JP2011054675A - 固体レーザ装置 - Google Patents

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【課題】レーザ媒質全体を効率的に冷却することにより高効率化を図るとともに、装置の小型化を実現すること。
【解決手段】この固体レーザ装置1は、固体レーザ媒体7を備えた固体レーザ装置であって、固体レーザ媒体7に対する励起光L1,L2、及び固体レーザ媒体7からの出力光を通過させるための開口部37が形成され、固体レーザ媒体7を収納する冷媒容器5と、冷媒容器5の開口部37に対して固体レーザ媒体7を固定させる固定部材25とを備え、固定部材25は、固体レーザ媒体7を冷媒容器5の内面に向けて押圧することにより、冷媒容器5の内側から開口部37を塞ぐように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体レーザを利用したレーザ発振器及びレーザ増幅器等の固体レーザ装置に関するものである。
近年、半導体(LD)励起固体レーザの1種であるイッテルビウム(Yb)系レーザの開発が盛んである。Yb系レーザは、従来のレーザ媒質の主流であったYAG(Nd:YAG)等のネオジウム(Nd)系レーザの発熱量の1/3程度の発熱量であるため、効率の良いレーザ動作が可能である。発熱量が少ないことは、冷却系への負荷軽減、装置の小型化、レーザの特性向上(熱レンズおよび熱複屈折小)などの様々な利点に繋がる。しかし、Yb系レーザは、レーザ下準位に電子が熱分布しているためレーザ発振に必要な反転分布を形成しにくいため、室温では3準位レーザとして動作する。そのため、レーザ媒質を薄ディスクにする等の形状の工夫によって熱負荷の低減を図ることが行われてきた。
Yb系レーザの特性向上および熱負荷低減のためにレーザ媒質を低温に冷却して使用する方法が採用されるようになってきている。低温に冷却することにより、レーザ下準位に熱分布している電子が少なくなり反転分布の形成が容易になるため、4準位レーザとして動作する。Yb:YAGレーザでは、室温(〜300k)ではその誘導放出断面積がNd:YAGレーザの1/10程度でありレーザ媒質からのエネルギー抽出効率が悪いが、冷却した場合は誘導放出断面積がNd:YAGとほぼ同程度の値になる。さらに低温に冷却すれば、熱伝導率が向上し、熱的耐力も向上する。このように低温に冷却されたYb系レーザは、発熱が少なく高効率なレーザとして動作する。
例えば、下記特許文献1記載のレーザ媒質の冷却方法では、低温の冷媒と金属等による伝導冷却が利用されている。また、下記特許文献2記載のレーザ増幅システムでは、薄ディスクの利得媒質が薄く励起光の吸収長を確保することが難しいため、励起光をミラーを用いて多重パスすることによりレーザ光の励起を行っている。
特表2008−515204号公報 特表2002−524838号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の冷却方法では、金属等の熱伝導率により冷却性能が制限される傾向にあった。また、特許文献2記載のレーザ増幅システムでは、構造が複雑になり装置の大型化を招来する。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、レーザ媒質全体を効率的に冷却することにより高効率化を図るとともに、装置を小型化することができる固体レーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の固体レーザ装置は、固体レーザ媒質を備えた固体レーザ装置であって、固体レーザ媒質に対する励起光、及び固体レーザ媒質からの出力光を通過させるための開口部が形成され、固体レーザ媒質を収納する容器と、容器の開口部に対して固体レーザ媒質を固定させる固定部材とを備え、固定部材は、固体レーザ媒質を容器の内面に向けて押圧することにより、容器の内側から開口部を塞ぐように構成されている。
このような固体レーザ装置によれば、容器に冷却媒体が供給されることで固体レーザ媒質が直接的に冷却され、冷却媒体は固体レーザ媒質によって容器内に封止される。さらに、容器の開口部を介して励起光が入射されて、その結果生じた出力光が開口部を介して出力される。これにより、固体レーザ媒質の全体が安定して冷却されることで高効率な出力が得られると共に、装置の小型化が容易になる。
容器の内面には、開口部の縁部に沿った段差部が形成され、固定部材は、固体レーザ媒質を段差部に向けて押圧するように構成されている、ことが好適である。この場合、固体レーザ媒質の位置決めが容易となりアライメントのズレを防止できるとともに、冷却媒体を安定して容器内に封止することができる。
また、固体レーザ媒質および固定部材とともに容器を収納する真空容器がさらに備えられ、容器内には固体レーザ媒質を冷却するための冷媒が供給される、ことも好適である。かかる構成を採れば、容器内に冷媒を供給する際に容器における結露を防止することができるとともに、容器の開口部を固体レーザ媒質によって確実に塞ぐことができる。
さらに、容器内には固体レーザ媒質を冷却するための冷媒を流通させるための流通路が、固定部材および固体レーザ媒質に沿って形成されている、ことも好適である。かかる流通路を備えれば、固体レーザ媒質を効率的に冷却することができると共に、冷媒の圧力によって容器の開口部を安定して塞ぐことができる。
またさらに、流通路は、容器に設けられた流入口から容器内の中央部に向けて幅が小さくなるように形成されている、ことも好適である。この場合、冷媒の圧力を中央部で高めることで、容器の開口部をより安定して塞ぐことができる。
さらにまた、流通路は、容器内部で屈曲するように形成されている、ことも好適である。かかる構成を採れば、冷媒流を乱流にして伝熱効果を高めることで、より安定した冷却が可能となる。
本発明によれば、冷媒の安定封止により効率的な冷却が可能になり、レーザのビームパターン一様性とエネルギー出力を向上させることができる。
本発明の好適な一実施形態に係る固体レーザ装置の縦断面図である。 図1の固体レーザ装置の横断面図である。 図1の固定部材の内側に保持された状態の固体レーザ媒体を示す斜視図である。 本発明の変形例である固体レーザ媒体が冷媒容器に収納された状態を示す横断面図である。 本発明の別の変形例である固体レーザ装置を示す横断面図である。 図5の固体レーザ装置の正面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る固体レーザ装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る固体レーザ装置1の構造を示す縦断面図であり、図2は、図1の固体レーザ装置1の横断面図である。固体レーザ装置1は、外部からの励起光をレーザ利得媒質に入射させることでレーザ光を出力させる装置であり、真空容器3と、真空容器3内に収納された冷媒容器5と、冷媒容器5内に収納された固体レーザ媒体7及び固定部材25とを備える。
真空容器3は、上側容器3aと下側容器3bとから構成されており、上側容器3aと下側容器3bとが、ゴム製のオーリング11を挟んで螺子部材13によって螺子止めされることにより、気密に接合されている。そして、真空容器3は、外部から真空引きされることにより内部が真空状態に維持されている。
この真空容器3内には、さらに、固体レーザ媒体7を冷却するための冷媒が供給される冷媒容器5が、真空容器3の内壁との間で真空空間を確保した状態で収納されている。冷媒容器5は、上側容器5aと下側容器5bとから構成されており、上側容器5aと下側容器5bとが、インジウム等の封止剤を挟んで螺子部材15によって螺子止めされることにより接合されている。この冷媒容器5の上側容器5aの上部には、冷媒供給口17及び通気口19が設けられており、冷媒供給口17から液体窒素やフッ素系不活性液体等の冷却媒体Aが供給されることにより、冷媒容器5の下側容器5bおよび上側容器5aの下部がその冷却媒体Aによって満たされる。このとき、上側容器5aと下側容器5bとの間は封止剤によって封止されているので、冷却媒体によって上側容器5aと下側容器5bとの接合部分が熱収縮等を受けても機械的に十分な圧力を加えることができるため、冷却媒体Aの冷媒容器5外部の真空空間への液漏れが防止されている。
さらに、冷媒容器5の下側容器5bには固体レーザ媒体7が収納されている。固体レーザ媒体7は、略五角柱状の固体レーザ母材21に薄板状の4枚の固体レーザ利得媒質23a〜23dが貼り合わされた構造を有する。固体レーザ母材21は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなり、固体レーザ利得媒質23a〜23dは、YAGに活性イオンとしてYb(イッテルビウム)がドープされたものであり、透過するビーム形状に依存する形状として、例えば正方形状に形成されている。この固体レーザ媒体7は、五角柱状の固体レーザ母材21の側面4面のそれぞれに、固体レーザ利得媒質23a〜23dがセラミックコンポジット技術によって接合されて構成され、固体レーザ母材21の1つの側面は、固体レーザ利得媒質が貼り合わされていない励起光及び出力光の入出力面21aとなっている。
詳細には、固体レーザ媒体7は、下側容器5b内において固定部材25によって固定されている。図3は、固定部材25の内側に保持された状態の固体レーザ媒体7を示す斜視図である。この固定部材25は、内部形状が固体レーザ媒体7の外形と略同一であり、その5つの側面および上下端面に開口が形成されたいわゆる略五角柱の枠状を成しており、固体レーザ媒体7を内側に取り囲んで保持する。固体レーザ媒体7は、このような固定部材25の一側面の矩形状の開口27から、固体レーザ母材21の側面21aをその開口面にほぼ平行になるようにはみ出した状態で、固定部材25によって側面21aを所定の方向に向けて保持されている。
再び図2を参照して、固体レーザ媒体7の保持構造をより詳細に説明する。ここで、真空容器3の下側容器3bには、その一側面に固体レーザ媒体7の側面21aよりも大きい面積を有するガラス製の窓部29が取り付けられ、その窓部29は、固定部材31および螺子部材33によって、オーリング35を介して下側容器3bに気密に固定され、その両面は透過率99.5%の無反射(AR)コーティングが施されている。また、冷媒容器5の下側容器5bの窓部29と対面する一側面上には、矩形状の開口部37が形成されている。さらに、下側容器5bの開口部37の縁部の内側には、固体レーザ媒体7の側面21aの縁部形状に対応して、下側容器5bの内面から外面に向けて窪む段差部39が、開口部37の縁部に沿って形成されている。
このような構造の下側容器5b内において、固定部材25が、固体レーザ媒体7の側面21aをインジウム等の封止材40を挟んで段差部39に嵌め合わせた状態で、螺子部材41によって下側容器3bの内面に固定されている。これにより、固体レーザ媒体7の側面21aが下側容器5bの内面の段差部39に向けて押圧される結果、開口部37が下側容器5bの内側から塞がれる。
上記のように固体レーザ媒体7が内部に配置された下側容器3bの窓部29の外側には、ビームスプリッタ43,45、全反射ミラー47、およびハーフミラー49が配置されている。
ビームスプリッタ43は、窓部29に向けて外部から導入される励起光L1を、固体レーザ媒体7の側面21aに向けて透過させることにより、断面が略五角形状を成す固体レーザ媒体7中を、全反射現象を利用して固体レーザ利得媒質23a,23b,23c,23dの順で進行させる。すなわち、励起光L1は、窓部29及び固体レーザ母材21を透過して固体レーザ利得媒質23a内を透過した後、固体レーザ利得媒質23aの外面上の冷却媒体Aとの境界面において、固体レーザ利得媒質23bに向けて反射される。この反射は、固体レーザ利得媒質23aの主要材料であるYAGの屈折率1.82と冷却媒体Aである液体窒素の屈折率1.2との差に起因して生じる。このとき、固体レーザ利得媒質23aと冷却媒体Aとの境界面における全反射の臨界角は約40度であるが、励起光L1は全反射を生じるようにその入射角度が60度に設定されている。その後、励起光L1は、固体レーザ利得媒質23b,23c,23dの冷却媒体Aとの境界面で反射されることにより、固体レーザ利得媒質23b,23c,23dを順に透過しながら出力光に増幅される。そして、その出力光は開口部37及び窓部29を通ってビームスプリッタ45に向けて出射され、ビームスプリッタ45によってハーフミラー49に向けて反射される。そして、出力光の一部はハーフミラー49によって外部に取り出される一方、出力光の他の部分はハーフミラー49及びビームスプリッタ45によって反射されて再度窓部29を透過して固体レーザ媒体7に入射される。
また、外部からはビームスプリッタ45を透過して励起光L2も入射されており、その励起光L2は、窓部29、及び固体レーザ媒体7の側面21aを透過して、全反射現象により固体レーザ利得媒質23d,23c,23b,23aの順で、固体レーザ媒体7内を進行する。これにより、励起光L2は、ハーフミラー49によって反射された出力光の一部と併せて出力光に増幅され、その出力光はビームスプリッタ43を経由して全反射ミラー47に向けて出射される。その後、出力光は全反射ミラー47及びビームスプリッタ43によって反射されて再度窓部29を透過して固体レーザ媒体7に入射される。
ここで、固体レーザ母材21の側面21aにおける励起光及び出力光の入出力角度を、ブリュースター角度に基づいて設定することで、側面21aにおける反射防止(AR)コーティングが不要にされる。
例えば、ビームスプリッタ43,45としては、多層膜コーティングが施されたダイクロイックミラーが使用され、励起光源側に45度入射の励起光L1,L2(中心波長940nm)に対する透過率が99.4%の無反射(AR)コーティングが施され、固体レーザ媒体7側にレーザ光の波長1030nmに対する反射率が99.9%、励起光L1,L2に対する透過率が99.0%のコーティングが施される。全反射ミラー47及びハーフミラー49は、レーザ光がレーザ利得媒質中で同じビーム径を保つように曲率が設けられており、ハーフミラー49は、レーザ光の波長1030nmに対して反射率が70%である。このような窓部29の外部の光学系により、励起光L1,L2を基に出力レーザ光を繰り返し増幅するレーザ発振器が構成される。ただし、全反射ミラー47及びハーフミラー49を省略することで、固体レーザ装置1をレーザ増幅器として利用することも可能である。
ここで、励起光L1,L2の吸収効率の向上及び均一化を図るために、固体レーザ利得媒質23a〜23dにおけるドープ濃度及び厚みは、次のように設定される。すなわち、固体レーザ利得媒質23a〜23dのドープ濃度を現在安定して製作可能な9.8at.%とすると、最初に励起光が入射する固体レーザ利得媒質23a,23dの厚みを300μmとし、それ以外の固体レーザ利得媒質23b,23cの厚みを1mmと設定する。こうすると、励起光L1,L2を4枚のレーザ利得媒質において均一に吸収させ、ほぼ100%に近い吸収効率を得ることができる。また、励起光L1,L2はレーザの光路と同軸方向に伝搬させるため、空間結合率の高い励起が可能になる。
以上説明した固体レーザ装置1によれば、冷媒容器5に冷却媒体Aが供給されることで固体レーザ利得媒質23a〜23d及び固体レーザ母材21が直接的に冷却され、冷却媒体Aは固体レーザ媒体7によって冷媒容器5内に封止される。さらに、冷媒容器5の開口部37を介して励起光L1,L2が入射されて、その結果生じた出力光が開口部37を介して出力される。これにより、固体レーザ媒体7の全体が安定して冷却されることで準4準位レーザとして動作させることができ、高効率な出力が得られる。特に、本実施形態ではレーザ利得媒質23a〜23dの外側が冷却媒体Aによって高反射率(HR)コーティングを介さずに直接冷却されている。一般的に、HR及びAR用途の光学コーティングは誘電体多層膜で構成されており、多層膜の構造上、膜厚方向の熱伝導率は膜材質のバルクの熱伝導率に比して低い。多層膜の材質毎の熱伝導率は、SiOが軸平行で9.3W/mK、軸垂直で5.3W/mK、TiOが13W/mK、ZrOが3W/mK、MgFが0.3W/mKであり、固体レーザ母材21の材料であるYAGの14W/mKに比して低い。このため、冷却面に光学コーティングが存在しないことで、固体レーザ媒体7の冷却効率が高い。さらに言えば、レーザ媒質における光学的コーティングはレーザ母材やレーザ利得媒質に比してレーザ耐力が低いので、このような光学的コーティングを不要とすることで高出力化に対する制約も無くなる。また、固体レーザ媒体7によって冷媒容器5の内側から開口部37を塞ぐことで、複数の固体レーザ利得媒質を集積した場合の冷媒の封止が容易になり、装置の小型化が容易になる。
また、冷媒容器5の開口部37の縁部の内側には、開口部37の縁部に沿った段差部39が形成され、固定部材25は、固体レーザ媒体7を段差部39に向けて押圧するように構成されている。その結果、冷媒容器5は、その開口部37を内側から固体レーザ媒体7によって封止材40を挟んで封止されることになる。固体レーザ母材21の材料であるYAGは熱膨張率が温度100Kで4.2×10-6 K-1程度と、冷媒容器5や固定部材25の材料として使用されるアルミニウム(温度100Kでの熱膨張率12.2×10-6K-1)、銅(温度100Kでの熱膨張率10.3×10-6K-1)や、ステンレス(温度100Kでの熱膨張率11.4×10-6K-1)等に比して小さいため、温度が低下した場合に熱収縮を生じて相対的に固体レーザ媒体7を固定部材25及び冷媒容器5で締め付ける構造になる。従って、固体レーザ媒体7の位置決めが容易となり螺子止めの緩み等によるアライメントのズレを防止できるとともに、冷却媒体Aを安定して冷媒容器5内に封止することができる。
また、固体レーザ媒体7は固定部材25および冷媒容器5とともに真空容器3内に収納されているので、冷媒容器5が空気に接することがなく、冷媒容器5や固体レーザ媒体7における結露を防止することができる。さらに、真空容器3内の真空を引くことによって、固体レーザ媒体7自体が開口部37の外側に引っ張られるため、固体レーザ媒体7が封止材40に向けてさらに圧着される。これにより、封止接合部分の加工公差等を考慮することなく冷媒の漏れや真空リークの可能性の低減された構造が実現される。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。固体レーザ媒体7の断面形状は五角形に限定されるものではなく、それ以外の多角形の断面形状であってもよい。例えば、図4に示す本発明の変形例である固体レーザ媒体107においては、三角柱状の固体レーザ母材121の側面に2枚の固体レーザ利得媒質123a,123bが貼り合わされており、固体レーザ母材121の一側面121aが冷媒容器5の開口部37から露出される。この固体レーザ媒体107を固定するための固定部材125は、固体レーザ媒体107の外形に対応した枠状形状を有し、固体レーザ媒体107を開口部37の縁部の内面に向けて封止材140を挟んで押圧するように、冷媒容器5の内面に螺子止めされる。
また、真空容器3の窓部29の両面には、反射防止のためにARコーティングが施されていても良い。
また、冷媒容器に供給される冷却媒体は冷媒容器内を流通されてもよい。図5は、この場合の本発明の変形例である固体レーザ装置201を示す横断面図、図6は、図5の固体レーザ装置201の正面図である。固体レーザ装置201で使用される冷却媒体は水又はフッ素系不活性液体等の室温の媒体であるため、断熱のための真空容器は不要とされている。固体レーザ装置201は、冷媒容器本体205a及び冷媒容器蓋部205bから成る冷媒容器205の内部に、固体レーザ媒体207が固定部材225によって固定された構造を有する。
固体レーザ媒体207は、矩形平板状の固体レーザ母材221の一方の表面にセラミックコンポジット化によって矩形状の固体レーザ利得媒質223が貼り合わされた構造を有し、他方の表面221aが励起光およびレーザ光の入出力面とされている。例えば、固体レーザ母材221の厚みは3mmとして冷媒圧力に対して十分な強度が確保され、固体レーザ利得媒質223の厚みは400μm、ドープ濃度は20at.%に設定される。この固体レーザ媒体207はその端部を固定部材225によって支持される。そして、固定部材225が冷媒容器本体205aの内面に螺子止めされることにより、固体レーザ媒体207の表面221aが、オーリング240を介して冷媒容器本体205aの前面に形成された開口部237の縁部の内側に押圧される。これにより、冷媒容器205の開口部237が液漏れしないように封止される。また、冷媒容器205の背面には、固体レーザ媒体207及び固定部材225を着脱可能にするために蓋部205bが設けられており、この蓋部205bがオーリング251を介して冷媒容器本体205aに対して螺子止めされることにより、冷媒容器205内に冷却媒体Aが封止される。
上記構造の冷媒容器205の両端部には、冷媒供給口217及び冷媒排出口219が設けられており、この冷媒供給口217と冷媒排出口219の間の冷媒容器205の内部には、冷媒容器205の内壁、固定部材225、及び固体レーザ利得媒質223の表面に沿って、冷却媒体Aを流通させるための冷媒流通路253が形成されている。この冷媒流通路253は、横方向(固体レーザ媒体207の厚み方向)の幅が、冷媒供給口217又は冷媒排出口219から中央部に向けて小さくなるように形成されている。さらに、冷媒流通路253は、冷媒供給口217及び冷媒排出口219と中央部との間において、固定部材225に沿って横方向に屈曲するように形成されている。
このような構造の固体レーザ装置201は、いわゆるアクティブミラー型のレーザ装置として動作する。すなわち、開口部237の外部から固体レーザ媒体207に向けて入射された励起光L3は、表面221aがARコーティングが施された固体レーザ母材221を透過し、固体レーザ利得媒質223において1パスで90%以上が吸収されてレーザ光に増幅される。そして、そのレーザ光は固体レーザ利得媒質223の冷却面側で全反射現象によって反射されて、固体レーザ利得媒質223、固体レーザ母材221を透過して開口部237から外部に取り出される。
このとき、冷媒流通路253内を冷却媒体Aが流通することで、固体レーザ媒体207が開口部237に向けて押圧されるので、固体レーザ媒体207を効率的に冷却することができるとともに、冷媒容器205における冷却媒体Aの封止が安定化される。さらに、冷媒流通路253における冷媒の圧力を中央部で高めることで、開口部237をより安定して塞ぐことができる。またさらに、冷却媒体Aを乱流にして伝熱効果を高めることで、固体レーザ媒体207のより安定した冷却が可能となる。
1,201…固体レーザ装置、3…真空容器、5,205…冷媒容器、7,107,207…固体レーザ媒体、21,121,221…固体レーザ母材、23a〜23d,123a,123b,223…固体レーザ利得媒質、25,125,225…固定部材、37,237…開口部、39…段差部、217…冷媒供給口(流入口)、253…冷媒流通路、A…冷却媒体、L1,L2,L3…励起光。

Claims (6)

  1. 固体レーザ媒質を備えた固体レーザ装置であって、
    前記固体レーザ媒質に対する励起光、及び前記固体レーザ媒質からの出力光を通過させるための開口部が形成され、前記固体レーザ媒質を収納する容器と、
    前記容器の前記開口部に対して前記固体レーザ媒質を固定させる固定部材とを備え、
    前記固定部材は、前記固体レーザ媒質を前記容器の内面に向けて押圧することにより、前記容器の内側から前記開口部を塞ぐように構成されている、
    ことを特徴とする固体レーザ装置。
  2. 前記容器の内面には、前記開口部の縁部に沿った段差部が形成され、
    前記固定部材は、前記固体レーザ媒質を前記段差部に向けて押圧するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の固体レーザ装置。
  3. 前記固体レーザ媒質および前記固定部材とともに前記容器を収納する真空容器がさらに備えられ、
    前記容器内には前記固体レーザ媒質を冷却するための冷媒が供給される、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の固体レーザ装置。
  4. 前記容器内には前記固体レーザ媒質を冷却するための冷媒を流通させるための流通路が、前記固定部材および前記固体レーザ媒質に沿って形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体レーザ装置。
  5. 前記流通路は、前記容器に設けられた流入口から前記容器内の中央部に向けて幅が小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の固体レーザ装置。
  6. 前記流通路は、前記容器内部で屈曲するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の固体レーザ装置。
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