JP2011033922A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】強制初期化動作を行う回数を抑えつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させる。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルと、強制初期化動作を行うサブフィールドを含む第1のフィールドまたは強制初期化動作を行うサブフィールドを含まない第2のフィールドを用いてパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、パネルの画像表示領域を複数の部分表示領域に分割し、画像データと現フィールドの強制初期化動作の有無とに基づきそれぞれの部分表示領域における書込み放電の発生し難さを予測し不灯係数として出力する不灯係数算出部51(1)〜51(960)と、不灯係数の最大値を選択し最大不灯係数として出力する最大値選択部53と、画像データと最大不灯係数とに基づき次フィールドの構成を第1のフィールドまたは第2のフィールドに設定する初期化判定部55とを備えた。
【選択図】図7
【解決手段】プラズマディスプレイパネルと、強制初期化動作を行うサブフィールドを含む第1のフィールドまたは強制初期化動作を行うサブフィールドを含まない第2のフィールドを用いてパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、パネルの画像表示領域を複数の部分表示領域に分割し、画像データと現フィールドの強制初期化動作の有無とに基づきそれぞれの部分表示領域における書込み放電の発生し難さを予測し不灯係数として出力する不灯係数算出部51(1)〜51(960)と、不灯係数の最大値を選択し最大不灯係数として出力する最大値選択部53と、画像データと最大不灯係数とに基づき次フィールドの構成を第1のフィールドまたは第2のフィールドに設定する初期化判定部55とを備えた。
【選択図】図7
Description
本発明は、交流面放電型のプラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備え、放電セル内でガス放電により発生させた紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち初期化期間と書込み期間と維持期間とを有するサブフィールドを複数用いて1つのフィールドを構成し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドの初期化期間には初期化動作、書込み期間には書込み動作、維持期間には維持動作を行う。初期化動作は初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する動作である。初期化動作には、放電の履歴に関係なく放電セルで初期化放電を発生させる強制初期化動作と、直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み動作は表示する画像に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する動作であり、維持動作は走査電極と維持電極とに交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させる動作である。
サブフィールド法の中でも最も低い階調である黒を表示する際の輝度(以下、「黒輝度」と略記する)を下げ、階調表示に関係しない発光を極力減らしてコントラストを向上させる駆動方法が検討されている。例えば特許文献1には、強制初期化動作を行う回数を1フィールドに1回とし、緩やかに変化する傾斜波形電圧を用いて強制初期化動作を行う駆動方法が開示されている。
近年、パネルはますます大画面化、高精細化され、それに伴い表示画像のさらなる高コントラスト化、高画質化が求められている。
特許文献1には、強制初期化動作を行うサブフィールドを1フィールドに1回とすることによりコントラストを高めた駆動方法が記載されているが、それ以上にコントラストを高めるために、強制初期化動作をさらに減らした駆動を考えることができる。
しかしながら、強制初期化動作には、続く書込み期間において書込み放電を発生させるために必要な壁電荷を蓄積する働きがあり、加えて放電遅れ時間を短くして書込み放電を確実に発生させるためのプライミングを発生するという働きも持っている。そのため単純に強制初期化動作を省略すると、書込み放電が発生しない、あるいは書込み放電の放電遅れ時間が長くなりすぎて書込み動作が不安定となり、正常な画像表示ができなくなるという課題があった。
本発明は、強制初期化動作を行う回数を抑えつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させたプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルと、放電の履歴に関係なく放電セルで初期化放電を発生する強制初期化動作を行うサブフィールドを含む第1のフィールドまたは強制初期化動作を行うサブフィールドを含まない第2のフィールドを用いてパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、パネルの画像表示領域を複数の部分表示領域に分割し、画像データと現フィールドの強制初期化動作の有無とに基づきそれぞれの部分表示領域における書込み放電の発生し難さを予測し不灯係数として出力する不灯係数算出部と、不灯係数の最大値を選択し最大不灯係数として出力する最大値選択部と、画像データと最大不灯係数とに基づき次フィールドの構成を第1のフィールドまたは第2のフィールドに設定する初期化判定部とを備えたことを特徴とする。この構成により、強制初期化動作を行う回数を抑えつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させたプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
また本発明のプラズマディスプレイ装置の不灯係数算出部は、現フィールドが第2のフィールドでありかつ部分表示領域に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値以上であれば不灯係数を増加させ、現フィールドが第1のフィールドであるか部分表示領域に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値未満であれば不灯係数を減少または不変とすることが望ましい。
また本発明のプラズマディスプレイ装置の初期化判定部は、画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値未満であるか最大不灯係数が第3のしきい値以上であれば次フィールドの構成を第1のフィールドに設定することが望ましい。
また本発明のプラズマディスプレイ装置の初期化判定部が次フィールドの構成を第2のフィールドに設定する条件は、画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値以上でありかつ最大不灯係数が第3のしきい値未満であるという条件を含むことが望ましい。
また本発明のプラズマディスプレイ装置の初期化判定部が次フィールドの構成を第2のフィールドに設定する条件は、現フィールドが第1のフィールドであり、かつ最大不灯係数が第3のしきい値よりも小さい所定のしきい値未満であるという条件を含んでもよい。
本発明によれば、強制初期化動作を行う回数を抑えつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させたプラズマディスプレイ装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。保護層26は、放電を発生しやすくするために、電子放出性能の高い材料である酸化マグネシウムを用いて形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
図1は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。保護層26は、放電を発生しやすくするために、電子放出性能の高い材料である酸化マグネシウムを用いて形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成されている。そして互いに隣接して配置された、赤色に発光する放電セル、緑色に発光する放電セルおよび青色に発光する放電セルの1組が画像の最小単位である「画素」となる。
パネル10には放電空間内に放電セルがm×n個形成されている。そして放電セルが形成されている領域が画像表示領域である。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。プラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって画像を表示する。それぞれのサブフィールドは初期化動作を行う初期化期間、書込み動作を行う書込み期間、および維持動作を行う維持期間を有する。初期化期間には初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。このときの初期化動作には、放電の履歴に関係なく放電セルで初期化放電を発生させる強制初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み期間には、発光させるべき放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間には、サブフィールド毎にあらかじめ決められた輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
サブフィールド構成としては、1フィールドを、例えば10のサブフィールド(SF1、SF2、・・・、SF10)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みを持つ。そして発光させるサブフィールドの組み合わせで任意の階調を表示することができる。例えば階調「4」を表示する放電セルは輝度重み「1」のSF1と輝度重み「3」のSF3とで発光させ、階調「9」を表示する放電セルは輝度重み「1」のSF1と輝度重み「2」のSF2と輝度重み「6」のSF4とで発光させればよい。
また、黒、すなわち階調「0」は全てのサブフィールドで放電セルを発光させないことで表示することができる。この場合、黒を表示する放電セルは強制初期化動作でのみ発光するので、強制初期化動作を抑えることで黒輝度が低下し、コントラストを向上させることができる。一方、書込み放電を助けるプライミングは放電によって発生するが、黒を表示する放電セルではプライミングを発生させる機会が強制初期化動作における初期化放電しかない。したがって強制初期化動作を行う回数を抑えすぎるとプライミングが減少して書込み放電が困難となる。このように、表示する画像のコントラストと書込み放電の困難さの程度とは背反する。
本実施の形態においては、書込み放電の困難さを予測しながら書込み放電が不安定とならないように、フィールドの構成を強制初期化動作を行うサブフィールドを含む第1のフィールドと強制初期化動作を行わない第2のフィールドとのいずれかに設定している。
サブフィールドの設定の仕方については後述することとし、ここでは第1のフィールドおよび第2のフィールドの駆動電圧波形について説明する。
まず、第1のフィールドについて説明する。第1のフィールドはSF1の初期化期間において強制初期化動作を行いSF2〜SF10の初期化期間において選択初期化動作を行うフィールドである。図3は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の各電極に印加する第1のフィールドにおける駆動電圧波形図である。
第1のフィールドのSF1の初期化期間では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnにも電圧0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対する放電開始電圧以下の電圧Vi1から放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加する。すると、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こり、走査電極SC1〜SCn上に負の壁電圧が蓄積されるとともにデータ電極D1〜Dm上および維持電極SU1〜SUn上に正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
次に、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。すると走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間で再び微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の正の壁電圧が弱められるとともに、データ電極D1〜Dm上の正の壁電圧が書込み動作に適した値に調整される。
このようにしてSF1の初期化期間では、画像信号にかかわらず全ての放電セルで強制的に初期化放電を発生させ、以降の放電を発生させやすくするためのプライミングを発生するとともに書込み放電に必要な壁電荷を形成する。
続くSF1の書込み期間では、まず走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2をそれぞれ印加する。
次に、1行目の走査電極SC1に電圧Vaの走査パルスを印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間で書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルスを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで繰り返し、発光すべき放電セルに対して選択的に書込み放電を発生させ壁電荷を形成する。
続くSF1の維持期間では、まず維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SCnに電圧Vsの維持パルスを印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差は電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差を加算したものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。一方、書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnには電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧Vsの維持パルスを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり、蛍光体層35が発光する。そして維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させる。
そして維持期間の最後には、電圧Vrに向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SCnに印加する。すると維持放電を行った放電セルでは消去放電が発生して、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が消去される。
なお、輝度重みに応じた維持パルスの数が「0」の場合には、走査電極SC1〜SCnおよび維持電極SU1〜SUnに維持パルスを印加することなく、到達電圧Vrに向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SCnに印加して消去放電を発生させる。
こうして維持期間における維持動作が終了する。
続くSF2の初期化期間では選択初期化動作を行う。具体的には、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1を印加し、走査電極SC1〜SCnには電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると直前のサブフィールドであるSF1の維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドであるSF1で維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、SF1の初期化動作終了時における壁電荷がそのまま保たれる。
続くSF2の書込み期間の動作はSF2の書込み期間の動作と同様である。すなわち走査電極SC1、SC2、・・・、SCnに走査パルスを順次印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
続くSF2の維持期間の動作もSF2の維持期間の動作と同様である。すなわち輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対に印加し、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させる。そして維持期間の最後には壁電圧を消去する消去放電を行う。
続くSF3〜SF10における動作は、維持パルスの数を除いてSF2の動作と同様であるため、説明を省略する。以上がSF1の初期化期間において強制初期化動作を行う第1のフィールドである。
このように第1のフィールドは強制初期化動作を行うフィールドであり、SF1の初期化期間に全ての放電セルで強制初期化動作を行っている。したがって第1のフィールドでは、画像信号にかかわらず全ての放電セルにプライミングが供給されるので、書込み放電の困難さは少なくなる。
次に、第2のフィールドについて説明する。第2のフィールドは全てのサブフィールドの初期化期間において選択初期化動作を行い、強制初期化動作を行わないフィールドである。図4は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の各電極に印加する第2のフィールドにおける駆動電圧波形図である。
第2のフィールドのSF1の初期化期間では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。すると直前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、直前のサブフィールドまたはそれ以前のサブフィールドの初期化動作終了時における壁電荷がそのまま保たれる。
続くSF1の書込み期間では、走査電極SC1、SC2、・・・、SCnに電圧Vaの走査パルスを順次印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
続くSF1の維持期間では、輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対に印加し、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させる。そして維持期間の最後には壁電圧を消去する消去放電を行う。
続く第2フィールドのSF2〜SF10における動作は第1のフィールドのSF2〜SF10における動作と同様であるため、説明を省略する。以上が強制初期化動作を行わない第2のフィールドである。
このように第2のフィールドは強制初期化動作を行わないので、黒を表示する放電セルでは放電が発生せずプライミングが不足する。したがって第2のフィールドが連続すると書込み放電の困難さが増加することになる。
なお、本実施の形態においては、走査電極SC1〜SCnに印加する電圧Vi1は145(V)、電圧Vi2は300(V)、電圧Vi3は190(V)、電圧Vi4は−150(V)、電圧Vcは−10(V)、電圧Vaは−155(V)、電圧Vsは190(V)、電圧Vrは190(V)であり、維持電極SU1〜SUnに印加する電圧Ve1は140(V)、電圧Ve2は155(V)である。また走査電極SC1〜SCnに印加する上り傾斜波形電圧および下り傾斜波形電圧の傾斜はともに12(V/μ)以下である。またデータ電極D1〜Dmに印加する電圧Vdは75(V)である。しかしこれらの電圧値は上述した値に限定されるものではなく、パネルの放電特性やプラズマディスプレイ装置の仕様に基づき最適に設定することが望ましい。
次に、パネル10を駆動するための駆動回路とその動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置40は、パネル10とその駆動回路とを備え、駆動回路は、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45、初期化制御回路46および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動回路42はサブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する書込みパルスに変換し各データ電極D1〜Dmに印加する。
初期化制御回路46は、画像表示領域を複数の部分表示領域に分割し、それぞれの部分表示領域において、次フィールドの画像データに基づき書込み放電の困難さの程度を表す不灯係数を算出する。そしてその不灯係数に基づき、フィールド毎に第1のフィールドおよび第2のフィールドのいずれかに設定するフィールド制御信号Fをタイミング発生回路45に出力する。
タイミング発生回路45は垂直同期信号V、水平同期信号H、およびフィールド制御信号Fに基づき、各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。走査電極駆動回路43は、タイミング信号に基づいて上述した駆動電圧波形を発生し各走査電極SC1〜SCnのそれぞれに印加する。維持電極駆動回路44は、タイミング信号に基づいて上述した駆動電圧波形を発生し維持電極SU1〜SUnに印加する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の画像表示領域の分割を示す図である。図6には、1920×1080画素の画像表示領域を、縦方向に24分割、横方向に40分割して、960個の部分表示領域E(1)〜E(960)に分割した例を図示している。初期化制御回路46は、部分表示領域E(1)〜E(960)のそれぞれに対して不灯係数B(1)〜B(960)を算出する。なお画像表示領域の分割方法は上記に限定されるものではない。しかし粗く分割すると初期化制御の精度が悪くなり、細かく分割すると信号処理が煩雑になるので、1つの部分表示領域の大きさが数十画素×数十画素の程度となるように分割することが望ましい。
図7は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化制御回路46の回路ブロック図である。初期化制御回路46は、複数の不灯係数算出部51(1)〜51(960)、最大値選択部53、初期化判定部55、1フィールド遅延部57を有する。
不灯係数算出部51(1)〜51(960)は、図6に示した960個の部分表示領域E(1)〜E(960)に対応して設けられ、次フィールドの画像データおよび現フィールドのフィールド構成に基づき、部分表示領域E(1)〜E(960)のそれぞれに対応する不灯係数B(1)〜B(960)を算出する。最大値選択部53は、不灯係数B(1)〜B(960)の中から最も値の大きい不灯係数を選択し、最大不灯係数Bmaxとして出力する。
初期化判定部55は、次フィールドの画像データ、最大不灯係数Bmax、および現フィールドのフィールド構成に基づいて強制初期化動作の要否を判定し、次フィールドのフィールド構成が第1のフィールドおよび第2のフィールドのいずれかを示すフィールド制御信号Fをタイミング発生回路45に出力する。1フィールド遅延部57は初期化判定部55が出力したフィールド制御信号を1フィールドの期間、保持・遅延する。
次に、不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作を説明するためのフローチャートである。以下に、1つの不灯係数算出部51(i)が不灯係数B(i)を算出する動作について説明する。
(ステップS11)不灯係数B(i)は、最初に初期値Boに設定されているものとする。
(ステップS12)現フィールドのフィールド制御信号を入力する。そして現フィールドが強制初期化動作を行う第1のフィールドであれば、ステップS17に進み、現フィールドの不灯係数B(i)から「1」を減じる。一方、現フィールドが強制初期化動作を行わない第2のフィールドであれば、ステップS13に進む。
(ステップS13)次フィールドの画像データを入力し、部分表示領域E(i)に表示する画像データの中の黒(すなわち階調「0」)の画素数を計測する。そしてその領域内における黒の画素数の比率が第1のしきい値未満であれば、ステップS17に進み、現フィールドの不灯係数B(i)から「1」を減じる。一方、第1のしきい値以上であれば、ステップS14に進み、現フィールドの不灯係数B(i)に「1」を加算する。なお、本実施の形態においては第1のしきい値を1%と設定している。
(ステップS17)ステップS17では、現フィールドの不灯係数B(i)から「1」を減じる。ただし現フィールドの不灯係数B(i)がすでに「0」であるときは不灯係数B(i)を増減せず「0」のままとする。
(ステップS18)次フィールドの不灯係数B(i)を出力する。そしてフィールドが替わったらステップS12に戻る。
このようにして、不灯係数算出部51(i)は、現フィールドが第2のフィールドでありかつ部分表示領域E(i)に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値以上であれば不灯係数B(i)を増加させ、現フィールドが第1のフィールドであるか部分表示領域E(i)に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値未満であれば、不灯係数B(i)を減少させる。
強制初期化動作を行わずかつ書込み放電も行わない放電セルではプライミングが発生しないので、書込み放電の困難さは増加すると考えられる。したがって、現フィールドが第2のフィールドであって、かつ黒の画素数が第1のしきい値以上である部分表示領域の不灯係数は増加させる。一方、強制初期化動作を行うか、書込み放電およびそれに続く維持放電を発生させるとプライミングが発生する。したがって、現フィールドが第1のフィールドであるか、または黒の画素数が第1のしきい値未満である部分表示領域の不灯係数は減少させる。このようにして、不灯係数算出部51(1)〜51(960)のそれぞれは、対応する部分表示領域の書込み放電の困難さの程度を表す不灯係数を算出している。
次に、初期化判定部55の動作について説明する。図9は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化判定部55の動作を示すフローチャートである。
(ステップS52)次フィールドの画像データを入力し、画像表示領域全体の画像データの中の黒(すなわち階調「0」)の画素数を計測する。そして黒の画素数の比率が第2のしきい値未満であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。黒の画素数が第2のしきい値以上であればステップS54に進む。なお、本実施の形態においては第2のしきい値を30%と設定している。
(ステップS54)最大不灯係数Bmaxの値が第3のしきい値以上であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。一方、最大不灯係数Bmaxの値が第3のしきい値未満であればステップS56に進み、次フィールドのフィールド構成を第2のフィールドと設定する。なお、本実施の形態においては第3のしきい値を「3600」と設定している。
(ステップS59)次フィールドのフィールド構成を示すフィールド制御信号を出力する。そしてフィールドが替わったらステップS52に戻る。
このようにして、初期化判定部55は、画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値未満であるか、最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値以上であれば、次フィールドの構成を第1のフィールドに設定し、画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値以上であり、かつ最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値未満であれば次フィールドの構成を第2のフィールドに設定する。画像表示領域全体に対する黒の画素の比率が低い場合には、黒輝度を低下させコントラストを向上させても視覚的にその効果が認識され難いので、書込み放電の困難さを少なくすることを優先して、次フィールドを強制初期化動作を行う第1のフィールドと設定する。また黒の画素が多い場合には、コントラストを向上させた場合の視覚的効果は大きいが、最大不灯係数Bmaxの値が大きい場合には書込み放電が不安定となるおそれがあるので、やはり次フィールドを第1のフィールドと設定する。一方、黒の画素が多く、かつ最大不灯係数Bmaxの値が小さい場合には次フィールドを第2のフィールドに設定して、黒輝度を低下させてコントラストを向上させている。
次に、初期化制御回路46の動作の一例について説明する。図10は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化制御回路46の動作の一例を示す図であり、黒の画素の少ない画像と黒の画素の多い画像とが交互に表示された場合の動作を示している。なお、最初のフィールドは第1のフィールドであるものとする。
時刻t1において、黒の画素の比率が30%未満の明るい画像を表示する。すると現フィールドが第1のフィールドであるので各不灯係数算出部51(i)は、不灯係数の初期値Boから「1」を減じて不灯係数B(i)=Bo−1を出力する。したがって最大不灯係数Bmax=Bo−1である。またこのときの画像の黒の画素の比率が30%未満であるので、初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
以下同様に、黒の画素の比率が30%未満の明るい画像が続く限り第1のフィールドが続き、また最大不灯係数Bmaxは減少し続ける。ただし最大不灯係数Bmaxは「0」よりも低下することはできない。例えば不灯係数の初期値Boが「4800」であり、1フィールドが1/60(秒)と仮定すると、最大不灯係数Bmaxは1フィールド毎に「1」ずつ低下するので、80秒後に最大不灯係数Bmax=0となる。そしてそれ以降は、最大不灯係数Bmaxは「0」のままである。
時刻t2において、黒の画素の比率が30%以上の暗い画像に切り替わったとする。すると、最大不灯係数Bmaxは「3600」未満であるので、初期化判定部55は次フィールドを第2のフィールドに設定する。そして黒の画素の比率が1%以上存在する部分表示領域に対応する不灯係数算出部51(i)は、現フィールドの不灯係数B(i)=0に「1」を加算して不灯係数B(i)=1を出力する。このような部分表示領域は必ず存在するので、最大不灯係数Bmaxは「1」となる。
以下同様に、黒の画素の比率が30%以上の暗い画像が続くと最大不灯係数Bmaxは増加し続ける。
時刻t3において、最大不灯係数Bmaxが「3600」に達したとする。すると、黒の画素の比率が30%以上であっても初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
次のフィールドでは、現フィールドが第1のフィールドとなるので、不灯係数算出部51(i)は、現不灯係数B(i)=3600から「1」を減じる。したがって最大不灯係数Bmax=「3599」である。すると初期化判定部55は次フィールドを第2のフィールドに設定する。
次のフィールドでは、現フィールドが第2のフィールドとなるので、各不灯係数算出部51(i)は、現不灯係数B(i)に「1」を加算する。したがって最大不灯係数Bmax=「3600」である。すると初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
以下同様に、第1のフィールドと第2のフィールドとを交互に繰り返す。
このように、黒の画素の比率の高い暗い画像では、強制初期化動作を行わず、黒輝度を低下させてコントラストの高い画像を表示している。しかし最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値「3600」に達すると、強制初期化動作を行う第1のフィールドに設定してプライミングを発生させるので、書込み放電の困難さがこれ以上増加することがない。
時刻t4において、黒の画素が30%未満の明るい画像に切り替わったとする。すると初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
次のフィールドでは、現フィールドが第1のフィールドとなるので、不灯係数算出部51(i)は、現不灯係数B(i)から「1」を減じ、最大不灯係数Bmaxも減少する。以下、明るい画像が続くと第1のフィールドが続き、最大不灯係数Bmaxも減少し続ける。
このように本実施の形態においては、不灯係数算出部51(1)〜51(960)は、パネル10の画像表示領域を複数の部分表示領域E(1)〜E(960)に分割し、それぞれの部分表示領域において、画像データと現フィールドの強制初期化動作の有無とに基づき、それぞれの部分表示領域における書込み放電の発生し難さを予測し、その程度を表す不灯係数B(1)〜B(960)を算出する。最大値選択部53は、不灯係数B(1)〜B(960)の最大値を選択し、最大不灯係数Bmaxを出力する。そして初期化判定部55は、画像データと最大不灯係数Bmaxとに基づき、最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値を超えないように、第1のフィールドと第2のフィールドとのいずれかに設定することで、画像表示領域全面にわたって書込み放電が困難となることがないようにフィールド構成を制御している。こうして黒輝度を抑制しつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させている。
なお、上述したように本実施の形態においては、黒の画素の比率が高い暗い画像を長く表示すると第1のフィールドと第2のフィールドとを繰り返す。強制初期化動作に伴う輝度がある程度明るいと、この頻繁なフィールドの切り替えがフリッカとして認識されることがある。これを防ぐために、不灯係数の算出方法を変更した不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作を実施の形態2として以下に説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2における不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作が実施の形態1と異なる点は、不灯係数に「1」を加算する動作、「1」を減じる動作に加えて、不灯係数を不変にする動作を追加した点である。
実施の形態2における不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作が実施の形態1と異なる点は、不灯係数に「1」を加算する動作、「1」を減じる動作に加えて、不灯係数を不変にする動作を追加した点である。
図11は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置40の不灯係数算出部51(1)〜51(960)の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図8に示した実施の形態1におけるフローチャートのステップと同一のステップには同一の符号を付している。
(ステップS11)不灯係数B(i)は、最初に初期値Boに設定されているものとする。
(ステップS12)現フィールドのフィールド制御信号を入力する。そして現フィールドが強制初期化動作を行う第1のフィールドであれば、ステップS25に進み、現フィールドが強制初期化動作を行わない第2のフィールドであれば、ステップS13に進む。
(ステップS13)次フィールドの画像データを入力し、部分表示領域E(i)に表示する画像データの中の黒(すなわち階調「0」)の画素数を計測する。そしてその領域内における黒の画素数の比率が第1のしきい値未満であれば、ステップS25に進む。一方、第1のしきい値以上であれば、ステップS14に進み、現フィールドの不灯係数B(i)に「1」を加算する。なお、本実施の形態においても第1のしきい値を1%と設定している。
(ステップS25)部分表示領域E(i)に表示する画像データの中の黒の画素数の比率が第4のしきい値未満であれば、ステップS17に進み、現フィールドの不灯係数B(i)から「1」を減じる。一方、第4のしきい値以上であれば、ステップS26に進み、現フィールドの不灯係数B(i)を増減しない。なお、本実施の形態においては第4のしきい値を0.1%と設定している。
(ステップS18)次フィールドの不灯係数B(i)を出力する。そしてフィールドが替わったらステップS12に戻る。
このようにして、不灯係数算出部51(i)は、現フィールドが第2のフィールドでありかつ部分表示領域E(i)に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値以上であれば不灯係数B(i)を増加させ、現フィールドが第1のフィールドであるか部分表示領域E(i)に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値未満であれば、不灯係数B(i)を減少または不変とする。すなわち、現フィールドが第2のフィールドであって、かつ黒の画素数が第1のしきい値以上である部分表示領域の不灯係数は増加させている。一方、強制初期化動作を行うか、書込み放電およびそれに続く維持放電を発生させるとプライミングは発生するが、黒の画素が第4のしきい値以上の場合には不灯係数を変化させず、黒の画素が第4のしきい値未満の場合のみ不灯係数を減少させている。
図12は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化制御回路46の動作の一例を示す図であり、実施の形態1と同様に、黒の画素の少ない画像と黒の画素の多い画像とが交互に表示された場合の初期化制御回路46の動作を示している。
時刻t1において、黒の画素が30%未満の明るい画像を表示する。すると実施の形態1と同様に、最大不灯係数Bmax=Bo−1であり、初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。その後、第1のフィールドが続き、また最大不灯係数Bmaxは不変または減少を続ける。
時刻t2において、黒の画素が30%以上の暗い画像に切り替わったとする。するとその後、第2のフィールドに切り替わり、最大不灯係数Bmaxは増加する。
時刻t3において、最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値である「3600」に達したとする。すると、黒の画素が30%以上であっても初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
次のフィールドでは、現フィールドが第1のフィールドとなるが、黒の画素の比率が第4のしきい値以上となる部分表示領域E(i)が存在すれば、不灯係数算出部51(i)は、現不灯係数B(i)を増減することなく同じ値を出力する。したがって最大不灯係数Bmaxは「3600」のままである。その結果、引き続き初期化判定部55は次フィールドを第1のフィールドに設定する。
このように実施の形態2においては、初期化制御回路46は、最大不灯係数Bmaxが「3600」に達した後も次フィールドを第1のフィールドに設定するため、フリッカが発生するおそれがない。またこのように動作させることにより、最大不灯係数Bmaxの精度を向上することができる。
なお、実施の形態2においては、初期化判定部55の動作は実施の形態1における動作と同じであるものとして説明した。しかし、必要に応じてフィールド構成の判定条件を追加してもよい。以下に実施の形態3として、その一例について説明する。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化判定部55の動作を示すフローチャートである。なお、図9に示した実施の形態1におけるフローチャートのステップと同一のステップには同一の符号を付している。
図13は、本発明の実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置40の初期化判定部55の動作を示すフローチャートである。なお、図9に示した実施の形態1におけるフローチャートのステップと同一のステップには同一の符号を付している。
(ステップS61)次フィールドの画像信号のAPLを入力し、APLが第5のしきい値以上であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。APLが第5のしきい値未満であればステップS52に進む。なお、本実施の形態においては第5のしきい値は、例えば5%である。
(ステップS52)次フィールドの画像データを入力し、画像表示領域全体の画像データの中の黒の画素数の比率が第2のしきい値未満であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。黒の画素数が第2のしきい値以上であればステップS63に進む。ここでも第2のしきい値を30%と設定している。
(ステップS63)次フィールドの画像信号の動画/静止画を判定し、動画であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。静止画であればステップS54に進む。
(ステップS54)最大不灯係数Bmaxの値が第3のしきい値以上であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。一方、最大不灯係数Bmaxの値が第3のしきい値未満であればステップS65に進む。ここでも第3のしきい値を「3600」と設定している。
(ステップS65)現フィールドのフィールド制御信号を入力する。そして現フィールドが強制初期化動作を行う第1のフィールドであればステップS67に進む。現フィールドが強制初期化動作を行わない第2のフィールドであればステップS56に進み、次フィールドのフィールド構成を第2のフィールドと設定する。
(ステップS67)最大不灯係数Bmaxの値が、第3のしきい値よりも小さい所定のしきい値(第6のしきい値)以上であればステップS58に進み、次フィールドのフィールド構成を第1のフィールドと設定する。一方、最大不灯係数Bmaxの値が第6のしきい値未満であればステップS56に進み、次フィールドのフィールド構成を第2のフィールドと設定する。なお、本実施の形態においては第6のしきい値を第3のしきい値の1/2と設定した。
(ステップS59)次フィールドのフィールド構成を示すフィールド制御信号を出力する。そしてフィールドが替わったらステップS61に戻る。
このように、実施の形態3における初期化判定部55が次フィールドの構成を第2のフィールドに設定する条件は、画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値以上であり、かつ最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値未満であるという条件を含む。加えて、現フィールドが第1のフィールドであり、かつ最大不灯係数Bmaxが第3のしきい値よりも小さい第6のしきい値未満であるという条件を含む。
このように、実施の形態3における初期化判定部55の動作のフローは、実施の形態1における各ステップに加えて、ステップS61、ステップS63、ステップS65とステップS67、が新たに追加されている。
ステップS61は、コントラスト向上の効果の少ない画像信号を検出するために設けられており、APLの高い画像ではコントラストを向上させても視覚的にその効果が認識され難いので、次フィールドを第1のフィールドに設定する。
ステップS63は、特に静止画の多い画像信号に対してコントラストを向上させる上で有効である。静止画では各画素の階調がほとんど変化しないためプライミングが少なくても画像を表示することができる。そのため第3のしきい値を大きく設定することができ、その結果、第2のフィールドを連続して用いることができる時間を延長することができる。
ステップS65とステップS67は、ステップS54のフィールドの設定条件に、いわゆるヒステリシス特性を持たせるために設けている。すなわち、第1のフィールドから第2のフィールドに切り替わるためには最大不灯係数Bmaxの値が第6のしきい値「1800」未満でなければならず、また第2のフィールドから第1のフィールドに切り替わるためには最大不灯係数Bmaxの値が第3のしきい値「3600」以上でなければならない。このようにフィールドの設定条件にヒステリシス特性を持たせることにより、第1のフィールドと第2のフィールドとの頻繁な繰り返しを防ぎ、フリッカを抑制することができる。
なお、ステップS61、ステップS63、ステップS65とステップS67、の3つのステップの組はそれぞれ独立に作用するため、図9に示したフローに独立に追加することができる。例えば、初期化判定部55の動作のフローとして、図9に示したフローにステップS63だけを追加してもよく、また図9に示したフローにステップS61、ステップS65とステップS67を追加してもよい。
また、本発明の実施の形態1〜3において用いた具体的な各数値は単なる一例に過ぎず、何らこれらの数値に限定されるものではない。これらの数値はパネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適に設定することが望ましい。
本発明は、強制初期化動作を行う回数を抑えつつ、安定した書込み動作を行い、コントラストを向上させることができるので、プラズマディスプレイ装置として有用である。
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
32 データ電極
40 プラズマディスプレイ装置
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
46 初期化制御回路
51(1)〜51(960) 不灯係数算出部
53 最大値選択部
55 初期化判定部
57 1フィールド遅延部
22 走査電極
23 維持電極
32 データ電極
40 プラズマディスプレイ装置
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
46 初期化制御回路
51(1)〜51(960) 不灯係数算出部
53 最大値選択部
55 初期化判定部
57 1フィールド遅延部
Claims (5)
- 走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、放電の履歴に関係なく前記放電セルで初期化放電を発生する強制初期化動作を行うサブフィールドを含む第1のフィールドまたは前記強制初期化動作を行うサブフィールドを含まない第2のフィールドを用いて前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、
前記駆動回路は、
前記プラズマディスプレイパネルの画像表示領域を複数の部分表示領域に分割し、画像データと現フィールドの強制初期化動作の有無とに基づき、それぞれの部分表示領域における書込み放電の発生し難さを予測し、不灯係数として出力する不灯係数算出部と、
前記不灯係数の最大値を選択し、最大不灯係数として出力する最大値選択部と、
画像データと前記最大不灯係数とに基づき、次フィールドの構成を、前記第1のフィールドまたは前記第2のフィールドに設定する初期化判定部と
を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記不灯係数算出部は、
現フィールドが前記第2のフィールドであり、かつ前記部分表示領域に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値以上であれば、前記不灯係数を増加させ、
現フィールドが前記第1のフィールドであるか、前記部分表示領域に対応する画像データの黒を表示する画素の比率が第1のしきい値未満であれば、前記不灯係数を減少または不変とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 前記初期化判定部は、
前記画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値未満であるか、前記最大不灯係数が第3のしきい値以上であれば、次フィールドの構成を前記第1のフィールドに設定することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 前記初期化判定部が次フィールドの構成を前記第2のフィールドに設定する条件は、
前記画像表示領域全体に対する画像データの黒を表示する画素の比率が第2のしきい値以上であり、かつ前記最大不灯係数が第3のしきい値未満であるという条件を含むことを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイ装置。 - 前記初期化判定部が次フィールドの構成を前記第2のフィールドに設定する条件は、
現フィールドが前記第1のフィールドであり、かつ前記最大不灯係数が第3のしきい値よりも小さい所定のしきい値未満であるという条件を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
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