JP2011042430A - クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法 - Google Patents

クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011042430A
JP2011042430A JP2009190215A JP2009190215A JP2011042430A JP 2011042430 A JP2011042430 A JP 2011042430A JP 2009190215 A JP2009190215 A JP 2009190215A JP 2009190215 A JP2009190215 A JP 2009190215A JP 2011042430 A JP2011042430 A JP 2011042430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
side wall
reinforcing
crane
upper member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009190215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5609042B2 (ja
Inventor
Hiroki Nakayama
浩樹 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Cranes Co Ltd
Original Assignee
Kobelco Cranes Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco Cranes Co Ltd filed Critical Kobelco Cranes Co Ltd
Priority to JP2009190215A priority Critical patent/JP5609042B2/ja
Publication of JP2011042430A publication Critical patent/JP2011042430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5609042B2 publication Critical patent/JP5609042B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

【課題】クレーンのブームの軽量化を図りながら、先端側ブームの側壁部における座屈を抑制するとともにブームの製造コストの増大を抑制する。
【解決手段】基端側ブーム11とその内部に挿嵌された先端側ブーム13とを備えたクレーンのブーム1において、先端側ブーム13は、上側に開口した下側部材21と下側に開口した上側部材23とを含み、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とが接合されており、上側部材23は、下側部材21よりも薄肉に形成され、先端側ブーム13の側壁部の一部となる側壁構成部25aを有する基材部25と、側壁構成部25aに対してその面方向に連続するように配置された状態で当該側壁構成部25aに接合された補強部27とを含み、補強部27は、基材部25の側壁構成部25aよりも面外変形に対する剛性が高い板材からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法に関するものである。
従来、下記特許文献1に先端側ブームが基端側ブームに対して軸方向に移動することにより伸縮するクレーンのブームが開示されている。この特許文献1に開示されたクレーンのブームでは、先端側ブームが4枚の板体の各端部を互いに接合することにより形成された箱型構造を有している。この先端側ブームでは、吊り荷重が掛かったときに板体の接合部に応力が集中するため接合部の疲労強度が低下する。
そこで、下記特許文献2には、接合部の疲労強度を向上することが可能な先端側ブームの構造が開示されている。この特許文献2では、上側に開口した下側部材と下側に開口した上側部材の互いの開口端部同士が接合されることにより先端側ブームが形成されている。このブームでは、両部材の接合位置が吊り荷重による曲げ変形についての中立面、すなわち当該曲げ変形に伴う曲げ応力が0となる面に近いので、上記特許文献1の先端側ブームに比べて接合部への応力集中を低減することができる。このため、接合部の疲労強度を向上させることが可能となっている。
また、特許文献2による先端側ブームでは、下側部材が複数の角部を有するように曲げ加工されているとともに上側部材よりも厚肉となっている。これにより、下側部材では、吊り荷重によって作用する圧縮応力に対する座屈強度が向上されている。ただし、この特許文献2による先端側ブームでは、厚肉の下側部材の占める割合が増加して重量が大幅に増大するのを抑制するために、下側部材の上端部の位置、すなわち下側部材と上側部材との接合部の位置が曲げ変形の中立面よりも下側にあるように構成されている。このため、先端側ブームの側壁部の上記接合部と上記中立面との間の領域では、吊り荷重による圧縮応力が生じるにもかかわらず、薄肉の上側部材で構成されている。従って、この構成では、上記上側部材に座屈が生じる虞がある。
そこで、特許文献2による先端側ブームでは、上記領域での座屈を抑止するために当該領域における上側部材にプレス加工が施されて補強用の凹部が形成されている。
特開2000−143163号公報 特開2000−16763号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示された従来のブームでは、上側部材に補強用の凹部をプレス加工するためにプレス型が別途必要となり、製造コストが増大するという問題点がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、クレーンのブームの軽量化を図りながら、先端側ブームの側壁部における座屈を抑制するとともにブームの製造コストの増大を抑制することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基端側ブームとその内部に挿嵌された先端側ブームとを備え、前記先端側ブームが前記基端側ブームに対して軸方向に移動することにより伸縮するクレーンのブームであって、前記先端側ブームは、上側に開口した下側部材と下側に開口した上側部材とを含み、当該下側部材の開口端部と当該上側部材の開口端部とが接合されており、前記上側部材は、前記下側部材よりも薄肉に形成され、前記先端側ブームの側壁部の一部となる側壁構成部を有する基材部と、前記側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態で当該側壁構成部に接合された補強部とを含み、前記補強部は、前記基材部の前記側壁構成部よりも面外変形に対する剛性が高い板材からなることを特徴とするものである。
この請求項1に記載の発明では、上側部材の基材部が下側部材よりも薄肉に形成されているので、上側部材の基材部が下側部材と同じ厚みや下側部材よりも厚肉に形成されている場合に比べて先端側ブームの軽量化を図ることができる。これにより、クレーンのブームの軽量化を図ることができる。また、この請求項1の発明では、基材部の側壁構成部よりも面外変形に対する剛性が高い板材からなる補強部が、側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態でその側壁構成部に接合されているため、軽量化のために上側部材の基材部が薄肉に形成されていても、先端側ブームの側壁部の座屈を抑制することができるとともに、補強板を先端側ブームの側壁部に重ね合わせて取り付ける場合に比べて重量の増加を抑えることができる。さらに、この請求項1の発明では、補強部が上側部材の基材部の側壁構成部に接合されることによって先端側ブームの側壁部が補強されているので、従来のように補強用の凹部をブームの側壁部に対応する領域にプレス加工する場合と異なり、凹部のプレス加工に用いるプレス型を要しない分、製造コストの増大を抑制することができる。従って、このクレーンのブームでは、軽量化を図りながら、先端側ブームの側壁部における座屈を抑制するとともにブームの製造コストの増大を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、基端側ブームとその内部に挿嵌された先端側ブームとを備え、前記先端側ブームが前記基端側ブームに対して軸方向に移動することにより伸縮するクレーンのブームであって、前記先端側ブームは、上側に開口した下側部材と下側に開口した上側部材とを含み、当該下側部材の開口端部と当該上側部材の開口端部とが接合されており、前記上側部材は、前記下側部材よりも薄肉に形成され、前記先端側ブームの側壁部の一部となる側壁構成部を有する基材部と、前記側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態で当該側壁構成部に接合された補強部とを含み、前記補強部は、前記基材部の前記側壁構成部よりも材料強度が高い板材からなることを特徴とするものである。
この請求項2に記載の発明では、上側部材の基材部が下側部材よりも薄肉に形成されているので、上側部材の基材部が下側部材と同じ厚みや下側部材よりも厚肉に形成されている場合に比べて先端側ブームの軽量化を図ることができる。これにより、クレーンのブームの軽量化を図ることができる。また、この請求項2の発明では、基材部の側壁構成部よりも材料強度が高い板材からなる補強部が、側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態でその側壁構成部に接合されているため、軽量化のために上側部材の基材部が薄肉に形成されていても、先端側ブームの側壁部の永久変形としての座屈を抑制することができるとともに、補強板を先端側ブームの側壁部に重ね合わせて取り付ける場合に比べて重量の増加を抑えることができる。さらに、この請求項2の発明では、補強部が上側部材の基材部の側壁構成部に接合されることによって先端側ブームの側壁部が補強されているので、従来のように補強用の凹部をブームの側壁部に対応する領域にプレス加工する場合と異なり、凹部のプレス加工に用いるプレス型を要しない分、製造コストの増大を抑制することができる。従って、このクレーンのブームでは、軽量化を図りながら、先端側ブームの側壁部における座屈を抑制するとともにブームの製造コストの増大を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクレーンのブームにおいて、前記補強部を構成する板材は、前記基材部の前記側壁構成部よりも板厚が大きいことを特徴とするものである。
この請求項3に記載の発明によれば、補強部が基材部の側壁構成部よりも面外変形に対する剛性が高い構造を容易に構成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のクレーンのブームにおいて、前記補強部を構成する板材は、前記基材部の前記側壁構成部よりも材料強度が高いことを特徴とするものである。
この請求項4に記載の発明によれば、先端側ブームの側壁部における座屈をより有効に抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレーンのブームにおいて、前記下側部材の開口端部と前記上側部材の開口端部とは、前記先端側ブームの吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されており、前記補強部は、前記中立面よりも下側に位置する部分を有することを特徴とするものである。
この請求項5に記載の発明では、下側部材の開口端部と上側部材の開口端部とが先端側ブームの吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されているので、先端側ブームにおいて薄肉に形成された領域の占める割合を大きくすることができる。これにより、ブームの一層の軽量化を図ることができる。なお、この構成では、薄肉に形成された上側部材の開口端部が下側部材の開口端部と前記曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されていることに起因して先端側ブームにかかる曲げ荷重による側壁部の座屈が生じやすくなるが、前記補強部が設けられることにより先端側ブームの側壁部が補強され、そのような曲げ荷重による先端側ブームの側壁部の座屈を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクレーンのブームにおいて、前記補強部は、前記先端側ブームの長さ方向の中心位置から基端部までの範囲内にのみ設けられていることを特徴とするものである。
この請求項6に記載の発明によれば、ブームに吊り荷重がかかったときに大きな曲げ荷重、上下方向の圧縮荷重及び上下方向のせん断荷重がかかる先端側ブームの長さ方向の中心位置から基端部までの範囲の側壁部を補強部で補強することができる。このため、ブームに吊り荷重がかかったときに座屈を生じやすいこの範囲の側壁部の補強を重点的に行うことができる。また、座屈の虞が少ない上記範囲以外の領域には、補強部を設けないことによって補強部の拡大に起因する重量の増大を抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクレーンのブームにおいて、前記補強部は、前記先端側ブームの長さ方向の全長に亘って設けられていることを特徴とするものである。
この請求項7に記載の発明によれば、補強部と基材部の側壁構成部との全ての接合部を先端側ブームの長さ方向に沿って直線的に設けることができるので、補強部と側壁構成部との接合作業が容易となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクレーンのブームの製造方法であって、上側に開口する前記下側部材を形成する下側部材形成工程と、下側に開口する前記上側部材を形成する上側部材形成工程と、前記下側部材の開口端部と前記上側部材の開口端部とを接合する上下部材接合工程とを備え、前記上側部材形成工程は、前記上側部材の前記基材部を形成するための部材のうち前記側壁構成部に対応する部分に対してその面方向に連続するように前記補強部を配置し、その状態で前記側壁構成部に対応する部分の端部と前記補強部の端部とを溶接する補強部溶接工程を含むことを特徴とするものである。
この請求項8に記載の発明では、上側部材の基材部を形成するための部材のうち側壁構成部に対応する部分に補強部を溶接することによって先端側ブームの側壁部を補強するので、従来のように補強用の凹部をブームの側壁部に対応する領域にプレス加工する場合と異なり、凹部のプレス加工に用いるプレス型を要しない分、製造コストの増大を抑制することができる。また、この請求項7の発明では、補強部溶接工程において補強部を前記側壁構成部に対応する部分に溶接するが、補強部が面外変形に対する剛性と材料強度とのうち少なくとも一方が高い板材からなることに起因して、溶接の際に生じる補強部の熱歪みが小さくなる。これにより、補強部の熱歪みに起因して上側部材の開口端部に大きな変形が生じるのを防ぐことができる。その結果、上側部材の開口端部と下側部材の開口端部との接合を容易に行うことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のクレーンのブームの製造方法において、前記上側部材形成工程は、板体を変形させることにより、下側に開口する形状の前記基材部を形成する基材部形成工程と、その基材部形成工程に先立って前記板体において前記側壁構成部に対応する部分のうち所定の領域を切除する切除工程とを含み、前記補強部溶接工程では、前記側壁構成部に対応する部分のうち前記切除工程によって切除された領域に前記補強部を当て嵌めて溶接することを特徴とするものである。
この請求項9に記載の発明では、切除工程において板体のうち側壁構成部に対応する部分の所定の領域を切除し、補強部溶接工程において切除工程で切除した領域に補強部を当て嵌めて溶接するので、先端側ブームの側壁部のうち座屈が生じやすい所定の領域のみを補強部に置き換えて適切な補強を行うことができる。そして、この請求項9の発明では、板体を変形させることにより下側に開口する形状の基材部を形成する基材部形成工程に先立って前記切除工程を行うので、板体を変形させて基材部を形成した後に側壁構成部の所定の領域を切除する場合に比べて、前記所定の領域の切除を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、クレーンのブームの軽量化を図りながら、先端側ブームの側壁部における座屈を抑制するとともにブームの製造コストの増大を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるブームが適用されるクレーンを示した図である。 本発明の一実施形態によるクレーンのブームの軸方向に垂直な方向の断面図である。 本発明の一実施形態によるクレーンのブームを構成する先端側ブームの側面図である。 図3に示した先端側ブームのIV−IV線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による先端側ブームの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の一実施形態による先端側ブームの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の一実施形態の第1変形例による先端側ブームの側面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例による先端側ブームの側面図である。 本発明の一実施形態の第3変形例による先端側ブームの側面図である。 本発明の一実施形態の第4変形例による先端側ブームの構成を説明するための側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態によるクレーンのブーム1の構成について説明する。
本実施形態によるクレーンのブーム1は、図1に示すように、クレーン本体100に起伏自在に取り付けられるものである。そして、このブーム1は、筒状の基端側ブーム11とその内部に挿嵌された同じく筒状の先端側ブーム13とを備えており、先端側ブーム13が基端側ブーム11に対してその軸方向に移動することにより伸縮するように構成されている。
先端側ブーム13の軸方向に垂直な断面と基端側ブーム11の軸方向に垂直な断面とは、図2に示すように互いに相似形である。これらの断面は、共に円弧状の下部領域と丸みを帯びた角部を有する略コの字状の上部領域とが互いの開口端部側で繋がった形状となっている。基端側ブーム11の先端部の上部領域の一方の角部の内面には、スライディングパッド15aが設けられており、基端側ブーム11の先端部の上部領域の他方の角部の内面には、スライディングパッド15bが設けられている。また、基端側ブーム11の先端部の下部領域の内面には、スライディングパッド15cが設けられている。また、先端側ブーム13のうち基端側ブーム11内に挿嵌された基端部の上部領域の外面と下部領域の外面とには、それぞれ図略のスライディングパッドが設けられている。そして、基端側ブーム11の先端部に設けられた前記スライディングパッド15a〜15cが先端側ブーム13の外面に摺接するとともに、先端側ブーム13の基端部に設けられた前記図略のスライディングパッドが基端側ブーム11の内面に摺接しながら、先端側ブーム13が基端側ブーム11に対して軸方向に移動するようになっている。
先端側ブーム13は、本体部13aと、サイドプレート13b,13cとを含んでいる。
本体部13aは、上側に開口した下側部材21と、下側に開口した上側部材23とを有する。この下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とが互いに溶接されることによって筒状の本体部13aが構成されている。一方のサイドプレート13bは、本体部13aの先端部の外周に取り付けられており、もう一方のサイドプレート13cは、本体部13aの基端部の外周に取り付けられている。この基端部側のサイドプレート13cの外面に前記図略のスライディングパッドが設けられている。
そして、図2の例においては、下側部材21と上側部材23との接合部24は、先端側ブーム13の側壁部に配設されており、この接合部24は、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面(中立軸)、すなわち、吊り荷重により圧縮応力が作用する領域と引張応力が作用する領域との境界面であって当該曲げ変形に伴う曲げ応力が0となる面よりも下側に位置している。
下側部材21は、軸方向に垂直な断面が例えばU字状となるように形成されており、曲げ荷重に対する軸方向についての座屈強度が向上されている。これにより、先端側ブーム13に吊り荷重が掛かったときに作用する圧縮応力(図2参照)によって下側部材21に座屈が生じるのが抑制されている。
上側部材23は、軸方向に垂直な断面が略コの字状となるように形成されており、その上端に位置する両角部が丸みを帯びた形状となっている。この上側部材23は、基材部25と補強部27とを有している。
基材部25は、上側部材23の大部分を占めており、下側部材21よりも薄肉に形成されている。この基材部25は、軸方向に垂直な断面が例えばU字状となるように形成されており、先端側ブーム13の側壁部の一部となる側壁構成部25aを有する。そして、先端側ブーム13では、基材部25が薄肉に形成されていることに起因して、ブーム1に吊り荷重が掛かったときに先端側ブーム13の側壁部に座屈が生じる虞がある。
具体的には、ブーム1に吊り荷重が掛かると、先端側ブーム13には、軸方向における曲げ荷重、軸方向に垂直な上下方向の圧縮荷重及び軸方向に垂直な上下方向のせん断荷重が掛かる。詳細には、前記曲げ荷重は、先端側ブーム13の基端側が基端側ブーム11によって支持されている状態で先端側ブーム13の先端側に吊り荷重による下方向への力が掛かることによって生じるものである。当該曲げ荷重が先端側ブーム13に生じると、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側に位置する部分には先端側ブーム13の軸方向における圧縮荷重が掛かることになる。また、前記上下方向の圧縮荷重は、先端側ブーム13に吊り荷重が掛かることに応じて、基端側ブーム11の先端部の下部領域の内面に設けられたスライディングパッド15cから上方への反力が先端側ブーム13の下部領域に掛かることによって生じるものである。また、前記上下方向のせん断荷重は、先端側ブーム13に吊り荷重が掛かることに応じて、基端側ブーム11の先端部の下部領域の内面に設けられたスライディングパッド15cから先端側ブーム13の下部領域に上方への反力が掛かる一方、先端側ブーム13の基端部の上部領域の外面に設けられた図略のスライディングパッドに対してそのスライディングパッドに当接する基端側ブーム11の上部領域内面から下方向への反力が掛かることによって生じるものである。そして、このような各荷重が先端側ブーム13に掛かると、先端側ブーム13の側壁部は、座屈を生じる虞がある。
そこで、本実施形態では、上側部材23のうち先端側ブーム13の両側壁部に対応する領域が補強部27によって補強されている。具体的には、図3及び図4に示すように、基材部25の両側壁構成部25aのうち先端側ブーム13の長さ方向の中心位置から基端部までの範囲内の所定の領域がそれぞれ切除されるとともに、この切除された各領域に補強部27がそれぞれ当て嵌められて溶接されている。すなわち、上側部材23の大半の領域は基材部25によって構成されており、当該上側部材23の基材部25のうち先端側ブーム13の側壁部に対応する側壁構成部25aの一部のみが補強部27に置き換えられている。そして、補強部27は、側壁構成部25aに対してその面方向に連続するように配置された状態で側壁構成部25aに接合されている。
補強部27は、基材部25と同じ素材で基材部25よりも大きい板厚の板材を用いて形成されている。これにより、補強部27は、基材部25の側壁構成部25aよりも面外変形(先端側ブーム13の側壁部の内外方向へ膨出するような変形)に対する剛性が高くなっている。このため、補強部27は、前記曲げ荷重、前記上下方向への圧縮荷重及び前記上下方向へのせん断荷重に対する剛性が側壁構成部25aよりも高くなっており、そのような各荷重が掛かった場合でも座屈を生じにくくなっている。そして、補強部27は、上側部材23の開口端部から上側へ所定の幅で、かつ、先端側ブーム13の基端部から先端側へ向かって所定の長さの領域に設けられている。具体的には、補強部27は、その下端の位置が上側部材23の開口端部の位置と揃っている。これにより、補強部27は、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側に位置する部分を有する。そして、補強部27は、その幅方向において、上側部材23の開口端部から上側の角部よりも下側の位置までの間に設けられている。また、補強部27は、上記したように基材部25の側壁構成部25aの切除された領域に当て嵌められることによって、先端側ブーム13の長さ方向の中心位置から基端部までの範囲内にのみ設けられている。
詳細には、補強部27は、先端側ブーム13の基端部から先端部側へ先端側ブーム13の全長の約30%分の長さに亘る領域に設けられている。この領域では、吊り荷重により大きな曲げ荷重、上下方向の圧縮荷重及び上下方向のせん断荷重が作用するので、座屈が発生しやすい。このため、この領域に補強部27が設けられ、それによって当該領域の座屈が抑制されている。また、補強部27の長さが大きくなるに従って、補強部27と側壁構成部25aとの溶接部の長さが増大して溶接時に発生する熱歪みが増大するといった問題や、先端側ブーム13の重量が増大するといった問題が生じるため、それも考慮して補強部27の長さが上記のように設定されている。
また、補強部27の先端側の端部と側壁構成部25aの切除された領域の対応する端部との接合部28は、傾斜した直線状に形成されている。これにより、この接合部28近傍の領域において断面強度が先端側ブーム13の長さ方向に沿って連続的に徐々に変化する構成となるので、接合部28における応力集中を緩和することができる。
図5及び図6は、本実施形態による先端側ブーム13の製造プロセスを説明するための図である。次に、これらの図を参照して、本実施形態によるクレーンのブーム1の製造方法において先端側ブーム13を製造する際のプロセスについて説明する。
まず、前記上側部材23を形成する上側部材形成工程を行う。この上側部材形成工程では、図5に示すように、平板状の金属板からなる基材35を準備する。この基材35は、先端側ブーム13の全長に対応した長さを有する長方形状のものであり、上側部材23の基材部25を形成するための部材である。そして、基材35において前記側壁構成部25aに対応する部分のうち所定の領域を切除する切除工程を行う。具体的には、基材35の幅方向の両端部からそれぞれ内側へ所定の幅で、かつ、基材35の長さ方向の一方端部から他方端部へ基材35の全長の約30%分の長さを有する領域35a,35aを切除する。この切除する領域35a,35aの前記他方端部側の端縁は傾斜した直線状にカットする。
次に、基材35のうち側壁構成部25aに対応する部分と補強材37とを溶接する補強部溶接工程を行う。なお、補強材37は、基材35と同じ素材で基材35よりも大きい板厚を有する板材からなり、上記上側部材23の補強部27を構成するものである。この補強部溶接工程では、基材35のうち側壁構成部25aに対応する部分に対してその面方向に連続するように補強材37を配置し、その状態で基材35のうち側壁構成部25aに対応する部分の端部と補強材37の端部とを溶接する。具体的には、図6に示すように、基材35の切除した領域35a,35aにその領域35a,35aと同形の補強材37をそれぞれ当て嵌め、基材35の切除した領域35aに対応する端部と補強材37の端部とを突き合わせた状態で溶接を行う。これにより、基材35と補強材37とが一体となった板体40が形成される。この板体40は、基材35の元の長方形状の外形と同様の外形を有している。すなわち、基材35の上記領域35a,35aが補強材37でそれぞれ置き換えられた構成となっている。そして、補強材37の溶接により板体40に多少の熱歪みが生じていた場合には、その歪んでいる部分は機械的手段によって平板状に直す。
この後、板体40を変形させることにより上側部材23を形成する変形工程を行う。具体的には、この変形工程では、板体40をその幅方向の両端部がそれぞれ上側部材23の開口端部となるように曲げ加工する。この変形工程に伴って、下側に開口する形状の基材部25が形成される(基材部形成工程)。なお、この変形工程では、板体40をプレス加工により変形させて上側部材23を形成してもよい。
そして、上側部材形成工程とは別に、前記下側部材21を形成する下側部材形成工程を行う。この下側部材形成工程では、平板状の板体を断面U字状となるように曲げ加工することにより下側部材21を形成する。この際、上側部材23に用いる基材35よりも板厚の大きい板体を用いて下側部材21を形成する。なお、この下側部材形成工程では、板体をプレス加工することにより下側部材21を形成してもよい。
次に、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とを接合する上下部材接合工程を行う。この上下部材接合工程では、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とを互いに突き合わせた状態でそれらの開口端部同士を溶接する。これにより、筒状の本体部13aが形成される。そして、最後に、本体部13aの軸方向の一端部にサイドプレート13bを取り付けるとともに、本体部13aの軸方向の他端部にサイドプレート13cを取り付ける。このようにして、本実施形態による先端側ブーム13が作製される。
以上説明したように、本実施形態によるクレーンのブーム1では、上側部材23の基材部25が下側部材21よりも薄肉に形成されているので、上側部材23の基材部25が下側部材21と同じ厚みや下側部材21よりも厚肉に形成されている場合に比べて、先端側ブーム13の軽量化を図ることができる。これにより、クレーンのブーム1の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、基材部25の側壁構成部25aよりも面外変形に対する剛性が高い板材からなる補強部27が、側壁構成部25aに対してその面方向に連続するように配置され、その側壁構成部25aの切除された領域に当て嵌められた状態で溶接されているので、軽量化のために上側部材23の基材部25が薄肉に形成されていても、先端側ブーム13の側壁部の座屈を抑制することができるとともに、補強板を先端側ブームの側壁部に重ね合わせて取り付ける場合に比べて重量の増加を抑えることができる。これにより、先端側ブーム13の重量増加を抑制しながら、先端側ブーム13に吊り荷重が掛かったときの当該先端側ブーム13の側壁部の座屈を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、補強部27が上側部材23の基材部25の側壁構成部25aに接合されることによって先端側ブーム13の側壁部が補強されているので、従来のように補強用の凹部をブームの側壁部に対応する領域にプレス加工する場合と異なり、凹部のプレス加工に用いるプレス型を要しない分、製造コストの増大を抑制することができる。従って、本実施形態によるクレーンのブーム1では、軽量化を図りながら、先端側ブーム13の側壁部における座屈を抑制するとともにブーム1の製造コストの増大を抑制することができる。
また、本実施形態では、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とが先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されているので、先端側ブーム13において薄肉に形成された領域の占める割合を大きくすることができる。これにより、先端側ブーム13の一層の軽量化を図ることができる。なお、本実施形態では、薄肉に形成された上側部材23の開口端部と下側部材21の開口端部とが、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されていることに起因して先端側ブーム13にかかる曲げ荷重による側壁部の座屈が生じやすくなるが、補強部27が設けられることにより先端側ブーム13の側壁部が補強され、そのような曲げ荷重による先端側ブーム13の側壁部の座屈を抑制することができる。
また、本実施形態によるクレーンのブーム1では、補強部27が先端側ブーム13の基端部から先端部側へ先端側ブーム13の全長の約30%の長さに亘る範囲に設けられているので、吊り荷重により大きな曲げ応力が発生するこの範囲を補強部27で補強することができる。このため、座屈を生じやすいこの範囲の補強を重点的に行うことができる。また、座屈の虞が少ない上記範囲以外の領域には、補強部27を設けないことによって補強部27の拡大に起因する重量の増大を抑制することができる。
また、本実施形態によるクレーンのブーム1の製造方法では、補強部溶接工程において補強材37を基材35の側壁構成部25aに対応する部分に溶接するが、補強材37が面外変形に対する剛性が高い板材からなることに起因して、溶接の際に生じる補強材37の熱歪みが小さくなる。これにより、基材35に補強材37を溶接して形成した板体40からなる上側部材23では、開口端部に大きな変形が生じるのを防ぐことができる。その結果、上側部材23の開口端部と下側部材21の開口端部との溶接を容易に行うことができる。
また、先端側ブーム13の側壁部を補強する上記以外の方法としては、先端側ブーム13の側壁部に対して薄板の補強板を重ね合わせてその周縁部を溶接する方法が一般的に考えられる。しかしながら、この方法では、補強板が薄板であることに起因して溶接時に補強板に生じる熱歪みが非常に大きくなる。このため、補強板の板厚を剛性を満足する板厚以上に大きくする必要があり、これに起因して先端側ブーム13の重量が著しく増大するという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態によるクレーンのブーム1の製造方法では、補強材37の板厚が大きくてその剛性が高いので、上記の先端側ブームの側壁部に薄板を重ね合わせて溶接するものに比べて溶接時における補強材37自体の熱歪みを小さくすることができる。これにより、補強部27の板厚の著しい増加を伴うことなく上側部材23を製造することができる。その結果、先端側ブーム13の重量が著しく増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態によるクレーンのブーム1の製造方法では、板体40を変形させることにより上側部材23を形成する変形工程に先立って、基材35から補強材37を当て嵌める領域35aを切除する切除工程を行うので、基材35を曲げ加工した後に側壁構成部25aの一部の領域を切除する場合に比べて、基材35の上記領域35aの切除を容易に行うことができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、補強部27を先端側ブーム13の基端部から先端部側へ先端側ブーム13の全長の約30%の長さに亘る範囲に設けたが、これ以外の範囲に補強部を設けてもよい。具体的には、補強部を先端側ブーム13の長さ方向の中心から基端側ブーム11側の端部までの範囲内で任意の領域に設けてもよい。また、補強部を先端側ブーム13の全長に亘って設けてもよい。このように、補強部を先端側ブーム13の全長に亘って設ける場合には、補強部と基材部との全ての接合部を先端側ブーム13の長さ方向に沿って直線的に設けることができるので、溶接作業が容易となる。また、補強部27を先端側ブーム13の全長に亘って設ける場合には、図7の第1変形例に示すように、補強部27と基材部25の側壁構成部25aとの接合部28が先端側ブーム13の基端側から先端側へ向かうにつれて連続的に下側に向かう傾斜状に形成されていてもよい。また、図8の第2変形例に示すように、接合部28が先端側ブーム13の基端側から先端側へ向かう途中まで先端側ブーム13の軸方向に延び、その後、先端側へ向かうにつれて連続的に下側に向かう斜線状になっていてもよい。
また、上記実施形態のように補強部27が先端側ブーム13の長さ方向の中心から基端側の端部までの範囲内の所定の領域に設けられている構成において、図9に示す第3変形例のように補強部27と基材部25の側壁構成部25aとの接合部28が先端側ブーム13の基端側から先端側へ向かうにつれて連続的に下側へ向かう斜線状に形成されていてもよい。
また、図10に示す第4変形例のように、先端側ブーム13の基端部から所定の長さの範囲には、補強部27を設けなくてもよい。この範囲は、先端側ブーム13が基端側ブーム11から最も突出した状態で基端側ブーム11内に差し込まれている範囲である。すなわち、この範囲は、基端側ブーム11内から外へ出ることがないので、吊り荷重によってこの範囲に作用する曲げ応力は極端に低くなる。このため、この範囲では補強の必要性があまりないので、補強部27を設けなくてもよい。なお、この場合、上側部材23の基材部25の側壁構成部25aのうち切除する領域を補強部27に対応して長さ方向に短くする。この第4変形例の構成によれば、先端側ブーム13の側壁部の補強が必要な領域を補強部27で補強する一方、補強の必要がない領域には補強部27を設けないので、先端側ブーム13の側壁部の座屈を抑制しながら補強部27による重量増加を抑制することができる。
また、上記実施形態では、補強部27に基材部25の側壁構成部25aよりも板厚の大きい板材を用いたが、これに限らず、補強部27を基材部25の側壁構成部25aよりも材料強度が高い板材によって形成してもよい。具体的な一例としては、基材部25を軟鋼で形成し、補強部27を高張力鋼で形成すること等が挙げられる。補強部27を材料強度が高い板材によって形成することにより、先端側ブーム13の側壁部の永久変形としての座屈を抑制することができる。そして、この場合でも、上記実施形態と同様に、ブーム1の軽量化を図ることができるとともにブーム1の製造コストの増大を抑制することができる。なお、補強部27は、側壁構成部25aと板厚が等しく、かつ、側壁構成部25aよりも材料強度が高い板材からなっていてもよい。また、補強部27は、側壁構成部25aよりも板厚が大きく、かつ、側壁構成部25aよりも材料強度が高い板材からなっていてもよい。
また、補強部27は、先端側ブーム13の軸方向における曲げ荷重、前記上下方向の圧縮荷重、前記上下方向のせん断荷重のうち少なくとも1つの荷重による面外変形に対する剛性が側壁構成部25aよりも高ければよい。また、補強部27は、先端側ブーム13の軸方向における曲げ荷重、前記上下方向の圧縮荷重、前記上下方向のせん断荷重のうち少なくとも1つの荷重に対する強度が側壁構成部25aよりも高ければよい。
また、上記実施形態では、平板状の基材35の一部の領域35aを切除し、その切除した領域35aに補強材37を溶接してから基材35と補強材37が一体となった板体40を曲げ加工することによって上側部材23を形成したが、これに限らず、一部の領域35aを切除した基材35を曲げ加工した後、その基材35の切除した領域35aに補強材37を溶接してもよい。また、先に基材35を曲げ加工した後で上記領域35aを切除してもよい。
また、先端側ブーム13及び基端側ブーム11の断面形状は、上記実施形態による形状に限らない。例えば、下側部材21は、断面U字状ではなく、複数の角部を持つ断面となるように曲げ加工された形状であってもよい。
また、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部との接合部28と、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面との上下関係は、図2で示した関係に限定されない。すなわち、下側部材21の開口端部と上側部材23の開口端部とは、先端側ブーム13の吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも上側もしくは前記中立面に一致する位置で接合されていてもよい。
また、先端側ブーム13の軸方向に垂直な断面と基端側ブーム11の軸方向に垂直な断面とは、相似形でなくてもよい。また、これらの断面の下部領域は、円弧状に限らず、楕円状やその他の形状であってもよい。
1 ブーム
11 基端側ブーム
13 先端側ブーム
21 下側部材
23 上側部材
25 基材部
25a 側壁構成部
27 補強部
35 基材

Claims (9)

  1. 基端側ブームとその内部に挿嵌された先端側ブームとを備え、前記先端側ブームが前記基端側ブームに対して軸方向に移動することにより伸縮するクレーンのブームであって、
    前記先端側ブームは、上側に開口した下側部材と下側に開口した上側部材とを含み、当該下側部材の開口端部と当該上側部材の開口端部とが接合されており、
    前記上側部材は、前記下側部材よりも薄肉に形成され、前記先端側ブームの側壁部の一部となる側壁構成部を有する基材部と、前記側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態で当該側壁構成部に接合された補強部とを含み、
    前記補強部は、前記基材部の前記側壁構成部よりも面外変形に対する剛性が高い板材からなることを特徴とする、クレーンのブーム。
  2. 基端側ブームとその内部に挿嵌された先端側ブームとを備え、前記先端側ブームが前記基端側ブームに対して軸方向に移動することにより伸縮するクレーンのブームであって、
    前記先端側ブームは、上側に開口した下側部材と下側に開口した上側部材とを含み、当該下側部材の開口端部と当該上側部材の開口端部とが接合されており、
    前記上側部材は、前記下側部材よりも薄肉に形成され、前記先端側ブームの側壁部の一部となる側壁構成部を有する基材部と、前記側壁構成部に対してその面方向に連続するように配置された状態で当該側壁構成部に接合された補強部とを含み、
    前記補強部は、前記基材部の前記側壁構成部よりも材料強度が高い板材からなることを特徴とする、クレーンのブーム。
  3. 前記補強部を構成する板材は、前記基材部の前記側壁構成部よりも板厚が大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のクレーンのブーム。
  4. 前記補強部を構成する板材は、前記基材部の前記側壁構成部よりも材料強度が高いことを特徴とする、請求項1に記載のクレーンのブーム。
  5. 前記下側部材の開口端部と前記上側部材の開口端部とは、前記先端側ブームの吊り荷重による曲げ変形についての中立面よりも下側で接合されており、
    前記補強部は、前記中立面よりも下側に位置する部分を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレーンのブーム。
  6. 前記補強部は、前記先端側ブームの長さ方向の中心位置から基端部までの範囲内にのみ設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクレーンのブーム。
  7. 前記補強部は、前記先端側ブームの長さ方向の全長に亘って設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクレーンのブーム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のクレーンのブームの製造方法であって、
    上側に開口する前記下側部材を形成する下側部材形成工程と、
    下側に開口する前記上側部材を形成する上側部材形成工程と、
    前記下側部材の開口端部と前記上側部材の開口端部とを接合する上下部材接合工程とを備え、
    前記上側部材形成工程は、前記上側部材の前記基材部を形成するための部材のうち前記側壁構成部に対応する部分に対してその面方向に連続するように前記補強部を配置し、その状態で前記側壁構成部に対応する部分の端部と前記補強部の端部とを溶接する補強部溶接工程を含むことを特徴とする、クレーンのブームの製造方法。
  9. 前記上側部材形成工程は、板体を変形させることにより、下側に開口する形状の基材部を形成する基材部形成工程と、その基材部形成工程に先立って前記板体において前記側壁構成部に対応する部分のうち所定の領域を切除する切除工程とを含み、
    前記補強部溶接工程では、前記側壁構成部に対応する部分のうち前記切除工程によって切除された領域に前記補強部を当て嵌めて溶接することを特徴とする、請求項8に記載のクレーンのブームの製造方法。
JP2009190215A 2009-08-19 2009-08-19 クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法 Expired - Fee Related JP5609042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009190215A JP5609042B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009190215A JP5609042B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011042430A true JP2011042430A (ja) 2011-03-03
JP5609042B2 JP5609042B2 (ja) 2014-10-22

Family

ID=43830167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009190215A Expired - Fee Related JP5609042B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5609042B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017218327A (ja) * 2016-06-03 2017-12-14 リープヘル−ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハーLiebherr−Werk EhingenGmbH 可変長フィッティング端部を有する伸縮セクション
IT201800007213A1 (it) * 2018-07-16 2020-01-16 Carlo Rosso Braccio telescopico e veicolo semovente provvisto di tale braccio
CN110733979A (zh) * 2019-11-19 2020-01-31 姚运文 上侧轻载荷单焊缝起重臂

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03100280U (ja) * 1990-01-29 1991-10-21
JP2000016763A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Tadano Ltd クレーンブーム
JP2008087886A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Kobelco Cranes Co Ltd クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03100280U (ja) * 1990-01-29 1991-10-21
JP2000016763A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Tadano Ltd クレーンブーム
JP2008087886A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Kobelco Cranes Co Ltd クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017218327A (ja) * 2016-06-03 2017-12-14 リープヘル−ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハーLiebherr−Werk EhingenGmbH 可変長フィッティング端部を有する伸縮セクション
JP7039184B2 (ja) 2016-06-03 2022-03-22 リープヘル-ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー 可変長フィッティング端部を有する伸縮セクション
IT201800007213A1 (it) * 2018-07-16 2020-01-16 Carlo Rosso Braccio telescopico e veicolo semovente provvisto di tale braccio
CN110733979A (zh) * 2019-11-19 2020-01-31 姚运文 上侧轻载荷单焊缝起重臂

Also Published As

Publication number Publication date
JP5609042B2 (ja) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101826491B1 (ko) 필릿 용접 조인트 및 그 제조 방법
JP5614488B2 (ja) 接着フランジ構造
EP2508411B1 (en) Structure
JP5609042B2 (ja) クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法
JP2006306211A (ja) テーラードブランク材の溶接構造部材
JP2007015860A (ja) クレーンの伸縮可能部分の上弦断面
JP2005112514A (ja) 伸縮ブーム
JP4442548B2 (ja) ルーフヘッダ構造
JP2006342604A (ja) 鋼製梁の貫通孔補強構造及びそれに用いる貫通孔補強用具
JP5942635B2 (ja) 溝形部材の継手部構造
JP2009035095A (ja) ピラー上部構造
JP6206372B2 (ja) 車両用ルーフ構造、及び車両用ルーフパネルの製造方法
JP2008087886A (ja) クレーンのブーム及びクレーンのブームの製造方法
JP2011084350A (ja) ブーム
JP5158060B2 (ja) 構造部材の補強部材
JP6589918B2 (ja) 車両骨格部材
JP4265040B2 (ja) 多段式ブーム
JP2011246922A (ja) コンクリートスラブ、コンクリート止め機構、コンクリート止め用枠板の支持体
JP2000016763A (ja) クレーンブーム
JP5201010B2 (ja) サスペンションアーム
JP2006290103A (ja) 建設機械のキャノピ構造
JP6494229B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造体
JP2000016763A5 (ja)
WO2020256047A1 (ja) フレーム構造
JP2017218327A (ja) 可変長フィッティング端部を有する伸縮セクション

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5609042

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees