JP2011063461A - 多孔質粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水熱処理の有無に関わらず、シリカ粒子(SiO)やチタニア粒子(TiO)、ジルコニア粒子(ZrO)等の金属酸化物粒子の壁で区画された多孔構造(好ましくは遷移金属が孔内部に担持された多孔構造)を持つ多孔質粒子を作製する多孔質粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその金属錯体の少なくとも一方、金属アルコキシド、並びに水を混合し、水性組成物を調製する調製工程と、調製された前記水性組成物中から水の少なくとも一部を気化させる気化工程と、前記気化工程後の前記水性組成物を焼成する焼成工程とを有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばメソポーラス構造を有する多孔質粒子の製造方法に関する。
従来から、界面活性剤などが形成する分子集合体をいわゆる鋳型として調製されるメソポーラス材料は、規則的な細孔構造及び均一な細孔径を有するとして、触媒や分離技術、吸着剤などの広範な分野で注目されている。特に、細孔構造や細孔径を制御することは、分子認識能、細孔内部の反応場としての利用などの観点から重要である。
例えば、鋳型としてアルキル鎖長の異なるカチオン性界面活性剤を利用して細孔径を制御する方法、あるいはカチオン性−アニオン性界面活性剤の混合系などの異種界面活性剤の混合系を鋳型に用いて細孔構造と細孔径を制御する方法などが知られている。細孔径を変化させる方法として、鋳型となる分子集合体に種々の分子を可溶化させる方法などがある。
一例として、図12に示されるように、ポリオキシエチレン(PEO)鎖とポリオキシプロピレン(PPO)鎖を含むトリブロック共重合体(非イオン性のプルロニック系界面活性剤)であるF127と共に被可溶化物質として1,3,5−トリメチルベンゼン(TMB)や1,3,5−トリエチルベンゼン(TEB)等を混合して撹拌、可溶化した後、水熱処理を行なってシリカ/F127複合粒子を得、この複合粒子を焼成処理してシリカ粒子を調製する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、機能性メソポーラスにRu錯体がグラフト重合されて有機金属が導入された酸素感知材料が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、銀塩溶液を用いてメソ多孔性シリカ膜に浸透させ、in−situ法によりNaBHで化学還元を行ない、F127トリブロック共重合体を鋳型としてメソ多孔性シリカを形成することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
材料技術 27(1),p.21-26(2009) J. Phys. Chem. C, Vol.111, No.30, p.11291-11301(2007) Colloids and Surfaces A, Vol.325, No.1-2, p.86-92(2008)
しかしながら、両親媒性高分子を鋳型に用いてメソポーラス材料を作製する場合、通常は密閉容器内で高温高圧処理を行なう水熱処理が不可欠であり、一定以上のエネルギー、コスト等を必要とするにも関わらず、必ずしも周期性や規則性があって、表面積の大きい細孔構造が得られていないのが実状である。細孔構造については、ある規則性を有して均一な構造に形成されることが望まれる。
また、細孔内に金属を存在させる場合、上記のRu錯体を導入する方法や銀塩溶液を浸透させる方法は、メソポーラスの細孔内に金属を担持するものではなく、メソ孔内に選択的に金属を担持させることは困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、水熱処理の有無に関わらず、シリカ粒子(SiO)やチタニア粒子(TiO)、ジルコニア粒子(ZrO)等の金属酸化物粒子の壁で区画された周期性ないし規則性を有する多孔構造(好ましくは遷移金属が孔内部に担持された多孔構造)を有する多孔質粒子を作製することができる多孔質粒子の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその金属錯体の少なくとも一方、金属アルコキシド、並びに水を混合し、水性組成物を調製する調製工程と、調製された前記水性組成物中から水の少なくとも一部を気化させる気化工程と、前記気化工程後の前記水性組成物を焼成する焼成工程と、を有する多孔質粒子の製造方法である。
<2> 前記フェナントロリン及びその金属錯体として、フェナントロリンとアミン化合物とが金属に配位したフェナントロリン金属錯体を混合することを特徴とする前記<1>に記載の多孔質粒子の製造方法である。
<3> 前記金属錯体を形成する金属が、遷移金属であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の多孔質粒子の製造方法である。
<4> 前記ノニオン系両親媒性界面活性剤が、エチレンオキサイド鎖及びプロピレンオキサイド鎖を含むトリブロック系界面活性剤であることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の多孔質粒子の製造方法である。
<5> 前記アミン化合物が、アルキレンジアミンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記<2>〜前記<4>のいずれか1つに記載の多孔質粒子の製造方法である。
<6> 前記アミン化合物が、炭素数2〜3のアルキレンジアミンであることを特徴とする前記<5>に記載の多孔質粒子の製造方法である。
<7> 前記遷移金属が、Au、Pt、Pd、Mo、Ag、及びRuから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記<3>〜前記<6>のいずれか1つに記載の多孔質粒子の製造方法である。
<8> 前記調製工程は、酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその金属錯体の少なくとも一方、並びに水を混合した後、金属アルコキシドを更に混合して撹拌後、該攪拌時より高い温度に昇温して更に撹拌することを特徴とする前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の多孔質粒子の製造方法である。
<9> 細孔間距離が8〜20nmである多孔質粒子を作製することを特徴とする前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載の多孔質粒子の製造方法である。
本発明において、細孔間距離は、隣接する孔と孔の中心間距離を指す。以下、同様である。
本発明によれば、水熱処理の有無に関わらず、シリカ粒子(SiO)やチタニア粒子(TiO)、ジルコニア粒子(ZrO)等の金属酸化物粒子の壁で区画された周期性ないし規則性を有する多孔構造(好ましくは遷移金属が孔内部に担持された多孔構造)を有する多孔質粒子を作製し得る多孔質粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の多孔質粒子の製造工程の流れの一例を簡略して示す概略工程図である。 トリブロック系界面活性剤が形成するミセルのモデルを示す概略図である。 ミセルの周囲に金属酸化物粒子としてシリカ粒子が配列して筒状の細孔が形成されている状態を拡大して示す斜視図である 本発明の多孔質粒子の製造工程の流れの具体的な一例を示す工程図である。 メソポーラスシリカ粒子の小角X線散乱パターンとピークでの2θ(細孔の細孔間距離)を示すグラフである。 メソポーラスシリカ粒子の細孔構造を拡大して示すTEM写真である。 (a)は図4の攪拌Cを22℃(室温)で行なった場合において攪拌A〜Bでの温度を変化させたときの小角X線散乱パターンのピークの変化を示すグラフであり、(b)は図4の攪拌Cを80℃で行なった場合において攪拌A〜Bでの温度を変化させたときの小角X線散乱パターンのピークの変化を示すグラフである。 本発明の多孔質粒子の製造工程の流れの具体的な他の一例を簡略して示す概略工程図である。 メソポーラスシリカ粒子の小角X線散乱パターンとピークでの2θ(細孔の細孔間距離)を示すグラフである。 メソポーラスシリカ粒子の細孔構造を拡大して示すTEM写真である。 比較のメソポーラスシリカ粒子の細孔構造を拡大して示すTEM写真である。 従来のシリカ粒子の製造工程の流れを示す概略工程図である。
以下、本発明の多孔質粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明の多孔質粒子の製造方法は、酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその錯体の少なくとも一方、金属アルコキシド、並びに水を混合し、水性組成物を調製する調製工程と、調製された水性組成物中から水の少なくとも一部を気化させる気化工程と、気化工程を修了した後の水性組成物を焼成する焼成工程とを設けて構成されたものである。
本発明においては、ノニオン系両親媒性界面活性剤が形成するミセルを鋳型として利用し、これに金属アルコキシドを用いてミセルの周囲に金属酸化物粒子(例えば、シリカ粒子(SiO)やチタニア粒子(TiO)、ジルコニア粒子(ZrO)等)が配列することにより壁(以下、「壁」を「壁膜」ともいう。)を形成して多孔質粒子を作製する。このとき、シリカやチタニア、ジルコニア等の種々の無機酸化物を壁膜、バインダーとして粒子中に含ませることが可能である。酸触媒(及び場合によりアルコール)と両親媒性界面活性剤とをフェナントロリン及び/又はその錯体とともに水に加えて混合することにより、形成される多孔質粒子の多孔構造の周期性ないし規則性を飛躍的に向上させることができる。また、酸触媒(及び場合によりアルコール)とフェナントロリン及び/又はその錯体を両親媒性界面活性剤とともに水に混合後、焼成前に水分(及び場合によりアルコール)の少なくとも一部を気化させる工程を設けたことで、両親媒性界面活性剤を用いながらも水熱処理を行なうことなく、周期性ないし規則性の高いポーラス構造が形成される。これにより、金属酸化物粒子(シリカ粒子など)の壁膜により区画されて複数の孔が周期性ないし規則性をもって配列された孔構造を持つ多孔質粒子を作製することができる。
また、水性組成物を調製する調製工程における温度を変化させること、並びに水及び/又はアルコールを気化させる際の温度条件を変化させることにより、細孔の細孔間距離を制御することが可能である。
−調製工程−
本発明における調製工程では、酸触媒と、ノニオン系両親媒性界面活性剤と、フェナントロリン及び/又はその金属錯体と、金属アルコキシドと、水とをそれぞれ1種又は2種以上混合し、水性組成物を調製する。水性組成物には、必要に応じて、更にアルコール、アルカリ金属塩や膨潤剤を加えてもよい。
混合は、成分の添加順序に制限はなく、各成分を任意の順に添加して撹拌等して行なうことが可能であり、全ての成分を加えた後に撹拌を開始するようにしてもよい。例えば、水と酸触媒(及び場合によりアルコール)とを混合した混合物にノニオン系両親媒性界面活性剤とフェナントロリン及び/又はその金属錯体を加え、撹拌した後、更に金属アルコキシドを加えて調製してもよい。この場合、両親媒性界面活性剤が含まれた混合物に金属アルコキシドを加える前に、フュームドシリカなどのシリカ粒子を更に加えてもよい。
本工程で水性組成物を調製する場合、撹拌等による混合は、添加した水、アルコールの撹拌等の過程での気化を抑えて行なうことが好ましい。水等の溶媒の気化が多いと細孔構造が得られにくくなるため、撹拌等の混合操作中の気化を少なく抑えることが好ましく、これによりその後に気化工程を設けたことによる多孔構造、特にメソ構造の形成性、孔配列の規則性が良化する。本発明においては、各成分の撹拌等による混合は、密閉等により混合物を閉塞空間に保持できる容器を用い、例えば、各成分を加える毎に容器を閉塞し、閉塞状態で成分を撹拌、混合する態様が好ましい。
混合は、撹拌により行なえ、例えば、マグネチックスターラ、撹拌機などを使用できる。成分の添加、混合時の温度は、特に制限はないが、混合過程での気化を抑制する点から、20℃〜40℃の範囲が好ましい。また、混合時間は、温度や撹拌速度などの条件や他の目的等に応じて選択すればよい。
酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及び/又はその錯体、金属アルコキシドを水に加えて混合する際の撹拌は、一旦室温付近(例えば5℃〜35℃)で所望時間の撹拌処理を施した後、更に、このときの温度より高い温度(例えば50℃〜80℃)に昇温して撹拌処理を行なうようにすることが好ましい。このように、第1段目の撹拌処理で混合物を均一化した後、このときの温度より高い温度に昇温後、更に第2段目以降の撹拌処理を行なうようにすることが、規則性のある孔構造を形成する上で有利である。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。酸触媒の水性組成物中における濃度は、水を含む全溶媒量に対して、0.09〜6.0モル%が好ましく、2.0〜4.0モル%がより好ましい。酸触媒の水性組成物中に占める割合は、0.09モル%以上であると、周期性ないし規則性のある細孔構造を有する多孔構造を形成しやすく、6.0モル%以下であると、高い周期性ないし規則性を付与できる。酸触媒としては、塩酸が好適に用いられる。
ノニオン系両親媒性界面活性剤は、1分子内に親水基と疎水基とを持つ非イオン性高分子であり、水溶性を有するものから選択することができる。水溶性を有していると、図2に示すように、水性組成物中でミセルを形成することができる。この両親媒性界面活性剤の存在下、後工程で水(及び場合によりアルコール)の少なくとも一部を気化させることで、例えば図1及び図3に示すように、ミセルの親水基の部位にシリカ粒子が存在する配列構造を形成することができる。
ノニオン系両親媒性界面活性剤としては、エチレンオキサイド鎖及びプロピレンオキサイド鎖を含むトリブロック系界面活性剤(プルロニック系界面活性剤)が好ましい。プルロニック系界面活性剤は、一般にポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)との3元ブロック共重合体で両末端に水酸基を持つ化合物の総称である。両末端は水酸基でなくてもよい。プルロニックの市販品としては、PEGとPPGの分子量が異なったものが多く上市されており、重合度の範囲については、PPGが15〜65で、PEGが1〜150のものがある。トリブロック系界面活性剤としては、(C24O)a(Cn2nO)b(C24O)cの構造〔n=3〜4、a,b,cは整数を表す。〕を有するものが好ましく、n=3の場合がより好ましい。具体的な例としては、プルロニックL31〔(C24O)1.3−(C36O)15.8−(C24O)1.3〕、同L35、同L44、同L64〔(C24O)13(C36O)30(C24O)13〕、同P123〔(C24O)20(C36O)70(C24O)20〕、同F127〔(C24O)60(C36O)120(C24O)60〕などが使用可能である。
ノニオン系両親媒性界面活性剤の水性組成物中の含有割合としては、水性組成物の全質量に対して、7〜9質量%が好ましく、8〜9質量%が好ましい。ノニオン系両親媒性界面活性剤の水性組成物中における割合が7質量%以上であると、規則性のある細孔構造を有する多孔構造を形成しやすい。また、ノニオン系両親媒性界面活性剤の含有割合が9質量%以下の範囲内において、少量でより効果的に規則性のある細孔構造が得られる。
フェナントロリンは、フェナントレンの炭素のうち2つが窒素で置換された縮合芳香族化合物であり、窒素の置換位置の異なる構造異性体をも含む。この構造異性体のうち、金属(特に遷移金属)に配位する配位子として金属錯体を形成するものとして、1,10−フェナントロリンが好適である。
フェナントロリンの金属錯体を構成する金属としては、遷移金属が好ましく、例えば、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,La,Ce,Gd,Hf,Ta,W,Ir,Pt,Auなどが挙げられる。中でも、触媒活性の点で、Au,Pt,Pd,Mo,Ag,Ruが好適である。
フェナントロリンの金属錯体としては、フェナントロリンと、ハロゲン原子及びアミン化合物から選ばれる化合物とが金属に配位したフェナントロリン金属錯体が好ましい。
前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。この場合、例えば、白金(Pt)との間でフェナントロリン(Phen)と2つの塩素原子とが配位するジクロロ白金−1,10−フェナントロリン錯体〔Pt(Phen)Cl2〕が挙げられる。
前記アミン化合物としては、例えば、アルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等)が挙げられる。アルキレンジアミンのアルキル部位の炭素数は、ノニオン系両親媒性界面活性剤とともに複合鋳型とする点で、1〜3の範囲が好ましく、2〜3の範囲がより好ましい。
この場合、例えば下記のように、白金(Pt)との間でフェナントロリン(Phen)とエチレンジアミン(en)とが配位した白金錯体が挙げられる。例えばエチレンジアミン等のアミン化合物が配位したフェナントロリン白金錯体は、水に可溶であるため、水中の界面活性剤ミセル中に取り込まれ、最終的に細孔内部に選択的にナノサイズの金属粒子を生成、担持させることが可能である。

フェナントロリン及びその金属錯体の水性組成物中における合計量としては、水系溶媒に対して、0.00001〜0.001質量%が好ましく、0.0002〜0.001質量%が好ましい。フェナントロリン及びその金属錯体の合計量が0.00001質量%以上の範囲であると、形成される孔構造の孔配列が周期性ないし規則的な多孔構造が得られる。また、フェナントロリン及びその金属錯体の合計量が0.001質量%以下の範囲内において、少量でより効果的に規則性のある細孔構造が得られる。
金属アルコキシドとしては、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム等の化合物を用いることができ、M(OC2m+14−n−q〔Mは、Si、Ti、Zrを表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。m=1〜4、n=2〜4、q=0〜2、但し、n+q=4を満たす。〕で表される化合物群から選択することができる。
前記アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のSi(OC2m+1〔m=1〜3〕、メチルトリエトキシシラン等のSi(OC2m+1CH〔m=1〜3〕などを挙げることができる。中でも、mは1〜2の範囲が好ましい。
前記アルコキシチタンとしては、例えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のTi(OC2m+1〔m=1〜4〕などを挙げることができる。中でも、mは3〜4の範囲が好ましい。
前記アルコキシジルコニウムとしては、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のZr(OC2m+1〔m=1〜4〕などを挙げることができる。中でも、mは3〜4の範囲が好ましい。
金属アルコキシドの水性組成物中における含有割合としては、ノニオン系両親媒性界面活性剤に対して、30〜70質量%が好ましく、50〜70質量%が好ましい。金属アルコキシドの割合は、30質量%以上であると、細孔構造を形成する壁膜の強度が得られる。また、70質量%以下の範囲で金属アルコキシドを含むことにより、壁膜の構築に寄与する量を確保することができる。
本発明における水性組成物には、上記成分とともに水を含有する。上記成分を水と共に混合することで、水中で両親媒性界面活性剤がフェナントロリン及び/又はその金属錯体を疎水部に取り込んで内包することによりミセルを形成した水溶液が得られる。フェナントロリンの金属錯体(例えばPt錯体)を用いた場合、後の焼成工程により、鋳型である界面活性剤が除されてシリカ粒子などの金属酸化物粒子で形成される壁膜で区画された孔構造(例えばメソポーラス構造)の内部に金属粒子が担持した多孔質粒子(例えばメソポーラスPt粒子)が得られる。
水には、蒸留水、イオン交換水などを使用でき、水の水性組成物中の割合は上記の成分の量に応じて適宜選択すればよい。
本発明においては、水に加え、さらにアルコール成分を含有してもよい。アルコールとしては、後の気化工程で気化させ得るものであれば使用可能であり、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等を挙げることができる。アルコールは、後の気化工程で気化させ易い観点からは、沸点が比較的低いものが好ましく、アルコールの沸点は110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。中でも、揮発性が比較的高い点で、炭素数1〜3のアルコールが好ましく、メタノール、エタノールが特に好ましい。
アルコールの水性組成物中の含有割合としては、水性組成物の全質量に対して、50〜95質量%が好ましく、55〜95質量%が好ましい。アルコールの水性組成物中における割合は、50質量%以上であると、規則性のある細孔構造を有する多孔構造を形成しやすくなる。また、アルコールの含有割合が95質量%以下の範囲内において、効果的に規則性のある細孔構造が得られる。
なお、本明細書中において、「メソ」又は「メソポーラス」は、ミクロとマクロの間のサイズ又はその孔のことであり、メソポーラス物質はミクロポーラス物質(ゼオライト等)とマクロポーラス物質(多孔質ガラス等)との中間に位置する物質である。本発明にいうメソポーラスは、細孔間距離が8nm〜20nmの孔であることが好ましい。
水性組成物には、上記成分に加えて、両親媒性界面活性剤が含まれた混合物に、例えばアルコキシシランを加える前に、フュームドシリカなどのシリカ粒子を加えてもよい。このようなシリカ粒子の混合により、形成される多孔構造をより強固にすることができる。
フュームドシリカは、微粒子状の無水シリカの一種であり、熱分解法シリカ、乾式法シリカ、乾式法ホワイトカーボン、軽質無水ケイ酸、煙霧質シリカとも称される。フュームドシリカの製造は、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の火炎加水分解法(気相分解法)や、有機ケイ素化合物(例:メチルトリクロロシラン、ジメチルポリシロキサン)等の熱分解による方法、ケイ砂を加熱還元して気化したSiOを空気酸化させる方法などにより行なえる。
また、フュームドシリカの表面を改質して疎水性化した疎水性フュームドシリカを用いてもよい。疎水性フュームドシリカは、フュームドシリカの表面をジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル等で処理するオイル処理や、トリメチルシリル基、オクチルシラン、モノメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メタクリロキシシラン、ポリメチルシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、アミノシラン等での処理、メチル基グループでの処理等により得られる。疎水性化した疎水性フュームドシリカとして、例えば、日本アエロジル(株)製のR104,R106,R812等を用いることができる。
更に、水性組成物には、アルカリ金属の塩を含有することができる。アルカリ金属の塩を加えることにより、形成される多孔構造の細孔径を大口径化することができる。アルカリ金属の塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどを用いることができる。
前記アルカリ金属の塩の混合量は、ノニオン系両親媒性界面活性剤に対して、50〜70質量%の範囲が好ましい。アルカリ金属の塩の割合が前記範囲内であると、細孔径を効果的に(例えば細孔間距離を10nm以上に)大径化することができる。
また、水性組成物には、更に、膨潤剤を前記ノニオン系両親媒性界面活性剤が形成するミセル中に可溶化させてもよい。膨潤剤を可溶化した界面活性剤の分子集合体は膨張し、形成される多孔構造の細孔径を大口径化することができる。膨潤剤は、水に不要な有機化合物として、例えば、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼンなど、ベンゼンの炭素数1〜3アルキル(モノ,ジ,トリ)置換体等が挙げられる。中でも、揮発性が比較的低く、規則性のある多孔構造を形成しやすい点で、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼンが好ましい。
前記膨潤剤を用いる場合、膨潤剤の水性組成物中における含有割合は、前記ノニオン系両親媒性界面活性剤に対して、50〜70質量%の範囲が好ましい。膨潤剤の含有割合が前記範囲内であると、細孔径を効果的に(例えば細孔間距離を10nm以上に)大径化することができる。
−気化工程−
気化工程は、前記調製工程で調製された水性組成物中から水(及び場合によりアルコール)の少なくとも一部を気化させる。水性組成物から溶媒成分である水(及び場合によりアルコール)の少なくとも一部を気化させることにより、図1及び図3に示されるように、ノニオン系両親媒性界面活性剤の親水基の周りに金属酸化物粒子(シリカ粒子など)が集まり、規則的に配列されるようになる。これにより、多孔構造、特にメソポーラス構造が形成される。
溶媒成分(水及び場合によりアルコール)の気化は、室温下で行なってもよく、具体的には常圧(0.1MPa)下、20℃以上の温度領域で行なうことができる。この場合、必要に応じて加熱してもよい。気化させる温度を加熱により上昇させることにより、2θの値のピークが広角へシフトする。これにより、細孔間距離を制御することが可能である。また、細孔間距離が均一でシャープなピーク波形、すなわち規則的な配列構造を持つ多孔構造を得やすい点から、気化させる温度は高過ぎないことが好ましく、常圧下では100℃程度までの温度領域が好ましい。より規則性のある多孔構造、特にメソポーラス構造を形成する観点から、気化させる温度は常圧(0.1MPa)下で20℃以上100℃以下が好ましく、80℃以上100℃以下の温度領域がより好ましい。このとき、気化温度を変化させることにより、ノニオン性界面活性剤に吸着している水和水の量が変化することで細孔間距離が変化し、細孔径のより大きい(例えば細孔間距離を10nm以上)細孔構造を形成することができると推測される。
また、水(及び場合によりアルコール)の気化は、真空引き等することにより減圧下で行なってもよい。減圧することで、気化時の温度を低く抑えることが可能である。
気化工程では、水(及び場合によりアルコール)の少なくとも一部の気化でも粒子壁で区画された細孔構造を形成することが可能であり、必ずしも粉末状に乾く必要はなく、ある程度粘性を有している状態で終了してもよい。成分構成等によらず安定的に規則性のある細孔構造、特にメソポーラス構造を得る観点では、水及びアルコールの5質量%以上気化させるのが好ましく、10質量%以上気化させるのがより好ましい。
−焼成工程−
焼成工程は、前記気化工程で気化させた後の水性組成物を焼成する。気化処理を施した後に焼成することで、ミセルを形成していたノニオン系両親媒性界面活性剤及び場合により膨潤剤が熱で除去され、図1に示されるように、金属酸化物粒子(シリカ粒子など)の壁膜で複数の細孔構造が形成された多孔粒子が形成される。
焼成は、450℃以上の温度で加熱して行なうことができる。焼成温度の好ましい範囲は、500℃〜600℃である。焼成温度は、450℃以上であると細孔構造が安定的に形成されやすく、また、あまり高くなり過ぎない温度領域、好ましくは600℃に抑えると、規則的な配列が保たれ、規則性のある細孔構造が得られやすい。
焼成時間は、前記焼成温度により適宜選択すればよく、細孔構造を安定的に形成する点では、5〜10時間程度が望ましい。
また、高温で行なう焼成工程の前に、あらかじめ加熱処理を行なってもよい。焼成工程での焼成温度より低い温度で加熱処理し、残存している水等の溶媒成分を除去しておくことで、水等の残存量の多い場合に比べ、細孔構造、特にメソポーラス構造の孔配列の周期性ないし規則性をより高めることができる場合がある。この場合の加熱温度としては、200℃〜300℃の範囲が好ましい。
以上の工程を経ることにより、図1に示すように、シリカ粒子(SiO)やチタニア粒子(TiO)、ジルコニア粒子(ZrO)等の金属酸化物粒子の壁で区画された複数の孔を含む孔構造を有する多孔質粒子が得られる。
シリカ粒子等の金属酸化物粒子の壁膜を有する多孔質粒子は、図1に示すようにシリカ粒子等が断面円形の筒状に集まってできた孔が規則的に配列して形成されている。
多孔構造の孔間を仕切る壁を形成するシリカ粒子等の金属酸化物粒子の形状は、球形、楕円形などが好ましく、球形が規則的な配列構造が得られる点で好ましい。
本発明において、多孔質粒子は、(1)孔径をコントロールして所望の細孔構造を有し、孔中に多様な物質を入れることが可能であり、(2)物質の吸脱着性に優れている。
多孔質粒子の平均粒子径としては、好ましくは体積平均粒子径で50nm〜100μmの範囲である。この範囲の多孔質粒子は、例えば上記の本発明の多孔質粒子の製造方法により得られる。体積平均粒子径は、用途や目的等により好ましい範囲は異なるが、小粒径かつ大口径が好ましい点から、細孔間距離が8nm〜20nmである場合に前記範囲内であることが好ましい。
なお、体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の写真観察より測定される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
図4に示す操作手順にしたがって、下記のようにメソポーラスシリカ粒子を調製した。
蓋付き容器として容量50mlのスクリュー管瓶を用意し、これに1.1mol/lの塩酸水溶液(HCl)60mlを投入し、さらに下記構造のプルロニックP123〔(EO)20(PO)70(EO)20;ノニオン系両親媒性界面活性剤〕0.264mmol、塩化カリウム(KCl)0.034mol、及び下記のPt(en)(Phen)Cl・2H0(フェナントロリン錯体二水和物)0.06mmolを加え、容器内の水分の気化を抑えるために蓋を取り付けて室温(5〜30℃;以下同様)下で24時間、撹拌した。これに更に、0.019mmolのテトラエトキシシラン(TEOS)を加え、同様に蓋を取り付けてから再び室温下で24時間、撹拌した。その後、蓋を取り付けた状態で大気中、80℃で5時間さらに攪拌し、乾燥と共にTEOSの加水分解及び脱水反応を進めて、粒子の沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、洗浄し、水性組成物を調製した。

次いで、容器の蓋を取り外し、得られた水性組成物を100℃で24時間、水性組成物中の水分を気化させた。
気化させる処理の終了後、550℃で5時間、水性組成物を焼成した。
以上のようにして、常圧下で合成したところ、細孔が規則的に配列形成され、その細孔内部にPtが担持された口径の大きいメソポーラスシリカ粒子が得られた。
−評価−
得られたメソポーラスシリカ粒子について、Ultima IV〔(株)リガク製〕を用い、小角X線散乱法により小角X線散乱パターンを計測し、測定値2θからBraggの式より細孔間距離d(壁膜の厚みを含む孔と孔の中心間距離[nm])を算出した。また、得られたメソポーラスシリカ粒子の構造を透過型電子顕微鏡(TEM)により拡大して観察し、さらにTEM写真から体積平均粒子径を求めた。その結果を図5〜図6に示す。
図5に示すように、焼成の前後で所定位置にピークが現れており、細孔間距離dが4〜10nmの開口径の細孔が形成されていることが確認された。焼成によりピーク強度が増加しており、これはフェナントロリンの添加によりメソポーラスシリカの規則性が向上したものと推測される。また、単位量あたりの表面積は300〜400m/gであり、表面積の大きい細孔構造が形成された。
このメソポーラスシリカ粒子について、焼成後の細孔構造を図6に示す。焼成後のメソポーラスシリカ粒子は、図6に示されるように、細孔は周期性のある規則的な配列構造に孔が配列された孔構造を有しており、小さなドメインの形成はみられなかった。また、図6にみられるように、細孔内部に白金粒子が確認され、孔内にPt触媒を担持することができた。
更に、図4において攪拌Cを80℃と25℃とで行なったときの攪拌C以前の攪拌A及び攪拌Bを、5℃、10℃、15℃、25℃(室温)℃と温度を変えて行なった場合の小角X線散乱パターンの変化を図7に示す。5℃でもピーク強度は弱いものの、メソポーラス構造は形成されており、25℃以上であると顕著にメソポーラス構造を形成することがわかった。また、攪拌A後にTEOSを加え攪拌Bを行なって均一化した後、これらの温度よりも高い80℃で更に攪拌Cを行なって反応させることにより、より規則性のあるメソポーラス構造が形成された。
焼成後のメソポーラスシリカ粒子について、窒素の吸脱着測定を行なったところ、N吸脱着性は、吸着時/脱着時で細孔に起因するヒステリシスを示した。つまり、メソポーラスシリカ粒子には、貫通した孔構造が存在しており、良好な吸着特性が認められた。
(実施例2)
図8に示す操作手順にしたがって、下記のようにメソポーラスシリカ粒子を調製した。
具体的には、実施例1において、Pt(en)(Phen)Cl・2H0を1,10−フェナントロリンに代えると共に、TEOS添加後の攪拌が修了した後、大気中80℃での攪拌に代えて、水熱処理(80℃、5時間→100℃、67時間)を行なったこと以外は、実施例1と同様にメソポーラスシリカ粒子を得た。
−評価−
得られたメソポーラスシリカ粒子について、Ultima IV〔(株)リガク製〕を用い、小角X線散乱法により小角X線散乱パターンを計測し、測定値2θからBraggの式より細孔間距離d(壁膜の厚みを含む孔と孔の中心間距離[nm])を算出した。また、得られたメソポーラスシリカ粒子の構造を透過型電子顕微鏡(TEM)により拡大して観察し、さらにTEM写真から体積平均粒子径を求めた。その結果を図9〜図10に示す。
図9に示すように、焼成の前後で所定位置にピークが現れており、細孔間距離dが8.1nm(もしくは構造間隔が9.1nm)の開口径の細孔が形成されていることが確認された。焼成によりピーク強度が増加しており、これはフェナントロリンの添加によりメソポーラスシリカの規則性が向上したものと推測される。また、単位量あたりの表面積は401m/gであり、大きい表面積が得られていた。
このメソポーラスシリカ粒子について、焼成後の細孔構造を図10に示す。図10に示されるように、焼成後のメソポーラスシリカ粒子は、規則的に細孔が配列された細孔構造を有していた。
(比較例1)
実施例1において、Pt(en)(Phen)Cl・2H0(フェナントロリン錯体二水和物)を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、メソポーラスシリカ粒子を得た。
図11に示されるように、微細な孔構造は形成されたものの、周期的な規則性のある孔構造は得られなかった。また、図11(a)に破線で表した領域に示されるように、小さなドメインの形成もみられた。また、孔内に選択的にPtを担持できなかった。
本発明は、例えば、触媒材料、バイオセンサ、ガスセンサ等のセンサ材料、電極、分離剤、吸着剤などの用途に利用することができる。

Claims (9)

  1. 酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその金属錯体の少なくとも一方、金属アルコキシド、並びに水を混合し、水性組成物を調製する調製工程と、
    調製された前記水性組成物中から水の少なくとも一部を気化させる気化工程と、
    前記気化工程後の前記水性組成物を焼成する焼成工程と、
    を有する多孔質粒子の製造方法。
  2. 前記フェナントロリン及びその金属錯体として、フェナントロリンとアミン化合物とが金属に配位したフェナントロリン金属錯体を混合することを特徴とする請求項1に記載の多孔質粒子の製造方法。
  3. 前記金属錯体を形成する金属が、遷移金属であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質粒子の製造方法。
  4. 前記ノニオン系両親媒性界面活性剤が、エチレンオキサイド鎖及びプロピレンオキサイド鎖を含むトリブロック系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
  5. 前記アミン化合物が、アルキレンジアミンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
  6. 前記アミン化合物が、炭素数2〜3のアルキレンジアミンであることを特徴とする請求項5に記載の多孔質粒子の製造方法。
  7. 前記遷移金属が、Au、Pt、Pd、Mo、Ag、及びRuから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
  8. 前記調製工程は、酸触媒、ノニオン系両親媒性界面活性剤、フェナントロリン及びその金属錯体の少なくとも一方、並びに水を混合した後、金属アルコキシドを更に混合して撹拌後、該攪拌時より高い温度に昇温して更に撹拌することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
  9. 細孔間距離が8〜20nmである多孔質粒子を作製することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
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