JP2011035609A - 信号合成装置および信号分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡略化された信号合成装置または信号分離装置を提供する。
【解決手段】第1の3dBカプラは、第1端子からの第1信号と第2端子からの第2信号を第3および第4端子から出力し、第2の3dBカプラは、第5端子からの第3信号を第6および第7端子から出力し、第6および第7端子への同一周波数信号の位相差が出力用条件を満たすと、その信号を第8端子から出力し、第1および第2フィルタは、第1および第2信号を通し第3信号を反射する。第1伝送線路は第1フィルタを介して第3端子と第6端子を接続し、第2伝送線路は第2フィルタを介して第4端子と第7端子を接続する。第6および第7端子への、第1信号の位相差、第2信号の位相差および第3信号の位相差が出力用条件を満たすように、第1および第2伝送線路の長さ、第6端子から第1フィルタまでの長さ、および第7端子から第2フィルタまでの長さが設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号合成装置および信号分離装置に関し、特には、互いに異なる周波数を有する3つの信号を合成する信号合成装置、および、互いに異なる周波数を有する3つの信号が合成された信号を3つの信号に分離する信号分離装置に関する。
特許文献1には、互いに異なる周波数を有する第1、第2および第3の信号を合成する3波共用装置が記載されている。
この3波共用装置は、第1および第2の信号を合成する第1の合成部と、第1の合成部の出力と第3の信号とを合成する第2の合成部と、を含む。第1の合成部は、2つのバンドパスフィルタ(BPF)と、2本の伝送線路と、を有する。第2の合成部は、2つの3dBカプラと、2つのフィルタと、4本の伝送線路と、1つの吸収抵抗と、を有する。
なお、この3波共用装置において入力と出力を逆にすると、この3波共用装置は信号分離装置として機能する。
実開昭61−197717号公報
特許文献1に記載の3波共用装置は、2つの3dBカプラと2つのフィルタとを含む第2の合成部の他に、第1の合成部を有する。このため、部品点数が多く構成が複雑であるという課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決可能な信号合成装置および信号分離装置を提供することである。
本発明の信号合成装置は、周波数が互いに異なる第1信号、第2信号および第3信号を合成する信号合成装置であって、前記第1信号が入力される第1端子と、前記第2信号が入力される第2端子と、第3端子と、第4端子と、を有し、前記第1端子に入力された第1信号を、前記第3端子と前記第4端子から出力し、前記第2端子に入力された第2信号を、前記第3端子と前記第4端子から出力する第1の3dBカプラと、前記第3信号が入力される第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子と、を有し、前記第5端子に入力された第3信号を、前記第6端子と前記第7端子から出力し、前記第6端子と前記第7端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が出力用条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第8端子から出力する第2の3dBカプラと、前記第1信号と前記第2信号とを通し、かつ、前記第3信号を反射する第1フィルタおよび第2フィルタと、前記第1フィルタを介して前記第3端子と前記第6端子を接続する第1伝送線路と、前記第2フィルタを介して前記第4端子と前記第7端子を接続する第2伝送線路と、を含み、前記第1フィルタの位相特性と前記第2フィルタの位相特性とは等しく、前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第1信号の位相差と、前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第2信号の位相差と、前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第3信号の位相差とが、前記出力用条件を満たすように、前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の各々の長さと、前記第6端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第7端子から前記第2フィルタまでの長さとが、設定されている。
本発明の信号分離装置は、周波数が互いに異なる第1信号、第2信号および第3信号が合成された合成信号を、前記第1信号、前記第2信号および前記第3信号に分離する信号分離装置であって、前記合成信号が入力される第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、を有し、前記第1端子に入力された合成信号を、前記第2端子と前記第3端子から出力し、前記第2端子と前記第3端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第1条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第4端子から出力する第1の3dBカプラと、第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子と、を有し、前記第5端子と前記第6端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第2条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第7端子から出力し、前記第5端子と前記第6端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第3条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第8端子から出力する第2の3dBカプラと、前記第1信号と前記第2信号とを通し、かつ、前記第3信号を反射する第1フィルタおよび第2フィルタと、前記第1フィルタを介して前記第2端子と前記第5端子を接続する第1伝送線路と、前記第2フィルタを介して前記第3端子と前記第6端子を接続する第2伝送線路と、を含み、前記第1フィルタの位相特性と前記第2フィルタの位相特性とは等しく、前記第2端子と前記第3端子の各々に入力される第3信号の位相差が前記第1条件を満たし、かつ、前記第5端子と前記第6端子の各々に入力される第1信号の位相差が前記第2条件を満たし、かつ、前記第5端子と前記第6端子の各々に入力される第2信号の位相差が前記第3条件を満たすように、前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の各々の長さと、前記第2端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第3端子から前記第2フィルタまでの長さとが、設定されている。
本発明によれば、信号合成装置または信号分離装置において、構成の簡略化を図ることが可能になる。
本発明の第1実施形態の信号合成装置を示したブロック図である。 第1信号のルートを説明するためのブロック図である。 第2信号のルートを説明するためのブロック図である。 第3信号のルートを説明するためのブロック図である。 本発明の第2実施形態の信号合成装置を示したブロック図である。 本発明の第3実施形態の信号合成装置を示したブロック図である。 本発明の第4実施形態の信号合成装置を示したブロック図である。 本発明の一実施形態の信号分離装置を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の信号合成装置(以下「3波共用装置」と称する)1を示したブロック図である。
図1において、3波共用装置1は、3dBカプラ2と、3dBカプラ3と、フィルタ4と、フィルタ5と、伝送線路6〜11と、を含む。なお、3dBカプラは、一般的に、方向性結合器とも称される。
3波共用装置1は、第1信号、第2信号および第3信号を合成する。第1信号、第2信号および第3信号は、周波数が互いに異なる。以下、第1信号の周波数をf1と称し、第2信号の周波数をf2と称し、第3信号の周波数をf3と称する。
3dBカプラ2は、一般的に第1の3dBカプラと呼ぶことができる。
3dBカプラ2は、端子21〜24を有する。端子21は、一般的に第1端子と呼ぶことができる。端子21は、3波共用装置1の入力端子として機能する。端子21には、第1信号が入力される。端子22は、一般的に第2端子と呼ぶことができる。端子22は、3波共用装置1の入力端子として機能する。端子22には、第2信号が入力される。端子23は、一般的に第3端子と呼ぶことができる。端子24は、一般的に第4端子と呼ぶことができる。
3dBカプラ2は、端子21に入力された第1信号を、端子23と端子24から出力する。3dBカプラ2は、端子24での第1信号の位相を、端子23での第1信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子23と端子24から第1信号を出力する。
また、3dBカプラ2は、端子22に入力された第2信号を、端子23と端子24から出力する。3dBカプラ2は、端子23での第2信号の位相を、端子24での第2信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子23と端子24から第2信号を出力する。
なお、端子21と端子22は、3dBカプラ2によって、アイソレーションが確保される。
3dBカプラ3は、一般的に第2の3dBカプラと呼ぶことができる。
3dBカプラ3は、端子31〜34を有する。端子31は、一般的に第5端子と呼ぶことができる。端子31は、3波共用装置1の入力端子として機能する。端子31には、第3信号が入力される。端子32は、一般的に第6端子と呼ぶことができる。端子33は、一般的に第7端子と呼ぶことができる。端子34は、一般的に第8端子と呼ぶことができる。端子34は、3波共用装置1の出力端子として機能する。端子34は、例えば、アンテナ12と接続される。
3dBカプラ3は、端子31に入力された第3信号を、端子32と端子33から出力する。3dBカプラ3は、端子32での第3信号の位相を、端子33での第3信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子32と端子33から第3信号を出力する。
また、3dBカプラ3は、端子32と端子33の各々に入力された同一周波数の信号の位相差が、出力用条件を満たす場合に、その同一周波数の信号を端子34から出力する。
なお、出力用条件は、端子32と端子33に同一周波数の信号が入力されている状況下で、端子32に入力された信号の位相が、端子33に入力された信号の位相よりも80〜100度(望ましくは90度)遅れている、というものである。
なお、端子31と端子34は、3dBカプラ3によって、アイソレーションが確保される。
フィルタ4は、一般的に第1フィルタと呼ぶことができる。フィルタ4は、第1信号と第2信号とを通し、かつ、第3信号を反射する。
フィルタ5は、一般的に第2フィルタと呼ぶことができる。フィルタ5は、第1信号と第2信号とを通し、かつ、第3信号を反射する。
フィルタ4とフィルタ5の特性(反射特性、通過特性、および、位相特性)は、全て等しくなるように調整されている。フィルタ4とフィルタ5は、同じ種類のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ(BPF)、ノッチフィルタ、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)、または、帯域阻止フィルタ(BRF))であることが望ましい。以下では、フィルタ4とフィルタ5が、共に、バンドパスフィルタであるとする。
伝送線路6は、端子23と、フィルタ4の一方の端子と、を接続する。伝送線路7は、フィルタ4の他方の端子と、端子32と、を接続する。なお、伝送線路6と伝送線路7とで、第1伝送線路が構成される。第1伝送線路は、フィルタ4を介して、端子23と端子32とを接続する。
伝送線路8は、端子24と、伝送線路10の一端と、を接続する。伝送線路9は、伝送線路10の他端と、フィルタ5の一方の端子と、を接続する。伝送線路11は、フィルタ5の他方の端子と、端子33と、を接続する。なお、伝送線路8と伝送線路9と伝送線路10と伝送線路11とで、第2伝送線路が構成される。第2伝送線路は、フィルタ5を介して、端子24と端子33とを接続する。
伝送線路8の長さと伝送線路9の長さとの和は、伝送線路6の長さと等しくなるように設定されている。伝送線路7の長さは、伝送線路11の長さと等しくなるように設定されている。
このため、第1伝送線路の長さと第2伝送線路との長さとの差は、伝送線路10の長さLとなる。
伝送線路10の長さLは、第1信号と第2信号のうち周波数の低い方の信号が伝送線路10を通過する前後で、その信号の位相が、180±10度の範囲(望ましくは180度)でずれ、かつ、第1信号と第2信号のうち周波数の高い方の信号が伝送線路10を通過する前後で、その信号の位相差が0±10度の範囲(望ましくは0度つまり360度)でずれる長さ(以下「基準長さ」と称する)に設定されている。
例えば、伝送線路10の長さLは、第1信号と第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さに設定される。
なお、伝送線路10の長さLは、基準長さを満たすものであれば、第1信号と第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さに近い値でもよい。
また、伝送線路7の長さと伝送線路11の長さとの差は、第3信号の半波長のn倍(n=0)の長さとなる。
次に、動作を説明する。
なお、以下では、周波数f1は、周波数f2よりも低いものとする。また、伝送線路10の長さLは、周波数fd(fd=f2−f1)の信号の半波長(λd/2)の長さに設定されているとする。つまり、L=λd/2が満たされているとする。
まず、3波共用装置1における第1信号のルートについて説明する。図2は、第1信号のルートを説明するためのブロック図である。
図2において、3dBカプラ2は、端子21に入力された第1信号(周波数f1)を、2つに分配して、端子23と端子24に出力する。2つの第1信号の位相差は、端子23を基準(0度)とすると、端子24上では−90度(位相遅れが90度)となる。
端子23から出力された第1信号は、伝送線路6を通り、フィルタ4を通過し、伝送線路7を通って、3dBカプラ3の端子32に入力する。
一方、端子24から出力された第1信号は、伝送線路8と伝送線路10と伝送線路9とを通り、フィルタ5を通過し、伝送線路11を通って、3dBカプラ3の端子33に入力する。
ここで、端子24から出力された第1信号が通ったルートは、端子23から出力された第1信号が通ったルートよりも、伝送線路10の長さLだけ長い。伝送経路10の長さLは、λd/2に設定されているため、端子24から出力された第1信号は、伝送経路10を通過する前後で、位相が180度ずれる。
このため、2つの第1信号の位相差は、端子33を基準(0度)とすると、端子32上では−90度(位相遅れが90度)となる。よって、端子32と端子33の各々に入力される第1信号の位相差が、出力用条件を満たす。したがって、3dBカプラ3は、第1信号を端子34から出力する。
なお、端子32と端子33の各々に入力される第1信号は、3dBカプラ3の端子31では逆相となり、互いに打ち消される。このため、第1信号が、端子31へ漏洩することはない。
続いて、3波共用装置1における第2信号のルートについて説明する。図3は、第2信号のルートを説明するためのブロック図である。
図3において、3dBカプラ2は、端子22に入力された第2信号(周波数f2)を、2つに分配して、端子23と端子24に出力する。2つの第2信号の位相差は、端子24を基準(0度)とすると、端子23上では−90度(位相遅れが90度)となる。
端子23から出力された第2信号は、伝送線路6を通り、フィルタ4を通過し、伝送線路7を通って、3dBカプラ3の端子32に入力する。
一方、端子24から出力された第2信号は、伝送線路8と伝送線路10と伝送線路9とを通り、フィルタ5を通過し、伝送線路11を通って、3dBカプラ3の端子33に入力する。
ここで、端子24から出力された第2信号が通ったルートは、端子23から出力された第2信号が通ったルートよりも、伝送線路10の長さLだけ長い。伝送経路10の長さLは、λd/2に設定されているため、端子24から出力された第2信号は、伝送経路10を通過する前後で、位相が360度(つまり、0度)ずれる。
このため、2つの第2信号の位相差は、端子33を基準(0度)とすると、端子32上では−90度(位相遅れが90度)となる。よって、端子32と端子33の各々に入力される第2信号の位相差が、出力用条件を満たす。したがって、3dBカプラ3は、第2信号を端子34から出力する。
なお、端子32と端子33の各々に入力される第2信号は、3dBカプラ3の端子31では逆相となり、互いに打ち消される。このため、第2信号が、端子31へ漏洩することはない。
続いて、3波共用装置1における第3信号のルートについて説明する。図4は、第3信号のルートを説明するためのブロック図である。
図4において、3dBカプラ3は、端子31に入力された第3信号(周波数f3)を、2つに分配して、端子32と端子33に出力する。2つの第3信号の位相差は、端子33を基準(0度)とすると、端子32上では−90度(位相遅れが90度)となる。
端子32から出力された第3信号は、伝送線路7を通り、フィルタ4で反射され、再び伝送線路7を通って、3dBカプラ3の端子32に入力する。
また、端子33から出力された第3信号は、伝送線路11を通り、フィルタ5で反射され、再び伝送線路11を通って、3dBカプラ3の端子33に入力する。
ここで、伝送線路7の長さと伝送経路11の長さが等しいので、端子32に入力する第3信号と端子33に入力する第3信号との位相差は、端子33を基準(0度)とすると、端子32上では−90度(位相遅れが90度)となる。よって、端子32と端子33の各々に入力される第3信号の位相差が、出力用条件を満たす。したがって、3dBカプラ3は、第3信号を端子34から出力する。
なお、第3信号は、フィルタ4およびフィルタ5を通過することができないため、第3信号が、端子21および端子22へ漏洩することはない。
本実施形態によれば、端子32と端子33の各々に入力される第1信号の位相差と、端子32と端子33の各々に入力される第2信号の位相差と、端子32と端子33の各々に入力される第3信号の位相差とが、出力用条件を満たすように、第1伝送線路と第2伝送線路の各々の長さと、伝送線路7の長さと、伝送線路11の長さとが、設定されている。
このため、第1信号と第2信号と第3信号とが合成された合成信号が、端子34から出力される。
よって、簡単な構成の3波共用装置を提供することが可能となる。また、1台の共用装置にて、3波共用を行うことができるため、設置スペースが狭くて済み、使用する素子数(部品点数)も少なくなりコスト削減も見込める。
なお、本実施形態では、3dBカプラ2は、端子24での第1信号の位相を、端子23での第1信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子23と端子24から第1信号を出力し、端子23での第2信号の位相を、端子24での第2信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子23と端子24から第2信号を出力する。
また、3dBカプラ3は、端子32での第3信号の位相を、端子33での第3信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子32と端子33から第3信号を出力する。
また、出力用条件は、端子32と端子32に同一周波数の信号が入力されている状況下で、端子32に入力された信号の位相が、端子33に入力された信号の位相よりも80〜100度遅れている、というものである。
また、端子32からフィルタ4までの長さと、端子33からフィルタ5までの長さと、の差は、第3信号の半波長のn倍(n=0)の長さである。
また、伝送線路10の長さLは、第1信号と第2信号のうち周波数の低い方の信号が、伝送線路10を通過する前後で、その信号の位相が180±10度の範囲でずれ、かつ、第1信号と第2信号のうち周波数の高い方の信号が伝送線路10を通過する前後で、その信号の位相が0±10度の範囲でずれる長さである。
また、伝送線路10の長さLが、第1信号と第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さとされてもよい。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態の信号合成装置(3波共用装置)1Aを示したブロック図である。図5において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
図5に示した3波共用装置1Aでは、フィルタ4およびフィルタ5として、バンドパスフィルタの代わりに、ノッチフィルタが用いられている。
なお、図1および図5において、伝送線路8と伝送線路9とが直接接続され、伝送線路10が、伝送線路6の途中に組み込まれてもよい。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態の信号合成装置(3波共用装置)1Bを示したブロック図である。図6において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
図6に示した3波共用装置1Bでは、伝送線路8と伝送線路9とが直接接続され、伝送線路10が、伝送線路11の途中に組み込まれている。
また、伝送線路10の長さLが、第1信号と第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さであり、かつ、第3信号の半波長のn倍(nは1以上の整数)の長さとなるように設定されている。
伝送線路10の長さLが、第3信号の半波長のn倍(nは1以上の整数)の長さとなっているため、第3信号の周波数f3の0.5倍、1.5倍、2.5倍、3.5倍・・・{(n−1)+0.5}倍(nは正の整数)の周波数の信号(以下「第4信号」と称する)が、第3信号と共に、端子31から入力されても、第4信号は、端子34から出力されなくなる。以下、この点について説明する。
端子33から出力された第4信号は、フィルタ5で反射されて、端子33に戻ってくるまでの間に、伝送線路10を往復する。このため、端子33に戻ってきた第4信号には、[180×(2n−1)] (nは正の整数)度の位相が付加されている。
したがって、端子33に入力する第4信号と端子32に入力する第4信号との位相差は90度であるが、位相の遅れと進みの関係が入れ替わっており、出力端子となる端子34では、端子33に入力する第4信号と端子32に入力する第4信号とは打ち消しあって、出力されない。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態の信号合成装置(3波共用装置)1Cを示したブロック図である。図7において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
図7において、3波共用装置)1Cでは、伝送線路10aが、伝送線路11の途中に組み込まれており、伝送線路10bが、伝送線路8と伝送線路9の間に組み込まれている。
伝送線路10aの長さL1は、第3信号の半波長のn倍(nは1以上の整数)の長さとなるように設定されている。また、伝送線路10aの長さL1と伝送線路10bの長さL2との和が、図1に示した伝送線路10の長さと同じになるように、伝送線路10aの長さL1が設定されている。
この場合も、第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態は、例えば、VHF、UHF帯のTV、FM送信機等の高周波電力送信システムにおいて、異なる3チャンネル以上の電力を合成するためのアンテナ共用装置、または、無線信号回路に適用可能である。
(信号分離装置)
上記各実施形態の3波共用装置において、入力と出力を逆にすると、これらの3波共用装置は信号分離装置として機能する。
入力と出力を逆にするとは、出力端子として使用されていた端子34が、第1信号と第2信号と第3信号とが合成された合成信号を受け付けるための入力端子として用いられ、端子31が、第3信号の出力端子として用いられ、端子22が第2信号の出力端子として用いられ、端子21が第1信号の出力端子として用いられることである。
図8は、図1に示した3波共用装置1において、端子34が、第1信号と第2信号と第3信号とが合成された合成信号を受け付けるための入力端子として用いられ、端子31が、第3信号の出力端子として用いられ、端子22が第2信号の出力端子として用いられ、端子21が第1信号の出力端子として用いられた信号分離装置を示したブロック図である。
図8において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
なお、図8に示した信号分離装置では、3dBカプラ3は、一般的に第1の3dBカプラと呼ぶことができる。端子34は、一般に第1端子と呼ぶことができる。端子32は、一般的に第2端子と呼ぶことができる。端子33は、一般的に第3端子と呼ぶことができる。端子31は、一般的に第4端子と呼ぶことができる。
3dBカプラ3は、端子34に入力された合成信号を、端子32と端子33から出力する。なお、3dBカプラ3は、端子33での合成信号の位相を、端子32での合成信号の位相よりも90度遅くした状態で、端子32と端子33から合成信号を出力する。
3dBカプラ3は、端子32と端子33の各々に入力された同一周波数の信号の位相差が、第1条件を満たす場合に、その同一周波数の信号を端子31から出力する。なお、第1条件は、端子32と端子33に同一周波数の信号が入力されている状況下で、端子33に入力された信号の位相が、端子32に入力された信号の位相よりも80〜100度(望ましくは90度)遅れている、というものである。
3dBカプラ2は、一般的に第2の3dBカプラと呼ぶことができる。端子23は、一般的に第5端子と呼ぶことができる。端子24は、一般的に第6端子と呼ぶことができる。端子21は、一般的に第7端子と呼ぶことができる。端子22は、一般的に第8端子と呼ぶことができる。
3dBカプラ2は、端子23と端子24の各々に入力された同一周波数の信号の位相差が、第2条件を満たす場合に、その同一周波数の信号を端子21から出力する。なお、第2条件は、端子23と端子24に同一周波数の信号が入力されている状況下で、端子23に入力された信号の位相が、端子24に入力された信号の位相よりも80〜100度(望ましくは90度)遅れている、というものである。
3dBカプラ2は、端子23と端子24の各々に入力された同一周波数の信号の位相差が、第3条件を満たす場合に、その同一周波数の信号を端子22から出力する。なお、第3条件は、端子23と端子24に同一周波数の信号が入力されている状況下で、端子24に入力された信号の位相が、端子23に入力された信号の位相よりも80〜100度(望ましくは90度)遅れている、というものである。
また、端子32と端子33の各々に入力される第3信号の位相差が第1条件を満たし、かつ、端子23と端子24の各々に入力される第1信号の位相差が第2条件を満たし、かつ、端子23と端子24の各々に入力される第2信号の位相差が第3条件を満たすように、第1伝送線路と第2伝送線路の各々の長さと、端子32からフィルタ4までの長さと、端子33からフィルタ5までの長さとが、設定されている。
本実施形態によれば、簡単な構成の信号分離装置を提供することが可能となる。
なお、図8に示した信号分離装置は、図5、図6、図7に示したように変形されてもよい。
また、本実施形態は、例えば、VHF、UHF帯のTV、FM送信機等の高周波電力送信システムにおいて、異なる3チャンネル以上の電力を分離するための周波数分離装置、または、無線信号回路に適用可能である。
なお、上記各実施形態では、出力用条件、第1条件、第2条件および第3条件を規定するための数値として、80〜100度(つまり、90±10度)を用いたが、この数値は、3dBカプラの特性に応じて適宜変更可能である。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1、1A、1B、1C 3波共用装置
2、3 3dBカプラ
4、5 フィルタ
6〜11 伝送線路
12 アンテナ

Claims (8)

  1. 周波数が互いに異なる第1信号、第2信号および第3信号を合成する信号合成装置であって、
    前記第1信号が入力される第1端子と、前記第2信号が入力される第2端子と、第3端子と、第4端子と、を有し、前記第1端子に入力された第1信号を、前記第3端子と前記第4端子から出力し、前記第2端子に入力された第2信号を、前記第3端子と前記第4端子から出力する第1の3dBカプラと、
    前記第3信号が入力される第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子と、を有し、前記第5端子に入力された第3信号を、前記第6端子と前記第7端子から出力し、前記第6端子と前記第7端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が出力用条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第8端子から出力する第2の3dBカプラと、
    前記第1信号と前記第2信号とを通し、かつ、前記第3信号を反射する第1フィルタおよび第2フィルタと、
    前記第1フィルタを介して前記第3端子と前記第6端子を接続する第1伝送線路と、
    前記第2フィルタを介して前記第4端子と前記第7端子を接続する第2伝送線路と、を含み、
    前記第1フィルタの位相特性と前記第2フィルタの位相特性とは等しく、
    前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第1信号の位相差と、前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第2信号の位相差と、前記第6端子と前記第7端子の各々に入力される第3信号の位相差とが、前記出力用条件を満たすように、前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の各々の長さと、前記第6端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第7端子から前記第2フィルタまでの長さとが、設定されている、信号合成装置。
  2. 請求項1に記載の信号合成装置において、
    前記第1の3dBカプラは、前記第4端子での第1信号の位相を、前記第3端子での第1信号の位相よりも90度遅くした状態で、前記第3端子と前記第4端子から前記第1信号を出力し、前記第3端子での第2信号の位相を、前記第4端子での第2信号の位相よりも90度遅くした状態で、前記第3端子と前記第4端子から前記第2信号を出力し、
    前記第2の3dBカプラは、前記第6端子での第3信号の位相を、前記第7端子での第3信号の位相よりも90度遅くした状態で、前記第6端子と前記第7端子から前記第3信号を出力し、
    前記出力用条件は、前記第6端子と前記第7端子に同一周波数の信号が入力されている状況下で、前記第6端子に入力された信号の位相が、前記第7端子に入力された信号の位相よりも80〜100度の範囲で遅れている、というものであり、
    前記第6端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第7端子から前記第2フィルタまでの長さと、の差は、前記第3信号の半波長のn倍(nは0以上の整数)の長さであり、
    前記第1伝送線路の長さと前記2伝送線路の長さとの差は、前記第1信号と前記第2信号のうち周波数の低い方の信号が当該差の長さの伝送線路を通過する前後で、当該信号の位相が180±10度の範囲でずれ、かつ、前記第1信号と前記第2信号のうち周波数の高い方の信号が当該差の長さの伝送線路を通過する前後で、当該信号の位相が0±10度の範囲でずれる長さである、信号合成装置。
  3. 請求項2に記載の信号合成装置において、
    前記第1伝送線路の長さと前記2伝送線路の長さとの差は、前記第1信号と前記第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さである、信号合成装置。
  4. 請求項2または3に記載の信号合成装置において、
    前記nは、1以上の整数である、信号合成装置。
  5. 周波数が互いに異なる第1信号、第2信号および第3信号が合成された合成信号を、前記第1信号、前記第2信号および前記第3信号に分離する信号分離装置であって、
    前記合成信号が入力される第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、を有し、前記第1端子に入力された合成信号を、前記第2端子と前記第3端子から出力し、前記第2端子と前記第3端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第1条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第4端子から出力する第1の3dBカプラと、
    第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子と、を有し、前記第5端子と前記第6端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第2条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第7端子から出力し、前記第5端子と前記第6端子の各々に同一周波数の信号が入力された状況で、当該同一周波数の信号の位相差が第3条件を満たす場合に、当該同一周波数の信号を前記第8端子から出力する第2の3dBカプラと、
    前記第1信号と前記第2信号とを通し、かつ、前記第3信号を反射する第1フィルタおよび第2フィルタと、
    前記第1フィルタを介して前記第2端子と前記第5端子を接続する第1伝送線路と、
    前記第2フィルタを介して前記第3端子と前記第6端子を接続する第2伝送線路と、を含み、
    前記第1フィルタの位相特性と前記第2フィルタの位相特性とは等しく、
    前記第2端子と前記第3端子の各々に入力される第3信号の位相差が前記第1条件を満たし、かつ、前記第5端子と前記第6端子の各々に入力される第1信号の位相差が前記第2条件を満たし、かつ、前記第5端子と前記第6端子の各々に入力される第2信号の位相差が前記第3条件を満たすように、前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の各々の長さと、前記第2端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第3端子から前記第2フィルタまでの長さとが、設定されている、信号分離装置。
  6. 請求項5に記載の信号分離装置において、
    前記第1の3dBカプラは、前記第3端子での合成信号の位相を、前記第2端子での合成信号の位相よりも90度遅くした状態で、前記第2端子と前記第3端子から前記合成信号を出力し、
    前記第1条件は、前記第2端子と前記第3端子に同一周波数の信号が入力されている状況下で、前記第3端子に入力された信号の位相が、前記第2端子に入力された信号の位相よりも80〜100度の範囲で遅れている、というものであり、
    前記第2条件は、前記第5端子と前記第6端子に同一周波数の信号が入力されている状況下で、前記第5端子に入力された信号の位相が、前記第6端子に入力された信号の位相よりも80〜100度の範囲で遅れている、というものであり、
    前記第3条件は、前記第5端子と前記第6端子に同一周波数の信号が入力されている状況下で、前記第6端子に入力された信号の位相が、前記第5端子に入力された信号の位相よりも80〜100度の範囲で遅れている、というものであり、
    前記第2端子から前記第1フィルタまでの長さと、前記第3端子から前記第2フィルタまでの長さと、の差は、前記第3信号の半波長のn倍(nは0以上の整数)の長さであり、
    前記第1伝送線路の長さと前記2伝送線路の長さとの差は、前記第1信号と前記第2信号のうち周波数の低い方の信号が当該差の長さの伝送線路を通過する前後で、当該信号の位相が180±10度の範囲でずれ、かつ、前記第1信号と前記第2信号のうち周波数の高い方の信号が当該差の長さの伝送線路を通過する前後で、当該信号の位相が0±10度の範囲でずれる長さである、信号分離装置。
  7. 請求項6に記載の信号分離装置において、
    前記第1伝送線路の長さと前記2伝送線路の長さとの差は、前記第1信号と前記第2信号との周波数の差の絶対値を周波数とする信号の半波長の長さである、信号分離装置。
  8. 請求項6または7に記載の信号分離装置において、
    前記nは、1以上の整数である、信号分離装置。
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