JP2011048228A - 光学物品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチック基材と、プライマー層およびハードコート層を含んで構成され、干渉縞がほとんど生じない光学物品およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】プラスチックレンズ1は、プラスチック基材10と、その上面に形成されたプライマー層11aと、その上面に形成されたバインダー層11bと、その上面に形成されたハードコート層12と、その上面に形成された反射防止層13とを備え、バインダー層11bの屈折率は、プライマー層11aとハードコート層13のいずれの屈折率よりも低く、該プラスチックレンズ1表面における色相角の変動幅が5度以内である。
【選択図】図3
【解決手段】プラスチックレンズ1は、プラスチック基材10と、その上面に形成されたプライマー層11aと、その上面に形成されたバインダー層11bと、その上面に形成されたハードコート層12と、その上面に形成された反射防止層13とを備え、バインダー層11bの屈折率は、プライマー層11aとハードコート層13のいずれの屈折率よりも低く、該プラスチックレンズ1表面における色相角の変動幅が5度以内である。
【選択図】図3
Description
本発明は、プラスチックレンズその他の光学物品およびその製造方法に関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて軽量であり、成形性、加工性、染色性等に優れ、しかも割れにくく安全性も高いため、眼鏡レンズ分野において急速に普及し、その大部分を占めている。また、近年では薄型化、軽量化のさらなる要求に応えるべく、チオウレタン系樹脂やエピスルフィド系樹脂等の高屈折率素材が開発されている。例えば、エピチオ基を有する化合物(エピスルフィド化合物)を硫黄の存在下で重合させることにより非常に屈折率の高いエピスルフィド系樹脂を製造する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。このようなエピスルフィド系樹脂は、屈折率が1.7以上の高屈折率を容易に発現でき、眼鏡レンズの薄型化に有効である。
一方、プラスチックレンズの表面には、耐擦傷性を上げるためにハードコート層を設けることが一般的であり、さらに、ハードコート層とレンズ基材との密着性や耐衝撃性を向上させるために基材とハードコート層の間にプライマー層を設けることも多い。しかしながら、特許文献1、2に記載のプラスチックレンズでは、干渉縞が生じやすかった。
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プラスチック基材と、プライマー層、ハードコート層、および反射防止層を含んで構成され、干渉縞がほとんど生じない光学物品およびその製造方法を提供することを目的とする。
一般に、レンズ表面を観察したときに目視される干渉縞は、レンズ基材、プライマー層およびハードコート層の屈折率に差があり、かつプライマー層やハードコート層の厚みムラがある場合に発生する。通常、プライマー層やハードコート層は、ディッピング法により塗布されるが、この塗布工程において層厚にムラが発生する。一般的なディッピング法では、これらの層厚ムラは設計厚みのそれを中心に±100nm程度生じている。また、レンズはハードコート層の上に反射防止層が形成されており、この反射防止層により干渉色は緑色を基本に設計されている。しかし、上記の現象が発生すると干渉色が青や黄緑に変化し、干渉色の違いにより干渉縞として認識される。
本発明者らはこの干渉色の違いは色相角で表せることに注目し、この色相角の変動がレンズの干渉縞の認識に大きく影響することを見出した。ここで、色相角とは、CIE(Commission Internationale d'Eclairage;国際照明委員会)で規定されるLab表示系におけるa*値およびb*値より求められる値である。
そして、レンズ表面の各位置における干渉色の色相角の変動幅が5度を超えると、人間の目には色の違いとして認識され、レンズ表面の干渉縞の程度がひどいと認識されることがわかった。具体的には、レンズの干渉色を緑色にしたい場合であっても、レンズ各位置における干渉色の色相角が大きく異なると、黄色や青色の干渉色が混じり合い色の違いとして認識され、その結果、干渉縞として人間は認識する。図1は、レンズに干渉縞がほとんど生じていない例を、図2は、レンズに干渉縞が多数生じている例を各々模式的に示したものである。
そして、レンズ表面の各位置における干渉色の色相角の変動幅が5度を超えると、人間の目には色の違いとして認識され、レンズ表面の干渉縞の程度がひどいと認識されることがわかった。具体的には、レンズの干渉色を緑色にしたい場合であっても、レンズ各位置における干渉色の色相角が大きく異なると、黄色や青色の干渉色が混じり合い色の違いとして認識され、その結果、干渉縞として人間は認識する。図1は、レンズに干渉縞がほとんど生じていない例を、図2は、レンズに干渉縞が多数生じている例を各々模式的に示したものである。
そこで、本発明の光学物品は、プラスチック基材と、前記基材上に形成されたプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたハードコート層と、前記ハードコート層の上に形成された反射防止層とを備えた光学物品であって、前記プライマー層の厚みが800nm以上であり、該光学物品表面における干渉色の色相角の変動幅が5度以内であることを特徴とする。
ここで、色相角の変動幅とは、対象となる光学物品表面における干渉色の(色相角の最大値)−(色相角の最小値)である。例えば、対象となる光学物品の任意の表面よりランダムに10箇所を選定し、各位置における干渉色の色相角を測定したときに、「色相角(最高値)−色相角(最低値)」で計算される値でもよい。なお、色相角は、市販の反射率測定器で測定することができる。
本発明の光学物品によれば、プラスチック基材とハードコート層の間に形成されるプライマー層の厚みが800nm以上であり、かつ、該光学物品表面における干渉色の色相角の変動幅が5度以内であるので、干渉縞の少ない光学物品を提供できる。プライマ−層の厚みが800nm未満であると、干渉色の色相角の変動幅が大きく干渉縞が多くあると認識される。それ故、プライマー層の厚みは、900nm以上であることが好ましい。しかし、プライマー層の層厚をこれ以上増やしても色相角の変動幅は小さく、変化しないため、1.5μm程度あれば十分である。逆にプライマー層の厚みが厚すぎると、光学物品表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観的欠陥を生じる場合がある。また、干渉縞を抑制する観点からは、色相角の変動幅が小さいほど良く、4度以内が好ましく、3度以内がより好ましい。
ここで、色相角の変動幅とは、対象となる光学物品表面における干渉色の(色相角の最大値)−(色相角の最小値)である。例えば、対象となる光学物品の任意の表面よりランダムに10箇所を選定し、各位置における干渉色の色相角を測定したときに、「色相角(最高値)−色相角(最低値)」で計算される値でもよい。なお、色相角は、市販の反射率測定器で測定することができる。
本発明の光学物品によれば、プラスチック基材とハードコート層の間に形成されるプライマー層の厚みが800nm以上であり、かつ、該光学物品表面における干渉色の色相角の変動幅が5度以内であるので、干渉縞の少ない光学物品を提供できる。プライマ−層の厚みが800nm未満であると、干渉色の色相角の変動幅が大きく干渉縞が多くあると認識される。それ故、プライマー層の厚みは、900nm以上であることが好ましい。しかし、プライマー層の層厚をこれ以上増やしても色相角の変動幅は小さく、変化しないため、1.5μm程度あれば十分である。逆にプライマー層の厚みが厚すぎると、光学物品表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観的欠陥を生じる場合がある。また、干渉縞を抑制する観点からは、色相角の変動幅が小さいほど良く、4度以内が好ましく、3度以内がより好ましい。
さらに本発明では、前記プライマー層と前記ハードコート層との間に、前記いずれの層の屈折率よりも低い屈折率を有するバインダー層を含むことがより好ましい。
この構成の本発明によれば、プライマー層とハードコート層との間に、これら両層の屈折率よりも低い屈折率を有するバインダー層を挿入すると、プライマー層とハードコート層との密着性を向上させることができる。このバインダー層はプライマー層あるいはハードコート層における金属酸化物が少なく樹脂成分を多量に含んでいるために屈折率が低下しているが、樹脂成分が多いために密着性を向上できる。密着性向上の観点より、バインダー層の屈折率は、プライマー層とハードコート層のいずれの屈折率よりも低い屈折率を有することが好ましい。
また、このようなバインダー層の厚みは、密着性向上の観点より20nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上である。
なお、本発明では、特にことわらないかぎり、屈折率とは「波長550nmにおける屈折率」を意味する。
この構成の本発明によれば、プライマー層とハードコート層との間に、これら両層の屈折率よりも低い屈折率を有するバインダー層を挿入すると、プライマー層とハードコート層との密着性を向上させることができる。このバインダー層はプライマー層あるいはハードコート層における金属酸化物が少なく樹脂成分を多量に含んでいるために屈折率が低下しているが、樹脂成分が多いために密着性を向上できる。密着性向上の観点より、バインダー層の屈折率は、プライマー層とハードコート層のいずれの屈折率よりも低い屈折率を有することが好ましい。
また、このようなバインダー層の厚みは、密着性向上の観点より20nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上である。
なお、本発明では、特にことわらないかぎり、屈折率とは「波長550nmにおける屈折率」を意味する。
本発明の好ましい構成は、プラスチック性の光学基材上にプライマー層、ハードコート層、および反射防止層とを有し、プライマー層の層厚が800nm以上であることを特徴とするプラスチックレンズである。このようなプラスチックレンズはたとえば眼鏡用として好適である。
前記した基材の屈折率は、1.6以上であることが好ましく、より好ましくは1.66以上であり、さらに好ましくは1.7以上、もっとも好ましくは1.72以上である。
基材の屈折率が1.6以上と高いと、光学物品として干渉縞の非常に少ない薄型のプラスチックレンズを提供することができる。
前記した基材の屈折率は、1.6以上であることが好ましく、より好ましくは1.66以上であり、さらに好ましくは1.7以上、もっとも好ましくは1.72以上である。
基材の屈折率が1.6以上と高いと、光学物品として干渉縞の非常に少ない薄型のプラスチックレンズを提供することができる。
本発明の光学物品の製造方法は、上述した光学物品を製造する方法であって、前記基材の上に前記プライマー層を塗布形成するプライマー層塗布工程と、前記プライマー層の上に前記バインダー層を塗布形成するバインダー層塗布工程とを備える。
本発明の光学物品の製造方法によれば、プライマー層の形成後に所定のバインダー層を形成するというだけの簡易な方法で、干渉縞が非常に少なく、また、各層間の密着性にも優れた光学物品を製造することができる。
本発明の光学物品の製造方法によれば、プライマー層の形成後に所定のバインダー層を形成するというだけの簡易な方法で、干渉縞が非常に少なく、また、各層間の密着性にも優れた光学物品を製造することができる。
以下、本発明の光学物品および光学物品の製造方法について実施形態を詳細に説明する。
図3は、本実施形態の光学物品の構成を模式的に示す概略断面図であり、該光学物品は、眼鏡用のプラスチックレンズである。
図3において、プラスチックレンズ1は、プラスチック基材としてのレンズ基材10(以下単に「基材」ともいう。)と、基材10の上面に形成されたプライマー層11aと、このプライマー層11aの上面に形成されたバインダー層11bと、このバインダー層11bの上面に形成されたハードコート層12とを有する。また、本実施形態のプラスチックレンズ1では、このハードコート層12の上面にさらに反射防止層13を形成している。以下、レンズ基材10、プライマー層11a、バインダー層11b、ハードコート層12、および反射防止層13について説明する。
図3は、本実施形態の光学物品の構成を模式的に示す概略断面図であり、該光学物品は、眼鏡用のプラスチックレンズである。
図3において、プラスチックレンズ1は、プラスチック基材としてのレンズ基材10(以下単に「基材」ともいう。)と、基材10の上面に形成されたプライマー層11aと、このプライマー層11aの上面に形成されたバインダー層11bと、このバインダー層11bの上面に形成されたハードコート層12とを有する。また、本実施形態のプラスチックレンズ1では、このハードコート層12の上面にさらに反射防止層13を形成している。以下、レンズ基材10、プライマー層11a、バインダー層11b、ハードコート層12、および反射防止層13について説明する。
(1.レンズ基材)
レンズ基材10としては、公知の素材を使用することができる。具体例としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂等を挙げることができる。レンズ基材10の屈折率は、たとえば、1.64〜1.78程度である。この実施形態においては、屈折率は上記の範囲でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。
レンズ基材10としては、公知の素材を使用することができる。具体例としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂等を挙げることができる。レンズ基材10の屈折率は、たとえば、1.64〜1.78程度である。この実施形態においては、屈折率は上記の範囲でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。
上記レンズ基材10を製造する一例としては、注型重合が挙げられる。注型重合では、対向配置した2枚の円形のガラス型の側面を粘着テープやガスケットで固定することで、ガラス型間の隙間を封止したモールドを組み立て、このモールドに前記重合性組成物を注入充填し、熱エネルギーまたは光エネルギーにより重合硬化させ、最終的にガラス型から離型することで、レンズ基材10を製造することができる。
(2.プライマー層およびバインダー層)
本発明において、バインダー層は必須ではないが、図3に示すように、プライマー層11aの上面にバインダー層11bが形成されることが好ましい。この実施形態におけるプライマー層11aの厚みは800nm以上であり、バインダー層11bの厚みは20nm以上である。また、バインダー層11bの屈折率は、プライマー層11aの屈折率よりも0.03以上小さく、かつ、ハードコート層12の屈折率より0.03以上小さくなっており樹脂成分を多量に含んでいる。
このようなプライマー層11aおよびバインダー層11bは、たとえば、下記(A)から(C)までの成分を含むコーティング組成物から形成される。
(A)有機樹脂
(B)金属酸化物微粒子
(C)有機ケイ素化合物
本発明において、バインダー層は必須ではないが、図3に示すように、プライマー層11aの上面にバインダー層11bが形成されることが好ましい。この実施形態におけるプライマー層11aの厚みは800nm以上であり、バインダー層11bの厚みは20nm以上である。また、バインダー層11bの屈折率は、プライマー層11aの屈折率よりも0.03以上小さく、かつ、ハードコート層12の屈折率より0.03以上小さくなっており樹脂成分を多量に含んでいる。
このようなプライマー層11aおよびバインダー層11bは、たとえば、下記(A)から(C)までの成分を含むコーティング組成物から形成される。
(A)有機樹脂
(B)金属酸化物微粒子
(C)有機ケイ素化合物
(A)成分の有機樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリビニルアルコール樹脂(ケン化型)などが挙げられる。
(B)成分の金属酸化物微粒子としては、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Ti、Siなどの金属から選ばれる酸化物の単独微粒子、あるいはこれらの複合微粒子から選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。
(C)成分の有機ケイ素化合物としては、下記式(1)で示される化合物を好適に使用することができる。
R1R2 nSiX1 3−n (1)
(式中、R1は、重合可能な反応基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜6の炭化水素基であり、X1は加水分解基であり、nは0または1である。)
(B)成分の金属酸化物微粒子としては、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Ti、Siなどの金属から選ばれる酸化物の単独微粒子、あるいはこれらの複合微粒子から選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。
(C)成分の有機ケイ素化合物としては、下記式(1)で示される化合物を好適に使用することができる。
R1R2 nSiX1 3−n (1)
(式中、R1は、重合可能な反応基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜6の炭化水素基であり、X1は加水分解基であり、nは0または1である。)
また、(C)成分としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることがプラスチック基材とハードコート層との密着性を向上させる点で好ましい。
バインダー層11bの屈折率をプライマー層11aの屈折率よりも下げるには、例えば、バインダー層11b形成用の組成物を調製する際に、プライマー層11a形成用の組成物と比べて、(B)成分の割合を少なくしたり、(B)成分として密度の小さな酸化物を選択すればよい。
あるいは、プライマー層の形成後にバインダー層の塗布工程を実施しなくても、工程条件によりプライマー層の表面にバインダー層を形成(合成)することも可能である。たとえば、プライマー層を形成後に、80℃程度の大気雰囲気下で約20分間の焼成を行うと、プライマー層の樹脂成分が表面に析出し樹脂成分を多く含み屈折率が低下する。この層は上記バインダー層として用いることができる。
バインダー層11bの屈折率をプライマー層11aの屈折率よりも下げるには、例えば、バインダー層11b形成用の組成物を調製する際に、プライマー層11a形成用の組成物と比べて、(B)成分の割合を少なくしたり、(B)成分として密度の小さな酸化物を選択すればよい。
あるいは、プライマー層の形成後にバインダー層の塗布工程を実施しなくても、工程条件によりプライマー層の表面にバインダー層を形成(合成)することも可能である。たとえば、プライマー層を形成後に、80℃程度の大気雰囲気下で約20分間の焼成を行うと、プライマー層の樹脂成分が表面に析出し樹脂成分を多く含み屈折率が低下する。この層は上記バインダー層として用いることができる。
(3.ハードコート層)
次に、ハードコート層12について説明する。ハードコート層は、公知の素材を使用することができる。ハードコート層を形成する素材の具体例としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、チオウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
次に、ハードコート層12について説明する。ハードコート層は、公知の素材を使用することができる。ハードコート層を形成する素材の具体例としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、チオウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
(4.反射防止層)
本実施形態では、ハードコート層12の上には、反射防止層13が設けられており、光線反射率の低減、光線透過率の向上が図られる。一般に眼鏡レンズの反射防止層は、見た目やファッション性も重要視され干渉色は緑色に設計されていている。
このような反射防止層13は、たとえば、屈折率が1.3〜1.6である低屈折率層と、屈折率が1.8〜2.6である高屈折率層とが交互に積層されて構成される。層数としては、5層あるいは7層程度である。反射防止層13を構成する各層に使用される無機物の例としては、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Ti2O3、Ti2O5、Al2O3、TaO2、Ta2O5、NdO2、NbO、Nb2O3、NbO2、Nb2O5、CeO2、MgO、SnO2、MgF2、WO3、HfO2、Y2O3、ZrO2などが挙げられる。これらの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上を混合して用いる。
本実施形態では、ハードコート層12の上には、反射防止層13が設けられており、光線反射率の低減、光線透過率の向上が図られる。一般に眼鏡レンズの反射防止層は、見た目やファッション性も重要視され干渉色は緑色に設計されていている。
このような反射防止層13は、たとえば、屈折率が1.3〜1.6である低屈折率層と、屈折率が1.8〜2.6である高屈折率層とが交互に積層されて構成される。層数としては、5層あるいは7層程度である。反射防止層13を構成する各層に使用される無機物の例としては、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Ti2O3、Ti2O5、Al2O3、TaO2、Ta2O5、NdO2、NbO、Nb2O3、NbO2、Nb2O5、CeO2、MgO、SnO2、MgF2、WO3、HfO2、Y2O3、ZrO2などが挙げられる。これらの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上を混合して用いる。
(5.プラスチックレンズの製造方法)
以下、本実施形態に係るプラスチックレンズ1の製造方法について説明する。
プラスチックレンズ1の製造方法は、レンズ基材10の上にプライマー層11aを塗布形成するプライマー層塗布工程と、プライマー層11aの上にバインダー層11bを塗布形成するバインダー層塗布工程と、バインダー層11bの上にハードコート層12を形成するハードコート層形成工程と、ハードコート層12の上に反射防止層13を形成する反射防止層形成工程とを備える。
以下、本実施形態に係るプラスチックレンズ1の製造方法について説明する。
プラスチックレンズ1の製造方法は、レンズ基材10の上にプライマー層11aを塗布形成するプライマー層塗布工程と、プライマー層11aの上にバインダー層11bを塗布形成するバインダー層塗布工程と、バインダー層11bの上にハードコート層12を形成するハードコート層形成工程と、ハードコート層12の上に反射防止層13を形成する反射防止層形成工程とを備える。
(5.1 プライマー層およびバインダー層の形成工程)
プライマー層11aおよびバインダー層11bを形成するための塗布工程を実施する手段としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、インクジェット法などが挙げられる。
(5.2 ハードコート層の形成工程)
ハードコート層12の形成においても、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、インクジェット法などの手法で形成することが可能である。
(5.3 反射防止層の形成工程)
反射防止層13は、前記したように、ハードコート層12の上に形成される。反射防止層13を形成する方法としては、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
具体的には、真空蒸着法、イオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法により誘電体多層膜を5−7層程度積層し、反射防止層13を形成する。
なお、レンズ表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、防汚層を形成してもよい。例えばフッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる防汚層が知られている。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
プライマー層11aおよびバインダー層11bを形成するための塗布工程を実施する手段としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、インクジェット法などが挙げられる。
(5.2 ハードコート層の形成工程)
ハードコート層12の形成においても、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、インクジェット法などの手法で形成することが可能である。
(5.3 反射防止層の形成工程)
反射防止層13は、前記したように、ハードコート層12の上に形成される。反射防止層13を形成する方法としては、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
具体的には、真空蒸着法、イオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法により誘電体多層膜を5−7層程度積層し、反射防止層13を形成する。
なお、レンズ表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、防汚層を形成してもよい。例えばフッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる防汚層が知られている。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
上述した本実施形態によれば、レンズ基材10とハードコート層12との間に設けられたプライマー層11aの厚みが800nm以上であり、かつ、レンズ面内における色相角の変動幅が5nm以下であるので、干渉縞の少ないプラスチックレンズ1を提供できる。プライマ−層11aの厚みが800nm未満であると、干渉縞の発生を十分に抑えることができなくなるおそれがある。それ故、プライマー層11aの厚みは、900nm以上であることより好ましい。干渉縞を抑制する観点からは、色相角の変動幅は4度以内が好ましく、3度以内がより好ましい。
また、プライマー層11aとハードコート層12との間に、上述した所定のバインダー層11bが存在すると、プライマー層11aとハードコート層12との密着性を向上させることができる。
また、バインダー層11bの厚みが20nm以上であると密着性の向上にさらに寄与する。より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上である。
また、バインダー層11bの厚みが20nm以上であると密着性の向上にさらに寄与する。より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上である。
本実施形態におけるプラスチックレンズの製造方法によれば、プライマー層11aの形成後に所定のバインダー層11bを形成するというだけの簡易な方法で、干渉縞が非常に少なく、また各層間の密着性にも優れたプラスチックレンズ1を製造することができる。
また、本実施形態では、プライマー層11aの屈折率と基材10の屈折率との差が0.03以上であり、さらに、バインダー層11bの屈折率とハードコート層12の屈折率との差も0.03以上であるが、プライマー層の厚さを800nm以上とすることで色相角の変化が小さく、干渉縞の発生がさらに抑えられる。
ここで、図4および図5に、プライマー層11aの厚みを変化させた場合に色相角(度)がどうなるかについて、4種類のサンプルを作製してプライマー層厚と色相角との関係を調べた結果を示す。なお、図4は、バインダー層11bがない場合である。
表1には、この4種のサンプル(試験例1から試験例4まで)の各パラメーターを示す。表2は、反射防止層13の層構造を例示したものである。
図6には、試験例1および試験例2においてプライマー層の層厚を400nmとした場合の反射スペクトルを示す。試験例1−1は、バインダー層がないサンプルであり、試験例2−1は100nmの層厚のバインダー層を有しているサンプルである。図6からわかるように、特に試験例2−1の反射スペクトルは530nm付近のリップルが大きくなってしまう。この大きなリップルの出現する波長は、プライマー層の厚みに依存する。前述の通り、プライマー層の厚みにはムラがあるので、レンズの場所によりこの大きなリップルの出現する波長が変わってしまう。大きなリップルが仮に480nm付近に出現すれば干渉色は青、510nm付近に出現すれば緑色、540nm付近に出現すれば黄緑となって観察される。
表1には、この4種のサンプル(試験例1から試験例4まで)の各パラメーターを示す。表2は、反射防止層13の層構造を例示したものである。
図6には、試験例1および試験例2においてプライマー層の層厚を400nmとした場合の反射スペクトルを示す。試験例1−1は、バインダー層がないサンプルであり、試験例2−1は100nmの層厚のバインダー層を有しているサンプルである。図6からわかるように、特に試験例2−1の反射スペクトルは530nm付近のリップルが大きくなってしまう。この大きなリップルの出現する波長は、プライマー層の厚みに依存する。前述の通り、プライマー層の厚みにはムラがあるので、レンズの場所によりこの大きなリップルの出現する波長が変わってしまう。大きなリップルが仮に480nm付近に出現すれば干渉色は青、510nm付近に出現すれば緑色、540nm付近に出現すれば黄緑となって観察される。
図4、図5より、プライマー層11aの厚みが約800nm以上になるといずれの試験例でも色相角の変動幅が減少し、干渉縞の低減に寄与することが理解できる。特に、バインダー層11bを設けた図5の場合では、プライマー層11aの厚みが薄いと、色相角の変動幅も極めて大きいが、プライマー層11aの厚みを約800nm以上にすることで色相角の変動幅が急激に減少する。それ故、プライマー層11aの厚みにムラがあっても、プライマー層11aの厚みを上述の値以上にすることで干渉縞の発生を抑制できることが理解できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本実施形態では、プライマー層形成工程とバインダー層形成工程とが別の工程であるとして説明したが、プライマー組成物の構成や塗布条件を工夫することで1回の塗布でプライマー層とバインダー層を形成してもよい。
本実施形態では、プライマー層形成工程とバインダー層形成工程とが別の工程であるとして説明したが、プライマー組成物の構成や塗布条件を工夫することで1回の塗布でプライマー層とバインダー層を形成してもよい。
以下、本発明の光学物品およびその製造方法について、実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
具体的には、上述した試験例2〜4についてさらにバインダー層の層厚を変化させたプラスチックレンズを作成し、試験例1のプラスチックレンズと併せて以下の方法により密着性と干渉縞の評価を行った。評価結果を表3に示す。表3では、試験例1〜4に対応させて実験例1〜4とした。なお、表3の実験例2において、バインダー層の層厚が0nmの場合とは実験例1に他ならないが便宜上並べて記載している。
具体的には、上述した試験例2〜4についてさらにバインダー層の層厚を変化させたプラスチックレンズを作成し、試験例1のプラスチックレンズと併せて以下の方法により密着性と干渉縞の評価を行った。評価結果を表3に示す。表3では、試験例1〜4に対応させて実験例1〜4とした。なお、表3の実験例2において、バインダー層の層厚が0nmの場合とは実験例1に他ならないが便宜上並べて記載している。
〔評価方法〕
反射防止層が形成された各プラスチックレンズについて、干渉縞の程度および各層間の密着性について評価した。評価方法は以下の通りである。
<干渉縞>
暗箱内において、プラスチックレンズの干渉縞を観察し、次の3段階に分けて評価した。
A:三波長型蛍光灯下で干渉縞の発生が確認されず、優れた外観が得られている。
B:三波長型蛍光灯下で干渉縞の発生が確認されるが、非三波長型蛍光灯下では干渉縞の発生が確認されない。
C:三波長型蛍光灯および非三波長型蛍光灯双方の下で干渉縞の発生が確認でき、外観が不良である。
<密着性>
レンズ基材とプライマー層、(バインダー層)、ハードコート層および反射防止層の各層界面の密着性は、JIS K5400 8.5.1〜2碁盤目法・碁盤目テープ法に準じてクロスカットテープ試験によって行った。即ち、カッターナイフを用い、レンズ表面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製 商品名「セロテープ」)を強く押し付けた後、表面から90度方向へ急に引っ張り、剥離した後のコート被膜の残存マス目数を以下の通り分類した。
A:被膜剥がれなし(残存マス目数100)
B:ほとんど剥がれなし(残存マス目数99〜95)
C:やや剥がれ有り(残存マス目数94〜80)
D:剥がれ有り(残存マス目数79〜30)
E:ほぼ全面剥がれ(残存マス目数29〜0)
反射防止層が形成された各プラスチックレンズについて、干渉縞の程度および各層間の密着性について評価した。評価方法は以下の通りである。
<干渉縞>
暗箱内において、プラスチックレンズの干渉縞を観察し、次の3段階に分けて評価した。
A:三波長型蛍光灯下で干渉縞の発生が確認されず、優れた外観が得られている。
B:三波長型蛍光灯下で干渉縞の発生が確認されるが、非三波長型蛍光灯下では干渉縞の発生が確認されない。
C:三波長型蛍光灯および非三波長型蛍光灯双方の下で干渉縞の発生が確認でき、外観が不良である。
<密着性>
レンズ基材とプライマー層、(バインダー層)、ハードコート層および反射防止層の各層界面の密着性は、JIS K5400 8.5.1〜2碁盤目法・碁盤目テープ法に準じてクロスカットテープ試験によって行った。即ち、カッターナイフを用い、レンズ表面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製 商品名「セロテープ」)を強く押し付けた後、表面から90度方向へ急に引っ張り、剥離した後のコート被膜の残存マス目数を以下の通り分類した。
A:被膜剥がれなし(残存マス目数100)
B:ほとんど剥がれなし(残存マス目数99〜95)
C:やや剥がれ有り(残存マス目数94〜80)
D:剥がれ有り(残存マス目数79〜30)
E:ほぼ全面剥がれ(残存マス目数29〜0)
〔評価結果〕
表3に示すように、プライマー層の厚みが800nm以上であると、レンズの干渉縞が顕著に抑制されることがわかる。密着性に関してもバインダー層が存在すると向上することが分かる。
また、各レンズについて表面からランダムに10箇所を選定し、各位置における色相角を測定して「色相角の変動幅」を算出した。色相角の測定には、オリンパス製レンズ反射率測定器 USPM−RUIIIを用いた。その結果、プライマー層の厚みが800nm以上のレンズでは、色相角の変動幅がいずれも5度以内であった。一方、プライマー層の厚みが700nm以下のレンズでは、いずれも色相角の変動幅が5度を超えており、干渉縞の評価結果と対応する結果となっていた。
表3に示すように、プライマー層の厚みが800nm以上であると、レンズの干渉縞が顕著に抑制されることがわかる。密着性に関してもバインダー層が存在すると向上することが分かる。
また、各レンズについて表面からランダムに10箇所を選定し、各位置における色相角を測定して「色相角の変動幅」を算出した。色相角の測定には、オリンパス製レンズ反射率測定器 USPM−RUIIIを用いた。その結果、プライマー層の厚みが800nm以上のレンズでは、色相角の変動幅がいずれも5度以内であった。一方、プライマー層の厚みが700nm以下のレンズでは、いずれも色相角の変動幅が5度を超えており、干渉縞の評価結果と対応する結果となっていた。
本発明は、プラスチック製眼鏡レンズに利用できる他、コンデンサレンズ、マイクロレンズアレイ、光ディスクの反射防止、ディスプレイの反射防止、および太陽電池の反射防止などにも利用することができる。
1…プラスチックレンズ(光学物品)、10…プラスチック(レンズ)基材、11a…プライマー層、11b…バインダー層、12…ハードコート層、13…反射防止層
Claims (5)
- プラスチック基材と、前記基材上に形成されたプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたハードコート層と、前記ハードコート層の上に形成された反射防止層とを備えた光学物品であって、
前記プライマー層の厚みが800nm以上であり、
該光学物品表面における干渉色の色相角の変動幅が5度以内である
ことを特徴とする光学物品 - 請求項1に記載の光学物品において、
前記プライマー層と前記ハードコート層との間に、前記いずれの層の屈折率よりも低い屈折率を有するバインダー層を含む、
ことを特徴とする光学物品。 - 請求項2に記載の光学物品において、
前記バインダー層の厚みが20nm以上である
ことを特徴とする光学物品。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の光学物品において、
前記基材の屈折率が1.6以上である
ことを特徴とする光学物品。 - 請求項2または請求項3に記載の光学物品を製造する方法であって、
前記基材の上に前記プライマー層を塗布形成するプライマー層塗布工程と、
前記プライマー層の上に前記バインダー層を塗布形成するバインダー層塗布工程とを備える
ことを特徴とする光学物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009197793A JP2011048228A (ja) | 2009-08-28 | 2009-08-28 | 光学物品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2011048228A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020039976A1 (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社タムロン | 反射防止膜、光学素子及び反射防止膜の成膜方法 |
-
2009
- 2009-08-28 JP JP2009197793A patent/JP2011048228A/ja not_active Withdrawn
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WO2020039976A1 (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社タムロン | 反射防止膜、光学素子及び反射防止膜の成膜方法 |
JP2020030237A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社タムロン | 反射防止膜、光学素子及び反射防止膜の成膜方法 |
JP7237489B2 (ja) | 2018-08-20 | 2023-03-13 | 株式会社タムロン | 反射防止膜、光学素子及び反射防止膜の成膜方法 |
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