JP2011043544A - 立体視用光学部材及び立体視画像表示装置 - Google Patents

立体視用光学部材及び立体視画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量で、環境温度や湿度の変化があっても安定して立体視が可能な立体視用光学部材及び立体視画像表示装置を得る。
【解決手段】画像を表示する表示部の前面に配置され、前記表示部で表示された画像を裸眼で立体視させるための立体視用光学部材であって、少なくとも立体視に使用時には、自然長の状態から伸長させて用いられる立体視用光学部材とし、該立体視用光学部材を用いた立体視画像表示装置とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示部で表示された画像を裸眼で立体視させるための立体視用光学部材及び、該立体視用光学部材を有する立体視画像表示装置に関するものである。
従来より、裸眼で立体視が可能な立体視画像表示装置として、パララックスバリア方式、レンチキュラーレンズ方式等が知られている。このパララックスバリア方式、レンチキュラーレンズ方式は、画像を表示する表示部の前面にパララックスバリアやレンチキュラーレンズ等の立体視用光学部材を配置し、表示部で表示された画像を裸眼で立体視させるものである。この、パララックスバリア方式、レンチキュラーレンズ方式は、近年普及の著しい液晶、プラズマ、有機EL等を用いた平面ディスプレイに用いるのに適している。
パララックスバリアとしては、ガラス板に透過部と黒色の非透過部がストライプ状に交互に、又は市松模様状に印刷したものや、透過部と非透過部との形成に液晶を用い、非使用時は全面を透過部とするものが知られている。
パララックスバリア方式を大型の平面ディスプレイに適用する場合、画像表示面とパララックスバリアの距離は2〜3mm程度となる場合が多いことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、立体視される画像の解像度の向上を目的として、パララックスバリアを振動させ、パララックスバリアの位置に対応した画像を交互に表示する立体表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、レンチキュラーレンズ方式に用いられる立体視用光学部材は、主として樹脂等で成形され、ディスプレイ前面に配置して用いられるが、レンチキュラーレンズの焦点距離が1mm程度となる場合が多いことが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2005−157033号公報
「立体視テクノロジー」2008年、(株)NTS、P.139 「立体視テクノロジー」2008年、(株)NTS、P.158〜P.159
しかしながら、大型の平面ディスプレイに使用されるパララックスバリアを、ガラスに形成した場合、環境温度や湿度に対しては変化が少ない反面、質量が大幅に増加する問題がある。一方、軽量化のために、パララックスバリアを、樹脂で形成した場合には、環境温度や湿度に対して寸法形状の変化が大きくなり、使用環境によっては立体視に支障を生じてしまう問題がある。また、レンチキュラーレンズ方式としても、全く同様の問題を有している。
この問題は、上記特許文献1に記載の立体表示装置においても、同様であり、ガラスで形成された質量の大きいパララックスバリアを振動させることは困難であり、できたとしても、大がかりな機構を要し、更なる質量の増加が問題となる。また、樹脂で形成した場合には、同様に環境温度や湿度に対する寸法形状変化が大きくなり、環境によっては立体視に支障を生じてしまう問題がある。
本発明は上記問題に鑑み、軽量で、環境温度や湿度の変化があっても安定して立体視が可能な立体視用光学部材及び立体視画像表示装置を得ることを目的とするものである。
上記の目的は、下記の構成により達成される。
(1)画像を表示する表示部の視聴者側の面に配置され、前記表示部で表示された画像を裸眼で立体視させるための立体視用光学部材であって、少なくとも立体視の為に使用するときには、非使用時の自然長の状態から伸長させて用いられることを特徴とする立体視用光学部材。
(2)前記立体視用光学部材は、樹脂で形成されていることを特徴とする前記(1)に記載の立体視用光学部材。
(3)前記立体視用光学部材は、透過部と非透過部がストライプ状に交互に、又は市松模様状に形成されていることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の立体視用光学部材。
(4)前記立体視用光学部材は、複数のレンズ部が形成されていることを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の立体視用光学部材。
(5)前記レンズ部が、フレネルレンズ形状に形成されていることを特徴とする前記(4)に記載の立体視用光学部材。
(6)前記立体視用光学部材の前記透過部と非透過部又は前記レンズ部の自然長状態でのピッチは、使用環境温度及び湿度により最も膨張した場合でも、立体視使用時のピッチより小さくなるよう形成されていることを特徴とする前記(3)から前記(5)までのいずれかに記載の立体視用光学部材。
(7)画像を表示する表示部と、前記(1)から前記(6)までのいずれかに記載の立体視用光学部材と、前記立体視用光学部材を伸長させる伸長機構部と、を有し、少なくとも立体視の為に使用するときには、前記立体視用光学部材を前記伸長機構部により自然長の状態から伸長させて用いることを特徴とする立体視画像表示装置。
(8)前記伸長機構部は、圧電素子と該圧電素子により振動させられる棒状部材と、該棒状部材に摩擦係合する移動部材を有し、該移動部材の移動により前記立体視用光学部材が伸長されるものであることを特徴とする前記(7)に記載の立体視画像表示装置。
本発明によれば、軽量で、環境温度や湿度の変化があっても安定して立体視が可能な立体視用光学部材及び立体視画像表示装置を得ることが可能となる。
従来のパララックスバリア方式の概略を示す図である。 本発明をパララックスバリアに適用した場合を説明する模式図である。 パララックスバリアへの張力を付与する方向を示す斜視図である。 パララックスバリアを伸長させる伸長機構部の一例を示す部分模式図である。 従来のレンチキュラーレンズ方式の概略を示す図である。 本発明をレンチキュラーレンズに適用した場合を説明する模式図である。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、従来のパララックスバリア方式の概略を示す図である。
同図に示すように、パララックスバリア方式の場合には、表示部20の前面と観察者の両眼(左眼EL、右眼ER)の間に、部分的な遮光により視差を発生させるパララックスバリア1が配置される。表示部20には、右眼用画像部Rと左眼用画像部Lが交互に表示される。右眼用画像部Rと左眼用画像部Lのそれぞれは、表示ピクセルである青、緑、赤のピクセルをまとめて1画素として、1画素又はn画素(nは整数)で構成されている。
また、パララックスバリア1の寸法緒元は、以下のようにして決められる。
表示部20の画像部のピッチをP、観察者の瞳孔間隔をP、観察距離をZとしたとき、パララックスバリアの設置距離をZ、パララックスバリア1の格子ピッチPは、
=2(P×P)/(P+P
=Z(2P−P)/2P
の関係となる。
すなわち、これを満たすように、各部の緒元を作成すれば立体視ができるようになる。
図2は、本発明をパララックスバリアに適用した場合を説明する模式図である。図2(a)は、立体視画像表示装置の非使用時のパララックスバリア1の状態を示す図であり、図2(b)は、立体視画像表示装置の使用時のパララックスバリア1の状態を示す図である。
図2(a)に示すように、パララックスバリア1は、例えば透光性のフィルムに銀塩感材等を塗布し、露光、現像、定着し、透過部1tと非透過部1kがストライプ状に交互に形成されたものが用いられる。また製造時の格子ピッチは、格子ピッチPで作製される。この格子ピッチPは、立体視画像表示装置の使用時に必要とされる格子ピッチPより小さく形成されている。より詳しくは、立体視画像表示装置の使用が想定される環境温度及び湿度によりパララックスバリア1が最大に膨張した場合でも、格子ピッチPの自然長は格子ピッチPより小さくなるように設定され形成されている。
一方、立体視画像表示装置の立体視使用時には不図示の伸長機構部により、図2(b)に示すように、パララックスバリア1の面に略平行な(図示矢印方向)引っ張り力が加えられ、それぞれの格子ピッチがPとなるように伸長される。
すなわち、本発明の立体視用光学部材の一例であるパララックスバリア1は、温湿度環境の変化で膨張しても立体視で使用する格子ピッチを超えないように立体視用光学部材を製造し、使用時には張力を加えて、所定のピッチになるようにして、使用するものである。
このようなパララックスバリア1に使用する材料としては、平面状のディスプレイ形状に対応できる、フィルム状のものが好ましい。材質は、有機樹脂、あるいはシリコーンなど無機の樹脂が好ましく、必要に応じて、屈折率やその波長分布、吸光度や偏光等を制御できるような光学機能を有するフィラーを含有していてもよい。
格子ピッチを立体視で使用するサイズよりも小さく形成には、例えば、下記のようにして製造すればよい。
1)特定温度、湿度の条件下(再現性が得られる条件であれば、温湿度は特に制限されない)で、立体視で使用するサイズのフィルムを作製する。
2)使用する温度、湿度範囲を設定し、その範囲内における上記1)で得られたフィルムのサイズ変動を測定し、サイズ変化の温度、湿度依存性を計算にて求める。
3)得られた温度、湿度依存性から逆算し、使用する温度、湿度範囲内において最大に膨張しても、立体視で使用する格子ピッチより小さくするには、あらかじめどれだけ、格子ピッチを小さく形成すべきか計算にて求める。
このようにして求められた格子ピッチで作成することで、上記の温湿度環境の変化で膨張しても、立体視で使用する格子ピッチより小さい格子ピッチのフィルムを作製することができる。
図3は、パララックスバリア1への張力を付与する方向を示す斜視図である。
図3(a)は、パララックスバリア1の四辺のそれぞれに張力を付与するものである。図3(b)は、パララックスバリア1の隣り合う二辺に張力を付与するものである。図3(c)は、パララックスバリア1の一辺に張力を付与するものである。
なお張力の付与は、上記3種のいずれを用いてもよいが、図3(a)に示す、四辺のそれぞれに張力を付与するものが最も好ましい。四辺のそれぞれに張力を付与することで、パララックスバリア1の周端面でのそり、撓みを防止でき、より良好な伸長の均一性を維持することができる。
図4は、パララックスバリア1へ張力を付与し伸長させる伸長機構部の一例を示す部分模式図である。同図はパララックスバリア1の一部のみを示している。本例の伸長機構は、電気機械変換素子として圧電素子を用いたアクチュエータを用いたものである(例えば特開2008−306841号公報等)。
同図に示すように、パララックスバリア1の四辺の外周には、固定のアクチュエータ保持部30が配置されており、このアクチュエータ保持部30には、積層された圧電素子13が複数個、固定されている。なお不図示であるが、圧電素子13には駆動回路が接続されている。圧電素子13の他方の端部には棒状部材14が接合されており、棒状部材14には移動部材15が摩擦係合している。圧電素子13へ供給する電圧の、時間に対する勾配をONとOFFで変えてやることで、圧電素子13を振動(伸縮)させ、移動部材15を棒状部材14の先端側又は圧電素子側に移動させることができるものである。
一方、パララックスバリア1の外周辺端部には、クリップ部材12が固定されている。クリップ部材12には、長孔部12hが形成されており、この長孔部12hには移動部材15に一体的に形成されたピン形状部15pが挿入されている。
これにより、移動部材15を棒状部材14の圧電素子方向(図示矢印方向)に移動させることで、パララックスバリア1に張力を付与でき、パララックスバリア1を伸長させることができる。
このように、伸長機構部に、圧電素子と棒状部材と、この棒状部材に摩擦係合する移動部材を用いて立体視用光学部材を伸長させるよう構成することで、小型で軽量の立体視画像表示装置とすることができる。また、移動部材が摩擦係合していることで、張力が係合している摩擦力を超えた時点で移動部材が滑るため、パララックスバリア1に過大な張力がかからず、破損等の問題を防止することができる。
なお、パララックスバリアを、ストライプ状のものを例に取り説明したが、市松模様状のものであっても同様である。また、パララックスバリアは2眼式でなくとも良く、多眼式であってもよい。また、伸長機構部としては、電磁ソレノイドによる直線駆動タイプ、電動モータと減速機構を用いたもの等であってもよい。
また、パララックスバリアの位置の調整を行うことが好ましい。調整は、フィードバック調整が好ましく、例えば、パララックスバリアにマーキングを施し、表示部側に所定の位置に対するずれを検知する検知部を設けることで、温度、湿度に関わらず常に位置を合わせることができる。
図5は、従来のレンチキュラーレンズ方式の概略を示す図である。図5(a)はレンズ部がシリンドリカル形状の場合を示し、図5(b)はシリンドリカル形状のレンズ部をフレネルレンズ形状とした場合を示している。
同図に示すように、レンチキュラーレンズ方式の場合には、表示部20と観察者の両眼(左眼EL、右眼ER)の間に、レンチキュラーレンズ2が配置される。表示部20には、右眼用画像部Rと左眼用画像部Lが交互に表示される。右眼用画像部Rと左眼用画像部Lは、表示ピクセルである青、緑、赤のピクセルをまとめて1画素として、2眼式の場合は2画素、多(n)眼式の場合はn画素(nは3以上の整数)で構成されている。
2眼式の場合、レンチキュラーレンズ2の個々のレンズ部2LのピッチPは、一対の右眼用画像部Rと左眼用画像部Lの幅の和と略同じであり、図示のように、レンズ部2Lの境界と一対の右眼用画像部R、左眼用画像部Lの境界とが略一致するように位置合わせされる。
本発明においては、図5(b)に示すように、シリンドリカル形状のレンズ部をフレネルレンズ形状としたものを用いることがより好ましい。また、色消しのため回折構造を設けることも好ましい。さらに、画素配列方向に対して、軸を斜めに設ける、いわゆる斜めレンチキュラーレンズ方式をとってもよい。
図6は、本発明をレンチキュラーレンズに適用した場合を説明する模式図である。図6(a)は、立体視画像表示装置の非使用時のレンチキュラーレンズ2の状態を示す図であり、図6(b)は、立体視画像表示装置の使用時のレンチキュラーレンズ2の状態を示す図である。
図6(a)に示すように、レンチキュラーレンズ2のレンズ部2Lのピッチは、製造時にピッチPで作製される。このレンズ部2LのピッチPは、立体視画像表示装置の使用時に必要とされるレンズ部2LのピッチPより小さく形成されている。より詳しくは、立体視画像表示装置の使用が想定される環境温度及び湿度によりレンチキュラーレンズ2が最大に膨張した場合でも、レンズ部2LのピッチPの自然長はピッチPより小さくなるように設定され形成されている。
一方、立体視画像表示装置の立体視使用時には、同様に例えば、図4に示した圧電素子を用いた伸長機構部や、電磁ソレノイドによる直線駆動タイプ、電動モータ及び減速機構等を用いて、図6(b)に示すように、図示矢印方向に引っ張り力が加えられ、レンズ部2LのピッチがPとなるように伸長される。
レンチキュラーレンズは、例えば、プレス法、切削法、押出し法等の方法で製造することができる。あるいは透明プラスチックシート等の透明シート状基材の上に活性エネルギー線硬化性組成物によりプリズム層、レンズ層等の光学樹脂層を形成する方法を利用することも好ましい(例えば、特公平1−35737号公報)。また、活性エネルギー線硬化性組成物および連続する透明シート(例えば、PETシート、ポリカーボネートシート)と円筒金型を用いて、連続的に光学シートを生産する方法も適用可能である(特開平5−169015号公報等)。
また、フィルム上に特殊な微細形状を付与する技術として、微細構造をプレス転写により作製してもよい。例えば、溶融した熱可塑性あるいは、エネルギー線(UV、熱、EB、放射線等)硬化性樹脂を型に流し込んだ後、基材の上に圧着し、その後に冷却か各種手法により硬化、離型する手法が紹介されている(テクニカルフォーラム2008 ナノインプリント/微細加工最新技術セッション 等)。これらの技術を、適用してもよい。
また、本発明はレンチキュラーレンズだけでなく、マイクロレンズアレイを配置したものにも適用可能である。また、それらを1枚だけでなく複数枚重ねて使用することも可能である。また、レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズや、マイクロレンズアレイを構成する個々のマイクロレンズの光学面に回折構造を形成したものでもよい。
マイクロレンズアレイを例に取ると、個々のレンズ部の形状及びレンズ部の配置ピッチを、立体視画像表示装置の使用が想定される環境温度及び湿度によりマイクロレンズアレイが膨張した場合でも、立体視画像表示装置の使用時に必要とされるレンズ部のピッチより小さく形成し、立体視使用時には、例えば上述の伸長機構部により、引っ張り力を加えて、レンズ部の形状及びピッチを使用時に必要とされる寸法となるように伸長すればよい。
なお、上記のパララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイ等の立体視用光学部材に加える張力は、降伏応力より低く、素材の変形が弾性変形の範囲に留まるようにする事が好ましい。引張降伏応力は、JISK7162−1B/50の要領で測定することができる。弾性変形の範囲内での張力であれば、素材の変形がほぼ可逆的に起きるため、伸縮を繰り返しても所望の形状を保つことができるが、降伏応力より大きな張力を加えると不可逆的な変形となり、たとえば張力を緩めても元の状態に戻らなくなり、最終的に素材の破断に至る可能性がある。
また、弾性変形の範囲内であっても上限に近い場合、クリープ現象により徐々に付加逆な変形が起きることがあり、加える張力は低いこと、例えば降伏応力に対して2/3以下であることが好ましい。
さらに、素材に繰り返し応力を加えた場合、1回の降伏応力より少ない応力で破壊することがある。このような繰り返し応力(疲労)を加えることにより破壊する現象は疲労破壊といわれる。本発明のパララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイ等に用いる立体視用光学部材では、耐疲労性の高い素材の使用が好ましい。
本発明における立体視用光学部材に用いられる素材は、使用環境温度においては十分な強度を有することが好ましいので、そのTgは使用温度より十分に高いことが好ましい。少なくとも50度以上であることが好ましく、更に好ましくは、70度以上である。また、吸湿によっても、樹脂の実質Tgは変動するが、変動した値が上記温度以上であることが好ましい。立体視用光学部材に用いる樹脂フィルムの架橋構造の架橋構造の有無は問わないが、樹脂の強度を高め、クリープ現象による変形を抑制するには若干の架橋構造を有していることも好ましい。
また、一般的な樹脂物性である、耐衝撃性、耐薬品性、表面硬度、に優れていることが好ましく、そのために各種の添加剤を使用したり、表面に有機あるいは無機のハードコートや反射防止コートを施すことも好ましい。
静電気によるごみ、ほこりの吸着を防止するための帯電防止機能が付与されていることも好ましい。難燃性を有する素材あるいは難燃剤が含有されていることも好ましい。
以下、実施例について説明する。
実験は、パララックスバリアとレンチキュラーレンズについて行った。
(パララックスバリア)
1−1:作製
40インチの液晶ディスプレイ(横87cm×縦52cm)を全面カバーできる大きさの銀塩マスクフィルムにパターン露光、現像し各種のパララックスバリアを作製した(横900.0mm、縦550.0mm)。ディスプレイの解像度は1920×1080本で、青、緑、赤の表示ピクセルをまとめて1画素とするとき、画素ピッチは横約450μm、縦約480μmである。画素より2mm手前に配置されるパララックスバリアのストライプ間隔(格子ピッチ)は、この実施例では視聴者の位置が画面より2m(2000mm)離れているため、バリアピッチは画素のピッチに比して、約2/2000狭くなると計算される。フィルムを若干引き伸ばす事で、バリア間隔がこのピッチになるよう調整する。視聴者の位置に応じて適するバリアピッチは若干異なるが、引き伸ばすことで対応可能なように、あらかじめバリアピッチを小さく作製しておけばよい。
実施例1〜6及び比較例1、2の条件を示す。各例に記載した格子ピッチは、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)に対する作製した格子ピッチ(上記のP)の寸法比率である(於使用環境1:温度10℃、湿度10%)。
(実施例1)フィルム厚:100μm、格子ピッチ:99.85%(−0.15%)
(実施例2)フィルム厚:100μm、格子ピッチ:99.7% (−0.3%)
(実施例3)フィルム厚:100μm、格子ピッチ:99% (−1%)
(実施例4)フィルム厚:100μm、格子ピッチ:98% (−2%)
(実施例5)フィルム厚:10μm、 格子ピッチ:99.85%(−0.15%)
(実施例6)フィルム厚:10μm、 格子ピッチ:99.7% (−0.3%)
(比較例1)フィルム厚:100μm、格子ピッチ:100% (0%)
(比較例2) ガラス厚:500μm、格子ピッチ:100% (0%)
なお、実施例1〜6及び比較例1に用いた銀塩マスクフィルムは、PETフィルムであり、引っ張り弾性率(ヤング率)2.5GPa、降伏応力40MPa、側面の断面積52mmないし5.2mmであった。横方向にのみ0.15%伸ばすために必要な単位面積あたりの張力は、100μm厚のフィルムおよそ3.7MPa(絶対値で186.2N/52mm)で、10μm厚のフィルムの張力の絶対値は、その1/10であった。縦方向にも長さが無張力時と変化しないような張力を与え形状を保つようにした。張力を加えた時、格子ピッチの伸び率とフィルム全体の伸び率はほぼ一致していた。
この銀塩マスクフィルムで形成されたパララックスバリアの温度上昇、湿度上昇による膨張は、使用上限と想定される温度60℃、湿度60%の使用環境2(使用環境1に比して、ΔT=50℃、相対湿度+50%)で0.12%であった。
1−2:パララックスバリアの伸長機構
このパララックスバリアの上下、左右の辺を独立に十分な強度を有するアルミ製のアクチュエータ保持枠で保持し、アクチュエータを用いて張力を加え、横に伸ばす操作を行った。この時必要に応じて、表示素子に対する相対的な位置調整も行った。
比較例2に用いたガラス製のパララックスバリアは、0.5mm厚のガラス板に立体視時に必要な格子ピッチの格子を印刷したものを用いた。比重2.5、熱膨張(CTE)は約10ppmである。ヤング率は80GPaであった。
アクチュエータとしては、実施例1、2には、電磁ソレノイドによる直線駆動タイプを用いた。実施例3、4には、調整に必要な張力が980Nを超えたため、電動モータと減速機構を組み合わせたものを用いた。実施例5、6では張力が小さいため、図4に示すような、圧電素子直線駆動タイプのアクチュエータを用いた。このため、全体の質量が非常に小さくなった。
また、比較例1では元々張力を加えないため、フィルムと枠のみから構成されている。比較例2ではガラス板のため通常のアクチュエータでは十分な張力を加えることができなかった。そのため、ガラスと枠のみから構成されて、アクチュエータは設けていない。
1−3:評価
立体視の評価は、観察者がディスプレイの中心から2m離れた位置で、主観的な以下の3段階で行った(○:立体画像が良好に観察できる、△:一応観察できる、×:観察不能)。
使用環境1(温度10℃、湿度10%)は、使用が想定される最低の温度、湿度である。比較例1と比較例2では、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)のずれは見られない。
使用環境1(温度10℃、湿度10%)において、実施例1〜6はパララックスバリアを伸長させない場合には立体視が全くできない状況であった。そこで上記の伸長機構で、表1に示すような張力を付与した、これにより実施例1〜6も立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)の値にでき、立体視が行えるようになった。
次いで、フィルムの伸びが最大になると想定される条件である使用環境2(温度60℃、湿度60%)とし、膨張後のフィルムの伸びを調べたところ、0.12%であり、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)の値からの差は実施例1、実施例5が最も少なくなり両端の最大部でもそれぞれ130μm程度まで(元の格子ピッチの−0.03%に相当)減少したが、それでもクロストークが大きく立体視には不十分であった。
しかし、実施例1〜6では、使用環境1のときよりも弱い張力を付与することで、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)の値にでき、立体視が行えるようになった。なお、実施例3、実施例4では張力が980Nを超えており、アクチュエータ保持部自体にひずみが生じたため、中心でのストライプの境界線と表示部の境界線を合致させたときの、周辺でのストライプの境界線と表示部の境界線の合致度については低下した。
一方、比較例1ではフィルムが伸びて弛んでしまい、全く立体視ができなかった。比較例2のガラス製のパララックスバリアも熱膨張による伸びのため、立体視はできなかった。
次いで、使用環境2(温度60℃、湿度60%)から使用環境1′(温度10℃、湿度10%)に戻し、再度、張力を付与し、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)の値となす張力を測定した。このとき、実施例4の立体視時に必要な張力は、当初に比較して大きく低下していた。これは、付与した張力が降伏応力を越えたため、塑性変形がおこったと推察される。また、使用環境1と使用環境2及び対応した張力の付与を交互に繰り返すうち、実施例4は、張力の付与で立体視を行うことはきわめて困難となった。他の実施例では付与する張力に若干の低下は見られたが、立体視は可能であった。
この結果を、まとめて以下の表1に示す。
Figure 2011043544
(レンチキュラーレンズ)
2−1:作製
40インチのプラズマディスプレイ(横87cm×縦52cm)を全面カバーできる大きさの各種のレンチキュラーレンズを作製した(横900.0mm、縦550.0mm)。ディスプレイの解像度は1920×1080本で、青、緑、赤の表示ピクセルをまとめて1画素とするとき、画素ピッチは横約450μm、縦約480μmである。
レンチキュラーレンズは、80μmのPETベースフィルム上に、溶融転写法でPMMAで、厚みを薄くするためフレネルレンズ構造で作製した。フレネルレンズ構造の平均厚みは、ほぼ40μmであった。
実施例7〜10及び比較例3の条件を示す。各例に記載したレンチキュラーレンズのピッチは、立体視時に必要なピッチ(上記のP)に対する作製したピッチ(上記のP)の寸法比率である(於使用環境1:温度10℃、湿度10%)。
(実施例7) レンチキュラーレンズのピッチ:99.85%(−0.15%)
(実施例8) レンチキュラーレンズのピッチ:99.7% (−0.3%)
(実施例9) レンチキュラーレンズのピッチ:99% (−1%)
(実施例10)レンチキュラーレンズのピッチ:98% (−2%)
(比較例3) レンチキュラーレンズのピッチ:100% (0%)
なお、用いたPETベースの引っ張り弾性率は2.5GPa、降伏応力38MPaで、レンチキュラーレンズの平均断面積は53mmとなった。レンチキュラーレンズでは、縦横の延伸比が異なると複屈折によるレンズ物性の変動が大きくなる事を考慮し、横方向と同じだけ縦方向にも張力を加え、フィルムへの張力が縦横とも同じになるよう張力を付与した。
縦、横0.15%伸ばすために必要な張力は、各々4.1MPaであった。張力を付与した時、レンズ部分の伸び率とフィルム全体の伸び率はほぼ一致しており、薄い部分のみ極端に延伸される現象は見られていない。使用環境の変化は、上記のパララックスバリアのときと同様にした。
2−2:レンチキュラーレンズの伸長機構
アクチュエータとしては、実施例7、8には、電磁ソレノイドによる直線駆動タイプを用いた。実施例9、10には、調整に必要な張力が980Nを超えたため、電動モータと減速機構を組み合わせたものを用いた。
2−3:評価
立体視の評価は、同様に主観的な以下の3段階で行った(○:立体画像が良好に観察できる、△:一応観察できる、×:観察不能)。
使用環境1(温度10℃、湿度10%)は、使用が想定される最低の温度、湿度である。比較例3では、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)のずれは見られない。
使用環境1(温度10℃、湿度10%)において、実施例7〜10はレンチキュラーレンズを伸長させない場合には立体視が全くできない状況であった。そこで上記の伸長機構で、表2に示すような張力を付与した、これにより実施例7〜10も立体視時に必要なピッチ(上記のP)の値にでき、立体視が行えるようになった。
次いで、伸びが最大になると想定される条件である使用環境2(温度60℃、湿度60%)とし、膨張後の伸びを調べたところ、0.12%であった。
しかし、実施例7〜10では、使用環境1のときよりも弱い張力を付与することで、立体視時に必要なピッチ(上記のP)の値にでき、立体視が行えるようになった。なお、実施例9、10では張力が980Nを超えており、アクチュエータ保持部自体にひずみが生じたため、中心でのレンズ部の境界線と表示部の境界線を合致させたときの、周辺でのレンズ部の境界線と表示部の境界線の合致度については低下した。
一方、比較例3ではフィルムが伸びて弛んでしまい、全く立体視ができなかった。
次いで、使用環境2(温度60℃、湿度60%)から使用環境1′(温度10℃、湿度10%)に戻し、再度、張力を付与し、立体視時に必要な格子ピッチ(上記のP)の値となす張力を測定した。このとき、実施例10の立体視時に必要な張力は、当初に比較して大きく低下していた。これは、付与した張力が降伏応力を越えたため、塑性変形がおこったと推察される。また、使用環境1と使用環境2及び対応した張力の付与を交互に繰り返すうち、実施例10は、張力の付与で立体視を行うことはきわめて困難となった。他の実施例では付与する張力に若干の低下は見られたが、立体視は可能であった。
この結果を、まとめて以下の表2に示す。
Figure 2011043544
1 パララックスバリア
2 レンチキュラーレンズ
12 クリップ部材
13 圧電素子
14 棒状部材
15 移動部材
20 表示部
30 アクチュエータ保持部

Claims (8)

  1. 画像を表示する表示部の視聴者側の面に配置され、前記表示部で表示された画像を裸眼で立体視させるための立体視用光学部材であって、
    少なくとも立体視の為に使用するときには、非使用時の自然長の状態から伸長させて用いられることを特徴とする立体視用光学部材。
  2. 前記立体視用光学部材は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の立体視用光学部材。
  3. 前記立体視用光学部材は、透過部と非透過部がストライプ状に交互に、又は市松模様状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体視用光学部材。
  4. 前記立体視用光学部材は、複数のレンズ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体視用光学部材。
  5. 前記レンズ部が、フレネルレンズ形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の立体視用光学部材。
  6. 前記立体視用光学部材の前記透過部と非透過部又は前記レンズ部の自然長状態でのピッチは、使用環境温度及び湿度により最も膨張した場合でも、立体視使用時のピッチより小さくなるよう形成されていることを特徴とする請求項3から5までのいずれか一項に記載の立体視用光学部材。
  7. 画像を表示する表示部と、
    請求項1から6までのいずれか一項に記載の立体視用光学部材と、
    前記立体視用光学部材を伸長させる伸長機構部と、を有し、
    少なくとも立体視の為に使用するときには、前記立体視用光学部材を前記伸長機構部により自然長の状態から伸長させて用いることを特徴とする立体視画像表示装置。
  8. 前記伸長機構部は、圧電素子と該圧電素子により振動させられる棒状部材と、該棒状部材に摩擦係合する移動部材を有し、該移動部材の移動により前記立体視用光学部材が伸長されるものであることを特徴とする請求項7に記載の立体視画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015089883A1 (zh) * 2013-12-19 2015-06-25 深圳市华星光电技术有限公司 一种显示器

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