JP2011053567A - レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに含窒素高分子化合物 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに含窒素高分子化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できる、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに当該レジスト組成物用として有用な含窒素高分子化合物の提供。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、前記基材成分(A)は、一般式(a0)[式中、R21は水素原子又は有機基である。R27はアルキレン基、2価の脂肪族環式基又は2価の芳香族炭化水素基である。R28はアルキル基、1価の脂肪族環式基又は1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物を含有するレジスト組成物。
Figure 2011053567

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに当該レジスト組成物用として有用な含窒素高分子化合物に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)の電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えばポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかる、レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
また、ベース樹脂及び酸発生剤以外に、たとえばアルキルアミン、アルキルアルコールアミン等の含窒素有機化合物を化学増幅型レジスト組成物に配合することが行われている。該含窒素有機化合物は、酸発生剤から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用し、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性の向上に寄与する。
現在、該含窒素有機化合物としては、一般的に3級アミンが広く用いられている。また、パターンの微細化に伴い、孤立パターン形成の際のプロセスマージン等の向上を図るため、種々の含窒素有機化合物が用いられている(たとえば、特許文献2〜3参照)。
特開2003−241385号公報 特開2001−166476号公報 特開2001−215689号公報
今後、リソグラフィー技術のさらなる進歩、応用分野の拡大等が予想されるなか、リソグラフィー用途に使用できる新規な材料に対する要求がある。たとえばパターンの微細化が進むにつれ、レジスト材料には、解像性、焦点深度幅(Depth of Focus(DOF))、ラインワイズラフネス(LWR)、面内均一性(CDU)等の種々のリソグラフィー特性又はパターン形状(例えばラインパターンであれば矩形性、ホールパターンであれば真円性)の向上がこれまで以上に求められる。
しかしながら、含窒素有機化合物として3級アミンを用いたレジスト組成物においては、露光領域から未露光領域への酸拡散の制御及び環境耐性の効果は認められるものの、求核性や塩基性度が高すぎることにより、レジスト組成物に含まれる酸発生剤中または基材成分中のエステル部位と反応して分解を引き起こすため、保存安定性が低く、リソグラフィー特性も低下するという問題があった。
特許文献2、3に記載された含窒素有機化合物を含有するレジスト組成物は、パターンの微細化が進むにつれて要求されるリソグラフィー特性又はパターン形状を、未だ充分に満足できるものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できる、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに当該レジスト組成物用として有用な含窒素高分子化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、酸発生剤から発生する酸をトラップするクエンチャーとして、特定の窒素原子含有基を含む構成単位を有する高分子化合物をベース樹脂として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、前記基材成分(A)は、下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物を含有することを特徴とするレジスト組成物である。
Figure 2011053567
[式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程及び前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本発明の第三の態様は、下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物である。
Figure 2011053567
[式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
本明細書および本特許請求の範囲で「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本明細書で「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方又は両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
本発明によれば、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できる、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに当該レジスト組成物用として有用な含窒素高分子化合物を提供できる。
≪レジスト組成物≫
本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)を含有する。
かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、(B)成分から酸が発生し、該酸が(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させる。その結果、当該レジスト膜の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部はアルカリ現像液に対する溶解性が変化しないため、アルカリ現像することにより、ポジ型の場合は露光部が、ネガ型の場合は未露光部が溶解除去されてレジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
本明細書および本特許請求の範囲で「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物を意味する。
<(A)成分>
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、前記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物(以下「(A1)成分」という。)を含有する。当該(A1)成分を含有することにより、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できる。
前記構成単位(a0)は、アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
(A1)成分は、構成単位(a0)に加えて、さらに、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。この場合における(A1)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分である。すなわち、本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により前記(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は、アルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
また、(A1)成分は、構成単位(a0)および構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a0)および構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a0)、(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
上記のように、(A1)成分は、構成単位(a0)に加えて、さらに、他の構成単位を有することにより、レジスト溶剤への溶解性が高まって本発明の効果がより向上する。
(構成単位(a0))
構成単位(a0)は、下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位である。
Figure 2011053567
[式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
前記式(a0)中、R21は、水素原子又は有機基である。
21の有機基としては、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基;置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基、アリル基、これらの組み合わせ、またはこれらとエーテル結合との組み合わせが好ましい。
21の置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜21であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10がさらに好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
21の置換基を有していてもよい分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜21であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10がさらに好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
該直鎖状または分岐鎖状のアルキル基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、酸素原子(=O)、SO、C(=O)−O等が挙げられる。
21の置換基を有していてもよい環状のアルキル基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜20であることが好ましく、3〜18であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロプロピル、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
環状のアルキル基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記環状のアルキル基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基の置換基としてのフッ素化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
21の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、その炭素数は6〜16であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜10がさらに好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
上記のなかでR21の好適なものとしては、本発明の効果に優れることから、下記一般式(a0−0−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R24は置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基であり、bは0又は1である。R25はC=O、SO、SO又はC(=O)−Oであり、cは0又は1である。R26は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基又はアリル基であってエーテル結合を含んでいてもよい。]
前記式(a0−0−1)中、R24は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基である。アルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、直鎖状がさらに好ましい。その炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
直鎖状のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキレン基として、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基が挙げられる。
前記式(a0−0−1)中、bは、0又は1であり、0であることが好ましい。
前記式(a0−0−1)中、R25は、C=O、SO、SO又はC(=O)−Oであり、C(=O)−Oであることが好ましい。
前記式(a0−0−1)中、cは、0又は1であり、0であることが好ましい。
前記式(a0−0−1)中、R26は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基又はアリル基であってエーテル結合を含んでいてもよい。
26の置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体的には、上記R21の置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基、または上記R21の置換基を有していてもよい分岐鎖状のアルキル基のうち、炭素数1〜15のものと同様のものが挙げられる。
26の置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜20であることが好ましく、3〜18であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、上記R21の置換基を有していてもよい環状のアルキル基と同様のものが挙げられる。
26の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、その炭素数は6〜16であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜10がさらに好ましい。具体的には、上記R21の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
前記式(a0−0−1)において、R26としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、または脂肪族環式基であることが好ましく、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数3〜10の脂肪族環式基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基であることがさらに好ましい。
前記式(a0)中のR27、R28において、「置換基を有していてもよい」とは、R27、R28のそれぞれの基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていてもよいことを意味する。
置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基、極性基又は極性基を含有する基などが挙げられる。
27、R28の置換基において、アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が好ましく挙げられ、特にフッ素化アルキル基が好ましい。
極性基又は極性基を含有する基において、該極性基の好適な具体例としては、エーテル基(−O−)、エステル基、ヒドロキシ基(−OH)、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボキシ基(−COOH)、酸素原子(=O)、シアノ基(−CN)、ラクトン環、アミノ基(−NH)、アミド基(−NHC(=O)−)、−CH(=O)−が挙げられる。
極性基を含有する基(以下「極性基含有置換基」という。)は、その構造中に極性基を含む基または原子をいう。
極性基含有置換基としては、炭素数1〜10であるものが好ましく、炭素数1〜8であるものがより好ましく、炭素数1〜5であるものがさらに好ましく、たとえば、アルキルオキシ基(アルコキシ基)、ヒドロキシアルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
前記式(a0)中のR27、R28としては、それぞれの炭素数が1〜50であることが好ましく、2〜50であることがより好ましく、3〜50であることがさらに好ましい。
28における「アルキル基」としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等の直鎖状のアルキル基;
1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。
28における脂肪族環式基としては、環状の飽和炭化水素基(飽和炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、又は該環状の飽和炭化水素基が前述した「アルキル基」の末端に結合するか若しくは「アルキル基」の途中に介在する基などが挙げられる。環状の飽和炭化水素基は、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
28における芳香族環式基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
27におけるアルキレン基、2価の脂肪族環式基、又は2価の芳香族環式基としては、R28についての説明おける「アルキル基」、脂肪族環式基、芳香族環式基のそれぞれから、さらに1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
ただし、R27とR28とは、相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。
上記のなかで、前記一般式(a0)で表される基の好適なものとしては、本発明の効果に優れることから、下記一般式(a0−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R20はメチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHであり;R21は水素原子又は有機基であり;R22はアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基である。ただし、R23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。aは0又は1である。]
前記式(a0−1)中、R20は、メチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHであり、メチレン基であることが好ましい。
前記式(a0−1)中、R21は、上記式(a0)におけるR21と同じであり、前記式(a0−0−1)で表される基「R26−(R25−(R24−」であることが好ましい。R24〜R26、b、cはそれぞれ前記と同じである。
前記式(a0−1)中、R22は、アルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基である。
22のアルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
22のアルコキシカルボニルオキシ基としては、たとえば、一般式、−O−C(=O)−O−R220[式中、R220は炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基である。]で表される基が挙げられ、具体例としては、tert−ブチルオキシカルボニルオキシ基、tert−ブチルオキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
22のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。
23の直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜8がさらに好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。
23の分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜15であることが好ましく、3〜10であることがより好ましく、3〜8がさらに好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等が挙げられる。
23の不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられる。
23の脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、その炭素数は3〜20であることが好ましく、3〜18であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
23の芳香族炭化水素基としては、炭素数が6〜16であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜10がさらに好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
前記式(a0−1)において、R22としては、ヒドロキシ基であることが好ましい。
前記式(a0−1)中、aは0又は1であり、0であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物において、構成単位(a0)は、合成が容易で、本発明の効果も良好であることから、アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
構成単位(a0)において、当該アクリル酸エステルから誘導される構成単位のなかで好適なものとしては、下記一般式(a0−1−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。R20、R21、R22およびaは、前記式(a0−1)におけるR20、R21、R22およびaとそれぞれ同じである。]
前記式(a0−1−0)において、Rの炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
構成単位(a0)の好適な具体例としては、後述の≪含窒素高分子化合物≫における、構成単位(a0)を誘導するモノマーの好適な具体例で示したモノマーから誘導される構成単位(当該例示したモノマーのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位)が挙げられる。α位の炭素原子には、置換基が結合しているもの、たとえばメチル基、トリフルオロメチル基が結合しているものが好ましく挙げられる。
構成単位(a0)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a0)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜50モル%が好ましく、1〜35モル%がより好ましく、1〜25モル%がさらに好ましく、1〜10モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、焦点深度幅(DOF)、ラインワイズラフネス(LWR)、面内均一性(CDU)等のリソグラフィー特性のより良好なレジストパターンを形成することができる。また、良好な形状のレジストパターンを形成することができる。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
(構成単位(a1))
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し;R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環または多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特に、R17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19が、それぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し、Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し、Xは酸解離性溶解抑制基を示し、Yは2価の連結基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、またはアルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組み合わせ等が挙げられる。
が−NH−の場合における置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
が「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するかまたは鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;Yは2価の連結基を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。]
前記式中、X’は、前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、一般式(a1−1)または(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−4)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−1−26)、(a1−3−25)〜(a1−3−28)および(a1−3−29)〜(a1−3−32)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−3)および(a1−1−26)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)および式(a1−1−20)〜(a1−1−23)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−3−25)〜(a1−3−26)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、式(a1−3−27)〜(a1−3−28)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)、式(a1−3−29)〜(a1−3−32)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるものも好ましい。
その中でも、本発明の効果に優れることから、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し、R11は炭素数1〜5のアルキル基を示す。R12は炭素数1〜7のアルキル基を示す。hは1〜6の整数を表す。]
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の炭素数1〜5のアルキル基はRにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の炭素数1〜5のアルキル基はRにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。hは、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し;R14は炭素数1〜5のアルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、dは1〜10の整数である。]
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し;R14は炭素数1〜5のアルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、dは1〜10の整数であり、n’は1〜6の整数である。]
Figure 2011053567
[式中、Rは前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、X’は酸解離性溶解抑制基であり、nは0〜3の整数である。]
前記一般式(a1−3−01)〜(a1−3−03)において、Rについては上記と同様である。
13は、水素原子が好ましい。
14の炭素数1〜5のアルキル基は、Rにおける炭素数1〜5のアルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
dは、1〜8の整数が好ましく、2〜5の整数が特に好ましく、2が最も好ましい。
’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a1−3)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性溶解抑制基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基であることが好ましく、環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基がより好ましく、中でも、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が好ましい。
nは0〜3の整数であり、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜80モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、15〜75モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(構成単位(a2))
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりする上で有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;mは0または1である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、前記一般式(a1−0−2)中のYで説明した2価の連結基と同様であり、それらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。R29における2価の連結基としてのアルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。具体的には、前記YのうちAにおける脂肪族炭化水素基で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
s”は1〜2の整数が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
(A1)成分において、構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、(A1)成分は、構成単位(a2)として、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)のいずれかで表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましく、前記一般式(a2−1)〜(a2−3)のいずれかで表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(a2−1)および(a2−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが特に好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a2)の割合は、当該(A1)成分を含有するポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の基板等の支持体への密着性、現像液との親和性等に優れることから、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜70モル%以上であることが好ましく、10〜65モル%がより好ましく、15〜65モル%がさらに好ましく、20〜60モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(構成単位(a3))
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、環状の脂肪族炭化水素基(環式基)が挙げられる。該環式基としては、単環式基でも多環式基でもよく、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該環式基としては多環式基であることが好ましく、炭素数は7〜30であることがより好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、下記式(a3−2)で表される構成単位、下記式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rは前記と同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。]
式(a3−1)中、jは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが特に好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5または6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位に対し、1〜50モル%であることが好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(その他の構成単位)
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a0)、(a1)〜(a3)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
他の構成単位は、上述の構成単位(a0)、(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
他の構成単位としては、例えば、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)、サルトン構造を側鎖に有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a5)、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a6)、スチレンから誘導される構成単位(a7)、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が置換基により保護された構成単位(a8)などが好ましい。
・構成単位(a4)について
構成単位(a4)は、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2011053567
[式中、Rは前記と同じである。]
構成単位(a4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構成単位(a4)を(A1)成分に含有させる場合、構成単位(a4)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜20モル%が好ましく、1〜15モル%がより好ましく、1〜10モル%がさらに好ましい。
・構成単位(a5)について
構成単位(a5)は、サルトン構造を側鎖に有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。構成単位(a5)を有することにより、解像性、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性が向上する。
構成単位(a5)のなかで好適なものとしては、たとえば下記一般式(a5−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rは前記と同じであり、R’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、n10は0〜2である。Rはサルトン構造を有する基である。]
’における直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましく、1〜2が最も好ましい。
10は、0又は1が好ましい。
として具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、A’は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子であり;zは0〜2の整数であり;Rはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基又はシアノ基であり、R”は水素原子又はアルキル基である。]
前記一般式(3−1)〜(3−4)中、A’は、酸素原子(−O−)若しくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2の整数のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、前記構成単位(a2)のなかで説明したR”と同じであり、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であることが好ましい。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
構成単位(a5)として具体的には、下記一般式(a5−1−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R、R’、n10、A’はそれぞれ前記と同じである。]
構成単位(a5)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構成単位(a5)を(A1)成分に含有させる場合、構成単位(a5)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜60モル%が好ましく、5〜55モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a5)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a6)について
構成単位(a6)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a6)を有することにより、本発明の効果に加えて、ドライエッチング耐性が向上する。さらに、構成単位(a6)は、原料であるヒドロキシスチレンが容易に入手可能で低価格である等の利点も有する。
本明細書において、「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。
なお、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことである。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
構成単位(a6)のなかで好適なものとしては、下記一般式(a6−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2011053567
[式中、R’は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり;Rは炭素数1〜5のアルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。]
前記式(a6−1)中、R’の炭素数1〜5のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
’としては、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2又は3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
qは0〜2の整数である。これらのうち、qは0又は1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
の炭素数1〜5のアルキル基としては、R’の炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。
の置換位置は、qが1である場合はo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。qが2である場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のRは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
構成単位(a6)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中の構成単位(a6)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。該範囲の下限値以上であると、適度なアルカリ溶解性が得られ、構成単位(a6)を含有させることによる効果が充分に得られる。該範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
・構成単位(a7)について
構成単位(a7)は、スチレンから誘導される構成単位である。
本発明においては、構成単位(a7)は必須ではないが、これを含有させると、アルカリ現像液に対する溶解性を制御することができる。また、ドライエッチング耐性が向上するため、好ましい。
本明細書において、「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。スチレンは、フェニル基の水素原子が炭素数1〜5のアルキル基等の置換基で置換されていてもよい。
構成単位(a7)のなかで好適なものとしては、下記一般式(a7−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2011053567
[式中、R’は前記と同じであり;Rは炭素数1〜5のアルキル基であり;rは0〜3の整数である。]
前記一般式(a7−1)中、R’およびRは、それぞれ上記式(a6−1)中のR’およびRと同様のものが挙げられる。
rは0〜3の整数であり、0又は1であることが好ましく、工業上、0であることが特に好ましい。
rが1である場合、Rの置換位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
rが2又は3である場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のRは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
構成単位(a7)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分が構成単位(a7)を有する場合、(A1)成分中の構成単位(a7)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましく、5〜15モル%がさらに好ましい。該範囲の下限値以上であると、構成単位(a7)を含有させることによる効果が高く、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(構成単位(a8))
構成単位(a8)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が置換基により保護された構成単位である。
構成単位(a8)において、前記置換基としては、たとえば、第3級アルキル基含有基、アルコキシアルキル基、酸解離性溶解抑制基、酸解離性溶解抑制基を含む有機基が挙げられる。
・第3級アルキル基含有基について
本明細書において「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
構成単位(a8)において、第3級アルキル基含有基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基、環状構造を有する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
式(I)中、R121〜R123は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;上述した分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。式(II)中のR121〜R123は、前記式(I)中のR121〜R123と同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
Figure 2011053567
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記一般式(III)で表される基が挙げられる。式(III)中のR121〜R123は、前記式(I)中のR121〜R123と同様である。fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
Figure 2011053567
環状構造を有する第3級アルキル基含有基は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、第3級アルキル基として下記(1)または(2)の基を有する基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記(1)の基における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが最も好ましい。
(1)の基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
すなわち、一般式で表すと、前記(1)に係る環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、下記式(p0)で表されるものが好ましく、下記式(p0−1)で表されるものがより好ましく、下記式(p0−1−1)で表されるものがさらに好ましい。
Figure 2011053567
[式中、Yは単結合または2価の連結基であり、R14は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rは当該Rが結合している炭素原子と共に脂肪族環式基を形成する基である。]
が当該Rが結合している炭素原子と共に形成する脂肪族環式基は、上記環状構造(脂肪族環式基)と同様のものが挙げられ、好ましくは多環式の脂肪族環式基である。
Figure 2011053567
[式中、R13は水素原子またはメチル基であり、R14は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rは当該Rが結合している炭素原子と共に脂肪族環式基を形成する基である。]
Figure 2011053567
[式中、R13は水素原子またはメチル基であり、R14は炭素数1〜5のアルキル基である。]
前記式(p0)、(p0−1)、(p0−1−1)中、R13、R14、Yは、上述した構成単位(a1)のなかで説明したR13、R14、Yとそれぞれ同じである。
前記(2)において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
(2)の基としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
式(IV)中、R124は、置換基を有していてもよく有していなくてもよいシクロアルキル基である。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
125、R126は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。
該アルキル基としては、前記式(I)中のR121〜R123のアルキル基と同様のものが挙げられる。
・アルコキシアルキル基について
構成単位(a8)において、アルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
式(V)中、R51は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。
51が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
51が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
52は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
上記のなかでも、アルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2011053567
式(VI)中、R51は前記と同じであり、R53、R54はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または水素原子である。
53、R54において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特に、R53、R54の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
・酸解離性溶解抑制基について
構成単位(a8)において、酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、下記酸解離性溶解抑制基(VII)に例示するもの等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(VII)としては、下記一般式(VII−a)で表される基、下記一般式(VII−b)で表される基が挙げられる。
Figure 2011053567
[式(VII−a)中、R127は直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し;Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基又は炭素数1〜5のアルキル基を表し;nは0〜3の整数を表す。式(VII−b)中、Xは前記式(VII−a)におけるXと同じであり;Rは水素原子若しくは炭素数1〜5のアルキル基を表し、又は、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよく;Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し;nは0〜3の整数を表す。]
前記一般式(VII−a)中、R127は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。
該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
前記式(VII−a)および(VII−b)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
前記式(VII−a)および(VII−b)中、Xは、それぞれ独立して、脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
における脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。脂肪族環式基は、たとえば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされず、該環構造中に酸素原子等を有していてもよい。
炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
の芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記ヒドロキシスチレンのα位に結合していてよい炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基又はエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
前記式(VII−b)中、Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Xの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
は、炭素数1〜5のアルキル基または水素原子を表す。Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。Rは、工業的には水素原子であることが好ましい。
特に、RおよびRのいずれか一方が水素原子であって、他方がメチル基であることが好ましい。
また、前記一般式(VII−b)においては、XおよびRが、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよい。
この場合、前記一般式(VII−b)においては、Rと、Xと、Xが結合した酸素原子と、該酸素原子およびRが結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。
該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(VII)としては、レジストパターン形状等に優れることから、Rが水素原子であり、かつ、Rが水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
酸解離性溶解抑制基(VII)の具体例としては、たとえばXが炭素数1〜5のアルキル基である基、すなわち1−アルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基等が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基を含む有機基について
本明細書において、「酸解離性溶解抑制基を含む有機基」とは、酸解離性溶解抑制基と、酸で解離しない基又は原子(すなわち酸により解離せず、酸解離性溶解抑制基が解離した後も(A1)成分に結合したままの基又は原子)とから構成される基を意味する。
酸解離性溶解抑制基を含む有機基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、上記で挙げた酸解離性溶解抑制基を有する有機基が挙げられ、たとえば、酸解離性溶解抑制基(VII)を有する有機基として下記酸解離性溶解抑制基を有する有機基(VIII)が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基を有する有機基(VIII)としては、下記一般式(VIII)で表される基が挙げられる。
かかる構造を有する有機基(VIII)においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸により、Qに結合した酸素原子と、RおよびRが結合した炭素原子との間の結合が切れて、−C(R)(R)−OXが解離する。
Figure 2011053567
[式(VIII)中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または炭素数1〜5のアルキル基を表し;Rは水素原子若しくは炭素数1〜5のアルキル基を表し、又は、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよく;Rは炭素数1〜5のアルキル基または水素原子を表し;Qは2価の脂肪族環式基を表す。]
前記一般式(VIII)中、X、R、Rとしては、上記一般式(VII−b)中のX、R、Rとそれぞれ同じである。
Qにおける2価の脂肪族環式基としては、上記Xにおける脂肪族環式基からさらに水素原子1つを除いた基が挙げられる。
上記のなかでも、構成単位(a8)の水酸基における水素原子は、第3級アルキル基含有基で置換されることによって保護されていることが好ましく、前記一般式(II)または(p0)で表される基で置換されることによって保護されていることがより好ましい。
構成単位(a8)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分が構成単位(a8)を有する場合、(A1)成分中の構成単位(a8)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜40モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、15〜40モル%であることがさらに好ましく、20〜40モル%が最も好ましい。前記範囲の下限値以上とすることにより、有機溶剤への溶解性が向上し、前記範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
(A1)成分は、構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物であり、構成単位(a0)に加えて、構成単位(a1)を有する共重合体であることが好ましい。
かかる共重合体としては、たとえば、構成単位(a0)、(a1)および構成単位(a3)からなる共重合体;構成単位(a0)、(a1)、(a3)および(a5)からなる共重合体;構成単位(a0)、(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体;構成単位(a0)、(a1)、(a2)、(a3)および(a5)からなる共重合体;構成単位(a6)および(a8)からなる共重合体;構成単位(a6)、(a7)および(a8)からなる共重合体等が例示できる。
本発明において、(A1)成分としては、特に下記一般式(A1−11)および(A1−12)に示す構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、R、R29、s”、R’、A’、R11、R12、h、j、R20、R24〜R26、b、cはそれぞれ前記と同じであり、式中に複数あるRは、同じであっても異なっていてもよい。]
Figure 2011053567
[式中、R、R’、A’、R14、d、R11、j、R20、R24〜R26、b、cはそれぞれ前記と同じであり、式中に複数あるR、dはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2500〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されるものではなく、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分において、(A1)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、5質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、75質量%が特に好ましく、100質量%であってもよい。該割合が5質量%以上であると、リソグラフィー特性等の効果が向上し、良好な形状のレジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した(A1)成分以外の基材成分(以下「(A2)成分」という。)を含有してもよい。
(A2)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(以下「(A2−1)成分」ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物(以下「(A2−2)成分」ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
(A2−1)成分としては、通常、GPCによるポリスチレン換算の質量平均分子量が1000以上の重合体が用いられる。
(A2−1)成分として具体的には、上述した構成単位(a1)に加えて、さらに、構成単位(a2)〜(a5)の1種又は2種以上を有する共重合体が挙げられる。
かかる共重合体としては、たとえば、構成単位(a1)および構成単位(a3)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a3)および(a5)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a5)からなる共重合体等が例示できる。
本発明において、(A2−1)成分としては、特に下記一般式(A2−1−11)に示す構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、R、R29、s”、R’、A’、R11、R12、h、jはそれぞれ前記と同じであり、式中に複数あるRは、同じであっても異なっていてもよい。]
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、本発明の効果がより向上すること、およびリソグラフィー特性、パターン形状等の性能のバランスをとることが容易であることから、(A2−1)成分と(A1)成分との混合樹脂組成物であることも好ましい。
かかる場合、(A2−1)成分と(A1)成分との混合割合は、質量比で(A1)/(A2−1)=1/99〜40/60であることが好ましく、1/99〜30/70であることがより好ましく、5/95〜20/80であることがさらに好ましい。

(A2−1)成分に対する(A1)成分の割合が下限値以上であると、(A1)成分を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下であると、(A2−1)成分と(A1)成分とのバランスをとることができる。
(A2−2)成分としては、通常、分子量が500以上4000未満、好ましくは分子量が500以上2000未満、の非重合体が用いられる。
(A2−2)成分としては、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2−2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
本発明のレジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A)成分としてはアルカリ現像液に可溶性の基材成分が用いられ、さらに架橋剤が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
ネガ型レジスト組成物の(A)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性樹脂」という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば特開2000−206694号公報に開示されている、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸のアルキルエステル(好ましくは炭素数1〜5のアルキルエステル)から選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂、米国特許6949325号公報に開示されている、スルホンアミド基を有する(メタ)アクリル樹脂またはポリシクロオレフィン樹脂、米国特許6949325号公報、特開2005−336452号公報、特開2006−317803号公報に開示されている、フッ素化アルコールを含有する(メタ)アクリル樹脂、特開2006−259582号公報に開示されている、フッ素化アルコールを有するポリシクロオレフィン樹脂等が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。
なお、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
本発明のレジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、上記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有するアルカリ可溶性樹脂を用いてもよく、当該構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物と、通常用いられるアルカリ可溶性樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2011053567
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。なお、式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
式(b−1)で表される化合物におけるカチオン部の好ましいものとしては、トリフェニルメタン骨格を有する、下記式(I−1−1)〜(I−1−8)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2011053567
また、オニウム塩系酸発生剤のカチオン部としては、下記式(I−1−9)〜(I−1−10)で表されるカチオンも好ましい。
下記式(I−1−9)〜(I−1−10)中、R40、R10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基または炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、水酸基である。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
Figure 2011053567
式(b−1)中、R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。
”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q−[式中、Qは酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
X−Q−で表される基において、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。
は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
X−Q−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Xにおける脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
Xにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
Xにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R93におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
本発明において、R”は、置換基としてX−Q−を有することが好ましい。この場合、R”としては、X−Q−Y−[式中、QおよびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
X−Q−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてが、アリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては、上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部をメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート等のアルキルスルホネート;d−カンファー−10−スルホネート、ベンゼンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等のスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を下記式(b1)〜(b8)のいずれかで表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩も用いることができる。
Figure 2011053567
[式中、tは1〜3の整数であり、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、gは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、m1〜m5はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2011053567
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、前記一般式(b−1)または(b−2)において、アニオン部(R”SO )を、R”−COO[式中、R”はアルキル基またはフッ素化アルキル基である。]に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)または(b−2)と同様)。
”としては、前記R”と同様のものが挙げられる。
上記「R”−COO」の具体的としては、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオン、1−アダマンタンカルボン酸イオンなどが挙げられる。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 2011053567
[式中、R41〜R46はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
41〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
41〜R46に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2011053567
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。
該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。
ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部若しくは全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011053567
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2011053567
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2011053567
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、(B)成分として、「X−Q−Y−SO 」をアニオンとするオニウム塩系酸発生剤、d−カンファー−10−スルホネートをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。また、本発明の効果がさらに向上することから、これらを併用することも好ましい。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<任意成分>
[(D)成分]
本発明のレジスト組成物には、任意の成分として、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を配合させることができる。
この(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよく、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜20であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアミンおよび/またはアルキルアルコールアミンが好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミンなどが挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチルアミン等が挙げられる。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレジスト組成物中、(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、レジストパターンの形成において、リソグラフィー特性が向上し、パターン形状が良好となる。
[(E)成分]
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
[(C)成分]
本発明のレジスト組成物は、含フッ素高分子化合物(C)(以下「(C)成分」という。)を含有することが好ましい。(C)成分を含有することにより、特に液浸露光の際のレジスト膜の疎水性が向上し、液浸露光用として好適な疎水性を有するものとなる。
本発明において、(C)成分は、下記一般式(c1−1)で表される構成単位(c1)を有することが好ましい。
Figure 2011053567
[式(c1−1)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Qは単結合又は二価の連結基であり、R70はフッ素原子を有する有機基である。複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
(構成単位(c1))
前記一般式(c1−1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、水素原子またはメチル基が好ましい。
前記一般式(c1−1)中、Qは、単結合又は二価の連結基である。
の二価の連結基は、たとえば、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基が好適なものとして挙げられる。Qの二価の連結基は、酸解離性部位を有さない二価の有機基であることが好ましい。
・置換基を有していてもよい炭化水素基について
において、炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。かかる脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状(直鎖状、分岐鎖状)の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基として、フッ素原子またはフッ素化アルキル基が置換した例としては、−CH(CH)CF−、−CH(CHCH)CF−などが挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等でかつその芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なかでも、前記2価の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基、ナフチル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基が特に好ましい。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
上記のなかでも、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、−CH(CH)−、テトラシクロドデシル基から水素原子をさらに1つ除いた基、フェニル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基が特に好ましい。
・ヘテロ原子を含む基について
ヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む基としては、たとえば、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−、−NR04(R04はアルキル基)−、−NH−C(=O)−、=N−、または「これらの基の1種若しくは2種以上」と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
なかでも、ヘテロ原子を含む基としては、前記「これらの基の1種若しくは2種以上」と2価の炭化水素基との組み合わせがより好ましく、具体的には、前記「これらの基の1種若しくは2種以上」と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせ、上記脂肪族炭化水素基と前記「これらの基の1種若しくは2種以上」と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせが特に好ましい。
上記の中でも、Qとしては、単結合、ヘテロ原子を含む基がより好ましく、単結合、前記「これらの基の1種若しくは2種以上」と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせが特に好ましい。
前記一般式(c1−1)中、R70は、フッ素原子を有していてもよい有機基である。但し、R70がフッ素原子を有さない場合は、Qはフッ素原子を有するものとする。
ここで、「フッ素原子を有する有機基」とは、有機基における水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基をいう。
70のフッ素原子を有していてもよい有機基としては、たとえば、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基が好ましく挙げられる。
前記、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
70において、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましい。
また、R70のフッ素原子を有する有機基は、当該有機基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから、特に好ましい。
70は、好ましくは酸解離性基、塩基解離性基、酸解離性基および塩基解離性基以外の基が挙げられる。
酸解離性基とは、酸により解離してアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる基である。該酸解離性基中に、フッ素原子を含まない場合には、Qはフッ素原子を有する。
塩基解性基とは、アルカリ現像液の作用により分解性を示す基(−O−R70が解離する)である。「アルカリ現像液に対して分解性を示す」とは、アルカリ現像液の作用により分解し(好ましくは、23℃において、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液の作用で分解し)、アルカリ現像液に対する溶解性が増大することを意味する。これは、塩基(アルカリ現像液)の作用によりエステル結合[−C(=O)−O−R70]が分解(加水分解)し、親水基[−C(=O)−OH]が生成する(−O−R70が解離する)。
塩基解離性基としては、例えば、置換基を有していてもよく有していなくてもよいフッ素化炭化水素基が好ましく挙げられる。なかでも、フッ素化飽和炭化水素基またはフッ素化不飽和炭化水素基が好ましく、フッ素化飽和炭化水素基であることが特に好ましい。
70は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
また、R70において、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましく、1〜5が最も好ましい。
また、R70のフッ素原子を有する有機基は、当該有機基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから、特に好ましい。
酸解離性基および塩基解離性基以外の基としては、例えば、炭素数3〜15の直鎖、分岐、環状のアルキル基である(但し、第3級炭素原子を有する基は除く)。この場合は、Qはフッ素原子を有する。
・酸解離性基について
70の酸解離性基としては、酸の作用により解離し得る有機基であれば、特に限定されるものではなく、環状または鎖状の第3級アルキルエステル型酸解離性基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基等が挙げられる。これらの中でも、R70は、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、下記一般式(IV−1)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 2011053567
[式(IV−1)中、複数のR201はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、少なくとも1つは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり;残りの2つのR201は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数4〜20の1価の脂肪族環式基であるか、あるいは、前記残りの2つのR201は相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成している。]
前記一般式(IV−1)中、R201の脂肪族環式基としては、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
一般式(IV−1)で表される酸解離性基として、複数のR201がそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であるものとしては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
一般式(IV−1)で表される酸解離性基として、複数のR201の少なくとも1つが炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、残りの2つのR201が、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数4〜20の1価の脂肪族環式基であるものとしては、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、などが挙げられる。
一般式(IV−1)で表される酸解離性基として、複数のR201のうち、1つのR201が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、2つのR201が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成しているものとしては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基などの2−アルキル−2−アダマンチル基や、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基などの1−アルキル−1−シクロアルキル基が挙げられる。
一般式(IV−1)で表される酸解離性基としては、これらの中でも、複数のR201のうち、1つのR201が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、2つのR201が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成しているものが好ましく、特に2−メチル−2−アダマンチル基が好ましい。
また、一般式(IV−1)で表される基が酸解離性基として機能し得るかぎり、各R201は置換基を有していてもよい。該置換基として、たとえば、フッ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
以下に、構成単位(c1)の好適な具体例を例示する。
以下、前記一般式(c1−1)におけるR70が「塩基解離性基」である場合を構成単位(c11)といい、R70が「酸解離性基」である場合を構成単位(c12)という。
(構成単位(c11))
構成単位(c11)の好ましい具体例としては、下記一般式(c11−1)又は式(c11−2)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Zは二価の有機基であり、Aarylは置換基を有していてもよい芳香族環式基であり、X01は単結合又は二価の連結基であり;R71は、それぞれ独立して、塩基解離性基である。ただし、R71がフッ素原子を有さない場合、(c11−1)においてはZが、(c11−2)においてはAaryl、またはX01がフッ素原子を有するものとする。]
前記一般式(c11−1)又は(c11−2)中、Rは前記と同じであり、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
71の塩基解離性基は、上述した説明と同様であり、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜5のフッ素化炭化水素基がより好ましく、メチル基、−CH−CF、−CH−CF−CF、−CH(CF、−CH−CH−CF−CF−CF−CFが最も好ましい。R71がメチル基、エチル基、フッ素化炭化水素基である場合、当該式中の−O−R71は、アルカリ現像液の作用により解離する塩基解離性基となる。
前記一般式(c11−1)中、Zは、二価の有機基である。
Zとしては、上述した、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基などが好適なものとして挙げられる。
前記一般式(c11−2)中、Aarylは、置換基を有していてもよい芳香族環式基を表す。Aarylとして具体的には、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
arylにおける芳香族環式基の環骨格としては、炭素数が6〜15であることが好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環又はナフタレン環が特に好ましい。
arylにおいて、芳香族環式基が有してもよい置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。Aarylの芳香族環式基が有してもよい置換基としては、フッ素原子であることが好ましい。
arylの芳香族環式基としては、置換基を有さないものであってもよく、置換基を有するものでもよく、置換基を有さないものであることが好ましい。
arylにおいて、芳香族環式基が置換基を有するものである場合、置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、1つ又は2つであることが好ましく、1つであることがより好ましい。
前記一般式(c11−2)中、X01は、単結合又は二価の連結基である。二価の連結基としては、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−C(=O)−、又はそれらの組み合わせなどが挙げられ、−O−と炭素数1〜12のアルキレン基との組み合わせが最も好ましい。
炭素数1〜12のアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基、炭素数4〜12の環状のアルキレン基が好ましい。
01は、単結合、−(R77a0−O−[C(=O)]b0−R78−、又は−C(=O)−O−R79−であることが好ましい。
77、R78、およびR79は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基であり、炭素数1〜5の直鎖または分岐状のアルキレン基、炭素数4〜10の環状のアルキレン基が好ましい。
a0は、0又は1〜5の整数である。
b0は、0又は1の整数である。
構成単位(c11)のなかで好適なものとしては、下記一般式(c11−1−1)〜(c11−1−5)又は(c11−2−1)〜(c11−2−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
前記一般式(c11−1−1)〜(c11−1−5)又は(c11−2−1)〜(c11−2−4)中、R、R71は、それぞれ前記と同じであり;R81およびR82は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を表し;a1が2以上の場合、複数のR81およびR82は、同一であってもよいし、異なっていてもよい、a1〜a3、a5、a7、a9およびa11〜a13は、それぞれ独立して1〜5の整数を表し;a4、a6、a8およびa10は、それぞれ独立して0又は1〜5の整数を表し;b1〜b5は、それぞれ独立して0又は1の整数であり;
80は置換基であり、eは0〜2の整数を表し;Aは、炭素数4〜20の環状のアルキレン基である。
前記一般式(c11−1−1)中、a1は1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
前記一般式(c11−1−2)中、a2、a3は、それぞれ独立して、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。b1は、0又は1である。
前記一般式(c11−1−3)中、a4は、0又は1〜3が好ましく、0又は1〜2がより好ましく、0又は1が最も好ましい。a5は、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。R80の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。eは、0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。b2は0であることが好ましい。
前記一般式(c11−1−4)中、a6は、0又は1〜3が好ましく、0又は1〜2がより好ましく、0又は1が最も好ましい。a7は、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。b3は0であることが好ましい。R80およびeは、それぞれ前記と同様である。
前記一般式(c11−1−5)中、Aは、炭素数4〜20の環状アルキレン基であり、炭素数5〜15の環状のアルキレン基が好ましく、炭素数6〜12の環状のアルキレン基がより好ましい。具体例としては、上述した置換基を有していていもよい炭化水素基における「環状の脂肪族炭化水素基」に例示したものが挙げられる。
前記一般式(c11−2−1)中、a8は、0又は1〜3が好ましく、0又は1〜2がより好ましく、0又は1が最も好ましい。a9は、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。b4は0であることが好ましい。R80およびeは、それぞれ前記と同様である。
前記一般式(c11−2−2)中、a10は、0又は1〜3が好ましく、0又は1〜2がより好ましく、0又は1が最も好ましい。a11は、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。b5は0であることが好ましい。R80およびeは、それぞれ前記と同様である。
前記一般式(c11−2−3)中、a12は1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。R80およびeは、それぞれ前記と同様である。
前記一般式(c11−2−4)中、a13は1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。R80およびeは、それぞれ前記と同様である。
以下に、上記一般式(c11−1−1)〜(c11−1−5)、一般式(c11−2−1)〜(c11−2−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
構成単位(c11)としては、前記一般式(c11−1−1)〜(c11−1−5)および(c11−2−1)〜(c11−2−4)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、前記一般式(c11−1−1)〜(c11−1−5)、(c11−2−1)および(c11−2−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(c11−1−1)、(c11−1−5)および(c11−2−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
構成単位(c11)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分中に、構成単位(c11)を含有する場合、該構成単位(c11)の割合は、(C)成分を構成する全構成単位の合計に対し、10〜90モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜90モル%が特に好ましく、100モル%であってもよい。構成単位(c11)の割合が前記範囲の下限値以上であると、レジストパターンの形成において、浸漬露光時に疎水性となる特性がより向上する。
(構成単位(c12))
構成単位(c12)の好ましい具体例としては、下記一般式(c12−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2011053567
[式(c12−1)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Q’は単結合又は二価の連結基であり、R72は酸解離性基である。]
前記一般式(c12−1)中、Rは前記と同じであり、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
72の酸解離性基は、上記R70の酸解離性基についての説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
前記一般式(c12−1)中、Q’が単結合である構成単位としては、たとえば、下記一般式(c12−1−1)〜(c12−1−4)で表される構成単位が好適なものとして挙げられる。
前記一般式(c12−1)中、Q’が二価の連結基である場合、かかる二価の連結基としては、前記式(c11−2)のX01と同様のもの又は二価の芳香族炭化水素基を挙げることができる。2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンから水素原子2個を除いた基が挙げられる。
構成単位(c12)において、Q’としては、単結合又は−C(=O)−O−R−[Rは酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基である。当該アルキレン基はフッ素化されていてもよい。]であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
前記一般式(c12−1)中、Q’が−C(=O)−O−R−である構成単位としては、たとえば、下記一般式(c12−1−5)〜(c12−1−11)で表される構成単位が好適なものとして挙げられる。
ただし、下記一般式中のRは、いずれも前記Rと同じであり、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
構成単位(c12)としては、前記一般式(c12−1−1)〜(c12−1−11)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(c12−1−1)〜(c12−1−4)で表される構成単位であることが特に好ましい。
(C)成分中、構成単位(c12)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分中に、構成単位(c12)を含有する場合、該構成単位(c12)の割合は、(C)成分を構成する全構成単位の合計に対し、10〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましく、50〜90モル%が特に好ましい。構成単位(c12)の割合が前記範囲の下限値以上であると、レジストパターンの形成において、浸漬露光時に疎水性となる特性がより向上する。また、リソグラフィー特性がより向上する。前記範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスをとることができる。また、構成単位(c12)はホモポリマーとして用いることもできる。
[構成単位(c2)]
(C)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(c1)以外の他の構成単位(c2)を含んでいてもよい。
構成単位(c2)は、下記一般式(c2−1)で表される。
Figure 2011053567
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Wは下記一般式(w−1)〜(w−4)のいずれかにより表される基である。]
Figure 2011053567
[式(w−1)中、R71’は炭素数2以上のアルキル基であり、R72’およびR73’は相互に結合して炭素数7以上の単環式の脂肪族環式基を形成している。式(w−2)中、R84は炭素数3以上の分岐鎖状のアルキル基であり、R85およびR86は相互に結合して脂肪族環式基を形成している。式(w−3)中、R87は酸解離性溶解抑制基であり、R88は2価の連結基である。式(w−4)中、R89は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または脂肪族環式基であり、nは0〜3の整数であり、R90およびR90’はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R89およびR90が相互に結合して脂肪族環式基を形成していてもよい。]
式(c2−1)中のRは、前記と同じであり、水素原子またはメチル基が好ましい。
Wは、前記一般式(w−1)〜(w−4)のいずれかにより表される基である。
式(w−1)中、R71’は炭素数2以上のアルキル基であり、R72’およびR73’は相互に結合して炭素数7以上の単環式の脂肪族環式基を形成している。
71’のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状の場合には、炭素数2〜5であることが好ましく、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、エチル基またはプロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
該アルキル基が環状の場合には、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがより好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;などが例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
71’は直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
式(w−1)中、R72’およびR73’は相互に結合して、当該R72’およびR73’が結合した炭素原子とともに、炭素数7以上の単環式の脂肪族環式基を形成している。
該単環式の脂肪族環式基の炭素数は、8以上であることが好ましい。また、該単環式の脂肪族環式基の炭素数は、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、9以下であることがさらに好ましい。
脂肪族環式基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよいが、飽和であることが好ましい。また、炭素原子および水素原子のみからなる炭化水素基であってもよく、その他の原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子)を有していてもよいが、炭化水素基であることが好ましい。
該脂肪族環式基には置換基が結合していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
式(w−1)で表される基の好ましい具体例としては、以下のものが例示できる。
Figure 2011053567
式(w−2)中、R84は炭素数3以上の分岐鎖状のアルキル基であり、R85およびR86は相互に結合して脂肪族環式基を形成している。
84のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5であることがより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基が最も好ましい。
式(w−2)中、R85およびR86は相互に結合して、当該R85およびR86が結合した炭素原子とともに、脂肪族環式基を形成している。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよいが、飽和であることが好ましい。また、炭素原子および水素原子のみからなる炭化水素基であってもよく、その他の原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子)を有していてもよいが、炭化水素基であることが好ましい。
該脂肪族環式基の炭素数は、4〜15であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、5〜10が最も好ましい。
該脂肪族環式基として、具体的には、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;などが例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該脂肪族環式基には置換基が結合していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
式(w−2)で表される基の好ましい具体例としては、以下のものが例示できる。
Figure 2011053567
[式中、R84は前記と同じであり、gは0〜3の整数である。]
gは1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(w−3)中、R87は酸解離性溶解抑制基であり、R88は2価の連結基である。
87の酸解離性溶解抑制基は、当該(C)成分を(B)成分とともにレジスト組成物に配合した際に、露光により該(B)成分から発生した酸の作用により解離する酸解離性を有するとともに、該解離前は、(C)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を抑制するアルカリ溶解抑制性を有するものである。
87の酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。具体的には、前述の(A)成分において、構成単位(a1)が有する酸解離性溶解抑制基として挙げるものと同様ものが挙げられる。
88の2価の連結基としては、前記式(c1−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
本発明において、R88の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
88がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
88が2価の脂肪族環式基である場合、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記式(w−2)における「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。該脂肪族環式基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
88がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、式−A01−O−B01−で表される基、式−[A01−C(=O)−O]−B01−で表される基等が挙げられる。ここで、A01およびB01はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。
88が−NH−の場合における置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
88が−A01−O−B01−または−[A01−C(=O)−O]−B01−である場合、A01およびB01は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
nは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
01における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
01における脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
01における脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
01における「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
01における「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
01としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。
01における炭化水素基としては、前記A01で挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
01としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、式−[A01−C(=O)−O]−B01−で表される基において、nは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
本発明において、R88の2価の連結基としては、ヘテロ原子を含む2価の基が好ましく、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエステル結合を含む基が特に好ましい。
中でも、前記−A01−O−B−または−A01−C(=O)−O−B01−で表される基が好ましく、特に、−(CH−C(=O)−O−(CH−で表される基が好ましい。
xは1〜5の整数であり、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
yは1〜5の整数であり、1または2が好ましく、1が最も好ましい。
式(w−4)中、R89は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または脂肪族環式基である。
89が直鎖状、分岐鎖状の場合、炭素数は1〜15であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、エチル基またはメチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
89が脂肪族環式基である場合、該脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
89における脂肪族環式基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
式(w−4)中、nは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
90およびR90’はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子である。
90およびR90’における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。該炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R90およびR90’のうちの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
また、上記式(w−4)においては、R89およびR90が相互に結合して脂肪族環式基を形成していてもよい。
この場合、R89と、R90と、−O−(CH−と、R90が結合した炭素原子とにより脂肪族環式基が形成されている。該脂肪族環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該脂肪族環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
式(w−4)で表される基の好ましい具体例としては、たとえば、下記式(w−4−1)〜(w−4−12)で表される基等が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R13’は水素原子またはメチル基であり、gは前記と同じである。]
(C)成分中、構成単位(c2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分中に、構成単位(c2)を含有する場合、該構成単位(c2)の割合は、(C)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜80モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましく、15〜50モル%がさらに好ましく、20〜40モル%が特に好ましい。構成単位(c2)の割合が前記範囲の下限値以上であると、レジストパターンの形成において、浸漬露光時には疎水性であって、露光、PEBを行った際に親水性が高まるという特性がより顕著になる。また、ラインアンドスペースパターンにおいてはブリッジディフェクトが抑制でき、コンタクトホールパターンにおいては開口不良ディフェクトが抑制できる。また、炭化水素基の割合が向上しスキャン追随性が向上する。上限値以下であると、構成単位(c1)とのバランスが良好となり、撥水性の効果が向上する。
[その他の構成単位]
(C)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(c1)、構成単位(c2)以外の構成単位(以下、構成単位(c3)という。)を有していてもよい。
構成単位(c3)としては、構成単位(c1)を誘導する化合物および構成単位(c2)を誘導する化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位であればよく、特に限定されない。かかる構成単位としては、これまで化学増幅型レジスト用のベース樹脂の構成単位として提案されているもの(たとえば前述の構成単位(a1)〜(a4)のうち、上記(c1)、(c2)に該当しないもの等)が挙げられる。
(C)成分中、構成単位(c3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分中に、構成単位(c3)を含有する場合、該構成単位(c3)の割合は、(C)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜25モル%が好ましく、5〜20モル%がより好ましく、10〜20モル%が特に好ましい。
本発明において、(C)成分は、構成単位(c11)を有する重合体、構成単位(c12)を有する重合体、または構成単位(c2)を有する重合体であることが好ましい。
該重合体としては、1種の構成単位(c11)のみからなる重合体、2種以上の構成単位(c11)からなる共重合体、1種の構成単位(c12)のみからなる重合体、構成単位(c11)および構成単位(c2)からなる共重合体等が好適なものとして挙げられる。
(C)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、4000〜25000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
以上説明した(C)成分は、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
(C)成分は、上記の含フッ素高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.5〜30質量部が特に好ましく、0.5〜15質量部が最も好ましい。
上記範囲の下限値以上とすることで当該液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の疎水性が向上し、液浸露光用として好適な疎水性を有するものとなり、また、アルカリ現像液との接触によるレジスト膜の親水性がより高くなる。上限値以下であると、リソグラフィー特性が向上する。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により、上記以外の混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」という)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
以上説明した本発明のレジスト組成物によれば、焦点深度幅(DOF)、ラインワイズラフネス(LWR)、面内均一性(CDU)等の種々のリソグラフィー特性に優れ、良好な形状(例えばラインパターンであれば高い矩形性、ホールパターンであれば高い真円性)のレジストパターンを形成できる。かかる効果が得られる理由は、明らかではないが以下のように推測される。
本発明のレジスト組成物における基材成分(A)は、一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物((A1)成分)を含有する。すなわち、レジスト組成物のベース樹脂が、露光により(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャー効果を発揮する構造を含む構成単位を有している。これにより、当該構造がレジスト膜内に均一に分布しやすいため、露光により(B)成分から発生する酸の拡散が効果的に抑制される。
また、本発明のレジスト組成物は、(A1)成分がレジスト組成物中に含まれる酸発生剤中または基材成分中のエステル結合部位と反応してそれらの分解を促進することがないため、保存安定性に優れる。
これら理由により、本発明のレジスト組成物は、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できると推測される。
なお、DOFは、同一の露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる範囲のことであり、その値が大きいほど好ましい。
LWRは、レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した際に、ラインパターンの線幅が不均一になる現象である。
また、(A1)成分を含有する本発明のレジスト組成物は、クエンチャー効果を発揮する成分として一般的に用いられる3級アミン等を含有するレジスト組成物に比べて、液浸露光用のレジスト材料として用いた際、液浸媒体である水等への溶出が抑えられ、レンズの汚染が低減される。したがって、本発明のレジスト組成物は、液浸露光用として好適なレジスト材料である、と云える。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程及び前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、前記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、マスクパターンを介した露光、またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等により選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。
このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。前記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUVに対してより有効であり、ArFエキシマレーザーに対して特に有効である。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
≪含窒素高分子化合物≫
本発明の含窒素高分子化合物は、下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有するものである。
Figure 2011053567
[式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
本発明の含窒素高分子化合物においては、前記一般式(a0)で表される基が、下記一般式(a0−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、R20はメチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHであり;R21は水素原子又は有機基であり;R22はアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基である。ただし、R23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。aは0又は1である。]
また、本発明の含窒素高分子化合物においては、前記一般式(a0−1)におけるR21が、下記一般式(a0−0−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2011053567
[式中、R24は置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基であり、bは0又は1である。R25はC=O、SO、SO又はC(=O)−Oであり、cは0又は1である。R26は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基又はアリル基であってエーテル結合を含んでいてもよい。]
また、本発明の含窒素高分子化合物においては、前記構成単位(a0)が、アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
上記のなかでも、含窒素高分子化合物としては、構成単位(a0)に加えて、さらに、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、含窒素高分子化合物は、構成単位(a0)および構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、含窒素高分子化合物は、構成単位(a0)および構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a0)、(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
また、含窒素高分子化合物は、構成単位(a0)に加えて、構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位、例えば、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)、サルトン構造を側鎖に有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a5)、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a6)、スチレンから誘導される構成単位(a7)、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が置換基により保護された構成単位(a8)などを含んでいてもよい。
以上説明した、本発明の含窒素高分子化合物は、上述した本発明のレジスト組成物における(A1)成分と同じものである。
前記一般式(a0)、(a0−1)、(a0−0−1)についての説明は、上記本発明のレジスト組成物のなかで説明した構成単位(a0)における一般式(a0)、(a0−1)、(a0−0−1)についての説明と同じである。
本発明の含窒素高分子化合物は、上述したように、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成してもよい。
たとえば構成単位(a0)を誘導するモノマーの例としては、下記一般式(a0−1−0)で表される化合物(以下「化合物(a0−1−0)」という。)が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R、R20、R21、R22およびaは、前記式(a0−1)におけるR20、R21、R22およびaとそれぞれ同じである。]
かかる化合物(a0−1−0)は、例えばジエン誘導体(5)とアクリル酸ハライド誘導体(6)を反応させた[以下、第1工程−1と称する。]後、アミン化合物(7)処理すること[以下、第1工程−2と称する。]によりシクロヘキセン誘導体(3)を得、次いで塩基性化合物の存在下、有機過酸化物を反応させること[以下、第2工程と称する。]によりエポキシ誘導体(4)を得、次いで塩基性物質と反応させること[以下、第3工程と称する。]によりアルコール誘導体(2)を得、次いでアクリル酸誘導体と反応させること[以下、第4工程と称する。]によりアクリル酸エステル誘導体(1)として製造することができる。
Figure 2011053567
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基(ただし、R23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。)を表す。RおよびRは、両者が結合してメチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHを表す。R11は、水素原子または有機基であり、Xhは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
上記の合成経路中、Rのアルキル基又はハロゲン化アルキル基は、前記式(a0−1−0)におけるRのアルキル基又はハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
、R、R、R、R、R、R10のアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23は、それぞれ、前記式(a0−1−0)におけるR22のアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23と同様のものが挙げられる。
11の有機基は、前記式(a0−1−0)におけるR21の有機基と同様のものが挙げられる。
以下、シクロヘキセン誘導体(3)の製造方法に関する第1工程−1について説明する。
第1工程−1で使用されるジエン誘導体(5)の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、シクロペンタジエン、フランなどが挙げられ、使用量は、アクリル酸ハライド誘導体(6)に対して、1倍モル〜50倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜10倍モルの範囲がより好ましい。
第1工程−1で使用されるアクリル酸ハライド誘導体(6)の具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、クロトン酸クロリド、クロトン酸ブロミド、3−メチル−2−ブテン酸クロリドなどが挙げられる。
第1工程−1の反応は、溶媒の存在下、不存在下に実施することが可能である。使用する溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒が挙げられ、溶媒存在下に実施する場合の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。溶媒は単独で使用することも複数を混合して使用することも可能である。
第1工程−1の反応温度は、使用するジエン誘導体(5)の種類、アクリル酸ハライド誘導体(6)の種類によって異なるが、−30℃〜100℃の範囲が好ましく、−10〜50℃の範囲がより好ましい。
第1工程−1の反応時間は、使用するジエン誘導体(5)の種類、アクリル酸ハライド誘導体(6)の種類、反応温度によって異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲である。
第1工程−1の反応は、温度を下げることによって停止することができ、精製操作を行うことなく、第1工程−2で使用する原料を用いることが可能である。
第1工程−2で使用されるアミン化合物(7)の具体例としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、1−アダマンチルアミンなどが挙げられ、使用量は、アクリル酸ハライド誘導体(6)に対し、1倍モル〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。アミン化合物(7)の使用形態は、水溶液であっても、純品であっても、入手可能な形態のまま使用可能である。
第1工程−2の反応は、溶媒の存在下、不存在下に実施することが可能である。使用する溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒を挙げられ、溶媒存在下に実施する場合の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。第1工程−1で使用された溶媒を、そのまま使用することが、さらに好ましい。溶媒は単独で使用することも複数を混合して使用することも可能である。
第1工程−2の反応温度は、使用するアミン化合物(7)の種類、アクリル酸ハライド誘導体(6)の種類によって異なるが、−30℃〜100℃の範囲が好ましく、−10〜50℃の範囲がより好ましい。
第1工程−2の反応時間は、使用するアミン化合物(7)の種類、アクリル酸ハライド誘導体(6)の種類、反応温度によって異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲である。
以下、エポキシ誘導体(4)の製造方法に関する第2工程について説明する。
第2工程で使用される有機過酸化物の具体例としては、過酢酸、m−クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシランなどが挙げられ、使用量は、シクロヘキセン誘導体(3)に対して、1倍モル〜10倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。
第2工程で使用される塩基性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられ、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。使用量は、使用される有機過酸化物に対し、1倍モル〜20倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから、1倍モル〜10倍モルの範囲がより好ましい。
第2工程の反応で使用される溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、水;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル溶媒が挙げられ、使用量は、シクロヘキセン誘導体(3)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。溶媒は単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。
第2工程の反応温度は、使用する有機過酸化物の種類、シクロヘキセン誘導体(3)の種類によって異なるが、−80℃〜100℃の範囲が好ましく、−30〜50℃の範囲がより好ましい。
第2工程の反応時間は、使用する有機過酸化物の種類、シクロヘキセン誘導体(3)の種類、反応温度によって異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲である。
第2工程の反応は還元剤を添加することによって停止することができる。使用する還元剤の具体例としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられ、使用量は、使用される有機過酸化物の過剰分に対して、1倍モル〜5倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜3倍モルの範囲がより好ましい。
第2工程で得られるエポキシ誘導体(4)は、溶媒抽出、蒸留などの一般的な有機化学的手法により単離することが可能である。さらに高純度化が必要な場合には、再結晶、蒸留、昇華などの一般的な有機化学的手法により純度を向上させることが可能である。
以下、アルコール誘導体(2)の製造方法に関する第3工程について説明する。
第3工程で使用される塩基性物質の具体例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物などが挙げられ、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウムが好ましい。使用量は、エポキシ誘導体(4)に対して、1倍モル〜5倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから、1倍モル〜3倍モルの範囲がより好ましい。
第3工程の反応で使用される溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒が挙げられ、使用量は、エポキシ誘導体(4)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。溶媒は単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。
第3工程の反応温度は、使用する塩基性物質の種類、エポキシ誘導体(4)の種類によって異なるが、−80℃〜100℃の範囲が好ましく、−30〜50℃の範囲がより好ましい。
第3工程の反応時間は、使用する塩基性物質の種類、エポキシ誘導体(4)の種類、反応温度によって異なるが、概ね1時間〜50時間の範囲である。
第3工程の反応は水を添加することによって停止することができる。使用量は、使用される塩基性物質に対して、1倍モル〜100倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜50倍モルの範囲がより好ましい。
第3工程で得られるアルコール誘導体(2)は、溶媒抽出、蒸留などの一般的な有機化学的手法により単離することが可能である。さらに高純度化が必要な場合には、再結晶、蒸留、昇華などの一般的な有機化学的手法により純度を向上させることが可能である。
以下に第3工程で得られるアルコール誘導体(2)の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
以下、アクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に関する第4工程について説明する。
アクリル酸エステル誘導体(1)は、アルコール誘導体(2)をエステル化することにより得られる。エステル化の方法としては、例えば、塩基の存在下、アクリル酸ハライド類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法[以下、第4工程−方法1と称する。]、塩基の存在下、アクリル酸無水物類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法[以下、第4工程−方法2と称する。]、アクリル酸類とアルコール誘導体(2)を反応させる方法[以下、第4工程−方法3と称する。]が挙げられる。
第4工程−方法1で使用されるアクリル酸ハライド類の具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、2−トリフルオロメチルアクリル酸ブロミドなどが挙げられ、入手の容易さから、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリドが好ましい。使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1倍モル〜10倍モルの範囲であることが好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法1で使用される塩基の具体例としては、生成する酸を中和するものであれば特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1倍モル〜10倍モルの範囲であることが好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法1の反応は、4−ジメチルアミノピリジン等の活性化剤を加えて実施することも可能である。
第4工程−方法1の反応温度は、使用するアルコール誘導体(2)の種類、活性化剤使用の有無により異なるが、概ね−50℃〜100℃の範囲が好ましく、反応速度、重合抑制の観点から、−30℃〜80℃の範囲がより好ましい。
第4工程−方法1の反応は溶媒の存在下、不存在下に実施することが可能である。使用する溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ベンズニトリルなどのニトリル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン系溶媒が挙げられ、溶媒存在下に実施する場合の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。これらは、単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。
第4工程−方法1の反応は重合を防止するために重合禁止剤を使用することも可能である。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のフェノール系重合禁止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系重合禁止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル系重合禁止剤が挙げられる。重合禁止剤は、単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。使用量は、特に限定されず適宜決めればよい。
第4工程−方法2で使用されるアクリル酸無水物類の具体例としては、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸無水物、アクリル酸ピバリン酸無水物、メタクリル酸ピバリン酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸ピバリン酸無水物、アクリル酸メタンスルホン酸無水物、メタクリル酸メタンスルホン酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸メタンスルホン酸無水物などが挙げられ、使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1倍モル〜10倍モルの範囲であることが好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法2で使用される塩基の具体例としては、生成する酸を中和するものであれば特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらは1種を用いても、2種以上を併用してもよい。使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1倍モル〜10倍モルの範囲であることが好ましく、後処理の容易さから1倍モル〜5倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法2の反応は、4−ジメチルアミノピリジン等の活性化剤を加えて実施することも可能である。
第4工程−方法2の反応温度は、使用するアルコール誘導体(2)の種類、活性化剤使用の有無により異なるが、概ね−50℃〜100℃の範囲が好ましく、反応速度、重合抑制から、−30℃〜80℃の範囲がより好ましい。
第4工程−方法2の反応は溶媒の存在下、不存在下に実施することが可能である。使用する溶媒には反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、塩化ベンゼンなどの塩素化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、フランなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ベンズニトリルなどのニトリル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル溶媒;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン系溶媒が挙げられ、溶媒存在下に実施する場合の使用量は、ジエン誘導体(5)に対して、0.5質量倍〜100質量倍の範囲が好ましく、後処理の容易さから0.5質量倍〜20質量倍の範囲がより好ましい。
第4工程−方法2の反応は重合を防止するために重合禁止剤を使用することも可能である。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のフェノール系重合禁止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系重合禁止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル系重合禁止剤が挙げられる。重合禁止剤は1種を用いても2種以上を併用してもよく、その使用量は特に限定されず、適宜決めればよい。
第4工程−方法3の反応では、アクリル酸、メタクリル酸、または、2−トリフルオロメチルアクリル酸を使用する。使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、1倍モル〜50倍モルの範囲が好ましく、後処理の容易さから、1倍モル〜20倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法3の反応では、通常、酸触媒が使用される。酸触媒の具体例としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸一水和物、酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。使用量は、アルコール誘導体(2)に対して、0.001倍モル〜2倍モルの範囲が好ましく、0.01倍モル〜1倍モルの範囲がより好ましい。
第4工程−方法3の反応は平衡反応であるため、充分に反応を進行させるためには反応系から生成する水を除きながら実施することが重要である。水を除く方法としては、例えば、ヘキサン、トルエンなどの水と共沸混合物を形成する溶媒を用いて、デカンター等の装置から水を除きながら行う方法、モレキュラーシーブスなどの水吸着剤を使用する方法などが挙げられる。
第4工程−方法3の反応温度は、使用するアルコール誘導体(2)の種類、アクリル酸類の種類によって異なるが、概ね、30℃〜150℃の範囲が好ましく、50℃〜100℃の範囲がより好ましい。
第4工程−方法3の反応は、重合を防止するために重合禁止剤を使用することも可能である。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のフェノール系重合禁止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系重合禁止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル系重合禁止剤が挙げられる。重合禁止剤は単独で使用することも、複数を混合して使用することも可能である。使用量は、特に限定されず適宜決めればよい。
以下に、構成単位(a0)を誘導するモノマーの好適な具体例を示す。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
Figure 2011053567
本発明の含窒素高分子化合物を構成する構成単位のなかで、たとえば構成単位(a5)を誘導するモノマーの例としては、下記一般式(a5−1)で表される化合物(以下「化合物(a5−1)」という。)が挙げられる。
Figure 2011053567
[式中、R、R’、n10、Rは前記式(a5−1)におけるR、R’、n10とそれぞれ同じである。]
かかる化合物(a5−1)の製造方法は特に限定されず、公知の方法を利用して製造できる。
たとえば、塩基の存在下、下記一般式(X−1)で表される化合物(X−1)が反応溶媒に溶解した溶液に、下記一般式(X−2)で表される化合物(X−2)を添加し、反応させることにより、上記化合物(a5−1)が得られる。
塩基としては、たとえば水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基;トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。縮合剤としては、例えばエチルジイソプロピルアミノカルボジイミド(EDCI)塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、カルボジイミダゾール等のカルボジイミド試薬やテトラエチルピロホスフェイト、ベンゾトリアゾール−N−ヒドロキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(Bop試薬)等が挙げられる。
また、必要に応じて酸を用いてもよい。酸としては、脱水縮合等で通常用いられるものを使用することができ、具体的には塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類や、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2011053567
[式中、R、R’、Rはそれぞれ前記と同じである。]
得られた含窒素高分子化合物の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
本発明の含窒素高分子化合物は、レジスト組成物用の基材成分(A)として有用な高分子化合物である。当該含窒素高分子化合物を基材成分(A)として用いることにより、解像性、焦点深度幅(Depth of Focus(DOF))、ラインワイズラフネス(LWR)、面内均一性(CDU)等の種々のリソグラフィー特性に優れ、かつ、良好な形状のレジストパターンを形成できる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<基材成分(A)の合成>
本実施例において、基材成分(A)として用いた高分子化合物は、下記化学式で表されるモノマー(1)〜(7)を用いて、以下に示すポリマー合成例によりそれぞれ合成することにより得た。
当該ポリマー合成例で使用した化合物(2)、化合物(7)は、以下に示すモノマー合成例によりそれぞれ合成した。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
[モノマー合成例1:モノマー(2)の合成]
500mlの3つ口フラスコに、窒素雰囲気下、アルコール(1)20g(105.14mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド(EDCI)塩酸塩30.23g(157.71mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)0.6g(5mmol)のTHF溶液300mlを入れ、そこに、氷冷下(0℃)で前駆体(1)16.67g(115.66mmol)を加えた後、室温で12時間撹拌した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認後、50mlの水を加えて反応を停止した。反応溶媒を減圧濃縮し、酢酸エチルで3回抽出して得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム、1N―HClaqの順で洗浄した。減圧下、溶媒留去して得られた生成物を乾燥させ、モノマー(2)を得た。
Figure 2011053567
得られたモノマー(2)の機器分析結果は、以下の通りであった。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ(ppm)=6.22(s,1H,H),5.70(s,1H,H),4.71−4.85(m,2H,Hc,d),4.67(s,2H,H),3.40−3.60(m,2H,He,f),2.58−2.70(m,1H,H),2.11−2.21(m,2H,H),2.00(s,3H,H),1.76−2.09(m,2H,H).
上記の結果から、モノマー(2)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2011053567
[モノマー合成例2:モノマー(7)の合成]
(i)第1工程
温度計、撹拌装置、窒素導入管、滴下ロートを設置した2L三つ口フラスコに塩化アクリロイル217.2g(2.400mol)およびトルエン520gを仕込み、内温を0℃に冷却した。滴下ロートよりシクロペンタジエン190.4g(2.880mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後0℃にて1時間撹拌し、反応中間体溶液を調製した。温度計、撹拌装置、窒素導入管、滴下ロートを設置した2L三つ口フラスコにtert−ブチルアミン201.1g(2.750mol)およびトルエン513gを仕込み、内温を0℃に冷却した。滴下ロートより、先に得られた反応中間体溶液を1時間30分かけて滴下した後、内温を25℃に昇温した。該反応混合物に酢酸エチル1800mlおよび水300mlを添加し30分撹拌後、静置、有機層を得た。得られた有機層を減圧下、濃縮した。該濃縮物に酢酸エチル750mlおよびヘキサン250mlを添加し40℃に加熱した。撹拌しながら2℃まで冷却した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下乾燥し、下記物性を有するN−tert−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミド124.3g(0.643mol;収率26.8%)を得た。
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:6.24(1H,m)、5.97(1H,m)、5.20(1H,br)、3.09(1H,s),2.90(1H,s)、2.77(1H,m)、1.86(1H,m)、1.42(1H,m)、1.35(9H,s)、1.39−1.30(2H,m).
N−tert−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミドの構造を以下に示す。
Figure 2011053567
(ii)第2工程
温度計、撹拌装置、窒素導入管、滴下ロートを設置した2L三つ口フラスコにN−tert−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミド50.0g(0.259mol)、メチレンクロリド250g、炭酸カリウム121.6g(0.880mol)および水550gを仕込み、内温を0℃に冷却した。滴下ロートより、m−クロロ過安息香酸75.9g(0.440mol)およびメチレンクロリド1559gを20分間かけて滴下した。0〜7℃にて4時間撹拌した後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液22gを添加し30分間撹拌した。静置、分液した後、有機層を水400mlで2回洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮した後、ジイソプロピルエーテル554gおよびヘキサン222gを添加した。引き続き、内温を50℃に昇温し固体を溶解した後、2℃まで冷却して結晶化操作を行った。析出した結晶をろ取した後、得られた結晶を減圧下乾燥し、下記物性を有するN−tert−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミド26.4g(0.126mol;収率48.6%)を得た。
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:5.31(1H,br)、3.12(2H,m)、2.60(1H,s)、2.52(1H,s)、2.04(1H,m)、1.92(1H,m)、1.59(1H,m)、1.35(9H,s)、1.39−1.30(2H,m).
N−tert−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミドの構造を以下に示す。
Figure 2011053567
(iii)第3工程
温度計、撹拌装置、窒素導入管を設置した2L三つ口フラスコにカリウム−tert−ブトキシド61.0g(0.544mol)およびtert−ブタノール1045gを仕込み50℃に昇温した。N−tert−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミド56.9g(0.272mol)を1時間かけて添加した。続いて内温を25℃に冷却した後、3.9質量%−塩酸620gおよび酢酸エチル1900mlを添加し30分間撹拌した。静置、分液した後、有機層を水400mlで2回洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮した後、メタノール30gおよびジイソプロピルエーテル820gを添加、内温を50℃に昇温し固体を溶解した。続いて0℃まで冷却し析出した粗結晶をろ取した。得られた粗結晶に酢酸エチル200gおよびジイソプロピルエーテル200gを添加、内温を50℃に昇温し固体を溶解した。続いて0℃まで冷却し析出した結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下乾燥し、下記物性を有するN−tert−ブチル−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール24.9g(0.119mol;収率43.8%)を得た。
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:3.63(1H,s)、3.55(1H,m)、2.85(1H,m)、2.44(1H,br)、2.35(1H,m)、2.25(1H,m)、2.00−1.78(2H,m)、1.42(9H,s)、1.50−1.35(2H,m).
N−tert−ブチル−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロールの構造を以下に示す。
Figure 2011053567
(iv)第4工程
温度計、撹拌装置、窒素導入管、滴下ロートを設置した500mL三つ口フラスコにN−tert−ブチル−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール34.1g(0.163mol)、メチレンクロリド340mlおよびトリエチルアミン29.8g(0.294mol)を仕込み内温を−40℃に冷却した。滴下ロートより塩化メタクリロイル20.5g(0.196mol)を1時間かけて滴下した。該反応混合物にメタノール12mlを添加し、続いて水120mlを添加した後30分間撹拌した。静置、分液した後、水層をメチレンクロリド50mlで4回抽出した。得られたメチレンクロリド層を統合し減圧下濃縮した。濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記物性を有するN−tert−ブチルヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール−6−イル=メタクリル酸(モノマー(7))17.2g(0.062mol;収率38.0%)を得た。
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:6.11(1H,s)、5.59(1H,m)、4.67(1H,m)、3.70(1H,m)、2.93(1H,m)、2.51(1H,m)、2.32(1H,m)、1.95(3H,s)、1.90(1H,m)、1.85(1H,m)、1.64(1H,m)、1.47(1H,m)、1.40(9H,s)
N−tert−ブチルヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]ピロール−6−イル=メタクリル酸の構造を以下に示す。
Figure 2011053567
(実施例1)
[ポリマー合成例1:高分子化合物(1)の合成]
温度計、還流管を繋いだ3つ口フラスコに、11.77g(69.23mmol)の化合物(1)、15.00g(47.47mmol)の化合物(2)、16.58g(63.29mmol)の化合物(3)、4.65g(27.96mmol)の化合物(4)、3.27g(13.85mmol)の化合物(5)、0.55g(1.98mmol)の化合物(7)を、76.91gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を22.1mmol添加し溶解させた。これを窒素雰囲気下、3時間かけて、78℃に加熱したMEK42.72gに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のノルマル(n−)ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別、n−ヘプタン/イソプロピルアルコール混合溶媒にて洗浄、乾燥して、目的物である高分子化合物(1)を43g得た。
この高分子化合物(1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は6900であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.73であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o/p/q=35/22/16/14/12/1であった。
Figure 2011053567
(実施例2〜5)
[ポリマー合成例2〜5:高分子化合物(2)〜(5)の合成]
他の高分子化合物(2)〜(5)の合成は、上記ポリマー合成例1において、各高分子化合物の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記ポリマー合成例1と同様にして合成した。
[ポリマー合成例6:高分子化合物(6)の合成]
他の高分子化合物(6)の合成は、上記ポリマー合成例1において、高分子化合物(6)の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記ポリマー合成例1と同様にして合成した。
(実施例6)
[ポリマー合成例7:高分子化合物(7)の合成]
温度計、還流管を繋いだ3つ口フラスコに、32.32g(102.29mmol)の化合物(2)と、11.93g(34.10mmol)の化合物(6)と、8.05g(34.10mmol)の化合物(5)と、0.95g(3.41mmol)の化合物(7)とを、106.77gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)17.3mmolを添加し溶解させた。これを、窒素雰囲気下で3時間かけて、80℃に加熱したMEK67.00g(67.1g(255.73mmol)の化合物(3)をあらかじめ溶解したもの)に滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別、n−ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、およびメタノールにて洗浄、乾燥して、目的物である高分子化合物(7)を65g得た。
この高分子化合物(7)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は8600であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.64であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o/p=34/11/43/11/1であった。
Figure 2011053567
(実施例7〜10)
[ポリマー合成例8〜11:高分子化合物(8)〜(11)の合成]
他の高分子化合物(8)〜(11)の合成は、上記ポリマー合成例7において、各高分子化合物の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記ポリマー合成例7と同様にして合成した。
[ポリマー合成例12:高分子化合物(12)の合成]
他の高分子化合物(12)の合成は、上記ポリマー合成例7において、高分子化合物(12)の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記ポリマー合成例7と同様にして合成した。
表1に、高分子化合物(1)〜(12)中の各モノマーから誘導される構成単位の割合(モル%)、各高分子化合物の質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)をそれぞれ示す。
得られた高分子化合物の質量平均分子量(Mw)と分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算基準で求めた。
また、共重合体中の各モノマーから誘導される構成単位の割合(モル%)は、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により算出した。
Figure 2011053567
<含フッ素高分子化合物(C)の合成>
[ポリマー合成例13:含フッ素高分子化合物(C)−1の合成]
温度計、還流管を繋いだ3つ口フラスコに、15.00g(54.32mmol)の化合物(c1)、5.21g(23.28mmol)の化合物(c2)を114.52gのTHFを加えて溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を4.66mmol添加し溶解させた。この反応液を、窒素雰囲気下にて80℃6時間加熱撹拌を行った後、室温まで冷却した。得られた反応重合液を減圧濃縮後、大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した重合体をろ別、洗浄、乾燥して、目的物である含フッ素高分子化合物(C)−1を5.6g得た。
この含フッ素高分子化合物(C)−1について、標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)と、分子量分散度(Mw/Mn)はGPC測定により求めた。その結果、質量平均分子量(Mw)が25000、分子量分散度(Mw/Mn)が1.5であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/=80/20であった。
Figure 2011053567
<レジスト組成物の調製>
(実施例11〜29、比較例1〜10)
表2〜3に示す各成分を混合して溶解し、ポジ型のレジスト組成物を調製した。
Figure 2011053567
表2中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表2中の記号は、それぞれ以下のものを示す。
(A)−1:前記高分子化合物(1)。
(A)−2:前記高分子化合物(2)。
(A)−3:前記高分子化合物(3)。
(A)−4:前記高分子化合物(4)。
(A)−5:前記高分子化合物(5)。
(A)−6:前記高分子化合物(6)。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物。
(B)−2:下記化学式(B)−2で表される化合物。
(B)−3:下記化学式(B)−3で表される化合物。
(B)−4:下記化学式(B)−4で表される化合物。
Figure 2011053567
Figure 2011053567
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(D)−2:トリエタノールアミン。
(D)−3:下記化学式(D)−3で表される化合物。
Figure 2011053567
(C)−1:前記含フッ素高分子化合物(C)−1。
(C)−2:下記化学式(C)−2で表される含フッ素高分子化合物(特開2008−134607号公報に記載の方法により合成した。Mw=8000、Mw/Mn=1.47)。
(C)−3:下記化学式(C)−3で表される含フッ素高分子化合物(Mw=8600、Mw/Mn=1.39、組成比l:m=54.2:45.8(モル比))。
Figure 2011053567
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=45/30/25(質量比)の混合溶剤。
Figure 2011053567
表2中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表2中の記号は、それぞれ以下のものを示す。
(A)−7:前記高分子化合物(7)。
(A)−8:前記高分子化合物(8)。
(A)−9:前記高分子化合物(9)。
(A)−10:前記高分子化合物(10)。
(A)−11:前記高分子化合物(11)。
(A)−12:前記高分子化合物(12)。
(B)−2:前記化学式(B)−2で表される化合物。
(B)−3:前記化学式(B)−3で表される化合物。
(B)−4:前記化学式(B)−4で表される化合物。
(B)−5:下記化学式(B)−5で表される化合物。
(B)−6:下記化学式(B)−6で表される化合物。
Figure 2011053567
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(D)−2:トリエタノールアミン。
(D)−3:前記化学式(D)−3で表される化合物。
(C)−1:前記含フッ素高分子化合物(C)−1。
(C)−2:前記化学式(C)−2で表される含フッ素高分子化合物。
(C)−3:前記化学式(C)−3で表される含フッ素高分子化合物。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−3:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
<リソグラフィー特性の評価>
上記で得られたポジ型レジスト組成物を用いて、以下に示すレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成し、リソグラフィー特性を評価した。
[レジストパターンの形成(1)]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、実施例11〜20、比較例1〜5のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚95nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07、Cross pole、液浸媒体:水)により、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、95℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で10秒間、アルカリ現像処理を行い、その後、純水を用いて水リンス30秒間を行い、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅50nmの1:1ラインアンドスペース(L/S)パターンが得られた。
該L/Sパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表4に示す。
[焦点深度幅(DOF)の評価]
上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらし、上記の1:1L/Sパターンがターゲット寸法50nm±5%(すなわち47.5〜52.5nm)の寸法変化率の範囲内で形成できる焦点深度幅(DOF、単位:μm)を求めた。その結果を表4に示す。
[LWR(ラインワイズラフネス)評価]
上記Eopにて形成された1:1L/Sパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立製作所社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に50箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表4に示す。
この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のL/Sパターンが得られたことを意味する。
Figure 2011053567
表4の結果から、本発明に係る実施例11〜20のレジスト組成物は、DOFとLWRのいずれも良好であり、リソグラフィー特性に優れ、かつ、良好な形状のレジストパターンを形成できることが確認できた。
[レジストパターンの形成(2)]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、実施例21〜29、比較例6〜10のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で90℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07、Conventional(0.97)w/oPOLANO、液浸媒体:水)により、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、80℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で20秒間、アルカリ現像処理を行い、その後、純水を用いて水リンス30秒間を行い、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、ホール直径90nmのホールが等間隔(ピッチ140nm)に配置された密コンタクトホールパターン(CHパターン)が得られた。
該CHパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表5に示す。
[CDU評価]
上記Eopにて形成されたCHパターンにおいて、各CHパターン中の100個のホールの直径(CD)を測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、CD均一性(CDU)を示す尺度として算出した。その結果を表5に示す。
この3sの値が小さいほど、ホールのCD均一性が高いことを意味する。
[真円性(Circularity)評価]
上記Eopにて形成されたCHパターンを上空から観察し、測長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9380)により、各CHパターン中の100個のホールについて、該ホールの中心から外縁までの24方向の距離を測定し、その結果から算出した標準偏差(s)の3倍値(3s)を、真円性を示す尺度として算出した。その結果を表5に示す。
この3sの値が小さいほど、ホールの真円性が高いことを意味する。
Figure 2011053567
表5の結果から、本発明に係る実施例21〜29のレジスト組成物は、比較例6〜10に比べて、CDUが良好であり、真円性が高いことから、リソグラフィー特性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できることが確認できた。

Claims (15)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
    前記基材成分(A)は、下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物を含有することを特徴とするレジスト組成物。
    Figure 2011053567
    [式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
  2. 前記一般式(a0)で表される基が、下記一般式(a0−1)で表される基である請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 2011053567
    [式中、R20はメチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHであり;R21は水素原子又は有機基であり;R22はアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基である。ただし、R23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。aは0又は1である。]
  3. 前記一般式(a0−1)におけるR21が、下記一般式(a0−0−1)で表される基である請求項2記載のレジスト組成物。
    Figure 2011053567
    [式中、R24は置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基であり、bは0又は1である。R25はC=O、SO、SO又はC(=O)−Oであり、cは0又は1である。R26は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基又はアリル基であってエーテル結合を含んでいてもよい。]
  4. 前記構成単位(a0)が、アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  5. 前記含窒素高分子化合物が、さらに、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  6. 前記含窒素高分子化合物が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項5記載のレジスト組成物。
  7. 前記含窒素高分子化合物が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項5又は6記載のレジスト組成物。
  8. 支持体上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程及び前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
  9. 下記一般式(a0)で表される基を含む構成単位(a0)を有する含窒素高分子化合物。
    Figure 2011053567
    [式中、R21は水素原子又は有機基である。R27は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基である。R28は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい1価の脂肪族環式基又は置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。ただし、R27とR28とは相互に結合して式中のN−C(=O)と共に環を形成している。]
  10. 前記一般式(a0)で表される基が、下記一般式(a0−1)で表される基である請求項9記載の含窒素高分子化合物。
    Figure 2011053567
    [式中、R20はメチレン基、エチレン基、酸素原子又はC(CHであり;R21は水素原子又は有機基であり;R22はアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C(=O)−O−R23、C(=O)−NH−R23又はカルボキシ基である。ただし、R23は炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、不飽和炭化水素基、脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基である。aは0又は1である。]
  11. 前記一般式(a0−1)におけるR21が、下記一般式(a0−0−1)で表される基である請求項10記載の含窒素高分子化合物。
    Figure 2011053567
    [式中、R24は置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基であり、bは0又は1である。R25はC=O、SO、SO又はC(=O)−Oであり、cは0又は1である。R26は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ビニル基又はアリル基であってエーテル結合を含んでいてもよい。]
  12. 前記構成単位(a0)が、アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項9〜11のいずれか一項に記載の含窒素高分子化合物。
  13. さらに、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項9〜12のいずれか一項に記載の含窒素高分子化合物。
  14. さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項13のいずれか一項に記載の含窒素高分子化合物。
  15. さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項13又は14記載の含窒素高分子化合物。
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