JP2011064284A - 組付工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブディスクにバルブ部材を芯ずれなく容易に組付けることができ、組付不良を生じさせない組付工具を提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、環状であって軸部材5aの外周に装着されるバルブディスク6と同じく環状であって軸部材5aの外周に装着されるとともにバルブディスク6に設けられたポート7を開閉する環状のリーフバルブ10に積層されるバルブ部材Vを調芯させる組付工具1において、筒状であって内周側にバルブ部材Vの外周に嵌合してバルブ部材Vを調芯するバルブ調芯部2と、バルブディスク6に嵌合してバルブディスク6に調芯されるディスク調芯部3とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブディスクにバルブ部材を積層させる組付工具の改良に関する。
バルブディスクにリーフバルブを積層させて構成されるバルブとしては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部に多く見られ、バルブディスクとしてのピストンに設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものがある。
リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉するバルブでは、リーフバルブの撓み剛性を小さくするとピストン速度が低速領域における減衰力が小さくなりすぎ、反対に、撓み剛性を大きくするとピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させるのは難しい。
そこで、この問題を解消するため、特開2003−254375号公報に開示されているように、リーフバルブに積層されるガイド部材でリーフバルブの内周側を固定し、ガイド部材の外周に装着した皿ばねでガイド部材の外周に摺動自在に装着されるバルブ抑え部材を介して、リーフバルブをピストンへ向けて附勢するバルブがある。
このようなバルブを実際に組立てる際には、組付工具として保持針が利用される。そして、保持針にピストンとともにリーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねといったバルブ部材を一旦組み付け、これらバルブ部材をピストンとともに保持針から引き抜いてピストンロッドの外周へ移し変えて装着し、ピストンロッドに螺着されるピストンナットでこれらを締め付けて固定することでバルブを組立てるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−959号公報
しかしながら、バルブ部材が上述のようにリーフバルブに、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねを積層する構造を採用している場合には、折角保持針にてこれら部品の軸心を一致させた状態としても、ピストンロッドの先端へ移し変える際に各部品がばらけて芯ずれしてしまって、組付けを容易に行うことができない場合がある。
また、バルブ抑え部材および皿ばねの内径がガイド部材の外周に装着されるために保持針およびピストンロッドの外径より大きく、保持針に組み付けられた際やピストンロッドに組付けられた際に、バルブ抑え部材の内周がリーフバルブとガイド部材との間に挟み込まれたり、皿ばねがガイド部材とピストンナットとの間に挟みこまれたりする等といった組付不良が生じる可能性があり、組付不良が発生しないように、上記挟み込みを手作業で直さなくてはならない手間がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、バルブディスクにバルブ部材を芯ずれなく容易に組付けることができ、組付不良を生じさせない組付工具を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、環状であって軸部材の外周に装着されるバルブディスクと同じく環状であって軸部材の外周に装着されるとともにバルブディスクに設けられたポートを開閉する環状のリーフバルブに積層されるバルブ部材を調芯させる組付工具において、筒状であって内周側にバルブ部材の外周に嵌合してバルブ部材を調芯するバルブ調芯部と、バルブディスクに嵌合してバルブディスクに調芯されるディスク調芯部とを備えたことを特徴とする。
本発明の組付工具によれば、バルブディスクへ当接させるだけでバルブ部材を調芯させることができ、わざわざ作業者が指でバルブ部材を調芯させる手間を省くことができ、組付作業を容易ならしめる。
さらに、組付工具をバルブディスクへ当接させるだけでバルブ部材を調芯させることができるので、組付不良の発生を防止することができる。
また、組付工具にバルブ部材を挿入しておいて、軸部材にバルブ部材を組付けるとともにリーフバルブへ積層させる場合、バルブ部材の軸部材への組付と調芯を同時に一つの工具で行うことができ、加工工数の削減と作業者の組付作業の負担を軽減することができる。
一実施の形態における組付工具の縦断面図である。 バルブの縦断面図である。 工具にバルブ部材を組付けた状態を示した図である。 一実施の形態における組付工具で工具に組み付けられたバルブ部材を調芯する行程を説明する図である。 一実施の形態における組付工具でバルブ部材を軸部材に組付けつつ調芯する行程を説明する図である。 一実施の形態における組付工具で軸部材にピストンナットを螺合する行程を説明する図である。 一実施の形態の一変形例における組付工具でバルブ部材を調芯する行程を説明する図である。
以下、本発明の組付工具1を各図に基づいて説明する。一実施の形態における組付工具1は、図1に示すように、筒状であって内周側にバルブ部材Vの外周に嵌合してバルブ部材Vを調芯するバルブ調芯部2と、バルブディスクとしてのピストン6に嵌合してピストン6に調芯されるディスク調芯部3とを備えて構成されている。
他方、組付工具1によって組立てられるバルブは、たとえば、緩衝器のピストン部に適用され、図2に示すように、環状であって軸部材としてのピストンロッド5の先端5aの外周に装着されるポート7が形成されるバルブディスクとしてのピストン6と、ピストン6に積層されるリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されるリーフバルブ10より小径なガイド部材11と、リーフバルブ10に積層されるバルブ部材Vとで構成されており、また、バルブ部材Vは、環状であってピストン6とともに軸部材であるピストンロッド5の先端5aに組付けられるようになっている。そして、この場合、バルブ部材Vは、環状であって上記先端5aの外周に装着されるとともにリーフバルブ10に積層されるリーフバルブ10より小径なガイド部材11の外周に装着されてリーフバルブ10をピストン1側へ向けて附勢する環状のばね部材としての皿ばね12と、ガイド部材11の外周に摺動自在に装着されるとともに皿ばね12とリーフバルブ10の間に介装される環状のバルブ抑え部材13とを備えて構成されている。
なお、このように構成されたバルブが適用される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ(図示せず)と、シリンダの上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、軸部材を形成するピストンロッド5の先端5aが挿通されて上記先端5aに固定されるピストン6と、シリンダ内にピストン6で隔成される一方室(図示せず)と他方室(図示せず)と、シリンダの下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダから出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成される。上述のようにバルブが緩衝器に適用される場合、バルブは、ピストン6のポート7を通過する流体の流れに対してリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰バルブとして機能する。
バルブディスクたるピストン6は、この場合、有底筒状に形成され、底部6aの軸心部にピストンロッド5の先端5aが挿通される挿通孔6bと、同じく底部6aに設けたポート7と、底部6aの外周側に延設される筒部6cと、ポート7の外周に設けた環状の弁座6dとを備えて構成されている。なお、このピストン6には、ポート7の外周側に外側ポート8を備えていて、当該外側ポート8は、ポート7とは逆向きの流体の流れを許容するようになっている。
リーフバルブ10は、環状であってピストンロッド5の先端5aの外周に装着され内周側がピストン6とピストンナット9によって挟持されて固定され、外周が自由端とされて外周撓みが許容されており、ポート7を開閉できるようになっている。なお、この実施の形態においては、リーフバルブ10は、一枚の環状板で構成されているが、環状板を複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されてもよく、環状板の枚数は、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、また、複数枚の環状板を積層する場合、緩衝器に発生させる減衰特性によって各環状板の外径を異なるように設定することができる。
また、ガイド部材11は、その外径がリーフバルブ10の外径より小径とされており、外周に装着される皿ばね12およびバルブ抑え部材13の介装スペースを確保できるだけの軸方向長さを備えている。
そして、このガイド部材11の外周には、環状であって弁座6dおよび皿ばね12の外径より大きな外径を備えたバルブ抑え部材13が摺動自在に装着されている。また、このバルブ抑え部材13より図2中上方には、環状であってガイド部材11の外周に装着されるバネ部材としての皿ばね12が設けられており、皿ばね12は、図中下端となる外周側をリーフバルブ10側に向け、図中上端となる内周をピストンナット9に当接して、上下方向となる軸方向に圧縮された状態でピストンナット9とリーフバルブ10との間に介装され、リーフバルブ10をピストン6へ向けて附勢している。なお、皿ばね12の附勢力は、ガイド部材11の軸方向長さやバルブ抑え部材13の軸方向長さや介装枚数によって調節することができる。
また、上記リーフバルブ10は、外縁から内周へ向けて設けられる複数の切欠10aを備えており、当該切欠は、リーフバルブ10の図2中上方に積層されるバルブ抑え部材13によって、リーフバルブ10の外縁側を残して閉塞され、リーフバルブ10が弁座6dに着座した状態でオリフィスが形成される。なお、リーフバルブ10が複数の環状板を積層してなる積層リーフバルブである場合、ピストン1に積層した環状板のみに上述のようなオリフィスとして機能する切欠を設け、ピストン6側から数えて二枚目以降の環状板には切欠を設けない。また、リーフバルブ10に切欠10aを設けることに代えて、弁座6dに打刻されて形成されるオリフィスを設けてもよい。
つづいて、組付工具1は、図1に示すように、有底筒状であって内周側にバルブ部材Vの外周に嵌合してバルブ部材Vを調芯するバルブ調芯部2と、バルブディスクとしてのピストン6に嵌合してピストン6に調芯されるディスク調芯部3と、内周側に軸部材としてのピストンロッド5の先端5aの外周に形成される螺子部5bに螺着されるナットとしてのピストンナット9を軸方向となる図1中上下方向へのみ移動可能に保持する保持部4とを備えて構成されている。
バルブ調芯部2は、この実施の形態では、皿ばね12およびバルブ抑え部材13の外周を調芯可能なように、図1中最下方に設けられてバルブ抑え部材13の外周に嵌合するバルブ抑え嵌合部2aと、当該バルブ抑え部材嵌合部2aより上方に配置されて皿ばね12の外周に嵌合する皿ばね嵌合部2bとを備えている。
そして、バルブ抑え嵌合部2aにおけるバルブ抑え部材13の外周に嵌合する嵌合面は、バルブディスクとしてのピストン6側が拡径するテーパ面とされ、皿ばね嵌合部2bにおける皿ばね12の外周に嵌合する嵌合面にあってもピストン6側が拡径するテーパ面とされている。
さらに、保持部4は、皿ばね嵌合部2bより上方に設けられており、内周の形状がピストンナット9の回転と径方向への移動を阻止するもののピストンナット9が図1中上下方向へ移動することを許容する形状とされている。たとえば、ピストンナット9の外周形状が六角形である場合には、保持部4の内周形状がこれと一致する形状であるほか、ピストンナット9の外周の六面のうち連続しない三面以上に接する形状とされればよい。また、この保持部4は、ピストンナット9を皿ばね12およびバルブ抑え部材13に対して調芯するようになっており、組付工具1でピストンナット9、皿ばね12およびバルブ抑え部材13を調芯して、これらのそれぞれ中心軸を一致させることができるようになっている。
また、皿ばね12およびバルブ抑え部材13を調芯するので、これらの内周側に装着されるガイド部材11をも間接的に調芯することができる。
さらに、この場合、ピストン6が筒部6cを備えているので、ディスク調芯部3は組付工具1における外周面とされている。つまり、組付工具1をピストン6の筒部6cに嵌合させることで、組付工具1がピストン6に調芯されることになる。
そして、この組付工具1におけるバルブ抑え嵌合部2aおよび皿ばね嵌合部2bの軸方向設置位置は、上述のようにピストン6の底部6aに組付工具1を当接した際に、リーフバルブ10に積層された皿ばね12およびバルブ抑え部材13にそれぞれ対向する位置に設けられている。
具体的には、バルブ抑え嵌合部2aは、図4に示すように、リーフバルブ10に正しく積層されたバルブ抑え部材13の上端縁と対向するようになっており、バルブ抑え嵌合部2aの軸方向長さの範囲に上記バルブ抑え部材13の上端縁が対向するようになっている。また、皿ばね嵌合部2bも同様に、図4に示すように、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材13に正しく積層された皿ばね12外周上端縁と対向するようになっており、皿ばね嵌合部2bの軸方向長さの範囲に上記皿ばね12の外周上端縁が対向するようになっている。
なお、組付工具1は、有底筒状とされていて、ピストンナット9がバルブ調芯部2の反対側から抜けることがないようになっているが、両端が開口する筒状とされてもよい。
また、組付工具1の図1中上端外周は、円形以外の形状とされており、当該上端外周を把持可能な工具で組付工具1を外部操作で軸周りに回転させることができるようになっている。なお、上端に円形以外の穴を設けておいて、当該穴の形状に符合する工具を挿入して、組付工具1を外部操作で軸周りに回転させることができるようにしてもよく、この場合は、上端外周の形状は円形でもよい。
さて、このように構成された組付工具1でバルブ部材Vをピストン6とこれに積層されたリーフバルブ10へ積層させる手順について説明する。
まず、図3に示すように、針山と称される軸状の工具Hに、ピストン6とリーフバルブ10、ガイド部材11、バルブ部材Vである皿ばね12、バルブ抑え部材13、さらには、チェックバルブ14やバルブストッパ15といったピストン6より図中下方へ積層されるバルブの類を予め組みつけておく。
つづいて、図4に示すように、工具Hに組み付けられたピストン6の筒部6c内に組付工具1を挿入する。この行程において、組付工具1の筒部6cへの嵌合が進むと、バルブ抑え部材13の外周上端縁がバルブ抑え嵌合部2aのテーパ面に対向して接触するようになって、その後の組付工具1の更なる筒部6c内への侵入によって、組付工具1に対して調芯される。また、皿ばね12も同様に、組付工具1の筒部6cへの嵌合の進捗に合わせて、皿ばね12の外周上端縁が皿ばね嵌合部2bのテーパ面に対向して接触するようになって、組付工具1に対して調芯される。また、組付工具1は、筒部6cへの嵌合によって、ピストン6に調芯され、さらに、ピストン6は工具Hに嵌合されて調芯されているので、組付工具1は、上記行程を実施することで、上記工具Hに対して皿ばね12、バルブ抑え部材13を調芯させることができる。なお、ガイド部材11は、上記工具Hによって調芯されているので、バルブを構成するすべての部材が工具Hに対して調芯される。
そして、図5に示すように、ピストン6の筒部6c内へ組付工具1を最深部へ挿入したまま、組付工具1をピストン6とこのピストン6の下方に積層されるチェックバルブ14、バルブストッパ15とともに工具Hから抜き取り、軸部材としてのピストンロッド5の先端5aに、工具Hから抜き取った各部材を組付ける。
このようにして、ピストンロッド5の先端5aに、ピストン6、リーフバルブ10、ガイド部材11、バルブ部材Vである皿ばね12、バルブ抑え部材13を組付けることで、これら各部材は、ピストンロッド5の先端5aと組付工具1とによって調芯されて組み付けられることになる。なお、ピストン6の下方に積層されるチェックバルブ14、バルブストッパ15は、ピストンロッド5の先端5aに直接組み付けられるので軸ずれすることはない。
つづいて、組付工具1をピストン6の筒部6cから一端引き抜き、組付工具1の内周に設けた保持部4にピストンナット9を挿入し、図6に示すように、再度、組付工具1を、ピストン6の筒部6cへ嵌合させて、組付工具1を周方向へ回転させて、ピストンナット9を上記先端5aの螺子部5bに螺合させる。そして、組付工具1の下端をピストン6の底部6aへ当接させつつ、ピストンナット9を螺子部5bに螺合することができるので、この螺合行程にあっても、バルブ部材Vが調芯された状態を保たれる。
この螺合行程では、ピストンナット9をガイド部材11に当接させるまで、螺子部5bへ螺合させるようにしてもよいし、捻じ込みを途中で中止して、組付工具1を取り去った後にピストンナット9を最後まで螺合するようにしてもよい。
また、ピストンナット9の螺合行程において、バルブ部材Vの芯ずれの虞が無ければ、組付工具1を利用せずともよく、さらに、工具Hにピストンナット9をも組みつけておく場合には、工具Hから軸部材としてのピストンロッド5の先端5aへピストン6、リーフバルブ10、ガイド部材11、バルブ部材Vである皿ばね12、バルブ抑え部材13リーフバルブ10およびバルブ部材Vを移し変える組付行程とピストンナット9を螺合させる螺合行程とを同時進行させることもできる。
このように組付工具1は、バルブディスクたるピストン6へ当接させるだけでバルブ部材Vを調芯させることができ、わざわざ作業者が指でバルブ部材Vを調芯させる手間を省くことができ、組付作業を容易ならしめる。
また、ピストン6が筒部6cを備えていて筒部6cの内径が小さい場合、皿ばね12やバルブ抑え部材13を指で調芯するのは難しいが、そのような場合であっても、組付工具1を用いれば簡単にバルブ部材Vの調芯を行うことができる。
さらに、組付工具1をバルブディスクたるピストン6へ当接させるだけでバルブ部材Vを調芯させることができるので、組付不良の発生を防止することができる。
また、組付工具1にバルブ部材Vを挿入しておいて、軸部材としての先端5aにバルブ部材Vを組付けるとともにリーフバルブ10へ積層させる場合、バルブ部材Vの軸部材への組付と調芯を同時に一つの工具で行うことができ、加工工数の削減と作業者の組付作業の負担を軽減することができる。
さらに、ピストンナット9を保持する保持部4を備えているので、バルブ部材Vの調芯作業とピストンナット9を螺合させる螺合作業を、工具の変更なしに同時に行うことができるので、螺合作業の際にバルブ部材Vの調芯を損なう心配もない。
加えて、バルブ嵌合部2がテーパ面を備えているので、組付工具1をピストン6へ接近させることで、バルブ部材Vを自動的に調芯させることができ、便利である。なお、バルブ嵌合部2がテーパ面を備えておらず、バルブ抑え嵌合部2aの内周形状がバルブ抑え部材13の外周を摺動自在に嵌合可能な形状とされ、皿ばね嵌合部2bがテーパ面を備えておらず、皿ばね嵌合部2bの内周形状が皿ばね12の外周を摺動自在に嵌合可能な形状とされていても、バルブ部材Vの調芯を行うことは可能であり、本発明の効果を失うことはない。
さらに、ばね部材は、皿ばね12以外にも、ウェーブワッシャやゴム等の弾性体等とされてもよく、上述したところでは軸部材をピストンロッド5の先端5aとしているが、軸部材を直接にバルブディスクに設ける構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、ピストン6が筒部6cを備えていて、この筒部6cに組付工具1を嵌合させることで、ピストン6に対して組付工具1を調芯するようにしているが、図7に示すように、バルブディスク20が筒部を備えていない場合、組付工具21のバルブディスク20側の開口端をバルブディスク20の端部に嵌合するようにして、これをディスク調芯部22としてもよい。なお、組付工具21におけるバルブ調芯部2および保持部4における構造は、上述の組付工具1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略している。
以上で本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明は緩衝器等のバルブの組立に利用可能である。
1,21 組付工具
2 バルブ調芯部
2a バルブ抑え嵌合部
2b 皿ばね嵌合部
3 ディスク調芯部
4 保持部
5 ピストンロッド
5a 軸部材としての先端
5b 先端における螺子部
6 ピストン
6a 底部
6b 挿通孔
6c 筒部
7 ポート
8 外側ポート
9 ピストンナット
10 リーフバルブ
11 ガイド部材
12 皿ばね
13 バルブ抑え部材
14 チェックバルブ
15 バルブストッパ
20 バルブディスク
H 工具
V バルブ部材

Claims (5)

  1. 環状であって軸部材の外周に装着されるバルブディスクと同じく環状であって軸部材の外周に装着されるとともにバルブディスクに設けられたポートを開閉する環状のリーフバルブに積層されるバルブ部材を調芯させる組付工具において、筒状であって内周側にバルブ部材の外周に嵌合してバルブ部材を調芯するバルブ調芯部と、バルブディスクに嵌合してバルブディスクに調芯されるディスク調芯部とを備えたことを特徴とする組付工具。
  2. 内周側に軸部材に螺着されるナットを軸方向へのみ移動可能に保持する保持部を備え、バルブ部材をバルブディスクに積層しつつ、外方からの回転操作でナットを軸部材に螺着する請求項1に記載の組付工具。
  3. バルブ部材が、環状であってリーフバルブより小径なガイド部材の外周に装着されてリーフバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材を備え、バルブ調芯部は、ばね部材を調芯することを特徴とする請求項1または2に記載の組付工具。
  4. バルブ部材が、環状であってリーフバルブより小径なガイド部材の外周に装着されてリーフバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材と、ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともにばね部材とリーフバルブの間に介装される環状のバルブ抑え部材とを備え、バルブ調芯部は、バルブ抑え部材およびばね部材を調芯することを特徴とする請求項1または2に記載の組付工具。
  5. バルブ調芯部におけるバルブ部材の外周に嵌合する嵌合面は、バルブディスク側が拡径するテーパ面であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の組付工具。
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