することができる。
また、第1の電界めっき処理について条件を例示すると、次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚10〜20nm、ウェハ回転数90rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度0ml/L。
同様に、第2の電界めっき処理について条件を例示すると、次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚100nm、ウェハ回転数90rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度4ml/L、サプレッサー分子量2000g/mol。
いずれも、めっき材料としては、先に説明したのと同様の硫酸銅溶液を用いることができる。
(第2の変形例)
次に、前記実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法について、図4(a)及び(b)を参照して説明する。本変形例において、図1(c)の第1の電界めっき処理及び図1(d)の第2の電界めっき処理以外の工程については、既に説明した工程と同様であるため、詳しい説明を省略する。以下には、本変形例における第1、第2の電界めっき処理について説明する。
本変形例では、第1の電界めっき処理(図4(a)に示す)における半導体基板(ウェハ)の回転数を、第2の電界めっき処理における半導体基板の回転数よりも小さくする。
このようにすると、以下のような理由から、基板表面に対する添加材料(アクセラレーター及びサプレッサー)の供給量が少なくなる。つまり、第1の電界めっき処理の際、回転数が小さくなると基板表面におけるめっき液の流速が遅くなるため、基板表面の拡散層(第1の電界めっき液の添加剤濃度勾配層)が厚くなる。添加剤は濃度勾配によって基板表面に供給されるため、拡散層が厚くなると、基板表面から添加剤が十分に存在するめっき液までの距離が遠くなる。
このようにして添加材料(アクセラレーター及びサプレッサー)の供給量が少なくなると、トレンチ102内部とフィールド上とにおいて、アクセラレーター及びサプレッサーの濃度差は小さくなる。この結果、トレンチ102内部及びフィールド上にいずれも均一にめっき成長することになる。
この一方、第2の電界めっき処理を行なう際(図4(b)に示す)には、第1の電界めっき処理に比べて半導体基板の回転数が大きいため、半導体基板近傍への添加剤の拡散量が大きくなる。その結果、トレンチ102内部のサプレッサーの濃度よりもフィールド上におけるサプレッサーの濃度が高くなる。このことから、トレンチ102内部において、フィールド上よりも優先的にめっき成長させることが可能になる。
また、第1の電界めっき処理について、条件を例示すると、次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚10〜20nm、ウェハ回転数12rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度2ml/L、サプレッサー分子量2000g/mol。
同様に、第2の電界めっき処理について、条件を例示すると次の通りである。つまり、めっき電流4A〜10A、めっき膜厚100nm、ウェハ回転数125rpm、アクセラレーター濃度9ml/L、サプレッサー濃度2ml/L、サプレッサー分子量2000g/mol。
いずれも、めっき材料としては、先に説明したのと同様の硫酸銅溶液を用いればよい。
尚、以上のに説明した実施形態及びその各変形例において、バリアメタル膜103は、Ruターゲットを用いて形成している。しかし、これには限らない。例えば、Ru−Ta合金のようなRuをベースとした合金ターゲットを用いても良い。
また、バリアメタル膜103をPVD法によって形成する例を説明したが、これには限らない。例えば、ALD(Atomic Layer Deposition )法を用いても良い。この場合、プリカーサとしては例えばビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(EtCp))、キャリアガスとしては例えばアルゴン(Ar)を用いることができる。
また、バリアメタル膜103としては、Ruからなる単層のバリアメタルを例示したが、これには限らない。例えば、Ru層の下にTa層を形成したRu/Ta等の積層構造を有するバリア膜であっても良い。
また、第1の導電膜104については、いずれも電界めっき法によって成膜した。これは、以上に説明した例の場合には、良好な結果を得られる成膜方法である。これに対し、例えばPVD法を用いると、オーバーハングが形成されてトレンチの開口が狭くなり、埋め込みには不利になる場合がある。また、CVD法、無電解めっき法等の場合、密着性等の導電膜の特性が悪くなり、その後の第2の導電膜の成長が不十分になる、信頼性が劣化する等の懸念がある。このため、第1の導電膜104の形成には電界めっき法を用いるのが良い。
また、第1の導電膜104の膜厚について、フィールド上において10nm以上で且つ20nm以下と説明した。このようにすると、第2の導電膜105を十分に成長することができ、好ましい。しかしながら、この範囲に特に限定されるものではない。
また、めっき液に含まれる添加材料として、アクセラレーター及びサプレッサーを説明した。これに加えて、例えば窒素含有の(N系)有機化合物であるレベラー(Leveler )を更に用いても良い。レベラーは、サプレッサーと同様にめっき成長を抑制する作用があり、主に、埋め込み後に発生するオーバーフィルを抑制する目的をもって添加される。
また、以上では、トレンチに導電膜を埋め込んで配線を形成する場合を説明した。しかしながら、この他に、凹部としてビアホールを形成し、個々に導電膜を埋め込んでビアプラグを形成する場合に適用することもできる。更に、デュアルダマシン構造に適用することも可能である。
本開示の半導体装置の製造方法は、高い信頼性を実現するため、微細化且つ集積化されたLSI(Large Scale Integration)等、特に、ダマシン法により形成された配線を有する半導体装置を製造する際において有用である。
100 半導体装置
101 層間絶縁膜
102 トレンチ
103 バリアメタル膜
104 第1の導電膜
105 第2の導電膜
106 配線

Claims (14)

  1. 半導体基板上の絶縁膜に凹部を形成する工程(a)と、
    前記凹部の側壁及び底部を覆うようにバリアメタル膜を形成する工程(b)と、
    第1の電界めっき処理により、前記バリアメタル膜の表面に沿ってコンフォーマルな第1の導電膜を形成する工程(c)と、
    前記工程(c)の後に、第2の電界めっき処理により、前記凹部内に第2の導電膜を形成する工程(d)とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(d)における前記第2の導電膜の形成は、前記凹部の側壁に垂直な方向のめっき成長よりも、前記凹部の底部に垂直な方向のめっき成長が優先される条件にて行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記工程(d)における前記第2の導電膜の形成は、前記凹部外におけるめっき成長よりも、前記凹部内におけるめっき成長が優先される条件にて行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    前記第1の電界めっき処理によるめっき成長は、前記第2の電界めっき処理によるめっき成長に比べ、抑制されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
    前記第1の電界めっき処理に用いる第1の電界めっき液は、前記第1の導電膜の成長を抑制する第1の添加材料を含み、
    前記第2の電界めっき処理に用いる第2の電界めっき液は、前記第2の導電膜の成長を抑制する第2の添加材料を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記第1の添加材料の分子量は、前記第2の添加材料の分子量よりも小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5又は6において、
    前記第1の電界めっき液における前記第1の添加材料の濃度は、前記第2の電界めっき液における前記第2の添加材料の濃度よりも小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか一つにおいて、
    前記工程(c)及び前記工程(d)は、前記半導体基板を回転させながら行なわれ、
    前記工程(c)における前記基板の回転は、前記工程(d)における前記基板の回転よりも遅いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    前記第2の電界めっき処理に用いる第2の電界めっき液は、前記第2の導電膜の成長を抑制する第2の添加材料を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つにおいて、
    前記バリアメタル膜は、Ruの単層膜であるか、又は、Ta膜及びRu膜の積層膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つにおいて、
    前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜は、いずれもCu膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一つにおいて、
    前記凹部の幅は、50nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一つにおいて、
    前記凹部は、トレンチ及びビアホールの少なくとも一方であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一つにおいて、
    前記凹部は、トレンチ及び前記トレンチに連通するビアホールを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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