JP2011079085A - 多軸ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のスピンドルの軸間ピッチを調節する際に、複数のスピンドルを同時に、かつ、各スピンドル間の相互関係を保持したまま調節することができる多軸ヘッドを提供すること。
【解決手段】多軸ヘッドHは、ボディ27と、複数のスピンドル10と、動力源によって回転駆動されるメインギア28に連動回転し、複数のスピンドル10をそれぞれ回転させる複数のスピンドル駆動機構A〜Bと、複数のスピンドル駆動機構A〜Bの位置を調節するスピンドル位置調節機構Sとを備えている。スピンドル位置調節機構Sは、ボディ27に軸支された調節軸35と、複数のアイドルシャフト21に軸支された複数のスピンドルハウジング18と、スピンドルハウジング18に固定された複数のハウジングギア17と、調節軸35に固定され、複数のハウジングギア17と噛合して複数のスピンドル10の配置位置を同時に調節するバックラッシ調節ギア37,38とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のドリルやタップ等の回転工具を支持して回転駆動させる多軸ヘッドに関する。
従来、ボール盤等に取り付けて複数のドリルにより複数の穴を一度に加工する多軸ヘッド(多軸アタッチメントともいう)が開発されている。この多軸ヘッドは、ボール盤等の主軸上のメインギア(駆動用ギア)と噛合する複数の中間歯車を備えて、その複数の中間歯車等の回転によって各回転工具(ドリル)をそれぞれ切削回転できるようにしている。このような多軸ヘッドでは、穴あけ等を行う位置を正確にするために、回転工具が取り付けられるスピンドル(ドリル軸)の軸単位毎に、位置決め及び軸間ピッチの調節が行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に記載の二軸ドリルヘッドは、スピンドルを支持した左右の調節用ギアと、この調節用ギアを左右連動するように連結したラックと、ヘッド本体に装着したラック駆動手段と、からなるピッチ調整装置を備えて、2つのスピンドルの軸間ピッチの調節を可能にしている。
また、特許文献2に記載の二軸穿孔機は、スピンドル(ドリル固定軸)が、締結ボルト及び固定ボルトを緩めることによって、ドリル固定軸支持筒を押し引きしてドリルの位置を調節できるようにしている。
また、4つのスピンドルを有する多軸ヘッドにおける回転工具の位置を調節する手段としては、回転プレートに穿設された4つの円弧状のリード孔に、4つのスピンドル(回転軸)を挿入配置して、回転プレートを回動させることによって、スピンドルにそれぞれ設けた工具の位置をリード孔のピッチ円の範囲で調節可能にしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
実開昭60−14806号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図及び第2図参照) 特開昭53−136788号公報(第2図及び第3図参照) 実開平1−97810号公報(第1図及び第2図)
しかしながら、前記特許文献1に記載の二軸ドリルヘッドは、2つのスピンドルを任意の位置に配置が可能で、さらに、二軸を同時に調節するためのつまみと目盛を有するものの、各スピンドルの位置を表す目盛がないので、それぞれのスピンドルを正確に調節することが困難であるという問題点があった。
また、特許文献2に記載の二軸穿孔機は、ドリルの位置を調節し、その調節した位置にドリル固定軸支持筒を固定する際に、2本の締結ボルトと、4つの長孔に設けられた4本の固定ボルトとを緩めて、押し引きして位置調節した上で、各ボルトを締めることが不可欠である。このため、スピンドルを位置調節するときの作業工数が多く、作業時間及び手間がかかるという問題点があった。
また、特許文献3に記載の多軸ヘッドは、仕様上は任意に4つのスピンドルを位置調節することが可能である。しかし、実際に調節作業を行う場合は、ピッチ変更機構を作動させると共に、モータ、カップリング、ウォーム、ホイール等を介在し、さらに、駆動歯車、中間歯車、従動歯車及びリンクの種々の機構を介在して位置調節が行われるので、各所で調節ミスやバックラッシやガタツキが発生するという問題点があった。このため、4つのスピンドルを位置調節する際には、調整不良や加工不良品等が発生するおそれがある。
さらに、前記特許文献1〜3に記載の多軸ヘッドは、いずれも、各スピンドルを正確に位置調節する場合、各スピンドルを個別に調節する必要があり、位置調節するのに作業時間がかかるという問題点があった。
それらの多軸ヘッドを利用して4つのスピンドルを四等配置に設定した場合には、バックラッシやガタツキ等が四箇所で発生するので、四等配置したスピンドルの中心とヘッドの中心とがずれる可能性もある。
そこで、本発明は、このような問題点を解決するために創案されたものであり、複数のスピンドルの軸間ピッチを調節する際に、複数のスピンドルを同時に、かつ、各スピンドル間の相互関係を保持したまま調節することができる多軸ヘッドを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の多軸ヘッドの発明は、クイルに固定されるボディと、複数の回転工具をそれぞれ保持する複数のスピンドルと、動力源によって回転駆動されるメインギアに噛合して連動回転し、前記複数のスピンドルをそれぞれ回転させる複数のスピンドル駆動機構と、前記複数のスピンドル駆動機構の位置を調節するスピンドル位置調節機構と、を備えた多軸ヘッドであって、前記スピンドル位置調節機構は、前記ボディに回転可能に支持された調節軸と、前記ボディに固定された複数のアイドルシャフトに回転可能に支持された複数のスピンドルハウジングと、前記スピンドルハウジングに固定された複数のハウジングギアと、前記調節軸に固定され、前記複数のハウジングギアと噛合するバックラッシ調節ギアと、を備え、前記バックラッシ調節ギアは、前記調節軸が回転されることによって回転し、前記複数のスピンドルの配置位置を同時に調節することを特徴とする。
ここで、「多軸ヘッド」とは、二つ以上の複数の回転工具をそれぞれ回転させるスピンドルを備えたヘッドをいう。
かかる構成によれば、多軸ヘッドは、メインギアが動力源によって回転駆動されると、スピンドル駆動機構を介在して、それぞれの回転工具が回転して被加工物を加工する。また、スピンドル位置調節機構の調節軸を回転させると、バックラッシ調節ギアを介在して、複数のハウジングギアが回転して各スピンドルハウジングがスピンドルと共に回転する。その複数のスピンドルハウジングは、ボディに固定された各アイドルシャフトを中心として回転して、複数のハウジングギア、スピンドル及び回転工具を回転させ、複数のスピンドル及び回転工具間の軸間ピッチ及び位置を同時に調節することができる。
請求項2に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項1に記載の多軸ヘッドであって、前記各スピンドル駆動機構は、前記ボディにそれぞれの前記アイドルシャフトを介在して回転可能に支持され、前記メインギアに噛合する複数のアイドルギアと、前記複数のアイドルギアにそれぞれ噛合し、前記複数のスピンドルに外嵌されて一体に回転する複数のスピンドルギアと、を備え、前記スピンドル位置調節機構は、前記調節軸を回転させることにより、前記複数のスピンドルハウジングと、前記複数のスピンドルと、前記複数のハウジングギアとが、それぞれ前記アイドルシャフトを中心として連動回転することを特徴とする。
かかる構成によれば、スピンドル駆動機構は、主軸と一体に回転するメインギアが回転すると、これに噛合している複数のアイドルギアが回転し、各スピンドルギアを介在してそれぞれスピンドル及び回転工具が回転して被加工物を加工する。スピンドル位置調節機構は、調節軸を回転させることにより、複数のハウジングギアが、アイドルシャフトを中心として、それぞれのスピンドルハウジング、スピンドル及び回転工具を連動回転させて、それらの位置を調節することができる。
請求項3に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項1または請求項2に記載の多軸ヘッドであって、前記スピンドル駆動機構は、正面視して前記ボディを中心として任意の円周上に配置された第1スピンドル駆動機構と、第2スピンドル駆動機構と、第3スピンドル駆動機構と、第4スピンドル駆動機構とを四等配置してなることを特徴とする。
かかる構成によれば、スピンドル駆動機構は、主軸を回転させることによって、4組の第1〜第4スピンドル駆動機構を四等配置の状態で、ボディの中心部を中心として回転させることができる。このため、第1〜第4スピンドル駆動機構を一度に回転させて4つのスピンドルの各軸間ピッチを同時に調節することが可能である。
請求項4に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多軸ヘッドであって、前記バックラッシ調節ギアは、前記調節軸に固定された第1バックラッシ調節ギアと、前記調節軸に回転可能に外嵌されて前記第1バックラッシ調節ギアに締結される第2バックラッシ調節ギアとからななり、第1及び第2バックラッシ調節ギアは、互いに回転方向にずらして前記調節軸に締結することにより、両者が噛合する前記ハウジングギアとのバックラッシを低減させることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1及び第2バックラッシ調節ギアとは、両者が噛合するハウジングギアの歯溝の一方の歯面に第1バックラッシ調節ギアの歯面と当接させて、他方の歯面に第2バックラッシ調節ギアの歯面と当接させ、第1バックラッシ調節ギアと第2バックラッシ調節ギアとを互いに回転方向にずらして調節軸に固定する。このようにすることにより、第1及び第2バックラッシ調節ギアを、ハウジングギアの歯溝にガタツクことなく当接させることができるので、バックラッシをゼロにすることができる。
請求項5に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の多軸ヘッドであって、前記スピンドルハウジングと前記ボディとは、一方の外周部に目盛を有し、他方の外周部に目印を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、スピンドルハウジングとボディとは、一方の外周部に目盛を有し、他方の外周部に目印を有することによって、正確に位置を調節することができる。
請求項6に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項2に記載の多軸ヘッドであって、前記回転工具は、前記スピンドルに、ラジアル方向への移動を可能に支持するフローティング機構を介在して取り付けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、回転工具は、スピンドルに、ラジアル方向への移動を可能に支持するフローティング機構を介在して取り付けられていることにより、工具にラジアル方向の負荷がかかると、ラジアル方向に弾性的に移動して負荷を吸収させることができる。
請求項7に記載の多軸ヘッドの発明は、請求項6に記載の多軸ヘッドであって、前記フローティング機構は、前記回転工具の基端部側に外嵌させたスリーブと、前記スリーブを内嵌し、前記スピンドルの先端部に開口して形成された中空部にクッション材を介在して挿入されるスリーブホルダと、前記スリーブホルダを前記スピンドルに固定するための固定具と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、フローティング機構は、回転工具固定用のスリーブを内嵌したスリーブホルダが、クッション材を介在してスピンドルの中空部内に保持されることにより、回転工具にラジアル方向の負荷がかかると、クッション材が弾性変形するため、回転工具にかかる余分な負荷や衝撃を吸収することができる。また、回転工具で加工している際に、回転工具にラジアル方向の偏荷重がかかったり、スピンドルが損傷するような衝撃力が負荷されたり、回転工具の軸心がずれたりするのを、クッション材が弾性変形することによって抑制することができる。
本発明に係る多軸ヘッドによれば、複数のスピンドルの軸間ピッチを調節する際に、正確に容易に、かつ、同時に位置調節することができる。また、多軸ヘッドは、多種ある被加工物に対して1台のヘッドで加工できると共に、被加工物が変わった場合の段取り替えを短時間で行うことができる。さらに、多軸ヘッドは、複数のスピンドル駆動機構及び回転工具の位置を同時に調節することができるので、スピンドル毎の位置調節を不要にして簡略化することができる。このため、従来の調節式ヘッドと比較して、スピンドルの配置調節の作業時間を「1/軸の本数」以下の割合で削減することができ、スピンドルの位置を調節する作業の作業効率を向上させることができる。また、多軸ヘッドは、スピンドルの配置調節を容易に行えることによって、スピンドルの位置調節ミスを低減させて、加工不良品の発生を防止することができる。
本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの概略断面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの正面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドに設けられた目盛を示す要部拡大図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドにおけるハウジングギアと第1及び第2バックラッシ調節ギアとの噛合状態を示す要部拡大図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す図であり、軸の配置を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す図であり、歯車の配置を示す概略正面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す図であり、一部断面を有する側面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る多軸ヘッドの変形例を示す図であり、目盛を示す要部拡大図である。
まず、図1〜図4を参照しながら本発明の実施形態に係る多軸ヘッドHを説明する。なお、便宜上、主軸48が配置される側を基端部側、多軸ヘッドHに回転工具1が設置される側を先端側(前側)として説明する。
≪多軸ヘッドの構成≫
図1に示すように、多軸ヘッドHは、この多軸ヘッドHに取り付けた回転工具1を回転させるによって被加工物(図示省略)を切削などして所定の形状に加工する加工機である。多軸ヘッドHは、被加工物をどのように加工するかは、特に限定されない。この多軸ヘッドHは、複数の回転工具1を取り付けて、被工作物(図示省略)に対して複数個所を同時に加工することができるが、以下、その一例として、2本の回転工具1(タップ)を取り付けてタップ加工を行う場合を例に挙げて説明する。
多軸ヘッドHは、筒状のクイル50と、クイル50に固定されるボディ27と、クイル50に回転可能に内嵌された主軸48と、動力源によって回転駆動される主軸48に固定されるメインギア28と、複数の回転工具1と、複数の回転工具1がそれぞれ保持された複数のスピンドル10と、メインギア28に噛合して連動回転する第1スピンドル駆動機構A及び第2スピンドル機構Bと、第1及び第2スピンドル駆動機構A,Bによってそれぞれ回転するスピンドル10の位置(軸間ピッチ)を調節するスピンドル位置調節機構Sと、を主に備えている。
≪クイル、ボディの構成≫
図1に示すクイル50は、主軸48を回転可能に軸支する筒状の部材であり、多軸ヘッドHの装置本体(図示省略)に設けられている。
ボディ27は、フランジ30及びクランプ32を介在してクイル50にボルト31,49によって着脱自在に固定されるヘッド本体である。ボディ27は、第1及び第2スピンドル駆動機構A,B及びスピンドル位置調節機構Sを保持するための略円盤状の部材からなる。ボディ27には、メインギア28が回転可能に挿入配置されるメインギア配置穴27aと、スピンドルハウジング18、アイドルギア25及びスピンドルギア44が回転可能に挿入配置される歯車配置穴27bと、アイドルシャフト21の基端部が固定される軸止部27cと、調節軸35を軸支する軸受部材42が装着される軸受設置穴27dと、が形成されている。
≪主軸、メインギア及び回転工具の構成≫
主軸48は、多軸ヘッドHの電動モータ等の動力源(図示省略)によって回転される回転軸である。主軸48は、ボディ27の中心部上に配置され、先端部に、メインギア28をこの主軸48に固定するためのボルト29が螺着される雌ねじを有している。
メインギア28は、主軸48と一体に回転する歯車であり、2つのアイドルギア25が噛合している。
回転工具1は、例えば、スピンドル10の先端部に配置されて、回転しながら被加工物(図示省略)をタップ加工するタップであり、ドリルやリーマ等であっても構わない。
≪第1及び第2スピンドル駆動機構の構成≫
図1に示すように、第1及び第2スピンドル駆動機構A,Bは、回転する1つのメインギア28の回転を2つの回転工具1にそれぞれ伝達して回転させる歯車伝達機構であり、メインギア28に噛合して減速、等速、あるいは増速回転させるための2組の伝達機構からなる。第1及び第2スピンドル駆動機構A,Bは、メインギア28に噛合するアイドルギア25と、各アイドルギア25を回転可能それぞれ支持するアイドルシャフト21と、各アイドルギア25に噛合するスピンドルギア44と、基端部側を各スピンドルギア44に内嵌して一体に回転するスピンドル10と、各スピンドル10の先端部に回転工具1を弾性的に保持するためのフローティング機構Fと、をそれぞれ1組ずつ備えて構成されている。
<アイドルギアの構成>
アイドルギア25は、1つのメインギア28と2つのスピンドルギア44との間にそれぞれ介在されて、メインギア28の回転をスピンドル10と一体に回転するスピンドルギア44に伝達するための中間歯車である。アイドルギア25は、メインギア28に噛合する大歯車部25aと、スピンドルギア44に噛合する小歯車25bと、を有する2つの歯車からなる。各アイドルギア25は、2つのニードルベアリング24を介在してそれぞれのアイドルシャフト21に回転可能に支持されている。
<アイドルシャフトの構成>
図1に示すように、各アイドルシャフト21は、基端側がボディ27に固定され、先端側にスピンドルハウジング18を回転可能に支持するための軸棒であり、両端部にそれぞれ雄ねじ部を有している。換言すると、各アイドルシャフト21は、基端側の雄ねじ部をボディ27に形成された雌ねじ部に螺着し、ワッシャ26、アイドルギア25に内嵌したニードルベアリング24、ワッシャ23、スピンドルハウジング18及び座金14を介在して、先端側の雄ねじ部にナット13を螺合している。
<スピンドルギアの構成>
図1に示すように、スピンドルギア44は、各小歯車25bに噛合する2つの歯車からなり、スピンドル10の基端部に外嵌され、キー45、ギアロックナット46及びロックナット47によってそのスピンドル10に固定されている。
<スピンドルの構成>
スピンドル10は、基端部側がそれぞれスピンドルギア44に内嵌されて、先端部にフローティング機構Fを介在して回転工具1を取り付けられて、それらと一体に回転する2つの軸棒からなる。スピンドル10には、フローティング機構Fが内設される中空部10aと、スピンドルハウジング18の前側に配置され、前記中空部10aが形成された大径部10bと、先端側がスピンドルハウジング18内に挿入され、基端部側にスピンドルギア44等が固定された小径部10cと、大径部10bと小径部10cとの間に形成された段差部10dと、大径部10bに穿設された固定具装着孔10eと、が形成されている。スピンドル10は、小径部10cを前側からスピンドルハウジング18内に挿入して、その小径部10cに、ベアリングプレート11、スラストベアリング12、スラストベアリングカバー19、ニードルベアリング20、ベアリングスペーサ22、ニードルベアリング20、スラストベアリングカバー19、スラストベアリング12、スピンドルギア44、キー45、ギアロックナット46を介して基端部にロックナット47が外嵌されることにより、スピンドルハウジング18に回転可能に支持されている。
中空部10aは、有底円筒状の大径部10b内に形成された円柱形状の空間からなり、隙間Eを介してフローティング機構Fのスリーブホルダ4が挿入されて、固定具7によって固定されている。中空部10aの内壁面には、スリーブホルダ4の外周部に装着した複数の弾性材料からなるクッション材6(クッションリング)が当接している。
大径部10bは、スピンドルハウジング18に穿設された軸孔よりも大きな外径で形成されて、スピンドルハウジング18の前面のセフティカバー16から突出した状態に配置されている。
段差部10dとスピンドルハウジング18との間には、ベアリングプレート11、一方のスラストベアリング12及びスラストベアリングカバー19が外嵌されている。
スピンドルハウジング18の軸孔内に配置された小径部10cには、中央部にベアリングスペーサ22が外嵌され、その両側にニードルベアリング20,20がそれぞれ外嵌されている。
スピンドルハウジング18の軸孔内からボディ27のメインギア配置穴27a内に突出した小径部10cには、スピンドルギア44をスピンドル10に固定するキー45が挿入されるキー溝が形成されている。小径部10cにおいて、前記スピンドルギア44の先端側に他方のスラストベアリング12及びスラストベアリングカバー19が外嵌され、基端部側にスピンドルギア44をスピンドル10に固定するためのギアロックナット46及びロックナット47が外嵌されている。
固定具装着孔10eは、固定具7を挿入後、Cリング8によって抜け止めしている。
<フローティング機構の構成>
図1に示すように、フローティング機構Fは、回転工具1をスピンドル10にラジアル方向へ移動可能に弾性支持するためのものである。フローティング機構Fは、回転工具1の基端部側に外嵌させたスリーブ5と、スリーブ5を内嵌したスリーブホルダ4と、スリーブホルダ4を回転工具1に固定するための止めねじ3と、止めねじ3と回転工具1との間に介在されるロックスペーサ2と、スピンドル10にスリーブホルダ4を固定するための固定具7と、固定具7及び大径部10bの外周部に外嵌されるCリング8と、スリーブホルダ4とスピンドル10の中空部10aとの間の隙間Eによるガタツキを防止するためのクッション材6と、固定具7の側面を押圧するリターンスプリング9と、を備えて構成されている。
例えば、被加工物(図示省略)に設けられた下穴に、ドリルまたはタップからなる回転工具1で加工する場合には、被加工物の下穴の位置と、スピンドル10の位置にズレが生じるときがある。このような位置ズレがある場合は、加工穴の径の精度が悪くなったり、加工穴に傾きが生じたりする可能性がある。また、多軸ヘッドHは、加工の際に、スピンドル10に偏荷重がかかるため、スピンドル10が破損して、寿命が短くなる可能性がある。このような問題点を解消すべく、回転工具1とスピンドル10との間には、回転工具1のラジアル方向の位置のズレや、回転工具1に加わった衝撃を吸収するフローティング機構Fが介在されている。
このため、スピンドル10の中空部10aの内壁とスリーブホルダ4との間には、ラジアルフローティング量である隙間Eが設けられている。スリーブホルダ4は、外周部に弾性変形するクッション材6を設けて、隙間Eに配置することにより、スピンドル10の中空部10aに対してスリーブホルダ4が略隙間E分浮いた状態で弾性支持されている。
スリーブ5は、回転工具1を固定するための円筒状の部材であり、外周面にロックスペーサ2が挿入される設置穴5aを有している。
スリーブホルダ4は、スリーブ5を大径部10bにスラスト方向及びラジアル方向に弾性的に固定するための段付円筒形状の部材からなり、クッション材6を介在してスピンドル10の先端方向に向けて形成された中空部10a内に挿入配置される。スリーブホルダ4には、固定具7をスラスト方向に移動可能に挿入する長孔4aと、止めねじ3が軸心方向に向けて螺合される雌ねじ部4bと、スリーブ5が装着されるスリーブ装着部4cと、リターンスプリング9のばね受け部4dと、が形成されている。
ロックスペーサ2は、スリーブ5の設置穴5aに内設されると共に、回転工具1の外周面と、止めねじ3の先端との間に介在されて、スリーブ5の回り止めと、回転工具1のクランプとを行うための部材である。
図1に示すように、固定具7は、スリーブホルダ4に穿設された長孔4aと固定具装着孔10eとに挿入される部材であり、例えば、平行ピンからなる。
Cリング8は、固定具7と大径部10bとに外嵌することによって、固定具7が大径部10bから脱落するのを防止する脱落防止部材である。
クッション材6は、スリーブホルダ4の外周部に形成された環状溝に嵌合されるリング状の弾性部材であり、スリーブホルダ4とスピンドルの中空部10aとの間の隙間Eに配置される。クッション材6は、外周方向に弾性変形可能にするために、断面視して半円状に形成されている。
リターンスプリング9は、圧縮円筒コイルばねからなり、基端側がスリーブホルダ4内のばね受け4dを押圧する状態に配置され、先端側が固定具7の側面を先端側に押圧する状態に圧縮されて内設されている。このため、リターンスプリング9は、ばね力によってスリーブホルダ4を基端側に常に押圧している。
≪スピンドル位置調節機構の構成≫
前記スピンドル位置調節機構Sは、ボディ27に回転可能に支持された調節軸35と、ボディ27に固定された2本の前記アイドルシャフト21と、アイドルシャフト21に回転可能に支持された2本のスピンドルハウジング18と、2本のアイドルシャフト21にそれぞれ設けられたハウジングギア17と、調節軸35に固定され、2つのハウジングギア17にそれぞれ噛合する第1バックラッシ調節ギア37及び第2バックラッシ調節ギア38と、ハウジングギア17とこれに噛合する第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38との間のバックラッシを調節するバックラッシ調節機構Gと、を備えて構成されている。スピンドル位置調節機構Sは、調節軸35を回転させることにより、2つのスピンドルハウジング18と、2つのスピンドル10と、2つのハウジングギア17とが、それぞれアイドルシャフト21を中心として連動回転するように設けられている。
<調節軸の構成>
調節軸35は、この調節軸35をスパナ等で回転させることにより、第1及び第2スピンドル駆動機構A,Bを同時に回動させて二軸間の軸間ピッチを調節する1本の軸棒である。調節軸35は、基端部側がボディ27に回動可能に軸支され、先端部側がセフティカバー16から突出した状態に配置されている。調節軸35には、この調節軸35の先端部に略六角柱形状に形成された頭部35aと、第1バックラッシ調節ギア37を調節軸35に固定するためのキー33が挿入されるキー溝35bと、第1バックラッシ調節ギア37が軸方向に移動するのを阻止する止め輪34が装着される環状溝(図示省略)と、基端部側にストッパ35cと、が形成されている。その調節軸35には、第1バックラッシ調節ギア37と、第2バックラッシ調節ギア38と、軸受部材42とが外嵌されている。
<スピンドルハウジングの構成>
スピンドルハウジング18は、アイドルシャフト21に回転可能に外嵌された回転体であり、2つの略円柱状の部材からなる。図2に示すように、各スピンドルハウジング18は、中央部にアイドルギア25を軸支したアイドルシャフト21が配置され、前側外周部にハウジングギア17がボルト締めされ、後側外周部がボディ27の歯車配置穴27b内に回転自在に収納され、アイドルシャフト21の周辺部位にスピンドルギア44を固定した2つのスピンドル10が回転可能に挿入されている(図1参照)。
図3に示すように、各スピンドルハウジング18とボディ27とは、スピンドルハウジング18(一方)の外周部に目盛52を有し、ボディ27(他方)の外周部に目印53を有している。このため、調節軸35を回転した際に、スピンドルハウジング18がどの程度回転したか確認できるようになっている。
<ハウジングギアの構成>
ハウジングギア17は、2つのスピンドルハウジング18の外周部前側にそれぞれ固定された歯車からなる。ハウジングギア17は、スパナ等で調節軸35を回転させることにより、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38を介在して連動回転して、2つのスピンドル10、回転工具1及びスピンドルハウジング18をアイドルシャフト21を中心として回転させる。換言すると、2つのハウジングギア17は、それぞれが噛合する第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38が回転すると、それらの歯車と共に2つのスピンドル10及び回転工具1も回転するようになっている。
≪バックラッシ調節機構の構成≫
バックラッシ調節機構Gは、複数のハウジングギア17と、これに噛合する第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38とのバックラッシを除去するための調節を行うものである。バックラッシ調節機構Gは、第1バックラッシ調節ギア37と、第2バックラッシ調節ギア38と、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38とを固定する連結具36と、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38が固定される調節軸35と、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38が噛合するハウジングギア17と、を備えて構成されている。
<第1及び第2バックラッシ調節ギアの構成>
第1バックラッシ調節ギア37は、調節軸35に固定されて一体に回転する歯車であり、ハウジングギア17に噛合している。第1バックラッシ調節ギア37は、複数のボルトからなる連結具36がそれぞれ螺着される雌ねじ部37aを有している。
第2バックラッシ調節ギア38は、調節軸35に回転可能に外嵌されて第1バックラッシ調節ギア37の前側の隣接した位置に連結具36によって締結されて、第1バックラッシ調節ギア37と共に回転する。第2バックラッシ調節ギア38には、バックラッシ調節用の連結具36が挿入される円弧状の遊動孔38aが穿設されている。このため、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38は、図4に示すように、第2バックラッシ調節ギア38を第1バックラッシ調節ギア37対して回転方向(矢印e,f方向)に互いにずらして、ハウジングギア17の歯溝17aに一方に歯面37bと他方の歯面38bとに当てた状態で調節軸35に締結することにより、両者が噛合するハウジングギア17とのバックラッシをゼロにすることが可能である。
<連結部の構成>
図4に示すように、連結具36は、第1バックラッシ調節ギア37と、この第1バックラッシ調節ギア37に軸方向の前側に重ねるようにして配置される同一形状で同じ大きさの歯車からなる第2バックラッシ調節ギア38と、を固定するボルトからなる(図1参照)。換言すると、連結具36は、ハウジングギア17の歯溝17aに対する第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38の歯面37b,38bを当接させてバックラッシをゼロ(低減)にした状態で前側の第2バックラッシ調節ギア38を後側の第1バックラッシ調節ギア37に固定してバックラッシを制限するための部材である。
≪作用≫
次に、図1〜図4を参照しながら本発明の実施形態に係る多軸ヘッドHの作用を説明する。
<スピンドルの位置を調節する場合>
スピンドル10の位置を調節する場合は、まず、図2に示す2つのナット13,13を緩める。これにより、スピンドル10の位置を調節することが可能になる。次に、スパナ等を用いて設定したいスピンドル10の位置まで、調節軸35を回転させる。調節軸35を回転させることにより、2つのスピンドル10,10の位置は、互いに近づいたり、離れたりする。
図2に示すように、例えば、スパナ等で調節軸35を右方向(矢印a方向)に回転させると、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38も同じ右方向(矢印b方向)に回転する。すると、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38に噛合しているハウジングギア17,17は、アイドルシャフト21,21を中心として左方向(矢印c方向)へスピンドル10、回転工具1、スピンドルハウジング18等と共に回転する。このため、2つのスピンドル10,10間の距離Lが近くなったり、遠くなったりして、その間の距離L(軸間ピッチ)を調節することができる。
このように、二軸ヘッドの場合は、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38を多軸ヘッドHの中心位置からオフセットした位置に配置して、これらに噛合している2つのハウジングギア17,17に設けたスピンドル10,10がアイドルシャフト21を中心として同時に回転して、スピンドル10,10間の距離Lを狭めたり、広げたりして、軸間ピッチを調節することができる。
図4に示すように、スピンドルハウジング18が回転することによって、スピンドルハウジング18に設けた目盛52も回転する。このため、ボディ27の目印53と目盛52とにより、スピンドル10の位置(スピンドル10,10の軸間ピッチ)を読み取ることができる。2つのスピンドル10,10間の距離Lが設定したい位置になった場合は、緩めたナット13,13を締め付けることで、その状態に固定することができる。
<回転工具で被加工物を加工する場合>
図1に示すように、回転工具1,1で被加工物(図示省略)を加工する場合は、電動モータ等の動力源(図示省略)を回転駆動させると、主軸48、メインギア28、アイドルギア25,25を介在してスピンドルギア44,44と共に、スピンドル10,10、フローティング機構F,F及び回転工具1,1が回転して被加工物を切削加工する。
例えば、加工の際に、被加工物(図示省略)に形成された下穴と、スピンドル10の中心とがずれている場合、下穴にタップ等の回転工具1が倣おうとするが、そのときに、スリーブホルダ4に偏荷重がかかる。この偏荷重がクッション材6にかかると、クッション材6が弾性変形して、偏荷重と衝撃力とを吸収すると共に、スリーブホルダ4の位置がスピンドル10に対してラジアル方向に弾性的に移動して偏心し、スリーブホルダ4の中心(回転工具1の中心)と下穴の中心とを一致させる方向に弾性力が働いて、自動的に位置合わせをしようとする。このため、スリーブホルダ4内にスリーブ5を介在して取り付けられた回転工具1は、スリーブホルダ4と一体に移動して中心位置が自動的に微調整されて、被加工物の所定位置を正確に切削加工することができる。
回転工具1による被加工物の加工が終了すると、回転工具1が被加工物から離れると同時に、被加工物から回転工具1、スリーブ5を介在してスリーブホルダ4に外力がかからなくなるので、スリーブホルダ4への偏荷重もかからなくなるため、クッション材6は元の形状に戻る。
すると、スピンドル10の軸心に対してずれた状態になっていた回転工具1、スリーブ5及びスリーブホルダ4が、クッション材6の弾力によって押圧されて元の軸心が互いに一致する位置に自動復帰する。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。以下、前記実施形態の変形例を説明する。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態では、スピンドル10を2つ有するいわゆる二軸へッドの場合を例に挙げて説明したが、本発明は二軸のものに限定されるものではなく、スピンドル10が2つ以上のものでも適用可能である。
その一例として、図5〜図10を参照しながらスピンドル10を4つ有するいわゆる四軸ヘッドからなる多軸ヘッドH1を説明する。
図5に示すように、この場合、多軸ヘッドH1は、ボディ27を正面視して、メインギア28及び調節軸35を中心として任意の円周上に配置され、それぞれ同一構造の4組の第1〜第4スピンドル駆動機構A〜Dを四等配置してなる。
図6に示すように、変形例の第1〜第4スピンドル駆動機構A〜Dは、前記実施形態のメインギア28とアイドルギア25との間に2組の中間歯車25A,25Bがそれぞれ増設されている。つまり、動力源(図示省略)によってメインギア28が回転すると、その回転は、メインギア28から4組の中間歯車25A、中間歯車25B、アイドルギア25の大歯車部25a及び小歯車25bを介在して各スピンドルギア44に伝達される。図8に示すように、各スピンドルギア44の回転によって前記実施形態と同様に、それぞれのスピンドルギア44、スピンドル10、固定具7、スリーブホルダ4、スリーブ5及び回転工具1が一体に回転して4つの回転工具1による切削加工が可能になる。
このように回転工具1を設けたスピンドル10の数を4つ増設した場合には、その数に合わせてスピンドル駆動機構の数も増設すればよい。
その場合、図5に示すように、スピンドル位置調節機構S及びバックラッシ調節機構Gは、調節軸35、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38がボディ27の中心に配置され、その第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38の外周部に4つのハウジングギア17が噛合した状態に四等配置される。
図8に示すように、調節軸35を回転させれば、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38に噛合している4つのハウジングギア17(図5参照)が同時に回転して、各ハウジングギア17に固定されたスピンドルハウジング18と、スピンドルハウジング18に軸入されたスピンドル10とがアイドルシャフト21を中心として回転する。すると、4つのスピンドル10(4つの回転工具1)のそれぞれの間の距離L(軸間ピッチ)を同時に狭くしたり、広げたりすることができる。
また、第1及び第2バックラッシ調節ギア37,38と、4つのハウジングギア17とのそれぞれのバックラッシも、図4に示す前記実施形態と同様に、連結具36を緩めて、第1バックラッシ調節ギア37の歯面37bと第2バックラッシ調節ギア38の歯面38bをハウジングギア17の歯溝17aの両側側面に当てることによって、ゼロにすることができきる。
以上のように、本発明に係る多軸ヘッドH,H1は、スピンドル10を2つ以上有するものに適用することが可能である。
1 回転工具
4 スリーブホルダ
5 スリーブ
6 クッション材
7 固定具
10 スピンドル
10a 中空部
17 ハウジングギア
18 スピンドルハウジング
21 アイドルシャフト
25 アイドルギア
27 ボディ
28 メインギア
35 調節軸
37 第1バックラッシ調節ギア(バックラッシ調節ギア)
38 第2バックラッシ調節ギア(バックラッシ調節ギア)
44 スピンドルギア
50 クイル
52 目盛
53 目印
A 第1スピンドル駆動機構(スピンドル駆動機構)
B 第2スピンドル駆動機構(スピンドル駆動機構)
C 第3スピンドル駆動機構(スピンドル駆動機構)
D 第4スピンドル駆動機構(スピンドル駆動機構)
F フローティング機構
G バックラッシ調節機構
H,H1多軸ヘッド
S スピンドル位置調節機構

Claims (7)

  1. クイルに固定されるボディと、
    複数の回転工具をそれぞれ保持する複数のスピンドルと、
    動力源によって回転駆動されるメインギアに噛合して連動回転し、前記複数のスピンドルをそれぞれ回転させる複数のスピンドル駆動機構と、
    前記複数のスピンドル駆動機構の位置を調節するスピンドル位置調節機構と、を備えた多軸ヘッドであって、
    前記スピンドル位置調節機構は、前記ボディに回転可能に支持された調節軸と、
    前記ボディに固定された複数のアイドルシャフトに回転可能に支持された複数のスピンドルハウジングと、
    前記スピンドルハウジングに固定された複数のハウジングギアと、
    前記調節軸に固定され、前記複数のハウジングギアと噛合するバックラッシ調節ギアと、を備え、
    前記バックラッシ調節ギアは、前記調節軸が回転されることによって回転し、前記複数のスピンドルの配置位置を同時に調節することを特徴とする多軸ヘッド。
  2. 前記各スピンドル駆動機構は、前記ボディにそれぞれの前記アイドルシャフトを介在して回転可能に支持され、前記メインギアに噛合する複数のアイドルギアと、
    前記複数のアイドルギアにそれぞれ噛合し、前記複数のスピンドルに外嵌されて一体に回転する複数のスピンドルギアと、を備え、
    前記スピンドル位置調節機構は、前記調節軸を回転させることにより、前記複数のスピンドルハウジングと、前記複数のスピンドルと、前記複数のハウジングギアとが、それぞれ前記アイドルシャフトを中心として連動回転することを特徴とする請求項1に記載の多軸ヘッド。
  3. 前記スピンドル駆動機構は、正面視して前記ボディを中心として任意の円周上に配置された第1スピンドル駆動機構と、第2スピンドル駆動機構と、第3スピンドル駆動機構と、第4スピンドル駆動機構とを四等配置してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多軸ヘッド。
  4. 前記バックラッシ調節ギアは、前記調節軸に固定された第1バックラッシ調節ギアと、
    前記調節軸に回転可能に外嵌されて前記第1バックラッシ調節ギアに締結される第2バックラッシ調節ギアとからなり、
    第1バックラッシ調節ギアと第2バックラッシ調節ギアは、互いに回転方向にずらして前記調節軸に締結することにより、両者が噛合する前記ハウジングギアとのバックラッシを低減させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多軸ヘッド。
  5. 前記スピンドルハウジングと前記ボディとは、一方の外周部に目盛を有し、他方の外周部に目印を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の多軸ヘッド。
  6. 前記回転工具は、前記スピンドルに、ラジアル方向への移動を可能に支持するフローティング機構を介在して取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の多軸ヘッド。
  7. 前記フローティング機構は、前記回転工具の基端部側に外嵌させたスリーブと、
    前記スリーブを内嵌し、前記スピンドルの先端部に開口して形成された中空部にクッション材を介在して挿入されるスリーブホルダと、
    前記スリーブホルダを前記スピンドルに固定するための固定具と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載の多軸ヘッド。
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