JP2011038622A - パック式バルブ及びこれを備えた消火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を効果的に防止することが可能なパック式バルブ及びこれを備えた消火装置を提供する。
【解決手段】ハンドル50の回転を制限する安全ピン90と、安全ピン90の一端側を保持する第1安全ピン挿通孔53が穿設されたハンドル50と、ハンドル50に固定されるとともにスピンドル30に連結され、ハンドル50の回転をスピンドル30に伝達させるスピンドルドライバ60と、バルブ本体10側に固定され、安全ピン90の他端側を保持する第3安全ピン挿通孔73が穿設された安全ピンブラケット70と、を備え、スピンドルドライバ60には、第1及び第3安全ピン挿通孔53,73の間に位置する第2安全ピン挿通孔64を設けるとともに、スピンドルドライバ60とスピンドル30との間に所定のクリアランスを形成することによって、ハンドル50の回転がスピンドル30に伝達されない微小遊びを形成した構成としてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハンドルの回転をスピンドルに伝達させ、中空状のバルブ本体に収納された弁体を移動させてガスの流入路を開閉させるパック式バルブ及びこれを備えた消火装置に関し、特に、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を効果的に防止することが可能なパック式バルブ及びこれを備えた消火装置に関する。
従来から圧縮ガスや液化ガスを充填したガスボンベには、パッキング式のジョイント又はボルトを用いてバルブ内の気密性を確保したパック式バルブが広く用いられている。パック式バルブは、ガスの流路を開閉させる弁体の移動量が大きく、大量のガスを効率よく流入出させることができる。このようなパック式バルブは、例えば、圧縮COガスやハロンガス等の消化剤を迅速かつ大量に噴出する産業施設又は設備用の消火装置に適用されている。
従来の消火装置用のパック式バルブの構成を図5に示す。図5は従来の消火装置用のパック式バルブを示す断面図である。
同図において、従来の消火装置用のパック式バルブ100は、グランドナット140に密閉された中空状のバルブ本体110を備えている。グランドナット140には、バルブ本体110の内外に連通するスピンドル130が螺合してある。スピンドル130の一端には、ハンドル150が固定してあり、他端には、バルブ本体110の中空部111内に収納されたシーティングステム120が連結してある。シーティングステム120の下端には、ガスの流入口114aを閉鎖する弁体121が取り付けてある。
ハンドル150を回転させると、ねじ部131,141に沿ってスピンドル130が上下方向に移動し、シーティングステム120を進退させる。シーティングステム120が後退して弁体121がガスの流入口114aを開放すると、ガスの流入出路114,115が互いに接続され、流入路114から流出路115へガスが供給される。
ここで、消火装置用のパック式バルブ100には、ハンドル150の誤操作によるガスの漏洩を防止するために、不使用時におけるスピンドル130の回転を制限する安全ピン190が設けられていた。この安全ピン190は、ハンドル150とバルブ本体110とにそれぞれ穿設された2つの挿通孔151,112に挿通され、安全ピン190を挿通孔151,112から抜かない限り、ハンドル130を回転させることができないようになっていた。
消火装置用ではないが、従来の一般的なパック式バルブとして、例えば、特許文献1及び2に提案されているものがある。
特開2006−336819号公報(図1参照) 特開平7−280134号公報(図1参照)
しかし、上述した従来の消火装置用のパック式バルブ100では、ハンドル150の挿通孔151と、バルブ本体110の挿通孔112との二点間距離Lが大きいために、安全ピン190と挿通孔151,112とのクリアランス、及び、挿通孔151,112を支点とする安全ピン190の撓みの範囲でハンドル150が開方向に微小回転してしまい、ガスの流入口114aが微小開放されてしまうという問題があった。
すなわち、消火装置用のパック式バルブ100は、大量の消火剤を迅速に噴射させるために、ハンドル150を1.25回転させたときに弁体121が全開する規格となっている。このため、たとえ微小であってもハンドル150が開方向に回転すると、スピンドル130を介してシーティングステム120が上方向に移動してしまい、ガスの流入口114aが微小開放されてしまう。ガスの流入口114aの微小開放は、消火装置の不使用時にボンベ内のガスを少しずつ漏洩させ、実際に火災が発生したときに消化剤を噴射することができない事態を招来するおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を効果的に防止することが可能なパック式バルブ及びこれを備えた消火装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のパック式バルブは、ハンドルの回転をスピンドルに伝達させ、中空状のバルブ本体に収納された弁体を移動させてガスの流入路を開閉させるパック式バルブであって、前記ハンドルの回転を制限する安全ピンと、前記安全ピンの一端側を保持する第1安全ピン挿通孔が穿設された前記ハンドルと、前記ハンドルに固定されるとともに前記スピンドルに連結され、前記ハンドルの回転を前記スピンドルに伝達させるスピンドルドライバと、前記バルブ本体側に固定され、前記安全ピンの他端側を保持する第3安全ピン挿通孔が穿設された安全ピンブラケットと、を備え、前記スピンドルドライバには、前記第1及び第3安全ピン挿通孔の間に位置する第2安全ピン挿通孔を設けるとともに、前記スピンドルドライバと前記スピンドルとの間に所定のクリアランスを形成することによって、前記ハンドルの回転が前記スピンドルに伝達されない微小遊びを形成した構成としてある。
上記の本発明のパック式バルブでは、ハンドルの回転をスピンドルに伝達させるスピンドルドライバを新設するとともに、このスピンドルドライバとスピンドルとの間に、ハンドルの回転が前記スピンドルに伝達されない微小遊びを形成してある。
このような構成によれば、ハンドルを誤って開方向に微小回転させてしまった場合でも、このハンドルの微小回転を微小遊びで吸収してスピンドルに伝達させないことが可能であり、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を防止することができる。
これに加え、本発明のパック式バルブでは、ハンドルに穿設した第1安全ピン挿通孔と、スピンドルドライバに穿設した第2安全ピン挿通孔と、安全ピンブラケットに穿設された第3安全ピン挿通孔とによって、ハンドルの回転を制限する安全ピンを保持している。すなわち、従来のパック式バルブでは、安全ピンの最も遠い一端部及び他端部の二点間を保持していたが、本発明では、安全ピンの一端部及び中間部、中間部及び他端部の各二点間を保持することとし、各二点間距離を短縮している。
このような構成によれば、スピンドルドライバとスピンドルとの間の微小遊びを超えてハンドルが回転しようとした場合には、これら第1〜第3安全ピン挿通孔が安全ピンに当接してハンドルの回転を制限する。互いに固定されたハンドル及びスピンドルドライバが一体として回転する構成となっているので、ハンドルの回転の実質的な制限は、スピンドルドライバ及び安全ピンブラケットに穿設された第2及び第3安全ピン挿通孔の二点間保持により行われる。これら第2及び第3安全ピン挿通孔によって、安全ピンのより近い二点間を保持しているので、ハンドルを回転させる力に対する安全ピンの撓みを小さくし、より確実にハンドルの回転を制限することが可能となる。
また、互いに固定されたハンドル及びスピンドルドライバに穿設された第1及び第2安全ピン挿通孔の二点間において安全ピンの撓みは生じない。
上述した第2及び第3安全ピン挿通孔によるハンドルの回転の制限効果は、第2及び第3安全ピン挿通孔の二点間距離を短縮するほど大きくすることができ、これについては、次に詳述する。
好ましくは、上述した本発明のパック式バルブにおいて、前記スピンドルドライバの第2安全ピン挿通孔と、前記安全ピンブラケットの第3安全ピン挿通孔とを近接配置して互いに連続させ、これら第2及び第3安全ピン挿通孔によって安全ピンの他端側を保持した構成とする。
このような構成によれば、第2及び第3安全ピン挿通孔を近接配置して互いに連続させることによって、これら第2及び第3安全ピン挿通孔の二点間距離を最大限短縮することが可能となる。そして、互いに連続する第2及び第3安全ピン挿通孔によって、安全ピンの他端側を保持することで、ハンドルを回転させる力に対する安全ピンの撓みをなくし、より効果的にハンドルの回転を制限することができる。
また、第2及び第3安全ピン挿通孔を近接配置したことによって、第1及び第2安全ピン挿通孔の二点間距離が大きくなるが、これら第1及び第2安全ピン挿通孔の二点間において安全ピンの撓みは生じない。
好ましくは、上述した本発明のパック式バルブにおいて、前記ハンドルを1.25回転させたときに前記弁体が全開するとともに、前記所定のクリアランスを調整し、前記ハンドルの微小遊びを約0.01回転に設定した構成とする。
本発明のパック式バルブを消火装置に適用する場合において、ハンドルの好ましい微小遊びの量を約0.01回転に設定した。消火装置用のパック式バルブでは、大量の消火剤を迅速に噴射させるために、ハンドルを1.25回転させたときに弁体が全開する規格となっている。本パック式バルブでは、規格に定められたハンドルの1.25回転のうち、約0.01回転(3.6°)をスピンドルに伝達されない微小遊びとした。この微小遊びが0.01回転よりも大きいと、火災発生時における弁体の開放動作が遅れるとともに、1.25回転で弁体が全開する規格の遵守が困難となる。一方、この微小遊びが0.01回転よりも小さいと、ハンドルの誤操作による微小回転の吸収量が僅かになってしまう。
ここで、上述したハンドルの微小遊びは、本パック式バルブを消火装置に適用する場合には約0.01回転とすることが好ましいが、消火装置以外の用途に適用する場合には約0.01回転に限定されない。例えば、人体に有害なガスや極めて高圧なガスを充填したガスボンベに本パック式バルブを適用する場合には、ハンドルの微小遊びを0.01回転よりも大きくし、ハンドルの誤操作による微小回転の吸収量を大きくしてもよい。
好ましくは、上述した本発明のパック式バルブにおいて、前記スピンドルドライバには、前記スピンドルの一端部が挿通される凹部と、この凹部に交差する少なくとも一端が開口した交差孔とを連成し、前記スピンドルの一端部には、前記スピンドルドライバの前記凹部に挿通されたときに前記交差孔に連通する貫通孔を形成し、前記スピンドルドライバの前記凹部に前記スピンドルの一端部を挿通し、互いの前記交差孔及び前記貫通孔を連通させ、前記スピンドルの前記貫通孔に嵌合し、前記スピンドルドライバの前記交差孔に遊嵌する連結ピンを、前記交差孔及び前記貫通孔に挿通することによって前記スピンドルドライバと前記スピンドルとを連結させた構成とする。
上記構成は、ハンドルの微小遊びを形成するためのスピンドルドライバ及びスピンドルの連結構造を具体的に例示したものである。この連結構造は、スピンドルドライバの凹部にスピンドルの凸部を挿通し、この状態を連結ピンで維持するようになっている。この連結ピンは、その中間部がスピンドルの貫通孔に嵌合して、スピンドルとの結合状態を維持するとともに、その両端部がスピンドルドライバの交差孔に遊嵌して、ハンドルの微小遊びを形成する。すなわち、互いに遊嵌する連結ピンと交差孔との間のクリアランスによって、ハンドルの微小遊びを形成している。この微小遊びの範囲内で、ハンドルの誤操作による微小回転の吸収が可能となる。
なお、ハンドルの微小遊びを形成するためのスピンドルドライバ及びスピンドルの連結構造は、連結ピンと交差孔との遊嵌に限らず、所定のクリアランスを形成しつつ、ハンドルの回転をスピンドルに伝達可能なものが広く含まれる。
また、本発明の消火装置は、上述した本パック式バルブのいずれかを備えた構成としてある。このような構成の消火装置によれば、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を効果的に防止することが可能となり、実際に火災が発生したときに消化剤を確実に噴射させることができる。
本発明のパック式バルブによれば、ハンドルを誤って開方向に微小回転させてしまった場合でも、このハンドルの微小回転を微小遊びで吸収してスピンドルに伝達させないことが可能であり、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を防止することができる。
また、スピンドルドライバとスピンドルとの間の微小遊びを超えてハンドルが回転しようとした場合には、これら第1〜第3安全ピン挿通孔が安全ピンに当接してハンドルの回転を制限する。互いに固定されたハンドル及びスピンドルドライバが一体として回転する構成となっているので、ハンドルの回転の実質的な制限は、スピンドルドライバ及び安全ピンブラケットに穿設された第2及び第3安全ピン挿通孔の二点間保持により行われる。これら第2及び第3安全ピン挿通孔によって、安全ピンのより近い二点間を保持しているので、ハンドルを回転させる力に対する安全ピンの撓みを小さくし、より確実にハンドルの回転を制限することが可能となる。
このような本パック式バルブを消火装置に適用すれば、ハンドルの誤操作によるガスの漏洩を効果的に防止することが可能となり、実際に火災が発生したときに消化剤を確実に噴射させることができる。
本発明の一実施形態に係るパック式バルブを示す断面図である。 上記パック式バルブのハンドル周辺の構成部品を示す分解図である。 上記構成部品のうちのスピンドルドライバ、安全ピンブラケット及びスピンドルを示す部分断面平面図である。 上記パック式バルブにおけるハンドルの回転制限動作を説明するための概略平面図である。 従来の消火装置用のパック式バルブを示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る消火装置用のパック式バルブについて、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明で例示する銅合金等の金属材料は、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令の規制対象物質(例えば、鉛、カドミウムなど)が閾値以下に管理されているものとし、また、ステンレス鋼等の種類はJISコードを省略して記載する。
本発明の一実施形態に係るパック式バルブについて、図1〜4を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパック式バルブを示す断面図である。図2は上記パック式バルブのハンドル周辺の構成部品を示す分解図である。図3は上記構成部品のうちのスピンドルドライバ、安全ピンブラケット及びスピンドルを示す部分断面平面図である。図4は上記パック式バルブにおけるハンドルの回転制限動作を説明するための概略平面図である。
図1において、本実施形態に係るパック式バルブ1は、主として、バルブ本体10と、シーティングステム20と、スピンドル30と、グランドナット40と、ハンドル50と、スピンドルドライバ60と、安全ピンブラケット70と、安全プラグ80と、安全ピン90とで構成してある。
[バルブ本体]
バルブ本体10は、その内部に断面略円形の中空部11を設けたハウジングであり、例えば、C3771BE(黄銅)により形成してある。中空部11の下方にはガスの流入路14が連通しており、また、中空部11の一側方にはガスの流出路15が連通している。さらに、これら流入路14及び流出路15が共に開口する中空部11の下端側は、後述するシーティングステム20によって閉鎖された閉鎖弁室16となっている。この閉鎖弁室16内には、ガスの流入口14aが開口しており、この流入口14aは、後述する弁体21によって開閉される。
また、ガスの流入路14の他側方には吹出し路17が分岐しており、この吹出し路17は、パッキンを介して安全プラグ80により密閉されている。この安全プラグ80は、封板式の安全弁であり、火災などの事故が発生した場合に、ガスボンベ等の高圧ガス容器が爆発することを防止する役割を果たす。
安全プラグ80内は、先端側が開口する中空部となっており、前記開口には所定の圧力で破損する安全板80aが取り付けてある。また、中空部には外部に連通する孔80bが穿設してある。例えば、本パック式バルブ1を図示しないガスボンベに取り付けた消火装置が、火災などの高温環境下に曝されて、ガスボンベ内が所定の圧力(例えば、17.5〜24.5MPa)を超えると、安全プラグ80の安全板80aが破損し、ガスボンベ内のガスが孔80bから噴出される。これにより、ガスボンベ内の圧力が低下して爆発が防止される。このような安全プラグ80はカバー81によって覆ってあり、不用意に接触できないようになっている。
安全プラグ80の材料として、例えば、ニッケルメッキを施したC3604BD(黄銅)を用いることができる。安全板80aの材料として、例えば、C1220R(黄銅条)を用いることができる。パッキンの材料として、例えば、PTFE等のフッ素樹脂を用いることができる。
[シーティングステム]
シーティングステム20は、上述したバルブ本体10の中空部11の下端側に適合した形状をしており、中空部11内に閉鎖弁室16を形成している。このシーティングステム20の側部には、閉鎖弁室16の気密性を維持するためのバックアップリング23及びOリング24が取り付けてある。また、シーティングステム20の下端側には、ガスの流入口14aを塞ぐ弁体21が取り付けてあり、上端側には、スピンドル30と連結するための連結キー溝22が形成してある。このようなシーティングステム20の材料として、例えば、C3604BD(黄銅)を用いることができる。
弁体51は、上述したように、バルブ本体10のガスの流入口14aを開閉させて、ガスの流通を制御するためのものである。この弁体51には、気密性に優れ、長年使用しても容易に変形しない樹脂材料、例えば、ナイロンを用いることができる。
[スピンドル]
スピンドル30は、シーティングステム20を進退させて弁体51を開閉動作させるための軸部材であり、例えば、C3604BD(黄銅)により形成してある。スピンドル30の本体外周面には、グランドナット40の雌ねじ部42と螺合する雄ねじ部31が設けてある。また、スピンドル30の下端部には、シーティングステム20の連結キー溝22にスライド嵌合する連結キー33が形成してある。
さらに、スピンドル30の上端部には、後述するスピンドルドライバ60と連結するための断面円形の凸部32が設けてある。この凸部32には、水平方向に延びる貫通孔32aが形成してあり、この貫通孔32aには後述する連結ピン65が圧入される。スピンドル30とスピンドルドライバ60の連結構造については、後に図2及び図3を用いて詳述する。
[グランドナット]
グランドナット40は、上述したバルブ本体10の中空部11を密閉する蓋となり、かつスピンドル30と螺合してこれを回動自在に支持する。このグランドナット40の材料として、例えば、スピンドル30と同じC3604BD(黄銅)を用いることができる。
グランドナット40の外周面には、バルブ本体10の雌ねじ部12に螺合する雄ねじ部41が形成してある。また、グランドナット40の内周面には、スピンドル30の雄ねじ部31と螺合する雌ねじ部42が形成してある。
[ハンドル]
ハンドル50は、弁体21を開閉動作させるための操作部である。本実施形態では、ハンドル50を反時計回りに回転させると、弁体21が後退してガスの流入口14aが開放され(図中の「開」参照)、ハンドル50を時計回りに回転させると、弁体21が前進してガスの流入口14aが閉鎖されるようにしてある(図中の「閉」参照)。このようなハンドル50は、例えば、ADC12(アルミダイカスト)により形成することができる。
図1及び図2に示すように、ハンドル50の内側には、後述するスピンドルドライバ60を固定するための角穴51が形成してある。この角穴51にスピンドルドライバ60の角棒62を挿入し、この角棒62をねじ52で締結することによって、ハンドル50とスピンドルドライバ60とが一体に回転するように固定している。
また、ハンドル50の上面には、安全ピン90が挿入される第1安全ピン挿入孔53が穿設してある。本実施形態では、第1安全ピン挿入孔53の直径を、安全ピン90の直径よりも約0.4mm程度大きくし、安全ピン90の挿抜を容易にしている。
[スピンドルドライバ]
上述したように、スピンドルドライバ60は、ハンドル50に固定されるとともにスピンドル30に連結され、ハンドル50の回転をスピンドル30に伝達させるものである。このスピンドルドライバ60の材料として、例えば、スピンドル30と同じC3604BD(黄銅)を用いることができる。
<スピンドルとの連結構造について>
図1及び図2に示すように、スピンドルドライバ60は、低い円柱状の本体61の上部に角棒62を立設するとともに、本体61の下縁部に同心円のフランジ部63を設けた構成となっている。上述したように、角棒62は、ハンドル50の角穴51に挿入され、ねじ52で固定される。
本体61の内部には、本体61の底面に開口する断面円形の凹部61aと、凹部61aに交差する断面円形の交差孔61bとが形成してある。交差孔61bは、本体61の一側面に開口しており、この開口から凹部61aに向かって連結ピン65の挿入が可能となっている。
凹部61aは、上述したスピンドル30の凸部32と対応している。凹部61aにスピンドル30の凸部32を挿入すると、この凸部32に形成した貫通孔32aが交差孔61bに一致して連続する。互いに連続する交差孔61b及び貫通孔32aに連結ピン65を挿通することにより、スピンドルドライバ60とスピンドル30とが互いに連結される。
ここで、図3に示すように、本実施形態では、スピンドルドライバ60の交差孔61bの直径D1を、連結ピン65の直径D2よりも若干大きくすることにより、交差孔61b及び連結ピン65の間に所定のクリアランスを形成している(図4の符号「CL」を参照)。このクリアランスCLが、ハンドル50の微小回転をスピンドル30に伝達させない微小遊びを形成する。
すなわち、ハンドル50の回転は、これと一体に回転するスピンドルドライバ60を介してスピンドル30に伝達される。スピンドルドライバ60の回転は、その交差孔61bと連結ピン65とが互いに当接することでスピンドル30に伝達される。したがって、交差孔61b及び連結ピン65のクリアランスCLの範囲内では、スピンドルドライバ60の回転がスピンドル30に伝達されないことになる。
このような微小遊びをハンドル50に持たせることにより、ハンドル50を誤って開方向に微小回転させてしまった場合でも、このハンドル50の微小回転を微小遊びで吸収してスピンドル30に伝達させないことが可能であり、ハンドル50の誤操作によるガスの漏洩を防止することができる。
ハンドル50の微小遊びの量としては、例えば、約0.01回転程度に設定することが好ましい。図4に示すように、消火装置用のパック式バルブ1では、大量の消火剤を迅速に噴射させるために、ハンドル50を1.25回転させたときに弁体が全開する規格となっている。この微小遊びが0.01回転よりも大きいと、火災発生時における弁体の開放動作が遅れるとともに、1.25回転で弁体が全開する規格の遵守が困難となる。一方、この微小遊びが0.01回転よりも小さいと、ハンドルの誤操作による微小回転の吸収量が僅かになってしまう。
なお、図2に示すように、連結ピン65は、長手方向にスリットを有する断面略C字型のスプリングピンであり、スピンドル30の貫通孔32aに圧入されたとき、連結ピン65の直径D2は貫通孔32aの直径D3とほぼ等しくなる。
<第2安全ピン挿通孔について>
一方、図1〜図3に示すように、スピンドルドライバ60のフランジ部63には、ハンドル50の第1安全ピン挿通孔53に対応する第2安全ピン挿通孔64が穿設してある。ここで、本実施形態では、スピンドルドライバ60の第2安全ピン挿通孔64と、後述する安全ピンブラケット70の第3安全ピン挿通孔73とを近接配置して互いに連続させ、これら第2及び第3安全ピン挿通孔64,73によって安全ピン90の他端側を保持する構成としてある。
すなわち、図5に示す従来のパック式バルブ100では、安全ピン190の最も遠い一端部及び他端部の二点間(図5の符号「L」を参照)を保持していた。これに対し、本実施形態では、安全ピン90の他端側を、互いに連続する第2及び第3安全ピン挿通孔64,73によって最短距離L2(図1参照)で保持している。なお、図示の関係上、スピンドルドライバ60と安全ピンブラケット70との間に隙間をあけたが、実際は、スピンドルドライバ60と安全ピンブラケット70とが互いに面接触するので、最短距離L2はほぼ0に等しい。
このような構成によれば、スピンドルドライバ60とスピンドル30との間の微小遊びを超えてハンドル50が回転しようとした場合には、安全ピン90の他端側が、互いに連続する第2及び第3安全ピン挿通孔64,73によって保持されるので、ハンドル50を回転させる力に対する安全ピンの撓みをなくし、より効果的にハンドル50の回転を制限することができる。
また、第2及び第3安全ピン挿通孔64,73を近接配置したことによって、第1及び第2安全ピン挿通孔53,64の二点間距離L1(図1参照)が大きくなるが、ハンドル50とスピンドルドライバ60とが一体に回転するので、これら第1及び第2安全ピン挿通孔53,64の二点間において安全ピン90の撓みは生じない。
[安全ピンブラケット]
図1〜図3に示すように、安全ピンブラケット70は、バルブ本体10の開口部外径にほぼ等しい内径、及び、スピンドルドライバ60のフランジ部63とほぼ等しい外径を有し、側壁の高さが部分的に三段階に異なる段差状の環状体である。この安全ピンブラケット70の材料として、例えば、スピンドル30と同じC3604BD(黄銅)を用いることができる。
安全ピンブラケット70の最も高い側壁部分は、バルブ本体10の開口部外側を部分的に覆う固定部となっており、ねじ孔71が形成してある。このねじ孔71にボルト74を締結することにより、安全ピンブラケット70は、バルブ本体10の開口部に固定されている。また、安全ピンブラケット70の中央の側壁部分は、バルブ本体10の開口部に取り付けられたグランドナット40の先端側を包囲する。
さらに、安全ピンブラケット70の最も低い側壁部分には、上述したスピンドルドライバ60の第2安全ピン挿通孔64に一致する第3安全ピン挿通孔73が穿設してある。上述したように、安全ピンブラケット70の第3安全ピン挿通孔73は、スピンドルドライバ60の第2安全ピン挿通孔64と近接配置してあり、互いに連続した状態で安全ピン90の他端側を保持する。
[パック式バルブの作用効果]
上述した本実施形態のパック式バルブ1によれば、図4に示すように、ハンドル50を誤って開方向に微小回転させてしまった場合でも、このハンドル50の微小回転を、スピンドルドライバ60とスピンドル30との間の微小遊び(クリアランスCL)で吸収し、スピンドル30に伝達させないことが可能であり、ハンドル50の誤操作によるガスの漏洩を防止することができる。
さらに、スピンドルドライバ60とスピンドル30との間の微小遊びを超えてハンドル50が回転しようとした場合には、安全ピン90の他端側が、互いに連続する第2及び第3安全ピン挿通孔64,73によって最短距離L2(図1参照)で保持される。これにより、ハンドル50を回転させる力に対する安全ピンの撓みをなくし、より効果的にハンドル50の回転を制限することができる。
[その他]
図4に示すように、ハンドル50を最大限まで閉方向に回転させた状態において、安全ピンブラケット70の第3安全ピン挿通孔73の位置を調整し、安全ピン90と第3安全ピン挿通孔73とを、ハンドル50の閉方向で当接(図中の符号「H」を参照)するように初期セッティングする。
このように初期セッティングした場合は、誤ってハンドル50に開方向の力が加わった場合でも、互いに連続する第2及び第3安全ピン挿通孔64,73によって、ハンドル50の回転が制限される。万が一、第2及び第3安全ピン挿通孔64,73の制限を超える力がハンドル50に加わった場合でも、スピンドルドライバ60とスピンドル30との間の微小遊び(クリアランスCL)で吸収し、スピンドル30に伝達させないことが可能である。
なお、本発明のパック式バルブは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明のパック式バルブは消火装置用に限らず、例えば、人体に有害なガスや極めて高圧なガスを充填したガスボンベに本パック式バルブを適用することが可能である。このような用途に適用した場合には、ハンドルの微小遊びを0.01回転よりも大きくし、ハンドルの誤操作による微小回転の吸収量を大きくしてもよい。
また、本実施形態では、パック式バルブを消火装置用としたので、その金属材料に黄銅を例示したが、使用するガスによっては、高い耐食性を備えたSUS316などのステンレス鋼によって、バルブ本体、シーティングステム、スピンドル等を形成してもよい。
1 パック式バルブ
10 バルブ本体
11 中空部
12 雌ねじ部
14 流入路
14a 流入口
15 流出路
16 閉鎖弁室
20 シーティングステム
21 弁体
22 連結キー溝
23 バックアップリング
24 Oリング
30 スピンドル
31 雄ねじ部
32 凸部
32a 貫通孔
33 連結キー
40 グランドナット
41 雄ねじ部
42 雌ねじ部
50 ハンドル
51 角穴
52 ねじ
53 第1安全ピン挿通孔
60 スピンドルドライバ
61 本体
61a 凹部
61b 交差孔
62 角棒
63 フランジ部
64 第2安全ピン挿通孔
65 連結ピン
70 安全ピンブラケット
71 ねじ孔
72 フランジ部
73 第3安全ピン挿通孔
74 ボルト
80 安全プラグ
81 安全プラグカバー
90 安全ピン

Claims (5)

  1. ハンドルの回転をスピンドルに伝達させ、中空状のバルブ本体に収納された弁体を移動させてガスの流入路を開閉させるパック式バルブであって、
    前記ハンドルの回転を制限する安全ピンと、
    前記安全ピンの一端側を保持する第1安全ピン挿通孔が穿設された前記ハンドルと、
    前記ハンドルに固定されるとともに前記スピンドルに連結され、前記ハンドルの回転を前記スピンドルに伝達させるスピンドルドライバと、
    前記バルブ本体側に固定され、前記安全ピンの他端側を保持する第3安全ピン挿通孔が穿設された安全ピンブラケットと、を備え、
    前記スピンドルドライバには、前記第1及び第3安全ピン挿通孔の間に位置する第2安全ピン挿通孔を設けるとともに、前記スピンドルドライバと前記スピンドルとの間に所定のクリアランスを形成することによって、前記ハンドルの回転が前記スピンドルに伝達されない微小遊びを形成したことを特徴とするパック式バルブ。
  2. 前記スピンドルドライバの第2安全ピン挿通孔と、前記安全ピンブラケットの第3安全ピン挿通孔とを近接配置して互いに連続させ、これら第2及び第3安全ピン挿通孔によって安全ピンの他端側を保持したことを特徴とする請求項1記載のパック式バルブ。
  3. 前記ハンドルを1.25回転させたときに前記弁体が全開するとともに、前記所定のクリアランスを調整し、前記ハンドルの微小遊びを約0.01回転に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のパック式バルブ。
  4. 前記スピンドルドライバには、前記スピンドルの一端部が挿通される凹部と、この凹部に交差する少なくとも一端が開口した交差孔とを連成し、
    前記スピンドルの一端部には、前記スピンドルドライバの前記凹部に挿通されたときに前記交差孔に連通する貫通孔を形成し、
    前記スピンドルドライバの前記凹部に前記スピンドルの一端部を挿通し、互いの前記交差孔及び前記貫通孔を連通させ、
    前記スピンドルの前記貫通孔に嵌合し、前記スピンドルドライバの前記交差孔に遊嵌する連結ピンを、前記交差孔及び前記貫通孔に挿通することによって前記スピンドルドライバと前記スピンドルとを連結させたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のパック式バルブ。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のパック式バルブを備えたことを特徴とする消火装置。
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ITPV20110017A1 (it) * 2011-11-07 2013-05-08 Marco Girotto Sistema di regolazione manuale del minimo per harley-davidson ad iniezione.
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