JP2011056025A - 睡眠促進マット - Google Patents

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Abstract

【課題】一般家庭でも手軽に取り扱え、かつ自然に睡眠に至る場合と極めて近い状況で使用することが可能な睡眠促進マットを提供する。
【解決手段】超音波を発振する発振部と、前記発振部で発振した超音波を適宜の間欠および/または周波数を持たせるように調整する制御部と、前記発振部で発振した超音波を出力する発信部とを備える、睡眠促進マットにおいて、前記発信部は、トランスミッタにより構成され、前記トランスミッタは、反射粒子を偏在させた反射体に保持されるとともに睡眠用枕に埋め込まれるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、不眠症の治療・予防に効果を発揮する睡眠促進マットに関する。
錯綜した現代社会にあっては、不安、不満、怒り、あるいは苛立ちなどによる心理的・精神的ストレスが増大している。これらのストレスは、蓄積すると不眠症の諸症状を引き起こす。不眠症患者の数は、現在、先進国を中心に数百万人にも達すると推定されている。
不眠症を治療するための装置としては、例えば特許文献1に開示される誘眠装置および特許文献2に開示される誘眠装置(電気入眠器)などの技術が公知となっている。
特許文献1に記載の誘眠装置は、人体を加振することによって睡眠を促すものであり、脳波計を用いて対象者の睡眠経過をモニターしつつ、睡眠経過に応じて加振する振動数、強度、および付与時間を変更するものである。
特許文献2に記載の誘眠装置は、人体の頭部に電極を当てがいバンドなどで固定することによって電気刺激を付与して睡眠を促すものであり、無段階に漸減する電気刺激を繰り返す。
しかし、これらの誘眠装置では、特殊な装置や専門家を必要とすることから、一般家庭で手軽に実施することが出来ない点で不利であった。
また、これらの誘眠装置では、脳波計ならびに電極を人体の頭部に接続することにより対象者に窮屈感、不安感、および恐怖感を招く恐れがあり、不眠症の対象者にとってはそれだけで大きな負担となる点で不利であった。
実公昭63−48279号公報 特公平3−12902号公報
本発明は叙上の事情に鑑みてなされたものであり、一般家庭でも手軽に取り扱え、かつ自然に睡眠に至る場合と極めて近い状況で使用することが可能な睡眠促進マットを提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1に記載の如く、本発明に係る睡眠促進マットは、
超音波を発振する発振部と、
前記発振部で発振した超音波を適宜の間欠および/または周波数を持たせるように調整する制御部と、
前記発振部で発振した超音波を出力する発信部と、
を備え、
前記発信部は、トランスミッタにより構成され、
前記トランスミッタは、反射粒子を偏在させた反射体に保持されるとともに睡眠用枕に埋め込まれるものである。
請求項2に記載の如く、
前記反射体は、基材の表層部に超音波を反射する反射層を形成したものであって、
前記基材は弾性材料により構成するとともに、前記反射層は複数の反射粒子を前記表層部の内部に偏在させてなるものである。
請求項3に記載の如く、
前記反射体の上部は凹面状の曲面を形成し、
前記曲面は、超音波を前記睡眠用枕の上方に向けて反射するものである。
請求項4に記載の如く、
前記弾性材料は、熱硬化型シリコンゴムから成るものである。
請求項5に記載の如く、
前記反射粒子は、Al又はAl合金から成るものである。
請求項6に記載の如く、
前記反射層は、前記基材中に反射粒子が面積比で50%以上存在する層であって、表面からの厚さが0.1〜1mmのものである。
請求項7に記載の如く、
前記反射体は、原料ゴムに、加硫剤と、平均粒子径10〜300μmで前記原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部の反射粒子とを加えて成るゴム組成物より構成するものであり、
該ゴム組成物の加硫工程において、該ゴム組成物を加硫して形成する反射体の最大厚がtmax(mm)の場合、加硫曲線から得られるゲルタイムを0.1×tmax+0.3(分)以上に設定するものである。
請求項8に記載の如く、
前記制御部は、
脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第一段階と、
前記第一段階に続いて、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第二段階と、
前記第二段階に続いて、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第三段階と、
前記第三段階に続いて、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第四段階と、
前記第四段階に続いて、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第五段階と、
からなる制御プログラムを備えるものである。
請求項9に記載の如く、
前記第一段階では、所定時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第二段階では、前記第一段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第三段階では、前記第二段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第四段階では、前記第三段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第五段階では、前記第四段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信するものである。
あるいは、請求項10に記載の如く、
前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第一段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第五段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さいものである。
本発明は、一般家庭でも手軽に取り扱え、かつ自然に睡眠に至る場合と極めて近い状況で使用することが可能である、という効果を奏する。
すなわち、本発明に係る睡眠促進マットは、請求項1に記載の如く、
超音波を発振する発振部と、
前記発振部で発振した超音波を適宜の間欠および/または周波数を持たせるように調整する制御部と、
前記発振部で発振した超音波を出力する発信部とを備え、
前記発信部は、トランスミッタにより構成され、
前記トランスミッタは、反射粒子を偏在させた反射体に保持されるとともに睡眠用枕に埋め込まれるものである。
このように構成することで、対象者は、睡眠用枕に埋め込まれた発信部としてのトランスミッタに頭部が接触しても、窮屈感、不安感、あるいは恐怖感を抱く恐れが少なくなる。したがって、従来の寝具を用いて睡眠に至る場合と極めて近い状態で、睡眠促進マットを使用することが可能となる。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項2に記載の如く、
前記反射体は、基材の表層部に超音波を反射する反射層を形成したものであって、
前記基材は弾性材料により構成するとともに、前記反射層は複数の反射粒子を前記表層部の内部に偏在させてなるものである。
このように構成することで、反射体の形状を容易に変形させることが可能となる。また、表層部の内部に偏在させた反射層は、睡眠用枕の変形に追従して反射体の基材とともに変形することが可能であり、反射層が剥がれて脱落してしまう事態を招き難い。
また、反射粒子としてのアルミニウムを表層部の内部に偏在させることにより、反射体全体に均一に反射粒子を混在させる場合と比べて軽量化することができるとともに、省コスト化を図ることが可能である。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項3に記載の如く、
前記反射体の上部は凹面状の曲面を形成し、
前記曲面は、超音波を前記睡眠用枕の上方に向けて反射するものである。
このように構成することで、発信部のトランスミッタから発信される超音波は、該反射体の曲面で反射されて該睡眠用枕の上方に向かって広範囲に拡散されることとなる。したがって、対象者は超音波の影響を効果的に受けることが可能となり、寝返りを打つなどして対象者のマット上における姿勢が変わったとしても睡眠プログラムの効果を得ることが可能となる。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項4に記載の如く、
前記弾性材料は、熱硬化型シリコンゴムから成るものである。
このように構成することで、ゴム組成やその熱硬化条件の調整により基材内の反射粒子の分布を制御して、該基材の表層部に反射粒子を確実に偏在させることができる。しかも、基材としてシリコンゴムを使用することで、反射体に良好な耐熱性、耐寒性、耐候性が付与できる。なお、配合設計を変えることで様々な硬度の基材を得ることができ、様々な条件に応じて、反射体を用いた睡眠促進マットの用途拡大を更に進めることができる。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項5に記載の如く、
前記反射粒子は、A1又はA1合金から成るものである。
このように構成することで、反射層を軽量化できると共に良好な反射特性も付与することができ、軽くて反射特性に優れた反射体を提供することができる。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項6に記載の如く、
前記反射層は、前記基材中に反射粒子が面積比で50%以上存在する層であって、表面からの厚さが0.1〜1mmのものである。
このように構成することで、反射層に十分な大きさの反射面積を付与して十分な反射効率が得られると共に、該反射層が、睡眠用枕の変形に追従して反射体の基材とともに変形することが十分に可能である。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項7に記載の如く、
前記反射体は、原料ゴムに、加硫剤と、平均粒子径10〜300μmで前記原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部の反射粒子とを加えて成るゴム組成物より構成するものであり、
該ゴム組成物の加硫工程において、該ゴム組成物を加硫して形成する反射体の最大厚がtmax(mm)の場合、加硫曲線から得られるゲルタイムを0.1×tmax+0.3(分)以上に設定するものである。
このように構成することで、加硫開始からゴム組成物の硬化が始まるまでの半流動状態にある時間であるゲルタイムの、製造目標とした反射体の厚みに応じての適正化により、反射粒子が表層部に偏在するのに必要な時間が確保され、反射体に、ばらつきが小さくて十分な厚さを有し弾性にも富んだ反射層を確実に形成することができる。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットにおいては、請求項8に記載の如く、
前記制御部は、
脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第一段階と、
前記第一段階に続いて、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第二段階と、
前記第二段階に続いて、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第三段階と、
前記第三段階に続いて、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第四段階と、
前記第四段階に続いて、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第五段階と、
からなる制御プログラムを備えるものである。
このように構成することで、対象者は、睡眠プログラムを実施することにより、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に出現する脳波のパターン(周波数)と同じパターン(周波数)を有する超音波の刺激を受けることが可能となる。したがって、対象者は、自然に睡眠に至る場合と極めて近い状況で、覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。また、睡眠促進マットは特殊な装置や専門家を必要とするものではないので、対象者は、この睡眠促進マットを一般家庭で手軽に取り扱うことが可能である。
また、本発明に係る前記睡眠促進マットは、請求項9に記載の如く、
前記第一段階では、所定時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第二段階では、前記第一段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第三段階では、前記第二段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第四段階では、前記第三段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第五段階では、前記第四段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信するものである。
このように構成することで、睡眠プログラムを実施したときに、対象者が受ける超音波による刺激の頻度は、漸次減少していくこととなる。したがって、対象者は、超音波による刺激により突如睡眠が妨害されることなく、速やかに覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。
あるいは、本発明に係る前記睡眠促進マットは、請求項10に記載の如く、
前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第一段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第五段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さいものである。
このように構成することで、睡眠プログラムを実施したときに、対象者が受ける超音波の周波数は、漸次減少していくこととなる。したがって、対象者は、超音波による刺激により突如睡眠が妨害されることなく、また、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に出現する脳波のパターンとなるべく近いパターンを有する超音波の刺激を受けることが可能となる。したがって、対象者は、速やかに覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。
本発明の第一実施形態に係る睡眠促進マットの全体的な構成を示す図である。 睡眠促進マットの発信部の構成を示す図であり、(a)はトランスミッタおよび反射体を示す模式図、(b)はマット部に埋め込まれた状態の発信部を示す模式図である。 睡眠促進マットに備えられる制御機構を示すブロック図である。 睡眠プログラムの制御態様を示すフロー図である。 睡眠プログラムにおける、超音波を発信する時間と、超音波の間欠の周波数との関係を示すグラフ図である。 延長プログラムの制御態様を示すフロー図である。 第二実施形態に係る睡眠促進マットに備えられる制御機構を示すブロック図である。 第二実施形態に係る睡眠プログラムの制御態様を示すフロー図である。 第二実施形態に係る睡眠プログラムにおける、超音波を発信する時間と、超音波の周波数との関係を示すグラフ図である。 本発明に係る睡眠促進マットの発信部を構成するのに用いる反射体の製造工程を示すフローチャート図である。 加硫曲線を示す説明図である。 有効反射層厚に及ぼすゲルタイムの影響を示す説明図である。 最小ゲルタイムに及ぼす反射体の最大厚の影響を示す説明図である。
以下では、本発明に係る睡眠促進マットの第一実施形態に係る睡眠促進マット90の全体的な構成について、図1を参照して説明する。
なお、以下では便宜上、図に示す矢印Aの方向を睡眠促進マット90の前方とし、前方の反対側を後方とし、前方に向かって右側を右方、前方に向かって左側を左方と規定して、説明を行うものとする。
また「対象者」は、睡眠促進マット90を使用する使用者をいうものとする。
睡眠促進マット90は、マット部1、枕部2、発振部3、電熱部4、制御部5、発信部6、ヒータ7、およびリモートコントローラ8などを備える。
マット部1および枕部2は、睡眠促進マット90の主たる構造体を成すものである。
マット部1は、対象者が頭部を前方に向けた状態でその上に横臥することが可能な寝具用のマットである。
本発明に係る「マット部」を構成するマットには、種々の敷き布団が含まれる。具体例としては、スプリングマットレス、ロックマットレスなどが挙げられる。
枕部2は、対象者が頭部を載せる寝具用の枕であり、マット部1の前部に備えられる。枕部2は、本発明に係る睡眠用枕の実施の一形態である。
枕部2には、図1および図2(b)に示すように、発信部6が設けられる。
本発明に係る「枕部」を構成する枕には、種々の頭部を載せるための寝具が含まれる。具体例としては、羽毛を布製の袋に詰めた枕、籾殻を布製の袋に詰めた枕などが挙げられる。
なお、枕部2は、マット部1と一体的に設けるものとしても良いし、あるいはマット部1とは別部材として設けるものとしても良い。
発振部3は、電源から電力を供給されることにより、超音波を後述の発信部6から発信させるための信号を発振する部材である。発振部3は、超音波発振手段を少なくとも1個有する。
本実施形態の発振部3は、1個の超音波発振手段30を有している(図3参照)。超音波発振手段30は、基本周波数を32760Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。本実施形態の発振部3は、制御部5の内部に設けられる。
なお、超音波発信手段から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数は、32760Hzに限るものではなく、対象者の睡眠を妨げない可聴範囲外の周波数であり、かつ人体に悪影響を与えない範囲のものであれば良い。したがって、一般的には、最大で約65000Hz程度までの範囲内の周波数に設定することが好ましい。
また、超音波発振手段は睡眠促進マットの専用品としても良いが、市販の超音波発振機を用いて達成することも可能である。
電熱部4は、電源から供給される電力により、後述のヒータ7を温めるための熱を発生する部材である。本実施形態の電熱部4は、36.5乃至38.5℃の熱を発生することが可能となっている。本実施形態の電熱部4は、マット部1の内部に設けられる。
制御部5は、発振部3で発振した信号を、適宜の間欠を持たせるように調整するものである。すなわち、制御部5は、音波発振手段で発振させた信号を調整して、後述の発信部6における超音波の発信・非発信(ON・OFF)を切り換える制御を行う。
制御部5は、また、電熱部4で発生した熱を、睡眠促進マット90に適宜伝達するものである。すなわち、電熱部4で発生させた熱の、後述のヒータ7に出力する温度および時間(ON・OFF)を調整する制御を行うものである。
制御部5は、CPU、RAM、ROM、あるいはインターフェースなどのマイクロコンピュータを主体として構成され、カウント手段(タイマー)、電圧変更手段、および記憶部などを備える。
記憶部には、後述する制御プログラム(睡眠プログラムおよび延長プログラム)などが格納される。
制御部5は、図3に示すように、発振部3に電気的に接続されるとともに、発振部3を介して発信部6に電気的に接続される。また、制御部5は電熱部4に電気的に接続されるとともに、電熱部4を介してヒータ7に電気的に接続される。
発信部6は、発振部3(超音波発振手段30)で発振した信号にしたがって超音波を出力するものである。
発信部6は、図2に示すように、トランスミッタ60および反射体61を有する。
トランスミッタ60は、発振部3(超音波発振手段30)で発振した信号にしたがって超音波を出力する発信機であり、発信部6の主要部を成すものである。本実施形態においてはトランスミッタ60は3個設けられる。
トランスミッタ60は、略円筒形状の部材である。トランスミッタ60の一端部からは、超音波が発信(出力)可能である。トランスミッタ60の他端部は、制御部5に電気的に接続される。
なお、トランスミッタ60は睡眠促進マット90の専用品としても良いが、市販のトランスミッタあるいは超音波センサを用いて達成することも可能である。また、睡眠促進マットに設けられるトランスミッタの数は、3個に限るものではなく、例えば8個設けることとしても良いし、16個設けることとしても良い。
反射体61は、トランスミッタ60を保持する部材である。本実施形態の反射体61は、表層部の内部に反射粒子としてアルミニウムを偏在させた柔軟なシリコンゴムからなる。
図2(a)に示すように、反射体61は、保持部62および曲面部63を含む。
保持部62は、反射体61の下部を成す部分であり、下端を閉塞した円筒形状に形成される。保持部62には、上方からトランスミッタ60を嵌装することが可能である。具体的には、トランスミッタ60の超音波が発信(出力)される側の一端を上方に向けた状態で、トランスミッタ60を保持部62に嵌装可能である。
トランスミッタ60を保持部62に嵌装したとき、トランスミッタ60の外周面と、保持部62の内周面とが密着する。このように構成することにより、保持部62に嵌装したトランスミッタ60が、その位置に保持される。
曲面部63は、反射体61の上部を成す部分であり、保持部62の上端から上方外側に向かって延設される。曲面部63は、側面視で凹面状の曲面を形成している。このように構成することにより、本実施形態の曲面部63は、トランスミッタ60から発信された超音波を枕部2の上方に向けて反射することが可能である。
こうして、反射体61は、下部にトランスミッタ60を嵌装(保持)した状態で、かつ、曲面部63を上方に向けた状態で、枕部2の上部に埋め込まれる。
このように構成される発信部6を備えることで、本実施形態の睡眠促進マット90は以下の効果を奏する。
反射体61は柔軟なシリコンゴムからなるので、睡眠促進マット90を使用する対象者は、反射体61が頭部に接触しても窮屈感や不安感を抱き難い。したがって、睡眠促進マット90を使用した場合においても、対象者は特に違和感を感じることなく、従来の寝具を使用した場合と略同様の状況で枕部2の上に頭部を載せることが可能となる。
また、保持部62に嵌装されたトランスミッタ60の一端(上端部)から超音波が発信されると、その超音波が曲面部63に入射する。これにより、超音波が曲面部63により反射されて、超音波が枕部2の上方に向けて広範囲に拡散される。したがって、対象者(の脳)に超音波の影響を効果的に及ぼすことが可能となる。
なお、本実施形態の反射体61はシリコンゴムからなるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、対象者の頭部に接触しても窮屈感や不安感を招き難い柔軟な弾性部材からなるものであれば良く、例えばゴムなどの材料からなるものとしても構わない。
また、本実施形態の反射体61は、表層部の内部にアルミニウムを偏在させ柔軟なシリコンゴムからなるものとしたが、本発明はこれに限らず、例えばセラミックスの粉あるいはSUS金属などの他の超音波を反射する性質を有する反射粒子を表層部の内部に偏在させる構成としても良い。
ヒータ7は、電熱部4で発生した熱を出力する部材である。
ヒータ7は、マット部1の内部に設けられる。本実施形態のヒータ7は、マット部1の左右両端中央部と、マット部1の下端部とに設けられる。
このように構成することで、マット部1に横臥した対象者の手足を、通常の人体の体温よりも若干高い温度(本実施形態においては36.5乃至38.5℃)に温めることが可能となっている。
ところで、人体が覚醒状態から睡眠状態に至るまでの過程においては、手足の皮膚温度が上昇することが近年の医学分野の研究により知られている。
本実施形態の睡眠促進マット90においては、人体が自然に覚醒状態から睡眠状態に至るまでの過程と同様に、対象者の手足の体温を覚醒状態における温度から睡眠状態における温度へ、速やかに移行することが可能となる。これにより、対象者を睡眠状態に誘導しやすくなる。
リモートコントローラ8は、対象者が睡眠促進マット90の各種設定を行うための操作具である。本実施形態のリモートコントローラ8は、遠隔操作式の操作具である。
図1および図3に示すように、リモートコントローラ8は、睡眠プログラムスイッチ80、延長スイッチ81、およびヒータスイッチ82などを有している。
睡眠プログラムスイッチ80は、後述の睡眠プログラムを開始・終了させるための操作具であり、ON・OFFの切り換えが可能である。
延長スイッチ81は、後述の延長プログラムを開始・終了させるための操作具であり、ON・OFFの切り換えが可能である。
ヒータスイッチ82は、ヒータ7の温めを開始・終了させるための操作具であり、ON・OFFの切り換えが可能である。
睡眠プログラムスイッチ80、延長スイッチ81、およびヒータスイッチ82は、制御部5に電気的に接続される。
なお、本実施形態の睡眠プログラムスイッチ80、延長スイッチ81、およびヒータスイッチ82は、スイッチにより構成するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばダイヤルやタッチパネルなどにより構成しても良い。また、本実施形態のような遠隔操作式のリモートコントローラ8の代わりに、制御部に睡眠プログラムスイッチ、延長スイッチ、およびヒータスイッチを設ける構成としても良い。
以下では、制御部5に備えられる睡眠プログラムについて、図4を参照して説明する。
ステップS110において、制御部5は、睡眠プログラムスイッチ80がONであるか否かを判定する。
睡眠プログラムスイッチ80がONであると判定した場合には、制御部5は、続いてステップS120に移行する。一方、睡眠プログラムスイッチ80がONでない(OFFである)と判定した場合には、制御部5は、再度ステップS110を繰り返す。
ステップS120において、制御部5は、0.034乃至0.071秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。換言すれば、制御部5は、脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部5は、上述の処理を15乃至20秒にわたって続行した後、続いてステップS130に移行する。
なお、脳波のβ波の周波数は14乃至30Hzであるところ、超音波を0.034乃至0.071秒間隔で間欠的に発生させると、この超音波の間欠の周波数は14乃至30Hzの範囲内となり、脳波のβ波の周波数と同じとなる。
ステップS130において、制御部5は、0.077乃至0.12秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。換言すれば、制御部5は、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部5は、上述の処理を20乃至30秒にわたって続行した後、続いてステップS140に移行する。
なお、脳波のα波の周波数は8乃至13Hzであるところ、超音波を0.077乃至0.12秒間隔で間欠的に発生させると、この超音波の間欠の周波数は8乃至13Hzの範囲内となり、脳波のα波の周波数と同じとなる。
ステップS140において、制御部5は、0.15乃至0.25秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。換言すれば、制御部5は、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部5は、上述の処理を40乃至60秒にわたって続行した後、続いてステップS150に移行する。
なお、脳波のθ波の周波数は4乃至7Hzであるところ、超音波を0.15乃至0.25秒間隔で間欠的に発生させると、この超音波の間欠の周波数は4乃至7Hzの範囲内となり、脳波のθ波の周波数と同じとなる。
ステップS150において、制御部5は、0.34乃至1.0秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。換言すれば、制御部5は、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部5は、上述の処理を60乃至240秒にわたって続行した後、続いてステップS160に移行する。
なお、脳波のδ波の周波数は1乃至3Hzであるところ、超音波を0.34乃至1.0秒間隔で間欠的に発生させると、この超音波の間欠の周波数は1乃至3Hzの範囲内となり、脳波のδ波の周波数と同じとなる。
ステップS160において、制御部5は、1.0秒よりも長い間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。換言すれば、制御部5は、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部5は、上述の処理を240秒以上にわたって続行した後、続いてステップS170に移行する。
ステップS170において、制御部5は、睡眠プログラムスイッチ80をOFFに切り換える。
制御部5は、上述の処理を行った後、この制御(睡眠プログラム)を終了する。
このような睡眠プログラムを備えることで、本実施形態の睡眠促進マット90は以下の効果を奏する。
すなわち図5に示すように、対象者は、睡眠プログラムスイッチ80をONに設定してこの睡眠プログラムを実行することにより、β波に相当する周波数を有する超音波による刺激、α波に相当する周波数を有する超音波による刺激、θ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、δ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、ならびにδ波よりも小さい周波数を有する周波数による刺激を、この順に受けることが可能となる。そして、これにより睡眠促進マット90を使用している対象者の脳波が影響を受ける。
ところで、人体が覚醒状態にある状況においては、脳波にβ波が出現している。そして、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に、脳波が、β波からα波へ、続いてα波からθ波へ、続いてθ波からδ波へと、徐々に周波数が小さい脳波へと変化していくことが知られている。具体的には、リラックスしてうとうと眠りかけている状態においてはα波が顕著に出現し、浅い眠りの状態においてはθ波が顕著に出現し、深い眠りに落ちていく過程においてはδ波が顕著に出現し、最も深い眠りの状態においては前述よりも周波数の小さいδ波が出現する。
本実施形態の睡眠促進マット90においては、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に出現する脳波のパターン(周波数)と同じパターン(周波数)を有する超音波の刺激を、人体に付与することが可能となる。これにより、対象者の脳波を、覚醒状態の脳波から睡眠状態の脳波へ、速やかに移行することが可能となる。
なお、近年の脳神経科学分野における研究の発展により、音波の刺激に同調して脳波の周波数が変化する旨の報告がされている。
なお、睡眠促進マット90を使用する対象者を、自然に睡眠に至る場合となるべく近い状況で睡眠状態に誘導するという観点からは、本実施形態の睡眠促進マット90に備えられる睡眠プログラムの如く、ステップS120からステップS160までの各ステップが実施(続行)される時間を、漸次延長していくことが好ましい。ただし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ステップS120からステップS160までの各ステップが実施(続行)される時間を、いずれも180秒ずつとしても良い。
なお、本実施形態の睡眠プログラムには、さらに以下の制御を追加することが可能である。
すなわち、ステップS120において、制御部5は、前述の処理を行うとともにヒータスイッチ82をONに切り換える(設定する)。そして、ステップS170において、制御部5は、前述の処理を行うとともにヒータスイッチ82をOFFに切り換える。
このように構成することにより、睡眠促進マット90では、対象者が睡眠プログラムを開始した場合に、自動的にヒータ7をONに設定することが可能となる。したがって、対象者は、ヒータスイッチ82を手動によりONに切り換える操作をしなくても、超音波による効果に加えてヒータ7による温熱効果も得ることが可能となり、睡眠状態へ誘導されやすくなる。
以下では、制御部5に備えられる延長プログラムについて、図6を参照して説明する。
ステップS210において、制御部5は、延長スイッチ81がONであるか否かを判定する。
延長スイッチ81がONであると判定した場合には、制御部5は、続いてステップS220に移行する。一方、延長スイッチ81がONでない(OFFである)と判定した場合には、制御部5は、再度ステップS210を繰り返す。
ステップS220において、制御部5は、ステップS140(図4参照)と同様の処理を行う。
制御部5は、上述の処理を40乃至60秒にわたって続行した後、続いてステップS230に移行する。
ステップS230において、制御部5は、ステップS150(図4参照)と同様の処理を行う。
制御部5は、上述の処理を60乃至240秒にわたって続行した後、続いてステップS240に移行する。
ステップS240において、制御部5は、ステップS160(図4参照)と同様の処理を行う。
制御部5は、上述の処理を240秒乃至420秒にわたって続行した後、続いてステップS250に移行する。
ステップS250において、制御部5は、延長スイッチ81がONであるか否かを判定する。
延長スイッチ81がONであると判定した場合には、制御部5は、ステップS220に移行して、再度ステップS220以降の処理を繰り返す。一方、延長スイッチ81がOFFであると判定した場合には、制御部5は、この制御(延長プログラム)を終了する。
このようなステップを有する延長プログラムを備えることで、本実施形態の睡眠促進マット90は以下の効果を奏する。
すなわち、対象者は、睡眠プログラムを実行してもなお眠れない場合には、延長スイッチ81をONに設定してこの延長プログラムを実行することが可能である。これにより、対象者は、θ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、δ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、ならびにδ波よりも小さい周波数を有する周波数による刺激を、この順に受けることが可能となる。そして、これにより睡眠促進マット90を使用している対象者の脳波が影響を受ける。
特に、本実施形態の延長プログラムでは、睡眠プログラムにおけるβ波に相当する周波数を有する超音波を発信する段階、およびα波に相当する周波数を有する超音波を発信する段階を省略しているため、マット部1に横臥になってうとうと眠りかけている状態の対象者を、超音波による刺激により反って覚醒状態に誘導してしまう恐れがない。このため、不眠症の対象者の脳波を、覚醒状態の脳波から睡眠状態の脳波へ、誘導しやすくなる。
以上の如く、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
超音波を発振する発振部と、
前記発振部で発振した超音波を適宜の間欠および/または周波数を持たせるように調整する制御部と、
前記発振部で発振した超音波を出力する発信部と、
を備える、睡眠促進マットであって、
前記発信部は、トランスミッタにより構成され、
前記トランスミッタは、表層部の内部に反射粒子を偏在させた反射体に保持されるとともに睡眠用枕に埋め込まれるものである。
このように構成することで、対象者は、枕部2に埋め込まれた発信部6(反射体61)に頭部が接触しても、窮屈感、不安感、あるいは恐怖感を抱く恐れが少なくなる。したがって、従来の寝具を用いて睡眠に至る場合と極めて近い状態で、睡眠促進マット90を使用することが可能となる。
また、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
前記反射体は、基材の表層部に超音波を反射する反射層を形成したものであって、
前記基材は弾性材料により構成するとともに、前記反射層は複数の反射粒子を前記表層部の内部に偏在させてなるものである。
このように構成することで、反射体61の形状を容易に変形させることが可能となる。また、表層部の内部に偏在させた反射層は、枕部2の変形に追従して反射体61の基材とともに変形することが可能であり、反射層が剥がれて脱落してしまう事態を招き難い。
また、反射粒子としてのアルミニウムを表層部の内部に偏在させることにより、反射体61全体に均一に反射粒子を混在させる場合と比べて軽量化することができるとともに、省コスト化を図ることが可能である。
さらに、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
前記反射体の上部は凹面状の曲面を形成し、
前記曲面は、超音波を前記睡眠用枕の上方に向けて反射するものである。
このように構成することで、発信部6のトランスミッタ60から発信される超音波は、曲面部63で反射されて枕部2の上方に向かって広範囲に拡散されることとなる。したがって、対象者は超音波の影響を効果的に受けることが可能となり、寝返りを打つなどして対象者のマット部1上における姿勢が変わったとしても睡眠プログラムの効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
前記制御部は、
脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第一段階と、
前記第一段階に続いて、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第二段階と、
前記第二段階に続いて、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第三段階と、
前記第三段階に続いて、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第四段階と、
前記第四段階に続いて、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第五段階と、
からなる制御プログラムを備える。
このように構成することで、対象者は、睡眠プログラムを実施することにより、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に出現する脳波のパターン(周波数)と同じパターン(周波数)を有する超音波の刺激を受けることが可能となる。したがって、対象者は、自然に睡眠に至る場合と極めて近い状況で、覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。
さらに、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
前記第一段階では、所定時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第二段階では、前記第一段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第三段階では、前記第二段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第四段階では、前記第三段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
前記第五段階では、前記第四段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信するものである。
このように構成することで、睡眠プログラムを実施したときに、対象者が受ける超音波による刺激の頻度は、漸次減少していくこととなる。したがって、対象者は、超音波による刺激により突如睡眠が妨害されることなく、速やかに覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。
以上のように、睡眠促進マット90は特殊な装置や専門家を必要とするものではないので、対象者は、この睡眠促進マット90を一般家庭で手軽に取り扱うことが可能である。
以下では、本発明に係る睡眠促進マットの第二実施形態に係る睡眠促進マット90について、図7乃至図9を参照して説明する。
なお、以下では、第一実施形態に係る睡眠促進マット90と略同一の構成の部材については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7に示すように、本実施形態の睡眠促進マット90の構成は、発振部3に、5個の超音波発振手段31・32・33・34・35を有している点で、第一実施形態に係る睡眠促進マット90の構成と主として相違する。
発振部3は、電源から電力を供給されることにより、超音波を発信部6から発信させるための信号を発振する部材である。本実施形態の発振部3は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、第四超音波発振手段34、および第五超音波発振手段35の、合計5個の超音波発信手段を有する。
第一超音波発振手段31は、基本周波数を30000Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。
ただし、第一超音波発振手段31から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数はこれに限るものではなく、対象者の睡眠を妨げない可聴範囲外の周波数であり、かつ人体に悪影響を与えない範囲のものであれば良い。
第二超音波発振手段32は、基本周波数を25000Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。
ただし、第二超音波発振手段32から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数はこれに限るものではなく、第一超音波発振手段31から発信される超音波の基本周波数よりも小さい値に設定されるものであれば良い。
第三超音波発振手段33は、基本周波数を20000Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。
ただし、第三超音波発振手段33から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数はこれに限るものではなく、第二超音波発振手段32から発信される超音波の基本周波数よりも小さい値に設定されるものであれば良い。
第四超音波発振手段34は、基本周波数を15000Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。
ただし、第四超音波発振手段34から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数はこれに限るものではなく、第三超音波発振手段33から発信される超音波の基本周波数よりも小さい値に設定されるものであれば良い。
第五超音波発振手段35は、基本周波数を10000Hzとする超音波を発信させるための信号を発振することが可能である。
ただし、第五超音波発振手段35から信号を発振することにより発信される超音波の基本周波数はこれに限るものではなく、第四超音波発振手段34から発信される超音波の基本周波数よりも小さい値に設定されるものであれば良い。
制御部50は、発振部3で発振した信号を、適宜の間欠および周波数を持たせるように調整するものである。すなわち、制御部50は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、第四超音波発振手段34、および第五超音波発振手段35で発振させた信号を調整して、発信部6における発信・非発信(ON・OFF)を切り換える制御を行う。
制御部50は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、第四超音波発振手段34、あるいは第五超音波発振手段35のうちの、何れの発振手段から信号を発振するかを選択することにより、結果として、発振部3で発振した信号により発信される超音波を適宜の周波数を持たせるように調整することが可能である。
以下では、制御部50に備えられる睡眠プログラムについて、図8を参照して説明する。
ステップS310において、制御部50は、睡眠プログラムスイッチ80がONであるか否かを判定する。
睡眠プログラムスイッチ80がONであると判定した場合には、制御部50は、続いてステップS320に移行する。一方、睡眠プログラムスイッチ80がONでない(OFFである)と判定した場合には、制御部50は、再度ステップS310を繰り返す。
ステップS320において、制御部50は、0.034乃至0.071秒間隔で第一超音波発振手段31からの発振・非発振(ON・OFF)を切り換える。すなわち、0.034乃至0.071秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。このとき、制御部50は、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、第四超音波発振手段34、および第五超音波発振手段35についてはOFFの状態を保持する。換言すれば、制御部50は、脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部50は、上述の処理を15乃至20秒にわたって続行した後、続いてステップS330に移行する。
ステップS330において、制御部50は、0.077乃至0.12秒間隔で第二超音波発振手段32からの発振・非発振(ON・OFF)を切り換える。すなわち、0.077乃至0.12秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。このとき、制御部50は、第一超音波発振手段31、第三超音波発振手段33、第四超音波発振手段34、および第五超音波発振手段35についてはOFFの状態を保持する。換言すれば、制御部50は、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部50は、上述の処理を20乃至30秒にわたって続行した後、続いてステップS340に移行する。
ステップS340において、制御部50は、0.15乃至0.25秒間隔で第三超音波発振手段33からの発振・非発振(ON・OFF)を切り換える。すなわち、0.15乃至0.25秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。このとき、制御部50は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第四超音波発振手段34、および第五超音波発振手段35についてはOFFの状態を保持する。換言すれば、制御部50は、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部50は、上述の処理を40乃至60秒にわたって続行した後、続いてステップS350に移行する。
ステップS350において、制御部50は、0.34乃至1.0秒間隔で第四超音波発振手段34からの発振・非発振(ON・OFF)を切り換える。すなわち、0.34乃至1.0秒間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。このとき、制御部50は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、および第五超音波発振手段35についてはOFFの状態を保持する。換言すれば、制御部50は、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部50は、上述の処理を60乃至240秒にわたって続行した後、続いてステップS360に移行する。
ステップS360において、制御部50は、1.0秒よりも長い間隔で第五超音波発振手段35からの発振・非発振(ON・OFF)を切り換える。すなわち、1.0秒よりも長い間隔で超音波のトランスミッタ60からの発信・非発信を切り換える。このとき、制御部50は、第一超音波発振手段31、第二超音波発振手段32、第三超音波発振手段33、および第四超音波発振手段34についてはOFFの状態を保持する。換言すれば、制御部50は、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を発信部6から発信する。
制御部50は、上述の処理を240秒以上にわたって続行した後、続いてステップS370に移行する。
ステップS370において、制御部50は、睡眠プログラムスイッチ80をOFFに切り換える。
制御部50は、上述の処理を行った後、この制御(睡眠プログラム)を終了する。
このような睡眠プログラムを備えることで、本実施形態の睡眠促進マット90は以下の効果を奏する。
すなわち、対象者は、睡眠プログラムスイッチ80をONに設定してこの睡眠プログラムを実行することにより、β波に相当する周波数を有する超音波による刺激、α波に相当する周波数を有する超音波による刺激、θ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、δ波に相当する周波数を有する超音波による刺激、ならびにδ波よりも小さい周波数を有する周波数による刺激を、この順に受けることが可能となる。さらに、これらの超音波による刺激は、段階(ステップ)を踏むに連れてその基本周波数が漸次減少するように構成されている。そして、これにより睡眠促進マット90を使用している対象者の脳波が影響を受ける。
ここで、人体が覚醒状態から睡眠状態に至るまでの過程では、脳波の周波数が次第に減少していく現象が見られることが、前述の如く知られている。
したがって、本実施形態の睡眠促進マット90においては、人体に付与される超音波の基本周波数が漸次減少するように構成することにより、睡眠促進マット90を使用する対象者を、自然に睡眠に至る場合となるべく近い状況で睡眠状態に誘導出来るという効果を奏する。
なお、本実施形態の睡眠促進マット90では、発振部3に、それぞれ異なる基本周波数を有する複数の超音波発振手段を設けるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、例えば、1個の可変式の超音波発振機(周波数を適宜変更することが可能な超音波発振機)を超音波発振手段として設ける構成としても良い。
以上の如く、本実施形態に係る睡眠促進マット90は、
前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第一段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
前記第五段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さいものである。
このように構成することで、睡眠プログラムを実施したときに、対象者が受ける超音波の周波数は、漸次減少していくこととなる。したがって、対象者は、超音波による刺激により突如睡眠が妨害されることなく、また、覚醒状態から睡眠状態に至るまでの間に出現する脳波のパターンとなるべく近いパターンを有する超音波の刺激を受けることが可能となる。したがって、対象者は、速やかに覚醒状態から睡眠状態に誘導されることとなる。
以下では、前記睡眠促進マット90の発信部6を構成するのに用いる反射体61の構造について詳細に説明する。
なお、本明細書では、硫黄以外の有機過酸化物や白金化合物などの熱硬化剤も「加硫剤」と称し、それによるゴムの熱硬化のことも「加硫」と称するものである。
まず、反射体61の基材を構成するのに用いる弾性材料としては、前述の如きシリコンゴムの他、ポリイソプレンを主成分とするいわゆる天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴムのような合成ゴム、及びこれらを二種以上混合したものなど、適正な弾性を有するものであればよく、限定されるものではない。
シリコンゴムで反射体61の基材を構成する場合には、熱硬化型シリコンゴムであることが特に好ましい。熱硬化型とすることで、ゴム組成やその熱硬化条件、つまり加硫条件を調整することにより、後述するようにして弾性ゴム内の反射粒子の分布を制御し、弾性ゴムの表層部に反射粒子を適切に偏在できるからである。しかも、シリコンゴムを使用することで、反射体に対して良好な耐熱性、耐寒性、耐候性が付与できると共に、配合設計を変えることで様々な硬度の基材を得ることができ、様々な条件に応じて、反射体61を用いた睡眠促進マットの用途拡大を更に進めることができる。
また、反射体61における表層部の内部に偏在させるための反射粒子の素材として、前述のアルミニウム(Al)の他、例えば、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)などの金属やその合金、炭化ケイ素のような無機化合物、酸化Alを主成分とするコランダムなどの鉱物などが挙げられるが、音や光などの電磁波に対する反射特性に優れたものであればよく、限定されるものではない。
Al又はAl合金は、反射粒子の素材としては特に好ましい。Al又はAl合金は、金属の中でも比重が小さく、音と電磁波のいずれに対しても反射特性が優れており、このような反射粒子が弾性材料よりなる基材の表層部に偏在することにより、反射層を軽量化できると共に良好な反射特性も付与することができ、軽くて反射特性に優れた反射体が提供できるからである。
また、前記反射層による音や電磁波の反射特性に適した反射粒子の分布密度や反射層の厚さについて調査した結果、面積比で50%以上の反射粒子が存在する層(以下、「有効反射層」とする。)の表面からの厚さが0.1〜1mmであるのが特に好ましいことが判明した。
反射粒子が面積比で50%未満では、入射した音や電磁波の大部分が、反射粒子間に充填された弾性材料に吸収され、あるいは弾性材料を透過するため、反射粒子による十分な反射効率が得られないからである。なお、ここで反射粒子の面積比とは、垂直断面を、深さ毎に表面に平行に光学顕微鏡によって走査し、走査した視野内における反射粒子の占める割合として求めたものである。
このような有効反射層による音や電磁波の反射には、最も外側に位置する最外反射粒子だけでなく、表面から見て該最外反射粒子と重なるようにして反射層の内部に存在する内部反射粒子も大きく寄与する。つまり、反射体61の基材を構成する弾性材料が弾性変形、特に反射層側が凸状となるように湾曲して大きく伸び、最外反射粒子間の隙間が拡大した場合であっても、該隙間は表面から見ると前記内部反射粒子によって部分的に閉塞された状態となり、反射効率の低下を抑制できる。
しかしながら、有効反射層の表面からの厚さが0.1mm未満では、前記内部反射粒子の個数が少ないために前述の閉塞効果が小さく、反射効率の低下が抑制できない。一方、反射層の表面からの厚さが1mmを越えると、反射効率の低下は抑制できるものの、反射層全体では弾性が小さくなり、柔軟な形状変化が困難となる。
すなわち、前記反射層は、前記基材中に反射粒子が面積比で50%以上存在する層であって、表面からの厚さが0.1〜1mmであるので、反射層に十分な大きさの反射面積を付与して十分な反射効率が得られると共に、睡眠促進マット90の枕部2に反射体61を埋め込んだ場合に、枕部2の変形に追従して反射体61の基材とともに変形することが可能である。
次に、このような反射体61の製造方法について、図10および図11を参照して説明する。
図10に示すように、本発明に係わる弾性材料を基材とした反射体61の製造方法は、該弾性材料の原料となる未加硫ゴム(以下、「原料ゴム」とする。)・加硫剤・反射粒子の種類と量を選択する配合工程(ステップS1)と、この配合に基づいて原料ゴム・加硫剤・反射粒子を混合・圧延・押出しなどしてゴム組成物を作り必要な形状に成形する加工工程(ステップS2)と、成形されたゴム組成物を金型に入れてプレス又は加硫缶などで加熱して反射体とする加硫工程(ステップS3)とから成るが、このうちの後で詳述する加硫工程の加硫条件を所定条件に設定することにより、反射体61を製造することができる。
前記配合工程で選択する加硫剤としては、後の加硫工程において長いゲルタイムTGを確保できるものであれば特に限定されないが、後述する実施例に用いる熱硬化型シリコンゴムに対しては、優れた熱硬化特性の観点から、硫黄や白金化合物などではなく有機過酸化物が特に好ましい。ここで、ゲルタイムTGとは、熱硬化型の原料ゴムが加熱開始からゲル化するまで半流動状態に保たれている時間であり、具体的には、JIS K 6300−2に記載された測定方法に基づいて求めた図11に示す加硫曲線101において、加硫開始から、最大トルクNmaxに対して10%硬化したトルクN10に到達するまでの加硫時間を示す。
前記加工工程は、混合工程(ステップS4)、圧延・押出し工程(ステップS5)、成形工程(ステップS6)の順に行われる。このうちの混合工程においては、オープンロールを使って、練りつぶして原料ゴムの分子を分断し加工しやすくする素練りを行い、引き続き、この素練りした原料ゴムに加硫剤・反射粒子を混合して機械的なせん断力を加えて原料ゴムに可塑性を与えると共に、加硫剤・反射粒子をゴム中に均一に分散させる混練りを行う。圧延・押出し工程においては、前記混合工程によって得たゴム組成物をオープンロールを使ってシート状とするシーティングなどを行う。成形工程においては、前記圧延・押出し工程によって得たシートを後工程の加硫工程に適した大きさや形状に裁断するなどの予備成形を行う。
そして、本発明者が前記反射体61を製造するのに適正な条件について詳細に検討した結果、例えば、前記加工工程において、原料ゴムに、加硫剤と、平均粒子径10〜300μmで前記原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部の反射粒子とを加えてゴム組成物を作り、次の加硫工程において、反射体の最大厚がtmax(mm)の場合に、ゲルタイムTGを0.1×tmax+0.3(分)以上となるように設定して加硫することにより、本発明に係わる反射体、つまり、前記有効反射層を表面から0.1〜1mmの厚さで弾性材料の表層部に形成して成る反射体61を、確実に製造できることが判明した。
なお、これ以外に、反射粒子を弾性材料の表層部内に偏在させる方法としては、有機溶媒中に反射粒子を分散させた塗布液を弾性材料の表面に塗布した後、加熱乾燥処理を施すことによって反射層を形成する方法、あるいは、反射粒子を原料ゴムの表面に散布し、その上から同じ原料ゴムを薄く塗布して加硫することによって反射層を形成する方法も考えられる。しかし、前者の反射層は、弾性材料としてのゴムとの密着性が十分ではなく、前述した薄膜タイプにおける金属製の薄い反射膜の場合と同様、反射層が剥離して脱落しやすく、後者では、工程数が増える上に反射層の厚み調整が困難である。
ここで、前記加硫工程における反射粒子の挙動は、明確ではないが次のように考えられる。すなわち、金型に入れられたゴム組成物は、前記ゲルタイムTGの間は半流動状態で流動しながら金型内の空間に充填されていくが、このゲルタイムTGが短くて硬化速度が速いと、流動中に高温の金型と接触するゴム組成物の表層部から内部に向けて高速で硬化が進行するため、ゴム組成物内に反射粒子が均一分散したままで硬化が完了し、反射粒子が内部から表層部まで移動して表層部に偏在することができない。一方、ゲルタイムTGが長くて硬化速度が遅いと、流動中にゴム組成物の表層部が高温の金型と接触しても、該表層部は即座には硬化が進まずに粘性が増加するだけであり、この高い粘性を持つ表層部内領域(以下、「高粘性域」とする。)に、長いゲルタイムTG中にゴム組成物の内部から表層部まで移動してきた反射粒子が巻き込まれるなどして捕らえられ、反射粒子がそこにそのまま偏在して反射層が形成されると考えられる。
この反射粒子の大きさは、前述の如く、平均粒子径10〜300μmであるのが好ましい。平均粒子径が10μm未満では、反射粒子の移動が極めて容易となり、早期に粘性が増加した部分に反射粒子の大部分が集中して偏在するようになり、有効反射層の厚さ分布にばらつきが生じるからである。一方、平均粒子径が300μmを越えると、反射粒子が重く、表層部への移動に時間がかかりすぎようになり、加硫完了までに反射粒子を表層部内に偏在させることができず、十分な厚さの有効反射層を確保できないからである。
更に、反射粒子の配合量は、原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。反射粒子の配合量が1重量部未満では、表層部へ移動する反射粒子の量が不足し、十分な厚さの有効反射層を確保できないからである。一方、反射粒子の配合量が20重量部を越えると、有効反射層が厚くなりすぎて反射層全体での弾性が小さくなり、基材の形状変化への追従が困難となるからである。
更に、適正な厚さ、例えば、前述のような、表面からの厚さが0.1mmの有効反射層形成に必要なゲルタイムTGmin(以下、「最小ゲルタイム」とする。)について調査したところ、該最小ゲルタイムTGmin(分)は、反射体の最大厚tmax(mm)が厚くなるほど、すなわち内部から表層部への反射粒子の移動距離が長くなるほど長時間側に移行し、ゲルタイムTGは0.1×tmax+0.3(分)以上あるのが好ましいことが判明した。ゲルタイムTGが0.1×tmax+0.3(分)未満では、移動のための時間が短すぎ、加硫完了までに反射粒子を表層部内に偏在させることができず、十分な厚さの有効反射層を確保できないからである。
以下では、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、該本発明は必ずしも本実施例に限定されるものではない。
まず、所定のゴム組成物を前述した図10に示す製造工程に従って作製して加硫し、本発明に係わる反射体を製造する。具体的には、前記配合工程では、原料ゴムとしての熱硬化型シリコンゴム(商品名:KE951−U、メーカー:信越化学工業株式会社)の100重量部に対して、加硫剤としての有機過酸化物(商品名:C−8A、主成分:2.5ジメチル−2.5ビスヘキサン、メーカー:信越化学工業株式会社)を0.5重量部、反射粒子としてのAl粒子(商品名:噴霧アルミニウム粉、メーカー:ミナルコ株式会社)を5重量部配合し、その後の前記加工工程では、これら熱硬化型シリコンゴム・有機過酸化物・Al粒子を直径14インチのオープンロールを使って混合してゴム組成物を作成し、該ゴム組成物を、シーティング後に裁断機で所定の大きさに切り出してシートサンプルを作製する。
次に、前記加硫工程で、前記シートサンプルを金型に入れた状態で加圧した後、加熱温度を種々変化させて加硫処理を施すことにより、最大厚tmaxが2mm、10mm、20mmの3種の反射体A、B、Cを作製する。そして、前述の如く、該反射体A、B、Cの垂直断面を光学顕微鏡で観察することにより、深さ毎の反射層の面積比を測定し、該面積比が50%以上の部分を有効反射層として測定した。なお、反射体A、B、Cのいずれも、前記シートサンプルからの加圧による厚み方向の変形率が略80%となるように、シートサンプルの厚みが調整されている。
同時に、同じ前記シートサンプルからは、加硫試験機(機種名:キュラストメーターIIF、メーカー:JSRトレーディング株式会社)を使用して、加熱温度を種々変化させた場合の図11に示す加硫曲線101を求める。そして、求めた加硫曲線101からゲルタイムTGを測定し、所定のゲルタイムTGを得るのに必要な加熱温度を求める。
図12には、加熱温度を130〜210℃まで変えてゲルタイムTGを0.3〜3.5分まで変化させた場合に得られる、反射体A、B、Cにおける有効反射層厚の変化を、それぞれ曲線102、103、104として示す。
いずれの曲線102、103、104においても、ゲルタイムTGが長くなるに従って有効反射層厚が増加し、その増加傾向は、曲線102、103、104の順に緩やかとなっている。そして、曲線102ではゲルタイムTGが0.5分以上、曲線103ではゲルタイムTGが1.3分以上、曲線104ではゲルタイムTGが2.3分以上になると、反射体A、B、Cのいずれも、有効反射層厚が0.1mm以上となって適正厚範囲に移行し、十分な反射効率を有する反射層が得られるのがわかる。
なお、このうちの曲線102の比較データとして、プロット105・106・107・108を併記する。曲線102とプロット105・106を比較すると、反射粒子が平均粒子径が10μm未満で小さすぎると有効反射層厚のばらつきが大きくなる一方、反射粒子が平均粒子径が300μm越えで大きすぎると有効反射層が薄くなるのがわかる。
更に、曲線102とプロット107・108を比較すると、反射粒子の配合量が1重量部未満で少なすぎると有効反射層が薄くなり、反射粒子の配合量が20重量部を越えて多すぎると有効反射層が厚くなりすぎることがわかる。
図13には、前述した図12のデータを基に、反射体の最大厚tmaxを変化させた場合に、0.1mm以上の有効反射層厚が得られるゲルタイムTGの範囲を斜線部により示す。前記下限ゲルタイムTGminは、0.1×tmax+0.3の直線109によって示されるのがわかる。なお、ゲルタイムTGの上限値については、特に限定されるものではないが、生産性の観点から15分以下であるのが好ましい。
すなわち、原料ゴムに、加硫剤と、平均粒子径10〜300μmで前記原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部の反射粒子とを加えて成るゴム組成物の加硫工程において、該ゴム組成物を加硫して形成する反射体の最大厚がtmax(mm)の場合、加硫曲線から得られるゲルタイムを0.1×tmax+0.3(分)以上に設定するので、加硫開始からゴム組成物の硬化が始まるまでの半流動状態にある時間であるゲルタイムを、反射体の厚みに応じて適正化することができ、反射粒子が表層部に偏在するのに必要な時間を確保することにより、ばらつきが小さくて十分な厚さを有し弾性にも富んだ反射層を確実に形成することができるのである。
以上の反射体の構成及び反射体の製造方法は、基材の表層部に音や光などの電磁波を反射する反射層を設けた、全ての反射体、及びその製造方法に適用することができる。なお、以上の説明では、電磁波としては光を例に説明しているが、光以外にX線、マイクロ波でもよく、本発明に係わる反射層によって反射可能な電磁波であれば特には限定されない。
1 マット部
2 枕部(睡眠用枕)
3 発振部
4 電熱部
5 制御部
6 発信部
7 ヒータ
30 超音波発振手段
60 トランスミッタ
61 反射体
62 保持部
63 曲面部
90 睡眠促進マット

Claims (10)

  1. 超音波を発振する発振部と、
    前記発振部で発振した超音波を適宜の間欠および/または周波数を持たせるように調整する制御部と、
    前記発振部で発振した超音波を出力する発信部と、
    を備える、睡眠促進マットであって、
    前記発信部は、トランスミッタにより構成され、
    前記トランスミッタは、反射粒子を偏在させた反射体に保持されるとともに睡眠用枕に埋め込まれる、
    睡眠促進マット。
  2. 前記反射体は、基材の表層部に超音波を反射する反射層を形成したものであって、
    前記基材は弾性材料により構成するとともに、前記反射層は複数の反射粒子を前記表層部の内部に偏在させてなる、
    請求項1に記載の睡眠促進マット。
  3. 前記反射体の上部は凹面状の曲面を形成し、
    前記曲面は、超音波を前記睡眠用枕の上方に向けて反射する、
    請求項1又は請求項2に記載の睡眠促進マット。
  4. 前記弾性材料は、熱硬化型シリコンゴムから成る、
    請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の睡眠促進マット。
  5. 前記反射粒子は、Al又はAl合金から成る、
    請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の睡眠促進マット。
  6. 前記反射層は、前記基材中に反射粒子が面積比で50%以上存在する層であって、表面からの厚さが0.1〜1mmである、請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の睡眠促進マット。
  7. 前記反射体は、原料ゴムに、加硫剤と、平均粒子径10〜300μmで前記原料ゴム100重量部に対して1〜20重量部の反射粒子とを加えて成るゴム組成物より構成するものであり、
    該ゴム組成物の加硫工程において、該ゴム組成物を加硫して形成する反射体の最大厚がtmax(mm)の場合、加硫曲線から得られるゲルタイムを0.1×tmax+0.3(分)以上に設定するものである、
    請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の睡眠促進マット。
  8. 前記制御部は、
    脳波のβ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第一段階と、
    前記第一段階に続いて、脳波のα波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第二段階と、
    前記第二段階に続いて、脳波のθ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第三段階と、
    前記第三段階に続いて、脳波のδ波と同じ周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第四段階と、
    前記第四段階に続いて、脳波のδ波よりも長い周期で間欠的に超音波を前記発信部から所定時間にわたって発信する第五段階と、
    からなる制御プログラムを備える、
    請求項1から請求項7のうちのいずか一項に記載の睡眠促進マット。
  9. 前記第一段階では、所定時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
    前記第二段階では、前記第一段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
    前記第三段階では、前記第二段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
    前記第四段階では、前記第三段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信し、
    前記第五段階では、前記第四段階よりも長い時間にわたって超音波を前記発信部から発信する、
    請求項8に記載の睡眠促進マット。
  10. 前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第一段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
    前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第二段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
    前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第三段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さく、
    前記第五段階で前記発信部から発信される超音波の周波数は、前記第四段階で前記発信部から発信される超音波の周波数よりも小さい、
    請求項8または請求項9に記載の睡眠促進マット。
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