JP2011043901A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】原画像信号から高速かつ精度良く特定の成分を取得する。
【解決手段】変換部105は、複数の色成分を有する画像を、複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成する。骨格成分生成部107は、変換部105によって生成された複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、複数の色成分の数よりも多くの組み合わせ成分を生成するとともに、生成した複数の組み合わせ成分に基づいて、変換係数に対して補正処理を行う。逆変換部108は、補正された変換係数に対し、複数の周波数帯域にわたって合成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の色成分を有する画像から特定の成分を抽出する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、画像処理装置を搭載する電子機器に関する。
従来、原画像Fを、画像を構成する複数の成分の中で特定の成分とそれ以外の成分に分解する方法が知られている。非特許文献1では、骨格成分(幾何学的画像構造)と骨格成分以外の成分とに分解して抽出する方法が示されている。ここで骨格成分は、画像の大局的な構造を表す成分であり、平坦成分(緩やかに変化する成分)とエッジ成分を含む。原画像Fから骨格成分を取り除いた骨格成分以外の成分は、局所的な構造を表す成分であり、テクスチャのような細かい構造成分とノイズから構成される。
画像分解手法の一例を以下で説明する。ここでは、骨格成分を第1成分Uとし、骨格成分以外の成分であり、原画像F中のテクスチャ成分とノイズを含み、原画像Fに対する第1成分Uの残差成分を第2成分Vとして定義する。
原画像Fは、次式(1)で示すように、第1成分Uと第2成分Vの和として表される。
分解方法として有界変動関数とノルムに基づく分解を行う。ここでは分解を行うために、非特許文献1に記載のA2BC変分モデル(Aujol-Aubert-Blanc-Feraud-Chambolle model)を用いる。最適解として求められる第1成分Uの性質は、不連続境界によって区分された複数の“滑らかな輝度変化の小部分領域”から構成された有界変動関数空間BV(Bounded Variation Function Space)としてモデル化される。第1成分Uのエネルギーは、全変動エネルギーとして、式(2)のTV(Total Variation)ノルムJ(U)で定義される。
ただし、式(2)において、xは第1成分Uの横方向の画素位置であり、yは縦方向の画素位置である。
一方、式(1)中の第2成分Vの関数空間は、振動関数空間Gとモデル化される。振動関数空間Gは、振動母関数g1、g2によって式(3)のように表現された関数の空間であり、そのエネルギーは式(4)のGノルム‖V‖Gとして定義される。
原画像Fの分解問題は、エネルギー汎関数を最小化する式(5)の変分問題として定式化される。この変分問題は、ChambolleのProjection法によって解くことができる。
原画像Fから分解される第2成分Vはノイズの影響を受ける。しかし、第1成分Uはノイズの影響をほとんど受けないため、エッジを鈍らせることなく骨格成分(幾何学的画像構造)が抽出される。
Jean-Francois Aujol, Guy Gilboa, Tony Chan & Stanley Osher, "Structure-Texture Image Decomposition--Modeling, Algorithms, and Parameter Selection", International Journal of Computer Vision, Volume 67, Issue 1, (April 2006) Pages: 111 - 136 Year of Publication: 2006
しかし、上記の変分問題を解いて骨格成分を得るには、上述したChambolleのProjection法を繰り返し適用し、最適解が得られるまで収束させる必要があり、骨格成分と骨格成分以外の成分の分離を高速に行う方法は確立されていなかった。
また、カラー画像の分離は色毎に独立した処理となるため、色間の相関性が考慮されず、色ずれや色むらが残り、精度良く分離を行う方法は十分に確立されていなかった。
本発明は、画像を構成する複数の成分の中から、高速かつ精度良く特定の成分を得ることを目的とする。
本発明のある態様に係る画像処理装置は、複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成する分解手段と、前記分解手段によって生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成する組み合わせ成分生成手段と、前記組み合わせ成分生成手段によって生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行う補正手段と、前記補正手段によって補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成する合成手段と、を備える。
本発明の別の態様に係る画像処理方法は、複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成するステップと、生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成するステップと、生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行うステップと、補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成するステップと、を備える。
本発明のさらに別の態様に係る画像処理プログラムは、複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成するステップと、生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成するステップと、生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行うステップと、補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成するステップと、をコンピュータに実行させる。
これら態様によれば、例えば、画像特徴を記述するために必要十分な成分の個数よりも多くの冗長な成分を用いて原画像を記述し、その中から最も有効な成分を選択することで、画像特徴をより反映した成分を高精度に得ることができる。
本発明によれば、原画像から高速かつ精度良く特定の成分を取得することができる。
本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を搭載した撮像装置の構成を示す図である。 変換部の詳しい構成を示す図である。 骨格成分生成部の詳しい構成を示す図である。 図4(a)は、一般的なHardShrinkage処理における応答図である。図4(b)は、一般的なSoftShrinkage処理における応答図である。 式(9)で定義されるエネルギー関数E(x)のグラフを示す図である。 逆変換部の詳細な構成を示す図である。 第1の実施形態において、画像処理プログラムによる処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置を搭載した撮像装置の構成を示す図である。 骨格成分生成部の詳細な構成を示す図である。 異なるISO感度に応じて、信号レベルに対するノイズ量の関係の一例を示す図である。 色和コアリング部の詳細な構成を示す図である。 色差コアリング部の詳細な構成を示す図である。 第2の実施形態において、画像処理プログラムによる処理フローを示すフローチャートである。 図14(a)は、原画像Fの例と、そのラインプロファイルの例を示す図であり、図14(b)は、骨格成分画像の例と、そのラインプロファイルの例を示す図であり、図14(c)は、骨格成分以外の成分画像の例と、そのラインプロファイルの例を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を搭載した撮像装置の構成を示す図である。以下では、画像処理装置は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置(撮像用電子機器)に搭載されるものとして第1の実施形態を説明する。しかし、本発明は、これに限定されることなく適用可能である。
撮像装置は、システムコントローラ100(制御部)、光学系101、撮像素子102、A/D変換部103(以下、単にA/D103と呼ぶ)、補間部104、変換部105を備える。さらに、撮像装置は、バッファ106、骨格成分生成部107、逆変換部108、差分成分生成部109、第1信号処理部110、第2信号処理部111、成分合成部112、出力部113を備える。上記各部を、論理回路から構成してよいし、CPU(中央演算処理装置)と、演算プログラムを格納するメモリ等から構成してもよい。本実施形態の画像処理装置は、変換部105、骨格成分生成部107、逆変換部108等から構成される。
本実施形態に係る画像処理装置では、原画像Fを成分分離することにより、特定の成分を得る。特に、本実施形態に係る画像処理装置では、原画像Fを成分分離することにより、第1成分U、および、第2成分Vを生成する。ここで、第1成分Uは、平坦成分(緩やかに変化する成分)とエッジ成分を含む原画像信号の骨格成分(幾何学的画像構造)である。第2成分Vは、骨格成分以外の成分であり、原画像信号に対する第1成分Uの残差成分を表している。成分分離後、分離した成分毎に最適な処理を施して合成する。
図14(a)に原画像Fの例と、そのラインプロファイルの例を示す。図14(b)に骨格成分画像の例と、そのラインプロファイルの例を示す。図14(c)に骨格成分以外の成分画像の例と、そのラインプロファイルの例を示す。
図14(b)に示すように、骨格成分は、原画像信号の大局的な構造を表す成分である。大局的な構造は信号の特徴の概要部分を表すものであり、エッジ成分と、エッジによって区分された輝度変化の滑らかな領域の平坦成分(緩やかに変化する成分)から構成される。図14(c)に示すように、骨格成分以外の成分は、局所的な構造を表す成分である。局所的な構造は信号の特徴の詳細部分を表すものであり、テクスチャのような細かい構造成分とノイズから構成される。
撮像素子102は、A/D103を介して補間部104へ接続されている。補間部104は、変換部105および差分成分生成部109に接続されている。変換部105は、バッファ(バッファメモリ)106を介して、骨格成分生成部107と逆変換部108へ接続されている。骨格成分生成部107は、逆変換部108へ接続されている。逆変換部108は、第1信号処理部110および差分成分生成部109へ接続されている。
差分成分生成部109は、第2信号処理部111へ接続されている。第1信号処理部110、第2信号処理部111は、成分合成部112へ接続されている。成分合成部112は、出力部113へ接続されている。各処理部は、システムコントローラ100に接続しており、システムコントローラ100により動作を制御される。
撮像素子102は、システムコントローラ100の制御に基づき、光学系101を通して撮像素子102面上に結像した光学像をアナログ画像信号として出力する。なお、本実施形態において、撮像素子102は、色フィルタアレイを前面に配置したカラー用撮像素子である。撮像素子102は、CMOS方式のものでもCCD方式のものでも良く、また、単板方式、多板方式のいずれでも良い。
アナログ画像信号は、A/D103へ転送される。A/D103は、アナログ画像信号をデジタル信号に変換し、補間部104へ転送する。
補間部104は、デジタル信号に対し、所定のデモザイク処理を施し、カラー三板画像信号(以下、原画像Fと呼ぶ)を生成する。本実施形態において、原画像Fは、R(赤)、G(緑)、B(青)の色信号により構成されている。以降、R(赤)、G(緑)、B(青)の色信号をそれぞれFr、Fg、Fbと呼ぶこととする。原画像Fは、変換部105へ転送される。
変換部105は、各色信号Fr、Fg、Fbに対して、所定のI段階(Iは1以上の整数)の多重解像度分解を行い、各色信号を複数の周波数帯域に分解して複数の周波数帯域に対応する変換係数を生成する。変換部105は、分解の段階数i(iは、1以上I以下の整数)ごとの高周波成分、低周波成分に関する変換係数を生成し、バッファ106へ記録する。なお、多重解像度分解の詳細については後述する。
骨格成分生成部107は、各高周波成分に関する変換係数に含まれ、原画像信号の平坦成分とエッジ成分を構成する骨格成分である第1成分を抽出する。このため、まず、高周波成分に関する変換係数を用いて、色成分間で色和成分、および色差成分を生成する。次に、変換係数、色和成分、および、色差成分を用いて、予め設定された算出式に基づいて、色和・色差のL0ノルムを最適化し得る可能性を持つ24通りの可能解を求める。求めた24通りの可能解毎に所定の評価関数に従う評価を行うことで最適解を選び、これを元の変換係数に含まれる第1成分として置き換える。以上の処理を、I段階に分解した全ての段階の変換係数に対して行う。なお、骨格成分生成の詳細は後述する。
逆変換部108(重解像度合成部)は、バッファ106から低周波成分に関する変換係数を取得するとともに、骨格成分生成部107から高周波成分に関する変換係数に含まれる第1成分を取得する。ここで、逆変換部108は、低周波成分、および高周波成分に含まれる第1成分に基づき、原画像Fに対する第1成分Uを生成する。生成した第1成分Uは、第1信号処理部110、および差分成分生成部109へ転送される。なお、多重解像度合成処理の詳細は後述する。
差分成分生成部109は、次式(6)に従い、補間処理後の原画像Fと第1成分Uに関して、各色成分独立に画素毎の差分値を計算し、これを第2成分Vとして第2信号処理部111へ転送する。
第1信号処理部110は、逆変換部108から原画像Fに対する第1成分Uを読み込み、所定の信号処理を実施する。本実施形態では、原画像Fに対する第1成分Uに対し、階調変換を実施する。例えば、第1信号処理部110は、第1成分Uに対して、信号レベルに基づきヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムに基づき階調変換曲線を設定する。第1信号処理部110は、階調変換曲線から各画素に係る階調変換係数を取得して、第1成分Uに乗算して階調変換後の第1成分U’を得ることができる。第1信号処理部110は、その他、γ補正等の階調変換を行ってもよい。階調変換後の第1成分U’は、成分合成部112へ転送される。
第2信号処理部111は、差分成分生成部109から第2成分Vを読み込み、所定の信号処理を実施する。本実施形態では、第2成分Vに対して、ノイズ低減処理、及びゲインの乗算による鮮鋭化処理を行う。処理後の第2成分V’は、成分合成部112へ転送される。ノイズ低減処理として、例えば、コアリング処理やフィルタリング処理が為される。
成分合成部112は、第1信号処理部110で処理された第1成分U’、及び第2信号処理部111で処理された第2成分V’を所定の比率で合成することにより、合成成分F’を得る。所定の比率は、例えば1:1の比率である。合成成分F’は出力部113へ転送され、フラッシュメモリ等で構成される記憶メディアへ記録される。
続いて、図2を参照して、変換部105の詳しい構成について説明する。変換部105は、各色信号Fr、Fg、Fb毎に、複数の周波数帯域に分解し、複数の周波数帯域毎に変換係数を生成する。
変換部105は、データ読取部200と、バッファ(バッファメモリ)201と、水平ハイパスフィルタ202と、水平ローパスフィルタ203と、サブサンプラ204、205とを含む。また、変換部105は、垂直ハイパスフィルタ206と、垂直ローパスフィルタ207と、垂直ハイパスフィルタ208と、垂直ローパスフィルタ209とを含む。さらに、変換部105は、サブサンプラ210、211、212、213と、切換部214と、データ転送制御部215と、基底関数ROM216と、フィルタ係数読取部217とを含んでいる。
補間部104は、データ読取部200を介して、バッファ201へ接続されている。バッファ201は、水平ハイパスフィルタ202および水平ローパスフィルタ203へ接続されている。水平ハイパスフィルタ202は、サブサンプラ204を介して、垂直ハイパスフィルタ206および垂直ローパスフィルタ207へ接続されている。水平ローパスフィルタ203は、サブサンプラ205を介して、垂直ハイパスフィルタ208および垂直ローパスフィルタ209へ接続されている。
垂直ハイパスフィルタ206は、サブサンプラ210へ、垂直ローパスフィルタ207はサブサンプラ211へ、それぞれ接続されている。垂直ハイパスフィルタ208は、サブサンプラ212へ、垂直ローパスフィルタ209は、サブサンプラ213へ、それぞれ接続されている。サブサンプラ210、211、212、213は、切換部214へそれぞれ接続されている。サブサンプラ213は、さらに、データ転送制御部215へも接続されている。
切換部214は、バッファ106へ接続されている。データ転送制御部215は、バッファ201へ接続されている。基底関数ROM216は、フィルタ係数読取部217へ接続されている。フィルタ係数読取部217は、水平ハイパスフィルタ202、水平ローパスフィルタ203, 垂直ハイパスフィルタ206、垂直ローパスフィルタ207、垂直ハイパスフィルタ208、垂直ローパスフィルタ209へそれぞれ接続されている。
基底関数ROM216には、Haar関数やDaubecies関数などのウェーブレット変換に用いられるフィルタ係数が記録されている。これらの内の、例えばHaar関数におけるハイパスフィルタの係数を式(7)に、ローパスフィルタの係数を式(8)にそれぞれ示す。本実施形態においては、Haarの基底関数を用いている。
なお、これらのフィルタ係数は、水平方向と垂直方向とに共通して用いられる。
フィルタ係数読取部217は、基底関数ROM216からフィルタ係数を読み込む。フィルタ係数読取部217は、水平ハイパスフィルタ202、垂直ハイパスフィルタ206、垂直ハイパスフィルタ208へハイパスフィルタ係数を転送する。フィルタ係数読取部217は、水平ローパスフィルタ203、垂直ローパスフィルタ207、垂直ローパスフィルタ209へローパスフィルタ係数を転送する。
こうして、各ハイパスフィルタおよび各ローパスフィルタへフィルタ係数が転送された後に、データ読取部200は、補間部104から原画像Fを読み込んで、バッファ201へ転送する。
バッファ201上の原画像Fには、水平方向および垂直方向のフィルタリング処理がなされる。このフィルタリング処理は、水平ハイパスフィルタ202、水平ローパスフィルタ203、垂直ハイパスフィルタ206、208、垂直ローパスフィルタ207、209によって行われる。ここで、サブサンプラ204、205は、入力映像信号に対して、水平方向に1/2にサブサンプリング(ダウンサンプリング)する。サブサンプラ210、211、212、213は、入力映像信号を垂直方向に1/2にサブサンプリングする。
従って、サブサンプラ210の出力は、水平垂直両方向の高周波成分に対応する変換係数HH1を、サブサンプラ211の出力は、水平方向の高周波成分に対応する変換係数LH1を、サブサンプラ212の出力は、垂直方向の高周波成分に対応する変換係数HL1をそれぞれ与える。サブサンプラ213の出力は、低周波成分に対応する変換係数LL1を与える。
切換部214は、上記3つの高周波成分に対応する変換係数HH1、LH1、HL1と、低周波成分に対応する変換係数LL1とを、バッファ106へ順次転送する。また、データ転送制御部215は、サブサンプラ213から出力される変換係数LL1をバッファ201へ転送する。
こうしてバッファ201に記憶された変換係数LL1は、上述と同様のフィルタリング処理により2段階目の分解が行われて、3つの高周波成分に対応する変換係数HH2、LH2、HL2と、低周波成分に対応する変換係数LL2とが出力される。
上述したような過程は、所定のI段階の分解が行われるまで反復されるように制御される。I段階の分解が終了すると、バッファ106には、各段階i=1〜Iに対応する変換係数(ウェーブレット変換係数)として、高周波成分に関する変換係数HHi、LHi、HLi(i=1〜I)および低周波成分に関する変換係数LLi(i=1〜I)が保存されることになる。
続いて、図3を参照して、骨格成分生成部107の動作の詳細について説明する。
はじめに骨格成分生成部107が行うL0ノルムを用いた骨格成分の生成アルゴリズムについて説明する。
所定の基底関数に基づく直交変換等の変換領域において、硬判定閾値処理(以下、Hard Shrinkage)に基づく雑音除去が一般的に行われている。Hard Shrinkage処理は、入力信号に対し、入力値が予め設定した下限閾値および上限閾値で規定される範囲(以下、コアリング範囲)内に属する場合に、その信号値を一律ゼロとして出力し、コアリング範囲を外れる場合には、特に処理を加えず入力値をそのまま出力するという入出力関係を規定するものである。
図4(a)は、一般的なHardShrinkage処理における応答図である。HardShrinkage処理により、原画像からテクスチャ等の微細な構造やノイズを除去し、大局的な構造を表すエッジ部、及び平坦部を残した骨格成分画像を抽出することができる。
ところで、HardShrinkage関数は、1変数(単色の場合に相当)の場合、式(9)で示されるl0-l2型差雑音除去最適化問題の解析解として定義することができる。
ここで、x0は入力、xは出力、λは所定の係数である。
図5は、式(9)で定義されるエネルギー関数E(x)のグラフを示す図である。式(9)の解析解は、以下(i)〜(iv)に従い求めることができる。
(i)エネルギー関数E(x)はx=0で不連続である。もし、x≠0ならば、E(x)は一変数の二次関数1+λ(x−x02/2となり、x=x0で最小となる。
(ii)上記(i)より、最適解x*は、x*=0かx*=x0のいずれかに限られる。以後、最適解x*となり得るこれらの解を可能解と呼ぶ。いずれの可能解が最適かは、エネルギー値E(x0)、E(0)の大小により決まる。
(iii)E(x0)<E(0)ならば、最適解x*=x0となる。
E(x0)>E(0)ならば、最適解x*=0となる。
E(x0)=E(0)ならば、x*=x0、x*=0の両者が最適解(エネルギー関数を最小化する大域解)となる。すなわち、最適解は一意に決まらない。
(iv)結局、最適解x*は、次式(10)に示されるHardShrinkage関数によって与えられる。
ここで、R,G,B3色の色成分からなるカラー画像を前提として、式(9)を3変数に拡張する。この場合、l0-l2型差雑音除去最適化問題は、次式(11)のように定義されるが、カラー画像の原色信号間に存在する複雑な相互相関関係を活用するためにさらに拡張を行う。すなわち色和のL0ノルム、色差のL0ノルムを式(11)のエネルギー関数に導入し、変数間の相互相関を考慮した式(12)に示される3変数からなるl0-l2型差雑音除去最適化問題へと拡張する。
式(12)の最適解c*を求める演算は、複雑な閾値処理演算となり、簡潔に記述することはできない。しかし、3変数の場合、数学的解析により、式(13a)、(13b)、(13c)、(13d)で示される24通りの可能解{c(p)=(r(p)、g(p)、b(p))、p=0、1、…、23}に限定される。
式(13a)に示す通り、24通りの可能解c(p)は0、3変数、2変数間の色和・色差成分、3変数間の色和・色差成分のうちのいずれかの組合せとなっている。
従って、本実施形態においては、画素毎に2変数間の色和・色差成分、3変数間の色和・色差成分を算出し、それらを0または3変数と組合せることで、式(13a)に示される24通りの可能解c(p)を全て算出する。そして、算出した24通りの可能解c(p)毎にエネルギー値{φp=F(c(p))、p=0、1、…、23}を計算し、24個の可能解c(p)から最小のエネルギー値を与える可能解を最適解として出力する。ただし最小のエネルギー値を与える可能解が複数存在する場合、疎表現(Sparse Representation)の観点から、複数の可能解からその3要素(各色成分毎の要素)のうちのより多くの要素が0とされている可能解を最適解として選択する。
骨格成分生成部107は、上述したアルゴリズムを各変換係数に対して適用することで骨格成分を抽出する。骨格成分生成部107の内部における各部の動作を図3を参照しながら説明する。
骨格成分生成部107は、データ読取部400、色和生成部401、色差生成部402、可能解算出部403、評価値算出部404、評価部405、最適解書換部406、バッファ407を含んでいる。
バッファ106は、データ読取部400に接続されている。データ読取部400は、色和生成部401、色差生成部402、および、可能解算出部403に接続されている。色和生成部401および色差生成部402は、可能解算出部403に接続されている。可能解算出部403は、評価値算出部404および最適解書換部406に接続されている。評価値算出部404は、評価部405に接続されている。評価部405は、最適解書換部406に接続されている。最適解書換部406は、バッファ407に接続されている。バッファ407は、逆変換部108に接続されている。
以下、各色成分Fkに対する高周波成分に関する変換係数Hk i(ウェーブレット係数HHi、LHi、HLi)に対し、画素毎に上記アルゴリズムを適用することで、骨格成分Hk i’(ウェーブレット係数HHi’、LHi’、HLi’)を抽出する例について説明する。ここで、添字k(=r,g,b)は色を表す記号である。k=rはR信号、k=gはG信号、k=bはB信号を表す。添字i(i=0〜I)は多重解像度分解の段階数を表す。
データ読取部400は、バッファ106から色信号Fr、Fg、Fbに対する変換係数Hr i、Hg i、Hb iを読み出し、色和生成部401、色差生成部402、および、可能解算出部403へ転送する。
色和生成部401は、式(13c)に従って、色和成分t12,t14,t16を生成する。ただし、r0にHr i、g0にHg i、b0にHb iを代入している。生成した色和成分t12,t14,t16は可能解算出部403へ転送される。
色差生成部402は、式(13b)、(13d)に従って、3つの色成分に基づく色差成分t8,t9,t10,t11、2つの色成分に基づく色差成分t18,t20,t22を生成する。ただし、r0にHr i、g0にHg i、b0にHb iを代入している。生成した色差成分t8,t9,t10,t11,t18,t20,t22は、可能解算出部403へ転送される。
可能解算出部403は、データ読取部400からの変換係数Hr i、Hg i、Hb i、色和生成部401からの色和成分t12,t14,t16、色差生成部402からの色差成分t8,t9,t10,t11,t18,t20,t22に基づき、式(13a)に従って、24通りの可能解c(p)を生成する。生成した24通りの可能解c(p)は、評価値算出部404へ転送される。
評価値算出部404は、24通りの可能解c(p)毎に、式(12)に示されるエネルギー値{φp=F(c(p))、p=0、1、…、23}を全て算出する。算出した24通りのエネルギー値φpは、評価部405に転送される。
評価部405は、24通りのエネルギー値φpの中から最小のエネルギー値を探索し、最小のエネルギー値に対応する可能解の番号を最適解書換部406に出力する。可能解の番号とは、可能解c(p)のp=0〜23のいずれかである。
最適解書換部406は、評価部405からの可能解の番号に対応する最適解を可能解算出部403で算出された24通りの可能解の中から選択し、骨格成分Hk i’としてバッファ407に書き込む。
以上の処理を全ての多重解像度分解の段階において、全ての画素に関する変換係数に対し適用する。バッファ407に記録された骨格成分Hk i’は逆変換部108へ転送される。
図6は、逆変換部108の詳細な構成を示す図である。逆変換部108は、データ読取部600と、切換部601と、アップサンプラ602 と、アップサンプラ603と、アップサンプラ604と、アップサンプラ605とを含む。また、逆変換部108は、垂直ハイパスフィルタ606と、垂直ローパスフィルタ607と、垂直ハイパスフィルタ608と、垂直ローパスフィルタ609と、アップサンプラ610と、アップサンプラ611とを含む。さらに、逆変換部108は、水平ハイパスフィルタ612と、水平ローパスフィルタ613と、バッファ614と、データ転送制御部615と、基底関数ROM616と、フィルタ係数読取部617と、を含む。
骨格成分生成部107は、データ読取部600を介して切換部601へ接続されている。切換部601は、アップサンプラ602とアップサンプラ603とアップサンプラ604とアップサンプラ605とへそれぞれ接続されている。アップサンプラ602は、垂直ハイパスフィルタ606へ、アップサンプラ603は、垂直ローパスフィルタ607へそれぞれ接続されている。アップサンプラ604は、垂直ハイパスフィルタ608へ、アップサンプラ605は、垂直ローパスフィルタ609へ、それぞれ接続されている。
垂直ハイパスフィルタ606および垂直ローパスフィルタ607は、アップサンプラ610へそれぞれ接続されている。垂直ハイパスフィルタ608および垂直ローパスフィルタ609は、アップサンプラ611へそれぞれ接続されている。アップサンプラ610は、水平ハイパスフィルタ612へ、アップサンプラ611は、水平ローパスフィルタ613へ、それぞれ接続されている。水平ハイパスフィルタ612および水平ローパスフィルタ613は、バッファ614へそれぞれ接続されている。
バッファ614は、差分成分生成部109、第1信号処理部110、および、データ転送制御部615へそれぞれ接続されている。データ転送制御部615は、切換部601へ接続されている。基底関数ROM616は、フィルタ係数読取部617へ接続されている。フィルタ係数読取部617は、垂直ハイパスフィルタ606、608と垂直ローパスフィルタ607、609と水平ハイパスフィルタ612と水平ローパスフィルタ613とへそれぞれ接続されている。
基底関数ROM616には、Haar関数やDaubechies関数などの逆ウェーブレット変換に用いられるフィルタ係数が記録されている。本実施形態においては、変換部105に対応してHaarの基底関数を用いる。
フィルタ係数読取部617は、基底関数ROM616からフィルタ係数を読み込んで、垂直ハイパスフィルタ606、垂直ハイパスフィルタ608、水平ハイパスフィルタ612へハイパスフィルタ係数を転送する。また、フィルタ係数読取部617は、垂直ローパスフィルタ607、垂直ローパスフィルタ609、水平ローパスフィルタ613へローパスフィルタ係数を、それぞれ転送する。各ハイパスフィルタ606、608、612、および、各ローパスフィルタ607、609、613には、転送されたフィルタ係数が設定される。
逆変換部108は、変換部105からバッファ106を介して低周波成分を読み込むとともに、骨格成分生成部107から各高周波成分Hk i(HH'i、LH'i、HL'i)に含まれる第1成分Uk i(L)を読み込む。
逆変換部108は、低周波成分、及び各高周波成分に含まれる第1成分Uk i(L)に基づき、原画像Fに対する第1成分U(=Ur,Ub,Ug)を生成する。
本実施形態においては、各高周波成分に含まれる各第1成分をHH'i、LH'i、HL'i、低周波成分をLLiと表し、原画像Fに対する第1成分Uを生成する場合について説明する。合成した原画像Fに対する第1成分Uは、差分成分生成部109および第1信号処理部110へ転送される。
切換部601は、高周波成分HH'iをアップサンプラ602を介して垂直ハイパスフィルタ606へ、高周波成分LH'iをアップサンプラ603を介して垂直ローパスフィルタ607へそれぞれ転送する。また、切換部601は、高周波成分HL'iをアップサンプラ604を介して垂直ハイパスフィルタ608へ、低周波成分LLiをアップサンプラ605を介して垂直ローパスフィルタ609へ、それぞれ転送する。各フィルタ606〜609は、垂直方向のフィルタリング処理を実行する。
さらに、垂直ハイパスフィルタ606および垂直ローパスフィルタ607からの周波数成分は、アップサンプラ610を介して水平ハイパスフィルタ612へ、それぞれ転送される。垂直ハイパスフィルタ608および垂直ローパスフィルタ609からの周波数成分は、アップサンプラ611を介して水平ローパスフィルタ613へ、それぞれ転送される。各フィルタ612、613は、水平方向のフィルタリング処理を行う。水平ハイパスフィルタ612および水平ローパスフィルタ613からの周波数成分は、バッファ614へ転送されて一つに合成されることにより、補正処理がなされた低周波成分LL'i-1が生成される。
ここで、アップサンプラ602、アップサンプラ603、アップサンプラ604、アップサンプラ605は、入力周波数成分を垂直方向に2倍にアップサンプリングする。アップサンプラ610、アップサンプラ611は、入力周波数成分を水平方向に2倍にアップサンプリングする。
データ転送制御部615は、バッファ614から低周波成分LL'i-1を読み出して、読み出した低周波成分LL'i-1を切換部601へ転送する。
また、データ読取部600は、骨格成分生成部107から補正処理がなされた三種類の高周波成分HH'i-1,LH'i-1,HL'i-1を読み込んで、切換部601へ転送する。
その後、分解の段階数i−1の周波数成分に対して、上述と同様のフィルタリング処理がなされ、低周波成分LL'i-2 がバッファ614へ出力される。このような過程は、所定のI段階の合成が行われるまで反復される。こうしてバッファ614には、最終的に、補正処理がなされた低周波成分LL'0が出力される。この低周波成分LL'0は、原画像Fに対する第1成分Uに相当する。
なお、本実施形態では、式(13a)を満たす24通りの可能解を全て算出し、その中から最適解を求めているが、全ての可能解は算出せず予め解の数を絞ることで、骨格成分精度は多少犠牲となるが、更なる処理の高速化を図ることができる。例えば、3変数からなる色差成分が係るc(9)、c(10)、c(11)、c(12)については解の算出を予め省略し、その他の可能解の中から最適解を選択する構成とすることで高速な処理が可能となる。
なお、本実施形態では、Harr基底による直交ウェーブレット変換を行っているが、双直交ウェーブレット基底等も含め、全てのウェーブレット基底による変換、及び全ての多重解像度変換の適用可能である。
また、サブサンプリングを行わないタイプの(各レベルの各ウェーブレット係数が入力画素と同じ数になるよう)冗長性を持たせたウェーブレット変換(Undecimated Wavelet Transform, Stationary Wavelet Transform等)を適用することも可能である。さらに、変換部、逆変換部に、それぞれDCT変換等の直交変換、及び逆変換を適用し、そのAC成分を高周波成分に関する変換係数として本実施形態における成分抽出処理を適用することも可能である。
上述した説明では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定されるものでもない。例えば、撮像素子102からの原画像信号を未処理のままのRawデータとしてメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。さらに、撮像条件などの付随情報(例えば、ISO感度などの撮像条件など)をRawデータのヘッダ情報として記録媒体に記録しておく。そして、別途のソフトウェアである画像処理プログラムをコンピュータに実行させて、記録媒体の情報をコンピュータに読み取らせ、処理することも可能である。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この画像処理プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該画像処理プログラムを実行するようにしても良い。
図7を参照して、画像処理プログラムによる処理のメインルーチンを説明する。ステップS1では、記録媒体から、Raw画像や、露光条件、画像処理条件などのヘッダ情報を読み込むとともに、Raw画像に基づき所定の補間処理を行うことにより、3色の色信号で構成される原画像信号Fを生成する。
ステップS2では、原画像信号Fに対して、分解の段階数iの多重解像度分解を行って、複数の周波数帯域に分解し、周波数帯域毎に対応する変換係数を取得する。
ステップS3では、分解の段階数を示す変数iを0に初期化する。ステップS4では、分解の段階数iを1増分する。
ステップS5では、分解の段階数iに関し、未処理の画素を注目画素として選択する。
ステップS6では、注目画素に関する変換係数から、式(13b)、(13c)、(13d)に基づいて、色和成分および色差成分を算出する。
ステップS7では、変換係数、色和成分、色差成分から、予め設定された算出式(13a)に基づき、24通りの可能解を算出する。
ステップS8では、24通りの各可能解に対して、式(12)に基づきエネルギー値を算出する。
ステップS9では、24通りのエネルギー値の中から最小値を探索し、最小値を示す可能解を最適解として選択し、これを元の変換係数に対する補正結果とする。
ステップS10では、全ての画素について、ステップS9までの処理が行われたか否かを判定する。未処理の画素があると判定すると、ステップS5に戻る。全画素に対して処理を行ったと判定すると、ステップS11へ進む。
ステップS11では、分解の段階数iを参照し、iが予め設定された所定の多重解像度レベルIより小さいか否かを判定する。iがIより小さいと判定するとステップS4に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、iがI以上であると判定すると、ステップS12に進む。
ステップS12では、補正後の変換係数、および低周波成分に関する変換係数に基づき多重解像度合成を行い、原画像信号Fに対する第1成分Uを生成する。
ステップS13では、原画像信号Fから第1成分Uを減算することにより、原画像信号Fに対する第2成分Vを生成する。
ステップS14では、第1成分Uおよび第2成分Vそれぞれに対して、所定の信号処理を行う。所定の信号処理は、例えば、第1信号処理部110および第2信号処理部111でそれぞれ行われる処理である。
ステップS15では、信号処理された第1成分U’と第2成分V’を成分合成処理により合成する。この後、公知の圧縮処理などを行った後、出力し、一連の処理を終了する。画像処理プログラムによる処理を行う場合には、特別なハードウェアを必要とせず、簡便に処理が行える利点がある。
以上、第1の実施形態における画像処理装置によれば、以下の手順により、特定の成分、例えば、画像の大局的な構造を表す骨格成分を抽出する。まず、複数の色成分を有する画像を、複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成する。続いて、生成された複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成する。そして、生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、変換係数に対して補正処理を行い、補正された変換係数に対し、複数の周波数帯域にわたって合成する処理を行う。
第1の実施形態における画像処理装置によれば、原画像に対し、直交変換等を行って生成した各種成分の中から、画像特徴を記述するために不要な成分を除去するとともに、有効な成分のみを選択して、これらの線形和として画像を記述することにより、雑音やテクスチャ等の微細な構造成分を除去した骨格成分を生成することができる。このとき、画像特徴を記述するために必要十分な成分の個数よりも、より多くの(冗長な)成分を用いて原画像を記述し、その中から最も有効な成分を選択することで、画像特徴をより反映した高精度な骨格成分を生成することができる。
第1の実施形態における画像処理装置によれば、複数の色成分のうち2つの色成分を足し合わせた色和成分、および、複数の色成分のうち2つの色成分のいずれか一方をその他方から引いた色差成分のうち、少なくともいずれか一つの成分を含む組み合わせ成分を生成する。画像特徴を記述するために必要十分な成分である変換係数の個数よりも、より多くの成分で画像特徴を記述するための冗長な成分を、色和成分、色差成分として簡単に生成することができる。
特に、第1の実施形態における画像処理装置によれば、複数の色成分間の相関性に基づいて、変換係数に対して補正処理を行うので、色成分間の相関を考慮した高精度な骨格成分の生成を実現することができる。
また、第1の実施形態における画像処理装置によれば、色和成分および色差成分を含む組み合わせ成分を有する関数において、組み合わせ成分のL0ノルムを最適化する組み合わせ成分を、補正後の変換係数とする。冗長な組み合わせ成分の中から、画像特徴の記述により有効な(大きく寄与している)組み合わせ成分を、L0ノルムに基づき非零値の個数を数え上げることで、簡潔に評価、選択することができる。
特に、第1の実施形態における画像処理装置によれば、変換係数、色和成分、色差成分、および、零値のうちの少なくとも一つの値を含むとともに、色和成分および色差成分のL0ノルムを最小化しうる可能性を持つ組み合わせを全て算出し、算出した組み合わせの中から、所定の評価関数に基づいて最適解を選択して、補正後の変換係数とする。色和成分および色差成分のL0ノルム(非零値の個数)を含むエネルギー関数を最小化することで骨格成分を抽出する最適化手法において、エネルギー関数を最小化しうる変換係数の組み合わせは、解析的に個数が限定される。従って、可能解を全て算出し、算出した可能解の中から最適解を求めることにより、補正精度を犠牲にすることなく、高速に最適解を求めることができる。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置を搭載した撮像装置の構成を示す図である。第2の実施形態に係る画像処理装置は、第1の実施形態における骨格成分生成部107が骨格成分生成部700に変更された構成となっている。なお、第1の実施形態と同様の構成の部分には、同じ符号を付し、第1の実施形態と異なる構成について主に説明する。なお、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係る画像処理装置は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置(撮像用電子機器)に搭載されるものとして説明するが、本発明はこれに限定されることなく適用可能である。
変換部105は、バッファ106を介して骨格成分生成部700へ接続されている。骨格成分生成部700は、逆変換部108へ接続されている。
変換部105は、第1の実施形態と同様の処理により、各色信号Fr、Fg、Fbに対して所定のI段階(Iは1以上の整数)の多重解像度分解を行い、各色信号を複数の周波数帯域に分解して複数の周波数帯域に対応する変換係数を生成する。変換部105は、分解の段階数i(iは、1以上I以下の整数)ごとの高周波成分、低周波成分に関する変換係数を生成し、バッファ106へ記録する。
骨格成分生成部700は、各高周波成分に関する変換係数に含まれ、原画像信号の平坦成分とエッジ成分を構成する骨格成分である第1成分を抽出する。具体的には、まず、高周波成分に関する変換係数を用いて、色方向にHaarWavelet変換を行い、色成分間での色和成分、及び色差成分を生成する。次に、低周波成分に関する変換係数、及び予め実測値からモデル化し設定されるノイズモデルに基づいて、ノイズ量を推定する。続いて、色和成分・色差成分に対し、ノイズ量に基づいて設定した閾値に従って、それぞれ硬判定閾値処理、軟判定閾値処理を行うことで、ノイズや微細な構造を除去し、色和成分、色差成分に含まれる骨格成分を抽出する。これを色方向にHaarWavelet逆変換を行うことで、R,G,Bの各変換係数に含まれる骨格成分を生成する。なお、骨格成分の生成手法の詳細については後述する。
骨格成分生成部700以降の処理は、第1の実施形態と同様である。即ち、逆変換部108における多重解像度合成処理は、第1の実施形態と同様に行われる。第1信号処理部110での第1成分に対する信号処理、第2信号処理部111での第2成分に対する信号処理も、第1の実施形態と同様に行われる。成分合成部112における合成処理、出力部113における処理も、第1の実施形態と同様に行われる。
骨格成分生成部700の動作の詳細について説明する。はじめに、骨格成分生成部700が行う色和成分・色差成分に基づく骨格成分の生成アルゴリズムについて説明する。
所定の基底関数に基づく直交変換等の変換領域において、硬判定閾値処理や、軟判定閾値処理等の閾値処理に基づく雑音除去が一般的に行われている。画像信号は隣接画素間の相関が高く、雑音の隣接信号間には相関がない。雑音を含む画像を直交変換すると、本来の画像信号は、特定の基底成分のみに対して大きな変換係数をもつが、雑音成分は全ての変換係数に対して同程度の変換係数値となる。そこで閾値処理により、閾値以下の変換係数を潰し、本来の画像を記述するために有効な変換係数のみ残すことで、より少ない直交基底のみの重みつき和の形式で画像を記述することができる。
カラー画像の場合は、さらに色成分間において互いに相関性があるため、上記の考え方を空間方向だけではなく、R,G,Bの色座標方向に対しても適用することができる。すなわち変換領域においてRGB色方向にも直交変換を行い、閾値処理を行うことで、色の相関を利用した雑音除去を行うことができる。
ここで、本実施形態においては、色方向の直交変換は1次元HaarWavelet変換を行うこととする。すなわち、高周波成分に関する色成分毎の変換係数に対して、RGB3色のうちの2つを選択しながらHaarWavelet変換を行い、それぞれ高周波成分H,低周波成分Lに変換する。2色の選択方法は(R,G)、(G,B)、(B,R)の3種類である。これら3種類の組合せそれぞれを高周波成分H、低周波成分Lの2つの成分に変換するため、元の3通り(RGB)の変換係数に対し、3通り(R,G,B)×2通り(H,L)=6通りの変換係数が生成される。従って、元の係数の個数よりも多い冗長な基底表現となっている。
HaarWavelet変換による低周波成分S1L、S2L、S3L、高周波成分S1H、S2H、S3Hは、式(14)、式(15)に従って生成される。式(14)より、S1L、S2L、S3Lは、色和成分を表し、式(15)より、S1H、S2H、S3Hは、色差成分を表していることがわかる。
これらの色和成分、色差成分に対して閾値処理を施した後、Haar逆変換による色和成分・色差成分の合成を式(16)に従い行うことで、簡易的に微細なテクスチャやノイズ成分を除去することができ、骨格成分を得ることができる。
骨格成分生成部700は、上述したアルゴリズムを各変換係数に対して適用することで、骨格成分を抽出する。
骨格成分生成部700の内部における各部の動作を図9を参照しながら説明する。図9は、骨格成分生成部700の詳細な構成を示す図である。骨格成分生成部700は、データ読取部801、色和生成部802、色差生成部803、色和コアリング部804、色差コアリング部805、色和色差合成部806、バッファ807、組み合わせ制御部808、ノイズ推定部809を含んでいる。
バッファ106および組み合わせ制御部808は、データ読取部801に接続されている。データ読取部801は、色和生成部802、色差生成部803、および、ノイズ推定部809に接続されている。色和生成部802は、色和コアリング部804に接続されている。色差生成部803は、色差コアリング部805に接続されている。
ノイズ推定部809は、色和コアリング部804および色差コアリング部805に接続されている。色和コアリング部804および色差コアリング部805は、色和色差合成部806に接続されている。色和色差合成部806は、バッファ807および組み合わせ制御部808に接続されている。
以下、各色成分Fkに対する高周波成分に関する変換係数Hk i(ウェーブレット係数HHi、LHi、HLi)に対し、画素毎に上記アルゴリズムを適用することで、骨格成分Hk i’(ウェーブレット係数HHi’、LHi’、HLi’)を抽出する例について説明する。ただし、添字k(=r,g,b)は色を表す記号である。k=rはR信号、k=gはG信号、k=bはB信号を表す。添字i(i=0〜I)は多重解像度分解の段階数を表す。
組み合わせ制御部808は、RGB3つの色信号のうちの2つの色の組み合わせ(R,G)、(G,B)、(B,R)の中のひとつを設定する。本実施形態においては、はじめに(R,G)を設定する。設定された組み合わせは、データ読取部801へ転送される。
データ読取部801は、組み合わせ制御部808からの2色の組み合わせ(R,G)に対応した変換係数Hr i、Hg iをバッファ106から読み出して、色和生成部802および色差生成部803へ転送する。データ読取部801は、また、同時に、低周波成分に関する変換係数LLr iをバッファ106から読み出して、ノイズ推定部809へ転送する。
本実施形態における色方向のHaarWavelet変換は、色和生成部802および色差生成部803において行われる。
色和生成部802は、変換係数Hr i、Hg iに基づいて、式(14)に従い色和成分S1Lを生成し、これを色和コアリング部804に転送する。ここでr0=Hr i、g0=Hg iである。
色差生成部803は、変換係数Hr i、Hg iに基づいて、式(15)に従い色差成分S1Hを生成し、これを色差コアリング部805に転送する。
ノイズ推定部809は、低周波成分に関する変換係数LLr i、及び予めモデル化しておいたノイズモデルに基づいて、ノイズ量σを推定する。ノイズ量推定方法に関する詳細は後述する。推定したノイズ量σは、色和コアリング部804および色差コアリング部805へ転送される。
色和コアリング部804は、色差成分S1Lに対して、ノイズ量σに基づいて設定した閾値を用いた硬判定敷値処理を行う。色差コアリング部805は、色差成分S1Hに対して、ノイズ量σに基づいて設定した閾値を用いた軟判定敷地処理を行う。色和コアリング部804で行われる硬判定閾値処理、および、色差コアリング部805で行われる軟判定敷値処理の詳細は後述する。
閾値処理後の色和成分S1L’および色差成分S1H’は、色和色差合成部806へ転送される。色和色差合成部806は、HaarWavelet逆変換に基づき、式(16)に従って、色和成分S1L’および色差成分S1H’を合成して、変換係数Hr i'を生成する。生成された変換係数Hr i'は、バッファ807に書き込まれる。
組み合わせ制御部808は、変換係数Hr i'がバッファ807に書き込まれると同時に、次の組み合わせ(G,B)を設定して、データ読取部801へ転送する。組み合わせ(G,B)の場合も、組み合わせ(R,G)の場合と同様に、対応する変換係数Hg i、Hb iに基づいて処理を行い、変換係数Hg i'を得て、これをバッファ807に書き込む。最後に組み合わせ制御部808は、残りの組み合わせ(B,R)を設定し、同様に対応する変換係数Hb i、Hr iに基づいて処理を行い、変換係数Hb i'を得て、これをバッファ807に書き込む。
以上の処理を多重解像度分解の全ての段階において、全ての画素に関する変換係数に対し適用する。バッファ807に記録された変換係数(骨格成分)Hk i’は逆変換部108へ転送される。
次に、図10を参照して、ノイズ推定部809におけるノイズ量の推定方法について説明する。ノイズ量の推定において、原画像信号に対し、あらかじめ実測に基づき測定された信号レベル−ノイズモデル(以降、ノイズモデル)を記録しておき、ノイズモデルを参照することで、原画像信号の信号値に対するノイズ量σを推定することが可能である。
以下、ノイズモデルの詳細について説明する。ノイズ量σは、A/D103におけるA/D変換直後の信号レベルに対しては2次曲線的に増加する。特開2005−175718号公報に開示されているように、信号レベル−ノイズ分散モデルを2次関数で表すと、式(17)が得られる。
ここで、α、β、γは定数項であり、LはA/D103におけるA/D変換直後の信号レベルを表す。しかしながら、ノイズ量σは信号レベルだけではなく、素子の温度やゲインによっても変化する。図10は、一例として、ある温度tにおけるゲインに関連する3種類のISO感度(ゲイン)100、200、400に対するノイズ量σをプロットしている。個々の曲線は式(17)に示される形態をしているが、その係数はゲインに関連するISO感度により異なる。温度をt、ゲインをgとし、上記を考慮した形でノイズモデルの定式化を行うと、式(18)で表すことができる。
ここで、αgt、βgt、γgtは、温度t、ゲインgに応じて決まる定数項である。カラー映像信号の場合、このノイズモデルは各色信号に対して独立に適用する。
また、ウェーブレット変換等の多重解像度変換により分解された各色信号それぞれに対する各高周波成分に関しても同様に、式(19)に示すようなノイズモデルを構築することが可能である。
ここで、σiは分解の段階iの高周波成分に関する変換係数に含まれるノイズ量を、LLiは低周波成分に関する変換係数の値を表す。また、αgt i、βgt i、γgt iは、温度t、ゲインg、分解の段階iに応じて決まる定数項である。
なお、LLiには分解の段階nにおける最低周波成分を用いてもよい。また、これに限定されるものではなく、例えば原画像に対して線形、または非線形平滑化処理を適用して算出した低周波成分、もしくは原画像を直接用いる構成としても良い。
図11は、色和コアリング部804の詳細な構成を示す図である。色和コアリング部804は、閾値設定部901、範囲特定部902、置換部903を含んでいる。
ノイズ推定部809は、閾値設定部901に接続されている。閾値設定部901は、範囲特定部902に接続されている。色和生成部802は、範囲特定部902に接続されている。範囲特定部902は、置換部903および色和色差合成部806に接続されている。置換部903は、色和色差合成部806に接続されている。
色和コアリング部804は、色和生成部802から転送された前述の色和成分に対するコアリング処理の一形態である硬判定閾値処理(HardShrinkage)を行う。以下では、一例として、色和成分SkL(k=1〜3)に対して、HardShrinkage処理がなされた色和成分SkL’を生成する場合について説明する。
閾値設定部901は、ノイズ推定部809から転送されたノイズ量σに対し、式(20)のように所定の定数W1を乗算して、閾値Thを算出する。算出した閾値Thは、範囲特定部902へ転送される。
HardShrinkageにおける変換関数は、次式(21)のような3つの区間Wj(j=0〜2)で構成される折線関数により規定される。式(21)において、Tbj、Tujは区間Wjの下限閾値、上限閾値をそれぞれ表し、SkL’は出力値を表している。区間W1が−Th〜Thの範囲で設定されたコアリング範囲を表している。
範囲特定部902は、色和生成部802から取得した色和成分SkLの値と、コアリング範囲区間の下限閾値、上限閾値とを比較する。色和成分SkLがコアリング範囲区間に属する場合は、色和成分SkLの値を置換部903へ転送する。色差成分SkLがコアリング範囲区間外に属する場合は、色差成分SkLの値をそのまま色和色差合成部806へ転送する。
置換部903は、色和成分SkLの値が所属するコアリング範囲区間に対応する出力値SkL’を0として、色和色差合成部806へ転送する。
図12は、色差コアリング部805の詳細な構成を示す図である。色差コアリング部805は、閾値設定部1001、範囲特定部1002、加算・減算部1003、および、置換部1004を含んでいる。
ノイズ推定部809は、閾値設定部1001に接続されている。閾値設定部1001は、範囲特定部1002および加算・減算部1003に接続されている。色差生成部803は、範囲特定部1002および加算・減算部1003に接続されている。範囲特定部1002は、加算・減算部1003および置換部1004に接続されている。加算・減算部1003および置換部1004は、色和色差合成部806に接続されている。
色差コアリング部805は、色差生成部803から転送された前述の色差成分に対するコアリング処理の一形態である軟判定閾値処理(以下、SoftShrinkage)を行う。Soft Shrinkage処理は入力信号に対し、入力値が予め設定した下限閾値、上限閾値で規定される範囲(以下、コアリング範囲)内に属する場合に、その信号値を一律ゼロとして出力し、上限閾値よりも大きい場合は上限閾値を減算し、下限閾値よりも小さい場合は、下限閾値を減算するという入出力関係を規定するものである。図4(b)に一般的なSoftShrinkage処理における応答図を示す。
以下では、一例として、色差成分SkH(k=1〜3)に対し、SoftShrinkage処理がなされた色差成分SkH’を生成する場合について説明する。
閾値設定部1001は、ノイズ推定部809から転送されたノイズ量σに対し、式(22)のように所定の定数W2を乗算し、閾値Thを算出する。算出した閾値Thは、範囲特定部1002および加算・減算部1003へ転送される。
軟判定閾値処理における変換関数は、式(23)のような3つの区間Wj(j=0〜2)で構成される折線関数により規定される。式(23)において、Tbj、Tujは、区間Wjの下限閾値、上限閾値をそれぞれ表し、SkH’は出力値を表している。区間W1が−Th〜Thの範囲で設定されたコアリング範囲を表している。
範囲特定部1002は、色差生成部803から取得した色差成分SkHの値と、コアリング範囲区間の下限閾値、上限閾値とを比較する。色差成分SkHがコアリング範囲区間に属する場合は、色差成分SkHの値を置換部1004へ転送する。色差成分SkHがコアリング範囲区間外に属する場合は、色差成分SkHの値を加算・減算部1003へ転送する。
置換部1004は、色差成分SkHの信号値が所属するコアリング範囲区間に対応する出力値SkH’を0として、色和色差合成部806へ転送する。
加算・減算部1003は、式(23)に基づいて、Th<SkHの場合、SkH−Thを算出し、SkH<−Thの場合、SkH−(−Th)を算出して、これをSkH’として、色和色差合成部806へ転送する。
上述した説明では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、そのような構成に限定されることはない。例えば、撮像素子102からの原画像信号を未処理のままのRawデータとしてメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。さらに、撮像条件などの付随情報(例えば、ISO感度などの撮像条件など)をRawデータのヘッダ情報として記録媒体に記録しておく。そして、別途のソフトウェアである画像処理プログラムをコンピュータに実行させて、記録媒体の情報をコンピュータに読み取らせ、処理することも可能である。
上述したように、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この画像処理プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該画像処理プログラムを実行するようにしても良い。
図13を参照して、画像処理プログラムによる処理のメインルーチンを説明する。なお、図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
ステップS5で、分解の段階数iに関し、未処理の画素を注目画素として選択すると、ステップS16に進む。ステップS16では、注目画素に関するRGB各色に対応する3つの変換係数のうちの2つの色の組み合わせを設定する。色の組み合わせとして例えば3色RGBにより構成されるカラー画像の場合、(R,G)、(G,B)、(B,R)の3通りである。
ステップS17では、選択された色の組み合わせに対応する変換係数から、式(14)、(15)に基づいて、色和成分および色差成分を生成する。
ステップS18では、低周波成分に関する変換係数から、予めモデル化しておいたノイズモデルに基づいてノイズ量を推定する。
ステップS19では、色和成分に対し、ノイズ量から式(20)に基づき設定した閾値を用いた硬判定閾値処理(式(21))を行う。
ステップS20では、色差成分に対し、ノイズ量から式(22)に基づき設定した閾値を用いた軟判定閾値処理(式(23))を行う。
ステップS21では、閾値処理後の色和成分および色差成分を式(16)に基づき合成する。
ステップS22では、全ての色の組み合わせについて処理が行われたか判定する。未処理の色の組み合わせがあると判定すると、ステップS16に戻り、未処理の色の組み合わせを選択する。全ての色の組み合わせに対して処理を行ったと判定すると、ステップS10へ進む。
ステップS10では、全ての画素について処理が行われたか否かを判定する。未処理の画素があると判定すると、ステップS5に戻る。一方、全画素に対して処理を行ったと判定すると、ステップS11へ進む。
ステップS11では、分解の段階数iが予め設定された所定の多重解像度レベルIより小さいか否かを判定する。iがIより小さいと判定するとステップS4に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、iがI以上であると判定すると、ステップS12に進む。
ステップS12以後の処理は、図7に示すフローチャートの処理と同じである。
画像処理プログラムによる処理を行う場合には、特別なハードウェアを必要とせず、簡便に処理が行える利点がある。
以上、第2の実施形態における画像処理装置においても、第1の実施形態における画像処理装置と同様に、高精度な骨格成分を抽出することができる。特に、組み合わせ成分に対してコアリング処理を行い、コアリング処理を行った組み合わせ成分の値が、所定の閾値以下のものを除外することにより、不要な成分を除去して、より高精度に骨格成分を抽出することができる。
また、第2の実施形態における画像処理装置によれば、Haarウェーブレット変換に基づいて、色和成分および色差成分を生成する。色空間方向に1次元Haarウェーブレット変換を行うことで、高速に色和成分に相当する低周波成分、色差成分に相当する高周波成分を生成することができる。
本発明は、上述した第1〜第2の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、第2の実施形態において、色和成分に対してHardShrinkage処理、色差成分に対してSoftShrinkage処理を用いているが、これに限定されるものではなく、色和成分および色差成分の両成分に対してHardShrinkage処理を行ってもよいし、SoftShrinkage処理を行ってもよい。
第2の実施形態において、コアリング処理で使用する閾値Thは、ノイズ量σに基づいて設定したが、固定値とすることもできる。ただし、ノイズ量σに基づいて閾値Thを設定することにより、ノイズ量に応じた適切なコアリング処理を行うことができる。すなわち、ノイズ量σが多いほど、閾値Thの値を大きくすることにより、コアリング処理後にノイズが除去されずに残ってしまうことを防ぐことができる。
原画像Fは、R(赤)、G(緑)、B(青)の色信号により構成されているものとして説明したが、これに限定されることはない。
なお、骨格成分の抽出の際に、骨格成分から微細な構造は極力除去せず、できるだけテクスチャ成分にノイズだけが含まれるようパラメータを設定するなどして各成分の(分離の)状態を制御することで、様々な画質調整が可能である。上述した実施形態では、複数の色成分を有する画像から、画像の大局的な構造を表す骨格成分を抽出する装置について画像処理装置を例に説明したが、画像を構成する要素を周波数成分に分解し、その中から任意の周波数成分を補正してから合成する装置であればどのような装置でもよい。例えば、画像から、周波数帯域ごとにノイズ成分を除去する「ノイズ除去装置」等、本発明の主旨を満たす種々の装置は本発明の権利範囲に含まれる。
105…変換部
107…骨格成分生成部
108…逆変換部
109…差分成分生成部
110…第1信号処理部
111…第2信号処理部
112…成分合成部
401…色和生成部
402…色差生成部
403…可能解算出部
404…評価値算出部
405…評価部
406…最適解書換部
700…骨格成分生成部
802…色和生成部
803…色差生成部
804…色和コアリング部
805…色差コアリング部
806…色和色差合成部
809…ノイズ推定部

Claims (18)

  1. 複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成する分解手段と、
    前記分解手段によって生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成する組み合わせ成分生成手段と、
    前記組み合わせ成分生成手段によって生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行う補正手段と、
    前記補正手段によって補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成する合成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記組み合わせ成分生成手段は、前記複数の色成分のうち2つの色成分を足し合わせた色和成分、および、前記複数の色成分のうち2つの色成分のいずれか一方をその他方から引いた色差成分のうち、少なくともいずれか一つの成分を含む組み合わせ成分を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段は、前記複数の色成分間の相関性に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記組み合わせ成分生成手段は、前記色和成分および前記色差成分を含む組み合わせ成分を生成し、
    前記補正手段は、前記色和成分および前記色差成分を含む前記組み合わせ成分を有する関数において、前記組み合わせ成分のL0ノルムを最適化する組み合わせ成分を、補正後の変換係数とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記補正手段は、
    前記変換係数、前記色和成分、前記色差成分、および、零値のうちの少なくとも一つの値を含むとともに、前記色和成分および前記色差成分のL0ノルムを最小化しうる可能性を持つ組み合わせを全て算出する可能解算出手段と、
    前記可能解算出手段で算出された組み合わせの中から、所定の評価関数に基づいて最適解を選択して、補正後の変換係数とする選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、
    前記組み合わせ成分に対しコアリング処理を行うコアリング手段と、
    前記コアリング処理を行った組み合わせ成分の値が、所定の閾値以下のものを除外する除外手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載に記載の画像処理装置。
  7. 前記組み合わせ成分生成手段は、Haarウェーブレット変換に基づいて、前記色和成分および前記色差成分を生成するHaar変換手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記補正手段は、前記色和成分および前記色差成分に対し、コアリング処理を行うコアリング手段と、
    前記コアリング処理後の色和成分および色差成分に対してHaarウェーブレット逆変換を行うことで、補正後の変換係数を生成する逆Haar変換手段と、
    を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記コアリング手段は、軟判定閾値処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記コアリング手段は、硬判定閾値処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 前記コアリング手段は、
    前記変換係数に対するノイズ量を推定するノイズ推定手段と、
    前記ノイズ量に基づいて、前記コアリング処理を行う際に用いるコアリング閾値を調整するコアリング閾値調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記補正手段は、前記変換係数に対しノイズに起因する成分を除去することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記分解手段および前記合成手段は、直交変換および逆変換を用いるものであることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  14. 前記分解手段および前記合成手段は、多重解像度変換および逆変換を用いるものであることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  15. 前記複数の色成分は、R(赤),G(緑),B(青)により構成されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えた電子機器。
  17. 複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成するステップと、
    生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成するステップと、
    生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行うステップと、
    補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成するステップと、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  18. 複数の色成分を有する画像を、前記複数の色成分を構成する色成分毎に複数の周波数帯域に分解して、その周波数帯域に対応した複数の変換係数を生成するステップと、
    生成された前記複数の変換係数に対して、少なくとも2つ以上の色成分を組み合わせることによって、前記複数の色成分の数よりも多い組み合わせ成分を生成するステップと、
    生成された複数の組み合わせ成分に基づいて、前記変換係数に対して補正処理を行うステップと、
    補正された前記変換係数に対し、前記複数の周波数帯域にわたって合成するステップと、
    をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
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