JP2011077373A - 磁気デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気デバイス及びその製造方法において、ループ配線により発生した磁束の拡散を防止し、かつ透磁率の高い閉磁路を形成することにより、インダクタンス特性に優れたものとし、しかも、性能バラツキを無くすようにする。
【解決手段】コイル1は、互いに対向した第1の磁性体基板2及び第2の磁性体基板3と、第1の磁性体基板2に設けられるループ配線4と、ループ配線4に電流が流れたときに発生する磁束が通るコア5と備え、コア5と両磁性体基板2、3とにより閉磁路を形成している。コア5は、両磁性体基板2、3間に、ループ配線4を挿通するための空隙を持つ第3の磁性体基板を介在させることにより構成されている。第3の磁性体基板の形状を、コア5が磁束通路として必要な部分に配されるように工夫したので、高透磁率であって、コア5と第1、第2の磁性体基板2、3とを含めてループ配線4を周回するような閉磁路が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気デバイス及びその製造方法に関し、特に、半導体製作技術やMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて形成されるものに関する。
従来より、この種の磁気デバイスとして、互いに対向した一対の磁性体基板の間に、ループ配線と、このループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを形成して成るコイル及びトランスが知られている。例えば、このような磁気デバイスの構成において、ループ配線を形成した磁性体基板上にコアとして磁性樹脂層を形成し、この磁性樹脂層上に他方の磁性体基板を設けることにより、磁性樹脂層と両磁性体基板とにより閉磁路を形成するようにしたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2007−173384号公報 特開2003−347122号公報
しかしながら、上記のような構成では、磁性樹脂層が両磁性体基板間の全領域に亘って介在するため、ループ配線により発生した磁束が拡散してループ配線内の磁束密度が減少し、インダクタンス特性が低くなる。また、磁性樹脂層は、磁性粉末を樹脂材料に含有したペーストにより構成されていることから、磁性体基板のような磁性ブロック体と比べて透磁率が低く、その結果、閉磁路全体として高い透磁率を得ることができない。また、磁性樹脂層の厚みを均一に制御することが難しく、磁気デバイスの性能にバラツキが生じる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ループ配線により発生した磁束の拡散を防止し、かつ透磁率の高い閉磁路を形成することにより、インダクタンス特性に優れたものとし、しかも、性能バラツキを無くすことができる磁気デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板と、これら磁性体基板の一方又は両方に設けられるループ配線と、前記ループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを備え、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスにおいて、前記コアは、前記第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との間に、前記ループ配線を挿通するための空隙を持つ第3の磁性体基板を介在させることにより構成されているものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の磁性体基板は、絶縁性材料から成るものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1、第2及び第3の磁性体基板とが互いに直接結合されているものである。
請求項4の発明は、互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板の基板間に、ループ配線と、このループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを形成し、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスの製造方法であって、前記少なくとも第1の磁性体基板にループ配線を形成するループ配線形成工程と、前記ループ配線を挿通するための凹状の空隙を有した第3の磁性体基板を用いてコアを形成するコア形成工程と、を備え、前記コア形成工程は、前記ループ配線形成工程によりループ配線の形成された第1の磁性体基板と前記第3の磁性体基板とを、前記空隙の開口側が前記ループ配線に臨むように接合する工程と、前記工程の後に、第3の磁性体基板の凹底側を除去する工程と、前記工程の後に、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程と、を有したものである。
請求項5の発明は、互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板の基板間に、ループ配線と、このループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを形成し、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスの製造方法であって、前記少なくとも第1の磁性体基板にループ配線を形成するループ配線形成工程と、ダミー基板上に貼り合わされており、前記ループ配線を挿通するための空隙が形成された第3の磁性体基板を用いてコアを形成するコア形成工程と、を備え、前記コア形成工程は、前記ループ配線形成工程によりループ配線の形成された第1の磁性体基板と前記第3の磁性体基板とを、前記空隙の開口側が前記ループ配線に臨むように接合する工程と、前記工程の後に、第3の磁性体基板からダミー基板を除去する工程と、前記工程の後に、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程と、を有したものである。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程の前に、コアの厚みを薄くする工程を有するものである。
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記一連の工程をウェハレベルで実施して磁気デバイスの構造を形成した後に、ダイシングにより各々のチップに個片化するものである。
請求項1の発明によれば、コアが第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との間に第3の磁性体基板を介在させることにより構成され、しかも、第3の磁性体基板の形状を、コアが磁束通路として必要な部分に配されるように工夫したので、高透磁率であって、コアと第1、第2の磁性体基板とを含めてループ配線を周回するような閉磁路が形成される。そのため、ループ配線に所定の電流が流れたときにループ配線を貫く磁束密度を高めることができ、優れたインダクタンス特性を得ることができる。また、コアに磁性体基板を用いることで、コアを所望の厚み及び形状で形成できるので、磁気デバイスの性能バラツキを無くすことができる。
請求項2の発明によれば、渦電流の発生を抑制し、高周波数領域においても優れたインダクタンス特性を得ることができる。
請求項3の発明によれば、コアを第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板に対し隙間なく接合でき、閉磁路内の透磁率をさらに高めることができる。
請求項4の発明によれば、ループ配線の形成された第1の磁性体基板に第3の磁性体基板を空隙の開口側がループ配線に臨むように接合した後、第3の磁性体基板の凹底側を除去して第2の磁性体基板を接合するので、簡単な製造工程でありながら、コアを磁束通路として必要な部分に形成し、高透磁率かつ、コアと第1、第2の磁性体基板とを含めてループ配線を周回するような閉磁路を形成することができる。そのため、低コストでインダクタンス特性の優れた磁気デバイスを得ることができる。
請求項5の発明によれば、ループ配線の形成された第1の磁性体基板に第3の磁性体基板を空隙の開口側がループ配線に臨むように接合した後、第3の磁性体基板からダミー基板を除去して第2の磁性体基板を接合するので、簡単な製造工程でありながら、コアを磁束通路として必要な部分に形成し、高透磁率かつ、コアと第1、第2の磁性体基板とを含めてループ配線を周回するような閉磁路を形成することができる。そのため、低コストでインダクタンス特性の優れた磁気デバイスを得ることができる。
請求項6の発明によれば、両磁性体基板間の距離を狭めて磁路長の短い閉磁路を形成できるので、ループ配線により発生した磁束が閉磁路内を流れ易くなり、磁気デバイスのインダクタンス特性を高めることができる。
請求項7の発明によれば、一連の工程をウェハレベルで実施し、複数個の磁気デバイスを一括して作製するので、寸法安定性に優れた磁気デバイスを量産することができる。
本発明の第1の実施形態に係るコイルの分解図。 上記コイルの斜視図。 (a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図。 上記コイルの製造方法におけるループ配線形成工程の説明図。 上記製造方法におけるコア成形工程の説明図。 上記コア成形工程の他例の説明図。 本発明の第2の実施形態に係るトランスの分解図。 上記トランスの斜視図。 (a)は図8のC−C線断面図、(b)は図8のD−D線断面図。 上記トランスの製造方法におけるループ配線形成工程の説明図。 上記製造方法におけるコア成形工程の説明図。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る磁気デバイスについて図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図3は本実施形態に係る磁気デバイスであるコイル1の構成を示す。本コイル1は、各種電気機器の回路基板上に実装される小型コイルであって、互いに対向した第1の磁性体基板2及び第2の磁性体基板3と、第1の磁性体基板2に設けられる平面型のループ配線4と、ループ配線4に電流が流れたときに発生する磁束が通るコア5と、ループ配線4と接続され外部からの給電を受けるための一対の電極パッド6とを備える。本コイル1は略直方形状とされ、その大きさは、例えば、縦及び横寸法が2mm程度、厚みが1mm程度である。
第1の磁性体基板2は、焼結フェライト又は複合フェライトから成る板状の磁性材料で構成される。第2の磁性体基板3は、第1の磁性体基板2と同じ構成である。ループ配線4は、第1の磁性体基板2上に薄膜金属により形成され、略方形の渦巻き形状を成すループ部を有し、渦巻き状の重なり部分において薄膜金属同士が電気的に接触しないように絶縁部7を介在している。薄膜金属としては、電気伝導性及び加工性に優れた銅や銀、アルミニウム等が挙げられる。ループ配線4の両端は本コイル1の前面側に延出し、各電極パッド6に接続されている。ループ配線4の巻き数は、本コイル1の用途に応じて適宜決定すればよく、ここでは、3ターンとされている。また、ループ配線4は、シリコン酸化膜から成る絶縁膜8により覆われている。
コア5は、第1の磁性体基板2及び第2の磁性体基板3を含めて閉磁路を形成するものであって、第1の磁性体基板2と第2の磁性体基板3との間に、ループ配線を挿通するための空隙を持つ第3の磁性体基板を介在させることにより構成されている。このような構成により、コア5は、ループ配線4の中央部に配される略直方形のコア中心部51と、ループ配線4の周辺部に配される略四角枠形のコア周壁部52とを区画形成し、コア中心部51がループ配線4の内周縁に対し隙間をもって配置され、コア周壁部52がループ配線4の外周縁に対し隙間をもって配置される。ここに、上記第3の磁性体基板は、絶縁性を有した板状の磁性材料(例えば、フェライト)から成り、第1の磁性体基板2及び第2の磁性体基板3と直接結合される。
各電極パッド6は、薄膜の導電部材から成り、本コイル1前面に沿って上下に伸び、上方側が第2の磁性体基板3の上面に沿うように折り曲げられ、下方側が第1の磁性体基板2の下面に沿うように折り曲げられている。上記のようなコイル1の構成により、例えば、各電極パッド6を介してループ配線4の両端に電圧を印加してループ配線4が励磁されたときに、上向きの磁束Mが発生した場合、磁束Mの順路は、コア中心部51→第2の磁性体基板3→コア周壁部52→第1の磁性体基板2→コア中心部51となる。発生した磁束の方向が上下逆転すると、磁束の順路も逆転する。
図4及び図5を用いて本コイル1の製造方法について説明する。ここでは、まず、上述の図1乃至図3を参照して製造方法の概要を述べる。コイル1の製造方法は、第1の磁性体基板2にループ配線4を形成するループ配線形成工程と、ループ配線4を形成した第1の磁性体基板2に、第3の磁性体基板を用いてコア5を形成し、第2の磁性体基板3を接合するコア形成工程とを備える(各工程の詳細は後述)。ここで、この製造方法においては、上記一連の工程をウェハレベルで実施し、コイル1の構造を複数個一括して形成した後に、ダイシングにより各々のコイル1のチップに個片化するものとする。具体的には、3枚の磁性体ウエハを用いて、第1、第2、第3の磁性体基板を各ウエハに多数個取りする。
(ループ配線形成工程)
図4はループ配線形成工程の詳細を時系列に示す。まず、第1の磁性体基板2となる磁性体ウエハW1に複数のループ配線4を一括形成する(a)。ループ配線4の形成方法としては、例えば、磁性体ウエハW1のループ配線不要部分をマスキング〜電気めっき〜マスク除去というパターンめっき法や、スクリーン印刷、パッド印刷等が挙げられる。次に、磁性体ウエハW1上のループ配線4及びその周囲にシリコン酸化膜により絶縁膜8を形成する(b)。絶縁膜8の形成方法として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。また、絶縁膜8は、スピンコート法やディップ法、スプレー法等を用いてポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等により形成されたものであってもよい。
(コア形成工程)
図5はコア形成工程の詳細を時系列に示す。まず、第3の磁性体基板となる磁性体ウエハW3に、ループ配線を挿通するための凹状の空隙Cを形成する(a)。次に、磁性体ウエハW1と磁性体ウエハW3とを、空隙Cの開口側が磁性体ウエハW1上のループ配線4に臨むように接合する(b)。磁性体ウエハW1と磁性体ウエハW3との接合方法としては、例えば、アルゴンビーム照射により接合面間を直接結合させる表面活性化接合が挙げられる。次に、磁性体ウエハW3の凹底側を空隙Cが貫穿されるように除去し、これによりコア5が形成される(c)。上記凹底側の除去方法としては、ブラスト加工や研磨、エッチング等が挙げられる。次に、形成したコア5と第2の磁性体基板3となる磁性体ウエハW2とを接合する(d)。コア5と磁性体ウエハW2との接合についても、上記の表面活性化接合により行うとよい。ここに、コア5と磁性体ウエハW2との接合前に、コアの厚みを薄くする工程を有してもよい。これにより、第1の磁性体基板2(磁性体ウエハW1)と第2の磁性体基板3(磁性体ウエハW2)との間の距離を狭めて磁路長の短い閉磁路を形成でき、ループ配線4により発生した磁束が閉磁路内を流れ易くなる。磁性体ウエハW2の接合後、接合した両磁性体ウエハW1、W2にダイシング加工と電極パッドの形成を行って、複数個のコイル1が完成する(e)。
このように本実施形態に係るコイル1によれば、コア5が第1の磁性体基板2と第2の磁性体基板3との間に第3の磁性体基板を介在させることにより構成され、しかも、第3の磁性体基板の形状を、コア5が磁束通路として必要な部分に配されるように工夫したので、高透磁率であって、コア5と第1、第2の磁性体基板とを含めてループ配線4を周回するような閉磁路が形成される。そのため、ループ配線4に所定の電流が流れたときにループ配線4を貫く磁束密度を高めることができ、優れたインダクタンス特性を得ることができる。また、コア5に磁性体基板を用いることで、コア5を所望の厚み及び形状で形成できるので、コイル1の性能バラツキを無くすことができる。また、ループ配線4の形成された第1の磁性体基板2(磁性体ウエハW1)に第3の磁性体基板(磁性体ウエハW3)を空隙の開口側がループ配線4に臨むように接合した後、第3の磁性体基板の凹底側を除去して第2の磁性体基板3(磁性体ウエハW2)を接合するので、簡単な製造工程でありながら、コア5を磁束通路として必要な部分に形成でき、低コストかつインダクタンス特性の高いコイルを製作できる。
さらに、第3の磁性体基板が絶縁性を有しているので、渦電流の発生を抑制し、高周波数領域においても優れたインダクタンス特性を得ることができる。また、第1、第2及び第3の磁性体基板とが互いに直接結合されているので、コア5を第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板に対し隙間なく接合でき、閉磁路内の透磁率をさらに高めることができる。また、コイル1の製造における一連の工程をウェハレベルで実施し、複数個のコイル1を一括して作製するので、寸法安定性に優れたコイルを量産することができる。
ここに、図6を用いて上記コイル1の製造方法におけるコア形成工程の他の例について説明する。まず、第3の磁性体基板となる磁性体ウエハW3にダミー基板W4を貼り合わせる(a)。このダミー基板W4は、後述の空隙形成によって、磁性体ウエハW3が分割されないように保持するためのものである。従って、ダミー基板W4の貼り合わせは、剥離性のよい接着剤を用いて仮止め程度に留めておくのが望ましい。次に、磁性体ウエハW3にループ配線4を挿通するための空隙を、ダミー基板と反対側の面から形成する(b)。このとき、空隙は、ダミー基板を貫通しないように形成する。次に、ループ配線4の形成された磁性体ウエハW1と磁性体ウエハW3とを、空隙Cの開口側がループ配線4に臨むように接合する(c)。次に、磁性体ウエハW3からダミー基板W4を除去し、これによりコア5が形成される(d)。次に、形成したコア5と磁性体ウエハW2とを接合する(e)。このようなコア形成工程を経て製造されるコイル1についても、コア5を磁束通路として必要な部分に形成でき、低コストかつインダクタンス特性に優れたものとなる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る磁気デバイスについて図7乃至図11を参照して説明する。図7乃至図9は本実施形態に係る磁気デバイスであるトランス1の構成を示す。本トランス1は、ループ配線4に電磁結合する平面型のループ配線9を第2の磁性体基板3に備え、このループ配線9とループ配線4との間で電力の伝達を行う構成となっている。また、本トランス1の後部側には、ループ配線9と接続される一対の電極パッド10が設けられている。
ループ配線9は、ループ配線4と対向するように配置され、これによりループ配線9の中央部にはコア中心部51が位置し、ループ配線9の周辺部にはコア周壁部52が位置している。ループ配線9の両端は本トランス1の後面側に延出し、各電極パッド10に接続されている。ループ配線9の巻き数は、ここでは1ターンとされている。ここで、ループ配線4の巻き数は、上記同様に3ターンであり、このことから、ループ配線4を1次側巻線とし、ループ配線9を2次側巻線としたとき、一次側巻線の電圧V1と2次側巻線の電圧V2の変圧比は、V1:V2=1:3となる。ループ配線9は、絶縁膜11により覆われている。上記のような構成により、例えば、各電極パッド6を介してループ配線4の両端に電圧を印加してループ配線4が励磁されたときに、ループ配線4とループ配線9の双方を鎖交する上向きの磁束Nが発生した場合、磁束Nの順路は、コア中心部51→第2の磁性体基板3→コア周壁部52→第1の磁性体基板2→コア中心部51となる。
次に、図10及び図11を用いて本トランス1の製造方法について説明する。ここでは、まず、上述の図7乃至図9を参照して製造方法の概要を述べる。トランス1の製造方法は、第1の磁性体基板2にループ配線4を、第2の磁性体基板3にループ配線9を形成するループ配線形成工程と、ループ配線4を形成した第1の磁性体基板2に第3の磁性体基板を用いてコア5を形成し、その後ループ配線9を形成した第2の磁性体基板3を貼り合わせるコア形成工程とを備える。ここで、この製造方法は、上記同様に、3枚の磁性体ウエハを用いて多数個取りする方法である。
(ループ配線形成工程)
図10はループ配線形成工程の詳細を時系列に示す。まず、磁性体ウエハW1に複数のループ配線4を一括形成し(a)、その後、磁性体ウエハW1上のループ配線4及びその周囲に絶縁膜8を形成する(b)。また、これとは別に、磁性体ウエハW2に複数のループ配線9を一括形成し(c)、その後、磁性体ウエハW2上のループ配線9及びその周囲に絶縁膜11を形成する(d)。ループ配線及び絶縁膜の形成方法は、上記と同様の方法である(以下、他の形成方法について同様)。
(コア形成工程)
図11はコア形成工程の詳細を時系列に示す。まず、第3の磁性体基板となる磁性体ウエハW3に、ループ配線4、9を挿通するための凹状の空隙Cを形成する(a)。次に、磁性体ウエハW1と磁性体ウエハW3とを、空隙Cの開口側が磁性体ウエハW1上のループ配線4に臨むように接合する(b)。次に、磁性体ウエハW3の凹底側を、空隙Cが貫穿されるように除去し、これによりコア5が形成される(c)。次に、形成したコア5と磁性体ウエハW2とを、磁性体ウエハW2のループ配線形成面がコア5に臨むように接合する(d)。ここに、コア5と磁性体ウエハW2との接合前にコア5の厚みを薄くしておけば、上記と同様に、磁路長の短い閉磁路を形成でき、ループ配線4又は9により発生した磁束が閉磁路内を流れ易くなる。磁性体ウエハW2の接合後、接合した両磁性体ウエハW1、W2でコア5を挟み込んだものにダイシング加工と電極パッドの形成を行って、複数個のトランス1が完成する(e)。
このように本実施形態に係るトランス1についても、ループ配線4、9を貫く磁束密度を高めることができ、優れたインダクタンス特性を得ることができる。従って、ループ配線4、9同士が互いに電磁結合するとき、漏れ磁束の発生が減少してループ配線4とループ配線9との間の磁気結合度が高くなり、電力変換効率を向上できる。ここに、本トランス1が、上記ダミー基板を用いたコア形成工程を経て製造される場合であっても、本効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、コア中心部51及びコア枠上部の形状は、上面視で方形に限られず、例えば、円形状であってもよい。また、コイル又はトランスの下面にのみ電極パッドを設けて、電極パッドとループ配線とをスルーホールにより導通させる構成であってもよい。
1 コイル、トランス(磁気デバイス)
2 第1の磁性体基板
3 第2の磁性体基板
4、9 ループ配線
5 コア(第3の磁性体基板)
C 空隙
W1 磁性体ウエハ(第1の磁性体基板)
W2 磁性体ウエハ(第2の磁性体基板)
W3 磁性体ウエハ(第3の磁性体基板)
W4 ダミー基板

Claims (7)

  1. 互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板と、これら磁性体基板の一方又は両方に設けられるループ配線と、前記ループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを備え、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスにおいて、
    前記コアは、前記第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との間に、前記ループ配線を挿通するための空隙を持つ第3の磁性体基板を介在させることにより構成されていることを特徴とする磁気デバイス。
  2. 前記第3の磁性体基板は、絶縁性材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の磁気デバイス。
  3. 前記第1、第2及び第3の磁性体基板とが互いに直接結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気デバイス。
  4. 互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板の基板間に、ループ配線と、このループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを形成し、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスの製造方法であって、
    前記少なくとも第1の磁性体基板にループ配線を形成するループ配線形成工程と、
    前記ループ配線を挿通するための凹状の空隙を有した第3の磁性体基板を用いてコアを形成するコア形成工程と、を備え、
    前記コア形成工程は、
    前記ループ配線形成工程によりループ配線の形成された第1の磁性体基板と前記第3の磁性体基板とを、前記空隙の開口側が前記ループ配線に臨むように接合する工程と、
    前記工程の後に、第3の磁性体基板の凹底側を除去する工程と、
    前記工程の後に、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程と、を有したことを特徴とする磁気デバイスの製造方法。
  5. 互いに対向した第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板の基板間に、ループ配線と、このループ配線に電流が流れたときに発生する磁束が通るコアとを形成し、前記コア、前記第1の磁性体基板及び第2の磁性体基板が閉磁路を形成している磁気デバイスの製造方法であって、
    前記少なくとも第1の磁性体基板にループ配線を形成するループ配線形成工程と、
    ダミー基板上に貼り合わされており、前記ループ配線を挿通するための空隙が形成された第3の磁性体基板を用いてコアを形成するコア形成工程と、を備え、
    前記コア形成工程は、
    前記ループ配線形成工程によりループ配線の形成された第1の磁性体基板と前記第3の磁性体基板とを、前記空隙の開口側が前記ループ配線に臨むように接合する工程と、
    前記工程の後に、第3の磁性体基板からダミー基板を除去する工程と、
    前記工程の後に、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程と、を有したことを特徴とする磁気デバイスの製造方法。
  6. 前記第1の磁性体基板と第2の磁性体基板とを接合する工程の前に、コアの厚みを薄くする工程を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の磁気デバイスの製造方法。
  7. 前記一連の工程をウェハレベルで実施して磁気デバイスの構造を形成した後に、ダイシングにより各々のチップに個片化することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の磁気デバイスの製造方法。
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