以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1には、この発明の実施の形態に係る画像再生装置が搭載されるデジタルカメラ10の要部を示す概略構成図である。
図1を参照して、デジタルカメラ10において、被写界の光学像は、光学レンズ12を通してイメージセンサ16の受光面つまり撮像面に照射される。撮像面では、光電変換によって被写界の光学像に対応する電荷つまり生画像信号が生成される。
電源が投入されると、スルー画像処理つまり被写界のリアルタイム動画像を液晶モニタ38に表示する処理が実行される。具体的には、CPU28はまず、プリ露光および間引き読み出しの繰り返しをタイミングジェネレータ(TG)/シグナルジェネレータ(SG)22に命令する。
TG/SG22は、イメージセンサ16のプリ露光とこれによって生成された生画像信号の間引き読み出しとを繰り返し実行する。プリ露光および間引き読み出しは、1/30秒毎に発生する垂直同期信号に応答して実行される。これによって、被写界の光学像に対応する低解像度の生画像信号が、30fpsのフレームレートでイメージセンサ16から出力される。
CDS/AGC/AD回路18は、相関2重サンプリング、ゲイン調整およびA/D変換の一連の処理をイメージセンサ16から出力された各フレームの生画像信号に施す。CDS/AGC/AD回路18から出力されたデジタル信号である生画像データは、ホワイトバランス調整、色分離、YUV変換などの処理を信号処理回路20によって施され、これによってYUV形式の画像データに変換される。
信号処理回路20は、バスB1を通して所定量の画像データをメモリ制御回路32に与え、この所定量の画像データの書込みリクエストをメモリ制御回路32に向けて発行する。所定量の画像データは、メモリ制御回路32によってSDRAM34に書き込まれる。こうして、画像データは所定量ずつSDRAM34に格納される。
ビデオエンコーダ36は、メモリ制御回路32から与えられた画像データをNTSCフォーマットに従うコンポジットビデオ信号に変換し、変換されたコンポジットビデオ信号を液晶モニタ38に与える。この結果、被写界のスルー画像がモニタ画面に表示される。
輝度評価回路24は、信号処理回路20によって生成されたYUV形式の画像データのうちYデータに基づいて、1/30秒毎に被写界の輝度を評価する。このとき、輝度評価回路24は、被写界を水平方向および垂直方向の各々において16分割し、256個の分割エリアの各々についてYデータを積算する。この結果、256個の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]が輝度評価回路24で生成される。
輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]は、CPU28によって取り込まれ、スルー画像用AE処理に利用される。CPU28は、輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]に基づいて露光時間を算出し、算出された露光時間がTG/SG22に設定される。この結果、液晶モニタ38に表示されるスルー画像の明るさが適度に調整される。
シャッタボタン30が半押しされると、被写界像の撮影条件が調整される。CPU28はまず、記録用AE処理を実行する。この結果、被写界像の最適露光時間が厳密に算出され、算出された最適露光時間がTG/SG22に設定される。
具体的には、垂直同期信号Vsyncが発生すると、CPU28は、輝度評価回路24で積算された最新の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]を取り込み、取り込んだ輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]に従って露光時間を厳密に調整する。露光時間の調整処理が完了した後に、垂直同期信号Vsyncが発生すると、輝度評価回路24から再度輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]を取り込み、露光時間の調整処理を実行する。上述の処理が再度実行され、3回の調整処理によって厳密に調整された最適露光時間が生成される。
なお、記録用AE処理によってTG/SG22に設定された最適露光時間は、シャッタボタン30の半押し状態が継続される限り、変更されることはない。
最適露光時間が調整されると、CPU28は次に、輝度評価回路24から取り込んだ最新の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]をレジスタRcurrentに登録する。なお、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]を、特に輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]と定義する。
レジスタRcurrentに最新の輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]が登録されると、判別処理が実行される。具体的には、CPU28は、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]とレジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]とのずれ量を算出し、算出結果に基づいてAF処理をすべきか否かを判別する。なお、輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]がレジスタRsaveに登録されるタイミングについては、後に詳述する。
判別結果が肯定的であれば、レジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]に対応する被写界像は、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]に対応する被写界像に大きな変更がない状態であると判断され、後述するAF処理が禁止される。この結果、同じ被写界を撮影するときの操作性が向上する。
一方、判別結果が否定的であれば、レジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]に対応する被写界像は、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]に対応する被写界像に大きな変更がある状態であると判断され、AF処理が実行される。
具体的には、AF評価回路26は、信号処理回路20で生成されたYデータの高域周波数成分を1フレーム毎に積分する。積分結果つまりフォーカス評価値はCPU28に取り込まれ、CPU28は取り込んだフォーカス評価値に基づいてドライバ14を制御する。この結果、光学レンズ12の光軸方向の位置が調整される。
AF処理が完了すると、CPU28は、退避処理を実行する。このとき、レジスタRsaveには、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]が輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]として退避される。この結果、AF処理に関連してレジスタRsaveに退避される輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]は、最新の記録用AE処理に起因する輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]と一致する。
シャッタボタン30が全押しされると、CPU28によって撮影/記録処理が実行される。CPU28は、最適露光時間に従う本露光と全画素読み出しとをTG/SG22に命令する。イメージセンサ16は本露光を施され、これによって得られた全ての電荷つまり高解像度の高解像度の生画像信号がイメージセンサ16から出力される。出力された生画像信号は、CDS/AGC/AD回路18によって生画像データに変換され、変換された生画像データは信号処理回路20を通してSDRAM34に書き込まれる。この結果、YUV形式の画像データがSDRAM34に一旦格納される。
上述の処理が完了すると、CPU28は続いて、JPEGコーデック40およびI/F52に命令を与える。JPEGコーデック40は、SDRAM34に格納された画像データをメモリ制御回路32を通して読み出す。読み出された画像データは、バスB1を経てJPEGコーデック40に与えられ、JPEG圧縮が施される。これによって生成された圧縮画像データは、バスB1を経てメモリ制御回路32に与えられ、これによってSDRAM34に書き込まれる。I/F42は、SDRAM34に格納された圧縮画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された圧縮画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。さらに、SDRAM34に格納された圧縮画像データからサムネイルデータが生成され、生成されたサムネイルデータが、JPEGコーデック40によってJPEG形式にエンコードされた後、I/F42によって記録媒体44に記録される。
被写界に大きな変化がない状態でシャッタボタン30の半押し操作を繰り返し行なう場合、AF処理は、最初の半押し操作に応答して実行されるものの、2回目以降の半押し操作に応答せず省略される。
具体的には、図2(A)に示すタイミングで1回目の半押し操作が行なわれると、1回目の半押し操作に対応する被写界の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]がレジスタRcurrent(図2(B)参照)に登録され、AF処理(図2(E)参照)がCPU28によって実行され、そしてレジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]がレジスタRsave(図2(C)参照)に退避される。このとき、フラグFlag(図2(D)参照)は“1”に設定される。
次に、図2(A)に示すタイミングで2回目の半押し操作が行なわれると、2回目の半押し操作に対応する被写界の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]がレジスタRcurrentに登録される。CPU28は、レジスタRcurrentの輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]とレジスタRsaveの輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]とのずれ量を算出する。この算出結果が基準値よりも小さいときには、フラグFlagは図2(D)に示すように、“0”に設定され、レジスタRsave(図2(C)参照)には、1回目の半押し操作に対応する輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]が保持され続け、AF処理は図2(E)に示すように省略される。この結果、同じ被写界を撮影するときの操作性が向上する。
一方、最初の半押し操作に対応する被写界に対して被写界に大きな変化がある状態で3回目の半押し操作が行なわれると、3回目の半押し操作(図2(A)参照)に対応する被写界の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]がレジスタRcurrent(図2(B)参照)に登録される。CPU28は、レジスタRcurrentの輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]とレジスタRsaveの輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]とのずれ量を算出する。この算出結果は基準値以上となるため、フラグFlagは図2(D)に示すように“1”に設定され、AF処理(図2(E)参照)はCPU28によって実行される。そしてレジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]がレジスタRsave(図2(C)参照)に退避される。
このように、被写界の光学像が、イメージセンサ16が保持する撮像面に光学レンズ12を経て投射されると、被写界の明るさは、シャッタボタン30の半押し操作に応答して、輝度評価回路24によって評価される。光学レンズ12と撮像面との間隔は、輝度評価回路24の評価処理後にCPU28によって調整される。
このとき、AF処理による最新の調整処理に関連する評価値と輝度評価回路24による最新の評価値とのずれ量が基準値よりも小さければ、AF処理がCPU28によって禁止される。したがって、被写界に大きな変更がない状態で半押し操作を繰り返し行なう場合、光学レンズ12と撮像面との間隔は、最初の半押し操作に応答して調整されるものの、2回目以降の半押し操作に応答して調整されることはない。これによって、同じ被写界を撮影するときの操作性が向上する。
さらに、被写界像の記録処理は、シャッタボタン30の半押し操作後の全押し操作に応答して、CPU28によって実行される。この記録処理においては、被写界に大きな変化がない状態であるためにAF処理が省略された画像データに対しては、AF処理が省略されたこと、すなわち、前回の撮影処理によって撮影された画像データと、今回の撮影処理によって撮影された画像データとが、同一の撮影条件であることを示す情報が、画像データに付加される。
具体的には、1回目の半押し操作に対応する被写界に対して被写界に大きな変化がない状態で2回目の半押し操作が行なわれた場合には、フラグFlagが“0”に設定され(図2(D)参照)、AF処理が省略される(図2(E)参照)。この場合、シャッタボタン30の全押し操作に応答して記録された画像データには、1回目の半押し操作における撮影処理によって撮影された画像データと、同一の撮影条件であることを示す情報(以下、「同一AE/AF画像」とも称する。)が付加される。
一方、最初の半押し操作に対応する被写界に対して被写界に大きな変化がある状態で3回目の半押し操作が行なわれた場合には、フラグFlagが“1”に設定され(図2(D)参照)、AF処理が実行される(図2(E)参照)。この場合、シャッタボタン30の全押し操作に応答して記録された画像データには、1回目の半押し操作における撮影処理によって撮影された画像データとは、異なる撮影条件であることを示す情報(以下、「通常画像」とも称する。)が付加される。
なお、図1の記録媒体44に記録される画像ファイルは、一般的なデジタルカメラにおける画像ファイルと同様に、Exif(Exchangeable Image file format)規格のファイル形式であり、撮影した画像データの他、撮影日時、シャッター速度、絞り値、ISO感度、カメラ機種名、画素数、圧縮モード、色空間、撮影者名等の様々な情報(以下、「Exif情報」という。)を情報ごとに予め指定されている画像ファイルの各エリアに記述できるようになっている。したがって、上述した「同一AE/AF画像」または「通常画像」であるという情報は、このExif情報に付加される。
(撮影処理)
CPU28は、具体的には、図3〜図6に示すフローチャートに従う処理を実行する。なお、このフローチャートに対応する撮影制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
まず図3を参照して、ステップS1では、初期化を行なう。ここでは、フラグFlagを“1”に設定し、初期値を示す露光時間をTG/SG22に設定し、そしてレジスタRcurrent,Rsaveをリセットする。ステップS03では、スルー画像処理を行なう。これによって、被写界のスルー画像が液晶モニタ38に表示される。
ステップS03では、シャッタボタン30が半押しされたか否かを判別する。シャッタボタン30が半押しされていなければ(判別結果がNO)、スルー画像用のAE処理を実行し(ステップS06)、ステップS02に戻る。
一方、シャッタボタン30が半押しされたとき(判別結果がYES)には、ステップS04で記録用AE処理を実行する。この記録用AE処理では、上述したように、輝度評価回路24(図1)で積算された最新の輝度評価値Iy[0]〜Iy[255]に従った露光時間の調整処理が3回実行されることにより、最適露光時間が生成される。
ステップS05では、判別処理を実行する。この判別処理では、上述したように、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]とレジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]とのずれ量を算出し、算出結果に基づいてAF処理をすべきか否かを判別する。
そして、判別結果が肯定的であれば、レジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]に対応する被写界像は、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]に対応する被写界像に大きな変更がない状態であると判断し、AF処理を禁止すべくフラグFlagを“0”に設定する。
一方、判別結果が否定的であれば、レジスタRsaveに退避された輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]に対応する被写界像は、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]に対応する被写界像に大きな変更がある状態であると判断され、AF処理を実行するべく、フラグFlagを“1”に設定する。
次に図4を参照して、ステップS07では、判別処理に従って設定されたフラグFlagが“1”を示すか否かを判別する。フラグFlagが“1”のとき(ステップS07にてYES)には、ステップS08に進み、フラグFlagが“0”のとき(ステップS07にてNO)には、ステップS15に進む。
ステップS08では、AF処理を実行する。つまり、AF評価回路26からフォーカス評価値を取り込み、取り込んだフォーカス評価値に基づいてドライバ14を制御する。この結果、光学レンズ12の光軸方向の位置が調整される。
ステップS09では、退避処理を実行する。具体的には、レジスタRcurrentに登録された輝度評価値Iyc[0]〜Iyc[255]を、輝度評価値Iys[0]〜Iys[255]としてレジスタRsaveに退避する。この結果、AF処理が実行された時点出の輝度評価値がレジスタRsaveに確保される。
ステップS10では、シャッタボタン30が全押しされたか否かを判別する。シャッタボタン30が全押しされていなければ(判別結果がNO)、ステップS11でシャッタボタン30が解除された否かを判別する。シャッタボタン30の半押し状態が解除されると(ステップS11にてYES)、ステップS02に戻り、シャッタボタン30の半押し状態が継続すれば(ステップS11にてNO)、ステップS10に戻る。
これに対して、ステップS10でシャッタボタン30が全押しされたとき(ステップS10にてYES)には、ステップS12で撮影/記録処理を行なう。このとき記録処理においては、撮影された画像データのExif情報に、「通常画像」である情報が付加される。
ステップS13では、今回の撮影処理によって撮影した画像データに番号付けをし、それをファイル名として記録媒体44に格納されているファイルリストに追加する。このとき、今回の画像データは、「通常画像」としてファイルリストに追加される。そして、ステップS14でファイルリストの更新によって画像データの保存が完了すると、ステップS02(図3)に戻る。
再びステップS07に戻って、フラグFlagが“0”のとき(ステップS07にてNO)には、ステップS15でシャッタボタン30が全押しされたか否かを判別する。シャッタボタン30が全押しされていなければ(判別結果がNO)、ステップS16でシャッタボタン30が解除された否かを判別する。シャッタボタン30の半押し状態が解除されると(ステップS16にてYES)、ステップS02に戻り、シャッタボタン30の半押し状態が継続すれば(ステップS16にてNO)、ステップS15に戻る。
これに対して、ステップS15でシャッタボタン30が全押しされたとき(ステップS10にてYES)には、ステップS17で撮影/記録処理を行なう。このとき記録処理においては、撮影された画像データのExif情報に、「同一AE/AF画像」である情報が付加される。
ステップS18では、今回の撮影処理によって撮影した画像データに番号付けをし、それをファイル名として記録媒体44に格納されているファイルリストに追加する。このとき、今回の画像データは、「同一AE/AF画像」としてファイルリストに追加される。そして、ステップS14でファイルリストの更新によって画像データの保存が完了すると、ステップS02(図3)に戻る。
(ファイルリスト)
図5に、上述した記録処理によって生成されるファイルリストの一例を示す。
図5を参照して、ファイルリストには、画像ファイルの撮影順序を表わすファイル番号の欄、画像ファイルのファイル名の欄、および画像ファイルに含まれるExif情報の欄が設けられている。
ファイル名の欄には、記録媒体44に記録されている画像ファイルのファイル名(「0001.JPG」,「0002.JPG」,「0003.JPG」・・・)が表示される。Exif情報の欄には、撮影した画像データの撮影条件として、「AE/AF情報」および「同一AE/AF画像枚数」が表示される。
具体的には、「AE/AF情報」の欄には、上述した撮影処理においてAF処理が実行された画像ファイルについては、「通常画像」が表示され、撮影処理においてAF処理が省略された画像ファイルについては、「同一AE/AF画像」が表示される。
例えば、ファイル名が「0001.JPG」および「0002.JPG」の画像ファイルには、AE/AF情報に「通常画像」が表示されている。これは、「0001.JPG」の画像ファイルと、「0002.JPG」の画像ファイルとは、画像データの撮影条件が異なることを示すものである。
これに対して、ファイル名が「0003.JPG」〜「0005.JPG」の画像ファイルには、AE/AF情報に「同一AE/AF画像」が表示される。これは、「0003.JPG」〜「0005.JPG」の画像ファイルはいずれも、「0002.JPG」の画像ファイルと画像データの撮影条件が同一であることを示すものである。なお、「同一AE/AF画像」の表示と併せて、撮影条件が同一となる「通常画像」の画像ファイルのファイル名「0002.JPG」が表示される。
なお、図5の例では、画像ファイル「0008.JPG」〜「0011.JPG」が、画像ファイル「0007.JPG」と同一の撮影条件であり、画像ファイル「0016.JPG」〜「0020.JPG」が、画像ファイル「0015.JPG」と同一の撮影条件であり、画像ファイル「0022.JPG」〜「0025.JPG」が、画像ファイル「0021.JPG」と同一の撮影条件である。
さらに、ファイルリストの「同一AE/AF画像枚数」の欄には、このように同一の撮影条件で撮影された複数の画像ファイルのファイル数(画像枚数)が表示される。例えば、画像ファイル「0002.JPG」〜「0005.JPG」については、ファイル数が「4」と表示される。なお、このファイル数「4」は、当該複数の画像ファイルのうち、AE/AF情報が「通常画像」と表示された画像ファイル(すなわち、画像ファイル「0002.JPG」)に表示される。
同様に、画像ファイル「0007.JPG」にはファイル数「5」が表示され、画像ファイル「0015.JPG」にはファイル数「6」が表示され、画像ファイル「0021.JPG」にはファイル数「5」が表示される。
図5のファイルリストからは、たとえば、画像ファイル「0007.JPG」については、Exif情報を参照することにより、自己と撮影条件が同一となる画像ファイルが、自己を含めて合計5個存在していることが分かる。また、画像ファイル「0008.JPG」については、Exif情報を参照することにより、画像ファイル「0007.JPG」と同一の撮影条件であることが分かる。一方、画像ファイル「0006.JPG」については、Exif情報を参照することにより、自己と撮影条件が同一となる画像ファイルが存在しないことが分かる。
(画像再生処理)
図1を参照して、CPU28は、デジタルカメラ10の操作部に設けられた再生モードボタン(図示せず)が押下されると、記録媒体44に記録された画像ファイルを再生する。具体的には、CPU28は、メモリ制御回路32を制御して、記録媒体44に記録されている画像ファイルの圧縮画像データをSDRAM34に一旦格納させる。SDRAM34に一旦格納された圧縮画像データは、JPEGコーデック40により伸張処理される。伸張処理された画像データは、SDRAM34に一旦格納される。ビデオエンコーダ36は、メモリ制御回路32から与えられた画像データをNTSCフォーマットに従うコンポジットビデオ信号に変換し、変換されたコンポジットビデオ信号を液晶モニタ38に与える。この結果、画像がモニタ画面に表示される。
画像を再生させる再生モードとしては、1枚ずつ画像を再生して表示する通常再生モードと、複数の画像を縮小して一覧表示させるマルチ再生モードとがある。通常再生モードにおいて、図示しない操作部に設けられたボタン(たとえば、WIDEボタン)が押下されると、あるいはメニュー画面からマルチ再生モードが選択されると、マルチ再生モードとなる。
マルチ再生モードでは、たとえば図6(a)に示すように、1画面に9枚(=3×3)の画像が表示される。なお、一画面に表示できる画像枚数の種類としては、4×4,5×5,6×6などがあり、ボタン(たとえば、WIDEボタン)の操作により設定を変更できる。
なお、一画面に表示できる画像枚数が6×4のように、縦と横との数が同じでない場合もある。このような場合にも、ボタン(たとえば、WIDEボタン)を操作することによって一画面に表示できる画像枚数を変更できる。
例えば、記録媒体44に、図5に示される、ファイル番号「1」〜「25」の25枚の画像ファイルが保存されているとする。通常再生モードからマルチ再生モードに切替えられると、記録媒体44に保存されている複数の画像ファイルの中から、マルチ画面表示対象となる、9個の画像ファイルを選択する。そして、選択した9個の画像ファイルのうちの最新の画像ファイルが最後の枠(最後尾)に配置されるようにして、9枚の画像(サムネイル)がマルチ再生される。
具体的には、3×3の画像がマルチ再生される場合において、表示される画像は、図5のファイルリストを参照して、各画像ファイルのExif情報(「AE/AF情報」および「同一AE/AF画像枚数」)に基づいて選択される。このとき、図5のファイルリストから、AE/AF情報に「通常画像」が表示されている画像ファイルが選択され、選択された複数の画像ファイルのサムネイルがマルチ画面表示される。
図6(a)には、図5のファイルリストに基づくマルチ画面表示の表示画像の一例が示される。たとえば、図6(a)の最上段には、3つの画像ファイル「0001.JPG」,「0002.JPG」,「0006.JPG」のサムネイルが表示される。そして、この3つの画像ファイルのうち、同一の撮影条件で撮影された少なくとも1つの画像ファイルがある画像ファイル「0013.JPG」のサムネイルについては、「同一AE/AF画像枚数=4」が、OSD(On Screen Display)表示される。
同様に、図6(a)の中段には、3つの画像ファイル「0007.JPG」,「0012.JPG」,「0013.JPG」のサムネイルが表示され、このうちの画像ファイル「0007.JPG」のサムネイルには、「同一AE/AF画像枚数=5」がOSD表示される。
また、図6(a)の最下段には、3つの画像ファイル「0014.JPG」,「0015.JPG」,「0021.JPG」のサムネイルが表示され、このうちの画像ファイル「0015.JPG」および「0021.JPG」のサムネイルには、「同一AE/AF画像枚数=6」および「同一AE/AF画像枚数=5」がそれぞれOSD表示される。
このようにマルチ再生モードにおいては、記録媒体44に保存されている複数の画像データのうち、同じ撮影条件で撮影された画像データは、1つの画像グループとしてまとめられ、当該画像グループを代表する代表画像のみが表示される。なお、代表画像には、画像グループに属する複数の画像データの中から、AE/AF情報に「通常画像」が表示されている画像データが選択される。
なお、画像グループの編成および代表画像の選択は、図5のファイルリストに表示される画像ファイルごとの「AE/AF情報」および「同一AE/AF画像枚数」に基づいて行なわれる。図5では、共通の画像グループに属する画像ファイルを矩形で囲んで示してある。また、各画像グループの代表画像には、ファイル番号に「→」が付されている。
このような構成としたことにより、同一の撮影条件で撮影された複数の画像、すなわち、被写界に大きな変化がない複数の画像は、個別に表示されることなく、該複数の画像が属する画像グループの代表画像のみが表示される。これによって、マルチ画面表示での画像間の差異を認識する困難さが解消されるため、再生画像の確認や検索を容易に行なうことが可能となる。
さらに、1の画像グループに属する複数の画像ファイルについては、図6(a)の画面上で任意の画像を選択するための選択カーソルを移動させることによって、当該画像グループの代表画像が再生対象画像に選択された場合において、同一の画面に一括表示される。図6(b)には、図6(a)のマルチ画面表示において、画像ファイル「0021.JPG」のサムネイルが選択された場合の表示画像の一例が示される。
図6(b)に示すように、画像ファイル「0021.JPG」のサムネイルを代表画像とする画像グループに属する5個の画像ファイル「0021.JPG」,「0022.JPG」,「0023.JPG」,「0024.JPG」,「0025.JPG」のサムネイルが一括表示される。
次に、図7および図8を用いて、マルチ再生モード時に実行されるマルチ画面再生処理を説明する。図7および図8に示すフローチャートは、CPU28がフラッシュメモリ46に予め記憶された再生制御プログラムを実行することにより実現される。
まず図7を参照して、ステップS81では、記録媒体44からファイルリスト(図5)の読み出しを行なう。このファイルリストは、上述した記録処理において作成されたものである。ステップS82では、検索ファイル番号Nfの初期化を行なう。ここでは、検索ファイル番号Nf=1に設定する。
ステップS83では、検索ファイル番号Nfの画像ファイルのファイルリストを参照して、画像データの撮影条件であるAE/AF情報を確認する。AE/AF情報が「通常画像」であるときには、ステップS84で検索ファイル番号Nfに対応する画像データを、マルチ画面表示するために画像を一旦留めておくための表示用メモリに配置する。
一方、ステップS83においてAE/AF情報が「同一AE/AF画像」であるときには、ステップS85で画像ファイルのファイルリストを参照し、「同一AE/AF画像枚数」を検出する。ここでは、当該画像データと撮影条件が同一となる「通常画像」の画像ファイルのファイルリストを参照することにより、「同一AE/AF画像枚数」を検出する。
ステップS86では、検出された「同一AE/AF画像枚数」を、当該画像データが属する画像グループの代表画像にOSD表示させる。ステップS87では、検索ファイル番号Nfを更新する。
ステップS88では、表示用メモリへの画像配置が完了したか否かを判別する。3×3のすべての画像の表示用メモリへの配置が完了していれば(判別結果がYES)、ステップS90で表示用メモリの最後に配置された画像に対応する画像ファイルのファイルリストを参照することにより、AE/AF情報を確認する。同一AE/AF画像があるときには、ステップS92で「同一AE/AF画像枚数」を検出する。ステップS93で検出された「同一AE/AF画像枚数」を、表示用メモリの最後に配置された画像にOSD表示させた後、処理を終了する。
一方、ステップS91で表示用メモリの最後に配置された画像に同一AE/AF画像がないときには、処理を終了する。
ステップS88において、3×3のすべての画像の表示用メモリへの配置が完了していなければ(判別結果がNO)、ステップS89で検索ファイル番号Nfを更新し、ステップS90でファイルリストのすべての画像ファイルを検索したか否かを判別する。ファイルリストのすべての画像ファイルを検索していれば(判別結果がYES)、処理を終了する。一方、ファイルリストのすべての画像ファイルの検索が完了していなければ(判別結果がNO)、ステップS83に戻る。
図7の処理手順に従って9枚の画像がマルチ画面表示されている状態において、選択カーソルの移動によって1つの画像が再生対象画像に選択された場合には、CPU28は、図8に示す同一AE/AF画像再生処理を実行する。
図8を参照して、ステップS101では、記録媒体44からファイルリスト(図5)の読み出しを行なう。ステップS102では、検索ファイル番号Nfを、選択された画像に対応する画像ファイルのファイル番号に設定する。
ステップS103では、検索ファイル番号Nfの画像ファイルのファイルリストを参照して、AE/AF情報を確認する。同一AE/AF画像がないときには、処理を終了する。
ステップS103で同一AE/AF画像があるときには、ステップS104で検索ファイル番号Nfに対応する画像データを表示用メモリに配置する。
ステップS105では、表示用メモリへの画像配置が完了したか否かを判別する。3×3のすべての画像の表示用メモリへの配置が完了していれば(判別結果がYES)、処理を終了する。一方、3×3のすべての画像の表示用メモリへの配置が完了していなければ(判別結果がNO)、ステップS106で検索ファイル番号Nfを更新し、ステップS107でファイルリストのすべての画像ファイルを検索したか否かを判別する。ファイルリストのすべての画像ファイルを検索していれば(判別結果がYES)、処理を終了する。一方、ファイルリストのすべての画像ファイルの検索が完了していなければ(判別結果がNO)、ステップS103に戻る。
以上に述べたように、この発明の実施の形態においては、撮影画像の記録処理において、前回の撮影処理によって撮影画像と同一の撮影条件であることを示す情報が、撮影画像と関連付けて記録される。そして、マルチ画像再生処理においては、撮像画像ごとに付加された撮影条件を示す情報に基づいて、同一の撮影条件で撮影された複数の撮影画像が、1つの画像グループとしてまとめられるとともに、当該画像グループの代表画像のみが表示される。これにより、被写界に大きな変化がない複数の撮影画像がマルチ画面表示された場合に生じる画像間の差異を認識する困難さが解消される。その結果、再生画像の確認や検索を容易に行なうことが可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。