JP2011075880A - 静電写真用トナー組成物、静電写真用現像剤、静電写真画像形成方法及び静電写真画像 - Google Patents

静電写真用トナー組成物、静電写真用現像剤、静電写真画像形成方法及び静電写真画像 Download PDF

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Abstract

【課題】形成された画像の強度と耐ブロッキング性に優れる静電写真用トナー組成物、該トナー組成物を用いた静電写真用現像剤、高強度で耐ブロッキング性に優れた画像が形成される静電写真画像形成方法及びそれにより得られる静電写真画像を提供する。
【解決手段】(A)反応性基XAを有する反応性化合物Aと、(B)該反応性基XAと反応して結合を形成しうる反応性基XBを有し、該反応性化合物Aと反応することで、三次元結合構造を形成する化合物Bとを、該反応性化合物Aと反応性化合物Bとが互いに隔離された状態で含有する静電写真用トナー組成物である。反応性化合物はそれぞれ2以上の反応点を有し、そのいずれかは3以上の反応点を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像等を利用した画像形成に用いられる静電写真用トナー組成物、それを含有する静電写真用現像剤、該現像剤を用いる静電写真画像形成方法及びそれにより形成された静電写真画像に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、潜像担持体表面を帯電する帯電工程、該潜像担持体表面を露光することで潜像を形成する露光工程、該静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像工程、該トナー像を転写材に転写する転写工程、該転写材上のトナー像を定着する定着工程により画像形成されるのが一般的であるが、近年の画像形成即と向上の要請に伴い、低温定着性のトナー組成物が種々提案されている。
トナー組成物の低温定着性を向上させるために、たとえば、ガラス転移温度が比較的低温のトナー樹脂を用いることが提案されているが、前記転写工程において、オフセットが生じやすい、或いは、形成された画像がブロッキングしやすくなるといった問題がある。
このため、トナー粒子の定着時における加熱や紫外線照射により、反応して架橋構造を形成させることでオフセットを抑制させる技術が提案されている。例えば、不飽和ポリエステルを含むトナーにマイクロカプセルに内包された不飽和金属塩を吸着させたトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、スチレン/アクリレートポリマーと紫外線硬化型アクリレートを含むトナーを紫外線照射し、架橋構造を形成させて画像強度を向上させたトナーが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
これらの技術によれば、形成された画像の強度はある程度改善されるものの、前者では架橋構造の形成が、空気中の酸素を利用した酸化重合を利用しているために、短時間での画像強度向上やブロッキング防止の観点からは改良の余地がある。また、後者では、着色剤を多量に含むトナー画像に紫外線照射を行うため、画像の深部まで硬化反応が進みにくく、画像のブロッキング防止の観点からは不十分であった。
特開2006−65025公報 特開2005−184051公報
上述した課題に鑑みてなされた本発明の目的は、低温定着性が良好であり、形成された画像の強度と耐ブロッキング性に優れる静電写真用トナー組成物及び静電写真用現像剤を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、前記本発明の静電写真用現像剤を用いた、高強度で耐ブロッキング性に優れた画像が形成される静電写真画像形成方法及びそれにより得られる静電写真画像を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、多点結合を形成しうる多官能の反応性成分を2種以上、互いに隔離された状態で含むことにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> (A)反応性基XAを有する反応性化合物Aと、(B)該反応性基XAと反応して結合を形成しうる反応性基XBを有し、該反応性化合物Aと反応することで、三次元結合構造を形成する反応性化合物Bとを、該(A)反応性化合物Aと(B)反応性化合物Bとが互いに隔離された状態で含有する静電写真用トナー組成物。
<2> 前記(A)反応性化合物Aを含有する第1のトナー粒子と、前記(B)反応性化合物Bを含有する第2のトナー粒子とを含む<1>記載の静電写真用トナー組成物。
<3> 前記(A)反応性化合物A及び(B)反応性化合物Bの一方を含有するトナー粒子と、他方を含有する外添剤粒子とを、該トナー粒子の表面に該外添剤粒子が付着している状態で含む<1>記載の静電写真用トナー組成物。
<4> 前記(A)反応性化合物Aが有する反応性基XAの数をnAとし、該反応性基XAが有する反応点の数をmAとし、前記(B)反応性化合物Bが有する反応性基XBの数をnBとし、反応性基XBが有する反応点の数をmBとしたとき、該nA、mA、nB及びmBに下記式で示す関係がなりたつ<1>〜<3>のいずれかに記載の静電写真用トナー組成物。
(nA×mA)≧2、
(nB×mB)≧2、
且つ、{(nA×mA)と、(nB×mB)との少なくともいずれか}≧3。
<5> 前記反応性基XAが求核性基であり、前記反応性基XBが親電子基である<1>〜<4>のいずれかに記載の静電写真用トナー組成物。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載の静電写真用トナー組成物を含有する静電写真用現像剤。
<7> 帯電した潜像担持体表面を露光することで静電潜像を形成する潜像形成工程と、該静電潜像に<6>に記載の静電写真用現像剤を付着させて画像を形成する現像工程と、形成された画像を被記録媒体に加熱定着させる定着工程と、を有する静電写真画像形成方法。
<8> <6>に記載の静電写真用現像剤を用いて作製された静電写真画像。
本発明によれば、低温定着性が良好であり、形成された画像の強度と耐ブロッキング性に優れる静電写真用トナー組成物及び静電写真用現像剤を提供することができる。
本発明によれば、静電写真用現像剤を用いた、高強度で耐ブロッキング性に優れた画像が形成される静電写真画像形成方法及びそれにより得られる静電写真画像を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の静電写真用トナー組成物について述べる。
<静電写真用トナー組成物>
本発明の静電写真用トナー組成物は、(A)反応性基XAを有する反応性化合物A〔以下、適宜(A)化合物と称する〕、(B)該反応性基XAと反応して結合を形成しうる反応性基XBを有し、該反応性化合物Aと反応することで、三次元結合構造を形成する反応性化合物B〔以下、適宜(A)化合物と称する〕とを、該反応性化合物Aと反応性化合物Bとが互いに隔離された状態で含有する。
本発明において「三次元結合構造」とは、多官能の化合物同士が、多点にて網目状の結合を形成した状態を指すものであり、単官能の化合物や2官能の化合物による直鎖状の結合構造は本発明にいう「三次元結合構造」には包含されない。ただし、このような結合により形成された直鎖状の構造同士が多点にて互いに結合を形成して、網目状の結合構造を形成する場合には、本発明にいう「三次元結合構造」に包含される。
〔結合構造について〕
本発明における「三次元結合構造」の「結合」とは、(A)化合物と(B)化合物における反応性基XAと反応性基XBとが互いに反応して、相互の分子同士の運動性を制限しうる結合を形成する態様であれば特に制限はなく、例えば、イオン結合、水素結合、共有結合、配位結合、疎水結合、および物理結合などが挙げられ、なかでも、結合の強度と安定性の観点からは、イオン結合、水素結合、または、共有結合が好ましく、共有結合がさらに好ましい。
(A)化合物と(B)化合物とが「三次元結合構造」を形成するための反応点について考慮すれば、(A)反応性化合物Aが有する反応性基XAの数をnAとし、該反応性基XAが有する反応点の数、すなわち、いくつの(B)化合物と結合しうるかをmAとし、(B)反応性化合物Bが有する反応性基XBの数をnBとし、反応性基XBが有する反応点の数、すなわち、いくつの(A)化合物と反応しうるかをmBとしたとき、以下の関係がなりたつ。
(nA×mA)≧2、
(nB×mB)≧2、
且つ、{(nA×mA)と、(nB×mB)との少なくともいずれか}≧3。
言い換えれば、(A)化合物と(B)化合物とが有する。これらが互いに反応しうる反応点がそれぞれ2以上であり、且つ、(A)化合物と(B)化合物の少なくともいずれかが反応点を3以上有することで、三次元結合構造が形成される。
〔(A)反応性化合物A、(B)反応性化合物Bについて〕
(A)化合物、(B)化合物は、互いに反応する反応点をそれぞれ2以上、又は3以上有していれば、低分子化合物でも、高分子化合物でもよい。
まず、(A)化合物及び(B)化合物がそれぞれ有する反応性基XAと反応性基XBとの組み合わせについて説明する。反応性基XAと反応性基XBとは互いに結合を形成しうるため、これに適する幾つかの組み合わせ〔(1)〜(3)〕を挙げて説明する。これらの代表的な組み合わせにおいては、いずれが反応性基XAであっても反応性基XBであってもよい。
(1)求核性基と親電子基の組み合わせ
結合を形成しうる反応性基の好ましい組み合わせとしては、XA、XBのうち一方が求核性基、他方が親電子基の組み合わせが挙げられる。
求核性基としては、アミノ基、メルカプト基、フェノール性水酸基、水酸基、活性メチレン基、フェノール基等が挙げられ、アミノ基及びメルカプト基などが好ましい。
親電子基としては、アルキル基に連結したハライド基、酸ハライド基、活性エステル基、環状酸無水物、エポキシ基、オキセタン基、エチレンイミン基、マレイミド基、ビニルスルホン基、アクリルアミド基、アクリロイルオキシ基、アルデヒド基、イソシアナート基等が例示され、なかでも エポキシ基、オキセタン基、エチレンイミン基、マレイミド基、及びビニルスルホン基が好ましい。
また、両者の好ましい組み合わせとしては、例えば、アミノ基とエポキシ基やビニルスルホン基、メルカプト基とエポキシ基やビニルスルホン基、といった組み合わせが挙げられる。
(2)ジエンとジエノファイルの組み合わせ
ジエンとしては、1,3−ジエン、シクロペンタジエニル基、フルフリル基等が挙げられ、なかでも、シクロペンタジエニル基、及び、フルフリル基が好ましい。
ジエノファイルとしては、マレイミド等が挙げられる。
また、両者の好ましい組み合わせとしては、例えば、シクロペンタジエニル基とマレイミド、及び、フルフリル基とマレイミドなどの組み合わせが挙げられる。
(3)水素結合を形成する官能基同士の組み合わせ
例えば、ウラシルとアデニンとの組み合わせが挙げられる。
(A)化合物および(B)化合物が低分子化合物である場合には、当該化合物は例えば、以下の式で表される構造をとる。
(A)反応性化合物A
(XA−R−)−R式(A−I)
上記式(A−I)において、XAは反応性基を示す、Rはn価の有機連結基を示し、Rは単結合あるいは2価の有機連結基を表す。n個存在するR及びXAは、それぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。nは2以上の整数を表す。
(B)反応性化合物B
(XB−R−)−R式(B−I)
上記式(B−I)において、XBは反応性基を示す、Rはn価の有機連結基を示し、R4は単結合あるいは2価の有機連結基を表す。n個存在するR4及びXBはそれぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。nは2以上の整数を表す。
上記式中、R及びRにおけるnとしては、それぞれ独立に2〜10が好ましい。R及びRで表されるn価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
及びRで示される有機連結基の具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
Figure 2011075880
及びRで示される有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から40個までの酸素原子、1個から120個までの水素原子、および0個から10個までの硫黄原子から成り立つ基が好ましく、1から50個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から30個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から7個までの硫黄原子から成り立つ基がより好ましく、1から40個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から20個までの酸素原子、1個から80個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子から成り立つ基が特に好ましい。
上記のうち、R及びRが置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記R及びRで表されるn価の有機連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2011075880
Figure 2011075880
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましいn価の有機連結基は下記の基である。
Figure 2011075880
前記式(A−I)及び式(B−I)中、nは2〜10を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
及びRは、それぞれ独立に単結合あるいは2価の有機連結基を表す。n個存在するR及びRは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
2価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
2価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
Figure 2011075880
及びRとしては、それぞれ独立に単結合、あるいは、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から10個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が好ましく、単結合、あるいは、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、および0個から7個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基がより好ましく、単結合、あるいは、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の有機連結基が特に好ましい。
上記のうち、2価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
これらのうち、R及びRとしては、単結合、−S−基、−O−基、−COO−基、−OCO−基、−CH−基、−CHCH−基、−C−基、及び、これらを複数組み合わせて構成される基であることが好ましい。
(A)化合物、(B)化合物が低分子化合物である場合には、分子量は500〜8000が好ましく、800〜5000がさらに好ましい。
(A)化合物、(B)化合物が高分子化合物である場合、このような高分子化合物では、高分子化合物に含まれる構造単位の側鎖に反応性基XAまたはXBを有することで、高密度の多点結合を形成しうる。
反応性化合物A、Bのいずれかが高分子化合物である場合、ホモポリマーであってもよいが、反応性基を有する構造単位とこれを有しない構造単位、或いは、互いに異なる種類の反応性基を有する構造単位同士を含んで構成される共重合体であることが好ましい。
(A)化合物、(B)化合物が高分子化合物である場合、これら化合物はそれぞれ例えば、下記式で表される。
(A)反応性化合物A:高分子化合物
((XA−R−)n−1−R−)−P 式(A−II)
前記式(A−II)中、XAは反応性基XAを表す。Rは単結合あるいはn価の有機連結基を表す。Rは、前記一般式(A−I)におけるRと同義であり、好ましい例も同様である。Pは高分子を構成する主鎖骨格を示す。nは2以上の整数を、pは2以上の整数をそれぞれ示す。
(B)反応性化合物B:高分子化合物
((XB−R−)n−1−R−)−P 式(B−II)
前記式(B−II)中、XBは反応性基XBを表す。Rは単結合あるいはn価の有機連結基を表す。Rは、前記一般式(B−I)におけるRと同義であり、好ましい例も同様である。Pは高分子を構成する主鎖骨格を示す。nは2以上の整数を、pは2以上の整数をそれぞれ示す。
上記式(A−II)及び(B−II)において、R、Rは、単結合であってもよいことを除いては、前記式(A−I)及び(B−I)におけるR、Rとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
また、n、R及びRはそれぞれ前記式(A−I)、式(B−I)におけるn、R及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(A−II)、式(B−II)中、pは2〜1000を表す。pとしては、5〜500が好ましく、10〜300がより好ましく、10〜100が特に好ましい。
式(A−II)及び式(B−II)中、Pは高分子の主鎖骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。この主鎖に対して、反応性基XA、XBは前記各式で示されるように、側鎖に存在することが反応性の観点から好ましい。反応性基を有する部分構造は、高分子化合物に含まれる構造単位中に存在することで共重合成分として導入されてもよく、高分子化合物の主鎖骨格形成後に高分子反応により導入されてもよい。
ポリマーの中でも、Pで表される高分子主鎖骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、およびこれらの変性物、または共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
前記ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体に関して説明する。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル、含窒素ビニルモノマー、酸性基を有するビニルモノマー、イオン性ビニルモノマー(アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー)、などが好ましい。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、((メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテートなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、などが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、などが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
(A)化合物、(B)化合物が高分子化合物であるの場合には、重量平均分子量は1000〜500000が好ましく、1200〜100000がさらに好ましい。
高分子化合物の重量平均分子量は下記条件にて測定することができる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒テトラヒドロフランにて示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算して求めた。
本発明のトナー組成物に用いられる(A)化合物と(B)化合物の好ましい組み合わせ〔(1)〜(24)〕を。(A)化合物の具体例(A−○)と(B)化合物の具体例(B−○)とを示すことで、以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下に示す組み合わせは、トナーの定着時において迅速に反応して強固な三次元結合構造を形成することから。トナー組成物により形成された画像の強度及び耐ブロッキング性向上に有効である。
Figure 2011075880
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上述のように、(A)化合物と(B)化合物との組み合わせは、互いに結合しうる反応性基XA及び反応性基XBをそれぞれ有する化合物同士であれば、低分子化合物同士、高分子化合物同士、あるいは、低分子化合物と高分子化合物との組み合わせのいずれであってもよい。
トナー成分に含まれる(A)化合物と(B)化合物と含有比率は、目的に応じて選択されるが、結合を形成する効率を考慮すれば、それぞれが有する反応性基XAと反応性基XBとが等量であるかそれに近い比率であることが好ましい。
また、トナー組成物中に含まれる(A)化合物の量は、トナー組成物の全固形分量に対し、2質量%〜30質量%の範囲が好ましく、3質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。また。(B)化合物の量は、トナー組成物の全固形分量に対し、2質量%〜30質量%の範囲が好ましく、3質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。
次に、本発明のトナー組成物の他の成分について述べる。
本発明のトナー組成物が適用されるトナーには、特に制限はなく、一成分トナーであっても、キャリアと組み合わせて用いられる二成分トナーであってもよく、また、製造方法の観点からは、トナー材料を混練、粉砕、分級してなる混練粉砕型トナー、ビニル基を有する反応性モノマーを用いて懸濁重合や乳化重合によって得られる重合トナー、上記バインダー樹脂と着色剤を有機溶剤中に溶解させ、それを水中に分散させて造粒する溶解懸濁トナー等を適宜用いることができる。
なお、前記(A)化合物と(B)化合物とを隔離して含むために、これらをそれぞれ別のトナー粒子に含有させる場合には、同一或いは互いに異なる着色剤を含む別のトナー粒子にそれぞれを含有させる。この場合、本発明のトナー組成物は2種のトナー粒子を含んで構成される。
また、(A)化合物と(B)化合物とをそれぞれトナー粒子と外添剤粒子とに含有させる場合には、着色剤を含むトナー粒子に一方を、外添剤に粒子に他方をそれぞれ含有させる。この場合、本発明のトナー組成物はトナー粒子と外添剤粒子を含んで構成される。
トナー粒子を構成する樹脂には特に制限はなく、公知のトナー粒子用樹脂を目的に応じて選択して用いればよい。例えば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタヂエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、結晶性或いは非晶性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等があり、必要に応じて単体、または、複数を組み合わせて用いられる。
また、本発明に係る(A)化合物、(B)化合物が高分子化合物の場合には、この高分子化合物を、トナー粒子を形成する樹脂として用いてもよい。
トナー粒子における樹脂の含有量は、トナー粒子を構成する全固形分に対し、2質量%〜99質量%の範囲が好ましく、5質量%〜90質量%の範囲がより好ましい。
本発明のトナー粒子には着色剤を含有する。
着色剤としては顔料が使用され、トナー粒子の色相により適宜、選択される。例えば、黒色トナーには、カーボンブラック、ニグロシン、黒鉛等が用いられる。
イエロートナーには、以下に示す如き公知のイエロー顔料やオレンジ顔料が用いられる。例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー174などである。
マゼンタトナーには、公知のマゼンタ顔料やレッド顔料が用いられる。例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などである。
シアントナーには、公知のシアン顔料やグリーン顔料が用いられる。C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー60等である。
トナー粒子中の着色剤の含有量は、トナーに対し0.5重量%以上、20重量%以下であることが望ましい。この範囲において、十分な発色性と鮮明な画質が得られ、且つ、着色剤の分散不良による画質の濃度むらが抑制される。
本発明のトナー組成物には、前記(A)化合物及び(B)化合物のうち少なくとも1種(双方を異なるトナー粒子に含む場合は、これら2種の化合物をそれぞれ含有する2種のトナー粒子)、必要に応じて用いられるトナー樹脂、着色剤に加えて、性能の向上や物性の制御を目的として、公知の種々の添加剤を併用してもよい。例えば、離型性を向上させるためのワックス剤、荷電制御剤、流動性を向上させるために樹脂中に分散状態で含有させたり、樹脂表面に付着させたりしている無機又は有機微粒子に代表される外添剤などが挙げられ、これらを適宜併用してもよい。
トナー粒子の形状は球形であることが、転写性向上の観点から好ましい。トナー粒子の体積平均粒径は、良好な現像性、転写性、及び高画質の画像が得られるといった観点から、3〜6μmが好ましく、5〜6μmがより好ましい。なお、トナーの体積平均粒径の測定は以下に記載の方法で行うことができる。
トナー粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置など、例えば堀場製作所(株)製LA920等の機器を用いて測定できる。
次に、本発明のトナー組成物に使用しうる外添剤について説明する。
本発明に係る前記トナー粒子表面には、流動性付与やクリーニング性向上の目的で、一般に用いられるトナーと同様に乾燥した後、外添剤として、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの結着樹脂からなる有機樹脂微粒子を併用することができる。
これら外添剤は、乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子に添加すればよい。
また、水中にてトナー粒子の表面に外添剤を付着させることもできる。この場合、外添剤が無機微粒子である場合には、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常のトナー表面に添加される外添剤として使用できる無機微粒子を、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基と共に水中に分散させた上で、トナー粒子の表面に付着させればよい。
外添剤微粒子の体積平均粒径は、トナー粒子の体積平均粒径の0.5%から50%であることが好ましく、1%から10%の間にあることがさらに好ましい。なお外添剤微粒子の体積平均粒径は、トナー粒子の体積平均粒径と同様の方法で測定できる。
(外添剤粒子への添加)
本発明のトナー組成物において、前記(A)反応性化合物Aと(B)反応性化合物Bとを互いに隔離された状態で含有する手段の一つとして、前記(A)化合物、(B)化合物のうち一方をトナー粒子に含有させ、他方を外添剤粒子に含有させる方法がある。片方をトナー粒子に添加させる方法は既述の通りである。
(A)化合物、(B)化合物を外添剤粒子に添加させる方法としては、使用される化合物が高分子化合物の場合には、有機樹脂微粒子を調製する方法と同様の方法により、(A)化合物、(B)化合物のうち必要な化合物を主成分として、公知の方法により樹脂微粒子を調製すればよい。また、これらが低分子化合物の場合には、トナー粒子の調製に用いる結着樹脂などとともに、有機樹脂微粒子を調製すればよい。
このようにして調製した(A)化合物、(B)化合物のいずれかを含有する外添剤粒子は、既述の外添剤粒子をトナー粒子表面に付着させる方法と同様にして、トナー粒子表面に付着させることができる。
(A)化合物或いは(B)化合物を含有する外添剤粒子の粒子径は、前記した通常用いられる外添剤粒子と同様のものとすることが好ましい。
トナー粒子及び外添剤粒子のそれぞれに含有される(A)化合物、(B)化合物の好ましい含有量は、前記したのと同様である。
外添剤としての添加態様については、例えば、トナー粒子に(A)化合物を含有する場合、(B)化合物を含有する外添剤粒子をトナー粒子表面に付着させて用いる態様が挙げられるが、該トナー粒子に、(B)化合物を含有する外添剤粒子を付着させていれば、さらに、(A)化合物を含有する外添剤粒子を付着させ、複数種の外添剤粒子を付着させることもできる。
<静電写真用現像剤>
本発明の静電写真用現像剤(以下、適宜、単に「現像剤」と称する)は、前記トナー粒子からなる一成分現像剤であってもよく、以下に述べるキャリアと前記トナー粒子とを含有する二成分現像剤の何れであってもよい。
(キャリヤ)
本発明の現像剤が二成分系現像剤である場合に用いられるキャリヤとしては、特に制限はないが、芯材上に、導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリヤが好ましく用いられる。
樹脂被覆層を有するキャリアを用いれば、強い力が加わった場合でも、キャリヤの樹脂被覆層に導電材料を分散含有すれば、キャリヤの体積固有抵抗を大きく変化させることなく、結果として長期にわたる高画質の維持を可能とすることができる。
キャリヤの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。
芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
被覆樹脂層が含みうる導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜3μmの範囲であることがより好ましい。
本発明の現像剤に含まれるトナーとキャリアとの含有比率は、2:98〜15:85の範囲にあることが好ましく、3:97〜10:90の範囲にあることがより好ましい。
<静電写真用現像剤による静電写真画像形成方法>
本発明の静電写真画像形成方法は、(1)帯電した潜像担持体表面を露光することで静電潜像を形成する潜像形成工程と、(2)該静電潜像に前記本発明の静電写真用現像剤を付着させて画像を形成する現像工程と、(3)形成された画像を被記録媒体に加熱定着させる定着工程と、を有する。
この(3)定着工程において、互いに隔離されて含有された(A)化合物と(B)化合物とが接触することになり、ここで始めて両者の有する反応性基XAと反応性基XBとが反応して、高密度の三次元網目状の結合構造を形成し、定着により形成された画像の強度及び耐ブロッキング性が向上する。
なお、三次元結合構造を形成しているか否かの確認は、は、定着済みトナー画像を、適切な有機溶剤(トナー樹脂の良溶媒)で溶解し、顔料成分を遠心分離により取り除き、残存した部分を、目視で観察し、ゲル状成分が浮遊物として含まれているか否かにより確認した。結合構造を形成したものはゲル状成分の生成が認められるが、結合構造を形成していないものは、顔料の除いた部分にゲル状成分などの固形分は認められず、溶解してしまう。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、公知の静電写真用画像形成装置を適宜使用しうるが、互いに隔離されて存在している(A)化合物と(B)化合物とを接触させ、これらが有する反応性基XAと反応性基XBとによる効率よく結合構造を形成させるという観点からは、定着時の加熱温度は120℃〜180℃であることが好ましい。
<静電写真画像>
前記本発明のトナー組成物を用いて、本発明の静電写真用画像形成方法により形成された静電写真画像は、定着時の加熱により画像内に高密度の三次元架橋構造が形成されるため、耐オフセット性、定着性が良好であり、定着後、直ちに高強度であり、耐ブロッキング性に優れた画像が形成されることから、種々の用途に適用しうる。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔比較例1〕
1.静電写真用現像剤1の調整
1−1−1.結着樹脂1の合成
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(1050g)、フマル酸(355g)、ハイドロキノン(1g)及び酸化ジブチル錫(1.4g)を窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、さらに減圧下210℃で反応させて結着樹脂1を得た。得られた樹脂の軟化点は102℃、酸価は20mgKOH/g、ガラス転移点は58℃であった。
1−1−2.結着樹脂2の合成
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(830g)、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(320g)、テレフタル酸(350g)、ドデセニル無水コハク酸(45g)、無水トリメリット酸(140g)及び酸化ジブチル錫(4g)を窒素雰囲気下、常圧下、230℃で8時間反応させた後、さらに減圧下で反応させて結着樹脂2を得た。得られた樹脂の軟化点は153℃、酸価は22mgKOH/g、ガラス転移点は72℃であった。
1−2.トナー粒子1の調製
前記合成例で得られた結着樹脂1(60重量部)、前記合成例で得られた結着樹脂2(40重量部)、着色剤としてシアン顔料(大日本インキ化学工業社製、Pigment Blue15:3)(10重量部)を実験室用混練機で、100℃、15分間溶融混練した。ジェットミルで微粉砕し、気流分級機で分級して、体積平均粒子径8.0μmの粉体を得た。
トナー塊の流動性を向上させるために、得られた粉体を、0.6%の疎水性コロイドシリカ粒子(BET−値130m/g)と混合してトナー粒子1を得た。
1−3.静電写真用現像剤1の調製
得られたトナー粒子1(5重量部)と、55μmの平均直径を有するシリコン−コーティングCu−Znフェライト担体粒子(95重量部)とを混合して、外添剤とトナー粒とを含む、比較例1の静電写真用現像剤1を調製した。
〔比較例2〕
2.静電写真用現像剤2の調製
2−1.トナー粒子2Aの調製
比較例1で用いたのと同様の結着樹脂1(60重量部)、結着樹脂2(40重量部)、着色剤としてシアン顔料(大日本インキ化学工業社製、Pigment Blue15:3)(10重量部)、下記の比較用単官能化合物(A−C1)(10重量部)を実験室用混練機で、100℃、15分間溶融混練した。ジェットミルで微粉砕し、気流分級機で分級して、体積平均粒子径8.0μmの粉体を得た。なお、下記構造より明らかなように、比較用単官能化合物(A−C1)は分子内に反応性基XAに相当する官能基(エポキシ環)を1つのみ有し、反応点が1である比較例化合物である。
Figure 2011075880
トナー塊の流動性を向上させるために、得られた粉体と、0.6%の疎水性コロイドシリカ粒子(BET−値130m/g)とを、混合して静電写真用トナー粒子2Aを得た。
2−2.トナー粒子2Bの調製
トナー粒子2Aの調製において用いた比較用単官能化合物(A−C1)の代わりに比較用単官能化合物(B−C)(10重量部)を用いた他は、前記トナー粒子2Aと全く同様にしてトナー粒子2Bを得た。なお、比較用単官能化合物(B−C1)は分子内に反応性基XBに相当する官能基(アミノ基)を1つ有し、反応点が2である比較例化合物である。
Figure 2011075880
2−3.現像剤2の調製
得られたトナー粒子2A 2.5重量部、トナー粒子2B 2.5重量部及び、55μmの平均直径を有するシリコン−コーティングCu−Znフェライト担体粒子を混合して、外添剤とトナー粒子とを含む比較例2の静電写真用現像剤2を調製した。
〔比較例3〕
3.静電写真用現像剤3の調製(比較例:反応性化合物が2官能で反応しても網目構造を形成しない場合)
3−1.トナー粒子3A、トナー粒子3Bの調製
比較例2におけるトナー粒子2A及びトナー粒子2Bにそれぞれ用いた比較用単官能化合物(A−C1)、比較用単官能化合物(B−C1)の代わりに、以下に示す構造の比較用2官能化合物(A−C2)及び比較用2官能化合物(B−C2)を用いた他は、比較例2と同様にしてトナー粒子3A及びトナー粒子3Bを調製した。なお、下記構造より明らかなように、比較用2官能化合物(A−C2)は分子内に反応性基XBに相当する官能基(エポキシ環)を2つ有し、(B−C2)は分子内に反応性基XBに相当する官能基(アミノ基)を2つ有し、それぞれ反応点が2である比較例化合物である。
Figure 2011075880
3−2.静電写真用現像剤3の調製
得られたトナー粒子3A 2.5重量部、トナー粒子3B 2.5重量部及び、55μmの平均直径を有するシリコン−コーティングCu−Znフェライト担体粒子を混合して、外添剤とトナー粒子とを含む比較例3の静電写真用現像剤3を調製した。
〔参考例〕
4.静電写真用現像剤4の調製の試み
前記比較例1で用いた結着樹脂1(60重量部)、結着樹脂2(40重量部)、着色剤としてシアン顔料(大日本インキ化学工業社製、Pigment Blue15:3)(10重量部)の混合物に、前記例示した本発明に係る(A)反応性化合物(A−1)(5重量部)及び(B)反応性化合物(B−1)(5重量部)を加え、実験室用混練機で、100℃で溶融混練したところ、混練中に(A)化合物(A−1)と(B)化合物(B−1)とが反応して結合構造の形成が起こり硬化した。この硬化物からは正常なトナー粒子は得られなかった。
〔実施例1〜実施例21〕
5.静電写真用現像剤5〜現像剤25の調製
比較例2の静電写真用現像剤2の調製に使用したトナー粒子2A及びトナー粒子2Bの調製に用いた比較用2官能化合物(A−C2)、比較用2官能化合物(B−C2)の代わりに、下表1に示す例示(A)化合物(A−1)〜(A−21)、及び例示(B)化合物(B−1)〜(B−21)を用いた他は、トナー粒子2A、トナー粒子2Bと全く同様にして、それぞれトナー粒子5A〜25A、トナー粒子5B〜25Bを調製した。
さらにこれらを用いて静電写真用現像剤2と同様にして静電写真用現像剤5〜25を調製した。
Figure 2011075880
〔実施例22〕
6.現像剤26の調製
6−1。結着樹脂微粒子分散液3の調製
スチレン(460重量部)、n−ブチルアクリレート(140重量部)、アクリル酸(12重量部)、ドデカンチオール(12重量部)を混合溶解したモノマー溶液Aを調製した。アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)(12重量部)をイオン交換水(250重量部)に溶解し、これに前記モノマー溶液A を加えてフラスコ中で分散し乳化した溶液(単量体乳化液A)を得た。
次に、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)(1重量部)をイオン交換水(555重量部)に溶解し、重合用フラスコに仕込む。その後、重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しつつ、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。この状態で、重合用フラスコ中に、定量ポンプを介して過硫酸アンモニウム(9重量部)をイオン交換水(43重量部)に溶解した溶液を20分かけて滴下した後、さらに、単量体乳化液Aを、定量ポンプを介して200分かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了し、固形分量が42%の結着樹脂微粒子分散液3を得た。この分散液3に含まれる結着樹脂微粒子の中心径は200nm、ガラス転移点は52℃、重量平均分子量は約2.4万であった。
6−2.(B)反応性化合物(B−22)分散液の調整
例示(B)化合物(B−22)(50重量部)、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル製ダウファクス)(5重量部)、イオン交換水(200重量部)を90℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径160nm、固形分量21%のB−22分散液を得た。
6−2.その他各種分散液の調製
特開平2004−163854号公報の記載に従って、着色剤粒子分散液(1)、離型剤粒子分散液(1)を調製した。
6−3.トナー粒子26Aの調製
−凝集工程−
結着樹脂微粒子分散液3(200重量部(樹脂84重量部))、着色剤粒子分散液(1)(40重量部(顔料8.6重量部))、離型剤粒子分散液(1)(40重量部(離型剤8.6重量部)、例示(A)化合物ラテックス分散物(A−22)(50重量部(樹脂含有量10重量部)、ポリ塩化アルミニウム(0.15重量部)を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、この温度で60分間保持した後、結着樹脂微粒子分散液3(68重量部(樹脂28.56重量部))を追加して緩やかに攪拌した。
−融合工程−
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコ内のpHを6.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱した。フラスコ内を95℃まで加熱し終えた後、この状態を4時間維持した。温度を95℃ に保持した際のpHは、5.0程度であった。
−濾過・洗浄・乾燥工程−
反応終了後、フラスコ内の溶液を冷却し、濾過することにより固形分を得た。次に、この固形分を、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、再度固形分を得た。
次に、この固形分を40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離して得られた固形分を12時間真空乾燥させて粒子を得た。得られた粒子を、2%の疎水性コロイドシリカ粒子(BET−値130m/g)と混合してトナー粒子26Aを得た。このトナー粒子26Aの粒径は体積平均粒径が5.9μmであった。
6−4.トナー粒子26Bの調製
結着樹脂微粒子分散液3(200重量部(樹脂84重量部))、着色剤粒子分散液(1)(40重量部(顔料8.6重量部))、離型剤粒子分散液(1)(40重量部(離型剤8.6重量部)、例示(B)化合物(B−22)分散液(47.6重量部(B−22の含有量:10重量部)、ポリ塩化アルミニウム(0.15重量部)を用い、トナー粒子26Aと全く同様に、凝集工程、融合工程、濾過・洗浄・乾燥工程を行い、さらに疎水性コロイドシリカ粒子と混合してトナー粒子26Bを得た。このトナー粒子の粒径は体積平均粒径が6.1μmであった。
6−5.現像剤26の調製
トナー粒子26A(2.5重量部)、トナー粒子26B(2.5重量部)を、55μmの平均直径を有するシリコン−コーティングCu−Znフェライト担体粒子(95重量部)と混合して、担体−トナーからなる実施例22の現像剤26を調製した。
〔実施例23〕
7.静電写真用現像剤27の調製
7−1.トナー粒子27Aの調製
例示(A)化合物ラテックス分散物(A−23)(200重量部((A−23)樹脂含有量80重量部))、着色剤粒子分散液(1)(40重量部(顔料8.6重量部))、離型剤粒子分散液(1)(40重量部(離型剤8.6重量部)、ポリ塩化アルミニウム(0.15重量部)を用いてトナー粒子26Aと同様の凝集工程を行い、さらに、同様の融合工程、濾過・洗浄・乾燥工程、シリカ粒子との混合工程を行って、トナー粒子27Aを得た。
7−2.トナー粒子27Bの調製
トナー粒子26Bで用いた例示(B)化合物(B−22)分散液の代わりに、(B−22)分散液と同様にして調製した例示(B)化合物(B−23)分散液を用いて、トナー粒子26Bと同様にトナー粒子27Bを作成した。
7−3.現像剤27の調製
トナー粒子27A、トナー粒子27Bを用い、静電写真用現像剤26と同様の方法により実施例23の静電写真用現像剤27を調整した。
〔実施例24〕
8.静電写真用現像剤28の調製
8−1.トナー粒子28A、トナー粒子28Bの調製
トナー粒子27Aで用いた例示(A)化合物(A−23)及び例示(B)化合物(B−23)の代わりに、それぞ(A)化合物(A−24)及び(B)化合物(B−24)を用いた他は、トナー粒子27A、トナー粒子27Bと同様にしてトナー粒子28Aおよびトナー粒子28Bを作成した。
8−2.現像剤28の調製
トナー粒子28A、トナー粒子28Bを用い、現像剤26と同様の方法で実施例24の静電写真用現像剤28を調整した。
〔実施例25〕
9.静電写真用現像剤29の調製
9−1.トナー粒子29の調製
トナー粒子26Bの調製に用いた例示(B)化合物(B−22)分散液の代わりに、(B−22)分散液と同様に調製した例示(B)化合物(B−25)分散液を用い、トナー粒子26Bの場合と同様に、凝集工程、融合工程、濾過・洗浄・乾燥工程を行い、トナー粒子前駆体を作成した。
この前駆体粒子(93重量部)を、(A)反応性化合物ラテックス分散物(A−25)を凍結乾燥して作製した微粒子(5重量部)および疎水性コロイドシリカ粒子(BET−値130m/g)(2重量部)と混合してトナー粒子29を得た。
9−2.静電写真用現像剤26の調製
トナー粒子29(5重量部)を、55μmの平均直径を有するシリコン−コーティングCu−Znフェライト担体粒子(95重量部)と混合して、実施例25の静電写真用現像剤29を調製した。
〔実施例26〕
10.静電写真用現像剤30の調製
10−1.結着樹脂微粒子分散液4Aの調製)
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(30重量部)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(33重量部)、テレフタル酸(18.5重量部)、ドデセニルコハク酸(14.8重量部)、ジブチル錫オキサイド(0.4重量部)を仕込み、230℃で生成する水を留去しながら3.5時間撹拌した。同温度で減圧下0.5時間脱水縮合反応を継続してから、トリメリット酸(3.3重量部)を投入し、さらに常圧下、同温度で3時間反応させて結着樹脂を得た。酸価は18mgKOH/g、ガラス転移点は58℃、重量平均分子量約3万であった。
得られた結着樹脂(92重量部)、(A)反応性化合物(A−1)(8重量部)をメチルエチルケトン(75重量部)、イソプロピルアルコール(25重量部)に溶解した。この溶液を撹拌しながら希アンモニア水溶液を適量滴下し、さらにイオン交換水を滴下して転相乳化させ、次いでエバポレータで減圧して脱溶剤し、樹脂粒子分散液を得た。この分散液の樹脂粒子の体積平均粒径は、0.16μmであった。イオン交換水で樹脂粒子濃度を30%に調整して、結着樹脂微粒子分散液4Aとした。
10−2.結着樹脂微粒子分散液4Bの調製
結着樹脂微粒子分散液4Aの調製で用いた(A)反応性化合物(A−1)を(B)反応性化合物(B−1)に置き換えた以外は、結着樹脂微粒子分散液4Aの調製の場合と全く同様にして結着樹脂微粒子分散液4Bを調製した。
10−3.トナー粒子30Aの調製
結着樹脂微粒子分散液4A(267重量部(樹脂80重量部))、着色剤粒子分散液(1)(40重量部(顔料8.6重量部))、離型剤粒子分散液(1)(40重量部(離型剤8.6重量部)、ポリ塩化アルミニウム(0.15重量部)を用いてトナー粒子26Aと同様の凝集工程を行い、さらに、同様の融合工程、濾過・洗浄・乾燥工程、シリカ粒子との混合工程を行って、トナー粒子30Aを得た。
10−4.トナー粒子30Bの調製
トナー粒子30Aで用いた結着樹脂微粒子分散液4Aの代わりに、結着樹脂微粒子分散液4Bを用いて、トナー粒子30Aと同様にトナー粒子30Bを作製した。
10−5.現像剤30の調製)
トナー粒子30A、トナー粒子30Bを用い、現像剤26と同様の方法により実施例26の静電写真用現像剤30を調製した。
〔現像剤の評価〕
(1.トナー画像の作製)
実施例1〜26の静電写真用現像剤5〜静電写真用現像剤30および比較例1〜3の静電写真用現像剤1〜静電写真用現像剤3を用い、画像形成装置(富士ゼロックス社製Docu Center Color 400)により転写用紙に画像を形成した。このときの定着温度は140℃である。画像濃度均一性、画像の光沢性、画像形成時の定着性などの項目には大きな差が無く、いずれも良好な結果を与え、低温定着性も良好であることが裏付けられた。
(2.反応性化合物の反応の確認)
本発明に係る(A)反応性化合物Aと(B)反応性化合物Bとが実際に反応しているか否かは、上記のような方法で作成した定着済みトナー画像および未定着のトナー画像の赤外吸収スペクトルを測定し、反応性基に起因する特性吸収の変化を比較することにより確認した。結果を下記表2に示す。
(3.反応性化合物が反応して形成する三次元結合構造の確認)
本発明に係る(A)反応性化合物Aと(B)反応性化合物Bが反応して三次元網目状の結合構造を形成しているか否かは、上記の方法で作製した定着済みトナー画像を、有機溶剤(テトラヒドロフラン)で溶解し、顔料成分を遠心分離により取り除いた後の残存部分にゲル状成分が浮遊物として含まれているかどうかを目視で観察することにより確認した。本発明の実施例1〜26の現像剤5〜現像剤30を用いた際にはゲル状成分の生成が認められたのに対し、比較例1〜3の現像剤1〜現像剤3を用いたケースではゲル成分の生成は認められなかった。
(4.画像のブロッキング性の評価)
反射のシアン濃度が約1.0程度になるように調整したベタ画像を上記の方法により作成した。画像を5cm角に切り取ったものを2枚準備し、このベタ画像の画像面を向かい合わせにして重ねた後、画像面に80g/cmの加重がかかるように重りを置いた。この状態で、画像面同士を重ねた2枚のべた画像を、100℃の恒温槽中に24時間放置した後、取り出して冷却した。画像面同士を重ねた2枚のべた画像をはがした際に、画像欠損が発生するか否かを目視で観察して画像のブロッキング性を以下の基準により評価した。
○:2枚の画像を剥がした際に、接着しておらず、画像欠損や光沢の変化がみられない状態
○−:2枚の画像を剥がした際に、わずかな接着が見られるものの、画像欠損や光沢の変化がみられない状態(実用上問題のないレベルである)
×:2枚の画像を剥がした際に、接着が起こっており、剥がした際に用紙の破れや画像欠損が発生する状態
これら評価の結果を下記表2に示すが、本発明に係る(A)反応性化合物Aと(B)反応性化合物Bを隔離した状態で含有する本発明の実施例1〜26の静電写真用現像剤5〜現像剤30では、いずれも画像欠陥が見られなかったのに対し、比較例とした現像剤1〜現像剤3では画像欠陥が発生した。
(5.トナーケーキング性の評価)
トナーケーキング性の評価は、疎水性シリカを外添する前のトナー粒子20gをアルミカップに入れ、60℃に保たれた恒温槽に24時間保管した後に取り出して、ケーキングの発生具合により評価した。
2種のトナー粒子を混合してなる現像剤では、疎水性シリカを外添する前の2種のトナー微粒子各10gをよく混ぜ合わせた後、アルミカップに入れて評価実験を行った。現像剤29の場合には、トナー粒子前駆体に反応性化合物ラテックス(A−25)の凍結乾燥微粒子のみを混合した後、アルミカップに入れて評価を行った。評価は以下の基準で行った。
○:保管後にトナーのケーキングが全く発生しておらず、保管前後でのトナーにも何らの変化も見られない状態
○−:「○」の性能よりもわずかに劣る状態
△:多少のケーキングはみられるものの実用上は利用可能という状態
×:完全に固化して実用上問題となる状態
結果を下記表3に示すが、本発明の実施例1〜26の静電写真用現像剤5〜現像剤30、および比較例とした現像剤1〜現像剤3のいずれにおいても、致命的な固化が見られたものはなかった。
Figure 2011075880
上記表2より、三次元網目状の結合を形成しうる多官能の反応性化合物同士を互いに隔離して含有する実施例1〜26の静電写真用現像剤を用いた場合、形成された画像に欠陥はなく、該三次元結合構造の存在により高強度の画像が形成されたために、画像の耐ブロッキング性に優れることが確認された。
他方、同様の反応性基を有する反応性化合物であっても、単官能同士、2官能同士の組み合わせでは、有効な三次元結合構造が形成されず、画像形成前のトナー粒子の耐ケーキング性に問題のない現像剤であっても、良好な耐ブロッキング性向上効果は得られなかった。また、参照例に明らかなように、2官能以上の反応性化合物2種を互いに隔離しないで含有させたところ、トナー粒子の調製中に所望されない反応が生じて強固な硬化物となったため、使用可能なトナー粒子が得られなかった。

Claims (8)

  1. (A)反応性基XAを有する反応性化合物Aと、(B)該反応性基XAと反応して結合を形成しうる反応性基XBを有し、該反応性化合物Aと反応することで、三次元結合構造を形成する化合物Bとを、該反応性化合物Aと反応性化合物Bとが互いに隔離された状態で含有する静電写真用トナー組成物。
  2. 前記(A)反応性化合物Aを含有する第1のトナー粒子と、前記(B)反応性化合物Bを含有する第2のトナー粒子とを含む請求項1に記載の静電写真用トナー組成物。
  3. 前記(A)反応性化合物A及び(B)反応性化合物Bの一方を含有するトナー粒子と、他方を含有する外添剤粒子とを、該トナー粒子の表面に該外添剤粒子が付着している状態で含む請求項1に記載の静電写真用トナー組成物。
  4. 前記(A)反応性化合物Aが有する反応性基XAの数をnAとし、該反応性基XAが有する反応点の数をmAとし、前記(B)反応性化合物Bが有する反応性基XBの数をnBとし、反応性基XBが有する反応点の数をmBとしたとき、該nA、mA、nB及びmBに下記式で示す関係がなりたつ請求項1記載の静電写真用トナー組成物。
    (nA×mA)≧2、
    (nB×mB)≧2、
    且つ、{(nA×mA)と、(nB×mB)とのいずれか}≧3。
  5. 前記反応性基XAが求核性基であり、前記反応性基XBが親電子基である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の静電写真用トナー組成物。
  6. 請求項1〜請求項5いずれか1項に記載の静電写真用トナー組成物を含有する静電写真用現像剤。
  7. 帯電した潜像担持体表面を露光することで静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    該静電潜像に請求項5に記載の静電写真用現像剤を付着させて画像を形成する現像工程と、
    形成された画像を被記録媒体に加熱定着させる定着工程と、を有する静電写真画像形成方法。
  8. 請求項6に記載の静電写真用現像剤を用いて作製された静電写真画像。
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