JP2011082092A - パターン状透明導電材料、表示素子及び太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡略プロセスによりパターニングされた透明導電膜を形成可能であり、高透明性、下地との密着性等に優れ、かつ高い導電性をも兼ね備えるパターン状透明導電材料、このパターン状透明導電材料を用いた表示素子、太陽電池の提供。
【解決手段】パターン状透明導電材料は、透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、前記透明導電層に導電性繊維が配置されているである。
【選択図】なし
【解決手段】パターン状透明導電材料は、透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、前記透明導電層に導電性繊維が配置されているである。
【選択図】なし
Description
本発明は、パターニングされたパターン状透明導電材料、並びにこれを用いた表示素子及び太陽電池に関する。
近年、様々な製造方法による導電性フィルムが検討されている。この中で、ハロゲン化銀乳剤を塗布し、導電性のための銀の導電部と、透明性の確保のための開口部からなるようにパターン露光して、導電性フィルムとして製造される銀塩方式導電性フィルムがある。また、フィルム全面に電力を供給するために、酸化インジウム錫(ITO)などの金属酸化物を併用する方法が提案されている。しかしながら、このような導電性フィルムでは、一般に蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空成膜法によって形成されるため、高コストであるという問題があった。
このような問題に鑑み、製造コストを下げるためにITO微粒子を塗布する方法が提案されているが、抵抗を低くするために導電性を有する微粒子を多量に塗布することが必要であり、また、透過率の低下など、本質的な課題解決には至っていないという問題があった。
さらに近年、銀のナノワイヤを用いた透明導電膜の検討も報告されており(特許文献2参照)、透明性、抵抗、使用金属量の低減の面では優れているが、有機溶剤を用いた高温中での合成が一般的であり、製造スケールでのコスト高や、有機溶剤を用いるという環境面からの要請に応えられていないという問題があった。また、導電性を有する材料の使用量が少ないため、電流駆動式の素子に展開するとエレクトロマイグレーションが発生してしまうという問題があった。
一方、パターニングされた透明導電膜は表示素子、太陽電池用電極などの多くの部分で使用されている。一般に、パターニングされた透明導電膜は、要求される特性、主に導電性、透明性、パターニング特性などから、ITO、酸化亜鉛を蒸着やスパッタなどのドライプロセスにより形成し、その後、プラズマなどのドライエッチング、又はポジ型/ネガ型レジストを併用し、透明導電パターンを作製するという製造方法が採用されている。しかし、この製造方法においては、透明導電パターン形成のため、レジスト塗布とその現像、導電材料のエッチングなど、多数の工程、及び真空を必要とする大掛かりな設備、多段階の薬液処理が不可欠であるという問題があり、最終性能の更なる向上のみならず、昨今の環境・エネルギーの観点からもプロセス簡略化が必要であるという問題がある。
このようなプロセスの簡略化の観点で、光触媒を利用したリソグラフィー法が近年報告され(特許文献2参照)、有機物のパターニングを試みた例が示されているが、導電材料への適用と、それを用いた表示素子、太陽電池などについては試みられていないという問題があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、簡略プロセスによりパターニングされた透明導電膜を形成可能であり、高透明性、下地との密着性等に優れ、かつ高い導電性をも兼ね備えるパターン状透明導電材料、このパターン状透明導電材料を用いた表示素子、太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、透明導電層を有するパターン状のパターン状透明導電材料であって、前記透明導電層が、光触媒反応によりその表面がパターン状に改質された支持体上に形成され、前記透明導電層に導電性繊維を含有させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。即ち、
<1> 透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、
前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、
前記透明導電層に導電性繊維が配置されているパターン状透明導電材料である。
<2> 導電性繊維の材料が、金属又はカーボンである前記<1>に記載のパターン状透明導電材料である。
<3> 導電性繊維が、径8nm〜50nmで、長さが1μm〜40μmの銀ナノワイヤである前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
<4> 導電性繊維の塗布量が、0.005〜0.5g/m2である前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有する表示素子である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有する太陽電池である。
<7> 支持体上に 透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、
前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、
前記透明導電層に導電性繊維が配置されている前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
<1> 透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、
前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、
前記透明導電層に導電性繊維が配置されているパターン状透明導電材料である。
<2> 導電性繊維の材料が、金属又はカーボンである前記<1>に記載のパターン状透明導電材料である。
<3> 導電性繊維が、径8nm〜50nmで、長さが1μm〜40μmの銀ナノワイヤである前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
<4> 導電性繊維の塗布量が、0.005〜0.5g/m2である前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有する表示素子である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有する太陽電池である。
<7> 支持体上に 透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、
前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、
前記透明導電層に導電性繊維が配置されている前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン状透明導電材料である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、簡略プロセスによりパターニングされた透明導電膜を形成可能であり、高透明性、下地との密着性等に優れ、かつ高い導電性をも兼ね備えるパターン状透明導電材料、このパターン状透明導電材料を用いた表示素子、太陽電池を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(パターン状透明導電材料)
パターン状透明導電材料は、透明導電層を有し、必要に応じてその他の部材を有する。
パターン状透明導電材料は、透明導電層を有し、必要に応じてその他の部材を有する。
<透明導電層>
透明導電層は、後述の光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、このパターンに後述の導電性繊維が配置されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。また、透明導電層は、必要に応じてその他の成分を有する。
透明導電層は、後述の光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、このパターンに後述の導電性繊維が配置されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。また、透明導電層は、必要に応じてその他の成分を有する。
[光触媒反応]
本発明において、光触媒反応としては、後述の支持体の表面の性質(例えば、疎水性)を改質するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、X線、紫外線あるいは可視光の照射により活性酸素などの活性種を発生して、透明導電層の表面の性質を改質するものであってもよい。
本発明において、光触媒反応としては、後述の支持体の表面の性質(例えば、疎水性)を改質するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、X線、紫外線あるいは可視光の照射により活性酸素などの活性種を発生して、透明導電層の表面の性質を改質するものであってもよい。
−光触媒−
このような光触媒反応に用いる光触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ビスマス、硫化カドミウム、酸化銅、酸化タンタル、酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、炭化珪素などが挙げられる。これらの触媒の一部を、窒素、硫黄、炭素などの適当な原子で置換したものであってもよい。なかでも、光触媒活性の点で、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンの酸素の少なくとも一部を窒素に置換したチタン系光触媒が好ましい。光触媒として酸化チタンやチタン酸ストロンチウムを用いた場合は紫外線又はそれより短波長の光を照射して活性種を発生させることができ、酸化チタンの酸素の少なくとも一部を窒素に置換したものを光触媒として用いた場合は可視光又はそれより短波長の光を照射して活性種を発生させることができる。紫外線で活性種を発生する光触媒を用いた場合は、明るい場所で操作することができるという特徴を有し、可視光で活性種を発生する光触媒を用いた場合は光源の入手が容易であるという特徴を有する。
このような光触媒反応に用いる光触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ビスマス、硫化カドミウム、酸化銅、酸化タンタル、酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、炭化珪素などが挙げられる。これらの触媒の一部を、窒素、硫黄、炭素などの適当な原子で置換したものであってもよい。なかでも、光触媒活性の点で、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンの酸素の少なくとも一部を窒素に置換したチタン系光触媒が好ましい。光触媒として酸化チタンやチタン酸ストロンチウムを用いた場合は紫外線又はそれより短波長の光を照射して活性種を発生させることができ、酸化チタンの酸素の少なくとも一部を窒素に置換したものを光触媒として用いた場合は可視光又はそれより短波長の光を照射して活性種を発生させることができる。紫外線で活性種を発生する光触媒を用いた場合は、明るい場所で操作することができるという特徴を有し、可視光で活性種を発生する光触媒を用いた場合は光源の入手が容易であるという特徴を有する。
光触媒反応において、光触媒を使用する態様としては、上記のX線等の照射源が照射され得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、これらの照射源に対して透明である支持体(透明支持体ともいう。)の一方の面に光触媒を形成する態様が挙げられる。透明支持体の一方の面に光触媒を形成する方法としては、例えば、光触媒粉体を水又は揮発性有機溶媒に分散させ、これを透明支持体上に塗布、乾燥する方法、又はゾルゲル法などにより、金属アルコキシドの加水分解液を作製、塗布を行い、それを焼成し結晶化する方法であってもよい。透明支持体上に形成する光触媒の厚さとしては、照射源の照射効率を考慮して適宜選択すればよく、例えば、0.01〜1μmであることが好ましい。0.01μm未満であれば活性種の発生量が低く反応が長時間に及ぶ場合があり、1μmよりも大きな場合は光が十分に光触媒層全面に行き渡らせることが困難となり、結果的に照射光に対する反応効率を落としてしまう場合がある。
[パターン形成方法]
本発明において、上記の光触媒反応を用いて支持体の表面を改質してパターンを形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、光触媒を有する透明支持体と、被処理物(例えば、透明導電層)とを、光触媒と被処理物とが対峙するように配置して、透明支持体の反光触媒側から所定の照射源を照射する方法が挙げられる。このような態様を説明したのが、図1〜3である。
本発明において、上記の光触媒反応を用いて支持体の表面を改質してパターンを形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、光触媒を有する透明支持体と、被処理物(例えば、透明導電層)とを、光触媒と被処理物とが対峙するように配置して、透明支持体の反光触媒側から所定の照射源を照射する方法が挙げられる。このような態様を説明したのが、図1〜3である。
−パターン形成方法の一態様〜その1〜−
図1〜3は、本発明におけるパターン形成の一態様を示す図である。図1は、その一例として板状の透明支持体1の光触媒層2とは反対側(他方)の面の所定のパターン以外の部分をマスキングしてマスク3を設け、マスク3側から紫外線又は可視光などの照射源4を照射する方法を示したものである。即ち、光触媒反応としては、図1に示すように、まず、透明支持体1の表面に設けたマスク3を介して、紫外線や可視光などの照射源4を照射して、光触媒層2において、光触媒反応を惹起する。光触媒層2における光触媒反応で発生する活性種5は、透明支持体1の光触媒層2と被処理物6(例えば、透明導電層)との間に設けられた光触媒層と被処理物の間の空間7を伝播し、所望する被処理物表面の改質部分8に到達し、この部分の性質を改質する。光は、例えばレンズ等を用いれば所定の位置に結像させることができるという特性があり、この特性を用いて、透明支持体の一方の面に所定のパターン形状を結像させると、マスクを用いることなく所定のパターン状に加工できる。この図1に示す態様にすると、紫外線又は可視光などの照射源4が当たった光触媒層2で生成した活性種5が光触媒層2と被処理物6の間の空間7に拡散して被処理物6の表面に到達して、被処理物6の表面を改質することができる。符号8は、被処理物表面の改質部分を示す。この方法によれば、1つ所定のパターンのマスクを設けた光触媒つき透明支持体を作成すると、被処理物を取り替えるだけで同じパターンの加工された被処理物を多数得ることができる。
図1〜3は、本発明におけるパターン形成の一態様を示す図である。図1は、その一例として板状の透明支持体1の光触媒層2とは反対側(他方)の面の所定のパターン以外の部分をマスキングしてマスク3を設け、マスク3側から紫外線又は可視光などの照射源4を照射する方法を示したものである。即ち、光触媒反応としては、図1に示すように、まず、透明支持体1の表面に設けたマスク3を介して、紫外線や可視光などの照射源4を照射して、光触媒層2において、光触媒反応を惹起する。光触媒層2における光触媒反応で発生する活性種5は、透明支持体1の光触媒層2と被処理物6(例えば、透明導電層)との間に設けられた光触媒層と被処理物の間の空間7を伝播し、所望する被処理物表面の改質部分8に到達し、この部分の性質を改質する。光は、例えばレンズ等を用いれば所定の位置に結像させることができるという特性があり、この特性を用いて、透明支持体の一方の面に所定のパターン形状を結像させると、マスクを用いることなく所定のパターン状に加工できる。この図1に示す態様にすると、紫外線又は可視光などの照射源4が当たった光触媒層2で生成した活性種5が光触媒層2と被処理物6の間の空間7に拡散して被処理物6の表面に到達して、被処理物6の表面を改質することができる。符号8は、被処理物表面の改質部分を示す。この方法によれば、1つ所定のパターンのマスクを設けた光触媒つき透明支持体を作成すると、被処理物を取り替えるだけで同じパターンの加工された被処理物を多数得ることができる。
また、光触媒反応としては、図2に示すように、透明支持体1上にパターン状に形成された光触媒層2を用いて行われてもよい。このような態様であると、全面に紫外線又は可視光などの照射源4を照射すると、透明支持体1上の光触媒層2が存在する部分にのみ活性酸素などの活性種5が発生するため、所定のパターンで被処理物6の表面を改質することができる。
また、光触媒反応としては、図3に示すように、板状の透明支持体1として所定のパターン形状の板を用い、この板の一方の面に光触媒層2が設けられたものを用いる方法によっても所定のパターンで被処理物6の表面を加工できる。
本発明において、被処理物の表面を改質する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、エッチング、変性が挙げられる。改質の方法としてのエッチングする加工例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、固体表面にプラスチック系有機材料薄膜を形成し、その有機薄膜表面を所定パターンを描くように紫外線又は可視光などの照射源を照射して、照射部分のみを分解除去する例が挙げられる。また、表面変性例としては、疎水性有機材料からなる被処理物の表面を活性酸素で酸化することにより親水性官能基を導入して、所定パターンの部分のみを親水性表面にすることができる。また、シリコン基板に適用して、所定パターン部分を酸化して絶縁性にすることができる。また、被処理物表面に色素を含有ポリマー薄膜を塗布したものに本発明における光触媒反応を適用すると、所定パターン状に脱色してパターンを顕示化することができる。
本発明における光触媒反応において、光触媒層と被処理物の間の空間としては、光触媒反応を行い得る範囲であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、3mm以下であってもよく、好ましくは、2mm以下であることが好ましい。この間隔は狭い方が加工精度、加工速度、加工効率が向上するが、空間が狭すぎると活性酸素供給源である酸素が欠乏し、加工が不充分になる場合がある。この間隔が3mmを越えると、光触媒層で発生した活性酸素などの活性種が被処理物まで拡散到達する確率が大幅に低くなり加工が不充分となる。間隔が5μm未満になると活性種供給源である酸素が光触媒層近傍に少なくなり、充分な加工ができなくなる。この間隔の維持は、例えば所定の厚みのスペーサーを介して支持体と被処理物を向かい合わせることで達成できる。なお、光触媒面も、被処理物面も完全には平滑でないため、特に密着させるような処理をしなければ、見かけ上接触した状態であっても光触媒層と被処理物の間に酸素が供給されるので、あえてスペーサーを用いなくてよい場合もある。
光触媒反応に用いる照射源としては、光触媒反応を惹起し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、X線、紫外線、可視光が挙げられる。なかでも、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ブラックライト、紫外線レーザーが挙げられる。可視光、紫外線の強度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、単位面積あたりの照射光量、照射時間も目的とするエッチング、変性の種類、処理の程度などの所望する改質の程度に応じて適宜選択できる。
−パターン形成方法の一態様〜その2〜−
本発明における光触媒反応としては、上記の他、図4に示すような光ファイバーを用いて行う態様であってもよい。図4は、光ファイバを用いた処理例を示す図である。この態様において、光ファイバ9としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、石英製、ガラス製、プラスチック製の光ファイバが挙げられる。光ファイバの径としては、加工目的、加工精度に応じて適宜選択することができる。この態様において、光ファイバ9の一方の先端に、光触媒層2を設けるが、この光触媒は上記の図1〜3で言及したものと同様の光触媒を用いればよい。光ファイバ先端の光触媒層2を被処理物6に対峙させるときの間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、上記と同様であってもよい。この間隔の保持は、例えば、被処理物を平らな平面上に置き、この平面に平行に前後左右に移動可能な枠(図示せず)に所定の高さで光ファイバの鞘の部分で光ファイバが垂直になるように固定し、被処理物と光ファイバの先端の光触媒面とが所定の間隔になるように光ファイバの位置を調節する方法を示すことができる。
本発明における光触媒反応としては、上記の他、図4に示すような光ファイバーを用いて行う態様であってもよい。図4は、光ファイバを用いた処理例を示す図である。この態様において、光ファイバ9としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、石英製、ガラス製、プラスチック製の光ファイバが挙げられる。光ファイバの径としては、加工目的、加工精度に応じて適宜選択することができる。この態様において、光ファイバ9の一方の先端に、光触媒層2を設けるが、この光触媒は上記の図1〜3で言及したものと同様の光触媒を用いればよい。光ファイバ先端の光触媒層2を被処理物6に対峙させるときの間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、上記と同様であってもよい。この間隔の保持は、例えば、被処理物を平らな平面上に置き、この平面に平行に前後左右に移動可能な枠(図示せず)に所定の高さで光ファイバの鞘の部分で光ファイバが垂直になるように固定し、被処理物と光ファイバの先端の光触媒面とが所定の間隔になるように光ファイバの位置を調節する方法を示すことができる。
所定のパターンの形成は、複数本の光ファイバを所定のパターンとなるように形成したものを用いてもよく、所定のパターンを描くように光ファイバを固定した枠を前後左右に動かしてもよく、この両方を用いてもよい。光ファイバを所定のパターンとなるように形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、光触媒付きの光ファイバのみを所定のパターンとなるように枠に取り付けてもよく、光触媒の付いていない光ファイバ、光が透過しないファイバ、あるいはスペーサーと共に光触媒付き光ファイバを束ねて、光触媒付き光ファイバが所定のパターンとなるようにしてもよい。また束ねたファイバのうち一部のファイバのみに光を透過させることにより所定のパターンを形成させる方法であってもよい。光ファイバの一方の先端に設けた光触媒層を所定の間隔で被処理物に対峙させ、所定のパターン状に光ファイバの他方の端から紫外線又は可視光などの照射源4を入光させると、光触媒層2から活性種5が拡散して被処理物6の表面にあたり、そこが所定のパターン状にエッチング又は変性される。符号8は、被処理物表面の改質部分を示す。
また、複数本を同一の枠の異なる位置に固定して、枠を所定のパターンを描くように移動させると光ファイバ9は平行に移動して、所定の間隔を維持した同型の複数のパターンが形成される。また、移動と共に紫外線又は可視光などの照射源のオンオフを繰り返せば、ドット状あるいは破線状のパターンも形成できる。
−導電性繊維−
前記導電性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、極細炭素繊維、金属ナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属酸化物ナノチューブ、金属酸化物ナノワイヤなどが挙げられる。導電性繊維の中でも、透明性と導電性との両立を図ることができる点で、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブが好ましく、金属ナノワイヤがより好ましい。
前記導電性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、極細炭素繊維、金属ナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属酸化物ナノチューブ、金属酸化物ナノワイヤなどが挙げられる。導電性繊維の中でも、透明性と導電性との両立を図ることができる点で、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブが好ましく、金属ナノワイヤがより好ましい。
透明導電層の塗布量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、透明性と導電性の両立の点で、導電性繊維の塗布量が、0.005〜0.5g/m2であることが好ましい。この塗布量が、0.005g/m2未満であると、導電性繊維同士のネットワークが不十分となり導電性が発現せず、0.5g/m2を超えると、透明性が実用的に不十分となり、透明導電性フィルムとして不適となる傾向があり、また、導電性繊維の塗布工程において均一に分散させることが難しく、製造不良が増加する傾向がある。
−−極細炭素繊維−−
前記極細炭素繊維としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノワイヤ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどが挙げられる。なかでも、透過率、導電性の点で、カーボンナノチューブが好ましい。
前記極細炭素繊維としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノワイヤ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどが挙げられる。なかでも、透過率、導電性の点で、カーボンナノチューブが好ましい。
−−−カーボンナノチューブ−−−
前記カーボンナノチューブとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、径が1nm〜1,000nm、長さが0.1μm〜1,000μm、アスペクト比が100〜10,000の細長い炭素からなるチューブ状の炭素であってもよい。径が、1nm未満であると、安定性、大量製造の困難さがあり、1,000nmを超えると、透明性、導電性の両立の観点で問題がある。また、長さが、0.1μm未満であると、導電ネットワーク形成のための塗布量が大きくなり、透過率の減少を引き起こし、1,000μmを超えると、長時間塗布時において液滞留部での凝集物発生による塗布故障が起こる。
前記カーボンナノチューブとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、径が1nm〜1,000nm、長さが0.1μm〜1,000μm、アスペクト比が100〜10,000の細長い炭素からなるチューブ状の炭素であってもよい。径が、1nm未満であると、安定性、大量製造の困難さがあり、1,000nmを超えると、透明性、導電性の両立の観点で問題がある。また、長さが、0.1μm未満であると、導電ネットワーク形成のための塗布量が大きくなり、透過率の減少を引き起こし、1,000μmを超えると、長時間塗布時において液滞留部での凝集物発生による塗布故障が起こる。
前記カーボンナノチューブの作製方法としては、アーク放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法、プラズマCVD法などが知られている。前記アーク放電法及びレーザー蒸発法により得られるカーボンナノチューブには、グラフェンシートが一層のみの単層カーボンナノチューブ(SWNT:Single Wall Nanotube)と、複数のグラフェンシートからなる多層カーボンナノチューブ(MWNT:Multi Wall Nanotube)とが存在する。熱CVD法及びプラズマCVD法では、主としてMWNTが作製できる。前記SWNTは、炭素原子同士がSP2結合と呼ばれる最も強い結合により6角形状につながったグラフェンシート一枚が筒状に巻かれた構造を有する。
前記カーボンナノチューブ(SWNT、MWNT)は、グラフェンシート1枚〜数枚を筒状に丸めた構造を有する直径0.4nm〜10nm、長さ0.1μm〜数100μmのチューブ状物質である。グラフェンシートをどの方向に丸めるかによって、金属になったり半導体になったりするというユニークな性質を有する。
−−金属ナノチューブ、金属酸化物ナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属酸化物ナノワイヤ−−
前記金属ナノワイヤ及び金属酸化物ナノワイヤとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、金属元素単体、ITOや酸化亜鉛、酸化スズのような金属酸化物、複数金属元素からなるコアシェル構造、アロイ、鍍金された金属ナノワイヤなどが好適に挙げられる。
前記金属ナノワイヤ及び金属酸化物ナノワイヤとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、金属元素単体、ITOや酸化亜鉛、酸化スズのような金属酸化物、複数金属元素からなるコアシェル構造、アロイ、鍍金された金属ナノワイヤなどが好適に挙げられる。
前記金属ナノチューブ及び金属ナノワイヤにおける金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、ニッケル、シリコンなどが挙げられる。これらは、1種単独であっても、2種以上を併用してもよい。なかでも、導電性を向上させる点で、銀単独、又は銀と他の金属との混合物からなるものであることが好ましい。
金属酸化物ナノチューブ及び金属酸化物ナノワイヤにおける金属酸化物としては、ITO、酸化亜鉛、酸化スズ、さらにそれらの化合物へ導電性向上の目的で不純物をドーピングされたものが挙げられる。
前記金属ナノワイヤ及び金属酸化物ナノワイヤの直径(径)としては、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。なかでも、径が8nm〜50nmであることが特により好ましい。前記直径が300nmを超えると、金属ナノワイヤに起因する光散乱が生じるためか、十分な透明性を得ることができないことがある。直径が小さすぎると耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあるため、直径は5nm以上であるのが好ましい。
前記金属ナノワイヤ及び金属酸化物ナノワイヤの長さ(長軸長)としては、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が特に好ましい。金属ナノワイヤの長軸の長さが長すぎると金属ナノワイヤ製造時に絡まるためか、製造過程で凝集物が生じてしまうことがあるため、前記長軸の長さは1mm以下であるのが好ましく、500μm以下がより好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。前記長軸長さが、1μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しいためか、十分な導電性を得ることができないことがある。
ここで、前記ナノワイヤの径及び長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)と光学顕微鏡を用い、TEM像や光学顕微鏡像を観察することにより求めることができる。上記ナノワイヤの径及び長さは、統計的に意味のある個数(例えば、600個以上)の粒子を計測し、その平均値として求めることができる。
前記ナノワイヤは、電子デバイスへ組み込んだときの信頼性の観点で、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲン化物イオン等の無機イオンを含まないことが好ましい。前記金属ナノワイヤを水に分散させたときの電気伝導度としては、1mS/cm以下が好ましく、0.1mS/cm以下がより好ましく、0.05mS/cm以下が特に好ましい。前記金属ナノワイヤを水に分散させたときの20℃における粘度としては、0.5mPa・s〜100mPa・sが好ましく、1mPa・s〜50mPa・sがより好ましい。
[ナノワイヤの製造方法]
前記ナノワイヤの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、ワイヤ生成比率と分散性の点で、以下のようにハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子と分散剤を溶解した溶媒中でナノワイヤの原料となる金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。
前記ナノワイヤの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、ワイヤ生成比率と分散性の点で、以下のようにハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子と分散剤を溶解した溶媒中でナノワイヤの原料となる金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。
−ハロゲン化合物及びハロゲン化金属微粒子−
金属ナノワイヤの製造に用いるハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子しては、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲンを有する化合物又はハロゲンを有する金属微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子を金属ナノワイヤの製造に用いることで、ナノワイヤ生成比率が高くなり、また分散安定性も良好となる。
金属ナノワイヤの製造に用いるハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子しては、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲンを有する化合物又はハロゲンを有する金属微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子を金属ナノワイヤの製造に用いることで、ナノワイヤ生成比率が高くなり、また分散安定性も良好となる。
ハロゲン化合物としては、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリハライドが好ましい。ハロゲン化合物の種類によっては、アルキル4級アンモニウムのハライドなど、後述の分散剤として機能するものがあり得るが、同様に好ましく用いることができる。
ハロゲン化金属微粒子としては、例えば、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀などのハロゲン化銀微粒子が挙げられ、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子と後述の分散剤とは同一物質で併用してもよい。ハロゲン化合物と分散剤を併用した化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオンを含むHTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)、アミノ基と塩化物イオンを含むHTAC(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムクロライド)が挙げられ、これらのアルキル鎖及び、ハロゲン種の異なるものを併用してもよい。
ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子の添加タイミングは、後述の分散剤の添加前でも添加後でもよく、還元剤の添加前でも添加後でもよい。ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子と後述の分散剤の添加のタイミングは、後述の還元剤の添加前でも添加後でもよく、金属ナノワイヤの原料となる金属イオン又はハロゲン化金属微粒子の添加前でも添加後でもよいが、単分散性のよりよい金属ナノワイヤを得るためには、粒子の核形成と成長を制御できるためか、ハロゲン化合物の添加を2段階以上に分けることが好ましい。
−分散剤−
金属ナノワイヤの製造に用いる分散剤としては、金属ナノワイヤを金属ナノワイヤの製造に用いる溶媒中に分散させ得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、などが挙げられる。
金属ナノワイヤの製造に用いる分散剤としては、金属ナノワイヤを金属ナノワイヤの製造に用いる溶媒中に分散させ得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、などが挙げられる。
前記高分子類としては、例えば保護コロイド性のあるポリマーでゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、などが挙げられる。
前記分散剤として使用可能な成分の構造については、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照でき、使用する分散剤の種類によって得られる金属ナノワイヤの形状を変化させることができる。
前記分散剤を添加する段階としては、粒子調製する前に添加し、後述のポリマーなどの分散剤の存在下で添加してもよいし、粒子調製後に分散状態の制御のために添加しても構わない。分散剤の添加を2段階以上に分けるときには、その量は必要とする金属ワイヤの長さにより変更すればよい。これは核となる金属粒子量の制御による金属ワイヤの長さに起因しているためと考えられる。
−溶媒−
前記の還元を行って金属ナノワイヤを製造する方法に用いる溶媒としては、後工程の脱塩、濃縮の簡便さの点で、親水性溶媒が好ましく、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類、などが挙げられる。
前記の還元を行って金属ナノワイヤを製造する方法に用いる溶媒としては、後工程の脱塩、濃縮の簡便さの点で、親水性溶媒が好ましく、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類、などが挙げられる。
−還元−
金属ナノワイヤを製造するための上記の還元の方法としては、金属ナノワイヤとなる金属イオンを還元し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、後述する還元剤を溶媒に溶解させ加熱して還元する方法が挙げられる。
金属ナノワイヤを製造するための上記の還元の方法としては、金属ナノワイヤとなる金属イオンを還元し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、後述する還元剤を溶媒に溶解させ加熱して還元する方法が挙げられる。
加熱温度は、250℃以下が好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、30℃以上180℃以下が特に好ましく、40℃以上170℃以下が特により好ましい。必要であれば、金属粒子形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更は粒子の核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果があることがある。
前記加熱温度が250℃を超えると、金属ナノワイヤの断面の角が急峻になるためか、塗布膜評価での透過率が低くなることがある。また、前記加熱温度が低くなる程、粒子の核形成確率が下がり金属ナノワイヤが長くなりすぎるためか、金属ナノワイヤが絡みやすく、分散安定性が悪くなることがある。この傾向は20℃以下で顕著となる。
−−還元剤−−
金属ナノワイヤを製造するための上記の還元の方法には、金属イオンの還元反応を促進し得ることから、還元剤を添加して行うことが好ましい。前記加熱を行う場合であっても、還元剤を添加してもよい。還元剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミン;プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等のヘテロ環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、糖アルコール類(ソルビトール等)などが挙げられる。これらのなかでも、還元速度のコントロールのしやすさの点で、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
金属ナノワイヤを製造するための上記の還元の方法には、金属イオンの還元反応を促進し得ることから、還元剤を添加して行うことが好ましい。前記加熱を行う場合であっても、還元剤を添加してもよい。還元剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミン;プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等のヘテロ環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、糖アルコール類(ソルビトール等)などが挙げられる。これらのなかでも、還元速度のコントロールのしやすさの点で、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
前記還元剤の種類によっては、機能として分散剤、溶媒としても働く場合があり、同様に好ましく用いることができる。このような例としては、エチレングリコールが挙げられる。
前記還元剤の添加のタイミングは、分散剤の添加前でも添加後でもよく、ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子の添加前でも添加後でもよい。
−その他の処理−
金属ナノワイヤの製造方法において、前記溶媒中で前記金属ナノワイヤが分散した液には、その後、任意の処理を行ってもよく、例えば、脱塩処理、濃縮処理が挙げられる。脱塩処理としては、金属ナノワイヤを形成した後、限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離などの手法により行うことができる。
金属ナノワイヤの製造方法において、前記溶媒中で前記金属ナノワイヤが分散した液には、その後、任意の処理を行ってもよく、例えば、脱塩処理、濃縮処理が挙げられる。脱塩処理としては、金属ナノワイヤを形成した後、限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離などの手法により行うことができる。
−その他の成分−
透明導電層に含まれてもよいその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、透明導電層を後述の支持体に密着させる目的で添加されるバインダー、塗布均一性を向上させる目的で添加される界面活性剤、増粘剤などが挙げられる。
透明導電層に含まれてもよいその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、透明導電層を後述の支持体に密着させる目的で添加されるバインダー、塗布均一性を向上させる目的で添加される界面活性剤、増粘剤などが挙げられる。
−−バインダー−−
上記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、ゼラチン、カラギナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
上記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、ゼラチン、カラギナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
透明導電層におけるバインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。
透明導電層がバインダーを有する場合、透明導電層における導電性繊維の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、前記バインダー100質量部に対して1質量部〜1,000質量部が好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、導電性が著しく低下することがあり、1,000質量部を超えると、前記導電層の膜強度、特に密着などの機械的特性が低くなることがある。
なお、バインダー塗布量を少なくする場合、ダイコーター、スリットコーターなどの塗布方法とすることで導電性繊維の塗布ムラを抑制することができる。
<その他の部材>
<<支持体>>
本発明によるパターン状透明導電材料は、パターン状透明導電材料の剛性を向上させる目的で、支持体を有してもよい。支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、及びガラス板などを挙げることができる。なかでも、支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点:258℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(融点:269℃)、ポリエチレン(PE)(融点:135℃)、ポリプロピレン(PP)(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やトリアセチルセルロース(TAC)(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルム、又はプラスチック板が好ましく、透光性電磁波遮蔽膜用には光透過性や加工性などの観点から、PETが特に好ましい。本発明によるパターン状透明導電材料は、透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが好ましい。
<<支持体>>
本発明によるパターン状透明導電材料は、パターン状透明導電材料の剛性を向上させる目的で、支持体を有してもよい。支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、及びガラス板などを挙げることができる。なかでも、支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点:258℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(融点:269℃)、ポリエチレン(PE)(融点:135℃)、ポリプロピレン(PP)(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やトリアセチルセルロース(TAC)(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルム、又はプラスチック板が好ましく、透光性電磁波遮蔽膜用には光透過性や加工性などの観点から、PETが特に好ましい。本発明によるパターン状透明導電材料は、透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが好ましい。
上記支持体の全可視光透過率は、70%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。また、本発明では、支持体として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
(本発明による表示素子)
本発明による表示素子は、上記の本発明によるパターン状透明導電材料を有し、その他必要に応じてその他の部材を有する。
本発明による表示素子は、上記の本発明によるパターン状透明導電材料を有し、その他必要に応じてその他の部材を有する。
本発明による表示素子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、液晶表示素子、無機又は有機のEL素子、TFT基板、タッチパネルが挙げられる。例えば、表示素子としての液晶表示素子では、基板上にパターニングされた本発明によるパターン状透明導電材料が設けられた素子基板と、対向基板であるカラーフィルター基板とを、位置を合わせて圧着後、熱処理して組み合わせ、液晶を注入し、注入口を封止することによって製作されてもよい。このとき、カラーフィルター上に形成される透明導電膜も、本発明によるパターン状透明導電材料を用いて形成されてもよい。また、前記素子基板上に液晶を散布した後、基板を重ね合わせ、液晶が漏れないように密封して液晶表示素子が製作されてもよい。
このようにして、本発明によるパターン状透明導電材料を用いて形成された、優れた透明性を有する導電膜を液晶表示素子などの表示素子として用いることができる。
なお、本発明による表示素子の一例としての液晶表示素子に用いられる液晶、即ち液晶化合物及び液晶組成物については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、公知の液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
(太陽電池)
本発明による太陽電池は、上記の本発明によるパターン状透明導電材料を有し、その他必要に応じてその他の部材/成分を有する。
本発明による太陽電池は、上記の本発明によるパターン状透明導電材料を有し、その他必要に応じてその他の部材/成分を有する。
本発明による太陽電池としては、上記の構成を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、太陽電池デバイスとして一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、単結晶シリコン系太陽電池デバイス、多結晶シリコン系太陽電池デバイス、シングル接合型、又はタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池デバイス、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、色素増感型太陽電池デバイス、有機太陽電池デバイス等が挙げられる。なかでも、本発明においては、上記太陽電池デバイスが、タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、及び銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイスであることが好ましい。特に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる、カルコパイライト構造の半導体薄膜であるCuInSe2(CIS系薄膜)、又は、これにGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS系薄膜)を光吸収層に用いた薄膜太陽電池は、高いエネルギー変換効率を示し、光照射等による効率の劣化が少ないという利点を有している。
タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイスの場合、アモルファスシリコン、微結晶シリコン薄膜層、また、これらにGeを含んだ薄膜、更に、これらの2層以上のタンデム構造が光電変換層として用いられる。成膜はプラズマCVD等を用いる。
<パターン状透明導電材料>
本発明による太陽電池において、上記の本発明によるパターン状透明導電材料(以下、透明導電層、透明導電体とも称する。)は、太陽電池において、導電性を要する部材であれば、いずれの部材として用いられてもよい。前記透明導電層は、太陽電池デバイスのどの部分に含まれてもよいが、変換効率の点で、光電変換層に隣接していることが好ましい。光電変換層との位置関係に関しては下記の構成が好ましいが、これに限定されるものではない。また、下記に記した構成は太陽電池デバイスを構成する全ての部分を記載しておらず、前記透明導電層の位置関係が分かる範囲の記載としている。
本発明による太陽電池において、上記の本発明によるパターン状透明導電材料(以下、透明導電層、透明導電体とも称する。)は、太陽電池において、導電性を要する部材であれば、いずれの部材として用いられてもよい。前記透明導電層は、太陽電池デバイスのどの部分に含まれてもよいが、変換効率の点で、光電変換層に隣接していることが好ましい。光電変換層との位置関係に関しては下記の構成が好ましいが、これに限定されるものではない。また、下記に記した構成は太陽電池デバイスを構成する全ての部分を記載しておらず、前記透明導電層の位置関係が分かる範囲の記載としている。
(A)基板−透明導電層(本発明品)−光電変換層
(B)基板−透明導電層(本発明品)−光電変換層−透明導電層(本発明品)
(C)基板−電極−光電変換層−透明導電層(本発明品)
(D)裏面電極−光電変換層−透明導電層(本発明品)
(B)基板−透明導電層(本発明品)−光電変換層−透明導電層(本発明品)
(C)基板−電極−光電変換層−透明導電層(本発明品)
(D)裏面電極−光電変換層−透明導電層(本発明品)
また、本発明による太陽電池において、上記の本発明によるパターン状透明導電材料は、集電用電極としては透明電極を用いない結晶系(単結晶、多結晶など)シリコン太陽電池に対しても適用できる。結晶系シリコン太陽電池は、集電電極としては、一般的に銀蒸着電線、又は銀ペーストによる電線が用いられるが、本発明で用いられる透明導電層を適用することでこれらに対しても高い光電変換効率が得られる。
さらに、本発明の太陽電池に用いられる透明導電層は、赤外波長の透過率が高く、かつシート抵抗が小さいため、赤外波長に対する吸収の大きな太陽電池、例えばタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池などに好適に用いられる。
〔透明導電層の製造方法〕
前記透明導電層の形成方法は、上記のパターン状透明導電材料の製造方法に準じる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、導電性繊維を有する組成物、及び/又は導電性繊維を分散させた塗工液を、基板上へ塗設し、乾燥する方法であってもよい。
前記透明導電層の形成方法は、上記のパターン状透明導電材料の製造方法に準じる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、導電性繊維を有する組成物、及び/又は導電性繊維を分散させた塗工液を、基板上へ塗設し、乾燥する方法であってもよい。
前記塗工液の塗設方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばウェブコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、ドクターブレードコーティング法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法などが挙げられる。特に、ウェブコーティング法、スクリーン印刷法、インクジェット法に関しては、フレキシブルな基板へのロールトゥロール製造が可能である。
塗布の順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、後述のバッファ層を形成した後に、行われてもよく、バッファ層を形成した後に後述のZnO層を形成し、その後、行われてもよい。
前記塗工液を塗設後に行う乾燥としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、加熱によるアニールを行ってもよい。この際、加熱温度は、50℃以上300℃以下が好ましく、70℃以上200℃以下がより好ましい。
前記基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイア、ソーダライムガラス等のガラス
(2)ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂、アラミド系等の熱可塑性樹脂
(3)エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
(4)ステンレス、チタン、アルミニウム、銅等の金属板
(5)特開2005−317728号公報記載の集成マイカ基板
(2)ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂、アラミド系等の熱可塑性樹脂
(3)エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
(4)ステンレス、チタン、アルミニウム、銅等の金属板
(5)特開2005−317728号公報記載の集成マイカ基板
前記基板の表面は、親水化処理を施してもよい。また、前記の銀塩乳剤及び/又は導電性繊維を含む塗工液との親和性の点で、前記基板表面に親水性ポリマーを塗設したものが好ましい。これらにより、銀塩乳剤及び/又は導電性繊維を有する水性分散物の基板への塗布性及び密着性が向上する。
前記親水化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば薬品処理、機械的粗面化処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理などが挙げられる。これらの親水化処理により基板表面の表面張力を30dyne/cm以上にすることが好ましい。
前記基板表面に塗設する親水性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒天、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デキストラン、などが挙げられる。前記親水性ポリマー層の層厚(乾燥時)は、0.001μm〜100μmが好ましく、0.01μm〜20μmがより好ましい。
前記親水性ポリマー層には、この親水性ポリマー層の軟化を防止する点で、硬膜剤を添加して膜強度を高めることが好ましい。前記硬膜剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン化合物;ジビニルスルホン等のビニルスルホン化合物;2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン化合物;米国特許第3,103,437号明細書等に記載のイソシアネート化合物、などが挙げられる。
前記親水性ポリマー層は、上記化合物を水等の溶媒に溶解乃至分散させて塗布液を調製し、得られた塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート、バーコート、ダイコート等の塗布法を利用して親水化処理した基板表面に塗布し、乾燥することにより形成してもよい。前記乾燥温度は120℃以下が好ましく、30℃〜100℃がより好ましく、40℃〜80℃が更に好ましい。
−CIGS系の太陽電池−
CIGS系(銅/インジウム/ガリウム/セレン系)の太陽電池の構成について、その製造方法を参照しながら、説明する。
CIGS系(銅/インジウム/ガリウム/セレン系)の太陽電池の構成について、その製造方法を参照しながら、説明する。
図5A〜5Dは、CIGS系薄膜太陽電池のセルの一般的な製造方法を説明するためのデバイスの断面図である。図5Aに示すように、まず、基板100上にプラス側の下部電極となるモリブデン電極層(Mo電極層)200が形成される。次に、図5Bに示すように、Mo電極層200上に、組成制御により、p−型を示す、CIGS系薄膜からなる光吸収層300が形成される。次に、図5Cに示すように、その光吸収層300上に、CdSなどのバッファ層400を形成し、そのバッファ層400上に、不純物がドーピングされてn+型を示す、マイナス側の上部電極となるZnO(酸化亜鉛)からなる透光性電極層500を形成する。このとき、このZnO上に本発明によるパターン状透明導電材料(透明導電体)を積層させるか、ZnOの代わりに本発明の透明導電体を用いることで、本発明による太陽電池を得ることができる。次に、図5Dに示すように、メカニカルスクライブ装置によって、ZnOからなる透光性電極層500からMo電極層200までを、一括してスクライブ加工する。これによって、薄膜太陽電池の各セルが電気的に分離(即ち、各セルが個別化)される。本実施態様の製造装置で好適に成膜することのできる物質を以下に示す。
(1)常温で液相又は加熱により液相となる元素、化合物又は合金を含む物質
(2)カルコゲン化合物(S、Se、Teを含む化合物)
・II−VI化合物:ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTeなど
・I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S,Se)2など
・I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
(3)カルコパイライト型構造の化合物及び欠陥スタナイト型構造の化合物
・I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S,Se)2など
・I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
(2)カルコゲン化合物(S、Se、Teを含む化合物)
・II−VI化合物:ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTeなど
・I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S,Se)2など
・I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
(3)カルコパイライト型構造の化合物及び欠陥スタナイト型構造の化合物
・I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S,Se)2など
・I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
ただし、上の記載において、(In,Ga)、(S,Se)は、それぞれ、(In1−xGax)、(S1−ySey)(ただし、x=0〜1、y=0〜1)を示す。
以下に、代表的なCIGS層の形成方法を示すが、これに限定されるものではない。
1)多源同時蒸着法
多源同時蒸着法の代表的な方法としては、米国のNREL(National Renewable Energy Laboratory)が開発した3段階法とECグループの同時蒸着法がある。3段階法は、例えば、J.R.Tuttle,J.S.Ward,A.Duda,T.A.Berens,M.A.Contreras,K.R.Ramanathan,A.L.Tennant,J.Keane,E.D.Cole,K.Emery及びR.Noufi著、Mat.Res.Soc.Symp.Proc.、1996年、426巻、p.143.に記載されている。また、同時蒸着法は、例えば、L.Stoltら著、Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.に記載されている。
多源同時蒸着法の代表的な方法としては、米国のNREL(National Renewable Energy Laboratory)が開発した3段階法とECグループの同時蒸着法がある。3段階法は、例えば、J.R.Tuttle,J.S.Ward,A.Duda,T.A.Berens,M.A.Contreras,K.R.Ramanathan,A.L.Tennant,J.Keane,E.D.Cole,K.Emery及びR.Noufi著、Mat.Res.Soc.Symp.Proc.、1996年、426巻、p.143.に記載されている。また、同時蒸着法は、例えば、L.Stoltら著、Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.に記載されている。
3段階法は、高真空中で最初にIn、Ga、Seを基板温度300℃で同時蒸着し、次に500〜560℃に昇温してCu、Seを同時蒸着後、In、Ga、Seを更に同時蒸着する方法で、禁制帯幅が傾斜したグレーデッドバンドギャップCIGS膜が得られる。ECグループの方法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着するBoeing社の開発したバイレーヤー法をインラインプロセスに適用できるように改良したものである。バイレーヤー法は、W.E.Devaney,W.S.Chen,J.M.Stewart及びR.A.Mickelsen著、IEEE Trans.Electron.Devices、1990年、37巻、p.428に記載されている。
3段階法及びECグループの同時蒸着法は共に、膜成長過程でCu過剰なCIGS膜組成とし、相分離した液相Cu2−xSe(x=0〜1)による液相焼結を利用するため、大粒径化が起こり、結晶性に優れたCIGS膜が形成されるという利点がある。
更に、近年CIGS膜の結晶性を向上させるため、この方法に加えた種々の方法に関する検討が行われており、これらを用いてもよい。
(a)イオン化したGaを使用する方法
蒸発したGaをフィラメントによって発生した熱電子イオンが存在するグリッドを通過させ、Gaと熱電子が衝突することでGaをイオン化する方法である。イオン化したGaは引き出し電圧により加速され基板に供給される。詳細は、H.Miyazaki,T.Miyake,Y.Chiba,A.Yamada,M.Konagai著、Phys.Stat.Sol.(a)、2006年、203巻、p.2603に記載されている。
蒸発したGaをフィラメントによって発生した熱電子イオンが存在するグリッドを通過させ、Gaと熱電子が衝突することでGaをイオン化する方法である。イオン化したGaは引き出し電圧により加速され基板に供給される。詳細は、H.Miyazaki,T.Miyake,Y.Chiba,A.Yamada,M.Konagai著、Phys.Stat.Sol.(a)、2006年、203巻、p.2603に記載されている。
(b)クラッキングしたSeを使用する方法
蒸発したSeは通常クラスターとなっているが、更に高温ヒーターにより熱的にSeクラスターを分解することでSeクラスターを低分子化する方法である(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年秋、北海道工業大学)7P−L−6)。
蒸発したSeは通常クラスターとなっているが、更に高温ヒーターにより熱的にSeクラスターを分解することでSeクラスターを低分子化する方法である(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年秋、北海道工業大学)7P−L−6)。
(c)ラジカル化したSeを用いる方法
バルブトラッキング装置により発生したSeラジカルを用いる方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年春、青山学院大学)29P−ZW−10)。
バルブトラッキング装置により発生したSeラジカルを用いる方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年春、青山学院大学)29P−ZW−10)。
(d)光励起プロセスを利用した方法
3段階蒸着中にKrFエキシマレーザー(例えば波長248nm、100Hz)、又はYAGレーザー(例えば、波長266nm、10Hz)を基板表面に照射する方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年春、青山学院大学)29P−ZW−14)。
3段階蒸着中にKrFエキシマレーザー(例えば波長248nm、100Hz)、又はYAGレーザー(例えば、波長266nm、10Hz)を基板表面に照射する方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007年春、青山学院大学)29P−ZW−14)。
2)セレン化法
セレン化法は2段階法とも呼ばれ、最初にCu層/In層や(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プレカーサをスパッタ法、蒸着法、電着法などで製膜し、これをセレン蒸気又はセレン化水素中で450℃〜550℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCu(In1−xGax)Se2等のセレン化合物を作製する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶが、このほか、金属プリカーサ膜の上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源とした固相拡散反応によりセレン化させる固相セレン化法がある。現在、唯一、大面積量産化に成功しているのは、金属プリカーサ膜を大面積化に適したスパッタ法で製膜し、これをセレン化水素中でセレン化する方法である。
セレン化法は2段階法とも呼ばれ、最初にCu層/In層や(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プレカーサをスパッタ法、蒸着法、電着法などで製膜し、これをセレン蒸気又はセレン化水素中で450℃〜550℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCu(In1−xGax)Se2等のセレン化合物を作製する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶが、このほか、金属プリカーサ膜の上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源とした固相拡散反応によりセレン化させる固相セレン化法がある。現在、唯一、大面積量産化に成功しているのは、金属プリカーサ膜を大面積化に適したスパッタ法で製膜し、これをセレン化水素中でセレン化する方法である。
しかし、この方法ではセレン化の際に膜が約2倍に体積膨張するため、内部歪みが生じ、また、生成膜内に数μm程度のボイドが発生し、これらが膜の基板に対する密着性や太陽電池特性に悪影響を及ぼし、光電変換効率の制限要因になっているという問題がある(B.M.Basol,V.K.Kapur,C.R.Leidholm,R.Roe,A.Halani及びG.Norsworthy著、NREL/SNL Photovoltaics Prog.Rev.Proc.14th Conf.−A Joint Meeting(1996)AIP Conf.Proc.394.)。
このようなセレン化の際に生ずる急激な体積膨張を回避するために、金属プリカーサ膜に予めセレンをある割合で混合しておく方法(T.Nakada,R.Ohnishi及びA.kunioka著、’’CuInSe2−Based Solar Cells by Se−Vapor Selenization from Se−Containing Precursors’’、Solar Energy Materials and Solar Cells、1994年、35巻、p.204−214)や、金属薄層間にセレンを挟み(例えばCu層/In層/Se層・・・Cu層/In層/Se層と積層する)多層化プリカーサ膜の使用が提案されている(T.Nakada,K.Yuda,and A.Kunioka:’’Thin Films of CuInSe2 Produced by Thermal Annealing of Multilayers with Ultra−Thin stacked Elemental Layers’’ Proc. of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference、1991年、p.887−890)。これらにより、上述の堆積膨張の問題はある程度回避されている。
しかし、このような手法を含めて、すべてのセレン化法に当てはまる問題点がある。それは、最初にある決まった組成の金属積層膜を用い、これをセレン化するため、膜組成制御の自由度が極めて低いという点である。例えば現在、高効率CIGS系太陽電池では、Ga濃度が膜厚方向で傾斜したグレーデッドバンドギャップCIGS薄膜を使用するが、このような薄膜をセレン化法で作製するには、最初にCu−Ga合金膜を堆積し、その上にIn膜を堆積し、これをセレン化する際に、自然熱拡散を利用してGa濃度を膜厚方向で傾斜させる方法がある(K.Kushiya,I.Sugiyama,M.Tachiyuki,T.Kase,Y.Nagoya,O.Okumura,M.Sato,O.Yamase及びH.Takeshita著、Tech.Digest 9th Photovoltaic Science and Engineering Conf.Miyazaki、1996年(Intn.PVSEC−9,Tokyo,1996)p.149)。
3)スパッタ法
スパッタ法は大面積化に適するため、これまでCuInSe2薄膜形成法として多くの手法が試みられてきた。例えば、CuInSe2多結晶をターゲットとした方法や、Cu2SeとIn2Se3をターゲットとし、スパッタガスにH2SeとAr混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,R.B.Love,A.K.Khanna,S.C.Lewis及びF.Cohen著、’’CdS/CuInSe2 Junctions Fabricated by DC Magnetron Sputtering of Cu2Se and In2Se3’’、Proc.18th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.、1985年、p.1655−1658)が開示されている。また、Cuターゲット、Inターゲット、Se又はCuSeターゲットをArガス中でスパッタする3源スパッタ法などが報告されている(T.Nakada,K.Migita,A.Kunioka:’’Polycrystalline CuInSe2 Thin Films for Solar Cells by Three−Source Magnetron Sputtering’’、Jpn.J.Appl.Phys.、1993年、32巻、p.L1169−L1172並びに、T.Nakada,M.Nishioka及びA.Kunioka著、’’CuInSe2 Films for Solar Cells by Multi−Source Sputtering of Cu, In, and Se−Cu Binary Alloy’’、Proc.4th Photovoltaic Science and Engineering Conf.、1989年、p.371−375)。
スパッタ法は大面積化に適するため、これまでCuInSe2薄膜形成法として多くの手法が試みられてきた。例えば、CuInSe2多結晶をターゲットとした方法や、Cu2SeとIn2Se3をターゲットとし、スパッタガスにH2SeとAr混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,R.B.Love,A.K.Khanna,S.C.Lewis及びF.Cohen著、’’CdS/CuInSe2 Junctions Fabricated by DC Magnetron Sputtering of Cu2Se and In2Se3’’、Proc.18th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.、1985年、p.1655−1658)が開示されている。また、Cuターゲット、Inターゲット、Se又はCuSeターゲットをArガス中でスパッタする3源スパッタ法などが報告されている(T.Nakada,K.Migita,A.Kunioka:’’Polycrystalline CuInSe2 Thin Films for Solar Cells by Three−Source Magnetron Sputtering’’、Jpn.J.Appl.Phys.、1993年、32巻、p.L1169−L1172並びに、T.Nakada,M.Nishioka及びA.Kunioka著、’’CuInSe2 Films for Solar Cells by Multi−Source Sputtering of Cu, In, and Se−Cu Binary Alloy’’、Proc.4th Photovoltaic Science and Engineering Conf.、1989年、p.371−375)。
4)ハイブリッドスパッタ法
前述したスパッタ法の問題点が、Se負イオン又は高エネルギーSe粒子による膜表面損傷であるとするなら、Seのみを熱蒸発に変えることで、これを回避できるはずである。中田らは、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法で、欠陥の少ないCIS薄膜を形成し、変換効率10%を超すCIS太陽電池を作製した(T.Nakada,K.Migita,S.Niki,及びA.Kunioka著、’’Microstructural Characterization for Sputter−Deposited CuInSe2 Films and Photovoltaic Devices’’、Jpn.Appl.Phys.、1995年、34巻、p.4715−4721)。また、Rockettらは、これに先立ち、有毒のH2Seガスの代わりにSe蒸気を用いることを目的としたハイブリッドスパッタ法を報告している(A.Rockett,T.C.Lommasson,L.C.Yang,H.Talieh,P.Campos及びJ.A.Thornton著、Proc.20th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.、1988年、p.1505)。更に古くは膜中のSe不足を補うためSe蒸気中でスパッタする方法も報告されている(S.Isomura,H.Kaneko,S.Tomioka,I.Nakatani及びK.Masumoto著、Jpn.J.Appl.Phys.、1980年、19(Suppl.19−3)、p.23)。
前述したスパッタ法の問題点が、Se負イオン又は高エネルギーSe粒子による膜表面損傷であるとするなら、Seのみを熱蒸発に変えることで、これを回避できるはずである。中田らは、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法で、欠陥の少ないCIS薄膜を形成し、変換効率10%を超すCIS太陽電池を作製した(T.Nakada,K.Migita,S.Niki,及びA.Kunioka著、’’Microstructural Characterization for Sputter−Deposited CuInSe2 Films and Photovoltaic Devices’’、Jpn.Appl.Phys.、1995年、34巻、p.4715−4721)。また、Rockettらは、これに先立ち、有毒のH2Seガスの代わりにSe蒸気を用いることを目的としたハイブリッドスパッタ法を報告している(A.Rockett,T.C.Lommasson,L.C.Yang,H.Talieh,P.Campos及びJ.A.Thornton著、Proc.20th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.、1988年、p.1505)。更に古くは膜中のSe不足を補うためSe蒸気中でスパッタする方法も報告されている(S.Isomura,H.Kaneko,S.Tomioka,I.Nakatani及びK.Masumoto著、Jpn.J.Appl.Phys.、1980年、19(Suppl.19−3)、p.23)。
5)メカノケミカルプロセス法
CIGSの各組成の原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得る。その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施しCIGSの膜を得る方法である(T.Wada,Y.Matsuo,S.Nomura,Y.Nakamura,A.Miyamura,Y.Chia,A.Yamada,M.Konagai、Phys.stat.sol.(a)、2006年、203巻、p.2593)。
CIGSの各組成の原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得る。その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施しCIGSの膜を得る方法である(T.Wada,Y.Matsuo,S.Nomura,Y.Nakamura,A.Miyamura,Y.Chia,A.Yamada,M.Konagai、Phys.stat.sol.(a)、2006年、203巻、p.2593)。
6)その他の方法
その他のCIGS製膜法としては、例えばスクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、スプレー法などが挙げられる。スクリーン印刷法、スプレー法等で、成分となるIb族元素、IIIb族元素、VIb族元素とそれらの化合物からなる微粒子から構成される薄膜を基板上に形成し、熱処理、VIb族元素雰囲気での熱処理などにより所望の組成の結晶を得る。例えば酸化物微粒子を塗布にて薄膜を形成した後、セレン化水素雰囲気中で加熱する。PVSEC−17 PL5−3又は、金属−VIb族元素結合を含む有機金属化合物の薄膜を基板上にスプレー・印刷などで形成し、熱分解することによって、所望の無機薄膜を得る。例えば、Sの場合には、金属メルカプチド、金属のチオ酸塩、金属のジチオ酸塩、金属のチオカルボナート塩、金属のジチオカルボナート塩、金属のトリチオカルボナート塩、金属のチオカルバミン酸塩若しくは金属のジチオカルバミン酸塩(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報)などが挙げられる。
その他のCIGS製膜法としては、例えばスクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、スプレー法などが挙げられる。スクリーン印刷法、スプレー法等で、成分となるIb族元素、IIIb族元素、VIb族元素とそれらの化合物からなる微粒子から構成される薄膜を基板上に形成し、熱処理、VIb族元素雰囲気での熱処理などにより所望の組成の結晶を得る。例えば酸化物微粒子を塗布にて薄膜を形成した後、セレン化水素雰囲気中で加熱する。PVSEC−17 PL5−3又は、金属−VIb族元素結合を含む有機金属化合物の薄膜を基板上にスプレー・印刷などで形成し、熱分解することによって、所望の無機薄膜を得る。例えば、Sの場合には、金属メルカプチド、金属のチオ酸塩、金属のジチオ酸塩、金属のチオカルボナート塩、金属のジチオカルボナート塩、金属のトリチオカルボナート塩、金属のチオカルバミン酸塩若しくは金属のジチオカルバミン酸塩(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報)などが挙げられる。
−バンドギャップの値と分布制御−
太陽電池の光吸収層としては、I族元素−III族元素−VI族元素の各種組合せからなる半導体が好ましく利用できる。よく知られているものを図6に示す。図6は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体における格子定数とバンドギャップとの関係を示す図である。組成比を変えることにより様々な禁制帯幅(バンドギャップ)を得ることができる。バンドギャップよりエネルギーの大きな光子が半導体に入射された場合、バンドギャップを超える分のエネルギーは熱損失となる。太陽光のスペクトルとバンドギャップとの組合せで変換効率が最大になるのが、およそ1.4eV〜1.5eVであることが理論計算で分かっている。CIGS太陽電池の変換効率を上げるため、例えばCu(InxGa1−x)S2のGa濃度を上げたり、Cu(InxAlx)S2のAlを上げたり、CuInGa(S,Se)のS濃度を上げたりしてバンドギャップを大きくすることで、変換効率の高いバンドギャップを得る。Cu(InxGa1−x)S2の場合1eV〜1.68eVの範囲で調整できる。
太陽電池の光吸収層としては、I族元素−III族元素−VI族元素の各種組合せからなる半導体が好ましく利用できる。よく知られているものを図6に示す。図6は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体における格子定数とバンドギャップとの関係を示す図である。組成比を変えることにより様々な禁制帯幅(バンドギャップ)を得ることができる。バンドギャップよりエネルギーの大きな光子が半導体に入射された場合、バンドギャップを超える分のエネルギーは熱損失となる。太陽光のスペクトルとバンドギャップとの組合せで変換効率が最大になるのが、およそ1.4eV〜1.5eVであることが理論計算で分かっている。CIGS太陽電池の変換効率を上げるため、例えばCu(InxGa1−x)S2のGa濃度を上げたり、Cu(InxAlx)S2のAlを上げたり、CuInGa(S,Se)のS濃度を上げたりしてバンドギャップを大きくすることで、変換効率の高いバンドギャップを得る。Cu(InxGa1−x)S2の場合1eV〜1.68eVの範囲で調整できる。
また、組成比を膜厚方向に変えることでバンド構造に傾斜を付けることができる。光の入射窓側から反対側の電極方向にバンドギャップを大きくするシングルグレーデットバンドギャップ、又は、光の入射窓からPN接合部に向かってバンドギャップが小さくなりPN接合部を過ぎるとバンドギャップが大きくなるダブルグレーデッドバンドギャップの2種類が考えられる。このような太陽電池は、例えば、T.Dullweber,A new approach to high−efficiency solar cells by band gap grading in Cu(In,Ga)Se2 chalcopyrite semiconductors、Solar Energy Materials & Solar Cells、2001年、67巻、p.145−150などに開示されている。いずれもバンド構造の傾斜によって内部に発生する電界のため、光に誘起されたキャリアが加速され電極に到達しやすくなり、再結合中心との結合確率を下げるため、発電効率が向上する(国際公開第2004/090995号パンフレット参照)。
−タンデム型−
スペクトルの範囲別にバンドギャップの異なる半導体を複数使うと、光子エネルギーとバンドギャップとの乖離による熱損失を小さくし、発電効率を向上することができる。このような複数の光電変換層を重ねて用いるものをタンデム型という。2層タンデムの場合には、例えば1.1eVと1.7eVの組合せを用いることにより発電効率を向上することができる。
スペクトルの範囲別にバンドギャップの異なる半導体を複数使うと、光子エネルギーとバンドギャップとの乖離による熱損失を小さくし、発電効率を向上することができる。このような複数の光電変換層を重ねて用いるものをタンデム型という。2層タンデムの場合には、例えば1.1eVと1.7eVの組合せを用いることにより発電効率を向上することができる。
−−光電変換層以外の構成−−
光電変換層以外の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、I−III−VI族化合物半導体と接合を形成するn形半導体には、例えば、CdSやZnO、ZnS、Zn(O,S,OH)などのII−VI族の化合物を用いることができる。これらの化合物は、光電変換層とキャリアの再結合のない接合界面を形成することができ、好ましい(特開2002−343987号公報参照)。
光電変換層以外の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、I−III−VI族化合物半導体と接合を形成するn形半導体には、例えば、CdSやZnO、ZnS、Zn(O,S,OH)などのII−VI族の化合物を用いることができる。これらの化合物は、光電変換層とキャリアの再結合のない接合界面を形成することができ、好ましい(特開2002−343987号公報参照)。
〔裏面電極〕
前記裏面電極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばモリブデン、クロム、タングステンなどの金属を用いることができる。これらの金属材料は熱処理を行っても他の層と混じりにくく好ましい。I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、モリブデン層を用いることが好ましい。また、裏面電極において、光吸収層CIGSと裏面電極との境界面には再結合中心が存在する。したがって、裏面電極と光吸収層との接続面積は電気伝導に必要となる以上の面積があると、発電効率が低下する。接触面積を少なくするために、例えば、電極層を絶縁材料と金属がストライプ状に並んだ構造を用いるとよい(特開平9−219530号公報参照)。
前記裏面電極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばモリブデン、クロム、タングステンなどの金属を用いることができる。これらの金属材料は熱処理を行っても他の層と混じりにくく好ましい。I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、モリブデン層を用いることが好ましい。また、裏面電極において、光吸収層CIGSと裏面電極との境界面には再結合中心が存在する。したがって、裏面電極と光吸収層との接続面積は電気伝導に必要となる以上の面積があると、発電効率が低下する。接触面積を少なくするために、例えば、電極層を絶縁材料と金属がストライプ状に並んだ構造を用いるとよい(特開平9−219530号公報参照)。
層構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、スーパーストレート型、サブストレート型が挙げられる。I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、サブストレート型構造を用いるほうが、変換効率が高く好ましい。
〔バッファ層〕
前記バッファ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばCdS、ZnS、ZnS(O,OH)、ZnMgOなどを使うことができる。例えば、CIGSのGa濃度を上げて光吸収層のバンドギャップを広くすると、伝導帯がZnOの伝導帯より大きくなり過ぎるため、バッファ層には伝導帯のエネルギーが大きいZnMgOが好ましい。
前記バッファ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えばCdS、ZnS、ZnS(O,OH)、ZnMgOなどを使うことができる。例えば、CIGSのGa濃度を上げて光吸収層のバンドギャップを広くすると、伝導帯がZnOの伝導帯より大きくなり過ぎるため、バッファ層には伝導帯のエネルギーが大きいZnMgOが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
以下の例において、ナノワイヤー構造体としての金属ナノワイヤーの径及び長軸長さ、ナノワイヤー構造体としての金属ナノワイヤー径の変動係数、適切ワイヤー化率、及びナノワイヤー構造体としての金属ナノワイヤーの断面角の鋭利度は、以下のようにして測定した。
<金属ナノワイヤーの径(短軸径)及び長軸長さ>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの径(短軸径)及び長軸長さ求めた。
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの径(短軸径)及び長軸長さ求めた。
<金属ナノワイヤーの径(短軸径)の変動係数>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの径(短軸径)を計測し、その標準偏差と平均値を計算することにより変動係数を求めた。
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの径(短軸径)を計測し、その標準偏差と平均値を計算することにより変動係数を求めた。
<適切ワイヤー化率>
各銀ナノワイヤー水分散物をろ過して銀ナノワイヤーとそれ以外の粒子を分離し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8000)を用いてろ紙に残っているAg量と、ろ紙を透過したAg量を各々測定し、直径が50nm以下であり、かつ長さが5μm以上である金属ナノワイヤー(適切なワイヤー)の全金属粒子中の金属量(質量%)を求めた。なお、適切ワイヤー比率を求める際の適切なワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
各銀ナノワイヤー水分散物をろ過して銀ナノワイヤーとそれ以外の粒子を分離し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8000)を用いてろ紙に残っているAg量と、ろ紙を透過したAg量を各々測定し、直径が50nm以下であり、かつ長さが5μm以上である金属ナノワイヤー(適切なワイヤー)の全金属粒子中の金属量(質量%)を求めた。なお、適切ワイヤー比率を求める際の適切なワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
<金属ナノワイヤーの断面角の鋭利度>
金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)で観察し、300個の断面について、断面の外周長さと断面の各辺の合計長さを計測し、「断面の各辺」の合計長さに対する前記「断面の外周長さ」との比率である鋭利度を求めた。この鋭利度が75%以下の場合には角の丸い断面形状であるとした。
金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)で観察し、300個の断面について、断面の外周長さと断面の各辺の合計長さを計測し、「断面の各辺」の合計長さに対する前記「断面の外周長さ」との比率である鋭利度を求めた。この鋭利度が75%以下の場合には角の丸い断面形状であるとした。
<サンプルNo.101の調製>
−銀ナノワイヤー分散物(1)の調製−
予め、下記の添加液A、G、及びHを調製した。
〔添加液A〕
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した。その後、1Nのアンモニア水を透明になるまで添加した。そして、全量が100mLになるように純水を添加した。
〔添加液G〕
グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、添加液Gを調製した。
〔添加液H〕
HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5mLの純水で溶解して、添加液Hを調製した。
−銀ナノワイヤー分散物(1)の調製−
予め、下記の添加液A、G、及びHを調製した。
〔添加液A〕
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した。その後、1Nのアンモニア水を透明になるまで添加した。そして、全量が100mLになるように純水を添加した。
〔添加液G〕
グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、添加液Gを調製した。
〔添加液H〕
HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5mLの純水で溶解して、添加液Hを調製した。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤー水分散物を調製した。
純水410mLを三口フラスコ内に入れ、20℃にて攪拌しながら、添加液H 82.5mL、及び添加液G 206mLをロートにて添加した(一段目)。この液に、添加液A 206mLを流量2.0mL/min、攪拌回転数800rpmで添加した(二段目)。その10分後、添加液Hを82.5mL添加した。その後、3℃/分で内温75℃まで昇温した。その後、攪拌回転数を200rpmに落とし、5時間加熱した。
得られた水分散物を冷却した後、限外濾過モジュールSIP1013(旭化成株式会社製、分画分子量6,000)、マグネットポンプ、及びステンレスカップをシリコーン製チューブで接続し、限外濾過装置とした。
上記銀分散液(水溶液)をステンレスカップに入れ、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。モジュールからの濾液が50mLになった時点で、ステンレスカップに950mLの蒸留水を加え、洗浄を行った。上記の洗浄を伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した後、濃縮を行い、ヒドロキシエチルセルロースを銀との質量比が1:1となるよう添加し、銀ナノワイヤー水分散物(1)を得た。得られた銀ナノ粒子は、平均短軸長さ18nm、平均長軸長さ38μmのワイヤー状であった。
得られた銀ナノワイヤーの直径の変動係数は22.4%、適切ワイヤー化率は78.7%、銀ナノワイヤーの断面角の鋭利度は44.1であった。
−パターニング膜の作製1−
ガラス製基板A上に、この基板の一方の面全面にスピンコート法で、二酸化チタンの水分散物(STS−01 石原産業製)をコーティングし、300℃にて乾燥させ、光触媒基板Aを得た。
ガラス製基板A上に、この基板の一方の面全面にスピンコート法で、二酸化チタンの水分散物(STS−01 石原産業製)をコーティングし、300℃にて乾燥させ、光触媒基板Aを得た。
上記とは別のガラス基板Bを、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)を1%含むエタノール溶液へ浸漬させ、ガラス基板B上にODSからなる疎水性膜Bを形成させた。厚さ12.5μmのポリイミドフィルムをスペーサーとして用い、上からガラス製基板A、光触媒層、厚さ12.5μmのスペース、疎水性膜B、ガラス基板Bとなるように設置し、ガラス基板A上に幅500μmのフォトマスクを被せた。次いで光触媒基板Aの裏面側から高圧水銀灯により10mW/cm2の紫外線を1時間照射した。紫外線照射後、疎水性膜B付きガラス基板B上へ、銀ナノワイヤー水分散物(1)を、銀の乾燥後固形分量が0.03g/m2となるように塗布を行い、パターニングサンプルNo.101を得た。
<サンプルNo.102〜104の調製>
サンプルNo.101の調製において、HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)をオクタデシル−トリメチルアンモニウムブロミドに代えた以外は、サンプルNo.101の調製と同様にしてサンプルNo.102を得た。このとき、得られた銀ナノ粒子は、平均短軸長さ14nm、平均長軸長さ18μmのワイヤー状であった。
サンプルNo.101の調製において、HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)をオクタデシル−トリメチルアンモニウムブロミドに代えた以外は、サンプルNo.101の調製と同様にしてサンプルNo.102を得た。このとき、得られた銀ナノ粒子は、平均短軸長さ14nm、平均長軸長さ18μmのワイヤー状であった。
また、サンプルNo.101の銀ナノワイヤー水分散物の調製において、添加液A、添加液G、添加液Hの他に、シクロヘキサノールを10.4mL、19.6mL添加した以外は、サンプルNo.101の調製と同様にしてサンプルNo.103、104を得た。このとき、得られた銀ナノ粒子は、No.103は平均短軸長さ42nm、平均長軸長さ29μmのワイヤー状、No.104は平均短軸長さ56nm、平均長軸長さ22μmのワイヤー状であった。
<サンプルNo.105〜108の調製>
サンプルNo.101の調製において、塗布乾燥後の銀ナノワイヤーの塗設量が0.003g/m2、0.007g/m2、0.46g/m2、0.54g/m2となるように銀ナノワイヤー分散物を塗布し、サンプルNo.105〜108を得た。
サンプルNo.101の調製において、塗布乾燥後の銀ナノワイヤーの塗設量が0.003g/m2、0.007g/m2、0.46g/m2、0.54g/m2となるように銀ナノワイヤー分散物を塗布し、サンプルNo.105〜108を得た。
<サンプルNo.109の調製>
サンプルNo.101で用いた銀ナノワイヤー水分散物(1)に代えて、下記の通りに調製して得た銀ナノワイヤー分散物(2)を用いた以外はサンプルNo.101の調製と同様にして、サンプルNo.109を得た。
サンプルNo.101で用いた銀ナノワイヤー水分散物(1)に代えて、下記の通りに調製して得た銀ナノワイヤー分散物(2)を用いた以外はサンプルNo.101の調製と同様にして、サンプルNo.109を得た。
−銀ナノワイヤー分散物(2)の調製−
エチレングリコール30mLを三口フラスコに入れ160℃に加熱した。その後、36mMのPVP(K−55)、3μMのアセチルアセトナート鉄、60μMの塩化ナトリウムエチレングリコール溶液18mLと、24mMの硝酸銀エチレングリコール溶液18mLを毎分1mLの速度で添加した。160℃で60分加熱後室温まで冷却した。水を加えて遠心分離し、伝導度が50μS/cm以下になるまで精製し、銀ナノ粒子の水分散物(2)を得た。
エチレングリコール30mLを三口フラスコに入れ160℃に加熱した。その後、36mMのPVP(K−55)、3μMのアセチルアセトナート鉄、60μMの塩化ナトリウムエチレングリコール溶液18mLと、24mMの硝酸銀エチレングリコール溶液18mLを毎分1mLの速度で添加した。160℃で60分加熱後室温まで冷却した。水を加えて遠心分離し、伝導度が50μS/cm以下になるまで精製し、銀ナノ粒子の水分散物(2)を得た。
得られた上記の銀ナノ粒子の水分散物(2)に含まれる銀ナノ粒子は、平均短軸長さ110nm、平均長軸長さ32μmのワイヤー状であった。また、得られた銀ナノワイヤー(2)の直径の変動係数は86.1%、適切ワイヤー化率は75.6%、銀ナノワイヤーの断面角の鋭利度は45.3であった。
得られた銀ナノ粒子の水分散物を遠心分離の後、デカンテーションにより水を除去し、純水を添加し、再分散を行い、その操作を3回繰り返し、ヒドロキシエチルセルロースを銀との質量比が1:1となるよう添加し、銀ナノワイヤー分散液(2)を得た。この分散液における銀の含有量は、銀1.2質量%であった。
<サンプルNo.110の調製>
サンプルNo.101で用いた銀ナノワイヤー水分散物(1)に代えて、導電性酸化物微粒子(SN−100P石原産業製)を、塗布乾燥後に塗設量が0.2g/m2となるように塗布して作製した試料をサンプルNo.110とした。
サンプルNo.101で用いた銀ナノワイヤー水分散物(1)に代えて、導電性酸化物微粒子(SN−100P石原産業製)を、塗布乾燥後に塗設量が0.2g/m2となるように塗布して作製した試料をサンプルNo.110とした。
<サンプルNo.111の調製>
サンプルNo.101において、銀ナノワイヤー分散液(1)の代わりに、下記方法にて作製した単層カーボンナノチューブを用いた以外は、No.101と同様にしてサンプルNo.111を作製した。
サンプルNo.101において、銀ナノワイヤー分散液(1)の代わりに、下記方法にて作製した単層カーボンナノチューブを用いた以外は、No.101と同様にしてサンプルNo.111を作製した。
−単層カーボンナノチューブの作製−
特許第3903159号公報の実施例1を参考にして単層カーボンナノチューブ分散液を調製した。
特許第3903159号公報の実施例1を参考にして単層カーボンナノチューブ分散液を調製した。
単層カーボンナノチューブ(文献Chemical Physics Letters,323(2000)P580−585に基づき合成)と、分散剤としてポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体を、溶媒としてのイソプロピルアルコール/水混合物(混合比3:1)中に加えた。カーボンナノチューブの含有量は0.003質量%、分散剤の含有量は0.05質量%であった。得られたカーボンナノチューブの長軸長さは1〜3μm、短軸長さは1〜2nm、アスペクト比は1,000〜1,500であった。
<サンプルNo.112の調製>
−比較パターニング膜の作製1−
(合成例1)
−アルカリ可溶性重合体(1)の合成−
攪拌器付4つ口フラスコ内に、モノマーAとして日本化薬株式会社製KAYARAD TC−110S、モノマーb1として(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、モノマーb2としてグリシジルアクリレート、モノマーb3として2−ヒドロキシエチルアクリレートを下記の組成で仕込み、2−ブタノンの還流温度で4時間加熱して重合を行った。重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いた。
−比較パターニング膜の作製1−
(合成例1)
−アルカリ可溶性重合体(1)の合成−
攪拌器付4つ口フラスコ内に、モノマーAとして日本化薬株式会社製KAYARAD TC−110S、モノマーb1として(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、モノマーb2としてグリシジルアクリレート、モノマーb3として2−ヒドロキシエチルアクリレートを下記の組成で仕込み、2−ブタノンの還流温度で4時間加熱して重合を行った。重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いた。
2−ブタノン 200.0g
TC−110S 1.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート 19.0g
グリシジルアクリレート 30.0g
2−ヒドロキシエチルアクリレート 50.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
TC−110S 1.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート 19.0g
グリシジルアクリレート 30.0g
2−ヒドロキシエチルアクリレート 50.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
次に、反応液を室温まで冷却し、大量のヘキサンに投入した。生成した沈殿を3−メトキシプロピオン酸メチル(以下、「MMP」という)に溶解し、1.33×104Paの減圧下100℃にて重合溶媒であるヘキサンを留去し、アルカリ可溶性重合体(1)のMMP溶液を得た。
得られたMMP溶液の一部をサンプリングし、220℃で30分間乾燥して減少した質量を求め、その質量値をもとに重合体濃度が30質量%となるようにMMPを加え、溶液を調製して測定したところ、得られたアルカリ可溶性重合体(1)の収率は78%であった。また、得られたアルカリ可溶性重合体(1)のGPC分析(ポリエチレンオキシド標準)により求めた質量平均分子量は5,800であった。
−ポジ型感光性組成物PRの作製−
合成例1のアルカリ可溶性重合体(1)、1,2−キノンジアジド化合物である4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとの縮合物(平均エステル化率58%、以下「PAD」と称することもある)、添加剤としてフッ素系界面活性剤である大日本インキ化学工業株式会社製メガファックR−08(以下「R−08」と称することもある)、及び溶媒としてMMPを下記の質量で混合溶解した。
合成例1のアルカリ可溶性重合体(1)、1,2−キノンジアジド化合物である4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとの縮合物(平均エステル化率58%、以下「PAD」と称することもある)、添加剤としてフッ素系界面活性剤である大日本インキ化学工業株式会社製メガファックR−08(以下「R−08」と称することもある)、及び溶媒としてMMPを下記の質量で混合溶解した。
MMP 50.00g
アルカリ可溶性重合体(1)の30質量%溶液 10.00g
PAD 0.60g
R−08 0.006g
上記より、ポジ型感光性組成物PRを得た。
アルカリ可溶性重合体(1)の30質量%溶液 10.00g
PAD 0.60g
R−08 0.006g
上記より、ポジ型感光性組成物PRを得た。
ガラス基板上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)を銀の乾燥後固形分量が0.03g/m2となるように塗布を行い、さらにポジ型感光性組成物PRをスリット塗布し、90℃のホットプレート上で2分間乾燥し、プリベークした。この基板にマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後のガラス基板を、0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、露光部を除去した。現像後の基板を純水で60秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。その後、1N硝酸水溶液に2分間浸漬させ、純水で60秒間洗浄した。上記残レジストを市販のポジレジスト剥離液にて除去し、パターン状透明導電膜であるサンプルNo.112を作製した。
<サンプルNo.113の調製>
−比較パターニング膜の作製2−
(合成例2)
下記の成分を混合攪拌し、65℃で6時間重合した。
−比較パターニング膜の作製2−
(合成例2)
下記の成分を混合攪拌し、65℃で6時間重合した。
メタノール 167g
酢酸エチル 333g
ベンジルメタクリレート 130g
日本化薬株式会社製KAYARAD TC−110S 30g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20g
メタクリル酸 20g
アゾビスイソブチロニトリル 1g
チオグリコール酸 3g
酢酸エチル 333g
ベンジルメタクリレート 130g
日本化薬株式会社製KAYARAD TC−110S 30g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20g
メタクリル酸 20g
アゾビスイソブチロニトリル 1g
チオグリコール酸 3g
この重合液にシクロヘキサン3,000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みをデカンテーションで除いた後、40℃で20時間真空乾燥して、138gのポリマーを合成した。
得られたポリマーは、ベンジルメタクリレート56モル%、KAYARAD TC−110S 8モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13モル%、及びメタクリル酸23モル%からなるランダム共重合体であった。
得られたポリマーについて、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量は、7,000であった。
次に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.30gに下記成分を加えて混合攪拌し、ネガ型感光性樹脂組成物NRを得た。
上記ポリマー 0.46g
東亜合成株式会社製M−400 0.46g
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.046g
3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液 0.182g
ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−300 0.002g
東亜合成株式会社製M−400 0.46g
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.046g
3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの25%トルエン溶液 0.182g
ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−300 0.002g
親水性基板A上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)をサンプルNo.101と同様に塗布し、さらに合成例2で合成されたネガ型感光性組成物NRをスリット塗布し、90℃のホットプレート上で2分間乾燥し、プリベークした。
この基板にマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後のガラス基板を、純水5,000gに炭酸水素ナトリウム5gと炭酸ナトリウム2.5gを溶解した現像液でシャワー現像30秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は15秒であった。純水のシャワーでリンスした後、1N硝酸水溶液に2分間浸漬させ、純水で60秒間洗浄した。上記残レジストを市販のネガレジスト剥離液にて除去し、パターン状透明導電膜、サンプルNo.113を作製した。
<サンプルNo.114の調製>
−比較パターニング膜の作製3−
サンプルNo.112の調製において、1N硝酸水溶液による浸漬の代わりに、プラズマによるエッチング工程(ヘリウムガス圧30Pa、500W、10分)によりパターンを形成させた以外は同様にして得られたサンプルをNo.114とした。
−比較パターニング膜の作製3−
サンプルNo.112の調製において、1N硝酸水溶液による浸漬の代わりに、プラズマによるエッチング工程(ヘリウムガス圧30Pa、500W、10分)によりパターンを形成させた以外は同様にして得られたサンプルをNo.114とした。
<サンプルNo.115の調製>
−比較パターニング膜の作製4−
サンプルNo.113の調製において、1N硝酸水溶液による浸漬の代わりに、プラズマによるエッチング工程(ヘリウムガス圧30Pa、500W、10分)によりパターンを形成させた以外は同様にして得られたサンプルをNo.115とした。
−比較パターニング膜の作製4−
サンプルNo.113の調製において、1N硝酸水溶液による浸漬の代わりに、プラズマによるエッチング工程(ヘリウムガス圧30Pa、500W、10分)によりパターンを形成させた以外は同様にして得られたサンプルをNo.115とした。
<サンプルNo.116の調製>
−比較パターニング膜の作製5−
ガラス基板上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布する前に、ポジ型感光性組成物PRをスリット塗布し、サンプルNo.112と同様の露光、現像処理を行いパターンを形成した後、サンプルNo.112と同様に銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布し、残レジストをNo.112と同様に剥離除去し得られたパターン状透明導電膜を、サンプルNo.116とした。
−比較パターニング膜の作製5−
ガラス基板上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布する前に、ポジ型感光性組成物PRをスリット塗布し、サンプルNo.112と同様の露光、現像処理を行いパターンを形成した後、サンプルNo.112と同様に銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布し、残レジストをNo.112と同様に剥離除去し得られたパターン状透明導電膜を、サンプルNo.116とした。
<サンプルNo.117の調製>
−比較パターニング膜の作製6−
ガラス基板上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布する前に、ネガ型感光性組成物NRをスリット塗布し、サンプルNo.113と同様の露光、現像処理を行いパターンを形成した後、No.113と同様に銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布し、残レジストをNo.113と同様に除去し得られたパターン状透明導電膜を、サンプルNo.117とした。
−比較パターニング膜の作製6−
ガラス基板上に、銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布する前に、ネガ型感光性組成物NRをスリット塗布し、サンプルNo.113と同様の露光、現像処理を行いパターンを形成した後、No.113と同様に銀ナノワイヤー水分散物(1)を塗布し、残レジストをNo.113と同様に除去し得られたパターン状透明導電膜を、サンプルNo.117とした。
上記で作製した各サンプルを以下に示す方法で評価し、結果を表1に示した。
<導電性>
得られた各サンプルの導電部分における表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。実際の測定は、プローブ先端部に銅線を付け、パターン細部においても表面抵抗が測定可能となるよう装置を改造し測定を行った。
得られた各サンプルの導電部分における表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。実際の測定は、プローブ先端部に銅線を付け、パターン細部においても表面抵抗が測定可能となるよう装置を改造し測定を行った。
<透過率>
ガードナー社製ヘイズガードプラスを使用して、得られた各サンプルの全光透過率(%)を測定した。
ガードナー社製ヘイズガードプラスを使用して、得られた各サンプルの全光透過率(%)を測定した。
<ヘイズ>
ガードナー社製ヘイズガードプラスを使用して、得た各サンプルのヘイズ(%)を測定した。
ガードナー社製ヘイズガードプラスを使用して、得た各サンプルのヘイズ(%)を測定した。
<密着性>
得られた各サンプルを碁盤目剥離試験(クロスカット試験)により評価した。評価は1mm角の碁盤目100個中のテープ剥離後の残存碁盤目数で判断し、下記の評価基準に従って評価した。なお、密着性は数字が大きいほど優れていることを示す。
得られた各サンプルを碁盤目剥離試験(クロスカット試験)により評価した。評価は1mm角の碁盤目100個中のテープ剥離後の残存碁盤目数で判断し、下記の評価基準に従って評価した。なお、密着性は数字が大きいほど優れていることを示す。
〔評価基準〕
1:残存碁盤目数が30未満で、剥離が著しく、実用上問題あるレベルである。
2:残存碁盤目数が30以上50未満で、剥離が確認でき、実用上問題あるレベルである。
3:残存碁盤目数が50以上70未満で、剥離が若干見られるが、実用上問題ないレベルである。
4:残存碁盤目数が70以上90未満で、剥離がほとんどなく、実用上問題ないレベルである。
5:残存碁盤目数90以上で、剥離がほぼ確認できず、実用上問題ないレベルである。
1:残存碁盤目数が30未満で、剥離が著しく、実用上問題あるレベルである。
2:残存碁盤目数が30以上50未満で、剥離が確認でき、実用上問題あるレベルである。
3:残存碁盤目数が50以上70未満で、剥離が若干見られるが、実用上問題ないレベルである。
4:残存碁盤目数が70以上90未満で、剥離がほとんどなく、実用上問題ないレベルである。
5:残存碁盤目数90以上で、剥離がほぼ確認できず、実用上問題ないレベルである。
<パターニング性>
得られた各サンプルにおいて、パターニング箇所における非導電部の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。実際の測定は、プローブ先端部に銅線を付け、パターン細部においても表面抵抗が測定可能となるよう装置を改造し測定を行った。評価基準は、以下の通りである。なお、パターニング性は数字が大きいほど優れていることを示す。
得られた各サンプルにおいて、パターニング箇所における非導電部の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。実際の測定は、プローブ先端部に銅線を付け、パターン細部においても表面抵抗が測定可能となるよう装置を改造し測定を行った。評価基準は、以下の通りである。なお、パターニング性は数字が大きいほど優れていることを示す。
〔評価基準〕
1:表面抵抗が104未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が高く、実用上問題あるレベルである。
2:表面抵抗が104以上、105未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が高く、実用上問題あるレベルである。
3:表面抵抗が105以上、106未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が確認できるが、実用上問題ないレベルである。
4:表面抵抗が106以上、107未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が確認できるが、実用上問題ないレベルである。
5:表面抵抗が107以上(装置上O.L.と表示)で、非導電部として作製した箇所の導電性がほぼ確認できず、実用上問題ないレベルである。
1:表面抵抗が104未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が高く、実用上問題あるレベルである。
2:表面抵抗が104以上、105未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が高く、実用上問題あるレベルである。
3:表面抵抗が105以上、106未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が確認できるが、実用上問題ないレベルである。
4:表面抵抗が106以上、107未満で、非導電部として作製した箇所の導電性が確認できるが、実用上問題ないレベルである。
5:表面抵抗が107以上(装置上O.L.と表示)で、非導電部として作製した箇所の導電性がほぼ確認できず、実用上問題ないレベルである。
表1の結果から、本発明によるパターン状透明導電材料は、優れた導電性、透明性、下地との密着性、パターニング性を兼ね備え、径が50nmより小さい導電性繊維状粒子を併用したときに特に顕著な効果が現れることが分かった。これは粒子一つの質量又は体積に対する基板との設置面積の比が、径が小さくなるに従い小さく、つまり相対的に、より基板と密着しやすくなったためと考えられるが、このサイズ領域で顕著な効果が出ることは本発明において初めて明らかになったことであり、予測できない驚くべき結果であった。
なお、サンプルNo.111を用いた結果の通り、単層カーボンナノチューブを用いても結果は概ね良好であったが、銀ナノワイヤー分散物を用いたときと比較して透明性と導電性においては劣る結果となった。
これに対し、ポジ型又はネガ型のレジストと、ウェットエッチング、ドライエッチングよりパタ−ンを形成したサンプルNo.112〜115は、ウェットエッチングを行った場合においては密着性が、また、ドライエッチングを行った場合は基板へのダメージが大きかったためかヘイズの悪化を伴い、銀ナノワイヤーを使用しても、本発明の実施例と同様の優れた導電性、透明性、下地との密着性、及びパターニング性をすべて満たすことはできなかった。
<サンプルNo.201〜202の作製>
−表示素子の作製−
本発明によるパターン状透明導電材料を用い、以下のようにして表示素子を作製した。
−表示素子の作製−
本発明によるパターン状透明導電材料を用い、以下のようにして表示素子を作製した。
まず、ガラス基板上にボトムゲート型のTFTを形成し、このTFTを覆う状態でSi3N4からなる絶縁膜を形成した。次に、この絶縁膜に、コンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFTに接続される配線(高さ1.0μm)を絶縁膜上に形成した。
次いで、配線の形成による凹凸を平坦化するために、配線による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜上へ平坦化層を形成し、コンタクトホールを形成し、平坦膜Aを得た。
次に、平坦膜A上に、コンタクトホールに合わせたパターンを形成したサンプルNo.101を張り合わせ、TFT−Aを得た(サンプルNo.201)。TFT動作の確認を行ったところ、良好な作動を確認できた。
比較例として、平坦膜A上に、コンタクトホールに合わせたパターンを形成したサンプルNo.112を張り合わせ、TFT−Bを得た(サンプルNo.202)。サンプル202は、TFT動作は同様に確認できたが、No.201に対し、透過率が劣っており、特にヘイズが大きいためか特に液晶表示をした場合にコントラストが大きく低下してしまい、表示素子として実用上問題ありと判断した。
<サンプルNo.301、302の作製>
(集積型太陽電池の作製)
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
ソーダライムガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により膜厚500nm程度のモリブデン電極、真空蒸着法により膜厚約2.5μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se2薄膜、溶液析出法により膜厚約50nmの硫化カドミニウム薄膜、MOCVDにより膜厚約50nmの酸化亜鉛薄膜を形成し、その上にサンプルNo.101形成時と同様の方法にてパターン化された透明導電膜を形成し、光電変換素子(サンプルNo.301)を作製した。
(集積型太陽電池の作製)
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
ソーダライムガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により膜厚500nm程度のモリブデン電極、真空蒸着法により膜厚約2.5μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se2薄膜、溶液析出法により膜厚約50nmの硫化カドミニウム薄膜、MOCVDにより膜厚約50nmの酸化亜鉛薄膜を形成し、その上にサンプルNo.101形成時と同様の方法にてパターン化された透明導電膜を形成し、光電変換素子(サンプルNo.301)を作製した。
パターン透明導電膜としてサンプルNo.101形成時の方法の代わりに、サンプルNo.112、113形成時の塗布液を用いて導電膜を形成させ、光電変換素子(サンプルNo.301)と同様にして、光電変換素子(サンプルNo.302及びサンプルNo.303)を作製した。
次に、作製した各太陽電池において、以下のようにして変換効率を評価した。結果を表2に示す。
<太陽電池特性(変換効率)の評価>
各太陽電池について、ソーラーシミュレーターによりAM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射することで太陽電池特性(変換効率)を測定した。
各太陽電池について、ソーラーシミュレーターによりAM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射することで太陽電池特性(変換効率)を測定した。
表3の結果から、本発明によるパターン状透明導電材料を透明導電膜として太陽電池に用いることで、太陽電池として駆動することが確認できた。さらに、変換効率に関しては、比較例(サンプルNo.302及び303)に対して、本発明(サンプルNo.301)では、数字上は2%の差であるが、この差は、当業界では周知の通り重要な差である。
本発明のパターン状透明導電材料は、高い透明性と高い導電性を有し、保存安定性に優れているので、例えば有機EL素子、IC基板等の多層基板、透明導電膜の形成、プリント配線基板の配線回路、ビアホール充填、部品実装用接着剤;ビルドアップ配線板、プラスチック配線板、プリント配線板、セラミック配線板等の多層配線板に微細な回路パターンや配線板表裏面間を結ぶ方向の微細な導通用孔部の形成、基板上に形成する太陽電池などの各種デバイスなどに幅広く適用される。
1 透明支持体
2 光触媒層
3 マスク
4 照射源
5 活性種
6 被処理物
7 光触媒層と被処理物の間の空間
8 被処理物表面の改質部分
9 光ファイバ
100 基板
200 Mo電極層
300 光吸収層
400 バッファ層
500 透光性電極層
2 光触媒層
3 マスク
4 照射源
5 活性種
6 被処理物
7 光触媒層と被処理物の間の空間
8 被処理物表面の改質部分
9 光ファイバ
100 基板
200 Mo電極層
300 光吸収層
400 バッファ層
500 透光性電極層
Claims (6)
- 透明導電層を有するパターン状透明導電材料であって、
前記透明導電層が、光触媒反応によりパターン状に改質された支持体上に形成され、
前記透明導電層に導電性繊維が配置されていることを特徴とするパターン状透明導電材料。 - 導電性繊維の材料が、金属又はカーボンである請求項1に記載のパターン状透明導電材料。
- 導電性繊維が、径8nm〜50nmで、長さが1μm〜40μmの銀ナノワイヤである請求項1から2のいずれかに記載のパターン状透明導電材料。
- 導電性繊維の塗布量が、0.005〜0.5g/m2である請求項1から3のいずれかに記載のパターン状透明導電材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有することを特徴とする表示素子。
- 請求項1から4のいずれかに記載のパターン状透明導電材料を有することを特徴とする太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009235037A JP2011082092A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | パターン状透明導電材料、表示素子及び太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009235037A JP2011082092A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | パターン状透明導電材料、表示素子及び太陽電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=44075932
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009235037A Withdrawn JP2011082092A (ja) | 2009-10-09 | 2009-10-09 | パターン状透明導電材料、表示素子及び太陽電池 |
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JP (1) | JP2011082092A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013080908A1 (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-06 | 東レ株式会社 | 導電積層体およびそれを用いてなる表示体 |
WO2014098157A1 (ja) * | 2012-12-19 | 2014-06-26 | 株式会社クラレ | 膜形成方法、導電膜、及び絶縁膜 |
JP2015524883A (ja) * | 2013-04-10 | 2015-08-27 | ▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 | グラフェン繊維およびその形成方法 |
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-
2009
- 2009-10-09 JP JP2009235037A patent/JP2011082092A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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