JP2011054333A - 照明装置及び照明システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光源からの照射光による輝度ムラを抑制し、かつ照射面を広範囲に亘って均一に照らす実用的な間接照明システム用の照明装置及び間接照明システムを提供する。
【解決手段】光源10と、前記光源10からの出光方向に設けられている拡散シートとを具備し、前記拡散シートは、前記光源10からの光が入光する入光面及び前記光源10からの光が出光する出光面を有し、前記光源10からの光は1/2ビーム角が0.1度〜30度であり、前記拡散シートは、前記入光面及び/又は前記出光面に凹凸構造が形成されており、前記拡散シートの前記出光面においては、前記光源からの光を拡散して出光させる第一領域141と、前記光源10からの光を、前記第一領域141における拡散角度とは異なる角度に拡散する第二領域142とが設けられている照明装置を提供する。
【選択図】図14

Description

本発明は、照明装置及び照明システムに関する。
近年、住宅や店舗等の照明システムとして、空間の大部分のエリアにおいて光源を直接的に見ることなく、直接光を目に入りにくくし、空間内の所定の面を照らすことにより、そこからのソフトな反射光で空間を明るくする、いわゆる間接照明が広く使用されるようになってきている。
例えば、壁面を照らすことにより、奥行き感を持たせて空間を広く見せる効果が得られることが知られている。
一方、照明器具を天井や壁面に組み込み、建築構造と一体化させた構成の建築化照明により壁面を照明する照明装置やこれを用いた照明システムが広く知られるようになってきている。
このような建築化照明における間接照明としては、天井を照らすコーブ照明、壁面を照らすコーニス照明、その他バランス照明、床面を照らす足元間接照明等の各種照明システムが知られている。
特に、壁面照明用途としては、コーニス照明やバランス照明等が汎用されており、具体的にコーニス照明については、例えば、部屋の壁の周囲を部分的に囲むように配置された構造のものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
壁面照明を行う場合には、壁面を広範囲に、可能な限り均一の明るさで照らすことが好ましい。
コーニス照明の多くは、光源として蛍光灯が用いられているが、蛍光灯光源は照射光が拡散性を有するため、光源近くの壁面輝度は高くなるが、例えば光源から離れた位置では大幅に壁面輝度が低下してしまうため、反射光を床方向へ伸ばす効果が小さいという問題がある。
また、蛍光灯光源と照射方向を規制するためのルーバーとを組み合わせた構成の照明器具についての提案もなされている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、ルーバーを設置するために照明器具そのものが大型化してしまい、コーニス照明として用いるためには設置スペースとしての埋め込み部分を大きくしなければならないという問題がある。
ところで近年においては、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素の排出量削減が求められていること、及び長寿命で廃棄物の削減が可能であるとともに有害物質を含まず環境保全に貢献できることから、LED光源を具備する照明器具が多く使用されるようになってきている。
特に、LED光源は、発光効率は著しく向上しているため、LED光源を使用した照明器具は急速に普及が進んでおり、例えば、LED光源を複数個使用したライン照明器具も提案されている。
しかしながら、指向性が強いLED光源を使用したライン照明器具であっても、1/2ビーム角が40度以上であるものが多く、例えばコーニス照明として用いた場合、やはり反射光を床方向へ伸ばす効果が小さく、広範囲の照射効果が得られにくい。
また、1/2ビーム角が30度以下のダウンライトについての提案もなされているが、これをコーニス照明に使用すると、光源から離れた壁面、例えば光源からの距離1000mm程度まで明るく照らすことは可能であるが、逆に光源近くの輝度が低下してしまうため、照射光の均一性に欠けてしまう。
すなわち、光源近傍の壁面から、光源から離れた壁面まで、輝度ムラを抑制しながら、同時に照射光を床方向へ伸ばすことは困難である。
さらに、複数のLED光源と反射板とを組み合わせて配光を制御し、広域を照射する照明装置についての提案もなされている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、照明装置により配光が決まってしまうため、照明器具の設置位置や、照射したい範囲の自由度が低いという問題がある。
すなわち、設置したい位置に合わせて個々に配光制御した反射板を作製することが必要になり、実用性に劣るという問題を有している。
さらにまた、点状光源を凹面反射鏡の底部に配置し、その出光面側の一部分に発散レンズを配置することによって、壁面に広く帯状の光を照射する手法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、凹面反射鏡を有するため、設置スペースが必然的に大きくなってしまい、さらには、前記方法によると帯状の狭い領域しか照射できず、この照射領域を拡大するためには照明装置をライン状に配列させる必要があるが、その際に壁面において、各帯状の光によって照射されない領域が存在し輝度ムラとなって現れてしまうという問題もある。
特表2004−507196号公報 特開平9−27206号公報 特開2008−98088号公報 特開平6−68701号公報
上述したように、従来提案されている技術は、いずれも光源からの照射光による輝度ムラを抑制し、かつ所定の面を広範囲に亘って均一に照らすことのできる実用的な間接照明システム用の照明装置、及び間接照明システムは実現されていない。
そこで本発明においては、光源からの照射光による輝度ムラを抑制し、かつ所定の面を広範囲に亘って均一に照らす実用的な間接照明システム用の照明装置、及び間接照明システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述したような間接照明技術における輝度ムラや均一な光照射を広範囲に亘って行うことに関する課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の1/2ビーム角を有する光源からの出光方向へ、所定の拡散角度を有する拡散シートを配置した構成の照明装置及びこの照明装置を用いた間接照明システムによって、上述した従来技術の問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は下記の通りである。
〔1〕
光源と、当該光源からの出光方向に設けられている拡散シートとを具備し、前記拡散シートは、前記光源からの光が入光する入光面及び前記光源からの光が出光する出光面を有し、
前記光源からの光は、1/2ビーム角が0.1度〜30度であり、
前記拡散シートは、前記入光面及び/又は前記出光面に、凹凸構造が形成されており、
前記拡散シートの前記出光面においては、前記光源からの光を拡散して出光させる第一領域と、前記光源からの光を前記第一領域における拡散角度とは異なる角度に拡散する第二領域とが設けられている照明装置を提供する。
〔2〕
前記拡散シートの前記第一領域と第二領域とは、出光する光の拡散角度の異方度が異なる前記〔1〕に記載の照明装置を提供する。
〔3〕
前記拡散シートの凹凸構造が形成されている領域における前記入光面に略垂直に光線が入射した場合、前記出光面から出光する光の拡散角度が0.1度〜100度である前記〔1〕又は〔2〕に記載の照明装置を提供する。
〔4〕
前記拡散シートの第一領域と第二領域との間に、出光する光の拡散角度が異なる第三の領域を、さらに有する前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の照明装置を提供する。
〔5〕
前記拡散シートの第一領域と第二領域との間に、出光する光の拡散角度の異方度が異なる第三領域を、さらに有する前記〔4〕に記載の照明装置を提供する。
〔6〕
前記第三領域の拡散角度が、前記第一領域と前記第二領域との間で、連続的に変化する前記〔4〕又は〔5〕に記載の照明装置を提供する。
〔7〕
前記第三領域の拡散角度が、前記第一領域と前記第二領域との間で、不連続的に変化する前記〔4〕又は〔5〕に記載の照明装置を提供する。
〔8〕
前記拡散シートが光拡散性を有する複数の単位シートにより構成されている前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の照明装置を提供する。
〔9〕
前記光源が、一軸方向に配列されている前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の照明装置を提供する。
〔10〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の照明装置が、所定の照射面に光を照射するように配置されている間接照明システムを提供する。
〔11〕
前記拡散シートの前記出光面における出射光強度が最大となる位置を通る出光面内の直線であって、前記所定の照射面に対して0度以上90度未満の角度を成す直線を中心線としたとき、
前記中心線に対して、所定の照射面側に位置する領域が前記第一領域であり、
前記中心線に対して、所定の照射面と反対側に位置する領域が前記第二領域であり、
前記第二領域から出光する光の拡散角度が異方性を示す前記〔10〕に記載の間接照明システムを提供する。
〔12〕
前記拡散シートの前記出光面における出射光強度が最大となる位置を通る出光面内の直線であって、前記所定の照射面に対して0度以上90度未満の角度を成す直線を中心線としたとき、
前記中心線に対して、所定の照射面側に位置する領域が前記第一領域であり、
前記中心線に対して、所定の照射面と反対側に位置する領域が第二領域であり、
前記第二領域から前記所定の照射面と平行方向に出光する光の拡散角度の方が、所定の照射面と直交する方向に出光する光の拡散角度よりも大きい前記〔10〕又は〔11〕に記載の間接照明システムを提供する。
〔13〕
前記第一領域から出光する光の拡散角度が等方性を示す前記〔11〕又は〔12〕に記載の間接照明システムを提供する。
〔14〕
前記第一領域から出光する光の拡散角度が異方性を示す前記〔11〕又は〔12〕に記載の間接照明システムを提供する。
本発明によれば、光源からの照射光による輝度ムラを抑制し、かつ照射面を広範囲に亘って均一に照らす実用的な間接照明システム用の照明装置及び間接照明システムを提供できる。
(a)〜(c)本実施形態の照明装置の要部の具体的構成を示す概略図である。 (a)〜(c)本実施形態の照明装置の要部の具体的構成を示す概略図である。 (a)、(b)本実施形態の照明装置の要部の具体的構成を示す概略図である。 本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14における拡散角度の定義を示す説明図である。 本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14における拡散角度の定義を示す説明図である。 (a)〜(c)拡散シートの出光面の第一領域と第二領域との配置形態の具体例を示す。 (a)〜(d)拡散シートの出光面を円形と仮定した場合の、第一〜第三領域の配置形態の具体例を示す。 (a)図8(b)に示す拡散シートにおける拡散角度分布の測定例を示す。(b)拡散シートの出光面を円形とした場合の第一〜第三領域の配置形態の具体例を示す。 (a)〜(e)拡散シートの第一〜第三領域における拡散角度分布の具体例を示す。 (a)〜(d)複数の光源を具備する場合の光源配置例を示す。 (a)、(b)複数の光源を具備する場合の光源配置例を示す。 (a)〜(c)間接照明システムの具体的な構成例を示す。 (a)間接照明システムの一例の概略正面図を示す。(b)間接照明システムの一例の概略側面図を示す。 照明装置を下方から観察した状態の模式的概略図を示す。 (a)間接照明システムの一例の概略正面図を示す。(b)間接照明システムの一例の概略側面図を示す。 照明装置と壁面との位置関係を示す概略側面図である。 本実施形態における間接照明を用いた壁面照射状態を示す。 (a)〜(c)実施例及び比較例の間接照明による壁面照射状態を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と言う。)について、図面を参照して説明する。
なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
また、本明細書において、「略平行」、「略垂直」等、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
〔照明装置〕
本実施形態の照明装置は、光源と、当該光源からの出光方向に設けられている拡散シートとを具備しており、前記拡散シートは、前記光源からの光が入光する入光面及び前記光源からの光が出光する出光面を有しており、前記光源からの光は、1/2ビーム角が0.1度〜30度であり、前記拡散シートは、前記入光面及び/又は前記出光面に、凹凸構造が形成されており、前記拡散シートの前記出光面においては、前記光源からの光を拡散して出光させる第一領域と、前記光源からの光を、前記第一領域における拡散角度とは異なる角度に拡散する第二領域とが設けられている照明装置である。
なお、本明細書において1/2ビーム角とは、照明装置から出光する光の光度が最大となる軸(以下、最大光度軸)を中心軸とし、最大光度が1/2となる軸となす角度の2倍の角度をいう。
前記拡散シートと組み合わせて照射範囲を制御するために、前記1/2ビーム角が0.1度〜30度であるものとし、1度〜20度のものが好ましく用いられる。
また、前記1/2ビーム角が30度を超える光源に対しては、反射板、遮光板や集光レンズ等を用いて1/2ビーム角を0.1度〜30度に制御して用いることもできる。
<光源>
本実施形態の照明装置を構成する光源としては、蛍光灯、白熱電球、ミニクリプトン球、キセノンランプ、LED光源等が挙げられる。
LED光源は、指向性が強く、レンズや反射板と組み合わせることによって配光特性を制御したり、1/2ビーム角を狭くしたりすることが容易であるため、本実施形態の照明装置を構成する光源として好ましい。
図1(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態の照明装置の要部の具体的構成を示す概略図である。
図1(a)、図1(b)に示す照明装置は、凹状反射板11と、凹状反射板11の底部に配置された光源10とを具備している。
具体的には、図1(a)は、光源10を半楕円体状の凹状反射板11と組み合わせた構成例、図1(b)は、光源10を半円筒状の凹状反射板11と組み合わせた構成例である。
また、図1(c)は、光源10をレンズと組み合わせた構成例である。具体的には、図1(c)は、光源10と、出光する光の1/2ビーム角を制御する集光レンズ13とを組み合わせた構成例である。
図1(a)〜(c)中、符号12は、光源からの光が出光する仮想の面であり、「出光部」と称する。
<拡散シート>
本実施形態の照明装置において、拡散シートは上述した光源10と対向する位置、すなわち光源からの出光方向に設けられている。
拡散シートは、光源10からの光が入光できる位置に設けられていればよく、配置角度等、特に限定されるものではない。
図2(a)〜(c)は、図1(a)、図1(c)に示した照明装置の要部と、拡散シート14とを組み合わせた照明装置の具体的な概略構成図である。
照明装置が光源10と凹状反射板11とを組み合わせた構成の場合は、図2(a)に示すように、凹状反射板11の斜面の途中や、図2(b)に示すように凹状反射板11の縁部に配置した構成とすることができる。
照明装置が光源10とレンズ13とを組み合わせた構成の場合には、図2(c)に示すようにレンズ13の出光部12上に拡散シート14を配置できる。光源10とレンズ13とを組み合わせた構成においては反射板が不要であり装置全体をコンパクト化することができるため好ましい。
なお、図2(c)の構成において、拡散シート14はレンズ13の出光部12との間に空気層が介在した状態で配置されていてもよい。なお、空気層の厚さは装置スペースの関係から10mm以下であることが好ましく、空気層の厚さが略0、すなわち拡散シート14とレンズ13とが接した構成とすることによりレンズから出光する狭角ビームを効率的に拡散させることができ、また拡散シート14の支持安定性の観点からも、より好ましい。
次に、本実施形態の照明装置を構成する、特定の拡散角度を有する拡散シートについて説明する。
光源からの光を、所定の照射面に、広範囲に亘って均一に照らすためには、所定の配光制御機能を設けることが必要である。
従来においては、内部に拡散剤を含有する拡散板を用い、光の配光制御を行っていたが、この方法によると、広範囲を照らすことが困難であり、また光の透過率が低下するため、光の利用効率が低くなるという問題がある。
本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14は、入光面及び/又は出光面に、凹凸構造が形成されているものとする。
これにより光の利用効率を高くすることができ、広範囲の配光制御が可能になる。
なお、拡散シート14において、凹凸構造は少なくとも、光源からの光を入光する入光面或いは光源からの光を出光する出光面の少なくともいずれか一方に形成されていればよく、前記入光面及び出光面の両面に形成されていてもよい。
特に、光源からの光を効率よく拡散させるために、前記入光面に前記凹凸構造が形成されていることが好ましい。
図3(a)、(b)は、本実施形態の照明装置の要部を示す具体的な概略構成図である。
図3(a)、(b)の例においては、拡散シート14の凹凸構造15が形成された面側が、光源10からの光の入光面14aとなっている。
なお、前記凹凸構造15が形成されていない側の面、すなわち出光面14bには、グレア抑制のために目的の配光特性を損なわない範囲で凹凸構造を形成してもよく、所定の反射防止処理等を施してもよい。
本実施形態の照明装置において、前記拡散シート14の凹凸構造15が形成された領域における拡散角度は、0.1度〜100度の範囲内であることが好ましい。
特に、配光特性を制御するために、10度〜80度の範囲内であることが好ましく、20度〜70度の範囲であることがより好ましい。
拡散シート14の拡散角度を上記範囲とすることにより、目的とする照射面以外の方向に向かう光のロスを効果的に防止できる。
図4は、本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14における拡散角度の定義を示す説明図である。
なお、「拡散角度」とは、透過光強度(図4中の縦軸は相対値)がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。
この拡散角度は、例えば、変角光度計(日本電色工業社製、GC 5000L)で、拡散シート14の凹凸構造15が形成された面(以下、凹凸面とする)を入光面とし、凹凸面の法線方向に入射した光に対する透過光強度の角度分布を測定することによって求められる。
ここで、拡散シートの法線方向とは、図5に示すように、拡散シート14の凹凸面に対して垂直方向を指す。図4中、透過光強度が最も高くなる基準角度(0°)が、入射光の法線方向と拡散シートとの交点に相当する。
本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14において、前記拡散シート14の表面に、多数の凹凸構造15を形成することによって、図4に示すような分布を有する出射光の拡散角度を発現させることができる。
なお、拡散シート14の凹凸構造15とは、表面に多数の突起部が設けられた構造であり、突起部の形状は、略円錐状、略球状、略楕円体状、略レンチキュラーレンズ状、略放物線状のいずれでもよく、各突起部は、規則的に配列していても、不規則に配列していてもよい。
また、突起部間は連続的な曲面でつながっていてもよい。また、不規則な凹凸が連続的な曲面でつながっている擬似ランダム構造も、好ましく用いることができる。この擬似ランダム構造としては、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された、微細な3次元構造であることが好ましい。
干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された3次元構造は、機械加工では困難であった20μm以下の微細な凹凸構造とすることができる。
特に、干渉露光によるスペックルパターンを用いて凹凸構造を形成する方法は、拡散シート面内の所定の領域において、異なる拡散角度を有するものとする場合にも適した製法である。また、マイクロレンズのような等方形状や、レンチキュラーレンズのような異方形状も容易に形成することができるため、拡散シート14の凹凸構造15の形成方法として好適な方法である。
本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14の凹凸構造15の形状は、目的とする照射範囲の広さ及び形状に応じて任意に設計することができる。
拡散シート14を設けない状態で等方的な出光パターンを示す照明装置において、照射範囲を円形又は正方形とするためには、前記凹凸構造15を等方形状、例えば球体が表面に埋まっているような凹凸形状や、長球や扁球がランダムな方向に表面に埋まっているような凹凸形状とすることが好ましく、また照射範囲を楕円形又は長方形とするには前記凹凸構造15を異方形状、例えば、長球や扁球が特定の角度範囲内で表面に埋まっているような凹凸形状や、レンチキュラー状等とすることが好ましい。
この凹凸構造15のピッチ及び高さは、人間の目の分解能以下、すなわち20μm以下とすることによって目立ちにくくなるため好ましい。また凹凸構造15は、グレア抑制の観点から、連続曲面により形成されている不規則な凹凸構造であることが好ましい。
入光面及び/又は出光面に前記凹凸構造15が形成された拡散シート14は、具体的には、下記のようにして製造できる。
先ず、予め干渉露光により、レーザー光をレンズ、拡散板、アパーチャ、マスク等を介して感光性材料やフォトレジストに照射し、スペックルパターンを形成させたサブマスタ型を作製する。
レーザー照射システムを構成する部材間の距離やサイズを変えてスペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散角度を制御し、異なる拡散角度をもつ凹凸構造15を記録することができる。
一般に、拡散角度は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが小さければ拡散角度が大きい。
また、凹凸構造15を構成する単位構造は、等方性のものに限らず異方性のものを形成することもでき、両者の複合された凹凸構造とすることもできる。
スペックルが横方向を長軸とする楕円形であれば異方拡散性となり、縦方向の拡散角度が高くなる。前記干渉露光によるスペックルを用いることにより、拡散角度が位置によって変化するようなサブマスタ型を作製することも可能である。このサブマスタ型の詳細な製造方法については、特許第3413519号公報及び特許第3390954号公報に開示されている。
上記にようにして得られたサブマスタ型に、電鋳等の方法により金属を被着し、スペックルパターンの転写された金属製のマスタ型を製造する。
次に、光透過性を有する基材シート上に感光性樹脂を塗工し、前記マスタ型を用い、スペックルパターンによる凹凸構造を紫外線照射によって形成する。
紫外線は前記光透過性を有する基材シート裏面から照射され、前記基材シートとマスタ型との境界面に凹凸構造が転写された感光性樹脂層が形成される。光透過性を有する基材シートとしては紫外線を透過する材料を用いることができ、ガラスの他、ポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等の樹脂シートが好ましく用いられる。
なお、拡散角度は、凹凸構造のピッチ、高さ、アスペクト比を変えることによって制御でき、紫外線によって硬化される前記光透過性樹脂層の屈折率を変えて制御してもよい。
本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14は、凹凸構造が形成されたシートを作製後、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート、ガラス等の光透過性材料からなる所定の支持体に粘着材や熱転写等により貼り合わせてもよい。
支持体としては、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等、JIS K7361−1に定める全光線透過率が70%以上の透光性材料であれば好ましく用いることができる。
また、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー等の樹脂に、射出成形によって凹凸構造を形成して作製される拡散シート14は、凹凸構造の転写率が高く、成形品の強度も高いため、照明用途として好ましく用いられる。
一般的に、照明装置においては、出射光の角度が大きければ、面に均一に光照射をすることができるが、意図する方向以外にも出光してしまうため、光が遠くまで届かずに実質的な照射範囲は狭くなってしまう。
一方、出射光の角度が小さければ、照射光はスポット状となり、遠くには届くものの、やはり照射範囲は狭くなってしまう。
本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14は、前記光源10からの光を拡散する第一領域と、前記点光源からの光を拡散し、かつ前記第一領域とは出光する光の拡散角度が異なる第二領域とを有している。
このような構成とすることにより、前記第一領域、前記第二領域から出光した光が、それぞれ異なる拡がり方をし、同一の照射面において二つの領域のそれぞれから出光した光が足し合わされるようになる結果、光源近くの面から遠くの面まで均一な光照射状態が得られるようになる。
図6(a)〜(c)に、拡散シート14の出光面を円形と仮定した場合の、第一領域と第二領域との配置形態の具体例を示す。
図6(a)において第一領域141と第二領域142は、ともに半円形状であり、図6(b)においては第二領域142が三日月形状の2箇所の第一領域141に囲まれており、図6(c)においては円形の第一領域141がドーナツ状の第二領域142に囲まれて存在している。
なお、前記第一領域141と第二領域142の形状及び面積比率は、照明装置の配置や目的とする照射範囲に応じて自由に設計できる。
拡散シート14としては、拡散シート表面のどの方向に出光する光も等しい拡散角度を示す等方拡散シートと、シート表面における出光方向によって拡散角度の異なる異方拡散シートとが挙げられる。
等方拡散シートについては、前述の測定方法によって拡散角度を測定した結果を元に、例えば、60°や60°×0°等のように表記し、異方拡散シートについては、直交する二方向における拡散角度を測定し、例えば、60°×10°や90°×30°等のように表記する。
異方拡散シートにおける異方度Eは、直交する二方向の拡散角度をそれぞれ、a,bとすると、E=(a−b)/(a+b)で表すことができ、60°×10°では、E=0.71、90°×30°ではE=0.50となる。
本実施形態の照明装置においては、光の伸びを長くし、かつ均一照射を実現するために、異方拡散シートを用いることが好ましい。
前記第一領域141と、前記第二領域142においては、拡散角度の異方度の異なるものを組み合わせることが好ましく、どちらか一方を異方拡散シートとしても、両方を異方拡散シートとしてもよい。
なお、拡散角度a,bが等しい異方拡散シートの配置方向を変えて用いる場合は、使用時に得られる拡散効果が第一領域141、第二領域142のそれぞれにおいて異なるため、これも異方度の異なる組合せに含めるものとする。
本実施形態の照明装置においては、照射範囲を高精度に制御するために、前記拡散シートの第一領域141と第二領域142との間に、これら2領域とは出光する光の拡散角度の異なる第三領域143が設けられた構成とすることが好ましい。
図7(a)〜(d)に、拡散シート14の出光面を円形と仮定した場合の、第一〜第三領域の配置形態の具体例を示す。
なお、第一領域141と第二領域142における拡散角度の異方度と、第三領域143における拡散角度の異方度が異なっていてもよく、目的とする照射範囲に応じて前記異方度を制御してもよい。
照射面をより均一に照射するために、前記第三領域143における拡散角度を、前記第一領域141と第二領域142における拡散角度の間で連続的に変化させてもよい。
図8(b)に、凹凸構造形成部140を構成する第一領域141〜第三領域143の拡散シート14における配置形態の具体例として、凹凸構造形成部140の中心部に第二領域142、外周部に第一領域141があり、その中間領域に第三領域143が設けられている模式的平面図を示し、その場合の拡散角度分布の測定例を図8(a)示す。縦軸は拡散角度、横軸は拡散シートにおける第一領域141〜第三領域143を示す。
また、拡散シートの拡散角度が連続的に変化している場合の拡散角度分布の測定例を、図9(a)〜(d)に示す。拡散角度が連続的に変化している場合とは、図9(a)に示すように第三領域143における拡散角度が直線状、図9(b)、(c)に示すように第三領域143における拡散角度が曲線状、図9(d)に示すように第三領域143における拡散角度が直線と曲線との混合状に変化するもののいずれでもよい。
拡散シートを機械加工により作製する場合、数10μm程度の加工が限界であり、凹凸構造15を変化させて連続的に拡散角度を変化させることは、技術面及びコスト面の両面において困難である。
本実施形態の拡散シート14においては、干渉露光によるスペックルパターンによって、20μm以下の凹凸構造を形成させる製法を用いることにより、前記拡散シート面内において拡散角度が連続的に変化する第一領域141〜第三領域143を形成することが容易であり、コスト的にも有利である。
また、グレアを抑制するためには、前記第三領域143の拡散角度を、前記第一領域141と前記第二領域142における拡散角度の間で不連続的に変化させてもよい。
「拡散角度が不連続的に変化している」とは、例えば、図9(e)に示すように、拡散シート14の第三領域143における拡散角度が所定の位置範囲を区切りとして段階的に変化している場合が挙げられる。
一般的に照明装置においては、光源を直視するとグレアが目に入るという問題がある。
このグレアを抑制するためには、出光部に所定の遮光板を配置したり、出光の一部に拡散板を配置したりする手法が採られてきた。
しかしながら、いずれの方法も、特定方向への光の出光を制限する原理によるものであり、光の損失が避けられず、配光特性を制御することも困難である。
そこで、第一領域141と第二領域142との間に、これらの2つの領域とは拡散角度が異なる第三領域143を設け、さらに、前記各領域間で不連続的に拡散角度を変化させ、各領域間の境界部を明瞭にすることにより、特定の方向へのグレアを効果的に抑制することができる。
本実施形態の照明装置において、拡散シート14は、光拡散性を有する複数の単位シートにより構成されているものとすることができる。
具体的には、シート面内で均一な拡散角度を示す単位シートを作製し、これらを所定の粘着剤を用いて基材上に貼り合わせることにより、低コストで照明装置用の拡散シートが得られる。
また、本実施形態の照明装置を構成する拡散シート14は、複数の光源全体を覆うような単一のシートであっても、拡散性を有する複数の単位シートにより構成されていてもよい。
すなわち、前記拡散シート14が、拡散性を有する複数の単位シートにより構成され、前記単位シートが、各光源からの出光領域上に配置された構成としてもよい。
前記単位シートは各光源と一対一に対応していてもよく、複数の光源毎に一つの単位シートを用いてもよい。
例えば、光源と単位シートをひとつのユニットとして用いることで、照明装置の設置方法や光源の配列に対応させて拡散シートの拡散角度を設計する際の自由度が増すため好ましい。
拡散シート14は、凹凸構造15形成面から入射したときのJIS K7361−1に定める全光線透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
拡散シート14における全光線透過率を70%以上とすることで、光源10から照射された光を有効に活用でき、省電力化の観点から好ましいものとなる。
拡散シート14の厚みは、取扱性、コストの観点から0.1mm〜5mmが好ましい。
拡散シート14は、凹凸構造15が形成されたフィルムを作製後、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート、ガラス等の光透過性材料からなる所定の支持体に、粘着剤や熱転写等の方法を用いて貼り合わせた構成としてもよい。
支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ガラス等、JIS K7361−1に定める全光線透過率が70%以上の透光性材料が好ましい。
拡散シート14は、凹凸構造15が形成された面の反対面に、変角用プリズム形状を具備する構成とすることも好ましい。変角用プリズム形状を設けることにより、前記拡散シート14から出光する光の進行方向を変えることができ、光源ユニットの設置方向を変えることなく、照明装置からの出射光強度が最大となる方向を簡便に変更できる。
本実施形態の照明装置は、複数の光源を有する構成としてもよい。
例えば、円盤状の支持体20上に円状(図10(a))、同心円状(図10(b))に配置したり、四角形状の支持体20上に格子状(図10(c))、千鳥格子状(図10(d))に配置したりしてもよい。
図10(a)〜(d)のように光源を配置することにより、所定の面を広範囲に亘り均一に照射することができる。
また、棒状の支持体20上に光源10を一軸方向に配列することも好ましい。光源が一軸方向に配列される形態としては、図11(a)、(b)等の例が挙げられる。
図11(a)、(b)のように光源を配置することにより、照射範囲を特定方向、この場合は光源の配列方向に均一化する効果が得られる。
〔照明システム〕
上述した本実施形態の照明装置は、前記光源10を例えば所望の面を照射するために好適な位置に設けられている凹状の溝や手すりの裏等の、外部から直視しにくい位置に設置し、光源10からの直接光によってではなく、光源10からの光に照らされた照射面からの反射光によって、間接的に周辺環境を明るくする、間接照明システムとして好ましく用いられる。
図12(a)〜(c)に、本実施形態の照明装置を用いた間接照明システムの具体的な構成例を示す。なお、図中の矢印は、面上の照射方向を示している。
前記光源10を支持体上に一軸方向に配列した構成とすると、設置スペースを小さくすることができ、広範囲に均一な照射を行うことができるため、図12(a)に示すように、照明装置30を天井面31に近接する凹状部35に隠し、壁面32を間接的に照明するコーニス照明として好ましく用いられる。
本実施形態の照明装置30は、前記コーニス照明のみならず、設置位置や、照射方向等の配置方法を変更することにより、図12(b)に示すように天井面31を照射するコーブ照明や、図12(c)に示すように壁面32を上下方向に照射するバランス照明等としても好適に用いられる。
これらのいずれの例においても、照明装置30を外部から直接見えないように隠し、かつ光源からの直接光を遮る遮光構造34が備えられた形態とすることが好ましい。
図13に、間接照明システムの一例の概略構成図を示す。
図13(a)は正面図、図13(b)は側面図である。
この例の間接照明システムは、図2(c)に示すように集光レンズ13を備えた光源10が支持体20上に水平方向に直線状に配列した構成の照明装置によって壁面を照明するものである。
図13において、照明装置30は天井面31に形成されている凹状構造(図13(b)中、符号31a)内部に設置されている。
この例において前記照明装置30は、図13(b)に示すように、照射する壁面31に対して所定の角度傾けて配置されている。これにより拡散シート14による拡散効果及び偏向効果と合わせて、壁面32の所定位置周辺を狙って、広範囲における輝度を均一化できる。
図14に、図13(a)、(b)中に示した矢印方向、すなわち照明装置を下方から観察した場合の模式図を、前記第一領域141と第二領域142の構成として示す。
本実施形態の間接照明システムによって所定の面(この場合は壁面32)を間接的に照明する場合は、図3に示した拡散シート14の出光面14bにおける、出射光強度が最大となる位置を通る出光面14b内の直線を中心線Sとしたとき、前記中心線Sと壁面とのなす角γが0度以上90度未満であり、かつ、前記中心線Sに対して所定の照射面(壁面32)側に位置する領域を第一領域141とし、所定の照射面と反対側に位置する領域を第二領域142とし、前記第二領域142から出光する光の拡散角度が異方性となるように前記拡散シート14を配置することが好ましい。
前記角度γは、0度以上60度以下とすることが好ましく、0度以上45度以下とすることにより壁面32側へ効果的に光を偏向できるようになるため、より好ましい。
また、前記角度γは、各光源10上の出光部において異なっていてもよい。
ここで、拡散シート14において第一領域141と第二領域142とを図14に示す配置構成とした場合の、間接照明システムにおける光の伸びの状態を図15に示す。
なお、図15(a)は正面図、図15(b)は側面図である。
図15(a)、(b)において、拡散シート14の第一領域141から出光する拡散光をA、第二領域142から出光する拡散光をBとし、図15(a)においては、各々の照明装置から出光する拡散光をA+Bとして表した。
ここで、図15(b)に示すように、拡散シート14の第二領域142から出光する光の一部には、壁面32から遠ざかる方向に照射される成分がある。よって、前記第二領域142において拡散角度の異方性を利用し、意図する方向、すなわち壁面32方向に光線を偏向させ、所定の照射面(この場合は壁面32)が効率的に照明されるようにすることが好ましい。
図14に示すように、拡散シート14において前記第一領域141と第二領域142とが形成されている場合であって、前記拡散シート14の第二領域142において出光する光が異方性を有している場合、前記第二領域142において、所定の照射面(壁面32)と平行方向に出光する光の拡散角度を、所定の照射面(壁面32)と直交する方向に出光する光の拡散角度よりも大きくすることが好ましい。
特に、光源10を一軸方向に配列し、各々の光源からの帯状の出射光を足し合わせることによって、広い照射範囲を実現する際に、上述の構成とすることにより、図15(a)に示した前記帯状の出射光同士の中間領域Cへ光を偏向させることができるため、均一に所定の照射面(壁面32)を照射できるため好ましい。
また、前記形態によって、さらに光源10の間隔を広げることも可能となり、光源数の削減にも繋がり省エネの観点からも好ましい。
本実施形態の間接照明システムにより、所定の照射面(壁面32)を間接的に照明する際、図14に示すように、前記中心線Sで分けられ、所定の照射面(壁面32)と反対側に位置する第二領域142における光の拡散角度が異方性を示す場合において、前記拡散シート14の第一領域141においては、所定の照射面(壁面32)上の光源近傍領域へ光を偏向させ、光源近傍から遠くにかけての壁面輝度を均一化するために、拡散角度を等方性としてもよい。
照明装置30と壁面32の位置関係について、図16を参照して説明する。
照明装置30と壁面32との位置関係は、光源10と壁面32との距離H、照明装置30における最大光度軸AXと壁面32との成す角度θ、壁面32上の光源直下の位置Pから、前記最大光度軸AXと壁面32との交点、すなわち、照明装置30の焦点位置までの距離Lによって定められる。
照明装置30の配置方法(H、L、θ)に対応し、前記第一領域141における等方拡散の拡散角度を制御することが好ましい。
例えば、光源10と壁面32との距離Hが大きくなる、あるいは最大光度軸AXと壁面32とのなす角度θが小さくなると、壁面32上の光源直下近傍の輝度が低くなるが、前記第一領域141における拡散角度を大きくすることにより、光源近傍へ均一な光を照射することができ、その結果、光源近傍の壁面32から光源10から遠くの壁面まで、均一な輝度で照射することが可能となる。
本実施形態の間接照明システムにおいては、図16に示す最大光度軸AXと壁面32とのなす角度θが0度〜30度の範囲となるように、照射面(壁面32)に対して照明装置30を配置することが好ましい。
前記角度θを0度〜30度となるように前記照明装置30を配置することにより、壁面32の輝度、照射範囲の中心位置(輝度が最大となる位置)や照射範囲の広さ等を制御してもよい。
前記角度θを0度〜30度とすることにより、壁面32の輝度、照射範囲の広さのバランスが良好となる。
本実施形態の間接照明システムにより、所定の照射面(壁面32)を間接的に照明する際、図14に示すように、前記中心線Sで分けられ、所定の照射面(壁面32)と反対側に位置する第二領域142における光の拡散角度が異方性を示す場合において、前記拡散シート14の第一領域141から出光する光の拡散角度を異方性とすることもできる。
上記第二領域142における光の拡散角度が異方性を示すものとし、さらには第一領域141における光の拡散角度も異方性を示すものとすることにより、各光源10から出光される帯状の光同士の中間領域へ光を偏向させ、最大光度軸方向と直交する方向における壁面輝度を均一化し、かつ光源近傍から遠くにかけての壁面輝度を均一化することができるようになる。
特に、前記第一領域141及び第二領域142において出光する光の拡散角度をともに異方性とすることで、所望の偏向状態を形成することができるようになり、様々な照明装置の配置状況や目的とする照射範囲に応じた微細な設計が可能となるため、より好ましい。
この場合、前記第一領域141と第二領域142における拡散角度の異方度は等しくても、異なっていてもよい。
また、図14に示すように、前記中心線Sで分けられた所定の照射面(壁面32)側に位置する前記第一領域141では、壁面32と直交する方向の拡散角度を、壁面32と平行方向の拡散角度よりも高くし、前記中心線Sで分けられた所定の照射面(壁面32)と反対側に位置する前記第二領域142では、壁面32と直交する方向の拡散角度を、壁面32と平行方向の拡散角度よりも高くすることがより好ましい。これにより壁面32の輝度を均一化しつつ壁面32と照明装置30の距離を縮めることによって照明装置30の設置スペースを小さくすることができる。
本実施形態の間接照明システムにおいては、光源10として、色温度2500K〜4000Kのものが好ましく用いられ、特に2800K〜3500Kのものがより好ましく用いられる。
色温度をこの範囲にすることにより、特に住宅等の居住環境において、人がリラックスできる環境を提供可能となる。
なお、前記色温度は、工場内設備や、屋外設備等、用いられる環境に応じて自由に選択可能である。
以下、本発明の実施例と、比較例を挙げて具体的に説明する。
なお、本実施例は、間接照明システムを壁面照明に適用した例である。
〔ライン状LED光源〕
集光レンズ付きのLED光源(パナソニック電工社製LEDダウンライト(商品名:NNF21610Cに用いられている集光レンズ付きLED光源))を、厚さ8mm、長さ1000mmのアルミニウム支持体上に、60mmピッチで直線状に16個設置した。
なお、前記レンズ付きのLED光源単独としては、1/2ビーム角が11°のものを用いた。
アルミニウム支持体は、放熱板としての機能も有する。
〔拡散シート〕
スペックルパターンを制御して種々の凹凸構造が表面に形成されたマスタ型を作製した。
予め干渉露光により、レーザー光を、レンズ、拡散板、アパーチャ、マスクを介して、フォトレジストに照射し、スペックルパターンを形成させたマスタ型を作製した。
次に、マスタ型を用い、厚さ188μmのポリエステル樹脂フィルム上に紫外線硬化性樹脂からなる凹凸構造を賦形し、拡散シートを作製した。
上記のようにして作製した拡散シートの、凹凸構造が形成された面を入光面とした。
凹凸構造が形成された面の法線方向に入射した光に対する透過光強度の角度分布を、変角光度計(GC 5000L、日本電色工業社製)で測定した。
なお、拡散角度が異方性を示す拡散シートについては、前記拡散角度が最大を示す方向と、前記拡散角度が最大を示す方向と直交する方向の、二方向における拡散角度を測定し、60°×30°のように表記した。
〔照明装置の配置〕
LEDライン状光源のレンズにおける出光部面上に、拡散シートを、当該拡散シートの凹凸構造形成面が、LED光源から出光する光が入る入光面となるように配置し、照明装置を構成した。
所定の壁面に、白色の壁紙(商標名:アースウォールWEN3001、東リ社製)を貼り付けた。壁紙アースウォールWEN3001は、最表面に撥水樹脂層を有しており、その下の表層部には珪藻土からなる微細孔構造を有している。
図16に示す構成において、光源10と壁面32との距離L=100mm、最大光度軸AXと壁面32とのなす角度θ=11°となるように、照明装置30を配置した。
〔壁面輝度の測定〕
壁面輝度は、2次元色彩輝度計(CA−2000、コニカミノルタセンシング社製)を用いて測定した。
輝度計は、輝度を測定する壁面と水平距離2500mm離して配置し、壁面上における照明装置直下の位置を基準線とし、L=0〜90cmの範囲における壁面輝度の測定を行った。図17に、壁面輝度の2次元分布を示す。
図17において、L=10、200、400、600(mm)の直線をそれぞれの中心線とし、それぞれの直線上において、床面方向(Y方向)に±10mm、光源配列方向(X方向)に1000mmの範囲における輝度値(それぞれ順に、A、B、C、D)を測定した。
次に、A〜Dの各輝度値について、隣接する中心線上の輝度値との比Rをそれぞれ、A/B、B/C、C/Dとして算出した。
この輝度比Rを、床面方向への光の伸びを表す指標とした。
また、輝度測定領域において、X方向に1000mm、Y方向にL=0〜L=600mmの範囲における輝度の標準偏差(S.D.)を測定し、X方向における輝度ムラの指標とした。
それぞれの拡散シートを配置した際の、輝度の2次元分布画像の測定結果を、前記輝度比R、標準偏差S.D.の解析結果と合わせて、下記のような基準で間接照明システムの総合評価とした。
○ : 実用可能(光源近傍からの光の伸びが良好、かつ輝度ムラが小さい。)
△ : 実用困難(光源近傍を照射できるが、光の伸びが悪い。)
× : 実用不可(光源配列方向の輝度ムラが大きい。)
〔実施例1〕
実施例1の照明装置においては、拡散シートとして、第一領域141と第二領域142のどちらも、拡散角度が異方性を示すものを配置した。
拡散シートは、図14に示すようにLED光源直上を結ぶ直線を中心線Sとし、壁面側の第一領域141における拡散角度は、(壁面と平行方向の拡散角度H)×(直交する方向の拡散角度V)=35°×75°、壁面側と反対側の第二領域142における拡散角度は、H×V=60°×10°の異方性となるように配置した。
なお、前記拡散角度は、第一領域141と第二領域142の境界部において、不連続的に変化している。
実施例1の輝度比及び標準偏差の解析結果を下記表1に示し、照射された壁面の様子を図18(a)に示した。
実施例1においては、床面方向に均一な光を、光源近傍の壁面から約500mmの範囲で床面方向に照射することができ、間接照明システムとして実用上良好な特性を有していることが分かった。
〔比較例1〕
比較例1の照明装置においては、拡散シートとして、拡散角度がシート面内の全領域において40°であるものを用いた。その他の条件は実施例1と同様として照明システムを構成した。
比較例1における輝度比及び標準偏差の解析結果を表1に示し、照射された壁面の様子を図18(b)に示した。
比較例1においては、光源近傍の壁面の照射状態は良好であり、また、光源の配列方向に対する輝度ムラの評価も優れていたが、照射範囲が光源近傍から約300mmであり、光の伸びが不十分であり、間接照明システムとしては実用上良好な特性を有してないものであることが分かった。
〔比較例2〕
比較例2の照明装置においては、拡散シートを配置せず、LED光源のみを用いた。
その他の条件は実施例1と同様として照明システムを構成した。
比較例2における輝度比及び標準偏差の解析結果を表1に示し、照射された壁面の様子を図18(c)に示した。
比較例2においては、光源配列方向の輝度ムラが大きく、照明装置の配置を変えてもこの輝度ムラを解消することは困難であった。
また、光源近傍から床面方向へ約200mmまでの、光源から近い範囲を照射できず、間接照明システムとしては実用上十分な特性を有していないことが分かった。
本発明の間接照明システム用の照明装置、及び間接照明システムは、住宅や店舗の間接照明システムとして、産業上の利用可能性がある。
10 光源
11 反射板
12 出光部
13 レンズ
14 拡散シート
14a 入光面
14b 出光面
15 凹凸構造
20 支持体
30 照明装置
31 天井
32 壁面
33 床面
34 遮光構造
35 凹状部
140 凹凸構造形成部
141 第一領域
142 第二領域
143 第三領域

Claims (14)

  1. 光源と、
    当該光源からの出光方向に設けられている拡散シートと、
    を具備し、
    前記拡散シートは、前記光源からの光が入光する入光面及び前記光源からの光が出光する出光面を有し、
    前記光源からの光は、1/2ビーム角が0.1度〜30度であり、
    前記拡散シートは、前記入光面及び/又は前記出光面に、凹凸構造が形成されており、
    前記拡散シートの前記出光面においては、
    前記光源からの光を拡散して出光させる第一領域と、
    前記光源からの光を、前記第一領域における拡散角度とは異なる角度に拡散する第二領域とが設けられている照明装置。
  2. 前記拡散シートの前記第一領域と第二領域とは、出光する光の拡散角度の異方度が異なる請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記拡散シートの凹凸構造が形成されている領域における前記入光面に略垂直に光線が入射した場合、前記出光面から出光する光の拡散角度が0.1度〜100度である請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 前記拡散シートの第一領域と第二領域との間に、出光する光の拡散角度が異なる第三の領域を、さらに有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明装置。
  5. 前記拡散シートの第一領域と第二領域との間に、出光する光の拡散角度の異方度が異なる第三領域を、さらに有する請求項4に記載の照明装置。
  6. 前記第三領域の拡散角度が、前記第一領域と前記第二領域との間で、連続的に変化する請求項4又は請求項5に記載の照明装置。
  7. 前記第三領域の拡散角度が、前記第一領域と前記第二領域との間で、不連続的に変化する請求項4又は請求項5に記載の照明装置。
  8. 前記拡散シートが、光拡散性を有する複数の単位シートにより構成されている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記光源が、一軸方向に配列されている請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明装置が、所定の照射面に光を照射するように配置されている間接照明システム。
  11. 前記拡散シートの前記出光面における出射光強度が最大となる位置を通る出光面内の直線であって、前記所定の照射面に対して0度以上90度未満の角度を成す直線を中心線としたとき、
    前記中心線に対して、所定の照射面側に位置する領域が前記第一領域であり、
    前記中心線に対して、所定の照射面と反対側に位置する領域が前記第二領域であり、
    前記第二領域から出光する光の拡散角度が異方性を示す請求項10に記載の間接照明システム。
  12. 前記拡散シートの前記出光面における出射光強度が最大となる位置を通る出光面内の直線であって、前記所定の照射面に対して0度以上90度未満の角度を成す直線を中心線としたとき、
    前記中心線に対して、所定の照射面側に位置する領域が前記第一領域であり、
    前記中心線に対して、所定の照射面と反対側に位置する領域が第二領域であり、
    前記第二領域から前記所定の照射面と平行方向に出光する光の拡散角度の方が、所定の照射面と直交する方向に出光する光の拡散角度よりも大きい請求項10又は11に記載の間接照明システム。
  13. 前記第一領域から出光する光の拡散角度が等方性を示す請求項11又は12に記載の間接照明システム。
  14. 前記第一領域から出光する光の拡散角度が異方性を示す請求項11又は12に記載の間接照明システム。
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