JP2011074042A - 新規化合物、光重合性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法、固体撮像素子、並びに、平版印刷版原版 - Google Patents

新規化合物、光重合性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法、固体撮像素子、並びに、平版印刷版原版 Download PDF

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Masatoshi Yumoto
眞敏 湯本
Hiroyuki Hagio
浩之 萩尾
Tomotaka Tsuchimura
智孝 土村
Masaomi Makino
雅臣 牧野
Kenta Yamazaki
健太 山▲崎▼
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Abstract

【課題】短波長の紫外光に対する感度が高く、化合物由来の着色が少なく、経時安定性に優れ、更に、加熱経時による着色を抑制しうる硬化膜を形成可能な光重合性組成物、及び該光重合性組成物に好適に用いられる新規オキシム化合物、この新規オキシム化合物を用いた光重合性組成物及びカラーフィルタ用光重合性組成物、該光重合性組成物を用いたカラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、及び平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物である[下記一般式(1)中、Arはアリール基を表し、Aは二価の有機基を表し、Rは一価の置換基を表し、Xは一価の置換基を表し、Rは電子吸引性基を表し、Lは、置換基を有してもよい(m+1)価の連結基を表す。下記一般式(1)中、mは1〜3の整数を表し、nは0〜5の整数を表す]。



【選択図】なし

Description

本発明は、新規化合物、光重合性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法、固体撮像素子、並びに、平版印刷版原版に関する。
光重合性組成物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に光重合開始剤を加えたものがある。このような光重合性組成物は、光を照射されることによって重合硬化するため、光硬化性インキ、感光性印刷版、カラーフィルタ、各種フォトレジスト等に用いられている。
また、光重合性組成物としては、例えば、光の照射により酸を発生し、発生した酸を触媒とする他の態様もある。具体的には、発生した酸を触媒とする色素前駆体の発色反応を利用して、画像形成、偽造防止、エネルギー線量検出のための材料に用いられたり、発生した酸を触媒とする分解反応を利用した半導体製造用、TFT製造用、カラーフィルタ製造用、マイクロマシン部品製造用等のポジ型レジストなどに用いられる。
近年、特に短波長の光源に感受性を有する光重合性組成物が種々の用途から望まれており、そのような短波長の光源に対して優れた感度を示す化合物、例えば、光重合開始剤に対する要求が高まってきている。しかしながら、一般的に、感度に優れた光重合開始剤は安定性に欠けることから、感度向上と同時に経時安定性も満たす光重合開始剤が望まれている。
そこで、光重合性組成物に用いられる光重合開始剤として、下記特許文献1〜4には、オキシムエステル誘導体が提案されている。しかし、これらの公知のオキシムエステル化合物は、波長365nm、波長405nmに対する吸光度が低いため、感度の観点で未だ満足のいくものではなかった。また、光重合性組成物としても、経時安定性に優れると共に、365nm、405nmなどの短波長の光に対して優れた感度を有するものが望まれているのが現状である。
更に、特許文献5には、超高圧水銀ランプ等の光源に対して高感度で経時安定性も高い光重合開始剤が提案されているが、短波長の光に対する感度や着色性の点で、更なる改善が望まれていた。
一方、イメージセンサー用カラーフィルタは、CCDなどの固体撮像素子の高集光性、かつ、高色分離性による画質向上のため、カラーフィルタの高着色濃度・薄膜化への強い要求がある。高着色濃度を得るために色材を多量に添加すると、2.5μm以下の微細な画素パターンの形状を忠実に再現するには感度が不足してしまい、全体的にパターンの欠落が多発する傾向がある。なお、この欠落をなくすためには、より高エネルギーの光照射が必要なため、露光時間が長くなり、製造上の歩留まり低下が顕著になる。以上のことからも、カラーフィルタ用の着色感放射線性組成物に関しては、色材(着色剤)を高濃度で含有しつつも良好なパターン形成性を得る必要があるという点から、感度が高いことが望まれているのが現状である。
米国特許第4255513号明細書 米国特許第4590145号明細書 特開2000−80068号公報 特開2001−233842号公報 特開2009−109921号公報
本発明の第1の目的は、短波長の紫外光に対する感度が高く、重合開始剤等の化合物由来の着色が少なく、経時安定性に優れ、更に、加熱経時による着色を抑制された硬化膜を形成可能な光重合性組成物、及び該光重合性組成物に好適に用いられる新規オキシム化合物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、経時安定性に優れ、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れたカラーフィルタの着色パターンの形成に用いられる光重合性組成物を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、上記カラーフィルタの着色パターンの形成に用いられる光重合性組成物を用いてなる、パターン形状が良好であり、支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法、更には、該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することにある。
加えて、本発明の第4の目的は、上記光重合性組成物を感光層に用いてなり、高感度で、経時安定性及び耐刷性に優れた平版印刷版原版を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、新規構造のオキシム化合物を用いることで、短波長の紫外光に対し良好な吸光度を有し、かつ、経時安定性にも優れることを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明の構成は、以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物。

[上記一般式(1)中、Arはアリール基を表し、Aは二価の有機基を表し、Rは一価の置換基を表し、Xは一価の置換基を表し、Rは電子吸引性基を表し、Lは、置換基を有してもよい(m+1)価の連結基を表す。上記一般式(1)中、mは1〜3の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。]
<2>前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基のハメットの置換基定数σ値の総和が、0.3以上0.75以下である<1>に記載の化合物。
<3>前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基が、−CONRで表されるカルバモイル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表す<1>または<2>に記載の化合物。
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の化合物、及び(B)重合性化合物を含有する光重合性組成物。
<5> (C)着色剤を更に含有する<4>に記載の光重合性組成物。
<6> 前記(C)着色剤が顔料であり、且つ、(D)顔料分散剤を更に含有する<5>に記載の光重合性組成物。
<7> カラーフィルターの着色パターンの形成に用いられる<4>〜<6>のいずれか11つに記載の光重合性組成物。
<8>支持体上に、<7>に記載の光重合性組成物を用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタ。
<9>支持体上に、<7>に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、前記光重合性組成物層をパターン露光する工程と、露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
<10> <8>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<11>支持体上に、<4>に記載の光重合性組成物を含む感光層を有する平版印刷版原版。
本発明によれば、短波長の紫外光に対する感度が高く、化合物由来の着色が少なく、経時安定性に優れ、更に、加熱経時による着色を抑制しうる硬化膜を形成可能な光重合性組成物、及び該光重合性組成物に好適に用いられる新規オキシム化合物を提供することができる。
また、本発明によれば、経時安定性に優れ、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れたカラーフィルタの着色パターンの形成に用いられる光重合性組成物を提供することができる。
更に、本発明によれば、上記光重合性組成物を用いてなる、パターン形状が良好であり、支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法、更には、該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することができる。
加えて、本発明によれば、上記光重合性組成物を感光層に用いてなり、高感度で、経時安定性及び耐刷性に優れた平版印刷版原版を提供することができる。
<新規オキシム化合物>
本発明の新規オキシム化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、適宜、「新規オキシム化合物」と称する。)である。

上記一般式(1)中、Arはアリール基を表し、Aは二価の有機基を表し、Rは一価の置換基を表し、Xは一価の置換基を表し、Rは電子吸引性基を表し、Lは、置換基を有してもよい(m+1)価の連結基を表す。上記一般式(1)中、mは1〜3の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。
本発明の新規オキシム化合物は、従来のオキシム系の化合物に比して、短波長領域に極大吸収波長を有する。具体的には、短波長の紫外光を照射する光源で露光した際に、優れた感度を示す。なお、この「短波長の紫外光」とは、具体的には、300nm〜400nmの波長の光を示す。その作用機構は明確ではないが、本発明の新規オキシム化合物では、該新規オキシム化合物に含まれる、カルバゾールに由来する構造部位の窒素に、連結基を介して電子吸引性基が導入されていることから、この電子吸引性基によって形成された電気双極子によって、化合物の吸収極大波長が短波長側へシフトしたためと考えられる。このため、本発明の新規オキシム化合物では、従来のオキシム系の化合物に比べて、短波長の紫外光に対する感度が高く、且つ化合物由来の着色が少ないものと考えられる。
以下、新規オキシム化合物について詳細に説明する。
前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σ値(以下、単に「σ値」という)が正である置換基である。
なお、ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために、1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数には、σ値とσ値とがあるが、このσ値については、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲矢忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル・レビュー(91巻)165−195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。なお、前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基では、これらの成書に記載のσ値が正である置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にσ値が正である限り包含されることは勿論である。
前記σ値が、正である電子吸引性基の中でも、Rで表される電子吸引性基としては、アセチル基、プロピオニル基、ヒバロイル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、オクチルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等のスルホニル基、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル基等のスルフィニル基、N,N−ジブチルスルファモイル基等のスルファモイル基、N−アセチルアミド等、N−ベンゾイルアミド等のN−アシルアミド基、N−オクチルスルホニルアミド基、N−ベンゼンスルホニルアミド基等のN−スルホニルアミド基、フェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、4−メトキシカルボニルフェノキシ基等のアリールオキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
これらのRで表される電子吸引性基のσ値は、以下の通りである。
・アセチル基 σ値0.38
・プロピオニル基 σ値0.38
・ヒバロイル基 σ値0.27
・トリフルオロアセチル基 σ値0.63
・ベンゾイル基 σ値0.34
・メトキシカルボニル基 σ値0.37
・エトキシカルボニル基等 σ値0.37
・フェノキシカルボニル基 σ値0.37
・N−メチルカルバモイル基 σ値0.35
・N−フェニルカルバモイル基 σ値0.23
・メタンスルホニル基 σ値0.60
・ベンゼンスルホニル基 σ値0.62
・メタンスルフィニル σ値0.52
・ベンゼンスルフィニル基 σ値0.50
・N,N−ジメチルスルファモイル基 σ値0.51
・N−アセチルアミド σ値0.21
・N−ベンゾイルアミド σ値0.02
・N−メタンスルホニルアミド基 σ値0.20
・N−ベンゼンスルホニルアミド基 σ値0.16
・フェニル基 σ値0.06
・p−クロロフェニル基 σ値0.15
・m−クロロフェニル基 σ値0.15
・p−ニトロフェニル基 σ値0.25
・メトキシ基 σ値0.12
・エトキシ基 σ値0.10
・フェノキシ基 σ値0.25
・ヒドロキシル基 σ値0.12
・トリフルオロメチル基 σ値0.43
・シアノ基 σ値0.56
・ニトロ基 σ値0.71
なお、上記に挙げた各電子吸引性基のσ値は、各々の電子吸引性基が、前記一般式(1)中のRで表される位置に導入されたときの値を示している。
また、吸収波長に与える影響の点で、前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基のσ値の総和は、製造適性の理由から、0.3以上0.75以下となるものが好ましい。なお、Rで表される電子吸引性基のσ値の総和とは、一般式(1)中のmが1である場合には、該一般式(1)中のRで表される1つの電子吸引性基のσ値を示し、mが2である場合には、一般式(1)中のRで表される2つの電子吸引性基のσ値の総和を示し、mが3である場合には、一般式(1)中のRで表される3つの電子吸引性基のσ値の総和を示す。前記一般式(1)中のmが2〜3の場合、前記一般式(1)中のRで表される電子吸引性基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、
また、この一般式(1)中、Rで表される各電子吸引性基のσ値は、0.13以上0.75以下であることが好ましい。このσ値が0.13以上0.75以下である電子吸引性基の具体例としては、アルコキシカルボニル基(σ値:0.30〜0.50)、アリールオキシカルボニル基(σ値:0.30〜0.50)、カルバモイル基(σ値:0.20〜0.40)、スルファモイル基(σ値:0.40〜0.60)、電子吸引性基で置換されたアリール基(σ値:0.13〜0.30)、アリールオキシ基(σ値:0.20〜0.40)、シアノ基(σ値:0.56)が、特に好ましく、その中でも−CONRで表されるカルバモイル基(σ値:0.20〜0.40)が好ましい。なお、このR及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表す。
前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基が、−CONRで表されるカルバモイル基である場合には、RまたはRで表される炭素原子数1〜18のアルキル基としては、置換基を有していてもよく、置換基としてはアリール基、アルケニル基が好ましい。また、RまたはRによって表される炭素原子数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基、1−ナフトイルメチル基、及び2−ナフトイルメチル基等が挙げられる。このRまたはRによって表される炭素原子数1〜18のアルキル基の中でも、炭素原子数1〜12の無置換アルキル基が好ましく、特に炭素原子数1〜8の無置換アルキル基が好ましい。
また、上記−CONRで表されるカルバモイル基におけるRまたはRが炭素原子数6〜20のアリール基である場合には、この炭素原子数6〜20のアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基が好ましい。このRまたはRによって表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、o−、m−、及びp−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、ビナフタレニル基等がある。このRまたはRによって表される炭素原子数6〜20のアリール基の中では、炭素原子数6〜12のアリール基が好ましく、特に炭素原子数6〜8のアリール基が好ましい。
前記一般式(1)におけるmは、1〜3の整数を表す。
前記一般式(1)におけるmが2〜3の場合には、複数のRのうちの1つがアリール基であるものが好ましい。また、前記一般式(1)におけるmが2〜3の場合には、前記一般式(1)における複数のRが互いに結合して環を形成しても良い。
なお、一般式(1)におけるmは、原料入手性の理由から、1又は2が好ましく、特に1が好ましい。
前記一般式(1)中、Lで表される連結基としては、脂肪族飽和炭化水素からなる連結基、脂肪族不飽和炭化水素からなる連結基が好ましく、特に脂肪族飽和炭化水素からなる連結基が好ましく、炭素数1〜3の脂肪族飽和炭化水素からなる連結基が好ましい。
また、前記一般式(1)中のLで表される連結基が、該一般式(1)中のRで表される電子吸引性基における炭素原子または硫黄原子と結合する場合には、新規オキシム化合物の安定性の観点から、該Lで表される連結基としては、炭素数1〜2の連結基が好ましく、特に炭素数1の連結基が好ましい。一方、前記一般式(1)中のLで表される連結基が、該一般式(1)中のRで表される電子吸引性基における炭素原子または硫黄原子以外の原子と結合する場合には、該Lで表される連結基としては、炭素数2、又は3の連結基が好ましく、特に炭素数2の連結基が好ましい。
以下に、一般式(1)中の−L−(R)mの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

前記一般式(1)中、Rで表される一価の置換基としては、以下に示す一価の非金属原子団であることが好ましい。
で表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、及び置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、または3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、またはオバレニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、またはスチリル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、またはプロパルギル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、またはメトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、または4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、またはメトキシメチルスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、または4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、または4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、またはトリフルオロメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、または4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、またはビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、またはチオキサントリル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基としては、例えば、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、またはトリフルオロメチルチオカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基としては、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、または4−メトキシフェニルチオカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、またはジブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
で表される置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、またはジブチルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
中でも、高感度化の点から、前記一般式(1)中、Rで表される一価の置換基としてはアシル基がより好ましく、具体的には、アセチル基、エチロイル基、プロピオイル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Aで表される二価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、置換基を有してもよいアルキニレンが挙げられる。
前記一般式(1)中、Aで表される二価の有機基が、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、または置換基を有してもよいアルキニレンである場合には、これらの有機基に導入しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、またはトリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、前記一般式(1)中、Aで表される二価の有機基としては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、またはフェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記一般式(1)中、Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。
具体的には、この一般式(1)中、Arで表されるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、またはオバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Arで表されるアリール基がフェニル基であり、このフェニル基が置換基を有している場合、この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基、フェニルチオキシ基、p−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、またはトリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される新規オキシム化合物は、該一般式(1)中のArと、Arに隣接するSと、で形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。

前記一般式(1)中、Xで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、またはハロゲン基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、または3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、またはオバレニル基等がある。
Xで表される置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、またはスチリル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、またはプロパルギル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、またはシアノメチルオキシ基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、または4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等がある。
Xで表される置換基を有してもよいアルキルチオキシ基としては、炭素数1〜30のチオアルコキシ基が好ましく、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、イソプロピルチオキシ基、ブチルチオキシ基、イソブチルチオキシ基、sec−ブチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ペンチルチオキシ基、イソペンチルチオキシ基、ヘキシルチオキシキ、ヘプチルチオキシ基、オクチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基、ドデシルチオキシ基、オクタデシルチオキシ基、またはベンジルチオキシ基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリールチオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールチオキシ基が好ましく、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、2−クロロフェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、2−メトキシフェニルチオキシ基、2−ブトキシフェニルチオキシ基、3−クロロフェニルチオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、3−シアノフェニルチオキシ基、3−ニトロフェニルチオキシ基、4−フルオロフェニルチオキシ基、4−シアノフェニルチオキシ基、4−メトキシフェニルチオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルチオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルチオキシ基、または4−フェニルスルファニルフェニルチオキシ基等がある。
Xで表される置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、または2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、またはメトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、または4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、またはメトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、または4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、またはメトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、または4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、または4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、または4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、またはN,N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、またはN,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N,N−ジベンゾイルアミノ基、N,N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N,N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N,N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、3,5−ジメチルモルホリノ基、またはカルバゾール基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、またはビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
Xで表される置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、またはチオキサントリル基等がある。
Xで表されるハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等がある。
更に、前記一般式(1)中、Xで表される一価の置換基が、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、または置換基を有してもよい複素環基である場合には、これらの置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
該他の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、またはトリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらの中でも、前記一般式(1)中、Xで表される一価の置換基としては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、または置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、前記一般式(1)におけるnは0〜5の整数を表すが、0〜2の整数が好ましい。
なお、上記に挙げた前記一般式(1)中の、Aで表される二価の有機基としては、無置換のアルキレン基、アルキル基で置換されたアルキレン基、アリール基で置換されたアルキレン基が好ましい。またArで表されるアリール基としては、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。また、Rで表される1価の置換基としては、アシル基がより好ましい。また、Xで表される1価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、または置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。Rで表される電子吸引性基としては、σ値が0.15以上0.75以下である電子吸引性基が好ましい。
以下、前記一般式(1)で表される、本発明の新規オキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

























本発明の新規オキシム化合物は、前述のように、短波長の紫外光に極大吸収波長を有するものである。新規オキシム化合物は、具体的には、300nm〜400nmの波長領域に極大吸収波長を有するものである。より好ましくは、310nm〜380nmの波長領域に吸収波長を有するものを挙げることができる。特に、330nm〜365nmの吸光度が高いものが好ましい。
このように、新規オキシム化合物は、従来のオキシム系の化合物に比べて、短波長領域に極大吸収波長を有する。このため、短波長の紫外光を照射する光源で露光した際に、優れた感度を示すことになる。
本発明の新規オキシム化合物の、340nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、10000〜300000であることが好ましく、15000〜300000であることがより好まく、15000〜200000であることが特に好ましい。
ここで、新規オキシム化合物のモル吸光係数は、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、テトラヒドロフラン溶媒を用いて0.01g/Lの濃度で測定した。
本発明の新規オキシム化合物は、例えば、以下に示す方法により合成することができるが、この方法に限定されるものではない。


本発明の光重合性組成物における新規オキシム化合物の含有量は、光重合性組成物の全固形分中、0.1質量%〜30質量%であり、1質量%〜25質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
新規オキシム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の新規オキシム化合物は、光により分解し、重合性化合物の重合を開始、促進する光重合開始剤としての機能を有する。特に、該新規オキシム化合物は340nm〜355nmの光源に優れた感度を有するため、光重合性組成物において光重合開始剤として用いた場合に優れた効果を発揮する。
また、本発明の新規オキシム化合物は、以下に示す用途にも適用することができる。
即ち、例えば、印刷インク用、例えば、スクリーン印刷インク用、オフセット若しくはフレキソ印刷インク用、UV硬化インク用として、例えば、木材又は金属に対する、白色若しくは有色仕上げ用として、粉末コーティング用として、特に、紙、木材、金属又はプラスチックに対するコーティング材料用として、建築物のマーキング用や道路マーキング用として、写真複製手法用として、ホログラフ記録の材料用として、画像記録手法用として、有機溶媒若しくは水性アルカリで現像できる印刷原版の製造用として、スクリーン印刷マスクの製造のための日光硬化性コーティング用として、歯科充填用組成物用として、接着剤用として、感圧接着剤用として、積層用樹脂用として、液体及び乾燥薄膜双方のエッチングレジスト用として、はんだレジスト用として、電気めっきレジスト用又は永久レジスト用として、プリント回路板や電子回路用の光構成性誘電体用として、様々な表示用として、光学スイッチ用として、光学格子(干渉格子)用として、光回路の製造として、大量硬化(透明成形用型でのUV硬化)又はステレオリトグラフィ手法による三次元的物品の製造用として(例えば、米国特許第4,575,330号明細書に記載のような)、複合材料(例えば、所望であれば、ガラス繊維及び/又はその他の繊維並びに他の助剤を含み得るスチレン系ポリエステル)その他の厚層組成物の製造用として、電子部品及び集積回路のコーティング又は密封のためのレジスト用として、或いは光ファイバー用、又は光学レンズ用、例えば、コンタクトレンズ若しくはフレネルレンズ製造のためのコーティング用として、更に、医用機器、補助具又はインプラントの製造や、例えば、ドイツ国特許第19,700,064号及び欧州特許第678,534号公報に記載のようなサーモトロピック特性を有するゲルの製造用としての各種の用途が挙げられる。
また、本発明の新規オキシム化合物は、エネルギー線、特に光の照射により酸を発生することも可能である。そのため、その発生した酸を触媒とする他の用途にも適用することができ、具体的には、発生した酸を触媒とする色素前駆体の発色反応を利用した画像形成、偽造防止、エネルギー線量検出のための材料、更には、発生した酸を触媒とする分解反応を利用した半導体製造用、TFT製造用、カラーフィルタ製造用、マイクロマシン部品製造用等のポジ型レジストにも利用することができる。
以上のように、本発明の新規オキシム化合物を光重合開始剤として用いることが可能であるため、重合性化合物と併用することで、光により重合硬化する光重合性組成物(本発明の光重合性組成物)に適用することが好ましい。
<光重合性組成物>
本発明の光重合性組成物は、前述の(A)新規オキシム化合物、及び、(B)重合性化合物を含有することを特徴とする。
本発明の光重合性組成物は、波長340nm〜355nmの光に対する感度が高く、新規オキシム化合物由来の着色が少なく、経時安定性に優れ、更に、加熱経時による着色を抑制しうる硬化膜を形成することが可能である。この詳細な機構は不明であるが、新規オキシム化合物は、光を吸収し、開裂した際のラジカル再結合が抑制される構造を有するため、発生ラジカル量が多く高感度化を達成することができる。また、ラジカル再結合が抑制される点から、加熱経時においては、新規オキシム化合物の分解生成物同士の反応が抑えられ、その反応に由来する着色が抑制されるためであると考えられる。
また、本発明において、硬化膜の加熱経時による着色を評価するためには、色差ΔEabを用いればよい。ここで、色差ΔEabは、大塚電子(株)製MCPD−3000で測定することができる。
評価の際の条件としては、まず、本発明の光重合性組成物を超高圧水銀灯プロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)、若しくは、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)(365nm)で10mJ/cm〜2500mJ/cmの範囲の種々の露光量で露光し、硬化膜を形成する。そして、所望により現像を行った後、硬化膜を200℃で1時間加熱する。
この硬化膜の加熱前後の色差ΔEabを測定することで、硬化膜の加熱経時による着色状態を評価することができる。
本発明の光重合性組成物によれば、加熱前後の色差ΔEabを5以下とすることができる。
本発明の光重合性組成物は、成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合材料、印刷インキ、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルタ用光重合性組成物、ブラックマトリクス用レジスト、プリント基板用レジスト、半導体製造用レジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト等、絶縁材、ホログラム材料、導波路用材料、オーバーコート剤、接着剤、粘着剤、粘接着剤、剥離コート剤等の種々の用途に利用することができる。
以下に、本発明の光重合性組成物について、カラーフィルタ形成等に好適に用いうる光重合性組成物(1)、及び、平版印刷版原版の感光層形成等に好適に用いうる光重合性組成物(2)を例に説明する。
−光重合性組成物(1)−
〔(1)−(A)新規オキシム化合物〕
光重合性組成物(1)が含有する(A)新規オキシム化合物は、組成物中、重合開始剤として機能しうる。
光重合性組成物(1)における新規オキシム化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し0.5〜40質量%が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、1.5〜30質量%が更に好ましい。
光重合性組成物(1)は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記新規オキシム化合物以外の公知の光重合開始剤を併用してもよい。
併用可能な光重合開始剤は、光により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ビイミダゾール系化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
〔(1)−(B)重合性化合物〕
光重合性組成物(1)に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、一般式(A)中、R及びRは、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、光重合性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、光重合性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
〔(1)−(C)着色剤〕
光重合性組成物(1)は(C)着色剤を含有することができる。着色剤を含有することにより、所望色の着色光重合性組成物を得ることができる。
なお、光重合性組成物(1)は、短波長の光源である365nmや406nmの光源に優れた感度を有する(A)新規オキシム化合物を含有するため、着色剤を高濃度に含有する場合にも高感度に硬化することができる。
光重合性組成物(1)において用いられる着色剤は特に限定されるものではなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができ、これらは光重合性組成物の用途に応じて適宜選択される。本発明の硬化性着色組成物をカラーフィルタ製造に用いる場合であれば、カラーフィルタの色画素を形成するR、G、B等の有彩色系の着色剤、及びブラックマトリクス形成用に一般に用いられている黒色系の着色剤のいずれをも用いることができる。
以下、光重合性組成物(1)に適用しうる着色剤について、カラーフィルタ用途に好適な着色剤を例に詳述する。
有彩色系の顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明では、特に顔料の構造式中に塩基性のN原子をもつものを好ましく用いることができる。これら塩基性のN原子をもつ顔料は光重合性組成物(1)中で良好な分散性を示す。その原因については十分解明されていないが、感光性重合成分と顔料との親和性の良さが影響しているものと推定される。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント レッド155、C.I.ピグメント レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント イエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント グリーン7、36、37とC.I.ピグメント イエロー83、C.I.ピグメント イエロー138、C.I.ピグメント イエロー139、C.I.ピグメント イエロー150、C.I.ピグメント イエロー180又はC.I.ピグメント イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメント ブルー15:6とC.I.ピグメント バイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
また、光重合性組成物(1)をブラックマトリックスなどの黒色膜を形成する際に用いる場合には、着色剤として、黒色のもの(黒色着色剤)が用いられる。
本発明において、黒色着色剤としては、各種公知の黒色顔料や黒色染料を用いることができるが、特に、少量で高い光学濃度を実現できる観点から、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイト等が好ましく、中でも、カーボンブラック、チタンブラックのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
これらの黒色の着色剤は、一種単独で用いても二種以上混合して用いてもよい。
黒色顔料の平均粒子径(平均一次粒子径)は、現像時の残渣抑制の観点から、小さいことが好ましく、具体的には、30nm以下であることが好ましい。中でも、高解像度が要求されるカラーフィルターを作製する際の現像時の残渣抑制のためには、平均一次粒径(粒子サイズ)が5nm〜25nmが好ましく、5nm〜20nmがより好ましく、5nm〜15nm以下が特に好ましい。
光重合性組成物(1)の全固形分中の黒色着色剤の含有率は、特に限定されるものではないが、薄膜で高い光学濃度を得るためにはできるだけ高い方が好ましく、25質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜75質量%が更に好ましく、35質量%〜70質量%が特に好ましい。
黒色着色剤が少なすぎると高光学濃度を得るために膜厚を厚くする必要があり、黒色着色剤が多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、アルカリ現像の際に現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
光重合性組成物(1)においては、黒色着色剤を複数種併用してもよい。このように、黒色着色剤を複数種併用し、その主成分としてカーボンブラックを用いた場合には、質量比としては、カーボンブラック:併用する黒色着色剤=95:5〜60:40の範囲が好ましく、95:5〜70:30がより好ましく、90:10〜80:20が更に好ましい。該併用する黒色着色剤の質量は、それらの合計質量となる。該カーボンブラックと併用する黒色着色剤の質量比を95:5〜60:40の範囲とすることにより、光重合性組成物(1)中での凝集がなく、ムラのない安定した塗布膜が作成できる傾向となる。
本発明に好適なカーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP;キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908;旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル;デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V等を挙げることができる。
本発明におけるカーボンブラックは、絶縁性を有することが好ましい。絶縁性を有するカーボンブラックとは、下記のような方法で粉末としての体積抵抗を測定した場合、絶縁性を示すカーボンブラックのことであり、例えば、カーボンブラック粒子表面に、有機物が吸着、被覆又は化学結合(グラフト化)しているなど、カーボンブラック粒子表面に有機化合物を有していることをいう。
カーボンブラックをベンジルメタクリレートとメタクリル酸がモル比で70:30の共重合体(質量平均分子量30,000)と20:80質量比となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテル中に分散し塗布液を調製し、厚さ1.1mm、10cm×10cmのクロム基板上に塗布して乾燥膜厚3μmの塗膜を作製し、更にその塗膜をホットプレート中で220℃、約5分加熱処理した後に、JIS K 6911に準拠している三菱化学(株)製高抵抗率計、ハイレスターUP(MCP−HT450)で印加して、体積抵抗値を23℃相対湿度65%の環境下で測定する。そして、この体積抵抗値として、10Ω・cm以上、より好ましくは10Ω・cm以上、特により好ましくは10Ω・cm以上を示すカーボンブラックが好ましい。
また、カーボンブラックとしては、例えば、特開平11−60988号公報、特開平11−60989号公報、特開平10−330643号公報、特開平11−80583号公報、特開平11−80584号公報、特開平9−124969号公報、特開平9−95625号公報に記載されている樹脂被覆カーボンブラックをも使用することができる。
また、本発明に好適なチタンブラックとしては、例えば、三菱化学(株)製の12S、13M、13M−C、13R−N、赤穂化成(株)ティラック(Tilack)Dなどがある。
なお、上記のような黒色着色剤を含有する本発明の光重合性組成物は、ブラックマトリクスなどの黒色膜を形成するために用いられることが好ましい。この黒色膜は、遮光性や反射防止性を有するため、ブラックマトリクス以外にも、反射防止膜や、遮光膜等の作製にも適用することができる。
光重合性組成物(1)において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解した状態の着色組成物を得ることができる。
光重合性組成物(1)に含有される着色剤の含有量としては、光重合性組成物の全固形分中、30質量%〜95質量%であることが好ましく、40質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が更に好ましい。
着色剤が少なすぎると、光重合性組成物(1)によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向があるが、本発明で用いられる(A)新規オキシム化合物は、光吸収効率が高いことから、光重合性組成物中に着色剤を高濃度に含有する場合であっても、顕著に感度向上効果が発揮される。
〔(1)−(D)顔料分散剤〕
光重合性組成物(1)が(C)着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、(D)顔料分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
光重合性組成物(1)における分散剤の含有量としては、顔料に対して、1質量%〜80質量%であることが好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、10質量%〜60質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5質量%〜100質量%の範囲が好ましく、10質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。
また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
光重合性組成物(1)において、着色剤としての顔料と分散剤とを用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、光重合性組成物を構成する全固形分に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
光重合性組成物(1)は、更に、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。
以下、光重合性組成物(1)が含有しうる任意成分について説明する。
〔(1)−(E)増感剤〕
光重合性組成物(1)は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、前記した(A)新規オキシム化合物に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
光重合性組成物(1)に用いられる増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
光重合性組成物(1)における増感剤として、より好ましい例としては、特開2008−214395号公報の段落番号「0085」〜「0098」に記載された化合物を挙げることができる。
〔(1)−(F)共増感剤〕
光重合性組成物(1)は、更に(F)共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、(A)新規オキシム化合物や(E)増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による(B)重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、光重合性組成物(1)の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
また、光重合性組成物(1)は、共増感剤として、チオール化合物を含有することが好ましい。
光重合性組成物(1)に含有しうるチオール化合物としては、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV)中、Xは、硫黄原子、酸素原子、又は−N(R43)−を表し、R43は、水素原子炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜13のアリール基を表す。R41及びR42は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、アセチル基、又はカルボキシル基を表し、また、R41、R42及びこれらが結合している二重結合を併せてベンゼン環を形成してもよく、R41及びR42が結合している二重結合は、水素添加されていてもよい。
また、チオール化合物としては、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報に記載のチオール化合物に記載の化合物が挙げられる。
これらチオール化合物のPGMEA溶媒に対する溶解度は、塗膜均一性の観点から20g/L以上であることが好ましく、より好ましくは20g/L以上〜50g/L以下であり、更に好ましくは20g/L以上〜40g/L以下である。
−溶解度測定方法−
本明細書において、チオール化合物の溶解度は、以下のように定義する
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒5mLに特定チオール化合物を加え、25℃で1時間攪拌したときに特定チオール化合物が溶けなくなる直前の量を溶解度とした。
これらのチオール化合物は、J.Appl.Chem.,34、2203−2207(1961)に記載の方法で合成することができる。
チオール化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
チオール化合物を併用する場合、前記した一般式のいずれかで表される化合物のみを2種以上併用してもよいし、異なる一般式で表される化合物を併用してもよい。
光重合性組成物(1)がチオール化合物を含有する場合、その含有量としては、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、光重合性組成物の全固形分の質量に対し、0.5〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、3〜20質量%の範囲が更に好ましい。
〔(1)−(G)バインダーポリマー〕
光重合性組成物(1)においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、更にバインダーポリマーを使用することができる。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とするために、水或いは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独或いは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独或いは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
光重合性組成物(1)で使用しうるバインダーポリマーの重量平均分子量としては、好ましくは5、000以上であり、更に好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1、000以上であり、更に好ましくは2、000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いうるバインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
光重合性組成物(1)において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
〔(1)−(H)重合禁止剤〕
光重合性組成物(1)においては、光重合性組成物の製造中或いは保存中において、(B)重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分に対し約0.01〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5〜約10質量%が好ましい。
〔(1)−(I)密着向上剤〕
光重合性組成物(1)においては、支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられる。
密着向上剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
〔(1)−(J)希釈剤〕
光重合性組成物(1)は、希釈剤として、種々の有機溶剤を用いてもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。有機溶剤に対する固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
〔(1)−(K)その他の添加剤〕
更に、光重合性組成物(1)に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
以上、光重合性組成物(1)は、(A)新規オキシム化合物を含むことから、高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好であり、更に、加熱経時させた場合の着色を抑制することができる。また、光重合性組成物(1)を硬質材料表面に適用して硬化させた場合には、該表面に対して高い密着性を示す。
このような光重合性組成物(1)は、(A)新規オキシム化合物、(B)重合性化合物、及び(C)着色剤を含有させてカラーフィルタ用光重合性組成物(本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物)として用いることが好ましい。
次に、本発明の光重合性組成物について、平版印刷版原版の感光層形成等に好適に用いうる光重合性組成物(2)の例を説明する。
−光重合性組成物(2)−
〔(2)−(A)新規オキシム化合物〕
光重合性組成物(2)が含有する新規オキシム化合物は、組成物中、重合開始剤として機能しうる。
光重合性組成物(2)における新規オキシム化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜35質量%がより好ましく、1.5質量%〜30質量%が更に好ましい。
光重合性組成物(2)においても、本発明の効果を損なわない範囲において、前記新規オキシム化合物以外の他の知の重合開始剤を併用してもよい。
他の重合開始剤としては、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0139]、等に記載される重合開始剤が挙げられる。
〔(2)−(B)重合性化合物〕
光重合性組成物(2)が含有する(B)重合性化合物としては、光重合性組成物(1)にて既述した付加重合性化合物が挙げられる。
これらの、付加重合性化合物について、どのような構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましくない場合がある。
また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させることがある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。
これらの観点から、付加重合性化合物の含有量は、光重合性組成物(2)の全固形分に対して5〜80質量%が好ましく、より好ましくは25〜75質量%である。
また、これらの付加重合性化合物は、単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
〔(2)−(C)バインダーポリマー〕
光重合性組成物(2)は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーは、膜性向上の観点から含有されるものであって、膜性を向上させる機能を有していれば、種々のものを使用することがすることができる。
バインダーポリマーとしては、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」は特に限定的ではなく、いずれを使用してもよい。好ましくは水現像又は弱アルカリ水現像を可能とする、水又は弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、光重合性組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水又は有機溶剤現像剤の仕様に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体、及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
アミド結合又はウレタン結合を有するバインダーポリマーを含有してもよい。ここで、アミド結合又はウレタン結合を有するバインダーポリマーとしては、アミド結合又はウレタン結合を有する線状有機高分子重合体であることが好ましい。このような「アミド結合又はウレタン結合を有する線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とする水或いは弱アルカリ水可溶性又は膨潤性であるアミド結合又はウレタン結合を有する線状有機高分子重合体が選択される。アミド結合又はウレタン結合を有する線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このようなアミド結合又はウレタン結合を有する線状有機高分子重合体として、たとえば特開平11−171907号公報記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度とを併せもち好適である。
また、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号各公報、特願平10−116232号明細書等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。また、特開平11−171907号記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適である。
更にこの他に、水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマーは、光重合性組成物(2)中に任意な量で混和させることができる。画像強度等の点からは、感光層を構成する全固形分に対して、好ましくは30〜85質量%の範囲である。また、前記付加重合性化合物とバインダーポリマーとは、質量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
また、好ましい実施様態において、バインダーポリマーは実質的に水不要でアルカリに可溶なものが用いられる。これにより、現像液として環境上好ましくない有機溶剤を用いないか若しくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4meq/g〜3.0meq/gであり、好ましい分子量は3000から50万の範囲である。より好ましくは、酸価が0.6〜2.0、分子量が1万から30万の範囲である。
〔(2)−(D)増感剤〕
光重合性組成物(2)は、(A)新規オキシム化合物等の重合開始剤とともに増感剤を含有することが好ましい。本発明において用いうる増感剤としては、分光増感色素、光源の光を吸収して重合開始剤と相互作用する染料又は顔料などが挙げられる。
好ましい分光増感色素又は染料としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、例えば(アントラキノン)スクアリウム類、例えば(スクアリウム)等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては、例えば、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0144]〜[0202]、等に記載されるものが挙げられる。
また、光重合性組成物(2)に適用しうる増感剤としては、光重合性組成物(1)の説明において既述したものも挙げられる。
増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。光重合性組成物(2)中の全重合開始剤と増感色素のモル比は100:0〜1:99であり、より好ましくは90:10〜10:90であり、最も好ましくは80:20〜20:80である。
〔(2)−(E)共増感剤〕
光重合性組成物(2)には、感度を一層向上させる、或いは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。
共増感剤の例としては、硬光重合性組成物(1)の説明において既述したものも挙げられる。また、これらの他、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等も挙げられる。
共増感剤を使用する場合には、光重合性組成物(2)に含有される重合開始剤の総量1質量部に対して、0.01〜50質量部使用するのが適当である。
〔(2)−(F)重合禁止剤〕
光重合性組成物(2)は、該組成物の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
〔(2)−(G)着色剤等〕
更に、感光層の着色を目的として、染料若しくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料及び顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
〔(2)−(H)その他の添加剤〕
更に、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
以上、本発明の光重合性組成物について、カラーフィルタ形成等に好適に用いうる光重合性組成物(1)、及び、平版印刷版原版の感光層形成等に好適に用いうる光重合性組成物(2)を例に説明したが、本発明の光重合性組成物は、これらに限定されるものではない。
次に、カラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を塗布して着色光重合性組成物層を形成する工程(以下、適宜「着色光重合性組成物層形成工程」と略称する。)と、前記着色光重合性組成物層をマスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含むことを特徴とする。
具体的には、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を、直接又は他の層を介して支持体(基板)上に塗布して、光重合性組成物層を形成し(着色光重合性組成物層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ(露光工程)、現像液で現像することによって(現像工程)、各色(3色或いは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、本発明のカラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
〔着色光重合性組成物層形成工程〕
着色光重合性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を塗布して着色光重合性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
カラーフィルタ用光重合性組成物の塗布膜厚としては、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、カラーフィルタ用光重合性組成物の塗布膜厚としては、解像度と現像性の観点から、0.35μm〜1.5μmが好ましく、0.40μm〜1.0μmがより好ましい。
支持体上に塗布されたカラーフィルタ用光重合性組成物は、通常、70℃〜110℃で2分〜4分程度の条件下で乾燥され、着色光重合性組成物層が形成される。
〔露光工程〕
露光工程では、前記着色光重合性組成物層形成工程において形成された着色光重合性組成物層をマスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜1500mJが好ましく10mJ〜1000mJがより好ましく、10mJ〜800mJが最も好ましい。
〔現像工程〕
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒である。
現像液に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上述した、光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
以上説明した、着色光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
ここで、本発明のカラーフィルタの製造方法として、カラーフィルタの着色パターンを形成する際に本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を用いる態様を中心に説明したが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物は、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法における着色光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)は、基板上のブラックマトリックスの形成する際にも適用される。具体的には、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色着色剤を含有する本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を用い、上述のように、着色光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を行うことにより、基板上にはブラックマトリクス(黒色パターン)を形成することができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物を用いているため、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、硬化した組成物は耐現像性に優れるため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、かつ、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。従って、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。つまり、本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子に適用されることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
<平版印刷版原版>
続いて、本発明の平版印刷版原版について説明する。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に本発明の光重合性組成物を含む感光層を有することを特徴とする。
本発明の平版印刷版原版は、必要に応じて、保護層、中間層等の他の層を有してもよい。本発明の平版印刷版原版は、感光層に本発明の光重合性組成物を含むことにより、感度が高く、経時安定性及び耐刷性に優れる。以下、本発明の平版印刷版原版を構成する各要素について説明する。
〔感光層〕
感光層は、本発明の光重合性組成物を含む層である。具体的には、本発明の光重合性組成物の好適な態様の一つである前記光重合性組成物(2)を、感光層形成用の組成物(以下、適宜、「感光層用組成物」と称する。)として用い、該組成物を含む塗布液を支持体上に塗布、乾燥して感光層を形成することができる。
感光層用組成物を支持体上に塗布する際には、該組成物に含有させる各成分を、種々の有機溶剤に溶かして使用する。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の質量で0.1g/m〜10g/mの範囲が適当である。より好ましくは0.5g/m〜5g/mである。
〔支持体〕
本発明の平版印刷版原版における支持体としては、表面が親水性の支持体が好ましい。親水性の支持体としては、平版印刷版に使用される従来公知の親水性支持体を制限なく使用することができる。
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度に優れた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
これら支持体の表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施してもよい。
本発明において支持体として用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、或いは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂やシリケートにより親水化処理を細超してもよい。
親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる光重合性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
〔保護層〕
本発明の平版印刷版原版においては、感光層上に、更に、保護層を有することが好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や、塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。
〔他の層〕
その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための層を設けることを可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗り層により、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗り層により、非画像部の現像性が向上し、耐汚れ性の向上が可能となる。
〔製版〕
平版印刷版原版は、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、感光層の画像が形成されて、平版印刷版が得られる。
本発明の平版印刷版原版に適用しうる露光方法は、公知の方法を制限なく用いることができる。望ましい、光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。また、感光層成分は、高い水溶性のものを使用することで、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、このような構成の平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行うこともできる。
350〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbOリング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザーとしてNレーザー(337nm、パルス0.1mJ〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10mJ〜250mJ)、等が挙げられる。
特にこれらの中で、AlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400nm〜410nm、5mW〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また、走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中でパルスレーザー以外のもの全てを利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式でガスレーザー或いは固体レーザー光源を1つ使用するシングルビーム露光装置
・フラットベッド方式で半導体レーザーを多数(10個以上)使用したマルチビームの露光装置
・外面ドラム方式で半導体レーザーを多数(10個以上)使用したマルチビームの露光装置
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
その他、平版印刷版原版の製版プロセスにおいては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。このような加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生じ得る。更に、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱若しくは、全面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。150℃以下であると、非画像部にかぶりの問題が生じない。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。200℃以上であると十分な画像強化作用が得られ、500℃以下の場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題が生じない。
このようにして本発明の平版印刷版原版より得られた平版印刷版は、画像部の面状性と強度に優れ、高画質の印刷物を多数枚印刷しうる耐刷性に優れた平版印刷版である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
まず、下記表1〜表2に、実施例及び比較例に用いる新規オキシム化合物(化合物1〜化合物7)及び比較化合物(比較化合物1)の詳細を示す。
また、表1〜表2には、各新規オキシム化合物に含まれる電子吸引性基の各々のσ値を示した。
上記表1中の新規オキシム化合物である化合物1を以下に示す方法で合成した。
(合成例1:新規オキシム化合物である化合物1の合成)
まず、下記のスキームで化合物Aを合成した。
テトラヒドロフラン60mlに、tert−ブトキシカリウム(12.2g、0.109mol)を加え、続いて、カルバゾール(16.6g、0.099mol)を添加する。室温で30分攪拌した後に、N,N−ジエチルクロロアセタアミド(16.3g、0.109mol)を添加し、室温で2時間攪拌する。水にあけ、析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールで洗浄し、下記構造の化合物A(収量15g、収率54%)を得た。

次に、上記化合物Aを用いて下記のスキームで化合物Bを合成した。
化合物A(15g、0.0535mol)をクロロベンゼン40mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(14.3g、0.107mol)を加える。続いて、o−トリルクロリド(8.68g、0.0562mol)を40分かけて滴下し、室温〜60℃に昇温して2時間攪拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(7.13g、0.0563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(7.55g、0.0535mol)を40分かけて滴下し、室温〜40℃に昇温して2時間攪拌した。水にあけ、酢酸エチルで抽出し、1N塩酸水溶液で洗浄した後に、溶媒を留去し、生じた固体をヘキサン/酢酸エチルで再結晶後、下記構造の化合物B(収量21.5g、収率80%)を得た。

次に、化合物Bを用いて下記のスキームで化合物Cを合成した。
化合物B(20.0g、39.8mmol)をTHF64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(6.05g、41.8mmol)とヨウ化ナトリウム(0.60g、3.98mmol)を加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(1.67g、41.8mmol)を加え、2時間還流する。次に、0℃に冷却後、SM−28(9.22g、47.8mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間攪拌する。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(5.6g、47.8mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間攪拌した。反応液を0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。酢酸エチルで抽出し、水洗後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、下記構造の化合物C(収量15.67g、収率60%)を得た。


続いて、化合物Cを用いて下記のスキームで化合物1を合成した。
化合物C(2.23g、3.40mmol)を10mlの酢酸エチルに溶解し、トリエチルアミン(0.435g、4.18mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(0.33g、4.35mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間攪拌する。反応液を0℃に冷却後、蒸留水10ml、酢酸エチル20mlを滴下し、ここで得られた有機層をヘキサン溶液100mlに滴下した。析出した固体を吸引濾過後、ヘキサンで洗浄し、乾燥後、下記構造の化合物1(収量1.90g、収率80%)を得た。

得られた化合物1の構造は、NMRにて同定した。
H−NMR 400MHz DMSO):8.99(d,J=1.6Hz,1H),8.67(d,J=1.6Hz,1H),8.18(dd,J=4.4,1.6Hz,1H),7.86(dd,J=4.4,1.6Hz,1H),7.17(t,J=8.4Hz,2H),7.52−7.32(m,8H),5.53(s,2H),3.57(q,J=14.4,7.2Hz,2H),3.42−3.27(m,4H),3.09(t,J=7.2Hz,2H),2.27(s,3H),2.18(s,3H),1.32(t,7.2Hz,3H),1.04(t,7.2Hz,3H).
(新規オキシム化合物である化合物2の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Cの合成において用いた4−クロロベンゼンチオール(6.05g、41.8mmol)に換えて、トルエンチオール(5.19g、41.8mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物2(表1中の化合物2)を合成した。
(新規オキシム化合物である化合物3の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Aの合成において用いたN,N−ジエチルクロロアセタミド(16.3g、0.109mol)に換えて、ジブチルクロロアセタミド(22.4g、0.109mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物3(表1中の化合物3)を合成した。
(新規オキシム化合物である化合物4の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Aの合成において用いたN,N−ジエチルクロロアセタミド(16.3g、0.109mol)に換えて、クロロ酢酸エチル(13.3g、0.109mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物4(表1中の化合物4)を合成した。
(新規オキシム化合物である化合物5の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Aの合成において用いたN,N−ジエチルクロロアセタミド(16.3g、0.109mol)に換えて、 4−(N,N−ジエチルカルバモイル)ベンジルクロリド(24.6g、0.109mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物5(表2中の化合物5)を合成した。
(新規オキシム化合物である化合物6の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Aの合成において用いたN,N−ジエチルクロロアセタミド(16.3g、0.109mol)に換えて、N,N−ジエチル 2−クロロフェニルアセタミド(24.6g、0.109mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物6(表2中の化合物6)を合成した。
(新規オキシム化合物である化合物7の合成)
上記化合物1の合成における、化合物Aの合成において用いたN,N−ジエチルクロロアセタミド(16.3g、0.109mol)に換えて、ベンジルクロリド(13.8g、0.109mmol)を用いた以外は、化合物1と同じ条件及び同じ操作で化合物7(表2中の化合物7)を合成した。
(比較化合物1)
比較化合物1として、表2に示す比較化合物1を用意した。
[実施例1−2〜実施例1−7、比較例1−1]
上記合成した化合物1〜化合物7及び比較化合物1の0.01g/Lのテトラヒドロフラン溶液を調製し、Varian製cary−5 uv−vis−NIR SPECTROPHOTMETERSを用いて、吸光度を測定し、340nmでのモル吸光係数ε(mol−1・L・cm−1)と、405nmでのモル吸光係数ε(mol−1・L・cm−1)におけるモル吸光係数の最大値と、の各々を算出した。測定結果を表3に示した。
上記表3に示されるように、実施例1−1〜1−7で用いた新規オキシム化合物(1〜7)は、比較例1−1の比較化合物1に比べて、405nmより短波長側である340nm側への吸光度のシフトが見られ、波長340nmの光に対して良好な吸光度を示した。
また、実施例1−1〜1−7で用いた新規オキシム化合物(1〜7)は、比較例1−1の比較化合物1に比べて、化合物由来の着色が少ないことが確認された。
[実施例2−1]
<光重合性組成物1の調製及び評価>
光重合性組成物1を以下のように調製し、その感度を評価した。
新規オキシム化合物として前記化合物1を0.08mmol、ラジカル重合性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレートを1g、バインダー樹脂としてポリメチルメタクリレート(Aldrich社製、分子量c.a.996000)1g、及び、溶剤としてシクロヘキサノン16gを含有する均一な組成物を調製した。得られた組成物を塗液として用い、これをガラス板上にスピンコーターにて塗工して、40℃で10分間乾燥し、1.5μmの膜厚の塗工膜を形成した。この塗工膜上に21√2ステップタブレット(大日本スクリーン製造(株)製のグレイスケールフィルム)を置き、ウシオ電機(株)製の500mW/cmの高圧水銀ランプの光を、熱線カットフィルターを介して30秒間露光した後、トルエン中に60秒間含浸させて現像処理を行った。ステップタブレットに対応した完全に硬化して不溶化した段数を感度として評価したところ、感度は9段であった。
なお、感度段数は数字が大きいほど感度が高いことを示す。
[実施例2−2]〜[実施例2−7]及び[比較例2−1]
同様にして、化合物2〜7、及び比較化合物1について光重合性組成物2〜7、及び比較組成物1を調整し、評価を行った。
実施例2−1〜2−7、及び比較例2−1の評価結果を下記表4に示した。
[実施例3−1]
〔1.着色光重合性組成物1の調製〕
カラーフィルタ形成用光重合性組成物として、着色剤(顔料)を含有するネガ型の着色光重合性組成物1を調製し、これを用いてカラーフィルタを作製した。
1−1.顔料分散液(P1)の調製
顔料としてC.I.ピグメント グリーン36とC.I.ピグメント イエロー219との30/70(質量比)混合物40質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固
形分換算約4.51質量部)、及び溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
得られた顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
1−2.着色光重合性組成物1(塗布液)の調製
下記組成1の成分を混合して溶解し着色光重合性組成物1を調製した。
<組成1>
・顔料分散液(P1) 600質量部
・アルカリ可溶性樹脂 200質量部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、Mw:10000)
・多官能性単量体ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 60質量部
・新規オキシム化合物:化合物1 60質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1質量部
・γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5質量部
〔2.カラーフィルタの作製〕
2−1.光重合性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する着色光重合性組成物1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態に保持し、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して光重合性組成物塗膜(光重合性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
2−2.露光、現像
その後、2.5kWの超高圧水銀灯を用いて、光重合性組成物層をパターン状に露光した。露光後の光重合性組成物層の全面を、無機系現像液(商品名:CD、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
2−3.加熱処理
その後、光重合性組成物層上に純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、次いで、220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを有するカラーフィルタを得た。
〔3.性能評価〕
着色光重合性組成物の保存安定性及び露光感度、着色光重合性組成物を用いてガラス基板上に着色パターンを形成した際の現像性、得られた着色パターンの加熱経時での着色、基板密着性、及びパターン断面形状について、下記のようにして評価した。評価結果をまとめて表5に示す。
3−1.着色光重合性組成物の保存安定性
着色光重合性組成物を室温で1ケ月保存した後、異物の析出度合いを下記判定基準に従って目視により評価した。
−判定基準−
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
3−2.着色光重合性組成物の露光感度
着色光重合性組成物を、ガラス基板上にスピンコート塗布後、乾燥して膜厚1.0μmの塗膜を形成した。スピンコート条件は、300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、得られた塗膜を、線幅2.0μmの
テスト用のフォトマスクを用い、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)により、10mJ/cm〜1600mJ/cmの種々の露光量で露光した。次に、1%に希釈したCDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して、露光後の塗膜を、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥しパターニングを完了した。
露光感度の評価は、露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上であった最小の露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。
3−3.現像性、パターン断面形状、基板密着性
「2−3.加熱処理」においてポストベークを行った後の基板表面及び断面形状を、光学顕微鏡及びSEM写真観察により通常の方法で確認することにより、現像性、基板密着性、及びパターン断面形状の評価を行った。評価方法の詳細は以下の通りである。
<現像性>
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を観察し、現像性を評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった
×:未露光部に、残渣が著しく確認された
<強制加熱経時での着色評価>
露光、及び現像後の光重合性組成物層(着色パターン)を、ホットプレートで200℃、3時間加熱し、下記基準に基づいて加熱前後の色差ΔEab*を、大塚電子(株)製MCPD−3000で評価した。
−評価基準−
◎:ΔEab*≦3
○:3<ΔEab*≦5
△:5<ΔEab*<8
×:ΔEab*≧8
<基板密着性>
基板密着性は、パターン欠損が発生しているか否かを観察し、下記基準に基づいて評価した。
−評価基準−
−評価基準−
○:パターン欠損がまったく観察されなかった
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された
×:パターン欠損が著しく多く観察された
<パターン断面形状>
形成されたパターンの断面形状を観察して評価した。パターンの断面形状は順テーパーが最も好ましく、矩形が次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。結果を下記表5に示す。
[実施例3−2]〜[実施例3−7]及び[比較例3−1]
実施例3−1で着色光重合性組成物1の調製に用いた組成1において、化合物1(新規オキシム化合物)60質量部を下記表5に示される各化合物及び量に代えた以外は、すべて実施例3−1と同様にして、着色光重合性組成物2〜7、及び比較着色組成物1を調製し、カラーフィルタを得た。更に、実施例3−1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
前記表5の結果から、新規オキシム化合物(化合物1〜7)を含有する各実施例3−1〜3−7の着色光重合性組成物1〜7は、比較例3−1の比較着色組成物1に比べて、保存安定性(経時安定性)に優れたものであることが判る。また、これらの着色光重合性組成物は露光感度が高く、カラーフィルタの着色パターンを形成に用いた際の現像性、得られた着色パターンの加熱経時での着色がなく、また、基板密着性及びパターン断面形状のいずれにも優れていることが判る。
また、以上の実施例では、ガラス基板上にカラーフィルタを形成したが、ガラス基板を、フォトダイオード等の受光素子の形成された固体撮像素子用基板に変更することで、固体撮像素子を作製した。この固体撮像素子についても、上記実施例と同様の結果が得られた。
[実施例4−1〜4−7、比較例4−1〜4−2]
<支持体の作製>
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で、水洗後、20%HNOで中和洗浄、水洗した。このアルミニウム板を、VA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dmの陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。ひき続いて、アルミニウム板を30%のHSO水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%HSO水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dmにおいて50秒間陽極酸化したところ、厚さが2.7g/mであった。
以上のようにして、平版印刷版原版用の支持体を得た。
<感光層の形成>
得られた支持体上に、下記組成の感光層用塗布液を、乾燥塗布量が1.4g/mとなるように塗布し、95℃で乾燥し、感光層を形成した。
−感光層用塗布液組成−
・重合性化合物(下記表6に記載の化合物) 0.80質量部
・バインダーポリマー(下記表6に記載の化合物) 0.90質量部
・増感剤(下記表6に記載の化合物) 添加なし、又は0.10質量部
・新規オキシム化合物又は比較化合物(下記表6に記載の化合物) 0.05質量部
・共増感剤(下記表6に記載の化合物) 添加なし、又は0.25質量部
・フッ素系界面活性剤 0.02質量部
(メガファックF−177:大日本インキ化学工業(株)製)
・熱重合禁止剤 0.03質量部
(N−ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・ε型の銅フタロシアニン分散物 0.2質量部
・メチルエチルケトン 16.0質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 16.0質量部
<保護層の形成>
得られた感光層上に、ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/mとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥して保護層を形成した。
以上のようにして、実施例の平版印刷版原版及び比較例の平版印刷版原版を得た。
<製版>
平版印刷版原版に対して、以下の露光・現像処理を行った。
(露光)
平版印刷版原版を、波長405nmのバイオレットLD(FFEI社製バイオレットボクサー)で50μJ/cmの露光量で、4000dpiにて175線/インチの条件でベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)を走査露光した。
(現像)
下記現像液1及びフィニッシングガム液「FP−2W」(富士フイルム(株)製)を仕込んだ自動現像機(富士フイルム製LP−850P2)で標準処理を行った。プレヒートの条件は版面到達温度が100℃、現像液温は30℃、現像液への浸漬時間は約15秒であった。
現像液1は下記組成よりなり、pHは25℃で11.5であり、導電率は5mS/cmであった。
−現像液1の組成−
・水酸化カリウム 0.15g
・ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0g
・キレスト400(キレート剤) 0.1g
・水 94.75g
[評価]
平版印刷版原版の感度、保存安定性について、下記の方法で評価した。結果を表6にまとめて併記する。
1.感度の評価
平版印刷版原版を、上記の条件で露光し、その直後に上記の条件にて現像して画像形成を行い、その際の50%網点の面積%を網点面積測定器(グレタグーマクベス)で測定した。数字が大きいほど感度が高いことを示す。
2.保存安定性(強制経時変化量)の評価
平版印刷版原版の各々を、合紙とともにアルミクラフト紙で密閉し、60℃で4日放置したものを用いた以外は、感度評価時とすべて同じ方法で網点面積測定を行った。次に、60℃、4日放置有りの網点面積と60℃、4日放置無しの網点面積との差を取り、強制経時による網点変動(Δ%)を測定した。この数字の絶対値が小さいほど強制経時による影響が少ないこと、すなわち経時安定性が高いことを示す。
3.画像部耐刷性試験
印刷機として、ローランド社製「R201」を使用し、インキとして大日本インキ化学工業(株)製の「GEOS−G(N)」を使用して、平版印刷版原版を用い印刷を行った。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。数字が多いほど耐刷性がよいことを示す。
上記表6から明らかなように、本発明の新規オキシム化合物を感光層に含有する実施例4−1〜4−7の平版印刷版原版は、比較例4−1〜4−2に比べて高感度で、経時安定性、及び耐刷性に優れたものであることが判る。
一方、比較例4−1〜4−2の平版印刷版原版では、高感度で、経時安定性、及び耐刷性のいずれもが実施例の平版印刷版原版よりも劣っていた。
前記表6中、増感剤A1〜A3、共増感剤F2、F3は、下記の化合物である。

また、比較化合物LD−5は、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
更に、以下に表6中に示される、重合性化合物M、N、O、バインダーポリマーB1、B2、B3の構造を示す。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。



    [上記一般式(1)中、Arはアリール基を表し、Aは二価の有機基を表し、Rは一価の置換基を表し、Xは一価の置換基を表し、Rは電子吸引性基を表し、Lは、置換基を有してもよい(m+1)価の連結基を表す。上記一般式(1)中、mは1〜3の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。]
  2. 前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基のハメットの置換基定数σ値の総和が、0.3以上0.75以下である請求項1に記載の化合物。
  3. 前記一般式(1)中、Rで表される電子吸引性基が、−CONRで表されるカルバモイル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表す請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. (A)請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化合物、及び(B)重合性化合物を含有する光重合性組成物。
  5. (C)着色剤を更に含有する請求項4に記載の光重合性組成物。
  6. 前記(C)着色剤が顔料であり、且つ、(D)顔料分散剤を更に含有する請求項5に記載の光重合性組成物。
  7. カラーフィルターの着色パターンの形成に用いられる請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
  8. 支持体上に、請求項7に記載の光重合性組成物を用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタ。
  9. 支持体上に、請求項7に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、
    前記光重合性組成物層をパターン露光する工程と、
    露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項8に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  11. 支持体上に、請求項4に記載の光重合性組成物を含む感光層を有する平版印刷版原版。
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