JP2011080368A - 空気調和機のダブルプラグファン構造 - Google Patents
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Abstract
送風機の駆動モータの回転軸と前記送風機の回転軸に直結した空気調和機であって、駆動モータの回転数が一定であっても、要求される風量になるように、的確に効率よく制御でき騒音も少ない空気調和機のプラグファンを提供する。
【解決手段】
プラグファンの回転軸を駆動モータの回転軸に直結した空気調和機において、左右対称の一対のインレットコーンを軸方向の位置に調整する調整盤上に設け、該インレットコーンの縮小した対向する円筒状開口部に対して回動自在に接続する左右対称の先端円形外枠を設け、該両先端円形外枠の間に前記回転軸に固着された隔壁円盤を設け、前記先端円形外枠と隔壁円盤の間には回転軸の回転中心から外側に向かう複数の翼部を配設し、前記先端円形外枠と隔壁及び翼部をユニットとして前記回転軸に対して交換可能にした空気調和機のダブルプラグファン構造。
【選択図】図1
Description
ところで、これら空気調和機のプラグファン(送風機)において、プラグファンのランナ(翼部)は幅や径が異なる数種類のものを用意しておき、空気調和機のシステムが指定する風量と静圧が得られるランナを選択し、その回転数を算出し、算出された回転数に一致する駆動モータを用いるが、通常の場合には空気調和機のプラグファンに用いる駆動モータの回転数は、交流電源を使用する場合にポールの数によって決まっており、例えば、50Hzの交流電源で4Pでは1500rpm、6Pでは1000rpm、60Hzの交流電源で4Pでは1800rpm、6Pでは1200rpmであるため、ベルトとプーリでの変速機、歯車式変速機、電源周波数のインバーター等を用いて、送風機が必要される回転数に変速していた。
しかしながら、変速機やインバーターは高価であり、また、変速機やインバーターは寿命があり、更に、保守の面からもそれだけ点検箇所や補修箇所が多くなるといった問題点があった。
また、変速機やインバーターを用いることなく駆動モータを直結する場合もあるが、この場合にはランナは風量過多の状態から、別途設けた風量調整ダンパ等で要求風量まで絞る方法もあるが、ダンパで負荷をかけて風量を絞ることになるため、その分だけエネルギーを余分に必要とするといった問題点があった。
すなわち、前記空気調和機のプラグファン構造は、結果として、ランナである翼部への空気の供給量を変化させ、翼部と空気の遠心力を用いて外側に送風する空気量を調整し、要求される風量及び静圧になるようにプラグファンを調整し、駆動モータの回転数に一致するようにしている。しかし、かなりの改善が見られたが、風量の制御も充分ではなく、また、騒音も発生しやすかった。
請求項2の発明は、請求項1において、前記隔壁の左右の翼部は、一方の翼部は他方における翼部と次の翼部との中間位置に配設し、交互に千鳥足状に設けたことを特徴とする空気調和機のダブルプラグファン構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記回転軸は送風室の枠体の外側に配置したモータにより駆動されることを特徴とする空気調和機のダブルプラグファン構造。
また、駆動モータの回転軸とプラグファンの回転軸に直結したので、駆動モータの回転数を変えなくても、幅の異なったプラグファンを適宜交換することによって、プラグファン(送風機)側の要求される所望の風量になるように制御することができ、従来のように、ベルトとプーリでの変速機、歯車式変速機、電源周波数のインバーターは必要なく、変速機やインバーターを不必要とする分だけコストを安くでき、変速機やインバーターの寿命や保守の面からも点検箇所や補修箇所が不必要になり、また、従来の駆動モータを直結する場合のように、ランナは風量過多の状態から、別途設けた風量調整ダンパ等で要求風量まで絞って、エネルギーロスを生じさせることがなく、駆動モータの能力を100%に近い状態で稼働させることができ、渦流を少なくし効率良く送風することができ、騒音も少なくすることができる。
特に、請求項2の空気調和機のダブルプラグファン構造の発明によれば、隔壁の左右の翼部は、一方の翼部が他方の翼部の中間位置に配設され、交互に千鳥足状に設けることによって、隔壁の強度が増すとともに、左右の翼部によって生じる風切音の波長の移相が互いに逆になり打ち消しあって風切音を小さくすることができる。
また、請求項3の空気調和機のダブルプラグファン構造の発明によれば、プラグファンの交換作業がモータとは切り離して簡単に作業でき、また、駆動モータ自体の保守が容易であるのと、駆動モータの発熱による空気をプラグファン室22の外に放出することができる。
以下、本発明の空気調和機のダブルプラグファン構造の実施例を図面に沿って説明する。
送風室2の中央のプラグファン室22には、左右に一対のプラグファン3が配置され、プラグファン3に対しては左右の空気供給室21に向けて拡大開口するインレットコーン31が配置され、このインレットコーン31は送風室2の枠体23に調整盤24を介して所定位置に固定されている。この調整盤24の上下端は枠体23に設けられ固定部材25の所定位置にボルト等の固定手段26によって固定されるが、固定部材25には左右方向の複数の位置に雌ネジが設けられ、適正な雌ネジを選択してインレットコーン31を適正位置に固定できるようになっている。
この調整盤24の構成としては、逆に、固定部材25のボルト等の固定手段26で固定する位置を一カ所にしておき、調整盤24の折れ曲がった脚部の長さ(調整盤24の面とボルト26位置の長さ)について、異なった距離の複数の調整盤24を用意しておき、所望のプラグファンユニット4に合わせて取り付けるようにしてもよい。
一方、プラグファン3を駆動する駆動モータ5は枠体23の外側に設けられたモータ架台27に配置され、回転軸51はカップリング52を介してプラグファン回転軸32に接続され、プラグファン回転軸32は左右一対の軸受け33a,33bによって支持され、そのほぼ中央にプラグファン3の隔壁34を取付部材341を介して固着する。したがって、モータ5が回転すると隔壁34が回転しプラグファン3も回転する。
なお、本実施例ではカップリング52を介して駆動モータを送風室2の枠体23の外側に設け、図1に示すように、駆動モータ5を気密に枠体23の外側の適所にモータ架台27に設けてあるが、プラグファン3の交換作業がモータ5とは切り離して簡単に作業でき、また、駆動モータ5自体の保守が容易であるのと、駆動モータ5の発熱による空気を、プラグファン室22の外側に放出するためである。
そして、隔壁34と左右の先端円形外枠35との間には、図4に示すように、回転軸32の回転中心から外側に向かう複数の翼部36を、回転軸32の同一円周上に等間隔に配設し、図4の矢印方向に回転すると、翼部36と空気の遠心力によって送風する遠心送風機を形成している。
また、隔壁34の左右の翼部36a,36bは、図4に示すように、隔壁34の一方の翼部36aは、他方の翼部36bと次の翼部36b'の中間位置に配設し、全体として交互に千鳥足状に設けている。これは、隔壁34の強度が増すとともに、左右の翼部36によって生じる風切音の波長の移相が互いに逆になり、打ち消しあって風切音が小さくなるようにするものである。このように、隔壁34と先端円形外枠35と翼部36とは、図1及び図3に示すように、プラグファンユニット4にして隔壁34の取付部材341によって回転軸32に一括して固着する。
このように、ダブルのプラグファンを対向して設けた本実施例では、両インレットコーン31や左右の翼部での広い面積に沿って空気が吸い込まれ、流体力学的に抵抗の少ないスムーズな両吸引構造となっているので効率がアップし、従来のシングルのプラグファンでの平均効率65%に対して、同じ仕様の本実施例のダブルプラグファンでは75%を達成し、実に10%以上も飛躍的に効率がアップした。また、同じ条件のシロッコファンを基準にすると、23.1%の省エネルギーが実現できた。
したがって、通常の場合には空気調和機のプラグファンに用いる駆動モータの回転数は、交流電源を使用する場合にポールの数によって決まっており、例えば、50Hzの交流電源で4Pでは1500rpm、6Pでは1000rpm、60Hzの交流電源で4Pでは1800rpm、6Pでは1200rpmであるため、従来では、ベルトとプーリでの変速機、歯車式変速機、電源周波数のインバーター等を用いて、送風機が必要とされる回転数に変速していたが、本発明ではこれに換えて、プラグファン3の翼部36の幅の異なったプラグファンユニット4(図3参照)を用意しておき、必要とされる風量が得られるプラグファンユニット4を選択して、回転軸32に取り付ければよい。
すなわち、空気調和機1の送風機においては、プラグファン3が先端円形外枠35と隔壁34との距離である翼部36の幅(ランナ幅、ブレード幅)と翼部36の傾斜角度・長さが一定の場合は、プラグファン3の回転数によって風量と静圧とは共に変化するが、回転数が一定の場合において、(1)翼部の傾斜角・長さが同じで、翼部36の幅を変化させた場合には、静圧はほとんど変化しないが、風量は比例的に変化する。(2)ランナ径を変化させた場合、翼部36の形状・長さが、ランナ径を代表長さとした比例形状であり、かつ、翼部36の取付角度が同一であれば、静圧はランナ径の2乗に、風量はランナ径の3乗に比例して変化する。
この場合の風量の過不足分は、翼部の幅で調整すればよい。ただし、ランナが径方向へ大きくなる場合ランナ径に合わせてインレットコーン形状、プラグファン形状とも比例的に変化するため、結果的にプラグファンユニット4の大きさも比例的に変化させる必要がある。
勿論、翼部36の幅の変更は、事前に設計プログラムより算出される翼部の傾斜角・長さ、幅に近いプラグファンユニットを選択しても、その都度製作してもよい。
ここで、プラグファンユニット4を交換すると、当然インレットコーン31の小径開口311とプラグファン3の小径の筒状開口351の位置関係も変化するが、例えば、図3において、プラグファン3の左右の先端円形外枠35a(35)が異なったプラグファンユニット4に交換すると、翼部36の幅が小さくなるので、先端円形外枠35a',35b'の位置になってしまう。この場合には調整盤24を左右に移動してインレットコーン31の位置を移動させ(図1の矢印C)、元の小径開口311と筒状開口351の位置関係にして固定すればよい。
また、駆動モータ5の回転軸51とプラグファン3の回転軸32に直結したので、駆動モータ5の回転数を変えなくても、幅の異なったプラグファンユニット4を適宜交換することにより、プラグファン3(送風機)側が要求される所望の風量になるように制御することができ、従来のように、ベルトとプーリでの変速機、歯車式変速機、電源周波数のインバーターは必要なく、変速機やインバーターを不必要とする分だけコストを安くでき、変速機やインバーターは寿命や保守の面からも点検箇所や補修箇所が不必要になる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論であり、プラグファンに限らず、翼部と空気の遠心力を用いて送風する送風機、例えば、翼型送風機、チューブラ送風機等の遠心送風機に用いてもよい。
2・・送風室、21,21a,21b・・空気供給室、22・・プラグファン室、
23・・枠体、24・・調整盤、25・・固定部材、
26・・固定手段(ボルト)、27・・モータ架台、28・・給気ダクト、
3・・プラグファン、31,31a,31b・・インレットコーン、
311・・小径開口、
32・・回転軸、33a,33b・・軸受け、34・・隔壁、
341・・取付部材、35,35a,35a',35b,35b'・・先端円形外枠、
351・・小径の筒状開口、
36,36a,36b,36b'・・翼部、37・・送風口、
38・・プラグファンガイド
4・・プラグファンユニット、
5・・モータ、51・・回転軸、52・・カップリング、
Claims (3)
- プラグファンの回転軸を駆動モータの回転軸に直結した空気調和機において、左右対称の一対のインレットコーンを軸方向の位置に調整する調整盤上に設け、該インレットコーンの縮小した対向する円筒状開口部に対して回動自在に接続する左右対称の先端円形外枠を設け、該両先端円形外枠の間に前記回転軸に固着された隔壁円盤を設け、前記先端円形外枠と隔壁円盤の間には回転軸の回転中心から外側に向かう複数の翼部を配設し、前記先端円形外枠と隔壁及び翼部をユニットとして前記回転軸に対して交換可能にしたことを特徴とした空気調和機のダブルプラグファン構造。
- 請求項1において、前記隔壁の左右の翼部は、一方の翼部は他方における翼部と次の翼部の中間位置に配設し、交互に千鳥足状に設けたことを特徴とする空気調和機のダブルプラグファン構造。
- 請求項1又は請求項2において、前記回転軸は送風室の枠体の外側に配置したモータにより駆動されることを特徴とする空気調和機のダブルプラグファン構造。
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